以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<MFPの構成>
MFP1(画像処理装置の一例)は、図1に示されるように、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を有する複合機である。具体的には、MFP1は、各種機能を実現するために、画像形成部11(画像処理部の一例)、画像読取部12(画像処理部の一例)、表示部13、操作部14、モデム部15、ネットワーク通信部16及び低圧電源17(電源部の一例)を備えている。
画像形成部11は、画像形成ジョブについての画像形成を実行し、画像形成ジョブに係る画像をシートに形成する。画像形成の方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよい。
画像読取部12は、イメージセンサ及びAFE(Analog Front End)などを備えている。画像読取部12では、イメージセンサにより原稿の画像が読み取られて、イメージセンサからアナログ画像信号が出力され、AFEによりそのアナログ画像信号がデジタル画像データに変換される。
表示部13は、例えば、液晶表示器からなる。
操作部14は、各種の指示を入力するために操作される操作ボタン(例えば、電源キー、スタートキー、OKキー、テンキー、カーソルキー)などを備えている。
モデム部15は、モジュラジャック21(回線接続端子の一例)を介して、電話回線網22に接続される。モジュラジャック21は、モジュラケーブル23の一端が接続される端子であり、第1接点24(端子の一例)及び第2接点25(端子の一例)を有している。モジュラケーブル23の一端がモジュラジャック21に接続されると、モジュラケーブル23の2つの局線のうちの一方が第1接点24に接続され、他方が第2接点25に接続される。モジュラケーブル23の他端は、電話回線網22に接続されている。
モデム部15は、DAA(Direct Access Arrangement)31及びモデム32を内蔵している。DAA31は、電圧検出回路33を備えている。電圧検出回路33は、一対の第1接続線35及び第2接続線36を介して、モジュラジャック21の第1接点24及び第2接点25に接続されている。電話回線網22を構成する電話回線には、48V程度の直流電圧が印加されている。電圧検出回路33は、電話回線から第1接続線35及び第2接続線36に入力される回線電圧(直流電圧)を検出する。DAA31は、電話回線網22への回線信号の送出及び電話回線網22からの受信などを制御する回線信号送受信回路34を更に備えている。モデム32は、デジタル信号を電話回線網22に送出するアナログ信号に変調し、電話回線網22から受信されるアナログ信号をデジタル信号に復調する機能を有している。
ネットワーク通信部16は、PC(Personal Computer)などの外部端末2とのLAN(Local Area Network)を経由したネットワーク通信のための回路などを備えている。
低圧電源17は、画像形成部11、画像読取部12、表示部13、操作部14、モデム部15及びネットワーク通信部16などの各部に供給される動作電圧を発生させる電源である。低圧電源17は、動作状態で、商用交流電源から電圧(例えば、100V)の供給を受け、その電圧を動作電圧用の所定電圧(例えば、24V)に変換する。なお、表示部13、操作部14及びネットワーク通信部16の動作電力は、低圧電源17から直接供給されてもよいし、後述のASIC41を経由して供給されてもよい。
低圧電源17の動作/停止は、操作部14に設けられている電源キー(電源ボタン)の押操作により交互に切り替わる。すなわち、低圧電源17が停止状態で電源キーが押操作されると、低圧電源17が動作状態になり、低圧電源17が動作状態で電源キーが押操作されると、低圧電源17が停止状態になる。
以下では、低圧電源17の動作状態を「電源オンの状態」といい、低圧電源17の停止状態を「電源オフの状態」という。
MFP1は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)41、ROM42及びRAM43を備えている。
ASIC41(制御部の一例)は、CPU44を内蔵している。ASIC41には、画像形成部11、画像読取部12、表示部13、操作部14、モデム部15、ネットワーク通信部16及び低圧電源17が電気的に接続されている。ASIC41の動作電圧は、低圧電源17から供給される。CPU44は、ROM42に記憶されているプログラムを実行し、操作部14やモデム部15などからASIC41に入力される信号などに基づいて、画像形成部11、画像読取部12、表示部13、モデム部15及びネットワーク通信部16を制御する。CPU44による制御(プログラム)の実行時、RAM43は、CPU44によって、ワークエリアとして使用される。RAM43には、NVRAM(Non Volatile RAM)などの不揮発性メモリが含まれていてもよい。
<状態遷移>
MFP1では、図2に示されるように、モデム部15への電話回線網22の接続の有無、画像形成部11に対する画像形成の実行命令の有無、画像読取部12に対する画像読取の実行命令の有無、操作部14の操作の有無等に応じて、電力消費状態が遷移する。
電源オフの状態から電源キーが押操作(オン)されると、MFP1の電力消費状態が待機状態となる。待機状態では、低圧電源17から画像形成部11、画像読取部12、表示部13、操作部14、モデム部15及びネットワーク通信部16に動作電力が供給される。待機状態は、操作部14のキー操作による画像形成又は画像読取の実行命令待ち、モデム部15又はネットワーク通信部16による画像形成に係るデータの受信待ちの状態である。画像形成部11に動作電力が供給されているので、画像形成の実行命令又は画像形成に係るデータの受信があると、待機状態から画像形成部11による画像形成の実行状態に直ちに移行する。また、画像読取部12に動作電力が供給されているので、画像読取部12による画像読取の実行命令があると、待機状態から画像読取部12による画像読取の実行状態に直ちに移行する。画像形成又は画像読取の実行終了後は、電力消費状態が待機状態となる。
なお、以下では、低圧電源17から画像形成部11、画像読取部12、表示部13、操作部14、モデム部15及びネットワーク通信部16等の各部への動作電力の供給及び動作電力が供給されている状態を「オン」と表現し、各部への動作電力の供給の停止及び動作電力の供給が停止されている状態を「オフ」と表現する。
待機状態において、画像形成若しくは画像読取の実行命令又は画像形成に係るデータの受信がなく、所定時間T1が経過すると、電力消費状態が待機状態からスリープ状態に移行する。スリープ状態では、画像形成部11、画像読取部12、表示部13及びモデム部15の電圧検出回路33がオフにされ、操作部14、モデム部15の回線信号送受信回路34及びネットワーク通信部16がオンにされる。したがって、スリープ状態は、待機状態よりも消費電力が低い。スリープ状態において、画像形成若しくは画像読取の実行命令又は画像形成に係るデータの受信があると、電力消費状態がスリープ状態から待機状態に戻り、画像形成部11、画像読取部12及び表示部13がオンされる。そして、待機状態から画像形成又は画像読取の実行状態に移行する。
スリープ状態において、画像形成若しくは画像読取の実行命令又は画像形成に係るデータの受信がなく、所定時間T2が経過し、その時点でモデム部15が電話回線網22(電話回線)と接続されていない場合、電力消費状態がスリープ状態からオフモード状態に移行する。オフモード状態では、画像形成部11、画像読取部12、表示部13、モデム部15及びネットワーク通信部16がオフにされ、操作部14がオンにされる。したがって、オフモード状態は、スリープ状態よりも消費電力が更に低く、消費電力が最も低い状態である。
オフモード状態で所定時間T3が経過すると、電力消費状態がオフモード状態から一時復帰モード状態に移行する。一時復帰モード状態では、モデム部15の電圧検出回路33がオンされる。そして、電圧検出回路33により検出される電圧値が0である場合、つまりモデム部15が電話回線網22に接続されていない場合は、電圧検出回路33がオフされて、電力消費状態が一時復帰モード状態からオフモードに戻る。一方、電圧検出回路33により検出される電圧値が0でない場合、つまりモデム部15が電話回線網22に接続されている場合は、電力消費状態が一時復帰モード状態から待機状態に移行する。
オフモード状態において、電源キーが押操作(オン)されると、電力消費状態がオフモード状態から待機状態に移行する。
電力消費状態を遷移させるため、CPU44により、次に説明する状態遷移処理が実行される。
<状態遷移処理>
状態遷移処理では、CPU44は、通常処理を実行する(S1)。
*通常処理
通常処理では、図4に示されるように、CPU44は、RAM43に設定されているフラグ(FLAG)1及びフラグ(FLAG)2の各状態を0にリセットする(S101)。
CPU44は、表示部13及び操作部14をオンにし(S102)、画像形成部11及び画像読取部12をオンにし(S103)、ネットワーク通信部16をオンにする(S104)。また、CPU44は、モデム部15の全体、具体的には、電圧検出回路33及び回線信号送受信回路34をオンにする(S105)。これにより、MFP1の電力消費状態は、画像形成部11、画像読取部12、表示部13、操作部14、モデム部15及びネットワーク通信部16の全てがオンにされた待機状態となる。
その後、CPU44は、モデム部15の電圧検出回路33により検出される電圧値を取得する(S106)。
電圧値の取得後、その電圧値から回線電圧の有無を判断する(S107)。具体的には、CPU44は、電圧検出回路33により検出される電圧値が0でない場合、回線電圧有りと判断する(S107:YES)。言い換えれば、CPU44は、電圧検出回路33により回線電圧が検出されている場合、回線電圧有りと判断する。一方、CPU44は、電圧検出回路33により検出される電圧値が0である場合、回線電圧無しと判断する(S107:NO)。
CPU44は、回線電圧有りと判断した場合(S107:YES)、フラグ1の状態を1にする(S108)。
CPU44は、回線電圧無しと判断した場合(S107:NO)、フラグ1の状態を0のままにする(S109)。
そして、CPU44は、所定時間T1の計測を開始する(S110)。
所定時間T1の計測中、CPU44は、操作部14のキー操作による画像形成又は画像読取の実行命令、及び、モデム部15又はネットワーク通信部16による画像形成に係る信号(データ)の受信の有無を判断する(S111)。なお、以下では、操作部14のキー操作による画像形成又は画像読取の実行命令を、単に「処理命令」といい、モデム部15又はネットワーク通信部16による画像形成に係るデータの受信を、単に「データ受信」という。
所定時間T1の計測中に処理命令が入力又は受信された場合には(S111:YES)、CPU44は、所定時間T1の計測を終了し、処理命令に応じて、画像形成部11又は画像読取部12を制御して、画像形成又は画像読取を実行する(S112)。なお、操作部14のキー操作によりコピーの実行が指示された場合には、画像読取部12による画像読取の実行に続き、画像形成部11による画像形成が実行される。画像形成又は画像読取の実行後、CPU44は、所定時間T1の計測を新たに開始する(S110)。
所定時間T1の計測中に処理命令が入力又は受信されずに(S111:NO)、第1待機状態の開始時又は処理命令の入力若しくは受信時から所定時間T1が経過すると(S113:YES)、CPU44は、通常処理を終了する。
*第1の条件分岐処理
図3に示されるように、通常処理の終了後、CPU44は、第1の条件分岐処理を実行する(S2)。
第1の条件分岐処理では、図5に示されるように、CPU44は、モデム部15の電圧検出回路33により検出される電圧値を取得する(S201)。
電圧値の取得後、CPU44は、その電圧値から回線電圧の有無を判断する(S202)。回線電圧の有無の判断については、前述したとおりである。
CPU44は、回線電圧有りと判断した場合(S202:YES)、フラグ2の状態を1にする(S203)。
CPU44は、回線電圧無しと判断した場合(S202:NO)、フラグ2の状態を0のままにする(S204)。
そして、CPU44は、フラグ1の状態が1であるか否かを判断する(S205)。
フラグ1の状態が1である場合(S205:YES)、CPU44は、フラグ2の状態が1であるか否かを判断する(S206)。
フラグ1及びフラグ2の両方の状態が1である場合は(S206:YES)、待機状態で、電圧検出回路33により回線電圧が検出され、かつ、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点で、電圧検出回路33により回線電圧が検出された場合である。この場合、現在もなお、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続され、モデム部15が電話回線網22に接続されている可能性が高い。そのため、CPU44は、所定時間T2を第1時間(例えば、1時間)に設定する(S207)。
フラグ1の状態が1であり、フラグ2の状態が1でない場合は(S206:NO)、待機状態では、電圧検出回路33により回線電圧が検出されたが、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点では、電圧検出回路33により回線電圧が検出されなかった場合である。この場合、待機状態中に、モジュラジャック21からモジュラケーブル23が抜かれ、モデム部15が電話回線網22に接続されていない可能性があるが、一度は回線電圧が検出されているので(モデム部15が電話回線網22に接続されているので)、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点で、偶発的に回線電圧が検出されなかった可能性もある。そのため、CPU44は、所定時間T2を第1時間よりも短い第2時間(例えば、30分)に設定する(S208)
フラグ1の状態が0である場合にも(S205:NO)、CPU44は、フラグ2の状態が1であるか否かを判断する(S209)。
フラグ1の状態が0であり、フラグ2の状態が1である場合は(S209:YES)、待機状態では、電圧検出回路33により回線電圧が検出されなかったが、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点では、電圧検出回路33により回線電圧が検出された場合である。この場合、待機状態中に、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されて、モデム部15が電話回線網22に接続され、現在もなお、モデム部15が電話回線網22に接続されている可能性が高い。そのため、CPU44は、MFP1の電力消費状態をスリープ状態からオフモード状態に移行させる判断に用いられる所定時間T2を第1時間(例えば、1時間)に設定する(S210)。
所定時間T2の設定後、CPU44は、MFP1の電力消費状態を待機状態からスリープ状態に移行させることを決定し(S211)、第1の条件分岐処理を終了する。
一方、フラグ1及びフラグ2の両方の状態が0である場合は(S209:NO)、待機状態において、電圧検出回路33により回線電圧が検出されず、かつ、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点においても、電圧検出回路33により回線電圧が検出されなかった場合である。この場合、現在もなお、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されておらず、モデム部15が電話回線網22に接続されていない可能性が高い。そのため、CPU44は、MFP1の電力消費状態を待機状態からオフモード状態に移行させることを決定し(S212)、第1の条件分岐処理を終了する。
*スリープ移行処理
図3に示されるように、第1の条件分岐処理の終了後、CPU44は、第1の条件分岐処理でスリープ状態への移行を決定した場合には(S3:YES)、スリープ移行処理を実行する(S4)。一方、CPU44は、第1の条件分岐処理でオフモード状態への移行を決定した場合には(S3:NO)、オフモード処理を実行する(S13)。オフモード処理については、後述する。
スリープ移行処理では、図6に示されるように、CPU44は、表示部13をオフにし(S41)、画像形成部11及び画像読取部12をオフにする(S42)。また、モデム部15の電圧検出回路33がオフにされる(S43)。これにより、MFP1の電力消費状態は、画像形成部11、画像読取部12、表示部13及びモデム部15の電圧検出回路33がオフにされ、操作部14、モデム部15の回線信号送受信回路34及びネットワーク通信部16がオンにされたスリープ状態となる。
*オフモード状態移行判断
図3に示されるように、スリープ移行処理の終了後、CPU44は、スリープ状態の開始とともに、CPU44は、所定時間T2の計測を開始する(S5)。
そして、CPU44は、処理命令及びデータ受信の有無を判断する(S6)。
処理命令及びデータ受信がない場合(S6:NO)、CPU44は、所定時間T2の計測を続け、スリープ状態の開始から所定時間T2が経過したか否かを判断する(S7)。
スリープ状態の開始から所定時間T2が経過する前に、処理命令又はデータ受信があった場合(S6:YES)、CPU44は、通常処理を実行する(S1)。そのため、MFP1の電力消費状態は、スリープ状態から待機状態に移行する。そして、通常処理において、CPU44は、処理命令又はデータ受信があったと判断し(図4のS111:YES)、その処理命令又はデータ受信に応じた画像形成又は画像読取を実行させる(S112)。
処理命令及びデータ受信がなく(S6:NO)、第1スリープ状態の開始から所定時間T2が経過すると(S7:YES)、CPU44は、モデム部15の電圧検出回路33をオンにする(S8)。
そして、CPU44は、電圧検出回路33により検出される電圧値を取得する(S9)。
電圧値の取得後、CPU44は、その電圧値から回線電圧の有無を判断する(S10)。回線電圧の有無の判断については、前述したとおりである。
CPU44は、回線電圧有りと判断した場合(S10:YES)、電圧検出回路33をオフにする(S11)。
回線電圧有りの場合、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されており、モデム部15が電話回線網22に接続されている可能性が高い。そのため、CPU44は、所定時間T2を第1時間(例えば、1時間)に設定する(S12)。そして、CPU44は、スリープ移行処理を実行することにより、MFP1の電力消費状態をスリープ状態に維持する。
一方、回線電圧無しの場合、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されておらず、モデム部15が電話回線網22に接続されていない可能性が高い。CPU44は、回線電圧無しと判断した場合(S10:NO)、オフモード処理を実行し(S13)、状態遷移処理を終了する。
*オフモード処理
オフモード処理では、図7に示されるように、CPU44は、ネットワーク通信部16をオフにする(S131)。また、CPU44は、モデム部15の回線信号送受信回路34をオフにする(S132)。回線信号送受信回路34のオフにより、モデム部15の全体がオフになる。その結果、MFP1の電力消費状態は、画像形成部11、画像読取部12、表示部13、モデム部15及びネットワーク通信部16がオフにされ、操作部14がオンにされたオフモード状態となる。
オフモード状態の開始とともに、CPU44は、所定時間T3の計測を開始する(S133)。
そして、CPU44は、操作部14の電源キーが押操作(オン)されたか否かを判断する(S134)。
電源キーがオンされない場合(S134:NO)、CPU44は、所定時間T3の計測を続け、その計測開始から所定時間T3が経過したか否かを判断する(S135)。
電源キーがオンされることなく(S134:NO)、所定時間T3が経過すると(S135:YES)、CPU44は、モデム部15の電圧検出回路33をオンにする(S136)。これにより、MFP1の電力消費状態は、オフモード状態から一時復帰モード状態に移行する。
一時復帰モード状態において、CPU44は、モデム部15の電圧検出回路33により検出される電圧値を取得する(S137)。
電圧値の取得後、CPU44は、その電圧値から回線電圧の有無を判断する(S138)。回線電圧の有無の判断については、前述したとおりである。
CPU44は、回線電圧無しと判断した場合(S138:NO)、電圧検出回路33をオフにする(S139)。これにより、MFP1の電力消費状態は、一時復帰モード状態からオフモード状態に戻る。
オフモード状態に戻ると、CPU44は、所定時間T3の計測を新たに開始する(S133)。
一方、CPU44は、回線電圧有りと判断した場合(S138:YES)、オフモード処理を終了し、図3に示される状態遷移処理を新たに開始する。図3に示される状態遷移処理が新たに開始されることにより、MFP1の電力消費状態は、一時復帰モード状態から待機状態に移行する。
また、オフモード状態において、操作部14の電源キーがオンされた場合にも(S134:YES)、CPU44は、オフモード処理を終了し、図3に示される状態遷移処理を新たに開始する。図3に示される状態遷移処理が新たに開始されることにより、MFP1の電力消費状態は、オフモード状態から待機状態に移行する。
<作用効果>
以上のように、待機状態中、及び、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時に、それぞれ、電圧検出回路33により検出される電圧値が取得される。この電圧値が0でない場合、電圧検出回路33により回線電圧が検出されており、電圧値が0であれば、電圧検出回路33により回線電圧が検出されていないことになる。
待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時に回線電圧が検出され、これによりフラグ2の状態が1である場合は、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されており、モデム部15が電話回線網22に接続されている可能性が高い。そのため、電圧検出回路33により検出される電圧値を頻繁に取得する必要がない。したがって、所定時間T2が第1時間に設定され、スリープ状態において、第1時間毎に電圧検出回路33をオンにすることにより、電圧検出回路33が無駄に駆動されることを抑制できる。その結果、電圧検出回路33が無駄に駆動されないことによる省エネ(省電力)を図ることができる。
待機状態中に電圧が検出されることにより、フラグ1の状態が1であり、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時に回線電圧が検出されなかったことにより、フラグ2の状態が0である場合は、一度は回線電圧が検出されていることから、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点で、偶発的に回線電圧が検出されなかった可能性もある。そのため、所定時間T2が第1時間よりも短い第2時間に設定される。そして、スリープ状態の開始から第1時間より短い第2時間後に、電圧検出回路33をオンにして、それでも回線電圧が検出されなければ、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されておらず、モデム部15が電話回線網22に接続されていない可能性が高い。この場合、電力消費状態がスリープ状態からオフモード状態に移行される。これにより、省エネを図ることができる。
また、待機状態中に電圧検出回路33により回線電圧が検出されず、かつ、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点においても、電圧検出回路33により回線電圧が検出されなかったことにより、フラグ1及びフラグ2の両方の状態が0である場合は、モデム部15が電話回線網22に接続されていない可能性が高いので、電力消費状態が待機状態からオフモード状態に移行される。これにより、省エネを図ることができる。
スリープ状態の開始から所定時間T2が経過した時点で、電圧検出回路33により回線電圧が検出された場合、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されており、モデム部15が電話回線網22に接続されている可能性が高い。そのため、電圧検出回路33がオフにされて、MFP1の電力消費状態がスリープ状態に維持される。電圧検出回路33のオフにより、省エネを図ることができる。
また、その場合、所定時間T2が第2時間よりも長い第1時間に設定される(S12)。スリープ状態において、第1時間毎に電圧検出回路33をオンにすることにより、電圧検出回路33が無駄に駆動されることを抑制でき、省エネを図ることができる。
<第2実施形態>
図3に示される状態遷移処理に代えて、図8に示される状態遷移処理が実行されてもよい。なお、図8において、図3に示される各ステップに相当するステップには、それらのステップ番号が付されている。以下では、図8に示される状態遷移処理について、図3に示される状態遷移処理との相違を重点的に説明し、図3に示される状態遷移処理と重複する内容の説明を省略又は簡略化する。
図8に示される状態遷移処理では、CPU44は、通常処理を実行する(S1)。通常処理については、前述したとおりである。
通常処理の終了後、CPU44は、第2の条件分岐処理を実行する(S14)。
*第2の条件分岐処理
第2の条件分岐処理では、図9に示されるように、CPU44は、モデム部15の電圧検出回路33により検出される電圧値を取得する(S141)。
電圧値の取得後、CPU44は、その電圧値から回線電圧の有無を判断する(S142)。回線電圧の有無の判断については、前述したとおりである。
CPU44は、回線電圧有りと判断した場合(S142:YES)、フラグ2の状態を1にする(S143)。
CPU44は、回線電圧無しと判断した場合(S142:NO)、フラグ2の状態を0のままにする(S144)。
そして、CPU44は、フラグ1の状態が1であるか否かを判断する(S145)。
フラグ1の状態が1である場合(S145:YES)、CPU44は、フラグ2の状態が1であるか否かを判断する(S146)。
フラグ1及びフラグ2の両方の状態が1である場合は(S146:YES)、待機状態で、電圧検出回路33により回線電圧が検出され、かつ、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点で、電圧検出回路33により回線電圧が検出された場合である。この場合、現在もなお、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続され、モデム部15が電話回線網22に接続されている可能性が高い。そのため、CPU44は、所定時間T2を第1時間(例えば、1時間)に設定する(S147)。
フラグ1の状態が1であり、フラグ2の状態が1でない場合は(S146:NO)、待機状態では、電圧検出回路33により回線電圧が検出されたが、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点では、電圧検出回路33により回線電圧が検出されなかった場合である。この場合、待機状態中に、モジュラジャック21からモジュラケーブル23が抜かれ、モデム部15が電話回線網22に接続されていない可能性があるが、一度は回線電圧が検出されているので(モデム部15が電話回線網22に接続されているので)、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点で、偶発的に回線電圧が検出されなかった可能性もある。そのため、CPU44は、所定時間T2を第1時間よりも短い第2時間(例えば、30分)に設定する(S148)
フラグ1の状態が0である場合にも(S145:NO)、CPU44は、フラグ2の状態が1であるか否かを判断する(S149)。
フラグ1の状態が0であり、フラグ2の状態が1である場合は(S149:YES)、待機状態では、電圧検出回路33により回線電圧が検出されなかったが、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点では、電圧検出回路33により回線電圧が検出された場合である。この場合、待機状態中に、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されて、モデム部15が電話回線網22に接続され、現在もなお、モデム部15が電話回線網22に接続されている可能性が高い。そのため、CPU44は、MFP1の電力消費状態をスリープ状態からオフモード状態に移行させる判断に用いられる所定時間T2を第1時間(例えば、1時間)に設定する(S150)。
フラグ1及びフラグ2の両方の状態が0である場合は(S149:NO)、待機状態において、電圧検出回路33により回線電圧が検出されず、かつ、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点においても、電圧検出回路33により回線電圧が検出されなかった場合である。この場合、現在もなお、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されておらず、モデム部15が電話回線網22に接続されていない可能性が高いが、偶然、回線異常等により回線電圧が一時的に低下していた可能性もある。そのため、CPU44は、所定時間T2を第2時間よりも更に短い第3時間(例えば、5分)に設定する(S151)。
所定時間T2の設定後、CPU44は、第2の条件分岐処理を終了する。
図8に示されるように、第2の条件分岐処理の終了後、CPU44は、スリープ移行処理を実行する(S4)。図8に示される条件遷移処理では、図3に示される条件遷移処理と異なり、スリープ移行処理の開始前に、スリープ状態への移行が決定されたか否かの判断が行われない。スリープ移行処理については、前述したとおりである。
*オフモード状態移行判断
図3に示されるように、スリープ移行処理の終了後、CPU44は、スリープ状態の開始とともに、CPU44は、所定時間T2の計測を開始する(S5)。
そして、CPU44は、処理命令及びデータ受信の有無を判断する(S6)。
処理命令及びデータ受信がない場合(S6:NO)、CPU44は、所定時間T2の計測を続け、スリープ状態の開始から所定時間T2が経過したか否かを判断する(S7)。
スリープ状態の開始から所定時間T2が経過する前に、処理命令又はデータ受信があった場合(S6:YES)、CPU44は、通常処理を実行する(S1)。
処理命令及びデータ受信がなく(S6:NO)、第1スリープ状態の開始から所定時間T2が経過すると(S7:YES)、CPU44は、モデム部15の電圧検出回路33をオンにする(S8)。そして、CPU44は、電圧検出回路33により検出される電圧値を取得し(S9)、その電圧値から回線電圧の有無を判断する(S10)。
CPU44は、回線電圧有りと判断した場合(S10:YES)、電圧検出回路33をオフにする(S11)。
回線電圧有りの場合、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されており、モデム部15が電話回線網22に接続されている可能性が高い。そのため、CPU44は、所定時間T2を第1時間(例えば、1時間)に設定する(S12)。そして、CPU44は、スリープ移行処理を実行することにより、MFP1の電力消費状態をスリープ状態に維持する。
一方、回線電圧無しの場合、モジュラジャック21にモジュラケーブル23が接続されておらず、モデム部15が電話回線網22に接続されていない可能性が高い。CPU44は、回線電圧無しと判断した場合(S10:NO)、オフモード処理を実行し(S13)、状態遷移処理を終了する。
以上の処理により、待機状態において、電圧検出回路33により回線電圧が検出されず、かつ、待機状態の開始時又は処理命令若しくはデータ受信時から所定時間T1が経過した時点においても、電圧検出回路33により回線電圧が検出されなかった場合には、待機状態からスリープ状態に一旦移行し、スリープ状態の開始から所定時間T2である第3時間が経過した時点で、回線電圧の有無が判断される。そして、回線電圧が検出されないことにより、モデム部15が電話回線網22に接続されていないことが確認されたうえで、スリープ状態からオフモード状態に移行する。これにより、モデム部15が電話回線網22に接続されているにもかかわらず、MFP1の電力消費状態がオフモード状態とされることを抑制できる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
前述の実施形態では、CPU44が各処理を実行する場合について説明した。しかしながら、ASIC41が複数のCPUを備え、複数のCPUが協働して各処理を実行してもよい。
また、画像処理装置の一例として、MFP1を取り上げたが、画像形成処理は、ファクシミリ機能を有する装置であれば、例えば、ファクシミリ機能を有する単機能のファクシミリ装置であってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。