JP6568498B2 - フォトニック結晶光ファイバ - Google Patents

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Description

本発明は、コア部と前記コア部を包囲するクラッド部とを有し、前記コア部及び前記クラッド部が均一な光屈折率を有する媒質からなるとともに、前記クラッド部に長手方向に沿って均一な空孔が複数形成されたフォトニック結晶光ファイバ(PCF:Photonic Crystal Fiber)に関する。
現在、光ファイバネットワークにおけるトラフィックは増大しており、伝送速度の高速化や波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)技術による波長多重数の増加、多値変調など様々な手法を用いて伝送容量の拡大を図ってきた。しかし、将来的に既設の伝送路、従来の伝送方式を用いての伝送容量の拡大が困難になると予想されるため、波長領域の拡大、新たな伝送ファイバ、及び新たな伝送方式が検討されている。
波長領域を拡大する方法として、現在利用されていない波長帯を利用して、広波長域のWDMを実現し伝送容量を増大させる検討もなされている。しかし、伝送損失が波長帯により異なるため、使用できる波長帯は限定されると考えられ、さらに、広波長域にわたり増幅が可能な光増幅器も実現が困難なため、広波長域のWDMが実用に至るためには多くの課題がある。
新たな伝送ファイバに関しては、ファイバの非線形光学現象による波形歪を抑圧するために実効断面積(Aeff)が拡大できるファイバ構造が提案されている。ファイバ非線形の抑圧はファイバへ入力できる入力パワーの増加につながり、入力パワーの増加が可能になれば伝送速度の高速化、更なる多値化が可能になるなどの優位性が得られる。非特許文献1や非特許文献2に示されるように広波長域でのAeff拡大にはフォトニック結晶ファイバ(Photonic Crystal Fiber:PCF)が有効であることが示されている。
しかしながら、通常は均一材料(一般には純石英ガラス)から作製され、空孔で形成されるクラッド部とコア部の屈折率差によって光を閉じ込めるため、GeO2をドープした石英ガラスコアを持つ空孔アシスト光ファイバ(HAF)などと比べると、圧倒的に多くの空孔数を必要としていた。
典型的にはHAFの空孔構造が1層構造でその数が4〜10個程度なのに対し、PCFでは、非特許文献3に示されているように、少ない場合でも36個程度の空孔が必要になる。
一般にPCFなどの空孔構造型の光ファイバの母材は、主に、(i)ドリルによる穴開け法、(ii)キャピラリ法の2つの方法により作製される。
(i)の穴開け法では、非特許文献3に示されているように空孔の内表面に破砕層と呼ばれる不純物を含む凹凸が生じ、光損失増加の原因となる。これを除去するために、空孔内面の研磨やエッチングといった追加処理が必要となる。また、穴開け中に母材自体が破損する可能性も皆無ではない。従って、空孔数を減らせば減らすほど、それに応じて、製造性(加工精度の歩留り)、作製されるファイバの特性が向上し、作製に要する時間も短縮できる。
(ii)のキャピラリ法においては、内部を円柱状にくり抜いたジャケットガラス管の中に、PCFの空孔数に等しい数の中空の細径のガラス管(キャピラリ)を束ねて、最密構造に充填することで空孔を含んだ母材の作製を行うので。また一般に、ガラス管の形状は円柱状のものを用いるため、最密構造に充填した場合も若干の本来は不要な隙間が生じてしまう、この隙間も空孔数が多いほど増大し、紡糸時の空孔位置のずれや変形の原因となる。従って、キャピラリ法でも、空孔数を減らせば減らすほど、キャピラリ材料の数を減らし、経済的、かつ加工精度の歩留り良くPCFを作製することができる。つまり、PCFの空孔数を減らすことで製造加工上、大きな種々のメリットを得ることができる。
以上の背景を鑑み、本発明は、損失を増大せず、広波長域におけるAeffの拡大に有効なPCFの空孔数を削減し、製造性を高めたPCFの構造を提供することを目的とする。
本明細書では、PCFの空孔の直径をd、間隔をΛと記載する。
上記課題を解決するために、本発明は、d/ΛとΛの座標平面上で任意の波長及び伝搬モードにおける実効断面積の領域と閉じ込め損失の領域とを重ね合わせ、重複する領域内にdとΛがあるように空孔を設計することとした。
具体的には、本発明に係るPCFは、直径dの12個の空孔が間隔Λで配列する1cell構造のPCFであって、
座標(d/Λ,Λ)としたとき、
A2(0.690,12.5)
B(0.900,14.6)
C(0.900,40.0)
D(0.600,40.0)
E2(0.600,33.3)
F2(0.650,32.1)
G2(0.658,30.0)
H2(0.658,28.8)
I1(0.600,28.3)
J1(0.600,27.5)
K2(0.604,26.0)
L2(0.651,24.0)
M2(0.651,22.5)
N2(0.675,20.0)
O2(0.675,18.5)
P2(0.655,17.9)
Q2(0.655,16.8)
R2(0.686,15.8)
S2(0.690,13.8)
を頂点とする多角形で囲まれる設計領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
波長1450nmの基本モードを伝搬させるときに実効コア断面積Aeffが120μm以上且つ閉じ込め損失が0.011dB/m以下を可能とすることを特徴とする。
従来のPCFではその閉じ込め損失を低減するために十分な空孔数が必要であったが、本発明では、空孔間隔が比較的広く、空孔の占有率d/Λが高い構造領域で、空孔数が12と非常に少ない状態でも十分に閉じ込め損失を低減できるPCF構造を見出した。これを用いて、PCFの製造において一番の課題である空孔数の低減を実現することができた。
従って、本発明は、損失を増大せず、広波長域におけるAeffの拡大に有効なPCFの空孔数を削減し、製造性を高めたPCFの構造を提供することができる。
本発明に係るPCFは、前記設計領域のうち、
A2a(0.692,12.5)
B(0.900,14.6)
C2a(0.900,34.2)
D2a(0.800,34.2)
E2a(0.800,24.0)
F2a(0.762,22.5)
G2a(0.704,21.9)
を頂点とする多角形で囲まれる低曲げ損失領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.026dB/m以下を可能とすることを特徴とする。
本発明に係るPCFは、前記設計領域のうち、
A2b(0.700,12.6)
B(0.900,14.6)
C2a(0.900,34.2)
D2a(0.800,34.2)
E2b(0.794,21.7)
F2b(0.775,20.0)
G2b(0.700,18.5)
を頂点とする多角形で囲まれる低曲げ損失領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.005dB/m以下を可能とすることを特徴とする。
上記領域にdとΛを設定することで曲げ損失も低減できる。
本発明に係るPCFは、前記設計領域のうち、
Y1(0.800,13.3)
Z1(0.854,13.8)
Z2(0.800,15.4)
を頂点とする多角形で囲まれる領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
基本モードを含めた伝搬可能なモード数が4、かつ、曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.026dB/m以下を可能とすることを特徴とする。
本発明に係るPCFは、前記設計領域のうち、
X1(0.788,13.3)
X2(0.780,14.0)
X3(0.780,15.4)
X4e(0.775,16.0)
E2e(0.786,16.0)
D2e(0.786,17.7)
Y4e(0.796,17.7)
Y3(0.796,14.0)
Y2(0.800,13.4)
Y1(0.800,13.3)
を頂点とする多角形で囲まれる領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
基本モードを含めた伝搬可能なモード数が3、かつ、曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モード及び第1高次モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.026dB/m以下を可能とすることを特徴とする。
本発明に係るPCFは、前記設計領域のうち、
X1(0.788,13.3)
X2(0.780,14.0)
X3(0.780,15.4)
X4(0.770,16.3)
X5(0.770,17.6)
X6(0.754,18.5)
X7(0.754,20.0)
X8(0.742,20.6)
X9(0.742,22.1)
F2a(0.762,22.5)
Y6(0.780,23.8)
Y5(0.780,22.4)
Y4(0.796,21.9)
Y3(0.796,14.0)
Y2(0.800,13.4)
Y1(0.800,13.3)
を頂点とする多角形で囲まれる領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
基本モードを含めた伝搬可能なモード数が3、かつ、曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.026dB/m以下を可能とすることを特徴とする。
本発明に係るPCFは、前記設計領域のうち、
A2e(0.770,13.2)
X1(0.788,13.3)
X2(0.780,14.0)
X3(0.780,15.4)
X4e(0.775,16.0)
F2e(0.775,13.8)
G2e(0.770,13.8)
を頂点とする多角形で囲まれる領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
基本モードを含めた伝搬可能なモード数が2、かつ、曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モード及び第1高次モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.026dB/m以下を可能とすることを特徴とする。
本発明に係るPCFは、前記設計領域のうち、
A2a(0.692,12.5)
X1(0.788,13.3)
X2(0.780,14.0)
X3(0.780,15.4)
X4(0.770,16.3)
X5(0.770,17.6)
X6(0.754,18.5)
X7(0.754,20.0)
X8(0.742,20.6)
X9(0.742,22.1)
G2a(0.704,21.9)
基本モードを含めた伝搬可能なモード数が2、かつ、曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.026dB/m以下を可能とすることを特徴とする。
上記領域にdとΛを設定することで低損失なマルチモード光ファイバを提供できる。
本発明は、損失を増大せず、広波長域におけるAeffの拡大に有効なPCFの空孔数を削減し、製造性を高めたPCFの構造を提供することができる。
一般的にPCFは、空孔層数が3層、空孔個数が36個以上必要であるが、本発明ではその3分の1の12個の空孔で十分な閉じ込め損失を実現するPCF構造を用いる。これにより、PCF母材の作製において、その加工時間や加工費用を3分の1以下に低減することが可能になる。
本発明に係るPCFの構造例を示す断面図である。 本発明に係るPCFの、波長1550nmにおける空孔直径dと空孔間隔Λに対する基本モードの実効断面積と閉じ込め損失を表す図である。(a)が実効断面積、(b)が閉じ込め損失である。 本発明に係るPCFの、波長1450nmにおける空孔直径dと空孔間隔Λに対する基本モードの実効断面積と閉じ込め損失を表す図である。(a)が実効断面積、(b)が閉じ込め損失である。 本発明に係るPCFの、波長1310nmにおける空孔直径dと空孔間隔Λに対する基本モードの実効断面積と閉じ込め損失を表す図である。(a)が実効断面積、(b)が閉じ込め損失である。 本発明に係るPCFの、波長1550nmにおける空孔直径dと空孔間隔Λに対する曲げ半径R30mmに対する曲げ損失を示す図である。破線は、曲げ損失が0.5dB/100turn(図中の曲げ損失が0.026dB/mに相当)の境界を示し、一点鎖線は、曲げ損失が0.1dB/100turn(図中の曲げ損失が0.005dB/mに相当)の境界を示す。(a)が基本モード、(b)が第1高次モード、(c)が第2高次モード、(d)が第3高次モードである。 本発明に係るPCFの、波長1450nmにおける空孔直径dと空孔間隔Λに対する曲げ半径R30mmに対する曲げ損失を示す図である。破線は、曲げ損失が0.5dB/100turn(図中の曲げ損失が0.026dB/mに相当)の境界を示し、一点鎖線は、曲げ損失が0.1dB/100turn(図中の曲げ損失が0.005dB/mに相当)の境界を示す。(a)が基本モード、(b)が第1高次モード、(c)が第2高次モード、(d)が第3高次モードである。 本発明に係るPCFの、波長1310nmにおける空孔直径dと空孔間隔Λに対する曲げ半径R30mmに対する曲げ損失を示す図である。破線は、曲げ損失が0.5dB/100turn(図中の曲げ損失が0.026dB/mに相当)の境界を示し、一点鎖線は、曲げ損失が0.1dB/100turn(図中の曲げ損失が0.005dB/mに相当)の境界を示す。(a)が基本モード、(b)が第1高次モード、(c)が第2高次モード、(d)が第3高次モードである。 本発明に係るPCFにおいて、使用波長域をSバンド以上(1450nm以上)に設定したときの、各モードにおけるカットオフの境界を示す図である。図中のモード数は伝搬可能領域を示す。破線はカットオフの境界を示しており、その条件は、各高次モードの曲げ損失が曲げ半径R140mmにおいて1dB/mを満たす境界である。 本発明に係るPCFの空孔の直径dと間隔Λの範囲を説明する図である。 本発明に係るPCFの空孔の直径dと間隔Λの範囲を説明する図である。 本発明に係るPCFの空孔の直径dと間隔Λの範囲を説明する図である。 本発明に係るPCFの空孔の直径dと間隔Λの範囲を説明する図である。 本発明に係るPCFの空孔の直径dと間隔Λの範囲を説明する図である。 本発明に係るPCFの空孔の直径dと間隔Λの範囲を説明する図である。 本発明に係るPCFの空孔の直径dと間隔Λの範囲を説明する図である。 本発明に係るPCFの空孔の直径dと間隔Λの範囲を説明する図である。 本発明に係るPCFの空孔の直径dと間隔Λの範囲を説明する図である。 本発明に係るPCFの空孔の直径dと間隔Λの範囲を説明する図である。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
各実施形態を説明する前に、各実施形態のPCFの構造について説明する。図1は、12個の空孔2を有する1cell構造のPCFである。図1に示すように、各実施形態のPCFは、コア部とコア部を包囲するクラッド部とを有し、コア部及びクラッド部が均一な光屈折率を有する媒質からなると共に、クラッド部に長手方向に沿って均一な空孔2が12個形成された1cell構造である。なお、ここで1cell構造とはファイバの中心部にだけ、1個分の空孔の代りにガラス材料がコアとして充填された構造のことを指す。
続いて、各実施形態にてAeffの拡大と既定の曲げ損失を実現するための構造パラメータ(空孔2の直径dと空孔2の間隔Λ)の選定方法を説明する。
(実施形態1−1)
図2は、横軸をd/Λ、縦軸をΛとし、波長1550nmの基本モード光における(a)実効断面積Aeffと、(b)閉じ込め損失を示した図である。伝送用ファイバとして用いるためには、ファイバ構造による伝送損失も重要なパラメータになる。それゆえ、図2(a)と図2(b)から必要なAeffが得られる構造で、かつ、使用するファイバ長において閉じ込め損失が十分に無視できる構造を選択することで所望の特性を有する構造を決定することができる。例えば、Aeffが120μm以上の構造で閉じ込め損失0.013dB/m以下のPCFを設計するとする。
まず、図2(a)においてAeffが120μm以上となる領域は、実線αより上方(Λが大きい側)である。また、図2(b)において閉じ込め損失0.013dB/m以下の領域は最も左側(d/Λが大きい側)である。これらの領域の重複領域を図9に示す。
座標(d/Λ,Λ)において、
A1(0.687,12.5)
B(0.900,14.6)
C(0.900,40.0)
D(0.600,40.0)
E1(0.600,33.0)
F1(0.642,31.9)
G1(0.650,30.0)
H1(0.650,29.0)
I1(0.600,28.3)
J1(0.600,27.5)
K1(0.634,25.8)
L1(0.656,23.8)
M1(0.656,20.8)
N1(0.675,19.7)
O1(0.675,18.0)
P1(0.664,17.7)
Q1(0.664,16.7)
R1(0.680,15.8)
S1(0.687,13.8)
を頂点とする多角形で囲まれる領域を選択することで、波長1550nmにおいてAeffが120μm以上且つ閉じ込め損失0.013dB/m以下のPCFとすることができる。この領域を領域Aarea1とする。
図5(a)に波長1550nmにおける基本モードの曲げ半径30mmでの曲げ損失の構造依存性を示す。図5(a)の一点鎖線は、ITU−T G.652に記載の曲げ半径R30mmにおける曲げ損失が0.1dB/100turn(0.005dB/m)を満たす境界である。また、図5(a)の破線は、ITU−T G.654に記載の曲げ半径R30mmにおける曲げ損失が0.5dB/100turn(0.026dB/m)を満たす境界である。
図5(a)の一点鎖線又は破線の右側(d/Λが大きい側)が曲げ損失が0.005dB/m又は0.026dB/mより小さくなる領域である。この領域を領域Aarea2とする。
以上より、使用波長域を1550nm以上に設定した場合、Aeffが120μm以上の構造で閉じ込め損失0.013dB/m以下を想定し、かつ、曲げ半径R30mmにおける基本モードの曲げ損失が0.1dB/100turn又は0.5dB/100turnを満たす光ファイバの設計範囲は、領域Aarea1及び領域Aarea2の範囲の両方を満たす領域である。
具体的には、使用波長域を1550nm以上、Aeffが120μm以上、閉じ込め損失0.013dB/m以下、曲げ損失0.026dB/m以下の仕様を満たすPCTの構造は、
座標(d/Λ,Λ)において、
A1a(0.690,12.6)
B(0.900,14.6)
C1a(0.900,36.3)
D1a(0.800,36.3)
E1a(0.800,25.8)
F1a(0.775,23.8)
G1a(0.700,23.3)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図10参照)。
また、使用波長域を1550nm以上、Aeffが120μm以上、閉じ込め損失0.013dB/m以下、曲げ損失0.005dB/m以下の仕様を満たすPCTの構造は、
座標(d/Λ,Λ)において、
A1b(0.700,12.7)
B(0.900,14.6)
C1a(0.900,36.3)
D1a(0.800,36.3)
E1b(0.794,23.8)
F1b(0.780,22.1)
G1b(0.700,19.3)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図10参照)。
一例として、(d/Λ,Λ)=(0.85,22.5)が考えられる。
(実施形態1−2)
本実施形態では、使用波長域をSバンド以上(1450nm以上)に設定した場合を説明する。
図3は、横軸をd/Λ、縦軸をΛとし、波長1450nmの基本モード光における(a)Aeffと、(b)閉じ込め損失を示した図である。本実施形態も実施形態1と同様に、Aeffが120μm以上の構造で閉じ込め損失0.011dB/m以下のPCFを設計するとする。
まず、図3(a)においてAeffが120μm以上となる領域と、図3(b)において閉じ込め損失0.011dB/m以下の領域との重複領域を図11に示す。
座標(d/Λ,Λ)において、
A2(0.690,12.5)
B(0.900,14.6)
C(0.900,40.0)
D(0.600,40.0)
E2(0.600,33.3)
F2(0.650,32.1)
G2(0.658,30.0)
H2(0.658,28.8)
I2(0.600,28.3)
J2(0.600,27.5)
K2(0.604,26.0)
L2(0.651,24.0)
M2(0.651,22.5)
N2(0.675,20.0)
O2(0.675,18.5)
P2(0.655,17.9)
Q2(0.655,16.8)
R2(0.686,15.8)
S2(0.690,13.8)
を頂点とする多角形で囲まれる領域を選択することで、波長1450nmにおいてAeffが120μm以上且つ閉じ込め損失0.011dB/m以下のPCFとすることができる。この領域を領域Barea1とする。
図6(a)に波長1450nmにおける基本モードの曲げ半径30mmでの曲げ損失の構造依存性を示す。図6(a)の一点鎖線は、ITU−T G.652に記載の曲げ半径R30mmにおける曲げ損失が0.1dB/100turn(0.005dB/m)を満たす境界である。また、図6(a)の破線は、ITU−T G.654に記載の曲げ半径R30mmにおける曲げ損失が0.5dB/100turn(0.026dB/m)を満たす境界である。
図6(a)の一点鎖線又は破線の右側(d/Λが大きい側)が曲げ損失が0.005dB/m又は0.026dB/mより小さくなる領域である。この領域を領域Barea2とする。
以上より、使用波長域を1450nm以上に設定した場合、Aeffが120μm以上の構造で閉じ込め損失0.011dB/m以下を想定し、かつ、曲げ半径R30mmにおける基本モードの曲げ損失が0.1dB/100turn又は0.5dB/100turnを満たす光ファイバの設計範囲は、領域Barea1及び領域Barea2の範囲の両方を満たす領域である。
具体的には、使用波長域を1450nm以上、Aeffが120μm以上、閉じ込め損失0.011dB/m以下、曲げ損失0.026dB/m以下の仕様を満たすPCTの構造は、
座標(d/Λ,Λ)において、
A2a(0.692,12.5)
B(0.900,14.6)
C2a(0.900,34.2)
D2a(0.800,34.2)
E2a(0.800,24.0)
F2a(0.762,22.5)
G2a(0.704,21.9)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図12参照)。
また、使用波長域を1450nm以上、Aeffが120μm以上、閉じ込め損失0.011dB/m以下、曲げ損失0.005dB/m以下の仕様を満たすPCTの構造は、
座標(d/Λ,Λ)において、
A2b(0.700,12.6)
B(0.900,14.6)
C2a(0.900,34.2)
D2a(0.800,34.2)
E2b(0.794,21.7)
F2b(0.775,20.0)
G2b(0.700,18.5)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図12参照)。
一例として、(d/Λ,Λ)=(0.85,25)が考えられる。
(実施形態1−3)
本実施形態では、使用波長域を1310nm以上)に設定した場合を説明する。
図4は、横軸をd/Λ、縦軸をΛとし、波長1310nmの基本モード光における(a)Aeffと、(b)閉じ込め損失を示した図である。本実施形態も実施形態1と同様に、Aeffが120μm以上の構造で閉じ込め損失0.0001dB/m以下のPCFを設計するとする。
まず、図4(a)においてAeffが120μm以上となる領域と、図4(b)において閉じ込め損失0.0001dB/m以下の領域との重複領域を図13に示す。
座標(d/Λ,Λ)において、
A3(0.788,13.1)
B3(0.900,14.6)
C(0.900,40.0)
D3(0.700,40.0)
E3(0.700,33.3)
F3(0.744,32.0)
G3(0.744,31.3)
H3(0.700,31.0)
I3(0.700,28.8)
J3(0.731,27.7)
K3(0.731,27.0)
L3(0.700,26.7)
M3(0.700,23.8)
N3(0.754,22.5)
O3(0.750,20.8)
P3(0.731,20.0)
Q3(0.757,18.3)
R3(0.775,17.5)
S3(0.776,14.0)
T3(0.788,13.5)
を頂点とする多角形で囲まれる領域を選択することで、波長1310nmにおいてAeffが120μm以上且つ閉じ込め損失0.0001dB/m以下のPCFとすることができる。この領域を領域Carea1とする。
図7(a)に波長1310nmにおける基本モードの曲げ半径30mmでの曲げ損失の構造依存性を示す。図7(a)の一点鎖線は、ITU−T G.652に記載の曲げ半径R30mmにおける曲げ損失が0.1dB/100turn(0.005dB/m)を満たす境界である。また、図7(a)の破線は、ITU−T G.654に記載の曲げ半径R30mmにおける曲げ損失が0.5dB/100turn(0.026dB/m)を満たす境界である。
図7(a)の一点鎖線又は破線の右側(d/Λが大きい側)が曲げ損失が0.005dB/m又は0.026dB/mより小さくなる領域である。この領域を領域Carea2とする。
以上より、使用波長域を1310nm以上に設定した場合、Aeffが120μm以上の構造で閉じ込め損失0.0001dB/m以下を想定し、かつ、曲げ半径R30mmにおける基本モードの曲げ損失が0.1dB/100turn又は0.5dB/100turnを満たす光ファイバの設計範囲は、領域Carea1及び領域Carea2の範囲の両方を満たす領域である。
具体的には、使用波長域を1310nm以上、Aeffが120μm以上、閉じ込め損失0.0001dB/m以下、曲げ損失0.026dB/m以下の仕様を満たすPCTの構造は、
座標(d/Λ,Λ)において、
A3(0.687,13.1)
B3(0.900,14.6)
C3a(0.900,31.7)
D3a(0.800,31.7)
E3a(0.800,24.0)
F3a(0.794,21.8)
G3a(0.754,21.8)
H3a(0.750,20.8)
P3(0.731,20.0)
Q3(0.757,18.3)
R3(0.775,17.5)
S3(0.776,14.0)
T3(0.788,13.5)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図14参照)。
また、使用波長域を1310nm以上、Aeffが120μm以上、閉じ込め損失0.0001dB/m以下、曲げ損失0.005dB/m以下の仕様を満たすPCTの構造は、
座標(d/Λ,Λ)において、
A3(0.687,13.1)
B3(0.900,14.6)
C3a(0.900,31.7)
D3a(0.800,31.7)
E3b(0.800,21.8)
F3b(0.794,20.0)
G3b(0.761,19.8)
Q3(0.757,18.3)
R3(0.775,17.5)
S3(0.776,14.0)
T3(0.788,13.5)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図14参照)。
一例として、(d/Λ,Λ)=(0.85,20)が考えられる。
上記はあくまで一例であり、Aeff、閉じ込め損失及び曲げ損失の値は使用する伝送距離や用途に合わせて適宜構造を選択するのが良い。
(実施形態2)
本実施形態では、多モード伝送を可能とするPCFの設計について説明する。本実施形態では代表として波長1450nm以上を伝送させるPCFについて説明するが、他の波長の光を伝送させるPCFの設計も同様である。
実施形態1−2で使用波長域を1450nm以上に設定した場合、Aeffが120μm以上の構造で閉じ込め損失0.011dB/m以下を可能とするPCFの空孔構造の設計領域(領域Barea1と領域Barea2の重複領域)を説明した。この重複領域を領域Barea3とする。
図6は、波長1450nmにおける空孔直径dと空孔間隔Λに対する曲げ半径R30mmに対する曲げ損失を示す図である。破線は、曲げ損失が0.5dB/100turn(図中の曲げ損失が0.026dB/mに相当)の境界を示し、一点鎖線は、曲げ損失が0.1dB/100turn(図中の曲げ損失が0.005dB/mに相当)の境界を示す。そして(a)が基本モードについての曲げ損失、(b)が第1高次モードについての曲げ損失、(c)が第2高次モードについての曲げ損失、(d)が第3高次モードについての曲げ損失を説明している。
図8は、12個の空孔を有する1cell構造のPCFで使用波長域をSバンド以上(1450nm以上)に設定したときの、各モードにおけるカットオフの境界を示す図である。図中のモード数は伝搬可能領域を示す。破線はカットオフの境界を示しており、その条件は、各高次モードの曲げ損失が曲げ半径R140mmにおいて1dB/mを満たす境界である。
(実施形態2−1)
使用波長域をSバンド以上(1450nm以上)に設定したとき、基本モードを含めた伝搬可能なモード数が4でかつ、基本モードから第3高次モードまでを含むすべての曲げ損失が曲げ半径R30mmにおいて0.026dB/mを満たす範囲でPCFを設計することを考える。この場合、領域Barea3、図8の4モード導波可能な領域、及び図6(d)の破線にて囲まれる領域にあるdとΛに設定すればよい。
つまり、座標(d/Λ,Λ)において、
Y1(0.800,13.3)
Z1(0.854,13.8)
Z2(0.800,15.4)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図15参照)。
設計の一例として、(d/Λ,Λ)=(0.83,14)にて設計すればよい。
(実施形態2−2)
使用波長域をSバンド以上(1450nm以上)に設定したとき、基本モードを含めた伝搬可能なモード数が4でかつ、基本モードから第2高次モードまでの曲げ損失が曲げ半径R30mmにおいて0.026dB/mを満たす範囲でPCFを設計することを考える。この場合、領域Barea3、図8の4モード導波可能な領域、及び図6(c)の破線にて囲まれる領域にあるdとΛに設定すればよい。
つまり、座標(d/Λ,Λ)において、
Y1(0.800,13.3)
Z1(0.854,13.8)
Z2(0.800,15.4)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図16参照)。
設計の一例として、(d/Λ,Λ)=(0.83,14)にて設計すればよい。
(実施形態2−3)
使用波長域をSバンド以上(1450nm以上)に設定したとき、基本モードを含めた伝搬可能なモード数が4でかつ、基本モード及び第1高次モードの曲げ損失が曲げ半径R30mmにおいて0.026dB/mを満たす範囲でPCFを設計することを考える。この場合、領域Barea3、図8の4モード導波可能な領域、及び図6(b)の破線にて囲まれる領域にあるdとΛに設定すればよい。
つまり、座標(d/Λ,Λ)において、
Y1(0.800,13.3)
Z1(0.854,13.8)
Z2(0.800,15.4)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図17参照)。
設計の一例として、(d/Λ,Λ)=(0.83,14)にて設計すればよい。
(実施形態2−4)
使用波長域をSバンド以上(1450nm以上)に設定したとき、基本モードを含めた伝搬可能なモード数が4でかつ、基本モードの曲げ損失が曲げ半径R30mmにおいて0.026dB/mを満たす範囲でPCFを設計することを考える。この場合、領域Barea3、図8の4モード導波可能な領域、及び図6(a)の破線にて囲まれる領域にあるdとΛに設定すればよい。
つまり、座標(d/Λ,Λ)において、
Y1(0.800,13.3)
Z1(0.854,13.8)
Z2(0.800,15.4)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図18参照)。
設計の一例として、(d/Λ,Λ)=(0.83,14)にて設計すればよい。
(実施形態2−5)
使用波長域をSバンド以上(1450nm以上)に設定したとき、基本モードを含めた伝搬可能なモード数が3でかつ、基本モード及び第1高次モードの曲げ損失が曲げ半径R30mmにおいて0.026dB/mを満たす範囲でPCFを設計することを考える。この場合、領域Barea3、図8の2モード導波可能な領域、及び図6(b)の破線にて囲まれる領域にあるdとΛに設定すればよい。
つまり、座標(d/Λ,Λ)において、
X1(0.788,13.3)
X2(0.780,14.0)
X3(0.780,15.4)
X4e(0.775,16.0)
E2e(0.786,16.0)
D2e(0.786,17.7)
Y4e(0.796,17.7)
Y3(0.796,14.0)
Y2(0.800,13.4)
Y1(0.800,13.3)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図17参照)。
設計の一例として、(d/Λ,Λ)=(0.79,15)にて設計すればよい。
(実施形態2−6)
使用波長域をSバンド以上(1450nm以上)に設定したとき、基本モードを含めた伝搬可能なモード数が3でかつ、基本モードの曲げ損失が曲げ半径R30mmにおいて0.026dB/mを満たす範囲でPCFを設計することを考える。この場合、領域Barea3、図8の2モード導波可能な領域、及び図6(b)の破線にて囲まれる領域にあるdとΛに設定すればよい。
つまり、座標(d/Λ,Λ)において、
X1(0.788,13.3)
X2(0.780,14.0)
X3(0.780,15.4)
X4(0.770,16.3)
X5(0.770,17.6)
X6(0.754,18.5)
X7(0.754,20.0)
X8(0.742,20.6)
X9(0.742,22.1)
F2a(0.762,22.5)
Y6(0.780,23.8)
Y5(0.780,22.4)
Y4(0.796,21.9)
Y3(0.796,14.0)
Y2(0.800,13.4)
Y1(0.800,13.3)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図18参照)。
設計の一例として、(d/Λ,Λ)=(0.78,20)にて設計すればよい。
(実施形態2−7)
使用波長域をSバンド以上(1450nm以上)に設定したとき、基本モードを含めた伝搬可能なモード数が2でかつ、基本モード及び第1高次モードの曲げ損失が曲げ半径R30mmにおいて0.026dB/mを満たす範囲でPCFを設計することを考える。この場合、領域Barea3、図8の2モード導波可能な領域、及び図6(b)の破線にて囲まれる領域にあるdとΛに設定すればよい。
つまり、座標(d/Λ,Λ)において、
A2e(0.770,13.2)
X1(0.788,13.3)
X2(0.780,14.0)
X3(0.780,15.4)
X4e(0.775,16.0)
F2e(0.775,13.8)
G2e(0.770,13.8)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図17参照)。
設計の一例として、(d/Λ,Λ)=(0.78,12)にて設計すればよい。
(実施形態2−8)
使用波長域をSバンド以上(1450nm以上)に設定したとき、基本モードを含めた伝搬可能なモード数が2でかつ、基本モードの曲げ損失が曲げ半径R30mmにおいて0.026dB/mを満たす範囲でPCFを設計することを考える。この場合、領域Barea3、図8の2モード導波可能な領域、及び図6(b)の破線にて囲まれる領域にあるdとΛに設定すればよい。
つまり、座標(d/Λ,Λ)において、
A2a(0.692,12.5)
X1(0.788,13.3)
X2(0.780,14.0)
X3(0.780,15.4)
X4(0.770,16.3)
X5(0.770,17.6)
X6(0.754,18.5)
X7(0.754,20.0)
X8(0.742,20.6)
X9(0.742,22.1)
G2a(0.704,21.9)
を頂点とする多角形で囲まれる領域に直径dと間隔Λがある空孔を持つ構造である(図18参照)。
設計の一例として、(d/Λ,Λ)=(0.75,15)にて設計すればよい。
[付記]
以下は、本発明に係るPCFについて記載したものである。
(課題)
PCFには、製造性を高めるために空孔数を低減すると閉じ込め損失が大きくなり、閉じ込め損失を低減するために空孔数を増加すれば製造性の悪化とともに実効断面積が小さくなるというトレードオフの関係がある。本願発明が解決しようとする課題は、PCFの製造性を高めるために空孔数を12としたときに、所望の仕様(実効断面積や損失)を満たす空孔構造を見出すことである。
(解決手段)
1.d/ΛとΛの座標平面上で任意の波長及び伝搬モードにおける実効断面積の領域と閉じ込め損失の領域とを重ね合わせ、重複する領域内にdとΛがあるように空孔を設計する。
(1):
直径dの12個の空孔が間隔Λで配列する1cell構造のフォトニック結晶光ファイバ(PCF:Photonic Crystal Fiber)を設計するPCF設計方法であって、
dとd/Λの座標平面において任意の波長及び任意の伝搬モードにおいて所望の実効断面積以上となる実効断面積領域を取得し、
dとd/Λの座標平面において任意の波長及び任意の伝搬モードにおいて所望の閉じ込め損失以下となる閉じ込め損失領域を取得し、
前記実効断面積領域と前記閉じ込め損失領域とが重複する第1領域に直径dと間隔Λがあるように設計することを特徴とするPCF設計方法。
2.さらに、任意の波長及び伝搬モードにおける曲げ損失を満たす領域も上記重複領域に重ね合わせ、これらの重複領域内にdとΛがあるように空孔を設計する。
(2):
dとd/Λの座標平面において任意の波長及び任意の伝搬モードにおいて所望の曲げ損失以下となる曲げ損失領域をさらに取得し、
前記第1領域と前記曲げ損失領域が重複する第2領域に直径dと間隔Λがあるように設計することを特徴とする上記(1)に記載のPCF設計方法。
3.モード数のカットオフ領域も重ね合わせることで所望の波長及び伝搬させたいモード数に対応するdとΛを決定する。
(3):
所望の波長における各伝搬モードがカットオフされるカットオフ領域を取得し、
前記第1領域又は前記第2領域と前記カットオフ領域が重複する第3領域に直径dと間隔Λがあるように設計することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のPCF設計方法。
本発明は、波長の異なる多数の複数の信号光を用い、光ファイバに比較的大きなパワーの光を入力する波長多重(WDM)技術や多値変調技術、複数の伝搬モードを用いたモード多重伝送を活用する通信用の光ファイバおよび光ファイバケーブルに適用できる。
1:PCF
2:空孔

Claims (8)

  1. 直径d[μm]の12個のみの空孔が間隔Λ[μm]で配列する1cell構造のフォトニック結晶光ファイバ(PCF:Photonic Crystal Fiber)であって、
    前記空孔のうち6個が、第1層として、コア部を囲むように且つ隣接する前記空孔との間隔がΛとなるように均等に配列され、
    前記空孔のうち他の6個が、第2層として、前記第1層を囲むように且つ前記第1層の前記空孔の2つとの間隔がそれぞれΛとなるように均等に配列され、
    座標(d/Λ,Λ)としたとき、
    A2(0.690,12.5)
    B(0.900,14.6)
    C(0.900,40.0)
    D(0.600,40.0)
    E2(0.600,33.3)
    F2(0.650,32.1)
    G2(0.658,30.0)
    H2(0.658,28.8)
    I1(0.600,28.3)
    J1(0.600,27.5)
    K2(0.604,26.0)
    L2(0.651,24.0)
    M2(0.651,22.5)
    N2(0.675,20.0)
    O2(0.675,18.5)
    P2(0.655,17.9)
    Q2(0.655,16.8)
    R2(0.686,15.8)
    S2(0.690,13.8)
    を頂点とする多角形で囲まれる設計領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
    波長1450nmの基本モードを伝搬させるときに実効コア断面積Aeffが120μm以上且つ閉じ込め損失が0.011dB/m以下を可能とすることを特徴とするPCF。
  2. 前記設計領域のうち、
    A2a(0.692,12.5)
    B(0.900,14.6)
    C2a(0.900,34.2)
    D2a(0.800,34.2)
    E2a(0.800,24.0)
    F2a(0.762,22.5)
    G2a(0.704,21.9)
    を頂点とする多角形で囲まれる低曲げ損失領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
    曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.026dB/m以下を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のPCF。
  3. 前記設計領域のうち、
    A2b(0.700,12.6)
    B(0.900,14.6)
    C2a(0.900,34.2)
    D2a(0.800,34.2)
    E2b(0.794,21.7)
    F2b(0.775,20.0)
    G2b(0.700,18.5)
    を頂点とする多角形で囲まれる低曲げ損失領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
    曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.005dB/m以下を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のPCF。
  4. 前記設計領域のうち、
    Y1(0.800,13.3)
    Z1(0.854,13.8)
    Z2(0.800,15.4)
    を頂点とする多角形で囲まれる領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
    基本モードを含めた伝搬可能なモード数が4、かつ、曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.026dB/m以下を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のPCF。
  5. 前記設計領域のうち、
    X1(0.788,13.3)
    X2(0.780,14.0)
    X3(0.780,15.4)
    X4e(0.775,16.0)
    E2e(0.786,16.0)
    D2e(0.786,17.7)
    Y4e(0.796,17.7)
    Y3(0.796,14.0)
    Y2(0.800,13.4)
    Y1(0.800,13.3)
    を頂点とする多角形で囲まれる領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
    基本モードを含めた伝搬可能なモード数が3、かつ、曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モード及び第1高次モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.026dB/m以下を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のPCF。
  6. 前記設計領域のうち、
    X1(0.788,13.3)
    X2(0.780,14.0)
    X3(0.780,15.4)
    X4(0.770,16.3)
    X5(0.770,17.6)
    X6(0.754,18.5)
    X7(0.754,20.0)
    X8(0.742,20.6)
    X9(0.742,22.1)
    F2a(0.762,22.5)
    Y6(0.780,23.8)
    Y5(0.780,22.4)
    Y4(0.796,21.9)
    Y3(0.796,14.0)
    Y2(0.800,13.4)
    Y1(0.800,13.3)
    を頂点とする多角形で囲まれる領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
    基本モードを含めた伝搬可能なモード数が3、かつ、曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.026dB/m以下を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のPCF。
  7. 前記設計領域のうち、
    A2e(0.770,13.2)
    X1(0.788,13.3)
    X2(0.780,14.0)
    X3(0.780,15.4)
    X4e(0.775,16.0)
    F2e(0.775,13.8)
    G2e(0.770,13.8)
    を頂点とする多角形で囲まれる領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
    基本モードを含めた伝搬可能なモード数が2、かつ、曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モード及び第1高次モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.026dB/m以下を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のPCF。
  8. 前記設計領域のうち、
    A2a(0.692,12.5)
    X1(0.788,13.3)
    X2(0.780,14.0)
    X3(0.780,15.4)
    X4(0.770,16.3)
    X5(0.770,17.6)
    X6(0.754,18.5)
    X7(0.754,20.0)
    X8(0.742,20.6)
    X9(0.742,22.1)
    G2a(0.704,21.9)
    を頂点とする多角形で囲まれる領域にある直径dと間隔Λの空孔を持ち、
    基本モードを含めた伝搬可能なモード数が2、かつ、曲げ半径R30mmにおいて波長1450nmの基本モードを伝搬させるときの曲げ損失が0.026dB/m以下を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のPCF。
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