JP6570473B2 - 吐出容器 - Google Patents

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Description

本発明は、内容物を収容するとともに外気導入孔を備えた二重容器からなる容器本体と、内容物の吐出口及び吸気孔を備えた吐出キャップと、外気導入孔から吸気孔への空気の流出を阻止できる一方、吸気孔から外気導入孔への空気の流入を許容する外気用弁体と有する吐出容器に関する。
従来から、例えば特許文献1に記載されるように、内容物を収容するとともに口部に外気導入孔(貫通開口)を備えた二重容器からなる容器本体と、内容物の流出孔(注出開口)を備えた中栓と、内容物の吐出口及び吸気孔(外気導入孔)を備えた吐出キャップと、中栓と吐出キャップとの間に装着され、流出孔から吐出口に達する流路を区画形成する筒状の区画壁と、流出孔から吐出口に達する流路を開閉する逆止弁と、区画壁の外周面に一体に設けられたフランジ状を成す外気用弁体と、を有する吐出容器が知られている。
このような構成の吐出容器では、容器本体の胴部を圧搾(スクイズ)して内容物を吐出させた後、胴部への押圧を解除すると、逆止弁が閉じられて吐出口から容器本体に向けた内容物や外気の流入が阻止されるとともに、外気用弁体が開いて吐出キャップに設けた吸気孔から口部に設けた外気導入孔を通じて外層体と内層体との相互間に外気を導入して内層体を減容変形させたまま外層体を元の形状に復元させることができる。したがって、内容物を外気と置換させることなく吐出させ、これにより容器本体の内部に残った内容物を空気と触れづらくしてその劣化や変質を抑制することができる。
特開2015−227175号公報
ところで、上記のような吐出容器において、内容物の吐出後に外層体が元の形状に復元する際、外気用弁体を構成する弁体と弁座との隙間を空気が通り抜けることにより高い音が発生する事があり、耳障りであった。
それゆえ本発明は、圧搾された胴部が復元する際の高い音の発生を抑制することが可能な吐出容器を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の吐出容器は、筒状の口部及び該口部に連なる胴部を有する容器本体と、
内容物の流出孔を有し、前記口部の開口を覆う中栓と、
前記流出孔に連なる吐出口を頂壁部に有し、前記口部に装着されて前記中栓を覆う吐出キャップと、
前記中栓と前記吐出キャップの頂壁部との間に配置され、前記流出孔から前記吐出口に達する流路を区画形成する筒状の区画壁と、
前記流出孔から前記吐出口に達する流路を開閉する逆止弁と、を備え、
前記容器本体は、内容物を収容する減容変形可能な内層体と、該内層体を内側に収容するとともに前記内層体との相互間に空気を導入するための外気導入孔を有する外層体とを備える二重容器であり、
前記外気導入孔は、前記吐出キャップの頂壁部に設けられた吸気孔を介して前記吐出キャップの外部に連通可能であり、
前記中栓と前記頂壁部との間には、前記区画壁の外周を取り囲むとともに貫通孔が形成された環状板部が配置されており、
前記中栓と前記環状板部との間には、前記区画壁の外周を取り囲むとともに前記貫通孔を開閉する薄肉環状の外気用弁体が配置されており、
前記外気用弁体は、前記中栓と前記環状板部との間で前記区画壁の中心軸線に沿う軸線方向に位置決め保持されるとともに、前記外層体の胴部が圧搾された状態から復元する際に該外気用弁体の一部が弾性変位して前記貫通孔と前記外気導入孔とを連通させるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る吐出容器にあっては、前記外気用弁体は、前記一部が弾性変位した際に前記貫通孔と前記外気導入孔とを連通させる連通孔を有することが好ましい。
また、本発明に係る吐出容器にあっては、前記外気用弁体の内周縁部と外周縁部とが、前記軸線方向に位置決め保持されていることが好ましい。
また、本発明に係る吐出容器にあっては、前記外気用弁体の内周縁部と外周縁部とが前記環状板部に結合していることが好ましい。
また、本発明に係る吐出容器にあっては、前記外気用弁体における内周縁部と外周縁部の間の領域に、前記連通孔が形成されていることが好ましい。
また、本発明に係る吐出容器にあっては、前記環状板部が、前記区画壁に一体に連結されたフランジ部であることが好ましい。
本発明によれば、圧搾された胴部が復元する際の高い音の発生を抑制することが可能な吐出容器を提供することができる。
本発明の一実施形態である吐出容器の要部の側面視での断面図である。 (a)は、図1の吐出容器における環状板及び外気用弁体を軸線方向の下方から見た図であり、(b)は、図1に示す吐出容器の部分拡大断面図である。 図1の吐出容器において、内容物を吐出する際の部分拡大断面図である。 本発明の他の実施形態である吐出容器の要部の側面視での断面図である。 図4に示す吐出容器の部分拡大断面図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。なお、本明細書において、「上」とは、吐出容器を水平面上に載置した際に容器本体に対して吐出キャップが位置する側であり、「下」とは、その反対側である。
図1に示すように、本発明の一実施形態である吐出容器1は、容器本体10、吐出キャップ20、中栓30、区画壁40、逆止弁50、環状板60、及び外気用弁体70を備えている。この吐出容器1は、種々の内容物を収容することができる。
詳細は図示しないが、容器本体10は口部11と胴部12とを有するボトル形状となっている。
口部11は円筒状に形成されており、その外周面には吐出キャップ20を装着するための雄ねじ11aが一体に設けられている。また、口部11の根元側部分には、口部11よりも大径の円筒状の密封用段部11bが一体に設けられている。
胴部12は密封用段部11bを介して口部11の下方に連なり、その内部は内容物の収容室12aとなっている。
本実施の形態においては、容器本体10は、外層体13と外層体13の内側に収容された内層体14とを備える二重容器に構成されている。なお、本例において容器本体10は以下に説明するように内層体14を外層体13の内面に剥離可能に積層配置した積層剥離容器(デラミ容器)であるが、これに限らず、内層体14を外層体13の内部に組み込んだ組込みタイプの二重容器としてもよい。
内層体14は、例えば合成樹脂材料により減容変形可能な薄肉の袋状に形成され、外層体13の内面に剥離可能に積層配置されている。内層体14は、容器本体10の口部11の開口端にまで回り込んで当該開口端において開口しており、その内側は上記した収容室12aとなっている。
外層体13は、例えば合成樹脂材料により所定の剛性を有するボトル形状に形成されて容器本体10の外郭を構成している。外層体13の胴部12に対応する部分は圧搾(スクイズ)可能であるとともに元の形状への復元性を有している。また、外層体13の口部11に対応する部分には、当該外層体13を径方向に貫通して内層体14と外層体13との間に連通する外気導入孔15が設けられている。図示する場合では、外層体13の口部11に対応する部分には、その軸線を挟んだ対向配置で2つの外気導入孔15が設けられているが、少なくとも1つの外気導入孔15が設けられていればよい。
なお、容器本体10は、外層体13と内層体14との間に、それぞれ口部11から胴部12の底部分に向けて縦方向に延びて内層体14を外層体13に対して部分的に接着する接着層(不図示)を備えた構成とすることもできる。また、容器本体10は、例えば酸素や水蒸気に対するバリア性を有するバリア層が積層配置された構成や、各種コーティングによりバリア性が高められた構成とすることもできる。
吐出キャップ20は容器本体10の口部11に装着されている。吐出キャップ20は、合成樹脂材料により、口部11の開口を覆う頂壁部21と口部11の外周を覆う円筒状の筒壁部22とを備えた有頂筒状に形成されている。筒壁部22の内周面には雌ねじ22aが設けられており、この雌ねじ22aが口部11の外周面に設けられた雄ねじ11aにねじ結合することにより、吐出キャップ20は容器本体10の口部11に装着されるようになっている。なお、吐出キャップ20はアンダーカット等により口部11に装着される構成としてもよい。
頂壁部21には、当該頂壁部21から上方に向けて突出する吐出筒21aが一体に設けられている。吐出筒21aは、略円形の頂壁部21の軸心からずれて配置され、その内側は内容物の吐出口23となっている。
中栓30は吐出キャップ20の内側に装着されるとともに口部11の開口端に装着され、口部11の開口を覆っている。この中栓30は合成樹脂製となっており、吐出キャップ20の内側に頂壁部21に対して軸方向に間隔を空けて配置される本体壁部31と、本体壁部31の外周縁から頂壁部21の側に向けて延びる支持筒部32とを備えている。
支持筒部32は、その上端が頂壁部21の下面に当接するとともに外周部において筒壁部22の内面に嵌合し、これにより中栓30は吐出キャップ20の内部に固定保持されている。本体壁部31の下面には環状のシール筒33が一体に設けられ、このシール筒33が口部11の内周面に嵌合している。また中栓30は口部11の開口を覆っている。なお、中栓30は吐出キャップ20により覆われている。
中栓30の本体壁部31には、内容物の流出孔31aが設けられている。この流出孔31aは中栓30の本体壁部31を表裏に貫通し、吐出キャップ20の頂壁部21に設けられた吐出口23に連通可能となっている。収容室12aに収容された内容物は、この流出孔31aを介して吐出口23に向けて流出することができる。中栓30の本体壁部31の上面には、支持筒部32の径方向内側において流出孔31aを取り囲む環状溝31bが設けられている。
また、中栓30の本体壁部31には、流出孔31aに隣接して筒状壁34が設けられている。筒状壁34は中栓30の本体壁部31を表裏に貫通する開口をその内周面によって区画形成するとともに収容室12aに向けて延在している。また筒状壁34には、下方に向かうにつれて内径を狭める縮径部34aが設けられている。筒状壁34内には、筒状壁34の内周面に沿って移動可能な移動弁35が設けられている。移動弁35は、図1に示すように吐出容器1を起立姿勢にする際、縮径部34aに着座して、収容室12aを閉鎖するようにしている。
吐出キャップ20の頂壁部21と中栓30の本体壁部31との間には区画壁40が装着されている。この区画壁40は、例えば低密度ポリエチレン(軟質ポリエチレン)により円筒状に形成されており、その一端が頂壁部21の下面に設けられた環状溝21bに嵌合し、他端が中栓30の本体壁部31の上面に設けられた環状溝31bに嵌合して頂壁部21と本体壁部31との間に固定保持されている。吐出キャップ20の頂壁部21と中栓30の本体壁部31との間の空間には、この区画壁40によって本体壁部31に設けられた流出孔31aから頂壁部21に設けられた吐出口23に達する流路(区画壁40の内側部分)41が区画形成されている。
逆止弁50は、吐出キャップ20の頂壁部21と中栓30の本体壁部31との間に、区画壁40の径方向内側つまり流路41の内部に位置して設けられている。図示する場合では、逆止弁50は区画壁40と同一の材料により区画壁40と一体に形成されている。この逆止弁50は、中栓30の本体壁部31に設けられた流出孔31aと筒状壁34の開口の大部分とを開閉可能な円形の板状に形成された弁本体50aと、この弁本体50aを区画壁40の内周面に一体に連結する3本の弾性アーム50bとを備えている。なお、本実施形態では逆止弁50は、弁本体50aを3本の弾性アーム50bで支持する所謂3点弁の形態をなしているが、弁本体50aを1つのヒンジで支持する所謂1点弁等、他の形態の逆止弁を用いることができる。
吐出キャップ20と口部11との間には、口部11に設けられた外気導入孔15に連通するとともに中栓30の支持筒部32と本体壁部31の外縁部付近に設けられた通気孔36と頂壁部21に設けられた吸気孔24とを介して吐出キャップ20の外部に連通可能な空気流路Rが区画形成されている。なお、吐出キャップ20の筒壁部22の下端は密封用段部11bに全周に亘って気密に当接して空気流路Rを密封している。また、雄ねじ11aには縦方向に延びるスリットが形成され、雄ねじ11aおよび雌ねじ22aが設けられた部分においては、このスリットにより空気流路Rの一部が構成されている。なお、雄ねじ11aにスリットを設けることなく、雄ねじ11aと雌ねじ22aとに沿って空気を流通させるようにしてもよい。
中栓30と吐出キャップ20の頂壁部21との間には、区画壁40の外周を取り囲むように環状板(環状板部)60及び外気用弁体70が配置されている。
ここで図2(a)は、環状板60及び外気用弁体70を軸線方向の下方から見た図である。図1、2(a)に示すように、環状板60は、貫通孔61を有し、貫通孔61の周りには、外気用弁体70側に突出する環状凸部62が設けられている。貫通孔61は少なくとも1つあればよいが、複数設けることも可能である。本例では、図2(a)に示すように複数の貫通孔61が周方向に間隔を空けて均等配置された構成としている。環状板60は、外気用弁体70に重ねて配置され、その外周縁部及び内周縁部において区画壁40の中心軸線に沿う軸線方向(図1における上下方向)に位置決め保持されている。具体的には、図2(b)に示すように、環状板60及び外気用弁体70の内周縁部が、区画壁40から径方向外側に突出する支持凸部40aと、頂壁部21から垂下する内側周壁21cによって挟まれて軸線方向に位置決め保持されている。なお、本例では支持凸部40aの下方に中栓30の本体壁部31から突出する支持壁31cが設けられているが、支持凸部40aを設けずに支持壁31cで環状板60及び外気用弁体70の内周縁部を下方から支持する構成としてもよい。また環状板60及び外気用弁体70の外周縁部が、中栓30の支持筒部32から径方向内側に突出する支持リブ32aと、頂壁部21から垂下する外側周壁21dによって挟まれて軸線方向に位置決め保持されている。
外気用弁体70は、弾性変形可能な、薄肉環状の合成樹脂製のシート状部材またはフィルム等で構成されている。外気用弁体70は、環状板60の下方に配置されており、貫通孔61の下端開口を開閉するものである。上述のように、外気用弁体70は外周縁部及び内周縁部において、軸線方向に固定されている。また、外気用弁体70には、外気用弁体70の一部が弾性変位した際に貫通孔61に連通する連通孔71が形成されている。連通孔71は、外気用弁体70における軸線方向に固定されていない部分、すなわち、外周縁部と内周縁部の間の部分に形成されている。なお、連通孔71は1つでもよいし、複数設けることも可能である。本例では、図2(a)に示すように、上記環状板60の貫通孔61よりも径方向内側に位置する連通孔71と、貫通孔61よりも径方向外側に位置する連通孔71とが周方向に交互に間隔を空けて配置されている。また、貫通孔61と連通孔71とは軸線方向で見て相互に重ならないように配置されている。なお、貫通孔61及び連通孔71の位置、大きさ、数等は図示例に限定されず適宜変更可能である。また、外気用弁体70は、環状板60に対して部分的に接着した構成としてもよいし、インサート成形によって一体に形成してもよい。接着やインサート成形等により外気用弁体70を環状板60に一体に結合する場合には、貫通孔61及び連通孔71を塞がない領域、例えば本例における外周縁部及び内周縁部において結合させることが好ましい。
ここで、外気用弁体70は、外層体13の胴部12が圧搾された状態から復元する際の負圧によって、図3に示すように環状板60から離間する方向に一部が弾性変位する構成となっている。なお、本例の場合、外気用弁体70において弾性変位可能な領域は、軸線方向に固定されていない部分、すなわち、外周縁部と内周縁部の間の部分である。外気用弁体70が弾性変位すると、図示のように貫通孔61の下端開口が開放されて貫通孔61が連通孔71に連通する。これにより、内層体14と外層体13との間の空間が、外気導入孔15、空気流路R、通気孔36、連通孔71、貫通孔61、及び吸気孔24を介して吐出キャップ20の外部に連通することとなる。
図1に示すように、吐出キャップ20は蓋体80を備えた構成とすることもできる。図示する場合では、オーバーキャップとも呼ばれる蓋体80は、吐出キャップ20とほぼ同径の有頂筒状に形成されており、ヒンジ81により吐出キャップ20の頂壁部21に回動自在に連結されて頂壁部21とともに吐出筒21aを覆うことができるようになっている。蓋体80の内面には円筒状のシール壁82が一体に設けられており、蓋体80が閉じられるとシール壁82が吐出筒21aの内側に嵌合して吐出口23を閉塞するようになっている。蓋体80のヒンジ81に対向する側には蓋体80を開操作する際の指掛かりとなる摘み部83が設けられている。
なお、蓋体80はヒンジ81により吐出キャップ20に一体連結される構成に限らず、吐出キャップ20とは別体に形成されて吐出キャップ20にねじ込みやアンダーカット等により装着される構成としてもよい。
このような構成の吐出容器1では、蓋体80を開いた状態で吐出筒21aが下方を向くように容器本体10を傾けつつ胴部12を圧搾することで、逆止弁50を開いて、収容室12aの内部の内容物を流出孔31aから流路41を介して吐出口23に向けて流出させ、当該吐出口23から外部に向けて吐出させることができる。胴部12の圧搾により外層体13と内層体14との間の圧力が高まっている間は、図2(b)に示すように、外気用弁体70が環状板60の貫通孔61を閉塞しているため、外層体13と内層体14との相互間に存在する空気が外部に漏れ出すことがなく、よって外層体13の胴部12を圧搾することで内層体14を押圧して内容物を流出孔31aに向けて押し出すことができる。なお、この状態において、筒状壁34内の移動弁35は、自重や筒状壁34の下方側の開口から流入する内容液によって、吐出口23側に移動している。
一方、内容物の吐出後に胴部12への押圧を解除したときには、流出孔31aが逆止弁50で閉塞されるとともに、外層体13の復元に伴い内層体14と外層体13との間の空間が負圧となり、図3に示すように、本体壁部31側に向けて外気用弁体70の一部が弾性変位する。これにより、吸気孔24、貫通孔61、連通孔71、通気孔36、空気流路R、及び外気導入孔15を介して、内層体14と外層体13との間に外気が導入されるため、内層体14を減容変形させたまま外層体13を元の形状に復元させることができる。このため、収容室12aに外気が導入されるのを抑制して、容器本体10に収容される内容物の空気との接触を減らして内容物の変質や劣化を抑制することができる。
またこのとき、流出孔31aが逆止弁50で閉塞されると、吐出筒21a内には内容物が残留したままになっているものの、移動弁35は、吐出容器1を元の起立姿勢に戻す際におけるそれ自身の自重や収容室12a内の圧力低下によって下方に移動する。これによって筒状壁34の上方には、移動弁35が移動した分のスペースが形成されることになるため、このスペースに相当する分の内容物を吐出筒21aから引き戻すことができ(サックバック機能)、液だれを有効に防止することができる。なお、下方に移動した移動弁35は、筒状壁34の縮径部34aに着座するので、収容室12a内を閉鎖した状態に保つことができる。
本実施形態の吐出容器1にあっては、外気用弁体70が軸線方向に位置決め保持されている構成としたことにより、貫通孔61及び連通孔71を空気が通過する際の外気用弁体70の振動を抑制することができる。これにより、圧搾した胴部12が復元する際の高い音の発生を抑制することができる。
また、本実施形態の吐出容器1にあっては、外気用弁体70の内周縁部及び外周縁部の両方を軸線方向に位置決め保持しているため、外気用弁体70の振動抑制効果をより高めることができる。
また、本実施形態の吐出容器1にあっては、環状板60に環状凸部62を設けたことにより、環状板60に外気用弁体70を押し当て易くなり、外気用弁体70の振動抑制効果をさらに高めることができる。また、環状凸部62を設けたことにより、環状凸部62の周りで環状板60と外気用弁体70の間に隙間が形成されるため、外気用弁体70が弾性変位した際の、貫通孔61から連通孔71への空気の流路が確保し易くなる。また、環状凸部62を設けたことで、貫通孔61の下端開口を外気用弁体70の上面で閉塞し易くなり、胴部12を圧搾して内容物を吐出する際の空気漏れをより確実に抑制することが可能となる。
また、本実施形態の吐出容器1にあっては、環状板60における貫通孔61に対して、外気用弁体70の連通孔71の位置を径方向にずらして配置したことにより、環状板60に対する外気用弁体70の周方向位置が変化しても貫通孔61と連通孔71とが重なることがない。これにより、胴部12を圧搾する際の空気の漏れ出しをより確実に防止することができる。
以下に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、先の実施形態と同一又は対応する構成については、同一の符号で表し、説明を省略する。
図4に示すように、本発明の他の実施形態である吐出容器100は、区画壁40の外周面に一体に連結された環状のフランジ部(環状板部)160と、フランジ部160の下方で軸線方向に位置決め配置された薄肉環状の外気用弁体170とを有する。
フランジ部160には、貫通孔161が形成されている。貫通孔161はフランジ部160に1つのみ設けてもよいし、複数設けてもよく、例えば周方向に間隔を空けて複数の貫通孔161を配置することができる。
本例において外気用弁体170は、図5にも示すように、中栓30の本体壁部31から突出する支持壁31c、及び支持壁31cの径方向外側に位置する外側支持壁31dによって下方から支持されている。外気用弁体170は、フランジ部160と、支持壁31c及び外側支持壁31dとによって軸線方向(上下方向)に挟まれることにより、軸線方向に位置決め保持されている。
また、外気用弁体170は、軸線方向で見て貫通孔161に重ならない位置に形成された連通孔(図示省略)を有する。連通孔は1つのみ設けてもよいし、複数設けてもよく、例えば周方向に間隔を空けて外気用弁体170に複数設けることができる。外気用弁体170は、支持壁31c及び外側支持壁31dによって支持されていない部分において弾性変位可能であり、当該弾性変位した際に、貫通孔161と連通孔とが連通する。これにより、内層体14と外層体13との間の空間が、外気導入孔15、空気流路R、通気孔36、連通孔、貫通孔161、及び吸気孔24を介して吐出キャップ20の外部に連通することとなる。なお、本実施形態では、外気用弁体170に連通孔を設けない構成としてもよい。この場合、外気用弁体170は、支持壁31c及び外側支持壁31dによって支持されていない部分(主に外周縁部)において弾性変位して貫通孔161を開放し、当該貫通孔161を外気導入孔15に連通させることができる。
以上のような構成の吐出容器100においても、外気用弁体170が軸線方向に位置決め保持されているため、貫通孔161から外気導入孔15に向かって空気が通過する際の外気用弁体170の振動が抑制される。したがって、圧搾した胴部12が復元する際の高い音の発生を抑制することができる。
また、本実施形態の吐出容器100にあっては、環状板部を、区画壁40に一体に連結されたフランジ部160で構成したことで、環状板部を別部品とする場合に比べて部品数を削減することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
また、前記実施の形態においては、吐出キャップ20を頂壁部21と筒壁部22とが一体に形成されたものとし、中栓30を吐出キャップ20とは別体に形成されたものとしているが、これに限らず、吐出キャップ20を互いに別体に形成された頂壁部21と筒壁部22とを組み合わせて形成されるものとし、中栓30を吐出キャップ20の筒壁部22と一体に形成されたものとしてもよい。
1 吐出容器
10 容器本体
11 口部
11a 雄ねじ
11b 密封用段部
12 胴部
12a 収容室
13 外層体
14 内層体
15 外気導入孔
20 吐出キャップ
21 頂壁部
21a 吐出筒
21b 環状溝
21c 内側周壁
21d 外側周壁
22 筒壁部
22a 雌ねじ
23 吐出口
24 吸気孔
30 中栓
31 本体壁部
31a 流出孔
31b 環状溝
31c 支持壁
31d 外側支持壁
32 支持筒部
32a 支持リブ
33 シール筒
34 筒状壁
34a 縮径部
35 移動弁
36 通気孔
40 区画壁
40a 支持凸部
41 流路
50 逆止弁
50a 弁本体
50b 弾性アーム
60 環状板(環状板部)
61 貫通孔
62 環状凸部
70 外気用弁体
71 連通孔
80 蓋体
81 ヒンジ
82 シール壁
83 摘み部
100 吐出容器
160 フランジ部(環状板部)
161 貫通孔
170 外気用弁体
R 空気流路

Claims (6)

  1. 筒状の口部及び該口部に連なる胴部を有する容器本体と、
    内容物の流出孔を有し、前記口部の開口を覆う中栓と、
    前記流出孔に連なる吐出口を頂壁部に有し、前記口部に装着されて前記中栓を覆う吐出キャップと、
    前記中栓と前記吐出キャップの頂壁部との間に配置され、前記流出孔から前記吐出口に達する流路を区画形成する筒状の区画壁と、
    前記流出孔から前記吐出口に達する流路を開閉する逆止弁と、を備え、
    前記容器本体は、内容物を収容する減容変形可能な内層体と、該内層体を内側に収容するとともに前記内層体との相互間に空気を導入するための外気導入孔を有する外層体とを備える二重容器であり、
    前記外気導入孔は、前記吐出キャップの頂壁部に設けられた吸気孔を介して前記吐出キャップの外部に連通可能であり、
    前記中栓と前記頂壁部との間には、前記区画壁の外周を取り囲むとともに貫通孔が形成された環状板部が配置されており、
    前記中栓と前記環状板部との間には、前記区画壁の外周を取り囲むとともに前記貫通孔を開閉する薄肉環状の外気用弁体が配置されており、
    前記外気用弁体は、前記中栓と前記環状板部との間で前記区画壁の中心軸線に沿う軸線方向に位置決め保持されるとともに、前記外層体の胴部が圧搾された状態から復元する際に該外気用弁体の一部が弾性変位して前記貫通孔と前記外気導入孔とを連通させるように構成されていることを特徴とする吐出容器。
  2. 前記外気用弁体は、前記一部が弾性変位した際に前記貫通孔と前記外気導入孔とを連通させる連通孔を有する、請求項1に記載の吐出容器。
  3. 前記外気用弁体の内周縁部と外周縁部とが、前記軸線方向に位置決め保持されている、請求項2に記載の吐出容器。
  4. 前記外気用弁体の内周縁部と外周縁部とが前記環状板部に結合している、請求項3に記載の吐出容器。
  5. 前記外気用弁体における内周縁部と外周縁部の間の領域に、前記連通孔が形成されている、請求項3又は4に記載の吐出容器。
  6. 前記環状板部が、前記区画壁に一体に連結されたフランジ部である、請求項1又は2に記載の吐出容器。
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