以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<MFPの構成>
MFP1(画像処理装置の一例)は、図1に示されるように、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を有する複合機である。具体的には、MFP1は、各種機能を実現するために、画像形成部11(画像処理部の一例)、画像読取部12(画像処理部の一例)、表示部13、操作部14、モデム部15、ネットワーク通信部16及び低圧電源17(電源部の一例)を備えている。
画像形成部11は、画像形成ジョブについての画像形成を実行し、画像形成ジョブに係る画像をシートに形成する。画像形成の方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよい。
画像読取部12は、イメージセンサ及びAFE(Analog Front End)などを備えている。画像読取部12では、イメージセンサにより原稿の画像が読み取られて、イメージセンサからアナログ画像信号が出力され、AFEによりそのアナログ画像信号がデジタル画像データに変換される。
表示部13は、例えば、液晶表示器からなる。
操作部14は、各種の指示を入力するために操作される操作ボタン(例えば、電源キー、スタートキー、OKキー、テンキー、カーソルキー)などを備えている。
モデム部15は、モジュラジャック21(回線接続端子の一例)を介して、電話回線網22に接続される。モジュラジャック21は、モジュラケーブル23の一端が接続される端子であり、第1接点24(端子の一例)及び第2接点25(端子の一例)を有している。モジュラケーブル23の一端がモジュラジャック21に接続されると、モジュラケーブル23の2つの局線のうちの一方が第1接点24に接続され、他方が第2接点25に接続される。モジュラケーブル23の他端は、電話回線網22に接続されている。
モデム部15は、DAA(Direct Access Arrangement)31及びモデム32を内蔵している。DAA31は、電圧検出回路33を備えている。電圧検出回路33は、一対の第1接続線35及び第2接続線36を介して、モジュラジャック21の第1接点24及び第2接点25に接続されている。電話回線網22を構成する電話回線には、48V程度の直流電圧が印加されている。電圧検出回路33は、電話回線から第1接続線35及び第2接続線36に入力される回線電圧(直流電圧)を検出する。DAAは、NCU(Network Control Unit:網制御装置)とも呼ばれる装置であり、電話回線網22への回線信号の送出及び電話回線網22からの受信などを制御する回線信号送受信回路34を更に備えている。モデム32は、デジタル信号を電話回線網22に送出するアナログ信号に変調し、電話回線網22から受信されるアナログ信号をデジタル信号に復調する機能を有している。
また、モデム部15は、電話回線網22から送信される信号のノイズの除去を目的とするコンデンサ37を備えている。コンデンサ37の一対の電極38,39がそれぞれ第1接続線35及び第2接続線36と接続されることにより、コンデンサ37は、一対の第1接続線35及び第2接続線36間に接続されている。モジュラジャック21がモジュラケーブル23を介して電話回線網22に接続されている場合、電話回線網22に接続される交換機(図示せず)とコンデンサ37との間で閉ループが形成されるため、コンデンサ37に電荷が蓄積される。
ネットワーク通信部16は、PC(Personal Computer)などの外部端末2とのLAN(Local Area Network)を経由したネットワーク通信のための回路などを備えている。
低圧電源17は、画像形成部11、画像読取部12、表示部13、操作部14、モデム部15及びネットワーク通信部16などの各部に供給される動作電圧を発生させる電源である。低圧電源17は、動作状態で、商用交流電源から電圧(例えば、100ボルト)の供給を受け、その電圧を動作電圧用の所定電圧(例えば、24ボルト)に変換する。なお、表示部13、操作部14及びネットワーク通信部16の動作電力は、低圧電源17から直接供給されてもよいし、後述のASIC41を経由して供給されてもよい。
低圧電源17の動作/停止は、操作部14に設けられている電源キー(電源ボタン)の押操作により交互に切り替わる。すなわち、低圧電源17が停止状態で電源キーが押操作されると、低圧電源17が動作状態になり、低圧電源17が動作状態で電源キーが押操作されると、低圧電源17が停止状態になる。
以下では、低圧電源17の動作状態を「電源オンの状態」といい、低圧電源17の停止状態を「電源オフの状態」という。
MFP1は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)41、ROM42及びRAM43(記憶部の一例)を備えている。
ASIC41(制御部の一例)は、CPU44を内蔵している。ASIC41には、画像形成部11、画像読取部12、表示部13、操作部14、モデム部15、ネットワーク通信部16及び低圧電源17が電気的に接続されている。ASIC41の動作電圧は、低圧電源17から供給される。CPU44は、ROM42に記憶されているプログラムを実行し、操作部14やモデム部15などからASIC41に入力される信号などに基づいて、画像形成部11、画像読取部12、表示部13、モデム部15及びネットワーク通信部16を制御する。CPU44による制御(プログラム)の実行時、RAM43は、CPU44によって、ワークエリアとして使用される。RAM43には、NVRAM(Non Volatile RAM)などの不揮発性メモリが含まれていてもよい。
<状態遷移>
MFP1では、図2に示されるように、モデム部15への電話回線網22の接続の有無、画像形成部11に対する画像形成の実行命令の有無、画像読取部12に対する画像読取の実行命令の有無、操作部14の操作の有無等に応じて、電力消費状態が遷移する。
電源オフの状態から電源キーが押操作(オン)されると、MFP1の電力消費状態が待機状態となる。待機状態では、低圧電源17から画像形成部11、画像読取部12、表示部13、操作部14、モデム部15及びネットワーク通信部16に動作電力が供給される。待機状態は、操作部14のキー操作による画像形成又は画像読取の実行命令待ち、モデム部15又はネットワーク通信部16による画像形成に係るデータの受信待ちの状態である。画像形成部11に動作電力が供給されているので、画像形成の実行命令又は画像形成に係るデータの受信があると、待機状態から画像形成部11による画像形成の実行状態に直ちに移行する。また、画像読取部12に動作電力が供給されているので、画像読取部12による画像読取の実行命令があると、待機状態から画像読取部12による画像読取の実行状態に直ちに移行する。画像形成又は画像読取の実行終了後は、電力消費状態が待機状態となる。
なお、以下では、低圧電源17から画像形成部11、画像読取部12、表示部13、操作部14、モデム部15及びネットワーク通信部16等の各部への動作電力の供給及び動作電力が供給されている状態を「オン」と表現し、各部への動作電力の供給の停止及び動作電力の供給が停止されている状態を「オフ」と表現する。
待機状態において、画像形成若しくは画像読取の実行命令又は画像形成に係るデータの受信がなく、所定時間T1が経過すると、電力消費状態が待機状態からスリープ状態に移行する。スリープ状態では、画像形成部11、画像読取部12及び表示部13がオフにされ、操作部14、モデム部15及びネットワーク通信部16がオンにされる。したがって、スリープ状態は、待機状態よりも消費電力が低い。スリープ状態において、画像形成若しくは画像読取の実行命令又は画像形成に係るデータの受信があると、電力消費状態がスリープ状態から待機状態に戻り、画像形成部11、画像読取部12及び表示部13がオンされる。そして、待機状態から画像形成又は画像読取の実行状態に移行する。
スリープ状態において、画像形成若しくは画像読取の実行命令又は画像形成に係るデータの受信がなく、所定時間T2が経過し、その時点でモデム部15が電話回線網22(電話回線)と接続されていない場合、電力消費状態がスリープ状態からオフモード状態に移行する。オフモード状態では、画像形成部11、画像読取部12、表示部13、モデム部15及びネットワーク通信部16がオフにされ、操作部14がオンにされる。したがって、オフモード状態は、スリープ状態よりも消費電力が更に低く、消費電力が最も低い状態である。
オフモード状態で所定時間T3が経過すると、電力消費状態がオフモード状態から一時復帰モード状態に移行する。一時復帰モード状態では、モデム部15がオンされる。そして、モデム部15の電圧検出回路33により検出される電圧値が0である場合、つまりモデム部15が電話回線網22に接続されていない場合は、モデム部15がオフされて、電力消費状態が一時復帰モード状態からオフモードに戻る。一方、電圧検出回路33により検出される電圧値が0でない場合、つまりモデム部15が電話回線網22に接続されている場合は、電力消費状態が一時復帰モード状態から待機状態に移行する。
オフモード状態において、電源キーが押操作(オン)されると、電力消費状態がオフモード状態から待機状態に移行する。
電力消費状態を遷移させるため、CPU44により、次に説明する状態遷移処理が実行される。
<状態遷移処理>
状態遷移処理では、CPU44は、起動設定処理を実行する(S1)。
*起動設定処理
起動設定処理では、図4に示されるように、CPU44は、RAM43に設定されているフラグの状態を0にリセットする(S1001)。
CPU44は、表示部13及び操作部14をオンにし(S1002)、画像形成部11及び画像読取部12をオンにし(S1003)、ネットワーク通信部16をオンにする(S1004)。また、CPU44は、モデム部15をオンにする(S1005)。これにより、MFP1の電力消費状態は、画像形成部11、画像読取部12、表示部13、操作部14、モデム部15及びネットワーク通信部16の全てがオンにされた待機状態となる。
*回線電圧取得処理の開始
図3に示されるように、起動設定処理の終了後、CPU44は、回線電圧取得処理に対して開始を指示する(S2)。回線電圧取得処理は、モデム部15の電圧検出回路33により検出される回線電圧値を取得する処理であり、状態遷移処理と並行して動作する。回線電圧取得処理については、後述する。
*通常処理
回線電圧取得処理の開始後、CPU44は、通常処理を実行する(S3)。
通常処理では、図5に示されるように、CPU44は、所定時間T1の計測を開始する(S31)。
所定時間T1の計測中、CPU44は、操作部14のキー操作による画像形成又は画像読取の実行命令、及び、モデム部15又はネットワーク通信部16による画像形成に係る信号(データ)の受信の有無を判断する(S32)。なお、以下では、操作部14のキー操作による画像形成又は画像読取の実行命令を、単に「処理命令」といい、モデム部15又はネットワーク通信部16による画像形成に係るデータの受信を、単に「データ受信」という。
所定時間T1の計測中に処理命令が入力又は受信された場合には(S32:YES)、CPU44は、所定時間T1の計測を終了し、処理命令又はデータ受信に応じて、画像形成部11又は画像読取部12を制御して、画像形成又は画像読取を実行する(S33)。なお、操作部14のキー操作によりコピーの実行が指示された場合には、画像読取部12による画像読取の実行に続き、画像形成部11による画像形成が実行される。画像形成又は画像読取の実行後、CPU44は、所定時間T1の計測を新たに開始する(S31)。
所定時間T1の計測中に処理命令が入力又は受信されずに(S31:NO)、第1待機状態の開始時又は処理命令の入力若しくは受信時から所定時間T1が経過すると(S34:YES)、CPU44は、通常処理を終了する。
*スリープ処理
図3に示されるように、通常処理の終了後、CPU44は、スリープ処理を実行する(S4)。
スリープ処理では、図6に示されるように、CPU44は、表示部13をオフにし(S41)、画像形成部11及び画像読取部12をオフにする(S42)。これにより、MFP1の電力消費状態は、画像形成部11、画像読取部12及び表示部13がオフにされ、操作部14、モデム部15及びネットワーク通信部16がオンにされたスリープ状態となる。
スリープ状態の開始とともに、CPU44は、所定時間T2の計測を開始する(S43)。
そして、CPU44は、処理命令及びデータ受信の有無を判断する(S44)。
処理命令及びデータ受信がない場合(S44:NO)、CPU44は、所定時間T2の計測を続け、スリープ状態の開始から所定時間T2が経過したか否かを判断する(S45)。
処理命令及びデータ受信がなく(S44:NO)、スリープ状態の開始から所定時間T2が経過すると(S45:YES)、CPU44は、スリープ処理を終了する。
スリープ状態の開始から所定時間T2が経過する前に、処理命令又はデータ受信があった場合、CPU44は、起動設定処理を実行する(図3のS1)。そのため、MFP1の電力消費状態は、スリープ状態から待機状態に移行する。そして、その後の通常処理において、CPU44は、処理命令又はデータ受信があったと判断し(図5のS32:YES)、その処理命令又はデータ受信に応じた画像形成又は画像読取を実行させる(S33)。
*オフモード状態移行判断
図3に示されるように、スリープ移行処理の終了後、CPU44は、モデム部15の電圧検出回路33により検出される回線電圧値がゼロであるか否かを判断する(S5)。CPU44は、回線電圧値が1ボルト未満である場合、回線電圧値がゼロであると判断し、回線電圧値が1ボルト以上である場合、回線電圧値がゼロでないと判断する。
回線電圧値がゼロでない場合(S5:NO)、CPU44は、スリープ処理を実行する(S4)。これにより、MFP1の電力消費状態は、スリープ状態に維持される。
一方、回線電圧値がゼロである場合(S5:NO)、CPU44は、ネットワーク通信部16をオフにする(S6)。また、CPU44は、モデム部15をオフにする(S7)。その結果、MFP1の電力消費状態は、画像形成部11、画像読取部12、表示部13、モデム部15及びネットワーク通信部16がオフにされ、操作部14がオンにされたオフモード状態となる。
*回線電圧取得処理
オフモード状態の開始に伴い、CPU44は、回線電圧取得処理に対して終了を指示する(S8)。
ここで、回線電圧取得処理について説明する。
回線電圧取得処理では、図7に示されるように、CPU44は、RAM43に設けられている取得回数カウンタのカウント値Nを0にリセットする(S101)。
その後、CPU44は、その0にリセットしたカウント値Nをインクリメント(+1)する(S102)。
CPU44は、モデム部15の電圧検出回路33により検出される回線電圧値を取得する(S103)。
回線電圧値の取得後、CPU44は、先に取得した回線電圧値がRAM43に今回取得値VOL1として記憶されている場合、その今回取得値VOL1を前回取得値VOL2としてRAM43に記憶させる(S104)。
そして、CPU44は、新たに取得した回線電圧値を今回取得値VOL1としてRAM43に記憶させる(S105)。
その後、CPU44は、取得回数カウンタのカウント値Nが1であり、かつ、今回取得値VOL1が1ボルト(V)未満であるか否かを判断(以下、この判断を「ステップS106の判断」という。)する(S106)。
取得回数カウンタのカウント値Nが1であり、かつ、今回取得値VOL1が1ボルト未満である場合(S106:YES)、CPU44は、RAM43に設けられている接続状態フラグ(FLAG)に1をセットする(S107)。
接続状態フラグに1をセットした後、CPU44は、状態遷移処理により回線電圧取得処理の終了が指示されたか否かを判断する(S108)。電圧検出回路33により検出される回線電圧値が1ボルト未満に低下すると、図3に示される状態遷移処理のステップS5において、回線電圧値がゼロであると判断され、ステップS8において、回線電圧取得処理に対して終了が指示される。したがって、CPU44は、接続状態フラグに1をセットした後、回線電圧取得処理の終了が指示されたと判断し(S108:YES)、回線電圧取得処理を終了する。
CPU44は、ステップS106の判断を否定した場合(S106:NO)、今回取得値VOL1が1ボルト未満であり、かつ、前回取得値VOL2が45V以上であるか否かを判断(以下、この判断を「ステップS109」の判断という。)する(S109)。
今回取得値VOL1が1ボルト未満であり、かつ、前回取得値VOL2が45V以上である場合(S109:YES)、CPU44は、接続状態フラグに2をセットする(S110)。電圧検出回路33により検出される回線電圧値が1ボルト未満に低下すると、回線電圧取得処理に対して終了が指示されるので、CPU44は、接続状態フラグに2をセットした後、回線電圧取得処理の終了が指示されたと判断し(S108:YES)、回線電圧取得処理を終了する。
なお、回線電圧値の2回目以降の取得後は、取得回数カウンタのカウント値Nが2以上であるので、回線電圧値の2回目以降の取得以降、ステップS106の判断が肯定される場合はない。
CPU44は、ステップS109の判断を否定した場合(S109:NO)、今回取得値VOL1が1ボルト以上45ボルト未満であり、かつ、前回取得値VOL2が1ボルト以上45ボルト未満であり、かつ、今回取得値VOL1が前回取得値VOL2未満であるか否かを判断(以下、この判断を「ステップS111の判断」という。)する(S111)。すなわち、ステップS111の判断では、今回取得値VOL1及び前回取得値VOL2の両方が1ボルト以上45ボルト未満であって、今回取得値VOL1が前回取得値VOL2よりも低下しているか否かが判断される。
今回取得値VOL1及び前回取得値VOL2の両方が1ボルト以上45ボルト未満であって、今回取得値VOL1が前回取得値VOL2よりも低下している場合(S111:YES)、CPU44は、電圧低下カウンタのカウント値COUNTをインクリメント(+1)する(S112)。電圧低下カウンタのカウント値COUNTは、回線電圧取得処理の開始前に0にリセットされている。
その後、CPU44は、状態遷移処理により回線電圧取得処理の終了が指示されたか否かを判断し(S108)、回線電圧取得処理の終了が指示されていない場合(S108:NO)、CPU44は、取得回数カウンタのカウント値Nをインクリメントし(S102)、電圧検出回路33により検出される回線電圧値を新たに取得する(S103)。
CPU44は、ステップS111の判断を否定した場合、今回取得値VOL1が1ボルト未満であるか否かを判断する(S113)。
今回取得値VOL1が1V未満である場合(S113:YES)、CPU44は、接続状態フラグが0であるか否かを判断する(S114)。また、今回取得値VOL1が1V未満である場合、図3に示される状態遷移処理のステップS5において、回線電圧値がゼロであると判断され、ステップS8で回線電圧取得処理に対して終了が指示される。
接続状態フラグが0である場合(S114:YES)、CPU44は、電圧低下カウンタのカウント値COUNTが3以上であるか否かを判断する(S115)。
そして、電圧低下カウンタのカウント値COUNTが3未満である場合(S115:NO)、CPU44は、接続状態フラグに2をセットする(S116)。そして、回線電圧取得処理の終了が指示されているので(S108:YES)、CPU44は、回線電圧取得処理を終了する。したがって、この場合、接続状態フラグに2がセットされた状態で、回線電圧取得処理が終了されることになる。
一方、カウント値COUNTが3以上である場合(S115:YES)、CPU44は、接続状態フラグに3をセットする(S117)。そして、回線電圧取得処理の終了が指示されているので(S108:YES)、CPU44は、回線電圧取得処理を終了する。したがって、この場合、接続状態フラグに3がセットされた状態で、回線電圧取得処理が終了されることになる。
また、CPU44は、ステップS111の判断の否定後、今回取得値VOL1が1ボルト以上であると判断した場合は(S113:YES)、電圧低下カウンタのカウント値COUNTを0にリセットし(S118)、接続状態フラグを0にリセットして(S119)、状態遷移処理により回線電圧取得処理の終了が指示されたか否かを判断する(S108)。そして、回線電圧取得処理の終了が指示されていない場合(S108:NO)、CPU44は、取得回数カウンタのカウント値Nをインクリメントし(S102)、電圧検出回路33により検出される回線電圧値を新たに取得する(S103)。
例えば、回線電圧値の取得開始時から、つまり待機状態の開始時(低圧電源17から画像形成部11、画像読取部12、表示部13、操作部14、モデム部15及びネットワーク通信部16への動作電力の供給開始時)から、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されておらず、モデム部15が電話回線網22に接続されていない場合であって、その後もモジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されない場合、モデム部15の電圧検出回路33により検出される回線電圧値が1ボルト未満である状態が続く。図8(a)には、回線電圧値がその取得開始時から1ボルト未満である場合の回線電圧値の時間変化(パターンA)が示されている。
この場合、回線電圧取得処理では、初回に取得される回線電圧値が1ボルト未満であるから、ステップS106の判断が肯定されて、接続状態フラグに1がセットされる(S107)。そして、接続状態フラグに1がセットされた状態で、回線電圧取得処理が終了される。
待機状態の開始時には、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されており、モデム部15が電話回線網22に接続されていたが、待機状態又はスリープ状態中に、モジュラジャック21からモジュラケーブル23が引き抜かれた場合、電話回線網22に接続される交換機(図示せず)とコンデンサ37(図2参照)との間で形成されていた閉ループがオープンになるので、たとえば、コンデンサ37に蓄積されていた電荷がモデム部15に内蔵されている抵抗を流れることにより急激に放電され、コンデンサ37の最大蓄積量の電荷を放電完了するまでに要する放電所定時間を経過した後、回線電圧値がゼロに至る。図8(b)には、回線電圧値が45ボルト以上から1ボルト未満まで低下するのに要した時間が放電所定時間と略同じ時間であった場合の回線電圧値の時間変化(パターンB)が示されている。
この場合、回線電圧取得処理では、初回に取得される回線電圧値が1ボルト以上であるから、ステップS106の判断が否定される。モデム部15が電話回線網22に接続され、今回取得値VOL1が45ボルト以上である状態が続いている間は、ステップS109,S111の判断も否定される。ステップS111の判断の否定後、今回取得値VOL1が1ボルト以上であると判断されるので(S113:NO)、電圧低下カウンタのカウント値COUNTが0であり(S118)、接続状態フラグの状態が0のまま、回線電圧値の取得が繰り返される。そして、前回取得値VOL2が45ボルト以上であったが、今回取得値VOL1が1ボルト未満に低下した場合、ステップS109の判断が肯定されて、接続状態フラグに2がセットされる(S110)。そして、接続状態フラグに2がセットされた状態で、回線電圧取得処理が終了される。
待機状態の開始時から、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されており、モデム部15が電話回線網22に接続されているが、待機状態又はスリープ状態中に、電話回線網22に接続される交換機の異常や故障等が生じた場合、その交換機とコンデンサ37との間で形成される閉ループは維持されるので、コンデンサに蓄積された電荷がその閉ループを構成する電線を流れることにより緩やかに放電され、放電所定時間よりも十分に長い時間をかけて、回線電圧値が45ボルト以上からゼロまで低下する。図8(c)には、放電所定時間よりも十分に長い時間をかけて、回線電圧値が45ボルト以上からゼロまで低下した場合の回線電圧値の時間変化(パターンC)が示されている。
この場合、回線電圧取得処理では、初回に取得される回線電圧値が1ボルト以上であるから、ステップS106の判断が否定される。モデム部15が電話回線網22に接続され、今回取得値VOL1が45ボルト以上である状態が続いている間は、ステップS109,S111の判断も否定される。ステップS111の判断の否定後、今回取得値VOL1が1ボルト以上であると判断されるので(S113:NO)、電圧低下カウンタのカウント値COUNTが0であり(S118)、接続状態フラグの状態が0のまま、回線電圧値の取得が繰り返される。
2回連続して取得される回線電圧値がともに45ボルト未満であり、その2つの回線電圧値である今回取得値VOL1及び前回取得値VOL2の大小関係が「今回取得値VOL1<前回取得値VOL2」になると、ステップS111の判断が肯定され、電圧低下カウンタのカウント値COUNTが1にされる(S112)。次に回線電圧値が取得され、その回線電圧値、つまり今回取得値VOL1が1ボルト以上45ボルト未満であり、今回取得値VOL1が前回取得値VOL2よりも低下している場合、ステップS111の判断が肯定され、電圧低下カウンタのカウント値COUNTがさらにインクリメントされる。回線電圧値が緩やかに低下している場合、今回取得値VOL1が1ボルト未満に低下するまで、ステップS111の判断が肯定されて、電圧低下カウンタのカウント値COUNTのインクリメントが繰り返される。今回取得値VOL1が1ボルト未満に低下したときには、電圧低下カウンタのカウント値COUNTが3以上になっていれば、接続状態フラグに3がセットされる(S117)。そして、接続状態フラグに3がセットされた状態で、回線電圧取得処理が終了される。
なお、モジュラジャック21からモジュラケーブル23が引き抜かれた場合であっても、前回取得値VOL2が45ボルト以上の状態から、今回取得値VOL1が1ボルト以上の電圧値に低下し、その次に取得される回線電圧値が1ボルト未満に低下している場合等、回線電圧値が取得される周期によっては、前回取得値VOL2が45ボルト以上の状態から、今回取得値VOL1が1ボルト未満に低下しない場合も想定される。そこで、回線電圧値が45ボルト以上である状態から、回線電圧値が3回取得されるまでに、回線電圧値が1ボルト未満に低下した場合には、電圧低下カウンタのカウント値COUNTが2以下であるから、接続状態フラグに2がセットされる(S116)。そして、接続状態フラグに2がセットされた状態で、回線電圧取得処理が終了される。
以上の内容を纏めると、待機状態の開始時からモジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されていない状態が続く場合、接続状態フラグに1がセットされ、接続状態フラグに1がセットされた状態で、回線電圧取得処理が終了される。待機状態の開始時には、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されていたが、待機状態又はスリープ状態中に、モジュラジャック21からモジュラケーブル23が引き抜かれた場合、接続状態フラグに2がセットされ、接続状態フラグに2がセットされた状態で、回線電圧取得処理が終了される。待機状態の開始時から、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されているが、待機状態又はスリープ状態中に、電話回線網22に接続される交換機の異常や故障等が生じたために、回線電圧値が緩やかに1ボルト未満まで低下した場合、接続状態フラグに3がセットされ、接続状態フラグに3がセットされた状態で、回線電圧取得処理が終了される。
*時間設定処理
図3に示されるように、CPU44は、回線電圧取得処理に対する終了の指示後、時間設定処理を実行する(S9)。
時間設定処理では、図9に示されるように、CPU44は、接続状態フラグの状態が1であるか否かを判断する(S91)。
接続状態フラグの状態が1である場合(S91:YES)、CPU44は、所定時間T3を第1時間よりも短く、第2時間よりも長い第3時間(例えば、1時間)に設定し(S92)、時間設定処理を終了する。
接続状態フラグの状態が1でない場合(S91:NO)、CPU44は、接続状態フラグの状態が2であるか否かを判断する(S93)。
接続状態フラグの状態が2である場合(S93:YES)、CPU44は、所定時間T3を第1時間(例えば、5時間)に設定し(S94)、時間設定処理を終了する。
接続状態フラグの状態が1でも2でもない場合(S93:NO)、つまり接続状態フラグの状態が3である場合、CPU44は、所定時間T3を第1時間よりも短い第2時間(例えば、30分)に設定し(S95)、時間設定処理を終了する。
*オフモード処理
図3に示されるように、CPU44は、時間設定処理の終了後、所定時間T3の計測を開始する(S10)。
そして、CPU44は、その計測開始から所定時間T3が経過したか否かを判断する(S11)。
所定時間T3が経過していない場合(S11:NO)、操作部14の電源キーが押操作(オン)されたか否かを判断する(S12)。
電源キーがオンされない場合(S12:NO)、CPU44は、所定時間T3の計測を続け、その計測開始から所定時間T3が経過したか否かを判断する(S11)。
電源キーがオンされることなく(S12:NO)、所定時間T3が経過すると(S11:YES)、CPU44は、モデム部15をオンにする(S13)。これにより、MFP1の電力消費状態は、オフモード状態から一時復帰モード状態に移行する。
一時復帰モード状態において、CPU44は、モデム部15の電圧検出回路33により検出される電圧値を取得する(S14)。
電圧値の取得後、CPU44は、その電圧値から回線電圧の有無を判断する(S15)。具体的には、CPU44は、電圧検出回路33により検出される電圧値が0でない場合、回線電圧有りと判断する(S15:YES)。言い換えれば、CPU44は、電圧検出回路33により回線電圧が検出されている場合、回線電圧有りと判断する。一方、CPU44は、電圧検出回路33により検出される電圧値が0である場合、回線電圧無しと判断する(S15:NO)。
CPU44は、回線電圧無しと判断した場合(S15:NO)、モデム部15をオフにする(S16)。これにより、MFP1の電力消費状態は、一時復帰モード状態からオフモード状態に戻る。
オフモード状態に戻ると、CPU44は、所定時間T3の計測を新たに開始する(S10)。
一方、CPU44は、回線電圧有りと判断した場合(S15:YES)、状態遷移処理を終了し、状態遷移処理を新たに開始する。状態遷移処理が新たに開始されることにより、MFP1の電力消費状態は、一時復帰モード状態から待機状態に移行する。
<作用効果>
以上のように、回線電圧取得処理において、モデム部15の電圧検出回路33によって、回線電圧値が取得される。モデム部15がオンにされてから所定時間経過時、電圧検出回路33によって検出される電圧(回線電圧値)がゼロである場合、モデム部15がオフにされる。たとえば、モデム部15がオンされてから、画像形成若しくは画像読取の実行命令又は画像形成に係るデータの受信がなく、所定時間T1が経過し、その後も画像形成若しくは画像読取の実行命令又は画像形成に係るデータの受信がなく、さらに所定時間が経過し、その時点で電圧検出回路33によって検出される電圧がゼロである場合、モデム部15がオフにされる。この場合、モデム部15がオンにされてからの所定時間経過時は、モデム部15がオンにされてからの時間T1+T2の経過時となる。
モジュラジャック21からモジュラケーブル23が接続されておらず、モデム部15に電話回線網22が接続されていない場合、電話回線網22に接続される交換機の異常や故障が生じた場合は、モデム部15自体を使用することができない。したがって、省電力のために、モデム部15がオフにされる(モデム部15への電力供給が停止される)。
モデム部15がオフにされているオフモード状態では、モデム部15が電話回線網22に接続されているか否かを確認するために、オフモード状態の開始から所定時間T3が経過する毎、つまりモデム部15がオフにされてから所定時間T3が経過する毎に、モデム部15をオンにして、電力消費状態をオフモード状態から一時復帰モード状態に移行する必要がある。
ユーザによってモジュラジャック21からモジュラケーブル23が引き抜かれて、回線電圧値がゼロ(1ボルト未満)に至った場合、RAM43に設けられている接続状態フラグに2がセットされる。この場合、所定時間T3が第1時間(例えば、5時間)に設定される。そして、オフモード状態では、所定時間T3である第1時間が経過する毎に、モデム部15がオンにされて、オフモード状態から一時復帰モード状態に移行される。
一方、電話回線網22に接続される交換機の異常や故障等が生じたために、回線電圧値がゼロに至った場合、接続状態フラグに3がセットされる。この場合、所定時間T3が第1時間よりも短い第2時間(例えば、30分)に設定される。そして、オフモード状態では、第1時間よりも短い第2時間が経過する毎に、モデム部15がオンにされて、オフモード状態から一時復帰モード状態に移行される。
ユーザによってモジュラジャック21からモジュラケーブル23が引き抜かれることにより、回線電圧値がゼロに至った場合、ユーザ自身がモジュラジャック21からモジュラケーブル23を引き抜いたことを理解しているため、所定時間T3が第1時間に設定される。一方、交換機等の異常や故障により、回線電圧値がゼロに至った場合、ユーザは、交換機等の異常や故障が起こったのかどうかわからず、また、いつ交換機等が復帰したかも分からないため、所定時間T3が第1時間より短い時間である第2時間に設定される。これにより、電話回線網22に接続される交換機の異常や故障等が解消した場合に、モデム部15を早期にオンにすることができる。
よって、モデム部15への電力供給が停止された状態からの復帰を適切なタイミングで行うことができる。
また、待機状態の開始時からモジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されていない状態が続く場合、接続状態フラグに1がセットされる。この場合、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されて、モデム部15に電話回線網22が接続される可能性があるため、所定時間T3が第1時間よりも短く、第2時間よりも長い第3時間(例えば、1時間)に設定される。そして、オフモード状態では、第3時間が経過する毎に、モデム部15がオンにされて、オフモード状態から一時復帰モード状態に移行される。これにより、モデム部15に頻繁に電力が供給されることによる無駄を抑制することができ、消費電力の低減を図ることができる。
<回線電圧取得処理の他の例>
図7に示される回線電圧取得処理に代えて、図10に示される回線電圧取得処理が実行されてもよい。
図10に示される回線電圧取得処理では、CPU44は、RAM43に設けられている接続状態フラグ(FLAG)の状態を0にリセットする(S201)。
CPU44は、モデム部15の電圧検出回路33により検出される回線電圧値を取得する(S202)。
回線電圧値の取得後、CPU44は、その取得した回線電圧値を初期電圧値CVOLとしてRAM43に記憶させる(S203)。
そして、CPU44は、初期電圧値CVOLが1ボルト(V)未満であるか否かを判断する(S204)。
初期電圧値CVOLが1ボルト未満である場合(S204:YES)、CPU44は、RAM43に設けられている接続状態フラグに1をセットする(S205)。
接続状態フラグに1をセットした後、CPU44は、状態遷移処理により回線電圧取得処理の終了が指示されたか否かを判断する(S206)。電圧検出回路33により検出される回線電圧値がゼロに低下すると、図3に示される状態遷移処理のステップS5において、回線電圧値がゼロであると判断され、ステップS8で回線電圧取得処理に対して終了が指示される。したがって、CPU44は、接続状態フラグに1をセットした後、回線電圧取得処理の終了が指示されたと判断し、回線電圧取得処理を終了する。
初期電圧値CVOLが1ボルト以上である場合(S204:NO)、接続状態フラグが0のまま、状態遷移処理により回線電圧取得処理の終了が指示されたか否かを判断する(S206)。
回線電圧取得処理の終了が指示されていない場合(S206:NO)、CPU44は、電圧検出回路33により検出される回線電圧値Vを新たに取得する(S207)。回線電圧値Vの取得は、状態遷移処理により回線電圧取得処理の終了が指示されるまで、コンデンサ37の最大蓄積量の電荷を放電完了するまでに要する放電所定時間毎に繰り返される。
新たな回線電圧値Vの取得後、CPU44は、その取得した回線電圧値VをRAM43に記憶させる。RAM43には、最大10個の回線電圧値が過去取得値V1〜10として記憶される。CPU44は、新たに回線電圧値Vを取得すると、RAM43に記憶されている過去取得値V1を消去して、過去取得値V2〜10をそれぞれ過去取得値V1〜9としてRAM43に記憶させる(シフトされる)。そして、CPU44は、新たに取得した回線電圧値Vを過去取得値V10としてRAM43に記憶させる(S208)。
そして、CPU44は、新たに取得した回線電圧値Vが45ボルト以上であるか否かを判断する(S209)。
新たに取得した回線電圧値Vが45ボルト以上である場合(S209:YES)、CPU44は、接続状態フラグの状態を0にリセットして(S210)、状態遷移処理により回線電圧取得処理の終了が指示されたか否かを判断し(S206)、終了が指示されていない場合(S206:NO)、回線電圧値Vを新たに取得する(S207)。
新たに取得した回線電圧値Vが45ボルト未満である場合(S206:NO)、CPU44は、その回線電圧値Vが1ボルト未満であるか否かを判断する(S211)。
新たに取得した回線電圧値Vが1ボルト未満でない場合(S211:NO)、CPU44は、状態遷移処理により回線電圧取得処理の終了が指示されたか否かを判断し(S206)、終了が指示されていない場合(S206:NO)、回線電圧値Vを新たに取得する(S207)。
新たに取得した回線電圧値Vが1ボルト未満である場合(S211:YES)、CPU44は、接続状態フラグが0にリセットされた状態であるか否かを判断する(S212)。また、新たに取得した回線電圧値Vが1V未満である場合、図3に示される状態遷移処理のステップS5において、回線電圧値がゼロであると判断され、ステップS8で回線電圧取得処理に対して終了が指示される。
接続状態フラグが0にリセットされた状態でない場合(S212:NO)、CPU44は、状態遷移処理により回線電圧取得処理の終了が指示されたか否かを判断し(S206)、終了が指示されていない場合(S206:NO)、回線電圧値Vを新たに取得する(S207)。
一方、接続状態フラグが0にリセットされた状態のままである場合(S212:YES)、CPU44は、過去取得値V1〜10を参照して、回線電圧値の時間変化のパターンが図8(b)に示されるパターンBであるか否かを判断する(S213)。具体的には、CPU44は、過去取得値V1〜10を参照し、正常な回線電圧値(約48ボルト)に応じて設定された閾値(例えば、45ボルト)以上の回線電圧値が最後に取得された時点から、1ボルト未満の回線電圧値が最初に取得された時点までに要した電圧低下時間を求める。そして、CPU44は、その電圧低下時間が所定の基準時間以下であるか否かを判断し、電圧低下時間が基準時間以下であれば、回線電圧値の時間変化のパターンが瞬時の電圧低下を示すパターンBであると判断する。一方、電圧低下時間が基準時間よりも長ければ、CPU44は、回線電圧値の時間変化のパターンが緩やかな電圧低下を示すパターンCであると判断する。基準時間は、放電所定時間と略同一であって、放電所定時間よりも長い時間に設定される。基準時間は、たとえば、放電所定時間に放電所定時間の10〜40%に相当する時間を加えた時間に設定される。
そして、CPU44は、回線電圧値の時間変化のパターンが瞬時の電圧低下を示すパターンBであると判断した場合(S213:YES)、接続状態フラグに2をセットする(S214)。そして、回線電圧取得処理の終了が指示されているので、CPU44は、回線電圧取得処理を終了する(S206:YES)。したがって、この場合、接続状態フラグに2がセットされた状態で、回線電圧取得処理が終了されることになる。
CPU44は、回線電圧値の時間変化のパターンが緩やかな電圧低下を示すパターンCであると判断した場合(S213:NO)、接続状態フラグに3をセットする(S215)。そして、回線電圧取得処理の終了が指示されているので、CPU44は、回線電圧取得処理を終了する(S206:YES)。したがって、この場合、接続状態フラグに3がセットされた状態で、回線電圧取得処理が終了されることになる。
図10に示される回線電圧取得処理によっても、図7に示される回線電圧取得処理と同様の結果を得ることができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
前述の実施形態では、CPU44が各処理を実行する場合について説明した。しかしながら、ASIC41が複数のCPUを備え、複数のCPUが協働して各処理を実行してもよい。
また、画像処理装置の一例として、MFP1を取り上げたが、画像形成処理は、ファクシミリ機能を有する装置であれば、例えば、ファクシミリ機能を有する単機能のファクシミリ装置であってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。