JP6574171B2 - バイオマスからの糖の製造方法 - Google Patents
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Description
更に詳しくは、本発明はバイオマスを1個から6個までの炭素原子、好ましくは1個から3個までの炭素原子を有する少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させることを含む少なくとも一種の多糖を含むバイオマスからの糖の製造方法に関するものであり、前記水溶液のpHは0.6 から1.6 までの範囲、好ましくは0.9 から1.3 までの範囲である。
こうして得られた糖はアルコール(例えば、エタノール、ブタノール)、ジオール(例えば、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール)、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物の製造のための発酵処理において炭素源として有利に使用し得る。前記アルコール、ジオール、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物は、化学工業又は自動車用の燃料の配合に有利に使用し得る。前記アルコール及び前記ジオールはまたバイオ−ブタジエン製造に有利に使用し得る。
リグノセルロースバイオマスは3種の主成分:セルロース、ヘミセルロース及びリグニンを含む複雑な構造である。それらの相対量は使用されるリグノセルロースバイオマスの型に応じて変化する。例えば、植物の場合には、前記量が植物の種及び年齢に応じて変化する。
セルロースはリグノセルロースバイオマスの主成分であり、一般にリグノセルロースバイオマスの合計質量に対して30質量%から60質量%までの範囲の量で存在する。セルロースはβ-1,4-グルコシド結合により互いに結合されたグルコース分子(約500 〜10,000単位)からなる。鎖間の水素結合の確立が耐性及び弾性を植物繊維に与える結晶性ドメインの生成を生じる。自然では、それが一年生植物、例えば、綿及び亜麻中でその純粋な状態でのみ見られ、一方、木質植物では、それが常にヘミセルロース及びリグニンにより随伴される。
リグニンは一般にリグノセルロースバイオマスの合計質量に対して10質量%から30質量%までの範囲の量で存在する。その主たる機能は種々の植物繊維を一緒に結合し、接合し、植物に圧密性及び耐性を与え、そしてまた昆虫、病原性物質、病変及び紫外光に対する保護を与える。それは主として燃料として使用されるが、可塑性ラミネート、カートン及びゴム製品用の分散剤、硬化剤、乳化剤として工業で現在広く使用される。それはまた化学的に処理されてバニリン型、シリングアルデヒド型、p-ヒドロキシベンズアルデヒド型の、芳香族化合物を生成することができ、これらが医薬化学、又は化粧工業及び食品工業で使用し得る。
エネルギー用の製品へのリグノセルロースバイオマスの変換を最適にするために、前記バイオマスを予備の処理にかけることが、リグニンを分離し、セルロース及びヘミセルロースを単純な糖、例えば、グルコース及びキシロースに加水分解するために、知られており、これらはその後に発酵処理にかけられる。
例えば、米国特許第6,423,145 号はリグノセルロース物質を希酸触媒(例えば、硫酸、塩酸、硝酸、二酸化硫黄、又は約3より低いpH値を与えることができるあらゆるその他の強酸)及び金属塩をベースとする触媒(例えば、硫酸第二鉄、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム)を、希酸単独の存在下で得られる収率に対して発酵可能な糖の一層高い収率を与えるような量で含む混合物で含浸し、含浸されたリグノセルロース物質を反応器に供給し、ヘミセルロースの全て及びセルロースの45%以上を水に可溶性の糖に実質的に加水分解するのに充分な時間(例えば、1分から30分までの範囲の時間)にわたって加熱し(例えば、120 ℃から240 ℃までの範囲の温度に)、水に可溶性の糖を回収することを含む多量の発酵可能な糖を得るようにリグノセルロースバイオマスを加水分解するための方法を記載している。
国際特許出願WO 2010/102060は発酵製品を製造するための生物精製所で使用されるバイオマスの前処理方法を記載しており、その方法は下記の工程:バイオマスを処理(例えば、所望されない物質の除去、粉砕)にかけ、その後にそれを前処理に送る工程、バイオマスを約0.8 質量%から約1.1 質量%までの範囲の濃度を有する希酸(例えば、硫酸)を約130 ℃から約170 ℃までの範囲の温度で、約8分から約12分までの範囲の時間にわたって適用することにより前処理にかける工程(発酵製品が前処理されたバイオマスをキシロースを含む液体成分とグルコースが得られる固体成分に分離することにより得られる)、及びキシロースを発酵のために回収する工程を含み、そのバイオマスがリグノセルロース物質を含み、そのリグノセルロース物質がトウモロコシ穂軸、トウモロコシ植物殻、トウモロコシ植物葉及びトウモロコシ植物茎を含む。
米国特許出願第2010/0227369 号は前処理され、第一成分及び第二成分に分離されたバイオマスから発酵製品を発酵システムで製造するための方法を記載しており、その方法は下記の工程:第一成分を発酵システムに供給する工程、発酵システムにエタノールを生成し得る生物(“エタノロゲン”)を用意する工程、第一成分及びエタノールを生成し得る生物(“エタノロゲン”)を18時間以上の時間にわたって発酵システム中で約26℃から約37℃までの範囲の温度及び約4.5 から約6.0 までの範囲のpHに維持する工程、発酵生成物を発酵システムから回収する工程を含み、エタノールを生成し得る生物(“エタノロゲン”)は第一成分1リットル当り150 グラムより少ない量(乾燥質量)のエタノールを生成し得る生物(“エタノロゲン”)で発酵システムに供給され、そのバイオマスはリグノセルロース物質を含み、そのリグノセルロース物質は下記の成分:トウモロコシ穂軸、トウモロコシ植物殻、トウモロコシ植物葉及びトウモロコシ植物茎の少なくとも一種を含み、その第一成分はペントースを含み、そのペントースはキシロースを含み、エタノールを生成し得る生物(“エタノロゲン”)はキシロースをエタノールに発酵し得る。バイオマスの前処理は前記バイオマスを酸、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸、又はこれらの混合物と接触させることにより行なわれることが好ましい。
米国特許出願第2008/0274509 号はa)リグノセルロース物質を水の存在下で硫酸、アルカリ、ペルオキソ二硫酸塩、過酸化カリウム、及びこれらの混合物からなる群から選ばれた化合物で前処理して、水相を得、そしてb)水相の除去及び得られた生成物の洗浄後に、前記生成物を水の存在下で加水分解に有益な酵素で処理して、加水分解された生成物を得ることを得ることを含む前記リグノセルロース物質からの加水分解された生成物の調製方法を記載しており、前記加水分解された生成物は発酵のための炭素源として適している。
Gonzales-Hernandez J. C.らは、“Journal of the Mexican Chemical Society”(2011), 56 (4) 巻, 395-401 頁に、タマリンド種子からの多糖の加水分解を記載している。特に、タマリンド種子が種々の作業条件下で、即ち、86℃から130.2 ℃までの範囲の温度で、0.32%から3.68% (v/v) までの範囲の硝酸又は硫酸の濃度で、かつ13.2分から40分までの範囲の接触時間で作業する加水分解にかけられた。温度及び時間が糖の加水分解に主に影響する因子であることが観察され、特に、両方の酸についての最良の作業条件は、130.2 ℃に等しい温度、2% (v/v)に等しい濃度、30分の接触時間であり、糖の収量が約110 g/lに等しかった。
Shatalov A.A.らは、“Chemical Engineering & Process Technology” (2011), 2 卷, 5号, 1-8頁に、アザミ(シナラ・カルダンクラス(Cynara cardunculus) L.)からの、希硫酸の存在下で、低温で、単一工程での加水分解による、キシロースの製造を記載している。特に、最適条件、即ち、138.5 ℃に等しい温度、51.7分に等しい時間、1.28%に等しい酸の濃度で作業する場合、セルロースの低い分解及びフルフラールの低い製造(アザミ100g当りのグルコース=2.3gかつフルフラール (F) 1.04 g)でもって、86%に等しいキシロースの回収がある。
例えば、酸加水分解が高温、例えば、140 ℃より高い温度で行なわれる場合、反応副生物、例えば、フルフラール (F)、ヒドロキシ−メチル−フルフラール (HMF)、フェノール化合物が生成され、これらは糖の脱水及びリグニンの部分解重合に由来し、これらの副生物は糖のその後の発酵処理に通常使用される微生物の成長阻害物質として作用し、これらの方法の効率及び生産性のかなりの低下を生じる。
逆に、酸加水分解が低温、例えば、140 ℃より低い温度で行なわれる場合、リグノセルロースバイオマスの制限された分解が得られ、前記分解はセルロース繊維をそれらを覆っているリグニン格子から除いてそれらがその後の酵素加水分解工程で有利に使用されることを可能にするのに必要である。酵素加水分解に通常使用される酵素(例えば、セルラーゼ)がリグニンにより覆われたセルロース繊維に到達することは実際に困難である。
上記欠点を解消しようとする試みが実際に当業界でなされていた。
例えば、国際特許出願WO 2010/069583 は、バイオマスを160 ℃以上、好ましくは160 ℃から230 ℃までの範囲の温度で、少なくとも一種の有機酸、好ましくはp-トルエン−スルホン酸、2-ナフタレン−スルホン酸、1,5-ナフタレン−ジスルホン酸の水溶液と接触させることを含む少なくとも一種の多糖からの一種以上の糖の製造方法を記載している。前記特許出願において、4個から16個までの炭素原子、好ましくは8個から12個までの炭素原子を有するアルキル−スルホン酸、更に好ましくはオクチル−スルホン酸及びドデシル−スルホン酸がまた挙げられている。しかしながら、報告された加水分解の唯一の例は2-ナフタレン−スルホン酸の使用に関する。
国際特許出願WO 2010/015404はバイオマスを80℃から140 ℃までの範囲、好ましくは100 ℃から125 ℃までの範囲の温度で、7個から20個までの炭素原子、好ましくは9個から15個までの炭素原子を有する少なくとも一種の有機酸、更に好ましくはp-トルエン−スルホン酸、2-ナフタレン−スルホン酸、1,5-ナフタレン−ジスルホン酸の水溶液と接触させることを含む少なくとも一種の多糖を含むバイオマスからの糖の製造方法を記載している。
それ故、本件出願人はヘミセルロース成分の高転化率及びその結果としての5個から6個までの炭素原子を有する糖、特に5個の炭素原子を有する糖、例えば、キシロース、アラビノースの高収率(即ち、95%以上の5個から6個までの炭素原子を有する糖の収率:前記収率は出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して計算される)及び副生物[例えば、フルフラール (F)、ヒドロキシ−メチル−フルフラール (HMF)]の低い量(即ち、3%以下の副生物の量:前記量は以下に記載されるように計算される)を与えることができるバイオマスからの糖の製造方法を見い出すという課題を考慮した。
更に、ヘミセルロース成分の高転化率及びその結果としての5個から6個までの炭素原子を有する糖、特に5個の炭素原子を有する糖、例えば、キシロース、アラビノースの高収率を得る可能性は、その後の発酵に特に5個の炭素原子を有する糖に富む糖の溶液、又は特に5個の炭素原子を有する糖に富む糖の前記溶液と、特に6個の炭素原子を有する糖に富む溶液(例えば、セルロースの酵素加水分解に由来する糖の溶液)の混合物を送り、その結果、前記発酵処理を最適化することを可能にする。実際に、発酵に使用される微生物が供給原料中で供給される糖に応じて、例えば、中間体生成物の蓄積、望ましくない代謝産物の蓄積に関して異なる特性を有する発酵されたバイオマスを与えることが知られている。発酵処理に使用される微生物が供給原料に感受性であることがまた知られており、例えば、微生物の幾つかの株が過剰の量の5個の炭素原子を有する糖に耐えられない。それ故、糖溶液の2種の異なる型、即ち、5個の炭素原子を有する糖に特に富む糖の溶液、そしてまた6個の炭素原子を有する糖に特に富む糖の溶液を有することができ、糖の前記溶液が異なる発酵処理に予定され、その結果として、微生物の異なる株の栄養要件に関する一層大きい適合により前記発酵処理を最適化することを可能にすることは極めて有利である。
また、ヘミセルロースの加水分解から得られた5個から6個までの炭素原子を有する糖の量が、出発バイオマスの型に依存することが注目されるべきである。実際に、先に既に挙げられたように、セルロース成分、ヘミセルロース成分及びリグニン成分の量はバイオマスの型に応じて変化することが知られている。
更に、前記の広い温度範囲内で作業する可能性は工業上の観点からかなりの利点に相当する。何とならば、バイオマスが少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させられる反応器内の予期されない温度上昇は、一般に既知の技術の方法の場合のような、副生物[例えば、フルフラール (F)、ヒドロキシ−メチル−フルフラール (HMF)]の一層大きい生成を生じないからである。
それ故、本発明の対象はバイオマスを1個から6個までの炭素原子、好ましくは1個から3個までの炭素原子を有する少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させることを含む少なくとも一種の多糖を含むバイオマスからの糖の製造方法に関するものであり、前記水溶液のpHは0.6 から1.6 までの範囲、好ましくは0.9 から1.3 までの範囲である。
本記載及び下記の特許請求の範囲の目的のために、数的範囲の特定は特に明記されない限り極値を含む。
本記載及び下記の特許請求の範囲の目的のために、“含む”という用語はまた“実質的に・・からなる”又は“からなる”という用語を含む。
本記載及び下記の特許請求の範囲の目的のために、“5個から6個までの炭素原子を有する糖”という用語はペントース糖、又は更に単純にペントース(これは化学式C5H10O5 を有する5個の炭素原子を含む単糖類炭水化物である)、及びヘキソース糖、又は更に単純にヘキソース(これは化学式C6H12O6 を有する6個の炭素原子を含む単糖類炭水化物である)をそれぞれ表す。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記多糖がセルロース、ヘミセルロース、又はこれらの混合物から選ばれる。ヘミセルロース、又はヘミセルロースとセルロースの混合物が、特に好ましい。
本発明の更に好ましい実施態様によれば、前記バイオマスがリグノセルロースバイオマスである。先に既に報告されたように、リグノセルロースバイオマスは3成分:ヘミセルロース、セルロース及びリグニンを含む。
好ましくは、前記リグノセルロースバイオマスが
−特別にエネルギー用に栽培された穀物の産物(例えば、ススキ、アワ、コモンケイン(common cane ))、(前記穀物又はそれらの加工の廃棄産物、残渣及びスクラップを含む);
−木材、植物、農業的加工、造林及び育林の残渣及び廃棄産物を含む、農業的栽培、造林及び育林の産物;
−ヒト栄養又は畜産に予定された農業−食品産物の廃棄物;
−紙工業の、化学的に処理されていない、残渣;
−固体の都市廃棄物(例えば、植物起源の都市廃棄物、紙)の分別収集に由来する廃棄産物
から選ばれる。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記バイオマスが予備粉砕処理にかけられ、その後に少なくとも一種の有機酸の前記水溶液と接触させられる。前記バイオマスは0.1 mmから10mmまでの範囲、更に好ましくは0.5 mmから4 mmまでの範囲の直径を有する粒子が得られるまで粉砕されることが好ましい。2 mm未満の直径を有する粒子が特に好ましい。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記の少なくとも一種の有機酸が一般式 (I):
R-SO3H (I)
(式中、Rは線状又は分枝C1-C6 、好ましくはC1-C3 アルキル基を表す)
を有するアルキル−スルホン酸から選ばれる。
本発明の好ましい実施態様によれば、バイオマスからの糖の前記製造方法が
−バイオマスを反応器中で前記の少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させて第一反応混合物を得、
−反応器を所望の温度、好ましくは100 ℃から180 ℃までの範囲、更に好ましくは130 ℃から150 ℃までの範囲の温度に、20分から2時間までの範囲、好ましくは40分から1時間までの範囲の時間にわたって加熱して、第一固体相及び第一水相を含む第二反応混合物を得、
−必要により、第一固体相及び第一水相を含む前記第二反応混合物を前記所望の温度で30秒から1時間までの範囲、好ましくは5分から20分までの範囲の時間にわたって維持し、
−前記第二反応混合物を前記反応器から除去することを含む。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記バイオマスが前記第一反応混合物中で前記第一反応混合物の合計質量に対して、5質量%から40質量%まで、好ましくは20質量%から35質量%までの範囲の量で存在し得る。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記反応器がバイオマスの連続供給によるスラリー反応器(CSTR−“連続撹拌タンク反応器”)から選ばれる。
本発明の好ましい実施態様によれば、前記第一固体相がリグニン及びセルロースを含み、かつ前記第一水相が5個から6個までの炭素原子を有する少なくとも一種の糖及び前記の少なくとも一種の有機酸を含む。前記の少なくとも一種の有機酸はバイオマスと接触させられる有機酸である。前記の少なくとも一種の糖が、特に、キシロースである。前記キシロースはヘミセルロースの酸加水分解に由来する。アラビノース、マンノース、ガラクトース、グルコースがまた前記第一水相中に存在し得る。
前記第一固体相及び前記第一水相は当業界で知られている技術、例えば、濾過、遠心分離により分離し得る。前記相が濾過により分離されることが好ましい。
5個から6個までの炭素原子を有する前記糖及び少なくとも一種の有機酸を前記水相から回収するために、前記第一水相が当業界で知られている処理にかけられる。例えば、前記第一水相が、例えば、米国特許第5,726,046 号及び同第5,820,687 号に記載されているような樹脂による分離工程にかけられ、又はそれが、例えば、先に報告された国際特許出願WO 2010/015404及びWO 2010/069583に記載されたように水に不溶性の有機溶媒による抽出工程にかけられる。前記工程の終了時に、前記有機酸を含む第二固体相及び5個から6個までの炭素原子を有する少なくとも一種の糖を含む第二水相が、得られる。
前記有機酸はその後に続いて本発明の方法対象に従って再使用し得る。
5個から6個までの炭素原子を有する少なくとも一種の糖を含む前記第二水相は、アルコール(例えば、エタノール、ブタノール)の製造のための発酵処理にそのまま使用でき、又は6個の炭素原子を有する糖に特に富む溶液との混合物中で使用し得る。前記アルコールは自動車用のバイオ燃料として、又は自動車用の燃料に添加し得る成分として有利に使用し得る。また、5個から6個までの炭素原子を有する糖を少なくとも含む前記第二水相は、脂質の製造のための発酵処理に、そのまま使用でき、又は6個の炭素原子を有する糖に特に富む溶液との混合物中で使用し得る。前記脂質はそのまま、又は自動車用のその他の燃料との混合物中に使用し得るバイオディーゼル又は生ディーゼルの製造に有利に使用し得る。
更にまた、本発明は化学工業又は自動車用の燃料の配合における前記アルコール、ジオール、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物の使用だけでなく、バイオ−ブタジエン製造における前記アルコール及び前記ジオールの使用に関する。
先に既に報告されたように、本発明の方法対象は、ヘミセルロースの酸加水分解に由来する、5個から6個までの炭素原子を有する少なくとも一種の糖、特に5個の炭素原子を有する少なくとも一種の糖、例えば、キシロース、アラビノースを、高収率で得ることを可能にする。更に詳しくは、前記方法は95%以上の5個から6個までの炭素原子を有する糖の収率が得られることを可能にし、前記収率は出発バイオマス中に存在するヘミセルロースの合計量に対して計算される。更に、本発明の方法対象は、70%以上の5個から6個までの炭素原子を有する糖の含量(%)が得られることを可能にし、前記含量は以下に記載されるように計算される。
また、本発明の方法対象はセルロース及びリグニンの高収率が得られることを可能にする。
リグニンを含む第三固体相及びセルロースの加水分解に由来するグルコースを含む第三水相は、前記第一固体相の酵素加水分解から得られる。
前記第三固体相及び前記第三液体相は当業界で知られている技術、例えば、濾過、遠心分離により分離し得る。前記相が濾過により分離されることが好ましい。
グルコースを含む前記第三水相はアルコール(例えば、エタノール、ブタノール)の製造のための発酵処理において原料として、そのまま使用でき、又は5個の炭素原子を有する糖に特に富む溶液との混合物中で使用し得る。前記アルコールは自動車用のバイオ燃料として、又は自動車用の燃料に添加し得る成分として有利に使用し得る。また、グルコースを含む前記第三水相は、脂質の製造のための発酵処理に、そのまま使用でき、又は5個の炭素原子を有する糖に特に富む溶液との混合物中で使用し得る。前記脂質はそのまま、又は自動車用のその他の燃料との混合物中に使用し得るバイオディーゼル又は生ディーゼルの製造に有利に使用し得る。
リグニンを含む、前記第三固体相は、燃料、例えば、バイオマスの処理方法を持続するのに必要なエネルギーを生じるための燃料としてアップグレードし得る。
発酵処理が当業界で、例えば、米国特許出願第2013/0224333 号及び国際特許出願WO 2008/141317(酵母の存在下の発酵)又は米国特許出願第2010/0305341号及び国際特許出願WO 2011/051977(遺伝子変性された油性酵母の存在下の発酵)、又は国際特許出願WO 2010/127319(遺伝子変性された微生物の存在下の発酵)に記載されている。
幾つかの例示の例及び非限定例が本発明の一層良い理解及びその実用的な実施態様について以下に提示される。
分析方法及び特性決定方法
以下に報告される分析方法及び特性決定方法が使用された。
出発バイオマスが、例えば、Van Soest, P.J.及びWine, R.H.著“繊維供給原料の分析における洗剤の使用 IV. 植物細胞壁成分の測定”、“Journal of Association of Official Analytical Chemistry ”(1967), 50巻, 50-55 頁に記載されたように、バン・ソエスト繊維フラクションシステムにより細胞壁の成分、特にヘミセルロース、セルロース及びリグニンの定量により分析された。
第一水相中に存在する化合物の分析
第一水相中に存在する糖の分析が下記の作業条件を使用してイオンクロマトグラフィーにより行なわれた。
−装置:ジオネックスIC3000、カラムPA100;
−溶離剤:水酸化ナトリウム(NaOH)(100 mM)−200 mMの水酸化ナトリウム(NaOH)中0.6 Mの酢酸ナトリウム(CH3COONa);
−溶離プログラム:勾配、電気化学検出器。
第一水相中に存在する副生物、即ち、フルフラール (F)及びヒドロキシ−メチル−フルフラール (HMF)の分析が、下記の作業条件を使用して液体クロマトグラフィーにより行なわれた。
−装置:HP 1100 、カラムイナートシルC18 ;
−溶離剤:リン酸0.01 M−アセトニトリル(CH3CN );
−溶離プログラム:勾配、UV-DAD検出器。
収率が、分析結果(即ち、上記されたように行なわれた第一水相中に存在する化合物の分析)に基づいて、下記の式:
収率:(mC5 + mC6)/mヘミセルロース*100
(式中、
−C5=溶液中に存在するペントース、
−C6=溶液中に存在するヘキソース、
−m=化合物の分子量、
−ヘミセルロース=出発バイオマス中に含まれるヘミセルロース)
に従って、出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対する、前記第一水相中に存在する5個及び6個の炭素原子を有する糖[即ち、それぞれ、ペントース(C5)及びヘキソース(C6)]の%比として表された。
また、第一水相中に存在する5個の炭素原子を有する糖(即ち、ペントース)の含量(%)が、それぞれの例について、下記の式:
含量C5:mC5/(mC5 + mC6)*100
(式中、C5、C6及びmは上記されたのと同じ意味を有する)
に従って測定された。
副生物、即ち、ヒドロキシ−メチル−フルフラール (HMF)及びフルフラール (F)の生成を有効に表すために、分解比が下記の式:
分解比C6:mHMF/(mC6 + mHMF)*100
分解比C5:mF/(mC5 + mF)*100
(式中、C5、C6及びmは上記されたのと同じ意味を有し、
F=フルフラール、
HMF =ヒドロキシ−メチル−フルフラール)
に従って計算された。
既に粉砕された針葉樹材(粒子直径<2 mm)25 gをオープン−トップビュッチ(Buechi )オートクレーブ型式3E/1.0ltに仕込んだ。
次いでpH 1.1のメタン−スルホン酸(CH3-SO3H)の水溶液500gを仕込んだ。こうして得られた第一反応混合物を、140 ℃の温度に達するまで、45分の期間にわたって激しい撹拌(600 回転/分)下に保ち、リグニン及びセルロースを含む第一固体相及びヘミセルロースに由来する糖を含む第一水相を含む第二反応混合物を得た。
オートクレーブを放置して室温(23℃)に冷却した後、前記相を濾過により分離した。
上記されたように測定された、出発バイオマスの組成は、以下のとおりであった:出発バイオマスの合計質量に対して、45.1質量%のセルロース、25.2質量%のヘミセルロース、24.4質量%のリグニン。残りの部分は有機酸、タンパク質及び非タンパク質含窒素物質、脂質、無機塩からなることが判明した。
第一水相を上記されたように分析して、下記の結果を得た:
−収率:97.6%(出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して)、
−分解比C6:1.9 %、
−分解比C5:0.9 %、
−C5含量:83.7%。
既に粉砕されたアザミバガス(シナラ・カルダンクラスL.)(粒子直径<2 mm)25 gをオープン−トップビュッチオートクレーブ型式3E/1.0ltに仕込んだ。
次いでpH 1.1のメタン−スルホン酸(CH3-SO3H)の水溶液500gを仕込んだ。こうして得られた第一反応混合物を、140 ℃の温度に達するまで、45分の期間にわたって激しい撹拌(600 回転/分)下に保ち、リグニン及びセルロースを含む第一固体相及びヘミセルロースに由来する糖を含む第一水相を含む第二反応混合物を得た。
オートクレーブを放置して室温(23℃)に冷却した後、前記相を濾過により分離した。
上記されたように測定された、出発バイオマスの組成は、以下のとおりであった:出発バイオマスの合計質量に対して、41.2質量%のセルロース、17.5質量%のヘミセルロース、25.7質量%のリグニン。残りの部分は有機酸、タンパク質及び非タンパク質含窒素物質、脂質、無機塩からなることが判明した。
第一水相を上記されたように分析して、下記の結果を得た:
−収率: 96.1%(出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して)、
−分解比C6:1. 4 %、
−分解比C5:0.9 %、
−C5含量: 74.3%。
既に粉砕されたグアユールバガス(グアユールゴムノキ.)(粒子直径<2 mm)25 gをオープン−トップビュッチオートクレーブ型式3E/1.0ltに仕込んだ。
次いでpH 1.1のメタン−スルホン酸(CH3-SO3H)の水溶液500gを仕込んだ。こうして得られた第一反応混合物を、140 ℃の温度に達するまで、45分の期間にわたって激しい撹拌(600 回転/分)下に保ち、リグニン及びセルロースを含む第一固体相及びヘミセルロースに由来する糖を含む第一水相を含む第二反応混合物を得た。
オートクレーブを放置して室温(23℃)に冷却した後、前記相を濾過により分離した。
上記されたように測定された、出発バイオマスの組成は、以下のとおりであった:出発バイオマスの合計質量に対して、42.9質量%のセルロース、21,2質量%のヘミセルロース、26.3質量%のリグニン。残りの部分は有機酸、タンパク質及び非タンパク質含窒素物質、脂質、無機塩からなることが判明した。
第一水相を上記されたように分析して、下記の結果を得た:
−収率: 98.8%(出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して)、
−分解比C6: 0.0 %、
−分解比C5: 1.6 %、
−C5含量: 80.6%。
既に粉砕された針葉樹材(粒子直径<2 mm)25 gをオープン−トップビュッチオートクレーブ型式3E/1.0ltに仕込んだ。
次いでpH 1.1のp-トルエンスルホン酸(CH3C6H4-SO3H)の水溶液500gを仕込んだ。こうして得られた第一反応混合物を、140 ℃の温度に達するまで、45分の期間にわたって激しい撹拌(600 回転/分)下に保ち、リグニン及びセルロースを含む第一固体相及びヘミセルロースに由来する糖を含む第一水相を含む第二反応混合物を得た。
オートクレーブを放置して室温(23℃)に冷却した後、前記相を濾過により分離した。
上記されたように測定された、出発バイオマスの組成は、以下のとおりであった:出発バイオマスの合計質量に対して、45.1質量%のセルロース、25.2質量%のヘミセルロース、24.4質量%のリグニン。残りの部分は有機酸、タンパク質及び非タンパク質含窒素物質、脂質、無機塩からなることが判明した。
第一水相を上記されたように分析して、下記の結果を得た:
−収率: 83.6%(出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して)、
−分解比C6: 5.0 %、
−分解比C5: 3.7 %、
−C5含量: 77.3%。
既に粉砕されたアザミバガス(シナラ・カルダンクラスL.)(粒子直径<2 mm)25 gをオープン−トップビュッチオートクレーブ型式3E/1.0ltに仕込んだ。
次いでpH 1.1のp-トルエンスルホン酸(CH3C6H4-SO3H)の水溶液500gを仕込んだ。こうして得られた第一反応混合物を、140 ℃の温度に達するまで、45分の期間にわたって激しい撹拌(600 回転/分)下に保ち、リグニン及びセルロースを含む第一固体相及びヘミセルロースに由来する糖を含む第一水相を含む第二反応混合物を得た。
オートクレーブを放置して室温(23℃)に冷却した後、前記相を濾過により分離した。
上記されたように測定された、出発バイオマスの組成は、以下のとおりであった:出発バイオマスの合計質量に対して、41.2質量%のセルロース、17.5質量%のヘミセルロース、25.7質量%のリグニン。残りの部分は有機酸、タンパク質及び非タンパク質含窒素物質、脂質、無機塩からなることが判明した。
第一水相を上記されたように分析して、下記の結果を得た:
−収率: 88.1%(出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して)、
−分解比C6:3.8 %、
−分解比C5:8.8 %、
−C5含量:72.9%。
既に粉砕されたグアユールバガス(グアユールゴムノキ)(粒子直径<2 mm)25 gをオープン−トップビュッチオートクレーブ型式3E/1.0ltに仕込んだ。
次いでpH 1.1のp-トルエンスルホン酸(CH3C6H4-SO3H)の水溶液500gを仕込んだ。こうして得られた第一反応混合物を、140 ℃の温度に達するまで、45分の期間にわたって激しい撹拌(600 回転/分)下に保ち、リグニン及びセルロースを含む第一固体相及びヘミセルロースに由来する糖を含む第一水相を含む第二反応混合物を得た。
オートクレーブを放置して室温(23℃)に冷却した後、前記相を濾過により分離した。
上記されたように測定された、出発バイオマスの組成は、以下のとおりであった:出発バイオマスの合計質量に対して、42.9質量%のセルロース、21.2質量%のヘミセルロース、26.3質量%のリグニン。残りの部分は有機酸、タンパク質及び非タンパク質含窒素物質、脂質、無機塩からなることが判明した。
第一水相を上記されたように分析して、下記の結果を得た:
−収率: 91.2%(出発バイオマス中に含まれるヘミセルロースの合計量に対して)、
−分解比C6: 0.0 %、
−分解比C5: 4.8 %、
−C5含量: 74.6%。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕少なくとも一種の多糖を含むバイオマスからの糖の製造方法であって、バイオマスを1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜3個の炭素原子を有する少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させる工程を含み、前記水溶液のpHが0.6〜1.6の範囲、好ましくは0.9〜1.3の範囲であることを特徴とする、方法。
〔2〕前記多糖が、セルロース、ヘミセルロース、又はこれらの混合物から、好ましくはヘミセルロース、又はヘミセルロースとセルロースとの混合物から選択される、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記バイオマスが、リグノセルロースバイオマスであり、好ましくは
−特別にエネルギー用に栽培された穀物の産物(例えば、ススキ、アワ、コモンケイン)であって、前記穀物又はそれらの加工の廃棄産物、残渣及びスクラップを含む、産物、−木材、植物、並びに農業的加工、造林及び育林の残渣及び廃棄産物を含む、農業的栽培、造林及び育林の産物、
−ヒト栄養又は畜産に予定された農業−食品産物の廃棄物、
−紙工業の、化学的に処理されていない残渣、
−固体の都市廃棄物(例えば、植物起源の都市廃棄物、紙)の分別収集に由来する廃棄産物
から選択される、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記リグノセルロースバイオマスが、グアユール(グアユールゴムノキ)、アザミ(シナラ・カルダンクラスL.)、針葉樹(マツ、モミの木)から選択される、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔5〕前記バイオマスを予備の粉砕処理に供し、その後に前記少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させる、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の方法。
〔6〕前記少なくとも一種の有機酸が、一般式 (I)、
R−SO 3 H (I)
(式中、Rは線状又は分枝C 1 −C 6 、好ましくはC 1 −C 3 アルキル基を表す)
を有するアルキル−スルホン酸から選択される、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の方法。
〔7〕前記少なくとも一種の有機酸が、メタン−スルホン酸(CH 3 −SO 3 H)である、前記〔6〕に記載の方法。
〔8〕以下の工程、
−バイオマスを反応器中で前記少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させて第一反応混合物を得る工程、
−前記反応器を所望の温度、好ましくは100℃〜180℃の範囲、より好ましくは130℃〜150℃の範囲の温度に、20分〜2時間の範囲、好ましくは40分〜1時間の範囲の時間にわたって加熱して、第一固体相及び第一水相を含む第二反応混合物を得る工程、
−任意に、第一固体相及び第一水相を含む前記第二反応混合物を前記所望の温度で30秒〜1時間の範囲、好ましくは5分〜20分の範囲の時間にわたって維持する工程、
−前記第二反応混合物を前記反応器から除去する工程
を含む、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔9〕前記バイオマスが、前記第一反応混合物の総質量に対して5質量%〜40質量%、好ましくは20質量%〜35質量%の範囲の量で前記第一反応混合物中に存在する、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の方法。
〔10〕前記反応器が、バイオマスの連続供給を用いる反応器(CSTR−“連続撹拌タンク反応器”)から選択される、前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の方法。
〔11〕前記第一固体相が、リグニン及びセルロースを含み、かつ前記第一水相が、5〜6個の炭素原子を有する少なくとも一種の糖及び前記少なくとも一種の有機酸を含む、前記〔8〕に記載の方法。
〔12〕前記糖が、アルコール(エタノール、ブタノール)、ジオール(1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール)、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物の製造のための発酵処理において炭素源として使用される、前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の方法。
〔13〕前記アルコール、ジオール、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物が、化学工業又は自動車用の燃料の配合に使用される、前記〔12〕に記載の方法。
〔14〕前記アルコール及び前記ジオールが、バイオ−ブタジエン製造に使用される、前記〔12〕に記載の方法。
Claims (13)
- 少なくとも一種の多糖を含むバイオマスからの糖の製造方法であって、バイオマスを反応器中で少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させて第一反応混合物を得る工程を含み、前記少なくとも一種の有機酸が、一般式 (I)、
R−SO3H (I)
(式中、Rは線状又は分枝C1−C3アルキル基を表す)
を有するアルキル−スルホン酸から選択され、前記水溶液のpHが0.6〜1.6の範囲であり、前記反応器を100℃〜180℃の範囲の温度に、20分〜2時間の範囲の時間にわたって加熱して、第一固体相及び第一水相を含む第二反応混合物を得ることを特徴とする、方法。 - 前記多糖が、セルロース、ヘミセルロース、又はこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記バイオマスが、リグノセルロースバイオマスである、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記リグノセルロースバイオマスが、グアユール、アザミ、針葉樹から選択される、請求項3に記載の方法。
- 前記バイオマスを予備の粉砕処理に供し、その後に前記少なくとも一種の有機酸の水溶液と接触させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記少なくとも一種の有機酸が、メタン−スルホン酸(CH3−SO3H)である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 以下の工程、
−前記反応器を130℃〜150℃の範囲の温度に、40分〜1時間の範囲の時間にわたって加熱して、第一固体相及び第一水相を含む第二反応混合物を得る工程、
−任意に、第一固体相及び第一水相を含む前記第二反応混合物を前記130℃〜150℃の範囲の温度で30秒〜1時間の範囲の時間にわたって維持する工程、
−前記第二反応混合物を前記反応器から除去する工程
を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。 - 前記バイオマスが、前記第一反応混合物の総質量に対して5質量%〜40質量%の範囲の量で前記第一反応混合物中に存在する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記反応器が、バイオマスの連続供給を用いる反応器から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記第一固体相が、リグニン及びセルロースを含み、かつ前記第一水相が、5〜6個の炭素原子を有する少なくとも一種の糖及び前記少なくとも一種の有機酸を含む、請求項7に記載の方法。
- 前記糖が、アルコール、ジオール、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物の製造のための発酵処理において炭素源として使用される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記アルコール、ジオール、脂質、又はその他の中間体もしくは生成物が、化学工業又は自動車用の燃料の配合に使用される、請求項11に記載の方法。
- 前記アルコール及び前記ジオールが、バイオ−ブタジエン製造に使用される、請求項11に記載の方法。
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