JP6574171B2 - バイオマスからの糖の製造方法 - Google Patents

バイオマスからの糖の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6574171B2
JP6574171B2 JP2016520160A JP2016520160A JP6574171B2 JP 6574171 B2 JP6574171 B2 JP 6574171B2 JP 2016520160 A JP2016520160 A JP 2016520160A JP 2016520160 A JP2016520160 A JP 2016520160A JP 6574171 B2 JP6574171 B2 JP 6574171B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biomass
reaction mixture
reactor
acid
range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016520160A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017505105A (ja
JP2017505105A5 (ja
Inventor
ステファノ ラメロ
ステファノ ラメロ
ロッセッラ ボルトーロ
ロッセッラ ボルトーロ
Original Assignee
ヴェルサリス ソシエタ ペル アチオニ
ヴェルサリス ソシエタ ペル アチオニ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ヴェルサリス ソシエタ ペル アチオニ, ヴェルサリス ソシエタ ペル アチオニ filed Critical ヴェルサリス ソシエタ ペル アチオニ
Publication of JP2017505105A publication Critical patent/JP2017505105A/ja
Publication of JP2017505105A5 publication Critical patent/JP2017505105A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6574171B2 publication Critical patent/JP6574171B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C13SUGAR INDUSTRY
    • C13KSACCHARIDES OBTAINED FROM NATURAL SOURCES OR BY HYDROLYSIS OF NATURALLY OCCURRING DISACCHARIDES, OLIGOSACCHARIDES OR POLYSACCHARIDES
    • C13K1/00Glucose; Glucose-containing syrups
    • C13K1/02Glucose; Glucose-containing syrups obtained by saccharification of cellulosic materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C13SUGAR INDUSTRY
    • C13KSACCHARIDES OBTAINED FROM NATURAL SOURCES OR BY HYDROLYSIS OF NATURALLY OCCURRING DISACCHARIDES, OLIGOSACCHARIDES OR POLYSACCHARIDES
    • C13K1/00Glucose; Glucose-containing syrups
    • C13K1/06Glucose; Glucose-containing syrups obtained by saccharification of starch or raw materials containing starch
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C13SUGAR INDUSTRY
    • C13KSACCHARIDES OBTAINED FROM NATURAL SOURCES OR BY HYDROLYSIS OF NATURALLY OCCURRING DISACCHARIDES, OLIGOSACCHARIDES OR POLYSACCHARIDES
    • C13K13/00Sugars not otherwise provided for in this class
    • C13K13/002Xylose

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

本発明は少なくとも一種の多糖を含むバイオマスからの糖の製造方法に関する。
更に詳しくは、本発明はバイオマスを1個から6個までの炭素原子、好ましくは1個から3個までの炭素原子を有する少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させることを含む少なくとも一種の多糖を含むバイオマスからの糖の製造方法に関するものであり、前記水溶液のpHは0.6 から1.6 までの範囲、好ましくは0.9 から1.3 までの範囲である。
こうして得られた糖はアルコール(例えば、エタノール、ブタノール)、ジオール(例えば、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール)、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物の製造のための発酵処理において炭素源として有利に使用し得る。前記アルコール、ジオール、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物は、化学工業又は自動車用の燃料の配合に有利に使用し得る。前記アルコール及び前記ジオールはまたバイオ−ブタジエン製造に有利に使用し得る。
バイオマス、特にリグノセルロースバイオマスからの糖の製造は、当業界で知られている。
リグノセルロースバイオマスは3種の主成分:セルロース、ヘミセルロース及びリグニンを含む複雑な構造である。それらの相対量は使用されるリグノセルロースバイオマスの型に応じて変化する。例えば、植物の場合には、前記量が植物の種及び年齢に応じて変化する。
セルロースはリグノセルロースバイオマスの主成分であり、一般にリグノセルロースバイオマスの合計質量に対して30質量%から60質量%までの範囲の量で存在する。セルロースはβ-1,4-グルコシド結合により互いに結合されたグルコース分子(約500 〜10,000単位)からなる。鎖間の水素結合の確立が耐性及び弾性を植物繊維に与える結晶性ドメインの生成を生じる。自然では、それが一年生植物、例えば、綿及び亜麻中でその純粋な状態でのみ見られ、一方、木質植物では、それが常にヘミセルロース及びリグニンにより随伴される。
ヘミセルロースは一般にリグノセルロースバイオマスの合計質量に対して10質量%から40質量%までの範囲の量で存在し、6個の炭素原子を有する糖(グルコース、マンノース、ガラクトース)そしてまた5個の炭素原子を有する糖(キシロース、アラビノース)の両方を含む、比較的短く(10〜200 分子)かつ分枝した、混合ポリマーとして出現する。植物繊維の幾つかの重要な性質はヘミセルロースの存在のためであり、その主たる性質は水が存在する場合に、膨潤を生じる、前記植物繊維の膨潤を有利にする性質である。ヘミセルロースはまた接着性を有し、それ故、硬化し、又は角質コンシステンシーを発生する傾向があり、その結果、前記植物繊維が硬質になり、一層遅く膨潤される。
リグニンは一般にリグノセルロースバイオマスの合計質量に対して10質量%から30質量%までの範囲の量で存在する。その主たる機能は種々の植物繊維を一緒に結合し、接合し、植物に圧密性及び耐性を与え、そしてまた昆虫、病原性物質、病変及び紫外光に対する保護を与える。それは主として燃料として使用されるが、可塑性ラミネート、カートン及びゴム製品用の分散剤、硬化剤、乳化剤として工業で現在広く使用される。それはまた化学的に処理されてバニリン型、シリングアルデヒド型、p-ヒドロキシベンズアルデヒド型の、芳香族化合物を生成することができ、これらが医薬化学、又は化粧工業及び食品工業で使用し得る。
エネルギー用の製品へのリグノセルロースバイオマスの変換を最適にするために、前記バイオマスを予備の処理にかけることが、リグニンを分離し、セルロース及びヘミセルロースを単純な糖、例えば、グルコース及びキシロースに加水分解するために、知られており、これらはその後に発酵処理にかけられる。
上記目的に通常使用される方法は酸加水分解であり、これは希強酸又は濃強酸の存在下で行ない得る。
例えば、米国特許第6,423,145 号はリグノセルロース物質を希酸触媒(例えば、硫酸、塩酸、硝酸、二酸化硫黄、又は約3より低いpH値を与えることができるあらゆるその他の強酸)及び金属塩をベースとする触媒(例えば、硫酸第二鉄、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム)を、希酸単独の存在下で得られる収率に対して発酵可能な糖の一層高い収率を与えるような量で含む混合物で含浸し、含浸されたリグノセルロース物質を反応器に供給し、ヘミセルロースの全て及びセルロースの45%以上を水に可溶性の糖に実質的に加水分解するのに充分な時間(例えば、1分から30分までの範囲の時間)にわたって加熱し(例えば、120 ℃から240 ℃までの範囲の温度に)、水に可溶性の糖を回収することを含む多量の発酵可能な糖を得るようにリグノセルロースバイオマスを加水分解するための方法を記載している。
国際特許出願WO 2010/102060は発酵製品を製造するための生物精製所で使用されるバイオマスの前処理方法を記載しており、その方法は下記の工程:バイオマスを処理(例えば、所望されない物質の除去、粉砕)にかけ、その後にそれを前処理に送る工程、バイオマスを約0.8 質量%から約1.1 質量%までの範囲の濃度を有する希酸(例えば、硫酸)を約130 ℃から約170 ℃までの範囲の温度で、約8分から約12分までの範囲の時間にわたって適用することにより前処理にかける工程(発酵製品が前処理されたバイオマスをキシロースを含む液体成分とグルコースが得られる固体成分に分離することにより得られる)、及びキシロースを発酵のために回収する工程を含み、そのバイオマスがリグノセルロース物質を含み、そのリグノセルロース物質がトウモロコシ穂軸、トウモロコシ植物殻、トウモロコシ植物葉及びトウモロコシ植物茎を含む。
国際特許出願WO 2010/071805はリグノセルロース物質を低苛酷度の作業条件下で行なわれる第一の前処理にかけて第一生成物を得、前記第一生成物を水溶液中の希酸(例えば、硫酸、亜硫酸、二酸化硫黄、リン酸、炭酸)と接触させて第二生成物を得ることを含むリグノセルロース物質の前処理方法を記載している。前記2工程方法はバイオエタノールの製造に有益な製品を提供することができる。
米国特許出願第2010/0227369 号は前処理され、第一成分及び第二成分に分離されたバイオマスから発酵製品を発酵システムで製造するための方法を記載しており、その方法は下記の工程:第一成分を発酵システムに供給する工程、発酵システムにエタノールを生成し得る生物(“エタノロゲン”)を用意する工程、第一成分及びエタノールを生成し得る生物(“エタノロゲン”)を18時間以上の時間にわたって発酵システム中で約26℃から約37℃までの範囲の温度及び約4.5 から約6.0 までの範囲のpHに維持する工程、発酵生成物を発酵システムから回収する工程を含み、エタノールを生成し得る生物(“エタノロゲン”)は第一成分1リットル当り150 グラムより少ない量(乾燥質量)のエタノールを生成し得る生物(“エタノロゲン”)で発酵システムに供給され、そのバイオマスはリグノセルロース物質を含み、そのリグノセルロース物質は下記の成分:トウモロコシ穂軸、トウモロコシ植物殻、トウモロコシ植物葉及びトウモロコシ植物茎の少なくとも一種を含み、その第一成分はペントースを含み、そのペントースはキシロースを含み、エタノールを生成し得る生物(“エタノロゲン”)はキシロースをエタノールに発酵し得る。バイオマスの前処理は前記バイオマスを酸、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸、又はこれらの混合物と接触させることにより行なわれることが好ましい。
米国特許出願第2008/0274509 号はa)リグノセルロース物質を水の存在下で硫酸、アルカリ、ペルオキソ二硫酸塩、過酸化カリウム、及びこれらの混合物からなる群から選ばれた化合物で前処理して、水相を得、そしてb)水相の除去及び得られた生成物の洗浄後に、前記生成物を水の存在下で加水分解に有益な酵素で処理して、加水分解された生成物を得ることを得ることを含む前記リグノセルロース物質からの加水分解された生成物の調製方法を記載しており、前記加水分解された生成物は発酵のための炭素源として適している。
Tsoutsos T. らは、“Energies”(2011), 4巻, 1601-1623頁に、リグノセルロースバイオマスからのバイオエタノールの製造のための発酵可能な糖の溶液の製造の最適化を記載している。これに関して、そのリグノセルロースバイオマスは希酸の存在下で、2工程加水分解方法にかけられる。特に、試験が3%−4%までの濃度に希釈された酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸)の存在下で100 ℃から240 ℃までの範囲の温度で行なわれた。ヘミセルロースの加水分解は110 ℃から140 ℃までの範囲の温度で起こり、一方、結晶性セルロースは170 ℃まで実際にそのまま残り、240 ℃で加水分解される。
Gonzales-Hernandez J. C.らは、“Journal of the Mexican Chemical Society”(2011), 56 (4) 巻, 395-401 頁に、タマリンド種子からの多糖の加水分解を記載している。特に、タマリンド種子が種々の作業条件下で、即ち、86℃から130.2 ℃までの範囲の温度で、0.32%から3.68% (v/v) までの範囲の硝酸又は硫酸の濃度で、かつ13.2分から40分までの範囲の接触時間で作業する加水分解にかけられた。温度及び時間が糖の加水分解に主に影響する因子であることが観察され、特に、両方の酸についての最良の作業条件は、130.2 ℃に等しい温度、2% (v/v)に等しい濃度、30分の接触時間であり、糖の収量が約110 g/lに等しかった。
Shatalov A.A.らは、“Chemical Engineering & Process Technology” (2011), 2 卷, 5号, 1-8頁に、アザミ(シナラ・カルダンクラス(Cynara cardunculus) L.)からの、希硫酸の存在下で、低温で、単一工程での加水分解による、キシロースの製造を記載している。特に、最適条件、即ち、138.5 ℃に等しい温度、51.7分に等しい時間、1.28%に等しい酸の濃度で作業する場合、セルロースの低い分解及びフルフラールの低い製造(アザミ100g当りのグルコース=2.3gかつフルフラール (F) 1.04 g)でもって、86%に等しいキシロースの回収がある。
しかしながら、上記方法は、幾つかの欠点を有し得る。
例えば、酸加水分解が高温、例えば、140 ℃より高い温度で行なわれる場合、反応副生物、例えば、フルフラール (F)、ヒドロキシ−メチル−フルフラール (HMF)、フェノール化合物が生成され、これらは糖の脱水及びリグニンの部分解重合に由来し、これらの副生物は糖のその後の発酵処理に通常使用される微生物の成長阻害物質として作用し、これらの方法の効率及び生産性のかなりの低下を生じる。
逆に、酸加水分解が低温、例えば、140 ℃より低い温度で行なわれる場合、リグノセルロースバイオマスの制限された分解が得られ、前記分解はセルロース繊維をそれらを覆っているリグニン格子から除いてそれらがその後の酵素加水分解工程で有利に使用されることを可能にするのに必要である。酵素加水分解に通常使用される酵素(例えば、セルラーゼ)がリグニンにより覆われたセルロース繊維に到達することは実際に困難である。
上記欠点を解消しようとする試みが実際に当業界でなされていた。
例えば、国際特許出願WO 2010/069583 は、バイオマスを160 ℃以上、好ましくは160 ℃から230 ℃までの範囲の温度で、少なくとも一種の有機酸、好ましくはp-トルエン−スルホン酸、2-ナフタレン−スルホン酸、1,5-ナフタレン−ジスルホン酸の水溶液と接触させることを含む少なくとも一種の多糖からの一種以上の糖の製造方法を記載している。前記特許出願において、4個から16個までの炭素原子、好ましくは8個から12個までの炭素原子を有するアルキル−スルホン酸、更に好ましくはオクチル−スルホン酸及びドデシル−スルホン酸がまた挙げられている。しかしながら、報告された加水分解の唯一の例は2-ナフタレン−スルホン酸の使用に関する。
国際特許出願WO 2010/015404はバイオマスを80℃から140 ℃までの範囲、好ましくは100 ℃から125 ℃までの範囲の温度で、7個から20個までの炭素原子、好ましくは9個から15個までの炭素原子を有する少なくとも一種の有機酸、更に好ましくはp-トルエン−スルホン酸、2-ナフタレン−スルホン酸、1,5-ナフタレン−ジスルホン酸の水溶液と接触させることを含む少なくとも一種の多糖を含むバイオマスからの糖の製造方法を記載している。
しかしながら、本件出願人は上記された有機酸の使用が所望の結果が、特に糖の収率及び副生物の生成に関して、得られることを常に可能にするとは限らないことを観察した。
それ故、本件出願人はヘミセルロース成分の高転化率及びその結果としての5個から6個までの炭素原子を有する糖、特に5個の炭素原子を有する糖、例えば、キシロース、アラビノースの高収率(即ち、95%以上の5個から6個までの炭素原子を有する糖の収率:前記収率は出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して計算される)及び副生物[例えば、フルフラール (F)、ヒドロキシ−メチル−フルフラール (HMF)]の低い量(即ち、3%以下の副生物の量:前記量は以下に記載されるように計算される)を与えることができるバイオマスからの糖の製造方法を見い出すという課題を考慮した。
今、本件出願人はバイオマス、特に少なくとも一種の多糖を含むバイオマスからの糖の製造がバイオマスを1個から6個までの炭素原子、好ましくは1個から3個までの炭素原子を有する少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させることを含む方法により有利に行ない得ることを見い出し、前記水溶液のpHは0.6 から1.6 までの範囲、好ましくは0.9 から1.3 までの範囲である。
多くの利点が前記方法で得られる。例えば、前記方法はヘミセルロースの高転化率及びその結果としての前記バイオマスの酸加水分解に由来する、5個から6個までの炭素原子を有する糖、特に5個の炭素原子を有する糖、例えば、キシロース、アラビノースの高収率(即ち、95%以上の5個から6個までの炭素原子を有する糖の収率:前記収率は出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して計算される)を得ることを可能にし、前記糖はその後にアルコール(例えば、エタノール、ブタノール)、ジオール(例えば、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール)、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物の製造のための発酵処理において炭素源として使用し得る。前記アルコール、ジオール、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物は、化学工業又は自動車用燃料の生成に有利に使用し得る。前記アルコール及び前記ジオールはまたバイオ−ブタジエン製造に有利に使用し得る。
更に、ヘミセルロース成分の高転化率及びその結果としての5個から6個までの炭素原子を有する糖、特に5個の炭素原子を有する糖、例えば、キシロース、アラビノースの高収率を得る可能性は、その後の発酵に特に5個の炭素原子を有する糖に富む糖の溶液、又は特に5個の炭素原子を有する糖に富む糖の前記溶液と、特に6個の炭素原子を有する糖に富む溶液(例えば、セルロースの酵素加水分解に由来する糖の溶液)の混合物を送り、その結果、前記発酵処理を最適化することを可能にする。実際に、発酵に使用される微生物が供給原料中で供給される糖に応じて、例えば、中間体生成物の蓄積、望ましくない代謝産物の蓄積に関して異なる特性を有する発酵されたバイオマスを与えることが知られている。発酵処理に使用される微生物が供給原料に感受性であることがまた知られており、例えば、微生物の幾つかの株が過剰の量の5個の炭素原子を有する糖に耐えられない。それ故、糖溶液の2種の異なる型、即ち、5個の炭素原子を有する糖に特に富む糖の溶液、そしてまた6個の炭素原子を有する糖に特に富む糖の溶液を有することができ、糖の前記溶液が異なる発酵処理に予定され、その結果として、微生物の異なる株の栄養要件に関する一層大きい適合により前記発酵処理を最適化することを可能にすることは極めて有利である。
また、ヘミセルロースの加水分解から得られた5個から6個までの炭素原子を有する糖の量が、出発バイオマスの型に依存することが注目されるべきである。実際に、先に既に挙げられたように、セルロース成分、ヘミセルロース成分及びリグニン成分の量はバイオマスの型に応じて変化することが知られている。
更に、前記方法はまた広い温度範囲(即ち、100 ℃〜180 ℃の範囲内)が採用されることを可能にし、また高温(即ち、140 ℃以上の温度)で、低い量の副生物[例えば、フルフラール (F)、ヒドロキシ−メチル−フルフラール (HMF)]を得ることを可能にし、これらの副生物は、先に報告されたように、糖のその後の発酵処理に通常使用される微生物の成長阻害物質として作用する。
更に、前記の広い温度範囲内で作業する可能性は工業上の観点からかなりの利点に相当する。何とならば、バイオマスが少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させられる反応器内の予期されない温度上昇は、一般に既知の技術の方法の場合のような、副生物[例えば、フルフラール (F)、ヒドロキシ−メチル−フルフラール (HMF)]の一層大きい生成を生じないからである。
それ故、本発明の対象はバイオマスを1個から6個までの炭素原子、好ましくは1個から3個までの炭素原子を有する少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させることを含む少なくとも一種の多糖を含むバイオマスからの糖の製造方法に関するものであり、前記水溶液のpHは0.6 から1.6 までの範囲、好ましくは0.9 から1.3 までの範囲である。
本記載及び下記の特許請求の範囲の目的のために、数的範囲の特定は特に明記されない限り極値を含む。
本記載及び下記の特許請求の範囲の目的のために、“含む”という用語はまた“実質的に・・からなる”又は“からなる”という用語を含む。
本記載及び下記の特許請求の範囲の目的のために、“5個から6個までの炭素原子を有する糖”という用語はペントース糖、又は更に単純にペントース(これは化学式C5H10O5 を有する5個の炭素原子を含む単糖類炭水化物である)、及びヘキソース糖、又は更に単純にヘキソース(これは化学式C6H12O6 を有する6個の炭素原子を含む単糖類炭水化物である)をそれぞれ表す。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記多糖がセルロース、ヘミセルロース、又はこれらの混合物から選ばれる。ヘミセルロース、又はヘミセルロースとセルロースの混合物が、特に好ましい。
本発明の更に好ましい実施態様によれば、前記バイオマスがリグノセルロースバイオマスである。先に既に報告されたように、リグノセルロースバイオマスは3成分:ヘミセルロース、セルロース及びリグニンを含む。
好ましくは、前記リグノセルロースバイオマスが
特別にエネルギー用に栽培された穀物の産物(例えば、ススキ、アワ、コモンケイン(common cane ))、(前記穀物又はそれらの加工の廃棄産物、残渣及びスクラップを含む);
−木材、植物、農業的加工、造林及び育林の残渣及び廃棄産物を含む、農業的栽培、造林及び育林の産物;
−ヒト栄養又は畜産に予定された農業−食品産物の廃棄物;
−紙工業の、化学的に処理されていない、残渣;
−固体の都市廃棄物(例えば、植物起源の都市廃棄物、紙)の分別収集に由来する廃棄産物
から選ばれる。
本発明の特に好ましい実施態様によれば、前記リグノセルロースバイオマスがグアユール(グアユールゴムノキ)、アザミ(シナラ・カルダンクラスL.)、針葉樹(マツ、モミの木)から選ばれる。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記バイオマスが予備粉砕処理にかけられ、その後に少なくとも一種の有機酸の前記水溶液と接触させられる。前記バイオマスは0.1 mmから10mmまでの範囲、更に好ましくは0.5 mmから4 mmまでの範囲の直径を有する粒子が得られるまで粉砕されることが好ましい。2 mm未満の直径を有する粒子が特に好ましい。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記の少なくとも一種の有機酸が一般式 (I):
R-SO3H (I)
(式中、Rは線状又は分枝C1-C6 、好ましくはC1-C3 アルキル基を表す)
を有するアルキル−スルホン酸から選ばれる。
本発明の特に好ましい実施態様によれば、前記の少なくとも一種の有機酸がメタン−スルホン酸(CH3-SO3H)である。
本発明の好ましい実施態様によれば、バイオマスからの糖の前記製造方法が
−バイオマスを反応器中で前記の少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させて第一反応混合物を得、
−反応器を所望の温度、好ましくは100 ℃から180 ℃までの範囲、更に好ましくは130 ℃から150 ℃までの範囲の温度に、20分から2時間までの範囲、好ましくは40分から1時間までの範囲の時間にわたって加熱して、第一固体相及び第一水相を含む第二反応混合物を得、
−必要により、第一固体相及び第一水相を含む前記第二反応混合物を前記所望の温度で30秒から1時間までの範囲、好ましくは5分から20分までの範囲の時間にわたって維持し、
−前記第二反応混合物を前記反応器から除去することを含む。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記バイオマスが前記第一反応混合物中で前記第一反応混合物の合計質量に対して、5質量%から40質量%まで、好ましくは20質量%から35質量%までの範囲の量で存在し得る。
本発明の目的のために、前記反応器が当業界で知られている反応器、例えば、オートクレーブ、固定床反応器、バイオマスの連続供給によるスラリー反応器(CSTR−“連続撹拌タンク反応器”)、押出機から選ばれる。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記反応器がバイオマスの連続供給によるスラリー反応器(CSTR−“連続撹拌タンク反応器”)から選ばれる。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記第一固体相がリグニン及びセルロースを含み、かつ前記第一水相が5個から6個までの炭素原子を有する少なくとも一種の糖及び前記の少なくとも一種の有機酸を含む。前記の少なくとも一種の有機酸はバイオマスと接触させられる有機酸である。前記の少なくとも一種の糖が、特に、キシロースである。前記キシロースはヘミセルロースの酸加水分解に由来する。アラビノース、マンノース、ガラクトース、グルコースがまた前記第一水相中に存在し得る。
前記第一固体相及び前記第一水相は当業界で知られている技術、例えば、濾過、遠心分離により分離し得る。前記相が濾過により分離されることが好ましい。
5個から6個までの炭素原子を有する前記糖及び少なくとも一種の有機酸を前記水相から回収するために、前記第一水相が当業界で知られている処理にかけられる。例えば、前記第一水相が、例えば、米国特許第5,726,046 号及び同第5,820,687 号に記載されているような樹脂による分離工程にかけられ、又はそれが、例えば、先に報告された国際特許出願WO 2010/015404及びWO 2010/069583に記載されたように水に不溶性の有機溶媒による抽出工程にかけられる。前記工程の終了時に、前記有機酸を含む第二固体相及び5個から6個までの炭素原子を有する少なくとも一種の糖を含む第二水相が、得られる。
前記有機酸はその後に続いて本発明の方法対象に従って再使用し得る。
5個から6個までの炭素原子を有する少なくとも一種の糖を含む前記第二水相は、アルコール(例えば、エタノール、ブタノール)の製造のための発酵処理にそのまま使用でき、又は6個の炭素原子を有する糖に特に富む溶液との混合物中で使用し得る。前記アルコールは自動車用のバイオ燃料として、又は自動車用の燃料に添加し得る成分として有利に使用し得る。また、5個から6個までの炭素原子を有する糖を少なくとも含む前記第二水相は、脂質の製造のための発酵処理に、そのまま使用でき、又は6個の炭素原子を有する糖に特に富む溶液との混合物中で使用し得る。前記脂質はそのまま、又は自動車用のその他の燃料との混合物中に使用し得るバイオディーゼル又は生ディーゼルの製造に有利に使用し得る。
また、本発明は先に報告されたバイオマスからの糖の製造方法に関するものであり、前記糖がアルコール(例えば、エタノール、ブタノール)、ジオール(例えば、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール)、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物の製造のための発酵処理において炭素源として使用し得る。
更にまた、本発明は化学工業又は自動車用の燃料の配合における前記アルコール、ジオール、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物の使用だけでなく、バイオ−ブタジエン製造における前記アルコール及び前記ジオールの使用に関する。
先に既に報告されたように、本発明の方法対象は、ヘミセルロースの酸加水分解に由来する、5個から6個までの炭素原子を有する少なくとも一種の糖、特に5個の炭素原子を有する少なくとも一種の糖、例えば、キシロース、アラビノースを、高収率で得ることを可能にする。更に詳しくは、前記方法は95%以上の5個から6個までの炭素原子を有する糖の収率が得られることを可能にし、前記収率は出発バイオマス中に存在するヘミセルロースの合計量に対して計算される。更に、本発明の方法対象は、70%以上の5個から6個までの炭素原子を有する糖の含量(%)が得られることを可能にし、前記含量は以下に記載されるように計算される。
また、本発明の方法対象はセルロース及びリグニンの高収率が得られることを可能にする。
本発明の方法対象に従って得られた、セルロース及びリグニンを含む前記第一固体相は、セルロースをグルコースに加水分解するために、酵素加水分解方法に使用し得る。酵素加水分解方法は、例えば、米国特許第5,628,830 号、同第5,916,780 号及び同第6,090,595 号に記載されたような当業界で知られている技術に従って、商用酵素、例えば、個々に使用され、又は互いに混合される、セルクラスト1.5L(ノボエンザイムズ)、エコナーゼCE(ローム・エンザイムズ)、スペザイム(ゲネコル)、ノボジム 188(ノボザイムズ)を使用して行ない得る。
リグニンを含む第三固体相及びセルロースの加水分解に由来するグルコースを含む第三水相は、前記第一固体相の酵素加水分解から得られる。
前記第三固体相及び前記第三液体相は当業界で知られている技術、例えば、濾過、遠心分離により分離し得る。前記相が濾過により分離されることが好ましい。
グルコースを含む前記第三水相はアルコール(例えば、エタノール、ブタノール)の製造のための発酵処理において原料として、そのまま使用でき、又は5個の炭素原子を有する糖に特に富む溶液との混合物中で使用し得る。前記アルコールは自動車用のバイオ燃料として、又は自動車用の燃料に添加し得る成分として有利に使用し得る。また、グルコースを含む前記第三水相は、脂質の製造のための発酵処理に、そのまま使用でき、又は5個の炭素原子を有する糖に特に富む溶液との混合物中で使用し得る。前記脂質はそのまま、又は自動車用のその他の燃料との混合物中に使用し得るバイオディーゼル又は生ディーゼルの製造に有利に使用し得る。
リグニンを含む、前記第三固体相は、燃料、例えば、バイオマスの処理方法を持続するのに必要なエネルギーを生じるための燃料としてアップグレードし得る。
発酵処理が当業界で、例えば、米国特許出願第2013/0224333 号及び国際特許出願WO 2008/141317(酵母の存在下の発酵)又は米国特許出願第2010/0305341号及び国際特許出願WO 2011/051977(遺伝子変性された油性酵母の存在下の発酵)、又は国際特許出願WO 2010/127319(遺伝子変性された微生物の存在下の発酵)に記載されている。
幾つかの例示の例及び非限定例が本発明の一層良い理解及びその実用的な実施態様について以下に提示される。
分析方法及び特性決定方法
以下に報告される分析方法及び特性決定方法が使用された。
出発バイオマスの分析
出発バイオマスが、例えば、Van Soest, P.J.及びWine, R.H.著“繊維供給原料の分析における洗剤の使用 IV. 植物細胞壁成分の測定”、“Journal of Association of Official Analytical Chemistry ”(1967), 50巻, 50-55 頁に記載されたように、バン・ソエスト繊維フラクションシステムにより細胞壁の成分、特にヘミセルロース、セルロース及びリグニンの定量により分析された。
第一水相中に存在する化合物の分析
第一水相中に存在する糖の分析が下記の作業条件を使用してイオンクロマトグラフィーにより行なわれた。
−装置:ジオネックスIC3000、カラムPA100;
−溶離剤:水酸化ナトリウム(NaOH)(100 mM)−200 mMの水酸化ナトリウム(NaOH)中0.6 Mの酢酸ナトリウム(CH3COONa);
−溶離プログラム:勾配、電気化学検出器。
第一水相中に存在する副生物、即ち、フルフラール (F)及びヒドロキシ−メチル−フルフラール (HMF)の分析が、下記の作業条件を使用して液体クロマトグラフィーにより行なわれた。
−装置:HP 1100 、カラムイナートシルC18 ;
−溶離剤:リン酸0.01 M−アセトニトリル(CH3CN );
−溶離プログラム:勾配、UV-DAD検出器。
収率、5個の炭素原子を有する糖の含量及び副生物の生成の計算
収率が、分析結果(即ち、上記されたように行なわれた第一水相中に存在する化合物の分析)に基づいて、下記の式:
収率:(mC5 + mC6)/mヘミセルロース*100
(式中、
−C5=溶液中に存在するペントース、
−C6=溶液中に存在するヘキソース、
−m=化合物の分子量、
−ヘミセルロース=出発バイオマス中に含まれるヘミセルロース)
に従って、出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対する、前記第一水相中に存在する5個及び6個の炭素原子を有する糖[即ち、それぞれ、ペントース(C5)及びヘキソース(C6)]の%比として表された。
また、第一水相中に存在する5個の炭素原子を有する糖(即ち、ペントース)の含量(%)が、それぞれの例について、下記の式:
含量C5:mC5/(mC5 + mC6)*100
(式中、C5、C6及びmは上記されたのと同じ意味を有する)
に従って測定された。
副生物、即ち、ヒドロキシ−メチル−フルフラール (HMF)及びフルフラール (F)の生成を有効に表すために、分解比が下記の式:
分解比C6:mHMF/(mC6 + mHMF)*100
分解比C5:mF/(mC5 + mF)*100
(式中、C5、C6及びmは上記されたのと同じ意味を有し、
F=フルフラール、
HMF =ヒドロキシ−メチル−フルフラール)
に従って計算された。
実施例1(本発明)
既に粉砕された針葉樹材(粒子直径<2 mm)25 gをオープン−トップビュッチ(Buechi )オートクレーブ型式3E/1.0ltに仕込んだ。
次いでpH 1.1のメタン−スルホン酸(CH3-SO3H)の水溶液500gを仕込んだ。こうして得られた第一反応混合物を、140 ℃の温度に達するまで、45分の期間にわたって激しい撹拌(600 回転/分)下に保ち、リグニン及びセルロースを含む第一固体相及びヘミセルロースに由来する糖を含む第一水相を含む第二反応混合物を得た。
オートクレーブを放置して室温(23℃)に冷却した後、前記相を濾過により分離した。
上記されたように測定された、出発バイオマスの組成は、以下のとおりであった:出発バイオマスの合計質量に対して、45.1質量%のセルロース、25.2質量%のヘミセルロース、24.4質量%のリグニン。残りの部分は有機酸、タンパク質及び非タンパク質含窒素物質、脂質、無機塩からなることが判明した。
第一水相を上記されたように分析して、下記の結果を得た:
−収率:97.6%(出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して)、
−分解比C6:1.9 %、
−分解比C5:0.9 %、
−C5含量:83.7%。
実施例2(本発明)
既に粉砕されたアザミバガス(シナラ・カルダンクラスL.)(粒子直径<2 mm)25 gをオープン−トップビュッチオートクレーブ型式3E/1.0ltに仕込んだ。
次いでpH 1.1のメタン−スルホン酸(CH3-SO3H)の水溶液500gを仕込んだ。こうして得られた第一反応混合物を、140 ℃の温度に達するまで、45分の期間にわたって激しい撹拌(600 回転/分)下に保ち、リグニン及びセルロースを含む第一固体相及びヘミセルロースに由来する糖を含む第一水相を含む第二反応混合物を得た。
オートクレーブを放置して室温(23℃)に冷却した後、前記相を濾過により分離した。
上記されたように測定された、出発バイオマスの組成は、以下のとおりであった:出発バイオマスの合計質量に対して、41.2質量%のセルロース、17.5質量%のヘミセルロース、25.7質量%のリグニン。残りの部分は有機酸、タンパク質及び非タンパク質含窒素物質、脂質、無機塩からなることが判明した。
第一水相を上記されたように分析して、下記の結果を得た:
−収率: 96.1%(出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して)、
−分解比C6:1. 4 %、
−分解比C5:0.9 %、
−C5含量: 74.3%。
実施例3(本発明)
既に粉砕されたグアユールバガス(グアユールゴムノキ.)(粒子直径<2 mm)25 gをオープン−トップビュッチオートクレーブ型式3E/1.0ltに仕込んだ。
次いでpH 1.1のメタン−スルホン酸(CH3-SO3H)の水溶液500gを仕込んだ。こうして得られた第一反応混合物を、140 ℃の温度に達するまで、45分の期間にわたって激しい撹拌(600 回転/分)下に保ち、リグニン及びセルロースを含む第一固体相及びヘミセルロースに由来する糖を含む第一水相を含む第二反応混合物を得た。
オートクレーブを放置して室温(23℃)に冷却した後、前記相を濾過により分離した。
上記されたように測定された、出発バイオマスの組成は、以下のとおりであった:出発バイオマスの合計質量に対して、42.9質量%のセルロース、21,2質量%のヘミセルロース、26.3質量%のリグニン。残りの部分は有機酸、タンパク質及び非タンパク質含窒素物質、脂質、無機塩からなることが判明した。
第一水相を上記されたように分析して、下記の結果を得た:
−収率: 98.8%(出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して)、
−分解比C6: 0.0 %、
−分解比C5: 1.6 %、
−C5含量: 80.6%。
例4(比較例)
既に粉砕された針葉樹材(粒子直径<2 mm)25 gをオープン−トップビュッチオートクレーブ型式3E/1.0ltに仕込んだ。
次いでpH 1.1のp-トルエンスルホン酸(CH3C6H4-SO3H)の水溶液500gを仕込んだ。こうして得られた第一反応混合物を、140 ℃の温度に達するまで、45分の期間にわたって激しい撹拌(600 回転/分)下に保ち、リグニン及びセルロースを含む第一固体相及びヘミセルロースに由来する糖を含む第一水相を含む第二反応混合物を得た。
オートクレーブを放置して室温(23℃)に冷却した後、前記相を濾過により分離した。
上記されたように測定された、出発バイオマスの組成は、以下のとおりであった:出発バイオマスの合計質量に対して、45.1質量%のセルロース、25.2質量%のヘミセルロース、24.4質量%のリグニン。残りの部分は有機酸、タンパク質及び非タンパク質含窒素物質、脂質、無機塩からなることが判明した。
第一水相を上記されたように分析して、下記の結果を得た:
−収率: 83.6%(出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して)、
−分解比C6: 5.0 %、
−分解比C5: 3.7 %、
−C5含量: 77.3%。
例5(比較例)
既に粉砕されたアザミバガス(シナラ・カルダンクラスL.)(粒子直径<2 mm)25 gをオープン−トップビュッチオートクレーブ型式3E/1.0ltに仕込んだ。
次いでpH 1.1のp-トルエンスルホン酸(CH3C6H4-SO3H)の水溶液500gを仕込んだ。こうして得られた第一反応混合物を、140 ℃の温度に達するまで、45分の期間にわたって激しい撹拌(600 回転/分)下に保ち、リグニン及びセルロースを含む第一固体相及びヘミセルロースに由来する糖を含む第一水相を含む第二反応混合物を得た。
オートクレーブを放置して室温(23℃)に冷却した後、前記相を濾過により分離した。
上記されたように測定された、出発バイオマスの組成は、以下のとおりであった:出発バイオマスの合計質量に対して、41.2質量%のセルロース、17.5質量%のヘミセルロース、25.7質量%のリグニン。残りの部分は有機酸、タンパク質及び非タンパク質含窒素物質、脂質、無機塩からなることが判明した。
第一水相を上記されたように分析して、下記の結果を得た:
−収率: 88.1%(出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して)、
−分解比C6:3.8 %、
−分解比C5:8.8 %、
−C5含量:72.9%。
例6(比較例)
既に粉砕されたグアユールバガス(グアユールゴムノキ)(粒子直径<2 mm)25 gをオープン−トップビュッチオートクレーブ型式3E/1.0ltに仕込んだ。
次いでpH 1.1のp-トルエンスルホン酸(CH3C6H4-SO3H)の水溶液500gを仕込んだ。こうして得られた第一反応混合物を、140 ℃の温度に達するまで、45分の期間にわたって激しい撹拌(600 回転/分)下に保ち、リグニン及びセルロースを含む第一固体相及びヘミセルロースに由来する糖を含む第一水相を含む第二反応混合物を得た。
オートクレーブを放置して室温(23℃)に冷却した後、前記相を濾過により分離した。
上記されたように測定された、出発バイオマスの組成は、以下のとおりであった:出発バイオマスの合計質量に対して、42.9質量%のセルロース、21.2質量%のヘミセルロース、26.3質量%のリグニン。残りの部分は有機酸、タンパク質及び非タンパク質含窒素物質、脂質、無機塩からなることが判明した。
第一水相を上記されたように分析して、下記の結果を得た:
−収率: 91.2%(出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して)、
−分解比C6: 0.0 %、
−分解比C5: 4.8 %、
−C5含量: 74.6%。
上記された実施例から、同じ条件下で作業して、メタン−スルホン酸が本発明に従って使用された[実施例1−3(本発明)]に対して、p-トルエンスルホン酸[例4−6(比較例)]を使用して、5個から6個までの炭素原子を有する糖の収率が一層低いと判明し、副生物[即ち、フルフラール (F)及びヒドロキシ−メチル−フルフラール (HMF)]の量が一層高いと判明したことが明らかである。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕少なくとも一種の多糖を含むバイオマスからの糖の製造方法であって、バイオマスを1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜3個の炭素原子を有する少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させる工程を含み、前記水溶液のpHが0.6〜1.6の範囲、好ましくは0.9〜1.3の範囲であることを特徴とする、方法。
〔2〕前記多糖が、セルロース、ヘミセルロース、又はこれらの混合物から、好ましくはヘミセルロース、又はヘミセルロースとセルロースとの混合物から選択される、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記バイオマスが、リグノセルロースバイオマスであり、好ましくは
−特別にエネルギー用に栽培された穀物の産物(例えば、ススキ、アワ、コモンケイン)であって、前記穀物又はそれらの加工の廃棄産物、残渣及びスクラップを含む、産物、−木材、植物、並びに農業的加工、造林及び育林の残渣及び廃棄産物を含む、農業的栽培、造林及び育林の産物、
−ヒト栄養又は畜産に予定された農業−食品産物の廃棄物、
−紙工業の、化学的に処理されていない残渣、
−固体の都市廃棄物(例えば、植物起源の都市廃棄物、紙)の分別収集に由来する廃棄産物
から選択される、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記リグノセルロースバイオマスが、グアユール(グアユールゴムノキ)、アザミ(シナラ・カルダンクラスL.)、針葉樹(マツ、モミの木)から選択される、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔5〕前記バイオマスを予備の粉砕処理に供し、その後に前記少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させる、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の方法。
〔6〕前記少なくとも一種の有機酸が、一般式 (I)、
R−SO 3 H (I)
(式中、Rは線状又は分枝C 1 −C 6 、好ましくはC 1 −C 3 アルキル基を表す)
を有するアルキル−スルホン酸から選択される、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の方法。
〔7〕前記少なくとも一種の有機酸が、メタン−スルホン酸(CH 3 −SO 3 H)である、前記〔6〕に記載の方法。
〔8〕以下の工程、
−バイオマスを反応器中で前記少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させて第一反応混合物を得る工程、
−前記反応器を所望の温度、好ましくは100℃〜180℃の範囲、より好ましくは130℃〜150℃の範囲の温度に、20分〜2時間の範囲、好ましくは40分〜1時間の範囲の時間にわたって加熱して、第一固体相及び第一水相を含む第二反応混合物を得る工程、
−任意に、第一固体相及び第一水相を含む前記第二反応混合物を前記所望の温度で30秒〜1時間の範囲、好ましくは5分〜20分の範囲の時間にわたって維持する工程、
−前記第二反応混合物を前記反応器から除去する工程
を含む、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔9〕前記バイオマスが、前記第一反応混合物の総質量に対して5質量%〜40質量%、好ましくは20質量%〜35質量%の範囲の量で前記第一反応混合物中に存在する、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の方法。
〔10〕前記反応器が、バイオマスの連続供給を用いる反応器(CSTR−“連続撹拌タンク反応器”)から選択される、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の方法。
〔11〕前記第一固体相が、リグニン及びセルロースを含み、かつ前記第一水相が、5〜6個の炭素原子を有する少なくとも一種の糖及び前記少なくとも一種の有機酸を含む、前記〔8〕に記載の方法。
〔12〕前記糖が、アルコール(エタノール、ブタノール)、ジオール(1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール)、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物の製造のための発酵処理において炭素源として使用される、前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の方法。
〔13〕前記アルコール、ジオール、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物が、化学工業又は自動車用の燃料の配合に使用される、前記〔12〕に記載の方法。
〔14〕前記アルコール及び前記ジオールが、バイオ−ブタジエン製造に使用される、前記〔12〕に記載の方法。

Claims (13)

  1. 少なくとも一種の多糖を含むイオマスからの糖の製造方法であって、バイオマスを反応器中で少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させて第一反応混合物を得る工程を含み、前記少なくとも一種の有機酸が、一般式 (I)、
    R−SO3H (I)
    (式中、Rは線状又は分枝C1−C3アルキル基を表す)
    を有するアルキル−スルホン酸から選択され、前記水溶液のpHが0.6〜1.6の範囲であり、前記反応器を100℃〜180℃の範囲の温度に、20分〜2時間の範囲の時間にわたって加熱して、第一固体相及び第一水相を含む第二反応混合物を得ることを特徴とする、方法。
  2. 前記多糖が、セルロース、ヘミセルロース、又はこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記バイオマスが、リグノセルロースバイオマスである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記リグノセルロースバイオマスが、グアユール、アザミ、針葉樹から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記バイオマスを予備の粉砕処理に供し、その後に前記少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記少なくとも一種の有機酸が、メタン−スルホン酸(CH3−SO3H)である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 以下の工程、
    前記反応器を130℃〜150℃の範囲の温度に、40分〜時間の範囲の時間にわたって加熱して、第一固体相及び第一水相を含む第二反応混合物を得る工程、
    −任意に、第一固体相及び第一水相を含む前記第二反応混合物を前記130℃〜150℃の範囲の温度で30秒〜1時間の範囲の時間にわたって維持する工程、
    −前記第二反応混合物を前記反応器から除去する工程
    を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記バイオマスが、前記第一反応混合物の総質量に対して5質量%〜40質量%の範囲の量で前記第一反応混合物中に存在する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記反応器が、バイオマスの連続供給を用いる反応器から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記第一固体相が、リグニン及びセルロースを含み、かつ前記第一水相が、5〜6個の炭素原子を有する少なくとも一種の糖及び前記少なくとも一種の有機酸を含む、請求項7に記載の方法。
  11. 前記糖が、アルコール、ジオール、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物の製造のための発酵処理において炭素源として使用される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記アルコール、ジオール、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物が、化学工業又は自動車用の燃料の配合に使用される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記アルコール及び前記ジオールが、バイオ−ブタジエン製造に使用される、請求項11に記載の方法。
JP2016520160A 2013-12-11 2014-12-10 バイオマスからの糖の製造方法 Active JP6574171B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IT002069A ITMI20132069A1 (it) 2013-12-11 2013-12-11 Procedimento per la produzione di zuccheri da biomassa
ITMI2013A002069 2013-12-11
PCT/IB2014/066759 WO2015087254A1 (en) 2013-12-11 2014-12-10 Process for the production of sugars from biomass

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017505105A JP2017505105A (ja) 2017-02-16
JP2017505105A5 JP2017505105A5 (ja) 2017-12-28
JP6574171B2 true JP6574171B2 (ja) 2019-09-11

Family

ID=50001134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016520160A Active JP6574171B2 (ja) 2013-12-11 2014-12-10 バイオマスからの糖の製造方法

Country Status (20)

Country Link
US (1) US9920388B2 (ja)
EP (1) EP3080304B1 (ja)
JP (1) JP6574171B2 (ja)
KR (1) KR102397571B1 (ja)
CN (1) CN105723000B (ja)
BR (1) BR112016009769B1 (ja)
DK (1) DK3080304T3 (ja)
ES (1) ES2886006T3 (ja)
HR (1) HRP20211335T1 (ja)
HU (1) HUE056002T2 (ja)
IT (1) ITMI20132069A1 (ja)
LT (1) LT3080304T (ja)
MX (1) MX2016007029A (ja)
MY (1) MY179234A (ja)
PL (1) PL3080304T3 (ja)
PT (1) PT3080304T (ja)
RS (1) RS62285B1 (ja)
RU (1) RU2670927C1 (ja)
SI (1) SI3080304T1 (ja)
WO (1) WO2015087254A1 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2924482T3 (es) 2014-05-16 2022-10-07 Versalis Spa Proceso para la producción de alquenoles y uso del mismo para la producción de 1,3-butadieno
MX2017003891A (es) 2014-12-12 2017-08-07 Versalis Spa Proceso para la produccion de 1,3 butadieno a partir de 1,3 butanodiol.
JP6789229B2 (ja) 2015-02-23 2020-11-25 ヴェルサリス ソシエタ ペル アチオニ 含酸素化合物の脱水方法
IT201600105178A1 (it) 2016-10-19 2018-04-19 Versalis Spa Procedimento per la produzione di dieni
IT201700071514A1 (it) 2017-06-27 2018-12-27 Versalis Spa Procedimento per la produzione di lipidi da biomassa derivante da piante di guayule
CN107779597B (zh) * 2017-10-11 2019-03-05 大连理工大学 一种利用生物质溶液净化除铁的方法
IT201800001725A1 (it) * 2018-01-24 2019-07-24 Versalis Spa Procedimento per la produzione di zuccheri da biomassa derivante da piante di guayule
CN109748895B (zh) * 2019-03-27 2023-01-13 广州楹鼎生物科技有限公司 一种糠醛的制备方法
KR102234395B1 (ko) 2019-05-03 2021-03-31 경상국립대학교산학협력단 목질원료를 이용한 프리바이오틱스 및 이의 제조방법
IT201900015069A1 (it) 2019-08-27 2021-02-27 Versalis Spa Catalizzatore comprendente coke e procedimento per la produzione di dieni.
IT201900025000A1 (it) 2019-12-20 2021-06-20 Versalis Spa Procedimento per la produzione di dieni.
IT201900024991A1 (it) 2019-12-20 2021-06-20 Versalis Spa Procedimento per il recupero ed il riciclo di acido alchil-solfonico nella produzione di lipidi da biomassa derivante da piante di guayule.
CN112795596B (zh) * 2021-01-29 2023-05-23 生帆 一种利用生物质材料制备烃类化合物的方法
KR20230134045A (ko) 2022-03-11 2023-09-20 경상국립대학교산학협력단 목재 유래 수용성 프리바이오틱스 및 이의 제조방법
IT202200007589A1 (it) 2022-04-15 2023-10-15 Pabif Srl Processo ed apparato per la produzione di acido levulinico da cellulosa ricavata da biomasse

Family Cites Families (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5628830A (en) 1979-03-23 1997-05-13 The Regents Of The University Of California Enzymatic hydrolysis of biomass material
US5562777A (en) 1993-03-26 1996-10-08 Arkenol, Inc. Method of producing sugars using strong acid hydrolysis of cellulosic and hemicellulosic materials
US5597714A (en) 1993-03-26 1997-01-28 Arkenol, Inc. Strong acid hydrolysis of cellulosic and hemicellulosic materials
US5916780A (en) 1997-06-09 1999-06-29 Iogen Corporation Pretreatment process for conversion of cellulose to fuel ethanol
US5868851A (en) * 1997-08-11 1999-02-09 Lightner; Gene E. Process for production of solid glucose
US6007636A (en) * 1999-01-04 1999-12-28 Lightner; Gene E. Method to recycle an aqueous acidic liquor used for depolymerization of cellulose
US6423145B1 (en) 2000-08-09 2002-07-23 Midwest Research Institute Dilute acid/metal salt hydrolysis of lignocellulosics
CA2572502A1 (en) * 2004-07-16 2006-01-26 Iogen Energy Corporation Method of obtaining a product sugar stream from cellulosic biomass
DE102006011075A1 (de) * 2006-03-08 2007-09-13 Basf Ag Verfahren zum Abbau von Cellulose in Lösung
EP1860201A1 (en) 2006-05-25 2007-11-28 BP p.l.c. Conversion method
EP2074214A2 (en) 2006-09-28 2009-07-01 Microbia, Inc. Production of sterols in oleaginous yeast and fungi
US8571690B2 (en) 2006-10-31 2013-10-29 Rockwell Automation Technologies, Inc. Nonlinear model predictive control of a biofuel fermentation process
CN100465373C (zh) * 2007-03-08 2009-03-04 上海交通大学 用生物质原料炼制生产纤维素、木质素和木糖的方法
DE102007019643A1 (de) 2007-04-26 2008-10-30 Evonik Degussa Gmbh Verfahren zur Herstellung von zuckerhaltigen Hydrolysaten aus Lignocellulose
EP2033974A1 (en) * 2007-09-06 2009-03-11 The Queens University of Belfast Conversion method
IT1391099B1 (it) 2008-08-06 2011-11-18 Eni Spa Procedimento per la produzione di zuccheri da biomassa
IT1394398B1 (it) * 2008-12-18 2012-06-15 Eni Spa Procedimento per la produzione di zuccheri da biomassa
US20110300586A1 (en) 2008-12-19 2011-12-08 Chaogang Liu Two-Stage Process for Biomass Pretreatment
WO2010102060A2 (en) 2009-03-03 2010-09-10 Poet Research, Inc. System for pre-treatment of biomass for the production of ethanol
HUE034951T2 (en) 2009-03-03 2018-03-28 Poet Res Inc Fermentation system for producing ethanol from xylose
JP4766130B2 (ja) * 2009-03-06 2011-09-07 トヨタ自動車株式会社 植物系繊維材料の糖化方法
EP4321615A3 (en) 2009-04-30 2024-02-21 Genomatica, Inc. Organisms for the production of 1,3-butanediol
CN101555495B (zh) * 2009-05-18 2014-03-19 徐守才 乙醇导向秸秆生物炼制全封闭集成系统
US9725745B2 (en) 2009-10-29 2017-08-08 Reliance Life Sciences Pvt. Ltd. Process for biodiesel production from a yeast strain
WO2011052824A1 (ko) * 2009-10-30 2011-05-05 씨제이제일제당(주) 전기투석 및 직접회수방법을 이용한 당화액으로부터의 경제적인 자일로스의 제조공정
US8460901B2 (en) * 2010-05-18 2013-06-11 Georgia Tech Research Corporation Formic acid treatments of biomass feedstock
US20130224333A1 (en) 2010-10-26 2013-08-29 Kansas State University Research Foundation Fermentation process to produce natural carotenoids and carotenoid-enriched feed products
US8524924B2 (en) * 2010-12-21 2013-09-03 E I Du Pont De Nemours And Company Process for furfural production from biomass
JP2015015902A (ja) * 2011-09-30 2015-01-29 川崎重工業株式会社 セルロース系バイオマスを原料とするエタノール製造方法
KR20140131510A (ko) 2012-02-29 2014-11-13 에이씨3비 테크놀로지즈 엘티디 연료들 및 화학물질들로의 리그노-셀룰로스 바이오매스의 촉매 전환

Also Published As

Publication number Publication date
RU2670927C1 (ru) 2018-10-25
KR102397571B1 (ko) 2022-05-12
RS62285B1 (sr) 2021-09-30
EP3080304B1 (en) 2021-06-23
LT3080304T (lt) 2021-09-27
DK3080304T3 (da) 2021-09-06
ES2886006T3 (es) 2021-12-16
SI3080304T1 (sl) 2021-10-29
US20160237513A1 (en) 2016-08-18
PL3080304T3 (pl) 2021-11-08
ITMI20132069A1 (it) 2015-06-12
US9920388B2 (en) 2018-03-20
WO2015087254A1 (en) 2015-06-18
HUE056002T2 (hu) 2022-01-28
CN105723000A (zh) 2016-06-29
BR112016009769B1 (pt) 2021-09-14
BR112016009769A2 (ja) 2017-08-01
PT3080304T (pt) 2021-09-13
EP3080304A1 (en) 2016-10-19
KR20160097264A (ko) 2016-08-17
CN105723000B (zh) 2019-12-10
MY179234A (en) 2020-11-02
HRP20211335T1 (hr) 2021-11-26
JP2017505105A (ja) 2017-02-16
MX2016007029A (es) 2016-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6574171B2 (ja) バイオマスからの糖の製造方法
US8563277B1 (en) Methods and systems for saccharification of biomass
WO2010015404A1 (en) Process for the production of sugars from biomass
US20220090156A1 (en) Methods and Systems For Saccharification of Biomass
US20090098616A1 (en) Enzymatic treatment of lignocellulosic materials
WO2011157427A1 (en) Enzymatic hydrolysis of cellulose
Mateo et al. Ethanol and xylitol production by fermentation of acid hydrolysate from olive pruning with Candida tropicalis NBRC 0618
JP2017505105A5 (ja)
WO2012155239A1 (en) Lignin removal after enzymatic treatment of lignocellulosic materials
WO2014026154A1 (en) Optimized pretreatment of biomass
EP2836602B1 (en) Methods and systems for saccharification of biomass
CA3080899A1 (en) Methods of making specialized cellulose and other products from biomass
WO2014190294A1 (en) Sugar separation and purification from biomass
Gill et al. Optimization of acid-mediated delignification of corn stover, an agriculture residue carbohydrate polymer for improved ethanol production
JP2018040083A (ja) リグノセルロースナノファイバーの製造方法
WO2010069583A1 (en) Process for the production of sugars from biomass
WO2012155238A1 (en) Method of fermenting a sugar stream to produce an alcohol stream
US11492674B2 (en) Process for the production of sugars from biomass derived from guayule plants
Ammar et al. Production of Ethanol from Agro-industrial Wastes: I. Pretreatment of Raw Materials for Using in Fermentation Processing.
KR20150076346A (ko) 목질계 바이오매스의 발효 효율 향상 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20171114

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181001

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190815

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6574171

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250