JP6570572B2 - 防汚塗料 - Google Patents
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Description
また、上記問題点の解決と共に、塗料を安定した保存状態にしておくことも製品化のために必要である。
R1O−〔(EO)m(PO)n〕−H
(式中、R1は炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖を有するアルキル基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、m,nはそれぞれEO,POの平均繰返し数を表す0以上の整数であって2≦m+n≦50であり、(EO)mおよび(PO)nはランダム状またはブロック状に付加される共重合成分である。)
そして、塗膜の表面が海水中で徐々に溶解し、良好な自己研磨性が発揮されて、樹脂中に保持された防汚剤が適当な速度で溶出して防汚性が長期間安定した状態で維持される。
R1O−〔(EO)m(PO)n〕−H
(式中、R1は炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖を有するアルキル基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、m,nはそれぞれEO,POの平均繰返し数を表す0または正の整数であって2≦m+n≦40であり、(EO)mおよび(PO)nはランダム状またはブロック状に付加される共重合成分である。)
また、塗膜の防汚性がより良好であるように、この発明の防汚塗料の樹脂固形分100質量%中に、トールロジン、ガムロジン、ウッドロジン、水添ロジンおよび重合ロジンからなる群より選ばれる1種以上のロジン系樹脂、すなわちロジンまたはロジン誘導体を5〜70質量%の範囲で含有させることが好ましい。
前記ジカルボン酸成分(A)は、防汚塗料用ポリエステル樹脂の構成成分中70モル%以下を構成することが好ましい。これら範囲は、得られる塗膜の防汚性の点から好ましい。
具体的な3価以上の多価アルコール成分(B)としては、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール等の3価のアルコール、ペンタメチルグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等の4価のアルコールのアルコールが挙げられ、また上記例示以外にも選択的に周知の脂肪族多価アルコールもしくは脂肪族環を含む多価アルコールまたは芳香環を含む3価以上の多価アルコールを用いることができる。
化1の式で示される1価のグリコールエーテル成分(C)の具体例としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソペンチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノペンチルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソペンチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノエチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノプロピルエーテル、ペンタエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ペンタエチレングリコールモノブチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノペンチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノイソペンチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノエチルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノプロピルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノブチルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノペンチルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノイソペンチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(市販品として日本油脂株式会社製(商品名):ユニオックスM400、M550、M1000が挙げられる。)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソペンチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノペンチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノイソペンチルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノメチルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノエチルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノブチルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノペンチルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノイソペンチルエーテル、ヘキサプロピレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサプロピレングリコールモノエチルエーテル、ヘキサプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ヘキサプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ヘキサプロピレングリコールモノブチルエーテルヘキサプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ヘキサプロピレングリコールモノペンチルエーテル、ヘキサプロピレングリコールモノイソペンチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(市販品として日本油脂株式会社製(商品名):ユニルーブMB7、MB11、M14、MB19、MB38、MB370が挙げられる。)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノブチルエーテル(市販品として日本油脂株式会社製(商品名):ユニルーブ50MB2、50MB5、50MB11、50MB26が挙げられる。)等が挙げられる。
なお、上記したものを含めて、この発明の説明に用いる数平均分子量の測定は、GPC法を用い、以下の条件で行なった。
「測定装置;日本分光株式会社製、カラム;Shodex GPC KF−806M、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RI、UV」
例えば、前記ジカルボン酸成分(A)に相当する無水フタル酸と、前記3価以上の多価アルコール成分(B)に相当するグリセリンと、前記1価のグリコールエーテル成分(C)に相当するジエチレングリコールモノブチルエーテル、及び必要に応じて、還流用有機溶剤、触媒を一括又は任意の順に、攪拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた反応器に仕込み、150〜250℃に加熱してエステル化反応させ、任意の時点で反応を終了させることにより行うことができる。
このような防汚剤としては、法律上使用可能であり周知な殺生物剤や忌避剤を選択的に採用することができ、例えば、亜酸化銅、銅粉、チオシアン酸第一銅、炭酸銅、塩化銅、硫酸銅などの銅化合物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸ニッケル、銅−ニッケル合金、ロダン銅、トリフェニルボロンピリジン塩等のトリアルキルボロン系化合物、2−メルカプトピリジン−N−オキシド銅等の有機銅化合物、2−メルカプトピリジン−N−オキシド亜鉛、ジンクエチレンビスジチオカーバメート、ビス(ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛、ビス(ジメチルジチオカルバメート)エチレンビス(ジチオカーバメート)二亜鉛等の有機亜鉛化合物、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−エチル−6メチルフェニル)−2,3ジクロロマレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)−2,3ジクロロマレイミド等のマレイミド化合物、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系化合物、テトラクロロイソフタロニトリル等のニトリル系化合物、ベンゾチアゾ−ル系化合物、トリアジン系化合物、尿素系化合物、N−ハロアルキルチオ系化合物、テトラサイクリン系化合物、テトラクロロメチルスルフォニルピリジン等が挙げられる。
このような樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、有機シリルエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリブテン樹脂、シリコーンゴム、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル−ビニルイソブチルエーテル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ゴム系樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アルキッド樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂、トールロジン、ガムロジン、ウッドロジン、ロジン誘導体としては、水添ロジン、重合ロジン、ロジン金属塩としては、ジンクロジネート、カルシウムロジネート、カッパーロジネート、マグネシウムロジネート、その他金属化合物とロジンとの反応物などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上述したようにこの発明の防汚塗料には、ポリエステル樹脂を主成分とし、添加成分として他の樹脂も含まれる場合があるが、それら全ての樹脂の防汚塗料(固形分)100質量%中の含有量は、5〜95質量%であることがこの発明の作用効果を確実に奏するために好ましく、より好ましくは10〜70質量%である。
化3の一般式に表される有機シリルエステル基含有単量体(D)の具体例としては、トリノルマルプロピルシリル(メタ)アクリレート、トリイソプロピルシリル(メタ)アクリレート、トリノルマルブチルシリル(メタ)アクリレート、トリイソブチルシリル(メタ)アクリレート、トリセカンダリーブチルシリル(メタ)アクリレート、トリノルマルアミルシリル(メタ)アクリレート、トリノルマルヘキシルシリル(メタ)アクリレート、トリノルマルオクチルシリル(メタ)アクリレート、トリノルマルドデシルシリル(メタ)アクリレート、トリベンジルシリル(メタ)アクリレートなどがある。
また、分子内に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する他の例として、ジイソプロピルノルマルブチルシリル(メタ)アクリレート、ノルマルオクチルジノルマルブチルシリル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルステアリルシリル(メタ)アクリレートなども挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、トリイソプロピルシリル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、重合性単量体(E)の他の例として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類、スチレン、アクリロニトリルなども挙げられる。
これらの溶媒は、労働安全衛生法上特定化学物質に該当せず、環境対応の点からも好ましい。これらの溶剤は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
「測定装置;日本分光株式会社製、カラム;Shodex GPC KF−806M、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RI、UV」
そのような溶剤としては、周知の有機溶剤を選択的に使用できるが、たとえばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンなどの芳香族系炭化水素溶剤、C9及びC10のアルキルシクロヘキサンの混合物(丸善石油化学社製:(商品名)スワクリーン150)の非芳香族系炭化水素溶剤、イソプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸エチルなどのエステル系溶剤を使用することができる。好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、スワクリーン150、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンである。これらの溶媒は、労働安全衛生法上特定化学物質に該当せず、環境対応の点からも好ましい。これらの溶剤は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
攪拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた反応器に還流溶媒としてスワクリーン150を100部(部は質量部を示し、以下同じである。)入れると共に、表1に配合割合をモル数で示すように、無水フタル酸を1036部(7モル)、グリセリンを368部(4モル)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを648部(4モル)仕込み、150℃に昇温して透明な溶液を得た。次いで、触媒としてジブチル錫オキサイド2部を加え、徐々に230℃まで昇温し、230℃で3時間反応させ、固形分酸価が25以下になったところで40℃まで冷却した。そこへ希釈溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを仕込み、固形分が75%になるように調整した数平均分子量2200のポリエステル樹脂溶液1を製造した。
固形分酸価=a×F×5.611×100/m×NV
a:0.1mol/L水酸化カリウムのエタノール溶液の量(mL)
F:0.1mol/L水酸化カリウムのエタノール溶液の力価
m:試料の質量(g)
NV:加熱残分(%)、JIS K5601−1−2によって測定
ジカルボン酸成分(A)と3価以上の多価アルコール成分(B)と1価のグリコールエーテル成分(C)を表1に記載のモル数で用いて、合成例1と同様にして固形分75%のポリエステル樹脂溶液を得た。
ポリエチレングリコールモノブチルエーテル(EO21)(日本油脂株式会社製:ユニオックスB−1000)
ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(PO20)(日本油脂株式会社製:ユニルーブMB−14)
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(EO22)(日本油脂株式会社製:ユニオックスM−1000)
ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンモノブチルエーテル(PO10、EO9)(日本油脂株式会社製:ユニルーブ50MB−11)
バイオコハク酸(バイオアンバー社製:コハク酸)
表2に示すように、上記の合成例1で得られた固形分75%のポリエステル樹脂溶液1を24部(固形分18部)、亜酸化銅を38部、タルクを10部、弁柄を3部、ベントナイト粘土の有機誘導体を1部、酸化ポリエチレンを1部、及びo−キシレン25部をサンドミルにより混合・分散させて塗料を調製した。得られた防汚塗料について、以下の各種試験に供した。
ベントナイト粘土の有機誘導体(エレメンティス社製:ベントン52)
酸化ポリエチレン(伊藤製油社製:A−S−A DS−525、20%アルキルシクロヘキサンペースト)
ポリビニルメチルエーテル(BASF株式会社製:ルトナールM−40)
2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド(ケイ・アイ化成株式会社製:IT354)
75%ロジン樹脂(荒川化学工業株式会社製:中国ロジンWW、溶媒にo−キシレンを用いて固形分が75%になるように調整)
表2に示す配合としたこと以外は、実施例1と同様にして各防汚塗料を得た。得られた防汚塗料について、下記各種試験に供した。
攪拌機、コンデンサー、温度計、滴下装置、窒素導入管、加熱・冷却ジャケットを備えた反応容器にo−キシレン492.5部を仕込み、窒素気流下で85℃の温度条件に加熱攪拌を行なった。同温度を保持しつつ滴下装置から上記反応器内に、トリイソプロピルシリルアクリレート250部、メチルメタクリレート250部、および重合開始剤の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5部の混合物を3時間かけて滴下した。その後、同温度で3時間攪拌を行なった後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.5部を加え、更に同温度で2時間攪拌を行ない、数平均分子量が5700であり、重量平均分子量が13500で固形分が50%になるようにo−キシレンで調整した共重合体溶液S−1を得た。
攪拌機、コンデンサー、温度計、滴下装置、窒素導入管、加熱・冷却ジャケットを備えた反応容器にo−キシレン492.5部を仕込み、窒素気流下で85℃の温度条件に加熱攪拌を行なった。同温度を保持しつつ滴下装置から上記反応器内に、トリイソプロピルシリルアクリレート350部、メチルメタクリレート150部および重合開始剤の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5部の混合物を3時間かけて滴下した。その後、同温度で3時間攪拌を行なった後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.5部を加え、更に同温度で2時間攪拌を行ない、数平均分子量が5500であり、重量平均分子量が14700で固形分が50%になるようにo−キシレンで調整した共重合体溶液S−2を得た。
表3に示すように、上記の合成例1で得られた固形分75%のポリエステル樹脂溶液1を2.4部(固形分1.8部)、上記合成例S−1で得られた固形分50%のオルガノシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂溶液を32.4部(固形分16.2)、亜酸化銅を36部、タルクを9部、弁柄を3部、モレキュラーシーブ4Aを1部、ベントナイト粘土の有機誘導体を1部、酸化ポリエチレンを1部、及びo−キシレン14.2部をサンドミルにより混合・分散させて塗料を調製した。得られた防汚塗料について、以下の各種試験に供した。
ベントナイト粘土の有機誘導体(エレメンティス社製:ベントン52)
酸化ポリエチレン(伊藤製油社製:A−S−A DS−525、20%アルキルシクロヘキサンペースト)
ポリビニルメチルエーテル(BASF株式会社製:ルトナールM−40)
2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド(ケイ・アイ化成株式会社製:IT354)
75%ロジン樹脂(荒川化学工業株式会社製:中国ロジンWW、溶媒にo−キシレンを用いて固形分が75%になるように調整)
合成ゼオライトパウダー(ユニオン昭和株式会社製:モレキュラーシーブ4A)
表3に示す配合としたこと以外は、実施例32と同様にして各防汚塗料を得た。得られた防汚塗料について、下記の各種試験に供した。
実施例1〜38および比較例1〜5で得た各防汚塗料を、JIS K5600−2−7に準拠し、常温保管1ヶ月後の塗料状態について観察し、以下の基準により評価し、その結果を表4、表5中に示した。
○:塗料が使用に適する状態になる。
×:塗料が使用に適する状態にならない。
実施例1〜38および比較例1〜5で得た各防汚塗料を、JIS K5600−2−7に準拠し、常温保管6ヶ月後の塗料状態について観察し、以下の基準により評価し、その結果を表4、表5中に示した。
○:塗料が使用に適する状態になる。
×:塗料が使用に適する状態にならない。
実施例1〜38および比較例1〜5で得た各防汚塗料を、予めエポキシ系塗料により防食塗装を施した大きさ90×300×1.2mmのブラスト処理した鋼板に、乾燥膜厚が200μmとなるようにエアースプレー塗装し、1週間乾燥して試験板を作成した。この試験板を広島県廿日市市の湾(瀬戸内海)の水深1mの海中に浸漬し、6ヶ月毎に12ヶ月間、塗膜状態を観察し、下記の基準により評価し、その結果を表4、表5中に示した。
◎:生物汚損面積が5%未満。
○:生物汚損面積が5%以上〜10%未満。
△:生物汚損面積が10%以上〜30%未満。
×:生物汚損面積が30%以上。
実施例1〜38および比較例1〜5で得た各防汚塗料を、予めエポキシ系塗料により防食塗装を施した大きさ90×300×1.2mmのブラスト処理した鋼板に、乾燥膜厚が200μmとなるようにエアースプレー塗装し、1週間乾燥して試験板を作成した。この試験板を広島県廿日市市の湾(瀬戸内海)の水面上に試験塗板が半分出るように浸漬し、その喫水部におけるクラックの発生の有無を6ヶ月毎に12ヶ月間、塗膜状態を観察し、下記の基準により評価し、その結果を表4、表5中に示した。
○:クラックが認めらない。
△:クラックが僅かに認められる。
×:クラックが認められる。
実施例1〜38および比較例1〜5で得た各防汚塗料を、予めエポキシ系塗料により防食塗装を施した大きさ90×300×1.2mmのブラスト処理した鋼板に、乾燥膜厚が200μmとなるようにエアースプレー塗装し、1週間乾燥して試験板を作成した。この試験板を25℃の海水に浸漬し、6ヶ月後に塗膜状態を観察し、下記の基準により評価し、その結果を表4、表5中に示した。
○:塗膜にクラック、フクレ、剥がれ等が認められない。
△:塗膜にクラック、フクレ、剥がれ等が僅かに認められる。
×:塗膜にクラック、フクレ、剥がれ等が認められる。
なお、上記試験中、海水には水温23℃±5℃、PH8.1±0.2、塩分濃度32±2‰の自然海水を用い、期間中は成分調整を実施する流水下でおこなった。
実施例1〜38および比較例1〜5で得た各防汚塗料を、予めエポキシ系塗料により防食塗装を施した大きさ90×300×1.2mmのブラスト処理した鋼板に、乾燥膜厚が200μmとなるようにエアースプレー塗装し、1週間乾燥し、海水に3ヶ月間浸漬させたのちに、清水で塗膜表面を洗浄し、1週間乾燥して旧塗膜(古くなった防汚塗膜)を作製した。この旧塗膜に対して、それぞれ実施例1〜38および比較例1〜5で得た各防汚塗料を乾燥膜厚が200μmとなるようにエアースプレー塗装し、1週間乾燥して試験板を作成した。この試験板を海水に3ヶ月間浸漬し、1週間乾燥した後に以下の基準により評価し、その結果を表4、表5中に示した。
○:剥離しなかった碁盤目の数が23〜25個の場合
△:剥離しなかった碁盤目の数が18〜22個の場合
×:剥離しなかった碁盤目の数が0〜17個の場合
なお、海水には水温23℃±5℃、PH8.1±0.2、塩分濃度32±2‰の自然海水を用い、期間中は成分調整を実施する流水下で行なった。
実施例1〜38および比較例1〜5で得た各防汚塗料を、予めエポキシ系塗料により防食塗装を施した大きさ70×150×1.2mmのブラスト処理した鋼板に、乾燥膜厚が200μmとなるようにエアースプレー塗装し、1週間乾燥して試験板を作成した。
この試験板を、試験槽に設置した円筒形の回転体(ドラム形ローター)の外面に上記の試験片を固定したのち、試験槽には、水温23℃±5℃、PH8.1±0.2、塩分濃度32±2‰の自然海水を入れ、ドラムの周速が13±3ノットとなるようにモーターで回転させ、試験中は、自己研磨性に影響を与えないように流水下でおこない、自己研磨性は2000時間毎に塗膜摩耗量(μm)を6000時間まで測定し、その結果を表4、表5中に示した。
これに対して、実施例1〜38のジカルボン酸成分と3価以上の多価アルコール成分と1価のグリコールエーテル成分とを主な構成成分とするポリエステル樹脂を含有した防汚塗料は、長期にわたって自己研磨性と柔軟な塗膜構造を維持することができ、塗膜の脆化、クラックを生じることなく、長期にわたって良好な防汚性能を発揮し、古くなった塗膜表面には、新たに塗料を重ねて付着性に優れた塗膜を得ることができ、長期の保存状態においても良好な塗料状態を維持することができた。
特に、ポリビニルメチルエーテル、ロジン系樹脂、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、オルガノシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体を組み合わせて配合した実施例22〜38については、より優れた自己研磨性及び長期防汚性が認められた。
Claims (10)
- 防汚塗料用ポリエステル樹脂及び防汚剤を含有する防汚塗料であって、
前記防汚塗料用ポリエステル樹脂が、ジカルボン酸成分(A)と3価以上の多価アルコール成分(B)と1価のグリコールエーテル成分(C)を必須の構成成分とするポリエステル樹脂であることを特徴とする防汚塗料。 - 上記1価のグリコールエーテル成分(C)が、以下の化1の式で表されるグリコールエーテルである請求項1に記載の防汚塗料。
[化1]
R1O−〔(EO)m(PO)n〕−H
(式中、R1は炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖を有するアルキル基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、m,nはそれぞれEO,POの平均繰返し数を表す0または正の整数であって2≦m+n≦50であり、(EO)mおよび(PO)nはランダム状またはブロック状に付加される共重合成分である。) - 請求項2に記載の防汚塗料において、上記化1の式で表されるグリコールエーテルに代えて、以下の化2の式に示されるグリコールエーテルを用いた防汚塗料。
[化2]
R1O−〔(EO)m(PO)n〕−H
(式中、R1は炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖を有するアルキル基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、m,nはそれぞれEO,POの平均繰返し数を表す0または正の整数であって2≦m+n≦40であり、(EO)mおよび(PO)nはランダム状またはブロック状に付加される共重合成分である。) - 上記ジカルボン酸成分(A)が、無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、無水コハク酸、コハク酸およびバイオコハク酸から選ばれる1種以上のジカルボン酸である請求項1〜3のいずれかに記載の防汚塗料。
- 上記3価以上の多価アルコール成分(B)が、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールおよびトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートからなる群から選ばれる1種以上の多価アルコールである請求項1〜4のいずれかに記載の防汚塗料。
- 上記防汚塗料は、添加成分としてトールロジン、ガムロジン、ウッドロジン、水添ロジンおよび重合ロジンからなる群から選ばれる1種以上のロジン系樹脂を含有する防汚塗料である請求項1〜5のいずれかに記載の防汚塗料。
- 上記防汚塗料は、添加成分としてポリビニルアルキルエーテルを含有する防汚塗料である請求項1〜7のいずれかに記載の防汚塗料。
- 上記防汚剤が、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−エチル−6メチルフェニル)−2,3ジクロロマレイミドおよびN−(2,6−ジエチルフェニル)−2,3ジクロロマレイミドからなる群から選ばれる1種以上のマレイミド系化合物を含む防汚剤である請求項1〜8のいずれかに記載の防汚塗料。
- 上記防汚塗料が、アルキルシクロヘキサン、o−キシレン、m−キシレンおよびp−キシレンから選ばれる1種以上の溶媒を含有する防汚塗料である請求項1〜9のいずれかに記載の防汚塗料。
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