JP6572593B2 - 樹脂組成物、接着剤及びその成形体 - Google Patents
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Description
該エチレン系酸共重合体(A)は、得られる組成物の低温接着性を付与させるため、融点は100℃以下が好ましく、接着性と成形加工性のバランスを考慮してメルトマスフローレイトは0.1〜300g/10分から適時選択する。
(1)メルトマスフローレイト(MFR)
エチレン系酸共重合体(B)のMFRは、JIS K6924−1に準拠して測定した。
(2)酢酸ビニル含有量
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)の酢酸ビニル含有率は、JIS K6924−1に準拠して測定した。
(3)樹脂組成物の調製
樹脂組成物の調製方法は、エチレン系酸共重合体(A)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)を同時にヘンシェルミキサー又はタンブラー等の混合機により予備ブレンドしておき、単軸又は二軸の押出機で溶融混練することにより本樹脂組成物のペレットを得た。混練温度は、溶融樹脂温度で140℃〜180℃とした。本樹脂組成物には、混練時あるいは成形加工時の熱安定性を考慮して、フェノール系酸化防止剤(BASF(株)社製、商品名イルガノックス1010)を樹脂組成物100重量部に対し0.01重量部添加した。
(4)成形体の作成
本樹脂組成物の成形体は、以下の方法により作成した。
(5)ブロッキング試験−組成物
ポリプロピレン製の20mLのディスポーザブルカップに10gの本樹脂組成物のペレットを入れて、ギアオーブン(YASUDA SEIKI製No102、SHF−77ギアー老化試験機)内に静置して、40℃、2日間の加熱処理を行なった。カップからペレットを取り出し、ペレット間のブロッキング状態を観察した。手で容易に解砕できないほどペレット間のブロッキングが強いものは耐ブロッキング性に劣ると判断した。
×:ペレット間のブロッキングが強く、解砕しないとペレットが解れない状態
(6)ブロッキング試験−成形体
本樹脂組成物を用いて作成した厚み1mm×縦50mm×横50mmのプレスシートを厚み3mmの板ガラスの上に置き、その上に100gの重りを載せて20分間静置した。重りを取り除き、成形体を板ガラスから剥がし、成形体のブロッキング状態を観察した。成形体が手で容易に剥がれないほどブロッキングが強いものはハンドリング性に劣るものとした。
×:成形体を容易に剥がすことが出来ないほどブロッキングが強い状態
(7)収縮試験
本樹脂組成物を用いて作成した厚み1mm×縦100mm×横100mmのプレスシートの中央に長さ50mm角の標線を入れ、厚み3mmの テフロン(登録商標)シートの上に置いた。ギアオーブン(YASUDA SEIKI製No102、SHF−77ギアー老化試験機)内に静置して、80℃、20分間の加熱処理を行なった。加熱処理前後の標線の寸法を測定し、寸法変化により熱収縮性を評価した。
熱収縮性:加熱後の平均寸法/加熱前の平均寸法
(8)接着試験
本樹脂組成物を用いて作成した厚み1mmのプレスシートを縦80mm×横100mmに裁断し、縦100mm×横100mmに裁断した各被着体(0.2mmアルミ板、0.3mmのステンレス板、0.3mmの銅板)の上に置き、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートに30μmのポリエチレンがラミネートされているラミネートフィルムを支持体として、ポリエチレン面がプレスシートと接するように置いた。次に、貼合せ試験機(テーピ熱学株式会社製遠赤外線加熱炉 UC−3)を用いて、80℃、20分間の加熱処理を行ない、気泡が混入しないようにプレスシートと各被着体を接着させた試験片を得た。本樹脂組成物の接着強度は、オートグラフ(ORIENTEC社製RTE−1210)を用いて、剥離速度300mm/min、剥離角度180度、試料巾15mmの条件にて測定した。
エチレン系酸共重合体(A)として、メルトマスフローレイトが7g/10分、融点が67℃であるエチレン−エチルアクリレート−マレイン酸3元共重合体(A1)(アルケマ社製、商品名AX8390)100重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)として、酢酸ビニル含量が6%、加水分解率が80%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B1)(東ソー株式会社製、商品名メルセンH6820)10重量部をタンブラー混合機にて予備ブレンドした。次に、2軸押出機(東洋精機社製ラボプラストミル)を用いて、樹脂温度140℃にて溶融混練し、樹脂組成物のペレットを得た。樹脂組成物の配合を表1に示す。得られたペレットを用いて前記のブロッキング試験を行ない、ペレットのブロッキング性を評価した。その結果を表3に示す。
エチレン−エチルアクリレート−マレイン酸3元共重合体(A1)100重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B1)30重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物及び成形体を得た。樹脂組成物の配合を表1に示す。得られた組成物及び成形体は、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表3に示す。
エチレン系酸共重合体(A)として、エチレン−エチルアクリレート−マレイン酸3元共重合体(A1)の代わりにメルトマスフローレイトが150g/10分、融点が67℃であるエチレン−酢酸ビニル−マレイン酸3元共重合体(A2)(アルケマ社製、商品名9305)100重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)として、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B1)の代わりに加水分解率が100%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B2)(東ソー株式会社製、商品名メルセンH6051)15重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物及び成形体を得た。樹脂組成物の配合を表1に示す。得られた組成物及び成形体は、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表3に示す。
エチレン系酸共重合体(A)として、エチレン−エチルアクリレート−マレイン酸3元共重合体(A1)の代わりにメルトマスフローレイトが65g/10分、融点が81℃であるエチレン−エチルアクリレート−マレイン酸3元共重合体(A3)(アルケマ社製、商品名HX8290)100重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)として、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B1)の代わりに酢酸ビニル含量が4%、加水分解率が90%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B3)(東ソー株式会社製、商品名メルセンH6960)10重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物及び成形体を得た。樹脂組成物の配合を表1に示す。得られた組成物及び成形体は、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表3に示す。
エチレン−エチルアクリレート−マレイン酸3元共重合体(A1)100重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物及び成形体を得た。樹脂組成物の配合を表2に示す。得られた組成物及び成形体は、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表4に示す。得られた組成物及び成形体は、ブロッキングが強く耐ブロッキング性に劣り、成形体の加熱前後の寸法変化が大きく熱収縮性も劣るものであった。
エチレン−エチルアクリレート−マレイン酸3元共重合体(A1)100重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B2)を60重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物及び成形体を得た。樹脂組成物の配合を表2に示す。得られた組成物及び成形体は、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表4に示す。得られた成形体の接着性は大きく劣るものであった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B1)を100重量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物及び成形体を得た。樹脂組成物の配合を表2に示す。得られた組成物及び成形体は、実施例1と同様な評価を行ない、その結果を表4に示す。得られた成形体の接着性は大きく劣るものであった。
Claims (2)
- エチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸3元共重合体又はエチレン−酢酸ビニル−マレイン酸3元共重合体であるエチレン系酸共重合体(A)100重量部に対して、JIS K6924−1に準拠し測定した酢酸ビニル含有率が6〜50重量%の範囲であるエチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル単位を20〜100%加水分解したエチレン−酢酸ビニル−ケン化物(B)を0.1〜50重量部含むことを特徴とする樹脂組成物よりなることを特徴とする金属接着用ホットメルト接着剤。
- 請求項1に記載の金属接着用ホットメルト接着剤からなる成形体。
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