JP6572827B2 - 単結晶インゴットの切断方法 - Google Patents

単結晶インゴットの切断方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコンインゴットや化合物半導体インゴット等の単結晶インゴットであるワークをワイヤソーによりウェーハ状に切断するワークの切断方法に関する。
従来、例えばシリコンインゴットや化合物半導体インゴット等のワークからウェーハを切り出す手段として、ワイヤソーが知られている。このワイヤソーでは、複数のローラの周囲に切断用ワイヤが多数巻掛けられることによりワイヤ列が形成されており、その切断用ワイヤが軸方向に高速駆動され、かつ、スラリが適宜供給されながらワイヤ列に対してワークが切り込み送りされることにより、このワークが各ワイヤ位置で同時に切断されるようにしたものである。
ここで、図7に、従来の一般的なワイヤソーの一例の概要を示す。
図7に示すように、このワイヤソー101は、主に、ワーク(単結晶インゴット)Wを切断するためのワイヤ102(高張力鋼線)、ワイヤ102を巻掛けた溝付きローラ103、ワイヤ102に張力を付与するための張力付与機構104、104’、切断されるワークWを下方へと送り出すワーク送り機構105、切断時にGC(炭化ケイ素)砥粒等を液体に分散させたスラリ109を供給するスラリ供給機構106で構成されている。
ワイヤ102は、一方のワイヤリール107から繰り出され、張力付与機構104を経て、溝付きローラ103に入っている。ワイヤ102はこの溝付きローラ103に300〜400回程度巻掛けられた後、もう一方の張力付与機構104’を経てワイヤリール107’に巻き取られている。
また、溝付きローラ103は鉄鋼製円筒の周囲にポリウレタン樹脂を圧入し、その表面に一定のピッチで溝を切ったローラであり、巻掛けられたワイヤ102が、駆動用モータ110によって予め定められた周期で往復方向に駆動できるようになっている。
なお、ワークWの切断時には、ワーク送り機構105によってワークWは保持されつつ押し下げられ、溝付きローラ103に巻掛けられたワイヤ102に送り出される。
このようなワイヤソー101を用い、ワイヤ102にワイヤ張力付与機構104を用いて適当な張力をかけて、駆動用モータ110によりワイヤ102を往復方向に走行させながらスラリ109をノズル108を介して供給し、ワーク送り機構105でワークWを切り込み送りすることでワークWを切断する。
また、上記において砥粒を含むスラリを使用せず、代わりにダイヤモンド砥粒等をワイヤの表面に固着した固定砥粒ワイヤを使用して、ワークを切断する方法も知られている。この固定砥粒ワイヤによる切断では、図7に示したワイヤソーの鋼線ワイヤの代わりに固定砥粒ワイヤを装着し、スラリを砥粒が含まない冷却水に変えることで、ワイヤソーをそのまま使用することができる。
このようなワイヤソーによるワークの切断方法において、曲がりや反りが小さい、つまりWarpが良好なウェーハを得るための切断方法として、特許文献1に、単結晶インゴットの結晶方位が<111>の場合に、その晶癖線の方向と平行に切断する単結晶切断方法が開示されている。ここで、結晶方位が<111>の場合に、その晶癖線の方向と平行に切断することは、切断する際のワイヤ走行方向と切断されたウェーハの劈開方向とのなす角度が最大になるように切断することと同じ意味である。
一方、特許文献2には、インゴットをワイヤ列に対して垂直方向に傾斜させて切断を行うと、切断精度が悪化することが示されている。
特開2005−231248号公報 特開平10−100142号公報
しかしながら、ほとんどの場合において、前記の2つの条件を同時に満たす事はできない。これは以下のような理由による。例えば、CZ法によって引き上げられた単結晶インゴットは、その引き上げ軸と、その結晶方位と同一方向に延びる結晶軸との間で若干のずれを生じることがある。一方、単結晶は、通常、方向によって機械的、電気的、磁気的、光学的、熱的な性質が異なる。従って、結晶の性質を有効に利用して所望の製品を得るためには、単結晶インゴットの結晶軸の方向を測定し、その方向に対して概ね垂直な所定の方向に単結晶インゴットを切断してウェーハを作成する必要がある。ここで所定な方向とは、結晶軸に正確に垂直な場合もあるし、正確に垂直な方向から一定量ずらした位置とすることもある。
単結晶インゴットの結晶軸の測定は、X線結晶軸方位測定装置を利用して行われる。即ち、X線結晶軸方位測定装置上に単結晶インゴットを載置し、この単結晶インゴットの側面にX線を出射し、単結晶インゴット端面からの反射X線を検出し、単結晶インゴットの垂直、水平方向の結晶軸方位を測定する。
測定後は、単結晶インゴットをワイヤソーのワーク固定部に設けられたチルチング機構に取り付け、このチルチング機構によって、測定した水平方位及び垂直方位に所定角度傾斜させて結晶方位合わせを行えば良い。この場合、例えば図8(a)に示すような切断方法において、図9に示すようにして水平及び垂直方向に単結晶インゴットを傾斜させる方位調整方法が行われる。
しかしながら、単結晶インゴットをワイヤ列に対して垂直方向に傾斜させて切断を行うと、単結晶インゴットは、その底面のいずれか一方端からワイヤ列に切り込まれることになり、切断精度を低下させるという欠点がある。
一方、単結晶インゴットを垂直方向に傾斜させずに面方位を調整するためには、特許文献2に示されているように、単結晶インゴットの水平方向への傾斜と、単結晶インゴットを自身の軸周りに回転させることにより調整すれば良い。
この方法によれば、単結晶インゴットを垂直方向に傾斜させないので、単結晶インゴット中心軸と、単結晶インゴットを切断するワイヤ列により形成される面とを平行にした状態で切断することができる。この場合、例えば図8(b)に示すような切断方法において、図10に示すようにして水平方向への単結晶インゴット傾斜と、単結晶インゴットの回転による方位調整方法が行われる。
しかしながら、この方法によるスライス面方位の調整では、単結晶インゴットを自身の軸周りに回転させる量は、CZ法で単結晶インゴットを引き上げた際の軸ズレ量と、切断での面方位狙い値の組み合わせによって一意的に決まるため、スライスウェーハの劈開方向を任意の方向とすることができず、劈開方向がワイヤ走行方向に近づいた場合には切断されたウェーハのWarpが悪化する問題がある。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、ワイヤソーを用いて単結晶インゴットを切断するワークの切断方法において、スライスウェーハの面方位が所望の方向となるようにスライス方位を調整し、かつ良好なWarpのスライスウェーハが得られる方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、複数の溝付きローラに巻掛けされ、軸方向に走行するワイヤによって形成されるワイヤ列に、円筒研削された単結晶インゴットを押し当てて切断してスライスウェーハを得る切断方法であって、
前記単結晶インゴットを円筒研削する際に、前記スライスウェーハの面方位が所望の方向となるように、前記単結晶インゴットの結晶方位と同一方向に延びる結晶軸と、前記単結晶インゴットの中心軸との軸ズレ量をあらかじめ調整するように円筒研削する軸ズレ量調整工程と、
前記ワイヤと、前記スライスウェーハの劈開方向とがなす角度が最大値から±5度以内の範囲となるように、かつ、前記単結晶インゴットの中心軸と、前記ワイヤ列により形成される面とがなす角度が0.1度以下の範囲となるように前記単結晶インゴットを配置した状態で、前記単結晶インゴットの切断を行う切断工程とを有することを特徴とする単結晶インゴットの切断方法を提供する。
このようにすれば、スライスウェーハの面方位が所望の方向となるように調整し、かつ、曲がりや反りの少ない、Warpが良好なスライスウェーハを得ることができる。
このとき、前記切断工程において、
前記ワイヤと、前記スライスウェーハの劈開方向とがなす角度が、最大値となるようにすることが好ましい。
このようにすれば、良好なWarpのスライスウェーハをより確実に得ることができる。
またこのとき、前記切断工程において、
前記単結晶インゴットの中心軸と、前記ワイヤ列により形成される面とが平行となるようにすることが好ましい。
このようにすれば、良好なWarpのスライスウェーハをより確実に得ることができる。
またこのとき、前記軸ズレ量調整工程は、
育成直後の前記単結晶インゴットの円筒研削を行う1回目の円筒研削工程と、
該円筒研削後の前記単結晶インゴットにおける前記軸ズレ量を測定する軸ズレ量測定工程と、
該測定した軸ズレ量に基づいて、前記単結晶インゴットを円筒研削して前記軸ズレ量の調整を行う2回目の円筒研削工程とを有することが好ましい。
このようにすれば、スライスウェーハの面方位が所望の方向となるように調整し、かつ、曲がりや反りの少ない、Warpが良好なスライスウェーハをより確実に得ることができる。
またこのとき、前記単結晶インゴットが、結晶方位<111>の単結晶シリコンであることが好ましい。
このように、本発明の方法は、ワイヤとスライスウェーハの劈開方向とがなす角度によるWarpの変化が特に顕著に発生する、結晶方位<111>の単結晶シリコンにおいて、特に好適である。
またこのとき、前記単結晶インゴットの直径が300mm以上であることが好ましい。
単結晶インゴットの中心軸がワイヤ列により形成される面と平行でない場合に発生するWarpの悪化を防ぐ方法として、バンドソーや内周刃スライサーによる切断等が挙げられる。しかしながら、バンドソーや内周刃スライサーは、カーフロスがワイヤソーに比較して大幅に劣り、また切断されたウェーハのWarpは、ワークの直径が大きくなるほど悪化し、直径300mm以上ではワイヤソーと比較して大幅に劣る。このため、直径300mm以上の単結晶インゴットにおいて、本発明の方法によってワイヤソーを用いて切断することが特に好適である。
本発明の単結晶インゴットの切断方法であれば、スライスウェーハの面方位が所望の方向となるように調整し、かつ、曲がりや反りの少ない、Warpが良好なスライスウェーハを得ることができる。
本発明の単結晶インゴットの切断方法の一例を示した工程図である。 本発明の単結晶インゴットの切断方法において用いることができるワイヤソーの一例を示した概略図である。 軸ズレ量について示した概略図である。 劈開方向について示した概略図である。 実施例及び比較例における単結晶インゴットの中心軸と、ワイヤ列により形成される面とがなす角度とWarpとの関係を示したグラフである。 実施例及び比較例におけるワイヤと、スライスウェーハの劈開方向とがなす角度とWarpとの関係を示したグラフである。 従来の一般的なワイヤソーを示した概略図である。 従来の単結晶インゴットの切断方法を示した工程図である。 水平及び垂直方向に単結晶インゴットを傾斜させる方位調整方法を示した概略図である。 水平方向への単結晶インゴット傾斜と、単結晶インゴットの回転による方位調整方法を示した概略図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上述したように、ワイヤソーを用いて単結晶インゴットを切断するワークの切断方法において、スライスウェーハの面方位が所望の方向となるようにスライス方位を調整し、かつ良好なWarpのスライスウェーハが得ることができなかった。
そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、単結晶インゴットを円筒研削する際に、スライスウェーハの面方位が所望の方向となるように、単結晶インゴットの結晶方位と同一方向に延びる結晶軸と、単結晶インゴットの中心軸との軸ズレ量をあらかじめ調整するように円筒研削する軸ズレ量調整工程と、ワイヤと、スライスウェーハの劈開方向とがなす角度が最大値から±5度以内の範囲となるように、かつ、単結晶インゴットの中心軸と、ワイヤ列により形成される面とがなす角度が0.1度以下の範囲となるように単結晶インゴットを配置した状態で、単結晶インゴットの切断を行う切断工程を行うことにより、スライスウェーハの面方位が所望の方向となるように調整し、かつ、曲がりや反りの少ない、Warpが良好なスライスウェーハをより確実に得ることができること想到した。そして、これらを実施するための最良の形態について精査し、本発明を完成させた。
まず、本発明の単結晶インゴットの切断方法において用いることができるワイヤソーの一例について図2を参照して説明する。図2に示すように、ワイヤソー1は、主に、ワークWを切断するためのワイヤ2(高張力鋼線)、ワイヤ2を巻掛けた溝付きローラ3、ワイヤ2に張力を付与するための張力付与機構4、4’、切断されるワークWを下方へと送り出すワーク送り機構5、切断時にGC(炭化ケイ素)砥粒等を液体に分散させたスラリ9を供給するスラリ供給機構6で構成されている。
ワイヤ2は、一方のワイヤリール7から繰り出され、張力付与機構4を経て、溝付きローラ3に入っている。ワイヤ2はこの溝付きローラ3に300〜400回程度巻掛けられた後、もう一方の張力付与機構4’を経てワイヤリール7’に巻き取られている。
また、溝付きローラ3は鉄鋼製円筒の周囲にポリウレタン樹脂を圧入し、その表面に一定のピッチで溝を切ったローラであり、巻掛けられたワイヤ2が、駆動用モータ10によって予め定められた周期で往復方向に駆動できるようになっている。
なお、ワークWの切断時には、ワーク送り機構5によってワークWは保持されつつ押し下げられ、溝付きローラ3に巻掛けられたワイヤ2によって形成されるワイヤ列2aに送り出される。このようなワイヤソー1を用い、ワイヤ2にワイヤ張力付与機構4を用いて適当な張力をかけて、駆動用モータ10によりワイヤ2を往復方向に走行させながらスラリ9をノズル8を介して供給し、ワーク送り機構5でワークWを切り込み送りすることでワークWを切断する。以上のように、本発明の単結晶インゴットの切断方法で用いられるワイヤソーは、従来一般に用いられているものを適用することができる。
次に、本発明の単結晶インゴットの切断方法について図1を参照して説明する。
まず、切断対象となる単結晶インゴットの育成を行う(図1のSP1)。このとき、単結晶インゴットが、結晶方位<111>の単結晶シリコンであることが好ましい。本発明の方法は、ワイヤとスライスウェーハの劈開方向とがなす角度によるWarpの変化が特に顕著に発生する、結晶方位<111>の単結晶シリコンにおいて、特に好適である。ただし、結晶方位<100>の単結晶シリコンにおいてもワイヤとスライスウェーハの劈開方向とがなす角度によるWarp変化は発生するため、本発明は同様に有効である。また、単結晶インゴットの育成方法は特に限定されず、いわゆるCZ法、FZ法をはじめ、従来の方法のいずれをも適用可能である。
またこのとき、単結晶インゴットの直径が300mm以上であることが好ましい。インゴット中心軸がワイヤ列により形成される面と平行でない場合に発生するWarpの悪化を防ぐ方法として、バンドソーや内周刃スライサーによる切断等が挙げられる。しかしながら、バンドソーや内周刃スライサーは、カーフロスがワイヤソーに比較して大幅に劣り、また切断されたウェーハのWarpは、ワークの直径が大きくなるほど悪化し、直径300mm以上ではワイヤソーと比較して大幅に劣る。このため、直径300mm以上の単結晶インゴットにおいて、本発明の方法によってワイヤソーを用いて切断することが特に好適である。
次に、単結晶インゴットを円筒研削する際に、スライスウェーハの面方位が所望の方向となるように、単結晶インゴットの結晶方位と同一方向に延びる結晶軸と、単結晶インゴットの中心軸との軸ズレ量をあらかじめ調整するように円筒研削する軸ズレ量調整工程を行う(図1のSP2)。
このとき、軸ズレ量調整工程(SP2)は、育成直後の単結晶インゴットの円筒研削を行う1回目の円筒研削工程(図1のSP3)と、該円筒研削後の単結晶インゴットにおける軸ズレ量を測定する軸ズレ量測定工程(図1のSP4)と、該測定した軸ズレ量に基づいて、単結晶インゴットを円筒研削して軸ズレ量の調整を行う2回目の円筒研削工程(図1のSP5)とを有することが好ましい。このようにすれば、スライスウェーハの面方位を所望の設定値に調整し、良好なWarpのスライスウェーハをより確実に得ることができる。
軸ズレ量測定工程(SP4)では、例えば、図3に示すような単結晶インゴットの軸ズレ量が測定される。図3に示すように、例えばCZ法等によって引き上げられた単結晶インゴットは、引き上げ軸とその結晶方位との間で若干のずれがあるため、単結晶インゴットの中心軸に垂直な投影面を設定し、X−Y軸の交点Aに単結晶インゴットの中心軸を置くと、結晶面の法線(結晶軸)は例えばB点のようにずれた位置にある。このB点が任意の設定位置となるように、2回目の円筒研削工程(SP5)において、スライス方位を調整することができる。
このとき、B点は、A点に同じ位置にすること、すなわち、単結晶インゴットの中心軸と、結晶軸を一致させるように2回目の円筒研削を行うことができる。また、B点を、A点からX−Y方向に任意量ずらした位置にする場合もある。
その後、例えば、ノッチ又はオリフラ位置の検出(図1のSP6)、ノッチ研削又はオリフラ研削(図1のSP7)、ブロック切断(図1のSP8)、ノッチ又はオリフラを基準としたワークプレートへの貼り付け(図1のSP9)、ワイヤソーに取り付け(図1のSP10)を順に実施することが好ましい。ノッチ又はオリフラを基準としたワークプレートへの貼り付け(SP9)において、従来の方法によるスライス方位の微調整を行うことができる。
このとき、ブロック切断(SP8)は、2回目の円筒研削工程(SP5)の前に実施することもできる。このようにすれば、2回目の円筒研削工程(SP5)において円筒研削するブロックの長さを短くすることができる。そのため、2回目の円筒研削工程(SP5)での軸ズレ量の調整を大きくすることができる。
次に、ワイヤ2と、スライスウェーハの劈開方向とがなす角度が最大値から±5度以内の範囲となるように、かつ、単結晶インゴットの中心軸と、ワイヤ列2aにより形成される面とがなす角度が0.1度以下の範囲となるように単結晶インゴットを配置した状態で、単結晶インゴットの切断を行う切断工程を行う(図1のSP11)。
ここで、ワイヤ2と、スライスウェーハの劈開方向とがなす角度について説明する。図4は、ワイヤ2の走行方向とスライスウェーハの劈開方向との角度θを示した模式図である。図4に示すように、<111>面では劈開方向が3方向あるため、角度θは最大で30度である。また、<100>面では劈開面は2方向あるため、角度θは最大で45度である。
従って、結晶方位<111>のシリコン単結晶の場合、ワイヤ2と、スライスウェーハの劈開方向とがなす角度が25度から35度の範囲となるようにする。
このとき、ワイヤ2と、スライスウェーハの劈開方向とがなす角度が、最大値となるようにすることが好ましい。またこのとき、単結晶インゴットの中心軸と、ワイヤ列2aにより形成される面とが平行となるようにすることが好ましい。このようにすれば、良好なWarpのスライスウェーハをより確実に得ることができる。
以上説明したような本発明の単結晶インゴットの切断方法であれば、スライスウェーハの面方位が所望の方向となるように調整し、かつ、曲がりや反りの少ない、Warpが良好なスライスウェーハを得ることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜5)
図2に示すようなワイヤソーを用いて、図1に示す本発明の切断方法に従って、直径300mm、軸方向長さ300mmの単結晶シリコンインゴットをウェーハ状に切断した。
単結晶シリコンインゴットは、軸方位が<111>のものを準備した。また、ワイヤ径140μmのワイヤを使用した。
そして、単結晶インゴットを円筒研削する際に、スライスウェーハの面方位が所望の方向となるように、単結晶インゴットの結晶方位と同一方向に延びる結晶軸と、単結晶インゴットの中心軸との軸ズレ量をあらかじめ調整するように円筒研削する軸ズレ量調整工程を行った。これによって後述の切断工程において、ワイヤと、スライスウェーハの劈開方向とがなす角度や、単結晶インゴットの中心軸と、ワイヤ列により形成される面とがなす角度が所望の角度となるように調整した。
次に、単結晶インゴットの切断を行う切断工程を行った。切断工程では、2.5kgfの張力をかけて、600m/minの平均速度で60s/cのサイクルでワイヤを往復走行させて、単結晶シリコンインゴットを切断した。また、スラリとしては、GC#1500とクーラントを重量比50:50の割合で混ぜたものを用いた。
このとき、切断工程において、ワイヤと、スライスウェーハの劈開方向とがなす角度を最大値とした場合に、単結晶インゴットの中心軸と、ワイヤ列により形成される面とがなす角度を0度(実施例1)、0.1度(実施例2)となるように単結晶インゴットを配置した状態で、単結晶インゴットの切断を行ったときのスライスウェーハのWarpの比較を行い、その結果を後述する比較例1〜4の結果と共に図5に示した。
また、切断工程において、単結晶インゴットの中心軸と、ワイヤ列により形成される面とが平行とした場合に、ワイヤと、スライスウェーハの劈開方向とがなす角度を最大値である30度(実施例3)、25度(実施例4)、35度(実施例5)となるように単結晶インゴットを配置した状態で、単結晶インゴットの切断を行ったときのスライスウェーハのWarpの比較を行い、その結果を後述する比較例の結果と共に図6に示した。
(比較例1〜4)
実施例1の切断工程において、単結晶インゴットの中心軸と、ワイヤ列により形成される面とがなす角度を0.2〜0.8度(比較例1〜4)の範囲で変化させたこと以外は、実施例1と同様にして単結晶インゴットの切断を行った。
その結果、図5に示すように、単結晶インゴットの中心軸と、ワイヤ列により形成される面とがなす角度が0.2度以上の比較例1〜4では、Warpに悪化が発生した。一方、単結晶インゴットの中心軸と、ワイヤ列により形成される面とがなす角度が0.1度以下の範囲である実施例1、2では、Warpの悪化を抑制することができた。
(比較例5〜7)
実施例3の切断工程において、ワイヤと、スライスウェーハの劈開方向とがなす角度を0〜20度(比較例5〜7)の範囲で変化させたこと以外は、実施例3と同様にして単結晶インゴットの切断を行った。
その結果、図6に示すように、ワイヤと、スライスウェーハの劈開方向とがなす角度が最大値から10度以上離れる比較例5〜7では、Warpは大幅に悪化した。なお、結晶方位が<111>のウェーハでは、ワイヤとウェーハ劈開方向との角度の最大値は30度である。一方、スライスウェーハの劈開方向とがなす角度が最大値から±5度以内の範囲である実施例3、4、5では、Warpの悪化を抑制することができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…ワイヤソー、 2…ワイヤ、 2a…ワイヤ列、 3…溝付きローラ、
4、4’…張力付与機構、 5…ワーク送り機構、 6…スラリ供給機構、
7、7’…ワイヤリール、 8…ノズル、 9…スラリ、 10…駆動用モータ、
W…ワーク。

Claims (4)

  1. 複数の溝付きローラに巻掛けされ、軸方向に走行するワイヤによって形成されるワイヤ列に、円筒研削された単結晶インゴットを押し当てて切断してスライスウェーハを得る切断方法であって、
    前記単結晶インゴットを円筒研削する際に、前記スライスウェーハの面方位が所望の方向となるように、前記単結晶インゴットの結晶方位と同一方向に延びる結晶軸と、前記単結晶インゴットの中心軸との軸ズレ量をあらかじめ調整するように円筒研削する軸ズレ量調整工程と、
    前記ワイヤと、前記スライスウェーハの劈開方向とがなす角度が25度から35度の範囲となるように、かつ、前記単結晶インゴットの中心軸と、前記ワイヤ列により形成される面とがなす角度が0.1度以下の範囲となるように前記単結晶インゴットを配置した状態で、前記単結晶インゴットの切断を行う切断工程とを有し、
    前記単結晶インゴットが、結晶方位<111>の単結晶シリコンであり、
    前記軸ズレ量調整工程は、
    育成直後の前記単結晶インゴットの円筒研削を行う1回目の円筒研削工程と、
    該円筒研削後の前記単結晶インゴットにおける前記軸ズレ量を測定する軸ズレ量測定工程と、
    該測定した軸ズレ量に基づいて、前記単結晶インゴットを円筒研削して前記軸ズレ量の調整を行う2回目の円筒研削工程とを有することを特徴とする単結晶インゴットの切断方法。
  2. 前記切断工程において、
    前記ワイヤと、前記スライスウェーハの劈開方向とがなす角度が、最大値となるようにすることを特徴とする請求項1に記載の単結晶インゴットの切断方法。
  3. 前記切断工程において、
    前記単結晶インゴットの中心軸と、前記ワイヤ列により形成される面とが平行となるようにすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体インゴットの切断方法。
  4. 前記単結晶インゴットの直径が300mm以上であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の単結晶インゴットの切断方法。
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