JP6570787B2 - エンジン音制御装置、エンジン音制御方法、及びエンジン音制御プログラム - Google Patents

エンジン音制御装置、エンジン音制御方法、及びエンジン音制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、自動車のエンジン音に影響を与える運転状態に応じた制御音を音声出力部から出力させるエンジン音制御装置及びエンジン音制御方法、並びに、コンピュータにエンジン音制御方法を実行させるエンジン音制御プログラムに関する。
自動車の運転に際しエンジン音(排気音)を楽しみたいという要求がある。特許文献1は、自動車の運転者の好みに応じた疑似エンジン音(疑似排気音)を、車内のスピーカから出力することにより、運転者に加速感を提供する技術を提案している。
また、特許文献2は、自動車のアクセル開度とエンジン回転速度をパラメータとしてエンジン運転状態を複数の範囲に区分し、複数の範囲の各々の略中央の状態で録音した実際のエンジン音をデジタルデータ(音源データ)として記憶し、記憶されたデジタルデータのエンジン音を車内に提供する技術を提案している。
また、特許文献3は、音源と音源に影響を与えるエフェクトデータとを記憶する記憶手段と、音源に運転状態データに対応するエフェクトデータに基づくエフェクトを印加して疑似エンジン音データを生成する生成手段と、生成したデータに基づく疑似エンジン音を出力する再生手段とを備える疑似音提供システムを提案している。
特開平1−140199号公報(特許請求の範囲、第1図、第2図) 特開2000−10576号公報(要約、図1〜図4) 特開2015−82029号公報(要約、図4、図5)
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術を用いて音源データを取得する場合には、非常に多くの運転状態(例えば、アクセル開度とエンジン回転速度との組み合わせによって決まる状態)について、音源データの取得(実際のエンジンの録音)を行う必要があり、多大な時間と労力が必要になる。
また、特許文献3に記載のシステムにおいて、疑似エンジン音に、より自然なエフェクト効果を与えるために、多くの運転状態に対して網羅的にエフェクトの設定作業を行う場合には、多大な時間と労力が必要になる。
逆に、特許文献1〜3に記載の技術において、音源データの数又はエフェクトの設定数を減らすと、疑似エンジン音は離散的に変化するようになり、疑似エンジン音の品質が低下する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、エンジン音の設定操作におけるユーザの労力を軽減することができ、高品質なエンジン音を提供することができるエンジン音制御装置、並びに、エンジン音の設定操作におけるユーザの労力を軽減することができ、高品質なエンジン音を提供することを可能にするエンジン音制御方法及びエンジン音制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るエンジン音制御装置は、自動車のエンジン音に影響する前記自動車の運転状態に応じた制御音を音声出力部から出力させるエンジン音制御装置であって、ユーザが操作部で行う入力操作に応じたユーザコマンドに基づいて、前記運転状態を示す複数種類のパラメータを座標軸とする座標系で表される運転状態空間を区分することによって得られる複数のセルのうちの、いずれかのセルを示す指定座標と前記指定座標で示される前記セルにおける目標エンジン音のスペクトル情報とを含むユーザ設定点情報を設定する目標エンジン音設定部と、前記ユーザコマンドに基づいて、前記運転状態空間における運転シーン領域を示す運転シーン領域情報を設定する運転シーン領域設定部と、前記ユーザ設定点情報と前記運転シーン領域情報とに基づいて、前記複数のセルのうちの、前記ユーザ設定点情報が設定されていないセルである第1の補間対象のセルの各々について、エンジン音のスペクトル情報を算出する第1の補間処理を行い、前記ユーザ設定点情報と前記第1の補間処理によって得られた第1の補間情報とから、前記複数のセルの各々におけるエンジン音のスペクトル情報を含むエンジン音設定マップを生成する第1の補間処理部と、前記エンジン音設定マップに基づくエンジン音制御パラメータを出力するパラメータ変換処理部と、前記エンジン音制御パラメータに基づく前記制御音を前記音声出力部から出力させるエンジン音制御器とを備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様に係るエンジン音制御方法は、自動車のエンジン音に影響を与える前記自動車の運転状態に応じた制御音を音声出力部から出力させるエンジン音制御方法であって、ユーザが操作部で行う入力操作に応じたユーザコマンドに基づいて、前記運転状態を示す複数種類のパラメータを座標軸とする座標系で表される運転状態空間を区分することによって得られる複数のセルのうちの、いずれかのセルを示す指定座標と前記指定座標で示される前記セルにおける目標エンジン音のスペクトル情報とを含むユーザ設定点情報を設定する目標エンジン音設定ステップと、前記ユーザコマンドに基づいて、前記運転状態空間における運転シーン領域を示す運転シーン領域情報を設定する運転シーン領域設定ステップと、前記ユーザ設定点情報と前記運転シーン領域情報とに基づいて、前記複数のセルのうちの、前記ユーザ設定点情報が設定されていないセルである第1の補間対象のセルの各々について、エンジン音のスペクトル情報を算出する第1の補間処理を行い、前記ユーザ設定点情報と前記第1の補間処理によって得られた第1の補間情報とから、前記複数のセルの各々におけるエンジン音のスペクトル情報を含むエンジン音設定マップを生成する第1の補間ステップと、前記エンジン音設定マップに基づくエンジン音制御パラメータを出力するパラメータ変換ステップと、前記エンジン音制御パラメータに基づく前記制御音を前記音声出力部から出力させる制御音生成ステップとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、自動車において、エンジン音の設定操作におけるユーザの労力を軽減することができ、ユーザが希望する高品質なエンジン音を提供することができる。
実施の形態1に係るエンジン音制御装置の構成(特に、エンジン音調整器の構成)を概略的に示す機能ブロック図である。 実施の形態1に係るエンジン音制御装置のエンジン音調整器のハードウェア構成の一例を示す図である。 図1に示されるエンジン音調整器によって実行されるエンジン音制御パラメータの生成動作の一例を示すフローチャートである。 運転状態空間の軸(運転状態空間を表す座標系の座標軸)としてのパラメータが自動車の車速、エンジン回転数、及びアクセル開度である場合の運転状態空間を示す図である。 自動車のエンジン回転の基本周波数の次数に対する目標の振幅レベルの例を示す図である。 図1に示される運転シーン領域設定部によって指定される運転シーン領域の例を示す図である。 図1に示される第1の補間処理部によって行われる第1の補間処理の一例を示すフローチャートである。 図1に示される第1の補間処理部が複数のセルからなるエンジン音設定マップの生成に使用するユーザ設定点情報、運転シーン領域情報、及び運転シーン領域に属するセルの例を示す図である。 (a)及び(b)は、実際のエンジン音と実際の運転状態データとを分析し、この分析の結果を示す画像を表示又は音声を出力する動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態3に係るエンジン音制御装置の構成(特に、エンジン音制御器の構成)を概略的に示す機能ブロック図である。 実施の形態3に係るエンジン音制御装置のエンジン音制御器のハードウェア構成の一例を示す図である。 実施の形態3に係るエンジン音制御装置のエンジン音制御器によって行われる制御音の制御動作の一例を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施の形態に係るエンジン音制御装置、エンジン音制御方法、及びエンジン音制御プログラムを、添付図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。なお、添付図面において、同様の機能を持つ構成には同じ符号が付される。
《1》実施の形態1.
《1−1》エンジン音制御装置1の構成
図1は、実施の形態1に係るエンジン音制御装置1の構成を概略的に示す機能ブロック図である。エンジン音制御装置1は、実施の形態1に係るエンジン音制御方法を実施することができる装置である。エンジン音制御装置1は、自動車に搭載される装置である。エンジン音制御装置1は、エンジン音制御装置1を搭載した自動車の運転状態に応じた制御音信号を生成し、生成された制御音信号に応じた制御音(疑似エンジン音)を制御音出力器(音声出力部)としてのスピーカから当該自動車の車内に出力するため装置である。自動車の車内にいる運転者(ユーザ)及び他の搭乗者は、実際のエンジン音(排気音)に加えてスピーカから出力される制御音(すなわち、実際のエンジン音と制御音とが合成された音)を聞くので、制御音が無い場合に比べて、より強い加速感を得ることができる。
図1に示されるように、エンジン音制御装置1は、主要な構成として、ユーザ操作を受け付けて、ユーザ操作に基づくユーザコマンドA0を提供する操作盤(操作部)10と、ユーザコマンドA0からエンジン音設定マップA5に基づくエンジン音制御パラメータA6を生成するエンジン音調整器40と、自動車の実際の運転状態を示す運転状態データC1とエンジン音制御パラメータA6とに基づいて制御音信号D3を生成し、これを制御音出力器(後述の図10に示される)に提供するエンジン音制御器50とを備えている。また、エンジン音制御装置1は、自動車の実際のエンジン音に基づく音声信号B0をエンジン音調整器40に提供する音声入力器20と、自動車の実際の運転状態を示す運転状態データC0及びC1をエンジン音調整器40及びエンジン音制御器50にそれぞれ提供する運転状態入力器30と、エンジン音調整器40で生成された画像情報(画像データ)B4に基づく画像を表示する表示器60と、エンジン音調整器40で生成された音声情報(音声信号)B3に基づく試聴用のエンジン音を出力する音声再生器70とを備えてもよい。
操作盤10は、ユーザがエンジン音制御装置1を操作するための操作部(操作手段)である。操作盤10は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネルなどを含むことができる。操作盤10は、エンジン音調整器40にユーザ操作に基づくユーザ操作信号であるユーザコマンドA0を提供する。
音声入力器20は、エンジン音調整器40に、実際のエンジン音に基づく音声信号(音声データ)B0を提供するための音声入力手段である。音声入力器20は、例えば、入力された音に応じた音声信号B0を生成するマイクロホン、又はマイクロホンを通して取得された音声信号B0を記録及び再生(出力)することができる音声レコーダを含むことができる。
運転状態入力器30は、エンジン音調整器40及びエンジン音制御器50に、自動車の実際の運転状態(動作状態)を示す運転状態データC0及びC1を提供するための手段である。運転状態入力器30は、例えば、自動車に備えられ、自動車のエンジンの実際の動作状態などを示すデータを受信し、自動車のエンジンの動作状態を示す運転状態データC0及びC1を出力するエンジンコントロールユニット及び自動車の動作を示す運転状態データC0及びC1を記録するデータレコーダなどを含むことができる。運転状態データC0及びC1は、自動車のエンジン音に影響を与えるパラメータであり、エンジン回転数、車速、アクセル開度、エンジンのトルク、ギア位置、単位時間あたりのエンジン回転数の変化量、及び単位時間あたりの車速の変化量などを含むことができる。
エンジン音調整器40は、操作盤10によって入力されたユーザコマンドA0の内容に基づくエンジン音制御パラメータA6をエンジン音制御器50に提供するエンジン音調整手段である。また、エンジン音調整器40は、操作盤10によるユーザ操作を補助(支援)するための情報を表示器60に表示させる機能と音声再生器70でエンジン音を試聴可能にする機能とを備えている。エンジン音調整器40は、ソフトウェアであるプログラムを格納するメモリと、プログラムを実行するプロセッサとによって実現可能である。ただし、エンジン音調整器40を集積回路で形成することも可能である。また、エンジン音調整器40の一部を集積回路で形成し、他の部分をソフトウェアであるプログラムを格納するメモリとプログラムを実行するプロセッサとによって形成することも可能である。
エンジン音制御器50は、運転状態データC1とエンジン音制御パラメータA6とに基づいて制御音信号D3を生成し、これを音声出力部としての制御音出力器(後述の図10に示される)に提供するエンジン音制御手段である。エンジン音制御器50は、ソフトウェアであるプログラムを格納するメモリとプログラムを実行するプロセッサとによって実現可能である。ただし、エンジン音制御器50を集積回路で形成することも可能である。また、エンジン音制御器50の一部を集積回路で形成し、他の部分をソフトウェアであるプログラムを格納するメモリとプログラムを実行するプロセッサとによって形成することも可能である。なお、エンジン音調整器40を構成するメモリ及びプロセッサと、エンジン音制御器50を構成するメモリ及びプロセッサとは、互いに異なる構成要素であるが、1つのメモリと1つのプロセッサからなる共通の情報処理部によって、エンジン音調整器40とエンジン音制御器50を実現することも可能である。
表示器60は、エンジン音調整のための操作盤10によるユーザ操作に必要な画像情報及び文字情報を画像としてユーザに提供する表示部(表示手段)である。表示器60は、例えば、液晶パネルなどのようなモニタである。なお、操作盤10と表示器60とは、互いに重ね合わされた構造を持ち、ユーザが指で行うタッチ入力操作を受け付けるタッチパネルであってもよい。この場合には、操作盤10と表示器60とは一体の構造を持つタッチパネルを構成する。
音声再生器70は、エンジン音調整の結果を試聴可能にするための音声信号B3に基づく音を出力する音声再生手段である。音声再生器70は、例えば、音声信号B3を増幅するアンプと、増幅された音声信号に基づく音を出力するスピーカ又はヘッドホンとを含むことができる。
《1−2》エンジン音調整器40の構成
図1に示されるように、エンジン音調整器40は、主要な構成として、コマンド入力処理部41と、目標エンジン音設定部42と、運転シーン領域設定部43と、第1の補間処理部44と、パラメータ変換処理部45とを備えている。エンジン音調整器40は、補助的な構成として、エンジン音分析処理部46と、第2の補間処理部47と、表示処理部48と、再生処理部49とを備えてもよい。
コマンド入力処理部41は、操作盤10から提供されたユーザコマンドA0を処理して、ユーザコマンドA0に基づくコマンド信号A1を出力する。
目標エンジン音設定部42は、コマンド入力処理部41から提供されたコマンド信号A1に応じて、運転状態空間において座標で特定されるセル(小領域)における目標エンジン音を設定するための情報であるユーザ設定点情報A2を出力する。目標エンジン音の例は、後述の図5に示される。運転状態空間は、運転状態を示す複数種類のパラメータを軸(座標軸)とする座標系で表される2次元以上の座標系で示される空間、すなわち、平面又は多次元空間を指す。セルは、運転状態空間を区分することによって得られる小領域であり、ユーザ設定点情報A2は、いずれかのセルを示す指定座標とこの指定座標で示されるセルにおける目標エンジン音の振幅(スペクトル情報)とを含む情報である。運転状態空間を表す座標系の座標軸となるパラメータとして、複数種類のパラメータは、自動車に関する、エンジン回転数、車速、アクセル開度、エンジンのトルク、ギア位置、単位時間あたりのエンジン回転数の変化量、単位時間あたりの車速の変化量などのような、エンジン音と連動する変数を適宜用いることができる。
運転シーン領域設定部43は、コマンド入力処理部41から提供されたコマンド信号A1に応じて運転シーン領域を設定するための運転シーン領域情報A3を出力する。運転シーン領域の例は、後述の図6に示される。運転シーン領域情報の設定例は、後述の図8に示される。運転シーン領域は、運転状態空間における領域で示され、例えば、アイドリング状態に相当する領域、緩やかな加速状態に相当する領域、エンジンブレーキ使用状態に相当する領域、急加速状態に相当する領域などを含む。実施の形態1においては、ユーザは、このように実際の運転シーンに関連した運転シーン領域を、ユーザの意図に応じて運転状態空間の任意の領域に、任意の数だけ設定することができる。
第1の補間処理部44は、目標エンジン音設定部42から提供されたユーザ設定点情報A2に基づいて複数のセルからなるエンジン音設定マップのいずれかのセルに設定された目標エンジン音の設定情報(後述の図8に示される)と、運転シーン領域設定部43から提供された運転シーン領域情報A3に基づいてエンジン音設定マップ上に設定された運転シーン領域(後述の図8に示される)とを用いて、エンジン音設定マップの各セル(ユーザ設定点情報A2に基づいて目標エンジン音が設定されたセル以外のセル)における目標エンジン音を算出する処理である第1の補間処理を行う。なお、エンジン音設定マップA4は、運転状態空間をそれぞれの座標軸について所定の幅で分割することで形成された複数のセルから構成される。ユーザ設定点情報A2と第1の補間処理によって得られた第1の補間情報とから、複数のセルの各々におけるエンジン音の振幅(スペクトル情報)を含むエンジン音設定マップA4が得られる。
パラメータ変換処理部45は、第1の補間処理部44で生成されたエンジン音設定マップA4をエンジン音制御パラメータA6に変換して、これをエンジン音制御器50に提供する。
エンジン音分析処理部46は、音声入力器20から提供された実際のエンジン音を示す音声信号B0と運転状態入力器30から提供された自動車の実際の運転状態を示す運転状態データC0とを受け取り(例えば、同時に受け取り)、これらのデータに基づいて実際のエンジン音を分析し、この分析の結果を示す分析結果信号B1を出力する。分析結果信号B1は、例えば、目標エンジン音設定部42から出力されるユーザ設定点情報A2と同種の情報(ただし、座標は異なる)である。
第2の補間処理部47は、分析結果信号B1に基づいて複数のセルからなるエンジン音分析マップのいずれかのセルに設定された実際のエンジン音情報と、運転シーン領域設定部43から提供された運転シーン領域情報A3とに基づいてエンジン音分析マップB2上に設定された運転シーン領域とを用いて、エンジン音分析マップB2の各セル(分析結果信号B1に基づいてエンジン音情報が設定されたセル以外のセル)におけるエンジン音を算出する処理である第2の補間処理を行う。エンジン音分析マップB2の複数のセルと、第1の補間処理部44が作成するエンジン音設定マップA4の複数のセルとは、同じであることが望ましい。また、第2の補間処理部47によって行われる第2の補間処理の方法として、第1の補間処理部44によって行われる第1の補間処理の方法と同じ方法を採用することができる。第2の補間処理部47は、エンジン音分析処理部46から出力された分析結果信号B1に対して第2の補間処理を行うことで、エンジン音分析マップB2を生成する。つまり、実のエンジン音に基づく分析結果信号B1と第2の補間処理によって得られた第2の補間情報とから、複数のセルの各々におけるエンジン音の振幅(スペクトル情報)を含むエンジン音分析マップB2が得られる。
表示処理部48は、コマンド信号A1とエンジン音設定マップA4とエンジン音分析マップB2とに基づく情報を画像として表示させるための画像情報(画像データ)B4を表示器60に出力する。
再生処理部49は、コマンド信号A1とエンジン音設定マップA4とエンジン音分析マップB2とに基づく情報を音として出力させるための音声信号B3を音声再生器70に出力する。
図2は、エンジン音調整器40のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、エンジン音調整器40は、主要なハードウェア構成として、ソフトウェアであるプログラムを実行する情報処理部としてのプロセッサ401と、プロセッサ401によって実行されるソフトウェアであるプログラムを格納するメモリ402とを備えている。また、エンジン音調整器40は、コマンド入力インターフェース403と、音声入出力インターフェース404と、データ転送インターフェース405と、表示インターフェース406とを備えてもよい。
メモリ402に格納されるプログラムは、実施の形態1に係るエンジン音制御方法を実施するためのエンジン音制御プログラムを含む。プロセッサ401がメモリ402に格納されているエンジン音制御プログラムを実行することによって、図1に示されるコマンド入力処理部41、目標エンジン音設定部42、運転シーン領域設定部43、第1の補間処理部44、パラメータ変換処理部45、エンジン音分析処理部46、第2の補間処理部47、表示処理部48、及び再生処理部49の処理を実施することができる。
操作盤10のユーザ操作によって生成されたユーザコマンドA0は、コマンド入力インターフェース403を通してプロセッサ401に提供される。このとき、プロセッサ401は、プログラムを実行することによって、コマンド入力処理部41、目標エンジン音設定部42、運転シーン領域設定部43、第1の補間処理部44、及びパラメータ変換処理部45の処理を行う。
音声入力器20から入力された音声に基づく音声信号B0は、音声入出力インターフェース404を通してプロセッサ401に提供される。運転状態入力器30から入力された運転状態データC0は、データ転送インターフェース405を通してプロセッサ401に提供される。このとき、プロセッサ401は、プログラムを実行することによって、エンジン音分析処理部46、第2の補間処理部47、表示処理部48、及び再生処理部49の処理を行う。
また、プロセッサ401は、エンジン音制御パラメータA6を、データ転送インターフェース405を通してエンジン音制御器50に提供する。このとき、プロセッサ401は、プログラムを実行することによって、パラメータ変換処理部45の処理を行う。
また、プロセッサ401は、画像データB4を表示インターフェース406を通して表示器60に提供する。また、プロセッサ401は、エンジン音制御器50から出力される制御音(疑似エンジン音)を模擬した試聴用の模擬エンジン音を示す音声信号を音声入出力インターフェース404を通して音声再生器70に提供してもよい。このとき、プロセッサ401は、プログラムを実行することによって、表示処理部48及び再生処理部49の処理を行う。
また、プロセッサ401は、上記した処理を実施するにあたり、プログラム及びデータの格納領域としてメモリ402を適宜使用する。なお、プログラムを格納する記憶部と、データの格納領域とは、互いに異なるメモリであってもよい。
《1−3》エンジン音調整器40の動作
図3は、エンジン音調整器40の動作の一例を示すフローチャートである。
先ず、コマンド入力処理部41は、操作盤10のユーザ操作によって生成されたユーザコマンドA0を受信する(ステップS1)。
コマンド入力処理部41は、受信したユーザコマンドA0が、エンジン音制御装置1で生成される制御音信号の調整に関するコマンドであるか、運転シーン領域の設定に関するコマンドであるかを識別する(ステップS2)。
ユーザコマンドA0が制御音信号の調整に関するコマンドであれば(ステップS2においてYES)、コマンド入力処理部41は、コマンド信号A1を目標エンジン音設定部42に送り、目標エンジン音設定部42は、ユーザ設定点の座標とこの座標における目標エンジン音の設定情報とを記憶部(例えば、図2におけるメモリ402)に記録する(ステップS4)。ユーザ設定点の座標と目標エンジン音の設定情報との組み合わせは、ユーザ設定点情報A2とも言う。ユーザ設定点の座標と目標エンジン音の設定情報の例は、後述の図4及び図5、並びに、図8(領域R5,R6)に示される。
ユーザコマンドA0が運転シーン領域の設定に関するコマンドであれば(ステップS2においてNO且つステップS3においてYES)、コマンド入力処理部41は、コマンド信号A1を運転シーン領域設定部43に送り、運転シーン領域設定部43は、運転状態空間上に運転シーン領域を設定し、設定された運転シーン領域を示す運転シーン領域情報A3を記憶部(例えば、図2におけるメモリ402)に記録する(ステップS5)。運転シーン領域の例は、後述の図6、及び図8(領域R2)に示される。
ユーザコマンドA0が他のコマンドである場合(ステップS2においてNO且つステップS3においてNO)の処理については、後述の図9(b)に示される。
第1の補間処理部44は、目標エンジン音設定部42が記憶部に記録したユーザ設定点情報A2と運転シーン領域設定部43が記憶部に記録した運転シーン領域情報A3とを読み出し、運転状態空間におけるユーザ設定点(例えば、後述の図8における領域R5,R6)のセル以外のセルについての目標エンジン音を算出する第1の補間処理を行うことで、エンジン音設定マップA4を生成し、これを出力する(ステップS6)。エンジン音設定マップ生成例は、後述の図7及び図8に示される。
パラメータ変換処理部45は、第1の補間処理部44で生成されたエンジン音設定マップA4をエンジン音制御パラメータA6に変換して(ステップS7)、エンジン音制御パラメータA6をエンジン音制御器50に出力する(ステップS8)。
《1−4》目標エンジン音設定部42の動作
ユーザは、操作盤10において、エンジン音の調整に関するコマンドとして、運転状態空間上の任意の座標と、その座標における目標エンジン音の設定情報(スペクトル情報)とを指示することができる。つまり、目標エンジン音設定部42は、操作盤10で行う入力操作に応じたユーザコマンドA0に基づいて、運転状態を示す複数種類のパラメータを座標軸とする座標系で表される運転状態空間を区分することによって得られる複数のセルのうちの、いずれかのセルを示す指定座標とこの指定座標で示されるセルにおける目標エンジン音のスペクトル情報(振幅)とを含むユーザ設定点情報A2を設定する。
図4は、運転状態空間を表す座標系の座標軸となる複数種類のパラメータとして車速、エンジン回転数、及びアクセル開度を用いた場合の運転状態空間の例を示す図である。ここでは、ユーザは、指定座標として、車速x、エンジン回転数y、アクセル開度zの組、すなわち、座標(x,y,z)を指示する。複数種類のパラメータは、自動車に関する、エンジン回転数、車速、アクセル開度、エンジンのトルク、ギア位置、単位時間あたりのエンジン回転数の変化量、単位時間あたりの車速の変化量のうちの2つ以上を含むことができる。
指定座標における目標エンジン音の設定情報は、目標とするエンジン音の音色及び大きさを定めるものであり、例えば、周波数スペクトルG(f)の形で指示される。ここで、fは、周波数であり、所定の刻み幅で離散値を取る。G(f)は、周波数fにおけるエンジン音の振幅レベルを示す。また、fは複数の値を取るので、G(f)は、エンジン音の振幅レベルのスペクトルを示す。
目標エンジン音の設定情報は、エンジン回転の基本周波数に対する次数(倍数)oと、次数oに対する振幅レベルP(o)の組で表現してもよい。一般に、自動車のエンジン音は、エンジン回転数(すなわち、回転周波数)を1次の基本周波数としたときに、この基本周波数に所定の次数(倍数)を乗じた周波数成分によって構成される。例えば、エンジン回転数が毎分1000回転である場合、基本周波数は、1000回転/60秒から、16.6666…Hzとなるが、4サイクル4気筒エンジンでは、基本周波数に対して2次(2倍)の周波数である33.3333…Hzの周波数成分、及び基本周波数に対して4次(4倍)の周波数である66.6666…Hzの周波数成分などが現われる。ここで、エンジン回転数が毎分1500回転に変化すると、基本周波数は、1500回転/60秒から、25Hzとなり、2次の周波数成分は50Hz、4次の周波数成分は100Hzとなる。
このようなエンジン音の性質から、必ずしも全ての周波数について目標エンジン音を設定する必要はなく、次数oと、当該次数oにおける目標の振幅レベルP(o)とを指定するだけで、目標エンジン音の音色及び大きさを定めることができることがわかる。このように振幅レベルP(o)を用いる場合には、周波数スペクトルG(f)を扱う場合よりも、データ規模は小さくなり、ユーザによる設定入力の手間を減らすことができる。
図5は、エンジン回転の基本周波数の次数oに対する目標の振幅レベルP(o)の例を示す図である。次数oは、0より大きい実数とする。図5には、8種類の次数oを示しているが、次数oの値及び個数、すなわち、何種類の次数oを選択できるかは、特に限定されない。
目標エンジン音設定部42は、ユーザコマンドA0に基づくコマンド信号A1に従い、ユーザが指定した運転状態空間上の指定座標(図4)と、当該指定座標における目標エンジン音の設定情報(図5)とを、ユーザ設定点情報として記憶部(例えば、メモリ402)に記録する。この処理は、図3におけるステップS4の処理に相当する。なお、ユーザが指定した運転状態空間上の指定座標を「ユーザ設定点」とも言う。
ユーザは、操作盤10を用いるコマンド入力により、このようなユーザ設定点情報を任意の数だけ入力することができる。ただし、ユーザ設定点情報の入力数は、運転状態空間の複数のセルの一部でよく、他のセルについては、第1の補間処理によってスペクトル情報が補間される。
《1−5》運転シーン領域設定部43の動作
ユーザは、運転シーン領域の設定に関するコマンドとして、運転状態空間上の任意の領域を運転シーン領域として指定することができる。運転シーン領域設定部43は、コマンド入力で指示された運転状態空間上の領域を、運転シーン領域として設定し、運転シーン領域情報としてメモリ402に記録する。この処理は、図3におけるステップS5の処理に相当する。運転シーン領域とは、運転状態空間において、運転シーンを区別するために設けられる領域である。
図6は、運転シーン領域設定部43で指定される運転シーン領域の例を示す図である。図6において、アクセル開度zとエンジン回転数yの2軸からなる運転状態空間上に、運転シーン領域の例として、4つの運転シーン領域R1,R2,R3,R4が設定されている。ここでは、簡便のため運転状態空間を2軸の平面(2次元の座標系)の領域で例示しているが、運転状態空間は2軸の平面上の例に限定されるものではなく、3軸以上の多次元空間(3次元以上の座標系)で規定される領域であってもよい。例えば、領域R1は、アクセル開度z及びエンジン回転数yの両方が小さく、運転シーンとしては、アイドリング状態に相当する。領域R2は、緩やかな加速状態に相当する。領域R3は、エンジンブレーキ使用状態に相当する。領域R4は、急加速状態に相当する。実施の形態1に係るエンジン音制御装置1において、ユーザは、このように実際の運転シーンに関連した運転シーン領域を、ユーザの意図に応じて運転状態空間の任意の領域に、任意の数だけ設定することができる。
《1−6》第1の補間処理部44の動作
第1の補間処理部44は、目標エンジン音設定部42が記憶部(例えば、メモリ402)に記録したユーザ設定点情報A2と、運転シーン領域設定部43が記憶部(メモリ402)に記録した運転シーン領域情報A3を読み出し、運転状態空間におけるユーザ設定点以外の座標の目標エンジン音を算出する第1の補間処理を行うことで、エンジン音設定マップを作成する。この処理は、図3におけるステップS6の処理に相当する。
図7は、第1の補間処理部44が行う第1の補間処理(図3のステップS6)の一例を示すフローチャートである。図8は、第1の補間処理部44が作成するエンジン音設定マップの例を示す図である。
まず、第1の補間処理部44は、運転状態空間に対応する空のエンジン音設定マップを準備する(ステップS61)。図8に示されるように、エンジン音設定マップは、運転状態空間をそれぞれの座標軸について所定の幅で分割し、分割された小領域であるセル(図8では四角形の小領域)ごとに目標エンジン音を定めるものである。図8において、運転状態空間は、y軸方向に延びる複数の直線(水平線)とz軸方向に延びる複数の直線(垂直線)で格子状に区切られることによって、複数のセルが形成されており、複数のセルの各々に目標エンジン音が設定(ユーザによる設定及び第1の補間処理による設定)することができる。ただし、当初(ユーザコマンドA0の入力前では)、エンジン音設定マップは、複数のセルの各々に目標エンジン音は、何も設定されていない状態、すなわち、ヌル(NULL)の状態である。
次に、第1の補間処理部44は、ユーザ設定点情報A2に従い、エンジン音設定マップ上のユーザ設定点に該当するセル(例えば、図8におけるR5,R6)に目標エンジン音の設定情報を書き込む(ステップS62)。
次に、第1の補間処理部44は、運転シーン領域情報A3に従い、運転シーン領域に含まれるセルと、そこに含まれないセルとを識別する(ステップS63)。図8では、破線の境界線で囲われた領域R2が運転シーン領域を示しており、網掛けが付されたセルが運転シーン領域に属するセルを示している。領域R2の境界線(破線)が通過するセルについては、予め決められた判定基準に従い、運転シーン領域に属するセルであるか否かが決定される。例えば、1つのセルの面積に対する当該セルにおける領域R2内(境界線の内側)の面積の割合が、所定の閾値以上である場合に、当該セルが運転シーン領域に属するセルであると判定する。また、例えば、運転シーン領域が3次元である場合には、1つのセルの体積に対する当該セルにおける領域R2(境界面)内の体積の割合が、所定の閾値以上である場合に、当該セルが運転シーン領域に属するセルであると判定する。ただし、判定方法は、この例に限定されない。
次に、第1の補間処理部44は、ユーザ設定点の座標以外の座標のセルについて、1セルずつ目標エンジン音の設定情報を算出する第1の補間処理を行う(ステップS64)。この第1の補間処理は、ユーザ設定点のセルの目標エンジン音の設定情報と、ユーザ設定点のセルから目標エンジン音が算出されるセル(第1の補間対象のセル)までの距離とを用いて行われる。
例えば、第1〜第M(Mは正の整数)のユーザ設定点(すなわち、M個のユーザ設定点)が存在する場合、第1〜第Mのユーザ設定点から第1の補間対象のセル(第1〜第Mのユーザ設定点のセル以外のセル)までの距離(すなわち、第1〜第Mの距離)を計算する。そして、第1の補間対象のセルまでの距離が短い(近い)ユーザ設定点であるほど、第1の補間対象のセルのエンジン音に与える影響が大きくなるような演算式を用いて、第1の補間対象のセルのエンジン音を算出(補間)する。
具体的には、ユーザ設定点の数をMとし、第1の補間対象のセルの数をN(Nは正の整数)とし、m番目(mは1以上M以下の整数)のユーザ設定点とn番目(nは1以上N以下の整数)の第1の補間対象のセルとの距離をlmnとし、m番目のユーザ設定点の目標エンジン音のスペクトル情報をG(f)とした場合の、n番目の第1の補間対象のセルの目標エンジン音のスペクトル情報G(f)すなわち振幅情報を、第1の演算式である次式(1)及び(2)によって算出する。
Figure 0006570787
このとき、もしもm番目のユーザ設定点のセルとn番目の第1の補間対象のセルとを結ぶ直線(セル間を結ぶ直線)の一部が、m番目のユーザ設定点が属する運転シーン領域を通過する場合、その運転シーン領域を通過(すなわち、運転シーン領域に属するセルを通過)している区間の距離は、0<α<1の範囲で定める所定の係数αを乗じて補正する。こうすることで、実際のセル間の距離lmnよりも短い補正後の距離l′mnを算出する。すなわち、実際のセル間の距離(セル間を結ぶ直線の長さ)lmnのうちの、運転シーン領域を通過している区間の距離をpmnとし、それ以外の区間の距離をqmnとした場合は、次式(3)が成立する。
Figure 0006570787
また、セル間を結ぶ直線のうちの、運転シーン領域を通過している区間の距離pmnを、補正後の距離α・pmnに置き換えることで、距離lmnよりも短い補正後の距離l′mnを算出し、n番目の第1の補間対象のセルの目標エンジン音のスペクトル情報G(f)すなわち振幅情報を、第2の演算式である次式(4)及び(5)によって算出する。
Figure 0006570787
つまり、第1の補間処理部44は、ユーザ設定点情報A2が設定されたセルと第1の補間対象のセルとの距離が近いほど、ユーザ設定点情報A2が前記第1の補間対象のセルのエンジン音に与える影響が大きくなるような第1の演算式を用いて、第1の補間対象のセルのエンジン音を算出する。しかし、第1の補間処理部44は、ユーザ設定点情報A2が設定されたセルと第1の補間対象のセルとの間に運転シーン領域に属するセルが存在する場合には、ユーザ設定点情報A2が設定されたセルと第1の補間対象のセルとの距離が近いほど、ユーザ設定点情報A2が第1の補間対象のセルのエンジン音に与える影響が大きくなり、かつ、ユーザ設定点情報A2が設定されたセルと第1の補間対象のセルとの間に運転シーン領域に属するセルがない場合に比べ、ユーザ設定点情報A2が第1の補間対象のセルのエンジン音に与える影響が大きくなるような第2の演算式を用いて前記第1の補間対象のセルのエンジン音を算出する。
このようにすることで、運転シーン領域内とその近傍(すなわち、運転シーン領域に属するセルの領域)においては、当該運転シーン領域内のユーザ設定点の影響を他のユーザ設定点よりも強めつつ(すなわち、式(4)におけるG(f)は、式(1)におけるG(f)よりも大きい値を持つ)、運転シーン領域から離れるに従ってなだらかに減少させることができる。この結果、ユーザは、N個のセルの全てに対して目標エンジン音を設定する必要がなくなり、運転シーン領域と、代表的な座標であるユーザ設定点について目標エンジン音を設定するだけで、運転シーン領域に応じたエンジン音の調整が簡単に実施できる。
なお、式(1)〜(5)の補間方法は、一例にすぎず、他の計算式を用いてもよい。例えば、式(1)〜(5)における距離lmn及び距離l′mnの代わりに、距離lmnのべき乗と距離l′mnのべき乗を用いてもよい。
また、式(1)においてG(f)に乗ずる値(L−lmn)の代わりに、距離lmnが大きくなるに従って計算結果が緩やかに減衰する関数(例えば、ガウス関数又はsinc関数など)を用いてもよい。式(4)についても、同様である。
また、適宜、線形補間又はスプライン補間などの既存の補間方法を適用してもよい。
《1−6》パラメータ変換処理部45の動作
パラメータ変換処理部45は、エンジン音制御器50が必要とするフォーマットに合わせ、第1の補間処理部44で作成されたエンジン音設定マップをエンジン音制御パラメータA6に変換し、エンジン音制御器50に出力する。この処理は、図3におけるステップS7〜S8の処理に相当する。エンジン音制御パラメータA6には少なくとも、エンジン音設定マップに従い、各運転状態における目標エンジン音のスペクトル情報が含まれている。
《1−7》エンジン音調整の補助動作
実施の形態1に係るエンジン音制御装置1は、エンジン音調整の補助手段として、実際に自動車を走行させているときに録音した実際のエンジン音と、そのときの運転状態データとを分析し、分析結果をユーザに提供する手段として、エンジン音分析処理部46、第2の補間処理部47、表示処理部48、及び再生処理部49を有する。
図9(a)及び(b)は、実際に走行している自動車において記録したエンジン音と運転状態データとを分析し、表示する動作に係るフローチャートである。
エンジン音分析処理部46は、音声入力器20から実際のエンジン音を示す音声信号B0を受信する(ステップS11)。また、エンジン音分析処理部46は、運転状態入力器30から自動車の運転状態データC0を受信する(ステップS12)。音声信号B0及び運転状態データC0は、実際に走行する自動車からリアルタイムに受信してもよいし、一旦、データレコーダなどに記録し、走行後に受信してもよい。
次に、エンジン音分析処理部46は、エンジン音の音声信号B0と運転状態データC0を分析し、分析結果信号としてのエンジン音分析マップを作成する(ステップS13)。エンジン音分析マップは、運転状態空間に実際のエンジン音を投影するマップであり、上述のエンジン音設定マップA4と共通の座標軸及びセルを持つものである。エンジン音分析処理部46は、所定の時間ステップでエンジン音の音声データと運転状態データを読み出し、読み出した運転状態に該当するセルをエンジン音分析マップから選択すると共に、読み出した音声データを分析して得られるスペクトル情報を当該セルのエンジン音として記録する。なお、運転状態データに一度も該当しなかったセルのエンジン音については、ヌル(NULL)のままとしておく。
次に、第2の補間処理部47は、エンジン音分析マップにおいて、ヌル(NULL)のままとなっている第2の補間対象のセルについて第2の補間処理を行う(ステップS14)。この補間方法については、上述の第1の補間処理部44における、ステップS63〜S64の第1の補間処理と同様の方法を用いることができる。この際、エンジン音分析処理部46ではエンジン音分析マップにおいてエンジン音が記録されたセルを、エンジン音設定マップA4におけるユーザ設定点のセルと同様の扱いとする。
コマンド入力処理部41は、図3のステップS3の処理に続いて、ユーザコマンドA0が表示に関するコマンドか否かを識別する(ステップS21)。
コマンド入力処理部41は、ユーザコマンドA0が表示に関するコマンドであれば、さらに目標エンジン音の表示指示か否かを識別する(ステップS22)。コマンドが目標エンジン音の表示指示であれば、ユーザコマンドA0に基づくコマンド信号A1は、表示処理部48に送られ、表示処理部48は、第1の補間処理部44が作成したエンジン音設定マップA4を表示器60に出力し、エンジン音設定マップを表示器60に表示させる(ステップS23)。
コマンドがエンジン音分析マップB2の表示指示であれば、表示処理部48は、第2の補間処理部47が作成したエンジン音分析マップB2を表示器60に出力し、エンジン音分析マップを表示器60に表示させる(ステップS24)。
表示器60で表示する内容は、エンジン音設定マップA4又はエンジン音分析マップB2の各々のセルのスペクトル情報を、数値又はグラフで表示したものであってもよい。また、表示器60で表示する内容は、ユーザが指定する任意の周波数成分又は次数成分について、その振幅レベルの大きさを、運転状態空間上において、コンター図又は3次元グラフの形式で表示してもよい。
また、上述のステップS21において、ユーザコマンドA0が表示に関するコマンドでなければ、コマンド入力処理部41は、ユーザコマンドA0をエンジン音の再生に関するコマンドとみなし、さらに目標エンジン音の再生指示か否かを識別する(ステップS25)。
目標エンジン音の再生指示であれば、ユーザコマンドA0に基づくコマンド信号A1は、再生処理部49に送られ、再生処理部49は、エンジン音設定マップに従って目標エンジン音の音声波形を生成し、この音声波形に基づく音声信号B3を音声再生器70に出力する(ステップS26)。或いは、再生処理部49は、エンジン音分析マップに従って実際のエンジン音の分析結果を元に音声波形を生成し、この音声波形に基づく音声信号B3を音声再生器70に出力する(ステップS27)。
この際、ユーザは、エンジン音を再生する際の運転状態を、運転状態空間上の座標によって指示することができる。再生処理部49は、エンジン音設定マップA4又はエンジン音分析マップB2から、ユーザの指定座標のセルにおけるエンジン音のスペクトル情報を読み出し、音声波形を生成する。また、ユーザは、異なる複数の座標群を時系列順に並べて指示することもできる。この場合、再生処理部49は、時系列順に並べられた座標群に従って運転状態が変化する状況を模擬し、エンジン音の音声波形を生成して出力する。
《1−8》実施の形態1の効果
以上説明したように、実施の形態1に係るエンジン音制御装置1及びエンジン音制御方法によれば、ユーザの指定によって運転シーン領域を定め、運転シーン領域内は、当該運転シーン領域のユーザ設定点情報に従ってエンジン音設定マップA4を補間するようにしたことで、運転シーンに応じたエンジン音の調整を少ない労力(例えば、図8の領域R5,R6のユーザ設定点情報の入力だけ)で実施することが可能になる。
また、実施の形態1に係るエンジン音制御装置1及びエンジン音制御方法によれば、実際のエンジン音の音声信号B0と運転状態データC0を分析し補間することでエンジン音分析マップB2を作成し、ユーザコマンドA0に基づいて作成されたエンジン音設定マップA4と比較できるよう表示することができる。また、ユーザコマンドA0に基づいて作成されたエンジン音設定マップA4に基づいて生成された制御音(疑似エンジン音)を試聴したり、実際のエンジン音から作成されたエンジン音分析マップB2に基づいて生成された分析結果に基づくエンジン音を試聴したりすることができる。このため、エンジン音の調整結果を視覚的又は聴覚的に確認することが容易となり、エンジン音の調整作業を更に効率化することができる。
また、実施の形態1に係るエンジン音制御装置1及びエンジン音制御方法によれば、ユーザが時系列順に指示した運転状態空間上の座標群に従って運転状態の変化を模擬し、エンジン音の音声波形を生成するようにしたことで、より実際の運転に近い状態でのエンジン音を確認できるようにしたことにより、エンジン音の調整結果が更にわかりやすく確認できるようになる。
《2》実施の形態2.
上記実施の形態1においては、ユーザは、操作盤10で運転状態空間上の指定座標(図4)と、当該指定座標における目標エンジン音(図5)を入力しているが、実施の形態2に係るエンジン音制御装置においては、ユーザは、目標エンジン音の代わりに、第2の補間処理部47が生成するエンジン音分析マップの各々のセルのスペクトル情報からの差分値を入力する。
実施の形態2に係るエンジン音制御装置は、主要な構成は、実施の形態1に係るエンジン音制御装置1と同じであるが、第1の補間処理部44は、ユーザ設定点の座標について、第2の補間処理部47で作成されたエンジン音分析マップB2の各々のセルのスペクトル情報を受け取る点が、実施の形態1に係るエンジン音制御装置1と相違する。このように構成することで、ユーザは、目標エンジン音の代わりに、第2の補間処理部47が生成するエンジン音分析マップの各々のセルのスペクトル情報からの差分値を入力することが可能になる。
また、このようにすることで、実際のエンジン音に対して、変化を加えたい箇所だけ調整値を入力することで目標エンジン音を設定すれば済むようになるので、調整に要する労力をさらに削減することができる。
以上説明したように、実施の形態2に係るエンジン音制御装置によれば、実際のエンジン音の差分値を指示するようにしたことで、変化を加えたい箇所だけ調整値を入力すれば済むようになるので、調整に係る労力をさらに削減することができる。
《3》実施の形態3.
上記実施の形態1においては、エンジン音制御器50は、自動車の実際の運転状態を示す運転状態データC1とエンジン音制御パラメータA6とに基づいて制御音信号D3を生成し、これを制御音出力器に提供する。実施の形態3に係るエンジン音制御装置3は、エンジン音制御器50が図10に示される構成を有する点において、実施の形態1に係るエンジン音制御装置1と相違する。他の点について、実施の形態3は、実施の形態1又は2と同じである。
図10は、実施の形態3に係るエンジン音制御装置3の構成を概略的に示す機能ブロック図である。図10に示されるように、エンジン音制御装置3は、運転状態入力器30と、エンジン音調整器40と、エンジン音制御器50と、制御音出力器80と、エンジン音観測器90とを備えている。
運転状態入力器30及びエンジン音調整器40は、実施の形態1で説明したものと同様である。
制御音出力器80は、エンジン音制御装置3によって生成された制御音(疑似エンジン音)を出力するための音声出力部である。制御音出力器80は、例えば、スピーカなどを含むことができる。制御音出力器80から制御音を出力することで、自動車の車内にいる運転者(ユーザ)及び他の搭乗者の耳に達するエンジン音、すなわち、実際のエンジン音とエンジン音制御装置3によって生成された制御音とが合成された音が、ユーザが設定した目標エンジン音に近づけることができる。
エンジン音観測器90は、実際のエンジン音とエンジン音制御装置3によって生成された制御音とが合成された音を観測する手段であり、観測された音に対応する観測信号D0を出力する。エンジン音観測器90は、例えば、マイクロホンを含むことができる。
図10に示されるように、エンジン音制御器50は、制御音源生成部51と、フィルタ処理部52と、伝達特性付与部53と、適応処理部54と、制御パラメータ入力部55と、目標信号生成部56と、減算器57とを備えている。
制御音源生成部51は、運転状態入力器30から提供される運転状態データC1に基づいて、制御音信号D3の音源となる原音信号C2を生成する。
フィルタ処理部52は、制御音源生成部51で生成された原音信号C2にフィルタ処理を施して前記制御音を出力させる制御音信号D3を生成する。
伝達特性付与部53は、原音信号C2に制御音出力器80からエンジン音観測器90までの音響伝達特性を付与する。
制御パラメータ入力部55は、エンジン音調整器40から提供されたエンジン音制御パラメータA6を受け取り、目標エンジン音のスペクトル情報A7として出力する。
目標信号生成部56は、運転状態データC1とエンジン音制御パラメータA6に基づく目標エンジン音のスペクトル情報A7を元に目標エンジン音を示す目標エンジン音信号A8を生成する。
減算器57は、実際のエンジン音と制御音とが合成された音を観測して得られる観測信号D0から目標エンジン音信号A8を減算して得られた誤差信号D1を出力する。
適応処理部54は、音響伝達特性を付与された原音波形C4と誤差信号(誤差波形)D1に基づいてフィルタ処理部52のフィルタ処理の内容を決定する。具体的には、適応処理部54は、目標エンジン音信号A8の値と観測信号D0の値との誤差を0に近づけるように、フィルタ処理部52のフィルタ係数を変更する適応処理を行う。
図11は、エンジン音制御器50のハードウェア構成の一例を示す図である。図11に示されるようにエンジン音制御器50は、プロセッサ501と、メモリ502と、音声入出力インターフェース503と、データ転送インターフェース504とを備えている。
エンジン音調整器40から出力されたエンジン音制御パラメータA6は、データ転送インターフェース504を介してプロセッサ501に渡され、プロセッサ501はプログラムを実行することで、図10の制御パラメータ入力部55の処理を行う。
運転状態入力器30から提供された運転状態データは、データ転送インターフェース504を通してプロセッサ01に渡され、プロセッサ501はプログラムを実行することで、制御音源生成部51及び目標信号生成部56の処理を行う。
フィルタ処理部52から出力された制御音信号D3は、プロセッサ501から音声入出力インターフェース503に渡され、プロセッサ501はプログラムを実行することで、制御音信号D3に基づく制御音を制御音出力器80に提供する。
エンジン音観測器90が観測した音に基づく信号は、音声入出力インターフェース503からプロセッサ501に渡され、プロセッサ501はプログラムを実行することで、減算器57の処理を行う。また、プロセッサ501は、これらの処理を実施するにあたりプログラムやデータの格納領域としてメモリ502を適宜使用する。
図12は、実施の形態3に係るエンジン音制御装置3のエンジン音制御器50によって行われるエンジン音制御動作の一例を示すフローチャートである。
制御音源生成部51は、運転状態入力器30から自動車の運転状態データC1を受信する(ステップS31)。
制御音源生成部51は、受信した運転状態データC1のうちの、エンジン回転数などのエンジン音の音源に関係する情報に基づいて、制御音の元になる原音信号C2を生成し、生成された原音信号C2を出力する(ステップS32)。
フィルタ処理部52は、原音信号C2をフィルタ処理することで、制御音を発生させるための制御音信号D3を生成し、生成された制御音信号D3を制御音出力器80へ出力する(ステップS33)。
伝達特性付与部53は、原音信号C2に対し、予め測定して求めた、制御音出力器80からエンジン音観測器90までの間の音響伝達特性を付与する(ステップS34)。この処理は、後述の適応処理部54における適応処理において、上記音響伝達特性が加味されるようにするためである。この処理は、例えば、filtered−X法として知られている信号処理である。
一方、制御パラメータ入力部55は、エンジン音調整器40からエンジン音制御パラメータA6を受信する(ステップS35)。
目標信号生成部56は、エンジン音制御パラメータA6から、運転状態入力器30から受信した現在の運転状態に対応する目標エンジン音のスペクトル情報A7を読み出し、スペクトル情報A7に基づいて目標エンジン音信号A8を生成する(ステップS36)。
実際のエンジン音と制御音出力器80から出力された制御音とが合成された結果は、エンジン音観測器90によって観測され、観測信号D0として減算器57に入力される。
減算器57は、観測信号D0から目標エンジン音信号A8を減算した結果を誤差信号D1として出力する(ステップS37)。
適応処理部54は、伝達特性付与部53によって音響伝達特性が付与された原音信号C4と誤差信号D1とに基づき、誤差信号D1の振幅が減少するようにフィルタ処理部52のフィルタ特性を修正する(ステップS38)。この処理には、LMS(Least Mean Square)などの適応信号処理アルゴリズムを用いることができる。
以上説明したように、実施の形態3に係るエンジン音制御装置3によれば、エンジン音制御パラメータA6に基づいて生成した目標エンジン音信号A8と観測信号D0との誤差信号D1に基づいて、フィルタ処理部52の特性を変更する適応処理を行うことで、ユーザが設定した目標エンジン音と同等の高品質なエンジン音(実際のエンジン音と制御音とが合成された音)を、ユーザに提供することができる。
1,3 エンジン音制御装置、 10 操作盤(操作部)、 20 音声入力器、 30 運転状態入力器、 40 エンジン音調整器、 41 コマンド入力処理部、 42 目標エンジン音設定部、 43 運転シーン領域設定部、 44 第1の補間処理部、 45 パラメータ変換処理部、 46 エンジン音分析処理部、 47 第2の補間処理部、 48 表示処理部、 49 再生処理部、 50 エンジン音制御器、 51 制御音源生成部、 52 フィルタ処理部、 53 伝達特性付与部、 54 適応処理部、 55 制御パラメータ入力部、 56 目標信号生成部、 57 減算器、 60 表示器、 70 音声再生器、 80 制御音出力器(音声出力部)、 90 エンジン音観測器、 401,501 プロセッサ、 402,502 メモリ、 C0 ユーザコマンド、 C1 コマンド信号、 A2 ユーザ設定点情報、 A3 運転シーン領域情報、 A4 エンジン音設定マップ、 A6 エンジン音制御パラメータ、 A7 目標エンジン音のスペクトル情報、 A8 目標エンジン音信号、 B0 音声信号、 B1 分析結果信号、 B2 エンジン音分析マップ、 B3 音声信号、 B4 画像情報、 C0,C1 運転状態データ、 C2 原音信号、 C4 音響伝達特性が付与された原音信号、 D0 観測信号、 D1 誤差信号、 D3 制御音信号、 R1〜R4 運転シーン領域。

Claims (10)

  1. 自動車のエンジン音に影響を与える前記自動車の運転状態に応じた制御音を音声出力部から出力させるエンジン音制御装置であって、
    ユーザが操作部で行う入力操作に応じたユーザコマンドに基づいて、前記運転状態を示す複数種類のパラメータを座標軸とする座標系で表される運転状態空間を区分することによって得られる複数のセルのうちの、いずれかのセルを示す指定座標と前記指定座標で示される前記セルにおける目標エンジン音のスペクトル情報とを含むユーザ設定点情報を設定する目標エンジン音設定部と、
    前記ユーザコマンドに基づいて、前記運転状態空間における運転シーン領域を示す運転シーン領域情報を設定する運転シーン領域設定部と、
    前記ユーザ設定点情報と前記運転シーン領域情報とに基づいて、前記複数のセルのうちの、前記ユーザ設定点情報が設定されていないセルである第1の補間対象のセルの各々について、エンジン音のスペクトル情報を算出する第1の補間処理を行い、前記ユーザ設定点情報と前記第1の補間処理によって得られた第1の補間情報とから、前記複数のセルの各々におけるエンジン音のスペクトル情報を含むエンジン音設定マップを生成する第1の補間処理部と、
    前記エンジン音設定マップに基づくエンジン音制御パラメータを出力するパラメータ変換処理部と、
    前記エンジン音制御パラメータに基づく前記制御音を前記音声出力部から出力させるエンジン音制御器と、
    を備えたことを特徴とするエンジン音制御装置。
  2. 前記第1の補間処理部は、
    前記ユーザ設定点情報が設定されたセルと前記第1の補間対象のセルとの距離が近いほど、前記ユーザ設定点情報が前記第1の補間対象のセルのエンジン音に与える影響が大きくなるような第1の演算式を用いて、前記第1の補間対象のセルのエンジン音を算出し、
    前記ユーザ設定点情報が設定されたセルと前記第1の補間対象のセルとの間に前記運転シーン領域に属するセルが存在する場合には、前記ユーザ設定点情報が設定されたセルと前記第1の補間対象のセルとの距離が近いほど、前記ユーザ設定点情報が前記第1の補間対象のセルのエンジン音に与える影響が大きくなり、かつ、前記ユーザ設定点情報が設定されたセルと前記第1の補間対象のセルとの間に前記運転シーン領域に属するセルがない場合に比べ、前記ユーザ設定点情報が前記第1の補間対象のセルのエンジン音に与える影響が大きくなるような第2の演算式を用いて前記第1の補間対象のセルのエンジン音を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン音制御装置。
  3. 前記複数種類のパラメータは、前記自動車に関する、エンジン回転数、車速、アクセル開度、エンジンのトルク、ギア位置、単位時間あたりのエンジン回転数の変化量、単位時間あたりの車速の変化量のうちの2つ以上を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン音制御装置。
  4. 前記自動車の実際のエンジン音を示す情報と前記自動車の実際の運転状態を示す運転状態データと前記運転シーン領域情報とに基づいて、前記運転状態空間の複数のセルのうちの、前記実際のエンジン音情報が設定されていないセルである第2の補間対象のセルの各々について、エンジン音のスペクトル情報を算出する第2の補間処理を行い、前記実際のエンジン音情報と前記第2の補間処理によって得られた第2の補間情報とから、前記複数のセルの各々におけるエンジン音のスペクトル情報を含むエンジン音分析マップを生成する第2の補間処理部をさらに有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジン音制御装置。
  5. 前記エンジン音設定マップに基づく画像及び前記エンジン音分析マップに基づく画像を表示部に表示させる表示処理部をさらに有することを特徴とする請求項4に記載のエンジン音制御装置。
  6. 前記エンジン音設定マップに基づく音及び前記エンジン音分析マップに基づく音を音声再生器から出力させる再生処理部をさらに有することを特徴とする請求項4又は5に記載のエンジン音制御装置。
  7. 前記操作部から入力される操作情報は、前記エンジン音分析マップのスペクトル情報からの差分値であり、
    前記目標エンジン音設定部は、前記差分値と前記エンジン音分析マップのスペクトル情報とから生成された目標エンジン音を前記第1の補間処理部に提供する
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のエンジン音制御装置。
  8. 前記エンジン音制御器は、
    前記自動車の実際の運転状態を示す運転状態データを元に原音信号を生成する制御音源生成部と、
    前記原音信号に、フィルタ処理を施して前記制御音を出力させる制御音信号を生成するフィルタ処理部と、
    前記原音信号に音響伝達特性を付与する伝達特性付与部と、
    前記運転状態データと前記エンジン音制御パラメータとに基づく目標エンジン音信号を生成する目標信号生成部と、
    実際のエンジン音と前記制御音とが合成された音を観測して得られる観測信号から前記目標エンジン音信号を減算して得られた誤差信号を出力する減算器と、
    前記音響伝達特性を付与された原音波形と前記誤差信号に基づいて前記フィルタ処理部の前記フィルタ処理の内容を決定する適応処理部と
    を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のエンジン音制御装置。
  9. 自動車のエンジン音に影響を与える前記自動車の運転状態に応じた制御音を音声出力部から出力させるエンジン音制御方法であって、
    ユーザが操作部で行う入力操作に応じたユーザコマンドに基づいて、前記運転状態を示す複数種類のパラメータを座標軸とする座標系で表される運転状態空間を区分することによって得られる複数のセルのうちの、いずれかのセルを示す指定座標と前記指定座標で示される前記セルにおける目標エンジン音のスペクトル情報とを含むユーザ設定点情報を設定する目標エンジン音設定ステップと、
    前記ユーザコマンドに基づいて、前記運転状態空間における運転シーン領域を示す運転シーン領域情報を設定する運転シーン領域設定ステップと、
    前記ユーザ設定点情報と前記運転シーン領域情報とに基づいて、前記複数のセルのうちの、前記ユーザ設定点情報が設定されていないセルである第1の補間対象のセルの各々について、エンジン音のスペクトル情報を算出する第1の補間処理を行い、前記ユーザ設定点情報と前記第1の補間処理によって得られた第1の補間情報とから、前記複数のセルの各々におけるエンジン音のスペクトル情報を含むエンジン音設定マップを生成する第1の補間ステップと、
    前記エンジン音設定マップに基づくエンジン音制御パラメータを出力するパラメータ変換ステップと、
    前記エンジン音制御パラメータに基づく前記制御音を前記音声出力部から出力させる制御音生成ステップと、
    を備えたことを特徴とするエンジン音制御方法。
  10. コンピュータに、自動車のエンジン音に影響を与える前記自動車の運転状態に応じた制御音を音声出力部から出力させるユーザ処理を実行させるエンジン音制御プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    ユーザが操作部で行う入力操作に応じたユーザコマンドに基づいて、前記運転状態を示す複数種類のパラメータを座標軸とする座標系で表される運転状態空間を区分することによって得られる複数のセルのうちの、いずれかのセルを示す指定座標と前記指定座標で示される前記セルにおける目標エンジン音のスペクトル情報とを含むユーザ設定点情報を設定する目標エンジン音設定処理と、
    前記ユーザコマンドに基づいて、前記運転状態空間における運転シーン領域を示す運転シーン領域情報を設定する運転シーン領域設定処理と、
    前記ユーザ設定点情報と前記運転シーン領域情報とに基づいて、前記複数のセルのうちの、前記ユーザ設定点情報が設定されていないセルである第1の補間対象のセルの各々について、エンジン音のスペクトル情報を算出する第1の補間処理を行い、前記ユーザ設定点情報と前記第1の補間処理によって得られた第1の補間情報とから、前記複数のセルの各々におけるエンジン音のスペクトル情報を含むエンジン音設定マップを生成する第1の補間処理と、
    前記エンジン音設定マップに基づくエンジン音制御パラメータを出力するパラメータ変換処理と、
    前記エンジン音制御パラメータに基づく前記制御音を前記音声出力部から出力させる制御音生成処理と、
    を実行させることを特徴とするエンジン音制御プログラム。
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