JPWO2013021697A1 - マルチコア光ファイバおよび光伝送システム - Google Patents

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Abstract

複数のコア部と、前記複数のコア部の外周に位置し該各コア部の最大屈折率よりも低い屈折率を有するクラッド部とを備え、前記各コア部は、2以上の所定数の伝搬モードのみで光を伝搬し、かつ各伝搬モードでの波長1550nmにおける有効コア断面積は120μm2以上であるマルチコア光ファイバ。好ましくは、前記所定数は2である。これによって、従来よりもさらに伝送容量を増大させることができるマルチコア光ファイバおよび光伝送システムを提供する。

Description

本発明は、マルチコア光ファイバおよび光伝送システムに関するものである。
近年のインターネットトラヒックの劇的な増大に伴い、光ファイバの基底モードだけを伝送に用いる伝送方式だけでは、伝送容量が足りない時代が来る事が予想されている。これらを解決する方法としては、マルチコア光ファイバを用いた空間多重技術や、マルチモード光ファイバを用いたモード多重技術が有望視されている。例えば、非特許文献1では、SMF型のソリッド型マルチコア光ファイバに関する最適化設計が報告されている。また、非特許文献2では、ホーリー型マルチコア光ファイバに関する最適化設計が報告されている。さらに、非特許文献3では、2モード光ファイバを用いた伝送特性の評価結果が報告されている。一方で、光ファイバの有効コア断面積Aeffを拡大する事で、光ファイバ中の非線形現象を抑制する事も、伝送容量の増大に伴って将来の重要な課題として考えられる。例えば、非特許文献4では、トレンチ構造を用いて屈折率分布を最適化することによってAeffを155μmまで拡大した光ファイバが提案されている。また、非特許文献5でも、W型構造を用いて屈折率分布を最適化することによってAeffを134μmまで拡大した光ファイバが提案されている。
Katsunori Imamura, et al., "Effective Space Division Multiplexing by Multi-Core Fibers," ECOC2010,P1.09(2010). Katsunori Imamura, et al., "Multi-core holey fibers for the long-distance (>100 km) ultra large capacity transmission," OFC/NFOEC 2009,OTuC3(2009). Nobutomo Hanzawa, el al., "Demonstration of mode-division multiplexing transmission over 10 km two-mode fiber with mode coupler," OFC/NFOEC2011,OWA4(2011). Marianne Bigot-Astruc, et al., "125μm glass diameter single-mode fiber with Aeff of 155μm2 " OFC/NFOEC2011,OTuJ2(2011). Yoshinori Yamamoto, et al., "OSNR-Enhancing Pure-Silica-Core Fiber with Large Effective Area and Low Attenuation," OFC/NFOEC2010、OTuI2(2010).
しかしながら、上述した空間多重技術、モード多重技術、および有効コア断面積拡大技術を個別に実現するだけでは、伝送容量のさらなる増大に応えることが困難になる場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、従来よりもさらに伝送容量を増大させることができるマルチコア光ファイバおよび光伝送システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るマルチコア光ファイバは、複数のコア部と、前記複数のコア部の外周に位置し該各コア部の最大屈折率よりも低い屈折率を有するクラッド部とを備え、前記各コア部は、2以上の所定数の伝搬モードのみで光を伝搬し、かつ各伝搬モードでの波長1550nmにおける有効コア断面積は120μm以上である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記所定数は2である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記伝搬モードはLP01モードおよびLP11モードである。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記所定数は3である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記伝搬モードはLP01モード、LP11モード、およびLP21モードである。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、第1高次伝搬モードの波長1550nmにおける有効コア断面積が170μm以上である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記各コア部間における前記各伝搬モード間での波長1550nmにおける光のクロストークが伝搬距離100kmあたり−30dB以下である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記伝搬モードのうち、隣接する前記各コア部間において波長1550nmにおける光のクロストークが最も大きい伝搬モードの波長1550nmにおける実効屈折率が、0.00005以上の差を有する。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記実効屈折率の差が0.00015以上の差を有する。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記各コア部は、隣接するコア部との離隔距離が100μm以下である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記複数のコア部は、前記屈折率分布が互いに異なるコア部を含む。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記複数のコア部は、前記屈折率分布が互いに異なる3種類のコア部からなる。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記各コア部は、隣接するコア部との離隔距離が90μm以下である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記各コア部は、隣接するコア部との離隔距離が60μm以下である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記コア部は、前記最大屈折率を有する中心コア部と、前記中心コア部の外周に形成され前記クラッド部の屈折率よりも低い屈折率を有する外周コア部とからなる。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記クラッド部に対する前記中心コア部の比屈折率差Δ1が0.2%〜0.5%であり、前記クラッド部に対する前記外周コア部の比屈折率差Δ2が−0.5%以上で0%より小さく、前記中心コア部の直径が14μm〜19μmであり、前記中心コア部の直径に対する前記外周コア部の外径の比が1より大きく4以下である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記コア部は、前記最大屈折率を有する中心コア部と、前記中心コア部の外周に形成され前記クラッド部の屈折率と略等しい屈折率を有する内周コア層と、前記内周コア層の外周に形成され前記クラッド部の屈折率よりも低い屈折率を有する外周コア層とからなる。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記クラッド部に対する前記中心コア部の比屈折率差Δ1が0.20%以上0.35%未満であり、前記クラッド部に対する前記外周コア層の比屈折率差Δ3が−0.5%以上で0%より小さく、前記中心コア部の直径が12.0μm以上18.0μm以下であり、前記中心コア部の直径に対する前記内周コア層の外径の比が1より大きく4以下であり、前記中心コア部の直径に対する前記外周コア層の外径の比が2以上5以下である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記コア部の数は7である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記コア部の数は19である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記コア部のうち2つのコア部間における前記各伝搬モード間での波長1550nmにおける光のクロストークが伝搬距離1000kmあたり−30dB以下である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記7つのコア部は、中央のコア部と、該中央のコア部を中心としてほぼ正六角形の頂点に位置するように配置した他のコア部とからなり、前記中心のコア部とすべての他のコア部との間の前記各伝搬モード間での波長1550nmにおける光のクロストークが伝搬距離100kmあたり−30dB以下である。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバは、上記の発明において、前記7つのコア部は、中央のコア部と、該中央のコア部を中心としてほぼ正六角形の頂点に位置するように配置した他のコア部とからなり、前記中心のコア部とすべての他のコア部との間の前記各伝搬モード間での波長1550nmにおける光のクロストークが伝搬距離1000kmあたり−30dB以下である。
また、本発明に係る光伝送システムは、上記の発明のマルチコア光ファイバを光伝送路として備える。
本発明によれば、空間多重、モード多重、および拡大した有効コア断面積を同時に実現し、従来よりもさらに光ファイバの伝送容量を増大させることができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る光ファイバの模式的な断面図である。 図2は、図1に示す光ファイバにおいて2モードで伝搬する場合の屈折率分布を示す図である。 図3は、図1に示す光ファイバにおいて3モードで伝搬する場合の屈折率分布を示す図である。 図4は、比屈折率差Δ1と実効屈折率neffとの関係を示す図である。 図5は、比屈折率差Δ2と曲げ損失またはLeakage損失との関係を示す図である。 図6は、Raと曲げ損失またはLeakage損失との関係を示す図である。 図7は、2モードを伝搬する場合の光ファイバのプロファイルパラメータとLP01モードの光学特性とを示す図である。 図8は、図7に示す光ファイバのLP11モードおよびLP21モードの光学特性を示す図である。 図9は、3モードを伝搬する場合の光ファイバのプロファイルパラメータとLP01モードの光学特性とを示す図である。 図10は、図9に示す光ファイバのLP11モード、LP21モード、およびLP02モードの光学特性を示す図である。 図11は、LP01モードの光のフィールド分布を示す図である。 図12は、LP11モードの光のフィールド分布を示す図である。 図13は、2モードを伝搬する場合の同種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図14は、図13に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図15は、2モードを伝搬する場合の同種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図16は、図15に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図17は、2モードを伝搬する場合の同種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図18は、図17に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図19は、2モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図20は、図19に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図21は、2モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図22は、図21に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図23は、2モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図24は、図23に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図25は、2モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図26は、図25に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図27は、2モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図28は、図27に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図29は、2モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図30は、図29に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図31は、3モードを伝搬する場合の同種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図32は、図31に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図33は、3モードを伝搬する場合の同種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図34は、図33に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図35は、3モードを伝搬する場合の同種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図36は、図35に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図37は、3モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図38は、図37に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図39は、3モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。 図40は、図39に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。 図41は、隣接するコア部間の実効屈折率neffの差と、伝搬モード間の光のクロストークが伝送距離100kmで−30dBとなる場合のコア間距離との関係を示す図である。 図42は、シミュレーション計算の結果を示す図である。 図43は、製造したシングルコア光ファイバのLP01モードおよびLP11モードの光学特性を示す図である。 図44は、調芯位置(シフト量)を変えていったときの励振フィールドの変化を示す図である。 図45は、LP01モードの光とLP11モードの光とのコア内クロストークとシフト量との関係を示す図である。 図46は、設計に利用したマルチコア光ファイバの模式的な断面図である。 図47は、コア間距離Λと伝送距離Lとの関係を示す図である。 図48は、コア間距離Λと伝送距離Lとの関係を示す図である。 図49は、コア間距離Λと伝送距離Lとの関係を示す図である。 図50は、コア間距離Λと伝送距離Lとの関係を示す図である。 図51は、光ファイバの長さとクロストークとの関係を示す図である。 図52は、作製したマルチコア光ファイバの断面を示す図である。 図53は、調芯位置(シフト量)を変えていったときの励振フィールドの変化を示す図である。 図54は、Core1〜Core7の特性評価結果を示す図である。 図55は、クロストークの測定系を示す図である。 図56は、クロストークの測定結果を示す図である。 図57は、クロストークの測定結果を示す図である。 図58は、実施の形態2に係る光ファイバの模式的な断面図である。 図59は、作製したマルチコア光ファイバの断面を示す図である。 図60は、Core1、2、8、9、19の特性評価結果を示す図である。 図61は、クロストークの測定結果を示す図である。 図62は、シングルコア光ファイバ、7コア型マルチコア光ファイバ、および19コア型マルチコア光ファイバのLP01モード、LP11モードの光のフィールド分布を示す図である。 図63は、実施の形態3に係るマルチコア光ファイバのトレンチ型の屈折率分布を示す図である。 図64は、LP01モードの有効コア断面積を130μm近傍に設定する場合の構造パラメータおよび光学特性を示す図である。 図65は、LP01モードの有効コア断面積を150μm近傍に設定する場合の構造パラメータおよび光学特性を示す図である。 図66は、LP01モードの有効コア断面積を170μm近傍に設定する場合の構造パラメータおよび光学特性を示す図である。 図67は、LP01モードの有効コア断面積を170μm近傍に設定する場合の構造パラメータおよび光学特性を示す図である。 図68は、LP01モードの有効コア断面積を170μm近傍に設定する場合の構造パラメータおよび光学特性を示す図である。 図69は、曲げ半径Rを20mm〜180mmの範囲で変えた場合の、コア間距離と、隣接する2つのコア間のクロストークが−30dBになる伝送距離との関係を示す図である。 図70は、曲げ半径Rを20mmとした場合の、コア間距離と、隣接する2つのコア間のクロストークが−30dBになる伝送距離との関係を示す図である。 図71は、曲げ半径Rを60mmとした場合の、コア間距離と、隣接する2つのコア間のクロストークが−30dBになる伝送距離との関係を示す図である。 図72は、曲げ半径Rを100mmとした場合の、コア間距離と、隣接する2つのコア間のクロストークが−30dBになる伝送距離との関係を示す図である。 図73は、曲げ半径Rを140mmとした場合の、コア間距離と、隣接する2つのコア間のクロストークが−30dBになる伝送距離との関係を示す図である。 図74は、曲げ半径Rを180mmとした場合の、コア間距離と、隣接する2つのコア間のクロストークが−30dBになる伝送距離との関係を示す図である。 図75は、実施の形態4に係る光伝送システムの模式的な構成図である。 図76は、実施の形態5に係る光伝送システムの模式的な構成図である。
以下に、図面を参照して本発明に係るマルチコア光ファイバの実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、本明細書では、特に言及が無い場合は、曲げ損失とは、直径(曲げ径)20mmで曲げたときのマクロの曲げ損失を意味する。また、本明細書において特に定義しない用語については、ITU−T(国際電気通信連合)G.650.1における定義、測定方法に従うものとする。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係るマルチコア光ファイバの模式的な断面図である。図1に示すように、このマルチコア光ファイバ100は、7つのコア部10〜70と、各コア部10〜70の外周に位置するクラッド部80と、を備えている、7コア型のマルチコア光ファイバである。
コア部10は、マルチコア光ファイバ100の中心軸の近傍に位置し、その他のコア部20〜70は、中央のコア部10を中心として、ほぼ正六角形の頂点に位置するように配置している。また、コア部10〜70は、中心コア部11〜71と、各中心コア部の外周に形成された外周コア部12〜72をそれぞれ備えている。
中心コア部11〜71は、ゲルマニウム(Ge)等の屈折率を高めるドーパントを含む石英ガラスからなる。外周コア部12〜72は、フッ素(F)等の屈折率を低めるドーパントを含む石英ガラスからなる。クラッド部80は、屈折率を調整するドーパントを含まない純石英ガラスからなる。その結果、中心コア部11〜71は各コア部10〜70における最大屈折率を有し、かつクラッド部80よりも屈折率が高くなっている。また、外周コア部12〜72はクラッド部80よりも屈折率が低くなっている。
各コア部10〜70の屈折率分布は、2以上の所定数の伝搬モードのみで光を伝搬し、かつ各伝搬モードでの波長1550nmにおける有効コア断面積が120μm以上となるように設定されている。
図2は、図1に示すマルチコア光ファイバ100において2モードで伝搬する場合の屈折率分布を示す図である。なお、図2は、コア部10の屈折率分布を示しているが、他のコア部20〜70も同様の屈折率分布を有する。図2において、領域P1は中心コア部11の屈折率分布を示している。領域P2は外周コア部12の屈折率分布を示している。領域P3はクラッド部80の屈折率分布を示している。このように、このマルチコア光ファイバ100は、外周コア部12の屈折率がクラッド部80の屈折率よりも低い、いわゆるW型の屈折率分布を有している。
ここで、図2に示すように、クラッド部80に対する中心コア部11の比屈折率差をΔ1とし、クラッド部80に対する外周コア部12の比屈折率差をΔ2とする。比屈折率差Δ1、Δ2は、以下の式(1)、(2)によって定義する。
Δ1={(n−n)/n}×100 [%] ・・・ (1)
Δ2={(n−n)/n}×100 [%] ・・・ (2)
ただし、nは中心コア部11の最大屈折率を示し、nは外周コア部12の最小屈折率を示し、nはクラッド部80の屈折率を示す。なお、本実施の形態では、クラッド部80は純石英ガラスからなるので、nは石英ガラスの屈折率ns(波長1550nmで1.44439)に等しい。
また、図2に示すように、中心コア部11の直径を2a、外周コア部12の外径を2bとする。また、外周コア部外径2bと中心コア部直径2aとの比であるb/aをRaとする。なお、中心コア部直径2aは、中心コア部11と外周コア部12との境界において比屈折率差Δ1が0%となる位置での径とする。また、外周コア部外径2bは、外周コア部12とクラッド部80との境界において、比屈折率差が比屈折率差Δ2の1/2の値となる位置での径とする。
図2において、マルチコア光ファイバ100の基底伝搬モードであるLP01モードの実効屈折率をneff(LP01)とし、第1高次伝搬モードであるLP11モードの実効屈折率をneff(LP11)とする。図2の場合は、neff(LP11)とクラッド部80の屈折率nとの差をΔnとすると、Δnを0.0002以上となるようにしている。
このように、LP11モードの実効屈折率neff(LP11)を、クラッド部80の屈折率nよりも0.0002以上大きくすれば、マルチコア光ファイバ100は、曲げ損失およびマイクロベンド損失を抑制しながら、LP01モードおよびLP11モードの2モードで光を伝搬できる。また、波長1550nmの特性として、LP01モードの有効コア断面積を120μm以上に拡大でき、かつLP01モードおよびLP11モードの曲げ損失が小さくなる。なお、第2高次伝搬モードであるLP21モードの実効屈折率neff(LP21)については、クラッド部80の屈折率nより小さい値とすれば、LP21モードは漏洩モードとなるので、LP01モードおよびLP11モードの2モードのみが伝搬モードとなり好ましい。
一方、図3は、図1に示すマルチコア光ファイバ100において3モードで伝搬する場合の屈折率分布を示す図である。図3の場合は、第2高次伝搬モードであるLP21モードのneff(LP21)とクラッド部80の屈折率nとの差をΔnとすると、Δnを0.0002以上となるようにしている。
このように、LP21モードの実効屈折率neff(LP21)を、クラッド部80の屈折率nよりも0.0002以上大きくすれば、マルチコア光ファイバ100は、曲げ損失およびマイクロベンド損失を抑制しながら、LP01モード、LP11モード、およびLP21モードの3モードで光を伝搬できる。また、波長1550nmの特性として、LP01モードの有効コア断面積を120μm以上に拡大でき、かつLP01モード、LP11モード、およびLP21モードの曲げ損失が小さくなる。なお、第3高次伝搬モードであるLP02モードの実効屈折率neff(LP02)については、クラッド部80の屈折率nより小さい値とすれば、LP02モードは漏洩モードとなるので、LP01モード、LP11モード、およびLP21モードの3モードのみが伝搬モードとなり好ましい。
なお、屈折率分布を決定するプロファイルパラメータについては、比屈折率差Δ1が0.2%〜0.5%であり、比屈折率差Δ2が−0.5%以上で0%より小さく、中心コア部直径2aが14μm〜19μmであり、Raが1より大きく4以下であれば、上記の2モードまたは3モードでの伝搬を実現できる。さらに、外周コア部外径2bについては、30μm〜70μmであることが好ましい。
以下、所望の数のモードで伝搬させる場合の好ましいプロファイルパラメータについて、有限要素法によるシミュレーションを用いた計算結果を参照して説明する。
図4は、図1に示す構成のマルチコア光ファイバ100において、比屈折率差Δ2を変化させた場合の、比屈折率差Δ1と波長1550nmでの実効屈折率neffとの関係を示す図である。なお、実効屈折率neffはLP11モードとLP21モードとについて示している。また、Raの値は3に固定した。また、中心コア部直径2aは、LP01モードの有効コア断面積Aeffが170μmになるように調整した。
図4に示す領域Aのように、LP21モードのneffが1.44439(石英ガラスの屈折率)以下であり、かつLP11モードのneffが1.4460以上となるΔ1の範囲が存在する。この範囲では、LP21モードが漏洩モードとなるため、2モードでの伝搬が可能となる。また、この領域Aの範囲は、Δ2にはあまり依存しないことが分かる。図4では、Δ1が0.3%近傍の値の場合に、好ましいneffとなることが分かる。また、あらゆるプロファイルパラメータの組み合わせについて計算を行ったところ、Δ1が0.2%〜0.5%の場合に、2モードでの伝搬が可能となるプロファイルパラメータの組み合わせが存在することが確認された。
図5は、比屈折率差Δ2と曲げ損失またはLeakage損失(漏れ損失)との関係を示す図である。なお、図5において、Δ1は0.3%に固定し、Raは3に固定した。また、中心コア部直径2aは、LP01モードの有効コア断面積Aeffが170μmになるように調整した。
図5に示すように、Δ2が大きくなるにつれて、LP11モードの曲げ損失が大きくなる。図5の場合は、Δ2が−0.02%よりも小さい場合はLP11モードの曲げ損失が50dB/m以下となるので好ましい。また、Δ2が−0.05%よりも小さい場合はLP11モードの曲げ損失が10dB/m以下となるのでより好ましい。また、あらゆるプロファイルパラメータの組み合わせについて計算を行ったところ、Δ2が0%より小さい場合に、LP11モードの曲げ損失が50dB/m以下となるプロファイルパラメータの組み合わせが存在することが確認された。
一方、Δ2を小さくすると、LP21モードのLeakage損失が小さくなるので、LP21モードが伝搬する場合がある。図5の場合は、Δ2が−0.14%以上の場合はLP21モードのLeakage損失が1dB/m以上となるので好ましい。また、Δ2が−0.12%以上の場合はLeakage損失が10dB/m以上となるのでより好ましい。また、あらゆるプロファイルパラメータの組み合わせについて計算を行ったところ、Δ2が−0.5%以上の場合に、LP21モードのLeakage損失が好ましい1dB/m以上となるプロファイルパラメータの組み合わせが存在することが確認された。
図6は、Raと曲げ損失またはLeakage損失との関係を示す図である。なお、図6において、Δ1は0.3%に固定し、Δ2は−0.1%に固定した。また、中心コア部直径2aは、LP01モードの有効コア断面積Aeffが170μmになるように調整した。
図6に示すように、Raが小さくなるにつれて、LP11モードの曲げ損失が大きくなる。図6の場合は、Raが1.2より大きい場合はLP11モードの曲げ損失が50dB/m以下となるので好ましい。また、Raが2以上の場合はLP11モードの曲げ損失が10dB/m以下となるのでより好ましい。また、あらゆるプロファイルパラメータの組み合わせについて計算を行ったところ、Raが1より大きい場合に、LP11モードの曲げ損失が50dB/m以下となるプロファイルパラメータの組み合わせが存在することが確認された。
一方、Raを大きくすると、LP21モードのLeakage損失が小さくなるので、LP21モードが伝搬する場合がある。図6の場合は、Raが3以下の場合はLP21モードのLeakage損失が1dB/m以上となるので好ましい。また、Raが2.2以下の場合はLeakage損失が10dB/m以上となるのでより好ましい。また、あらゆるプロファイルパラメータの組み合わせについて計算を行ったところ、Raが4以下の場合に、LP21モードのLeakage損失が1dB/m以上となるプロファイルパラメータの組み合わせが存在することが確認された。
なお、図4〜図6において、中心コア部直径2aは、LP01モードの有効コア断面積Aeffが170μmになるように調整した。このとき、中心コア部直径2aが15μm〜19μmの場合に、Aeffを170μmにすることができた。また、外周コア部外径2bが15μmより大きければLP11モードの曲げ損失が50dB/m以下にすることができ、76μm以下であればLP21モードのLeakage損失を1dB/m以下にすることができるので好ましい。
また、Aeffについては、130μm以上であれば非線形性が低いので好ましい。また、170μm以下であればマイクロベンド損失が小さくなり、かつ他の光ファイバとの接続性も良好になるので好ましい。
以上説明したように、Δ1が0.2%〜0.5%であり、Δ2が−0.5%以上で0%より小さく、中心コア部直径2aが14μm〜19μmであり、Raが1より大きく4以下であれば、Aeff、曲げ損失、Leakage損失の観点から良好な特性の光ファイバを実現できることが確認された。
図7は、2モードを伝搬する場合の光ファイバのプロファイルパラメータとLP01モードの光学特性とを示す図である。図8は、図7に示す光ファイバのLP11モードおよびLP21モードの光学特性を示す図である。
図7、8の項目において、たとえば「No.130−1」、「No.130−2」等は、LP01モードの有効コア断面積Aeffが130μm〜139μmの間になるようにプロファイルパラメータを選択した計算例を示すものである。また、「分散」は波長分散[単位:ps/nm/km]を意味し、「スロープ」は分散スロープ[単位:ps/nm/km]を意味し、「MFD」はモードフィールド径[単位:μm]を意味している。Δ1、Δ2の単位は[%]、2a、2bの単位は[μm]、Aeffの単位は[μm]、曲げ損失の単位は[dB/m]である。また、曲げ損失等の値において、「E」は10のべき乗を表す記号であり、たとえば「1.4E−09」は「1.4×10−9」を意味する。また、光学特性については、いずれも波長1550nmでの値である。
図7、図8に示すプロファイルパラメータは、Δ1が0.2%〜0.5%であり、Δ2が−0.5%以上で0%より小さく、中心コア部直径2aが14μm〜19μmであり、Raが1より大きく4以下である。これによって、LP11モードのneffはクラッド部の屈折率であるn(=1.44439)よりも0.0002以上大きくなり、2モードでの伝搬が実現されるとともに、Aeff、曲げ損失、Leakage損失の観点から良好な特性が実現されている。
図9は、3モードを伝搬する場合の光ファイバのプロファイルパラメータとLP01モードの光学特性とを示す図である。図10は、図9に示す光ファイバのLP11モード、LP21モード、およびLP02モードの光学特性を示す図である。
図9、図10に示すプロファイルパラメータは、Δ1が0.2%〜0.5%であり、Δ2が−0.5%以上で0%より小さく、中心コア部直径2aが14μm〜19μmであり、Raが1より大きく4以下である。3モード伝搬に特に適した範囲は、例えば、△1が0.36%〜0.50%、△2が−0.5%以上で−0.05%より小さく、Raが1より大きく4以下で、2aが14.9μm〜17.3μmである。一方、2モードに適した範囲は、例えば、△1が0.2%〜0.45%、△2が−0.2%以上で0%より小さく、Raが1より大きく4以下で、2aが14μm〜19μmである。
これによって、LP21モードのneffはクラッド部の屈折率であるn(=1.44439)よりも0.0002以上大きくなり、3モードでの伝搬が実現されるとともに、Aeff、曲げ損失、Leakage損失の観点から良好な特性が実現されている。
図11、図12は、それぞれLP01モード、LP11モードのフィールド分布を示す図である。矢印の向き、大きさはそれぞれフィールドの向き、大きさを示している。なお、図11、12は、いずれもAeffが150μmになるようにプロファイルパラメータを設定した場合を示している。
図11に示すように、LP01モードは中心にフィールドを有するガウシアン形状になっている。一方、図12に示すように、LP11モードは中心にフィールド分布を有さないドーナツ型となっている。このため、各伝搬モードのフィールドは互いの干渉が抑制される。したがって、マルチコア光ファイバ100に2つの信号光を入射する際に、2つの信号が2つの伝搬モードのそれぞれで伝搬するように入射して伝搬させれば、互いに干渉が少ない2モード光伝送が可能になる。また、LP21モードは、LP11モードと同様に、中心にフィールド分布を有さず、その周囲で高強度のフィールド分布となっている。ただし、LP11モードとLP21モードとでは、フィールド分布の形状は互いに異なっている。したがって、LP01モード、LP11モード、およびLP21モードは、お互いの干渉が抑制される。一方、LP02モードは中心およびその周囲の両方でフィールドの強度が高いため、他のLP01モード、LP11モード、LP21モードの全てと干渉するおそれがある、したがって、上記の4つのモードがマルチコア光ファイバを伝搬してきた場合には、他の伝搬モードとは異なり、LP02モードだけを選択的に取り出すことは困難である。
つぎに、このマルチコア光ファイバ100の光のクロストークについて具体的に説明する。マルチコア光ファイバ100の2つのコア部(たとえばコア部10、20)が平行に存在するような導波路構造における、コア部間の光の干渉の大きさは、モード結合理論によって表される。すなわち、一方のコア部10に入射した光のうち、このコア部10を伝送する間にモード結合によって他方のコア部20に乗り移る光のパワーPwは、伝送距離zと、2つのコア部間のモード結合定数χとを用いて、下記式(3)で計算することができる。
Pw=f×sin(χz) ・・・ (3)
ここで、コア部10とコア部20とで、プロファイルパラメータが同一の場合は、f=1である。したがって、z=π/(2χ)のときに、Pw=1となり、光のパワーの100%が一方のコア部から他方のコア部に乗り移ることとなる。このように光のパワーの100%が乗り移るまでの伝送距離は結合長Lと呼ばれる。すなわち、L=π/(2χ)である。なお、このモード結合定数χは、各コア部10、20のプロファイルパラメータおよびコア部10、20の離隔距離により定まる。ここで、コア部間の離隔距離とは、各コア部の中心間の離隔距離のことである。
ここで、各コア部10、20のプロファイルパラメータと、所望の全長とに対して、モード結合定数χが3.16×10−7/mになるように、コア部10とコア部20との離隔距離を設定すれば、上記所望の全長において、コア部間のクロストークが−30dB以下となり、2つのコア部10、20を伝搬する光のクロストークが十分に小さいものとなる。
なお、このマルチコア光ファイバ100では、コア部10に関しては、隣接するコア部はコア部20〜70であり、その数は6である。一方、各コア部20〜70に関しては、隣接するコア部の数は3であり、残りの3つのコア部は、隣接する3つのコア部よりも大きく離隔している。ここで、コア部間のクロストークは、離隔距離が大きくなるにつれて急激に減少するので、隣接するコア部とのクロストークのみを考慮すればよい。
また、このマルチコア光ファイバ100では、2以上の伝搬モードで光を伝搬するので、各伝搬モード間での光のクロストークを考慮する必要がある。
つぎに、マルチコア光ファイバ100において、隣接するコア部のプロファイルパラメータが同一である場合(同種コア部の場合)、これらの隣接する同種コア部間での光のクロストークの計算結果について説明する。
図13は、2モードを伝搬する場合の同種コア部間における、コア部間の離隔距離(コア間距離)と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図14は、図13に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。なお、コア部のプロファイルパラメータは、図7のNo.150−1に示したプロファイルパラメータを用いた。図13、14において、たとえば「LP01−LP01」とは、隣接する同種コア部のLP01モード同士の光のクロストークを意味する。
ここで、コア間距離は、光の結合が最も大きく、クロストークが最も大きい伝搬モード間に対して、所望のクロストークを実現するように決定しなければならない。そのようにすると、他の伝搬モード間でのクロストークは所望の値を満たすこととなる。図13、14に示す場合は、LP11モード同士の光の結合が大きいため、伝送距離100km(1.0E+05m)でのLP11モード同士のクロストークを−30dBにするために、コア間距離を約89.3μm以上のたとえば約90μmとすればよい。この場合はコア間距離を100μm以下とすることができる。
つぎに、図13、14の場合とは有効コア断面積が異なるコア部のプロファイルパラメータを用いた場合について検討を行った。図15は、2モードを伝搬する場合の同種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図16は、図15に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。コア部のプロファイルパラメータは、図7のNo.130−1に示したプロファイルパラメータを用いた。
図15、16に示す場合も、図13、14の場合と同様に、LP11モード同士のクロストークが大きかった。また、伝送距離100kmでのLP11モード同士のクロストークを−30dBにするために、コア間距離を、100μm以下の約87μmとすればよいことが確認された。
図17は、2モードを伝搬する場合の同種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図18は、図17に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。コア部のプロファイルパラメータは、図7のNo.170−1に示したプロファイルパラメータを用いた。
図17、18に示す場合も、図13〜図16の場合と同様に、LP11モード同士のクロストークが大きかった。また、伝送距離100kmでのLP11モード同士のクロストークを−30dBにするために、コア間距離を、100μm以下の約90μmとすればよいことが確認された。
図13〜図18に示す結果から、いずれもLP11モード同士のクロストークが大きかった。また、LP01モードの有効コア断面積Aeffを約130μm〜170μmの範囲で変更しても、必要なコア間距離に大きな変化はなかった。
ところで、マルチコア光ファイバ100の場合は、コア間距離を90μmとし、かつコア部20〜70の外周とクラッド部80の外周との距離を60μmとする場合は、クラッド部80の外径を300μm以上にしなければならない。なお、コア部20〜70の外周とクラッド部80の外周との距離を60μmとするのは、この距離が小さすぎると、曲げ損失が大きくなるが、60μmであれば曲げ損失が増大しないためである。非特許文献1にはこのように外径が大きい光ファイバの信頼性の議論がなされており、このような信頼性の議論を行うことによって外径が大きい光ファイバを使用することができる。しかしながら、より確実に信頼性を確保するためには、コア間距離を小さくして外径が小さいマルチコア光ファイバを実現することが好ましい。
そこで、コア間距離を小さくするために、マルチコア光ファイバ100に含まれるコア部をプロファイルパラメータが互いに異なる異種コア部とし、上記と同様に、コア間距離と伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを計算した。
図19は、2モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図20は、図19に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。図19、20では、隣接するコア部のプロファイルパラメータは、図7のNo.130−1および130−2に示したプロファイルパラメータをそれぞれ用いた。
同様に、図21は、2モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図22は、図21に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。図21、22では、隣接するコア部のプロファイルパラメータは、図7のNo.150−1および150−2に示したプロファイルパラメータをそれぞれ用いた。
さらに、図23は、2モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図24は、図23に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。図23、24では、隣接するコア部のプロファイルパラメータは、図7のNo.170−1および170−2に示したプロファイルパラメータをそれぞれ用いた。
なお、図19〜図24において、たとえば図19、20の「130−1=>130−2」とは、No.130−1のプロファイルパラメータを有するコア部に光を入れた場合のNo.130−2のプロファイルパラメータを有するコア部の光のクロストークを考慮したことを示している。
図19〜図24に示すように、隣接するコア部として異種コア部を採用した場合も、LP11モード同士が最もクロストークが大きかった。また、伝送距離100kmでのLP11モード同士のクロストークを−30dBにするために、コア間距離を、約50μm〜55μmとすればよく、60μm以下とすることができることが確認された。この結果は、図13〜図18に示す同種コア部の場合の約90μmのコア間距離を比較して、異種コア部の採用によってコア間距離を約35μm〜40μmだけ減少することができることを示している。そして、マルチコア光ファイバ100の外径としては約70μm〜80μmだけ減少することができ、実用上非常に好ましい。
図19〜図24では、隣接するコア部同士は異種コア部であるものの、互いの有効コア断面積が3μm以内であった。そこで、つぎに、互いの有効コア断面積が10μm以上異なる異種コア部の場合について計算した。
図25は、2モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図26は、図25に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。図25、26では、隣接するコア部のプロファイルパラメータは、図7のNo.130−1および150−1に示したプロファイルパラメータをそれぞれ用いた。
同様に、図27は、2モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図28は、図27に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。図27、28では、隣接するコア部のプロファイルパラメータは、図7のNo.130−1および170−1に示したプロファイルパラメータをそれぞれ用いた。
さらに、図29は、2モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図30は、図29に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。図29、30では、隣接するコア部のプロファイルパラメータは、図7のNo.150−1および170−1に示したプロファイルパラメータをそれぞれ用いた。
図25〜図30に示すように、隣接する異種コア部の有効コア断面積を10μm以上異なるようにすることによって、伝送距離100kmでのLP11モード同士のクロストークを−30dBにするためのコア間距離を、さらに小さい50μm以下程度とすることができることが確認された。このように、隣接する異種コア部の有効コア断面積を10μm以上異なるようにすることによって、コア間距離およびマルチコア光ファイバ100の外径をさらに小さくすることができる。
なお、マルチコア光ファイバ100において、たとえば3種類の異種コア部を配置する際は、7つのコア部を、コア部10と、コア部20、40、60の組と、コア部30、50、70の組とに分類して、各組内では同種コア部であり、各組間では異種コア部であるように、各コア部のプロファイルパラメータを設定すればよい。これによって、互いに最も隣接するコア部同士は異種コア部となるので、コア間距離を小さくでき、その結果7つのコア部を高密度に配置することができる。
つぎに、マルチコア光ファイバ100において、3モードを伝搬する場合の、同種コア部間での光のクロストークの計算結果について説明する。
図31は、3モードを伝搬する場合の同種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図32は、図31に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。なお、コア部のプロファイルパラメータは、図9のNo.130−1に示したプロファイルパラメータを用いた。
図33は、3モードを伝搬する場合の同種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図34は、図33に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。なお、コア部のプロファイルパラメータは、図9のNo.150−1に示したプロファイルパラメータを用いた。
図35は、3モードを伝搬する場合の同種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図36は、図35に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。なお、コア部のプロファイルパラメータは、図9のNo.150−2に示したプロファイルパラメータを用いた。
図31〜図36に示すように、3モードの場合は、LP21モード同士のクロストークが大きかった。また、コア間距離を100μmまで大きくしても、LP21モード同士のクロストークを−30dBにする場合は、伝送距離は100m程度の短距離にしかならないことが確認された。この場合は、マルチコア光ファイバ100の外径を300μm以上にしなければならないので、信頼性や光ファイバの取り扱い性が問題となり得る。
そこで、2モードの場合と同様に、3モードの場合についても、マルチコア光ファイバ100に含まれるコア部を異種コア部とし、コア間距離と伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを計算した。
図37は、3モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図38は、図37に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。図37、38では、隣接するコア部のプロファイルパラメータは、図9のNo.150−1および150−2に示したプロファイルパラメータをそれぞれ用いた。
同様に、図39は、3モードを伝搬する場合の異種コア部間における、コア間距離と、伝搬モード間の光のクロストークが−30dBになる伝送距離とを示す図である。図40は、図39に示したコア間距離と伝送距離との関係を示す図である。図39、40では、隣接するコア部のプロファイルパラメータは、図9のNo.130−1および150−2に示したプロファイルパラメータをそれぞれ用いた。すなわち、図39、40では、互いの有効コア断面積が10μm以上異なる異種コア部を用いた。
図37〜図40に示すように、隣接するコア部として異種コア部を採用した場合も、LP21モード同士が最もクロストークが大きかった。また、図37、38の場合は、伝送距離100kmでのLP21モード同士のクロストークを−30dBにするために、コア間距離を、90μm以下の約80μmとすればよいことが確認された。さらに、図39、40の場合は、コア間距離を約75μmとすればよいことが確認された。この結果は、図31〜図36に示す同種コア部の場合のコア間距離と比較して、異種コア部の採用によってコア間距離を約75μm〜80μmの実用的な値まで減少することができることを示している。そして、マルチコア光ファイバ100の外径も300μmより小さくすることができ、実用上非常に好ましい。
以上説明したように、隣接するコア部を異種コア部とすることによって、コア間距離を大幅に減少させることができる。
なお、隣接するコア部を異種コア部とする場合は、隣接する異種コア部間において光のクロストークが最も大きい伝搬モードの実効屈折率が、0.00005以上、さらに好ましくは0.00015以上の差を有するように、各コア部のプロファイルパラメータを設定することが好ましい。光のクロストークが最も大きい伝搬モードとは、上述したように2モードの場合はたとえばLP11モード同士である。3モードの場合はたとえばLP21モード同士である。
図41は、2モードで伝搬する場合において、隣接するコア部間の実効屈折率neffの差と、伝搬モード(LP01モード)間の光のクロストークが伝送距離100kmで−30dBとなる場合のコア間距離との関係を示す図である。なお、図41は、図13〜図30に示したデータに基づいている。
図41に示すように、実効屈折率neffの差を0.00005以上にすれば、必要なコア間距離を大幅に減少させることができ、0.00015以上にすればコア間距離をさらに減少させることができる。なお、3モード伝搬の場合についても同様な調査をおこなった。すると、3モード伝搬の場合も、光のクロストークが最も大きい伝搬モードであるLP21モードの実効屈折率が0.00005以上、さらに好ましくは0.00015以上の差を有するように、異種コア部の各プロファイルパラメータを設定することで、必要なコア間距離を大幅に減少させることができることが確認された。
つぎに、LP01モードとLP11モードの2つのモードを伝播するための7コア型のマルチコア光ファイバを作製した。はじめに、実施の形態1の構成のマルチコア光ファイバの構造において、Δ1が0.332%、Δ2が−0.084%、Raが1.92の光ファイバ母材を製造した。これらのΔ1、Δ、Raの場合、LP01モードの有効コア断面積Aeffが170μmになるような中心コア部直径2aは、17.0μmである。そこで、2aを17.0μmとしてシミュレーション計算を行ったところ、波長1550nmにて図42に示す特性が得られた。
マルチコア光ファイバの作製の前に、上記の製造した光ファイバ母材の一部を用いて、光ファイバの中心軸近傍に1つのコア部を有するシングルコア光ファイバを製造した。製造したシングルコア光ファイバのクラッド径は125μmであり、長さは1.5kmであった。図43は、製造したシングルコア光ファイバのLP01モードおよびLP11モードの波長1550nmでの光学特性を示す図である。図43に示す光学特性は、シミュレーション計算で得られた図42の特性と同等の特性であった。作製したマルチコア光ファイバを曲げ半径R=140mmのボビンに60gf(グラム重)の張力で巻き、光学特性の評価を行った。
LP01モードはコア部の中心に、中心を合わせた高非線形光ファイバ(Aeff=13μm)で波長1550nmの光を入射して励振を行った。LP11モードは、同じ高非線形光ファイバでコア部の中心から高非線形光ファイバの中心を6μmシフトさせて光を入射して励振を行った。調芯位置(シフト量)を変えていったときの励振フィールドの変化を図44に示す。横軸はコア部の中心からの位置を示している。図44に示すように、LP11モードの励振に6μmシフトを用いた理由は、モード分離と結合効率(受光パワー)のバランスを考えた結果である。すなわち、シフト量が6μmであれば、2つのモードの分離が十分であり、かつLP11モードへの結合効率や測定時の受光パワーが十分である。
図45は、1つのコア部内での、LP01モードの光とLP11モードの光とのクロストークXT(コア内クロストーク)とシフト量との関係を示す図である。なお、コア内クロストークとは、同一コア内において、中心に光のフィールドを入射した状態での、コアの中心パワーと、シフトさせた位置の中心にコア中心から乗り移ってくる光パワーとのクロストークである。以下では、コア内クロストークとして、シフト量が6μmの場合の値を用いる。したがって、製造したシングルコア光ファイバのLP01モードの光とLP11モードの光とのコア内クロストークは−11.32dBであった。
つぎに、図42に示したパラメータを用いて、曲げを考慮に入れたモード結合理論をベースに、マルチコア光ファイバの設計を行った。図46は、設計に利用したマルチコア光ファイバの模式的な断面図である。このマルチコア光ファイバ100Bは、図1に示すマルチコア光ファイバ100のクラッド部80に、コア部を特定するためのマーカ81を形成したマルチコア光ファイバ100Aに樹脂の被覆90を形成したものである。クラッド厚(Tclad)は、従来の光ファイバにほぼ匹敵する59.5μmに設定し、ターゲットのクラッド径は、245μm、被覆径は380μmと設定した。
最初に、パワー結合理論で、曲げを考慮に入れない計算を行なったところ、LP01モードとLP11モードとの間の干渉(LP01−LP11干渉)は、LP01−LP01干渉やLP11−LP11干渉に比べてずっと小さい事が分かった。そこで、LP01−LP01干渉およびLP11−LP11干渉によるクロストークだけを詳細に調べることとした。コア間距離Λ(図46参照)と伝送距離L(隣接する2つのコア間のクロストークが−30dBになるマルチコア光ファイバの長さ)との関係を、曲げ半径を20mmから140mmまで変化させて調査した結果を図47、図49に示す。図49においてRが曲げ半径である。図47から、伝送距離として100,000km(1.0E+5km)となるのに必要なコア間距離は、LP11−LP11干渉により決定され、63μm程度であることが分かった。また、伝送距離として10,000km(1.0E+4km)となるのに必要なコア間距離は60μm程度であることが分かった。また、クロストークの最悪値(中央のコア部がその周囲のすべての他の6個のコア部から干渉を受ける場合のクロストークの値)のコア間距離Λと伝送距離Lとの関係のシミュレーション結果を図48、50に示す。なお、図48では、曲げ半径を140mmとしている。図48、50の場合でも、コア間距離を63μmに設定しておけば、伝送距離を50000kmとすることが可能である。また、コア間距離を60μmに設定しておけば、伝送距離を2500kmとすることが可能である。また、曲げ半径が180mm以下でも良好なクロストークが得られたので、このマルチコア光ファイバを実使用のために光ケーブルの状態とし、その際に曲げが加わっても、クロストークは問題のない良好な値のままであると考えられる。
なお、図51は、光ファイバの長さとクロストークとの関係を示す図である。図51では、隣接するコア部間(たとえば図1、46でのコア部10とコア部60)のLP01−LP01干渉およびLP11−LP11干渉についてのクロストークの値(理論値)と、2番目に近い距離で隣接する(第二隣接する)コア部間(たとえば図1でのコア部40とコア部60、コア部40とコア部20等)のLP01−LP01干渉およびLP11−LP11干渉についてのクロストークの値(理論値)とを示している。たとえば、光ファイバの長さが10,000kmの場合は、第二隣接のクロストークは−120dB以下であり、十分に無視できる小さい量である。また、隣接のクロストークは、長さが1kmで約−70dB、100kmで約−50dBである。
上記のシミュレーションの結果を参考に、図46に示す構成のマルチコア光ファイバを作製した。図52は、作製したマルチコア光ファイバの断面を示す図である。作製したマルチコア光ファイバのコア間距離は、60.5μm−62.5μm程度であった。また、1.0kmのマルチコア光ファイバの長手でのファイバ径(クラッド径)は、240−245μmであった。作製したマルチコア光ファイバをR=140mmのボビンにファイバ径125μm換算で30gfの張力で巻き、光学特性の評価を行った。
図44の場合と同様に、LP01モードは各コア部の中心に、中心を合わせた高非線形光ファイバ(Aeff=13μm)で光を入射して励振を行った。LP11モードは、同じ高非線形光ファイバで各コアの中心から高非線形光ファイバの中心を6μmシフトさせて光を入射して励振を行った。調芯位置(シフト量)を変えていったときの励振フィールドの変化を図53に示す。横軸はコア部の中心からの位置を示している。
図54は、Core1〜Core7(図52参照)の特性評価結果を示す図である。Aeffは170−190μm(LP01モード)、270−281μm(LP11モード)程度であり、図42に示すシミュレーションと同様の傾向にある。曲げ損失は、LP01モードは0.4dB/m以下、LP11モードは2.0dB/m以下と、十分に小さい値であった。波長1550nmの伝送損失は、約1.2dB/km(LP01モード)、約1.0dB/km(LP11モード)[Core1]、約1.7dB/km(LP01モード)、1.3dB/km(LP11モード)[Core2]であった。また、中央のコア部(Core1)のみ波長分散の測定を行ったところ、LP01モードが23.03ps/nm/km、LP11モードが24.96ps/nm/kmであった。
続いて、図55に示す測定系を用いて、R=140mmの場合のコア間のクロストーク(XT)特性の測定を行った。図55において、符号200は測定するマルチコア光ファイバ、符号1は波長1550nmの光源、符号2、3は高非線形光ファイバ、符号4は光パワーメータである。LP01−LP01干渉のクロストークは、Core1の中心に光源1からの光(図中の符号L1で示す光のうち、Core1 LP01)を入射し、Core1の中心から出てくる光(符号L2で示す光のうち、Core1 LP01)のパワー(P1−01)と、Core2の中心から出てくる光(Core2 LP01)のパワー(P2−01)との比を取ることで測定された。LP11−LP11干渉のクロストークは、高非線形光ファイバ2のシフト量を6μmとしてCore1に光(Core1 LP11)を入射したときの、Core1とCore2との中心から6μmシフトさせた位置から出射される光(Core1 LP11、Core2 LP11)のパワー(P1−11、P2−11)の比をとることで測定された。また、LP01−LP11干渉のクロストークも、Core1の中心に光を入射して、Core1の中心から出射される光のパワーとCore2の6μmシフトの位置から出射される光のパワーとの比をとることで測定された。
なお、光源1からの光は空間入射で入射した。
マルチコア光ファイバ200の長さを1.0kmとしたときの1.0km伝搬後のクロストークの測定結果を図56に示す。図56から明らかなように、LP11−LP11干渉のクロストークの値は、−57dB程度であり、十分に小さい値が得られた。また、LP01−LP01干渉のクロストーク、LP01−LP11干渉のクロストークは、光パワーメータ4の測定限界に近い値が得られており、実際のクロストークはさらに小さい値であると考えられる。以上、マルチコア光ファイバ200のクロストークは、いずれの伝搬モードにおいても十分に小さい値であることが確認された。
さらに、図55に示す測定系を用いて、ファイバ径125μm換算で巻き張力が30gfまたは60gf、R=140mmの場合のコア間およびコア内のクロストーク特性の測定を行った。図56の場合と同様に、マルチコア光ファイバ200の長さを1.0kmとしたときの1.0km伝搬後のクロストークの測定を行った。
ただし、光源1からの光は空間入射ではなく、直接入射した。このように空間入射ではなく、直接入射とすることで、より安定した測定結果を得ることができる。したがって、以降の測定では、直接入射を採用している。
図57は、クロストークの測定結果を示す図である。図57において、たとえば巻き張力が30gfの場合のCore1のLP01モードとCore2のLP01モードとの干渉のコア間クロストークは−63.3dBである。また、たとえば「Within Core1」とは、Core1のLP01−LP11干渉のコア内クロストークを意味し、その値は−9.3dBである。
図57に示すように、コア間クロストークはいずれの場合も−50dB以下と小さかった。また、巻き張力が30gfの場合のCore1のコア内クロストークは−9.3dB、巻き張力が60gfの場合のCore1、Core2のコア内クロストークはそれぞれ−2.0dB、−4.4dBであった。
(実施の形態2)
図58は、本実施の形態2に係るマルチコア光ファイバの模式的な断面図である。図58に示すように、このマルチコア光ファイバ300は、19個のコア部310と、各コア部310の外周に位置するクラッド部380と、を備えている、19コア型のマルチコア光ファイバである。
19個のコア部310は、三角格子状に配列しており、そのうちの1個はマルチコア光ファイバ300の中心軸の近傍に位置し、その他のコア部は、中心軸に対して二重の同心の正六角形を形成するように配置している。また、コア部310は、中心コア部301と、中心コア部301の外周に形成された外周コア部302とを備えている。中心コア部301、外周コア部302、およびクラッド部380の構成材料は、実施の形態1に係るマルチコア光ファイバ100の対応する構成要素の構成材料と同様である。また、クラッド部380には、コア部310を特定するためのマーカ381が形成されている。また、Λ1は、隣接するコア部310間の距離であり、Λ2は、第二隣接のコア部310間の距離である。
このマルチコア光ファイバ300においても、マルチコア光ファイバ100と同様に、外周コア部302の屈折率がクラッド部380の屈折率よりも低く、図2または図3に示されるようないわゆるW型の屈折率分布を有している。コア部310の屈折率分布は、マルチコア光ファイバ100のコア部10の屈折率分布と同様に設定でき、2以上の所定数の伝搬モードのみで光を伝搬し、かつ各伝搬モードでの波長1550nmにおける有効コア断面積が120μm以上となるように設定されている。
たとえば、クラッド部380に対する中心コア部301の比屈折率差Δ1が0.2%〜0.5%であり、クラッド部380に対する外周コア部302の比屈折率差Δ2が−0.5%以上で0%より小さく、中心コア部直径2aが14μm〜19μmであり、外周コア部外径2bと中心コア部直径2aとの比であるRaが1より大きく4以下であれば、実施の形態1と同様に2モードまたは3モードでの伝搬を実現でき、かつ、Aeff、曲げ損失、Leakage損失の観点から良好な特性となる。さらに、外周コア部外径2bについては、30μm〜70μmであることが好ましい。
つぎに、7コア型のマルチコア光ファイバの場合と同様に、LP01モードとLP11モードの2つのモードを伝播するための19コア型のマルチコア光ファイバを作製した。はじめに、実施の形態2の構成のマルチコア光ファイバの構造において、Δ1が0.332%、Δ2が−0.084%、Raが1.92の光ファイバ母材を製造した。これらのΔ1、Δ、Raの場合、LP01モードの有効コア断面積Aeffが170μmになるような中心コア部直径2aは、17.0μmである。そこで、2aを17.0μmとしてシミュレーション計算を行ったところ、波長1550nmにて図42に示す特性と同様の特性が得られた。
つぎに、図42に示したパラメータを用いて、曲げを考慮に入れたモード結合理論をベースに、マルチコア光ファイバの設計を行った。ターゲットのクラッド径は440μm、被覆径は530μmと設定した。また、コア間距離は60μmと設計した。
図59は、作製したマルチコア光ファイバの断面を示す図である。作製したマルチコア光ファイバは長さが120mであった。また、コア間距離は、長手方向の36箇所で測定したところ、平均で60.7μm程度、標準偏差が1.67μm程度であった。また、長手でのファイバ径(クラッド径)は、長手方向で約430−445μmであった。作製したマルチコア光ファイバをR=140mmのボビンに10gfの張力で巻き、波長1550nmでの光学特性の評価を行った。
図60は、Core1、2、8、9、19(図59参照)の特性評価結果を示す図である。なお、図60に示す曲げ損失は、曲げ径30mmで曲げたときのマクロの曲げ損失である。図60に示すように、曲げ損失、Aeffとも図54に示す7コア型の場合の値よりも大きい値であったが、実用上問題ない程度の値であった。また、マルチコア光ファイバを直線状にして置いた場合の伝送損失は、図60に示す各コア部について1〜2dB/kmであった。
つぎに、Core1−Core2、Core2−Core8、Core1−Core19のそれぞれのコア間クロストークと、Core1、Core2、Core8のコア内クロストークを測定した。
図61は、クロストークの測定結果を示す図である。図61において、たとえばCore1のLP01モードとCore2のLP01モードとの干渉のコア間クロストークは−65.1dBである。Core2のLP01モードとCore8のLP11モードとの干渉のコア間クロストークは−59.0dBである。また、たとえば「Intra Core XT」とは、コア内クロストークを示しており、たとえばCore1のLP01−LP11干渉のコア内クロストークは−4.5dBである。図61に示すコア間クロストークを、図51の理論式を用いて長さが約10kmの場合の値に換算すると−30dB以下であった。したがって、このマルチコア光ファイバを用いれば、光信号を−30dB以下のクロストークで少なくとも10kmの距離だけ伝送できると考えられる。
図62は、上記で作製したシングルコア光ファイバ、7コア型マルチコア光ファイバ、および19コア型マルチコア光ファイバのLP01モード、LP11モードの光のフィールド分布を示す図である。このフィールド分布は各作製した光ファイバを2m伝搬した後の光のフィールド分布を示している。
なお、上記の各マルチコア光ファイバにおいて、各コア部のLP01モードは2つの偏波モードが縮退しており、LP01モードとLP21モードはそれぞれ4つの偏波モードが縮退している。上記の計算は、2つまたは4つの縮退したモードからそれぞれ偏波モードを1つずつ選択して計算を行ったものである。ただし、縮退した偏波モードの光学特性はほぼ同じである。したがって、上記の計算結果は、他の縮退した偏波モードに対しても適用できるので、この計算結果を利用すれば、モード多重だけでなく偏波モード多重をも利用した伝送方式に適した光ファイバを実現することが可能である。
また、上記実施の形態では、伝搬モードは2モードの場合はLP01モードおよびLP11モードであり、3モードの場合はLP01モード、LP11モード、およびLP21モードである。ただし、本発明はこれに限らず、所望の数の伝搬モードのみで光を伝搬できるマルチコア光ファイバであればよい。
また、上記実施の形態では、コア部のそれぞれの屈折率分布がW型であるが、本発明に係るマルチコア光ファイバの屈折率分布はこれに限定されず、単峰型プロファイル、階段型プロファイル、セグメントコア型プロファイル、トレンチ型プロファイル、W+サイドコア型プロファイル、リング型プロファイルなどのあらゆる屈折率分布を利用できる。以下、実施の形態1のマルチコア光ファイバのコア部をトレンチ型の屈折率分布とした実施の形態3に係るマルチコア光ファイバについて説明する。
(実施の形態3)
図63は、実施の形態3に係るマルチコア光ファイバのトレンチ型の屈折率分布を示す図である。コア部は、中心コア部と、中心コア部の外周に形成された内周コア層と、内周コア層の外周に形成された外周コア層とからなる。領域P4は中心コア部の屈折率分布を示している。領域P5は内周コア層の屈折率分布を示している。領域P6は外周コア層の屈折率分布を示している。領域P7はクラッド部の屈折率分布を示している。
ここで、クラッド部に対する中心コア部の比屈折率差をΔ1とし、クラッド部に対する内周コア層の比屈折率差をΔ2とし、クラッド部に対する外周コア層の比屈折率差をΔ3とする。比屈折率差Δ1、Δ2、Δ3は、以下の式(4)、(5)、(6)によって定義する。
Δ1={(n−n)/n}×100 [%] ・・・ (4)
Δ2={(n−n)/n}×100 [%] ・・・ (5)
Δ3={(n−n)/n}×100 [%] ・・・ (6)
ただし、nは中心コア部の最大屈折率を示し、nは内周コア層の屈折率を示し、nは外周コア層の屈折率を示し、nはクラッド部の屈折率を示す。上述したように、略n=nであるから、Δ2は略0%である。なお、略0%とは、Aeff等の光学特性に大きな影響を与えない−0.05%〜0.05%を意味する。たとえば、nは石英ガラスの屈折率ns(波長1550nmで1.44439)に等しい。
また、図63に示すように、中心コア部の直径を2a、内周コア層の外径を2b、外周コア層の外径を2cとする。また、内周コア層外径2bと中心コア部直径2aとの比であるb/aをRa2とする。外周コア層外径2cと中心コア部直径2aとの比であるc/aをRa3とする。中心コア部直径2aは、中心コア部と内周コア層との境界において比屈折率差Δ1が0%となる位置での径とする。また、内周コア層外径2bは、内周コア層と外周コア層との境界において、比屈折率差が0%となる位置での径とする。また、外周コア層外径2cは、外周コア層とクラッド部との境界において、比屈折率差が比屈折率差Δ3の1/2の値となる位置での径とする。
ここで、本実施の形態3に係るマルチコア光ファイバの基底伝搬モードであるLP01モードの実効屈折率をneff(LP01)とし、第1高次伝搬モードであるLP11モードの実効屈折率をneff(LP11)とする。この光ファイバでは、neff(LP11)とクラッド部の屈折率nとの差をΔnとすると、Δnを0.0005以上となるようにしている。
このように、本実施の形態3に係るマルチコア光ファイバのでは、第1高次伝搬モードであるLP11モードの実効屈折率neff(LP11)を、クラッド部12の屈折率nよりも0.0005以上大きくしている。これによって、このマルチコア光ファイバは、波長1550nmの特性として、LP01モードの有効コア断面積が120μm以上、かつLP11モードの有効コア断面積が170μm以上と大きくなり、かつLP01モードおよびLP11モードの両方の曲げ損失が小さくなる。
なお、neff(LP11)をnよりも0.0005以上大きくするには、たとえばΔ1を0.25%、Δ3を−0.3%、2a、2b、2cをそれぞれ15.5μm、31.0μm、46.5μm(すなわちRa2を2、Ra3を3)にすればよい。このように本実施の形態3に係るマルチコア光ファイバの構造パラメータを設定すると、neff(LP11)は1.446833となり、n(1.44439)よりも0.0005以上大きくなる。このとき、波長1550nmの特性として、LP01モードの有効コア断面積が170.49μm、曲げ損失が1.74×10−3dB/m、LP11モードの有効コア断面積が289.3μm、曲げ損失が4.74×10−1dB/mとなり、所望の特性が得られる。
また、本実施の形態3に係るマルチコア光ファイバの構造パラメータを上記のように設定した場合には、第2高次伝搬モードであるLP21の波長1550nmにおける実効屈折率neff(LP21)は、1.443498と石英ガラスの屈折率(1.44439)よりも小さくなる。その結果、このマルチコア光ファイバでは、波長1550nmにおいてLP21モードは漏洩モードとなり、LP01モードとLP11モードの、干渉が少ない2モードのみが伝搬モードとなる。
以上説明したように、本実施の形態3に係るマルチコア光ファイバは、使用するLP01モードとLP11モードについて、有効コア断面積が大きくかつ曲げ損失が小さく、かつ各伝搬モード間の干渉がきわめて少ないものとなる。
つぎに、有限要素法によるシミュレーションを用いた計算結果を参照して、本実施の形態3に係るマルチコア光ファイバの好ましい設計についてより具体的に説明する。
図64は、LP01モードの有効コア断面積を130μm近傍に設定する場合の構造パラメータおよび光学特性を示す図である。図65は、LP01モードの有効コア断面積を150μm近傍に設定する場合の構造パラメータおよび光学特性を示す図である。図66〜図68は、LP01モードの有効コア断面積を170μm近傍に設定する場合の構造パラメータおよび光学特性を示す図である。各図において、光学特性については、波長1550nmでの値である。
図64〜図68に示すように、比屈折率差Δ1が0.20%以上であり、比屈折率差Δ3が−0.5%以上で0%より小さく、中心コア部直径2aが12.0μm以上18.0μm以下であり、比Ra2が1より大きく4以下であり、比Ra3が2以上5以下であれば、LP01モードの有効コア断面積が120μm以上であり、LP11モードの有効コア断面積が170μm以上であり、かつ各伝搬モードでの曲げ損失が小さい光ファイバを実現できる。なお、曲げ損失については、LP11モードの曲げ損失が100dB/m以下であるような構造パラメータの組み合わせを選択することができる。
また、LP11モードのneffをさらに大きくし、好ましくはnよりも0.0010以上大きく(すなわちneff(LP11)=1.44539以上)、さらに好ましくは0.0016以上大きく(すなわちneff(LP11)=1.44599以上)にするのが良い。このようなneffは、たとえばΔ1を0.25%以上、より好ましくは0.3%以上とすれば実現できる。
一方、Δ1を0.35%未満にすることで、LP21モードのneffを石英ガラスの屈折率(1550nmでは1.44439)よりも小さくすることが可能となる。Δ1を0.35%未満に設定することで、LP01モードとLP11モードとの2モードでの光伝送が可能である。一方、図31のNo.170−31〜170−35では、Δ1は0.35%であるが、LP21モードのneffが、1.444713〜1.444726と、1.44439より大きくなっている。
つぎに、構造パラメータを、図66のNo.170−3に示すΔ1=0.25%、Ra2=2、Ra3=3、Δ3=−0.3%、2a=15.5μm、2b=31.0μm、2c=46.5μmに設定した場合について説明する。
図69〜図74は、曲げ半径Rを20mm〜180mmの範囲で変えた場合の、コア間距離と、隣接する2つのコア間のクロストークが−30dBになる伝送距離との関係を示す図である。なお、LP01−LP11干渉は非常に小さいことが分かったので、LP01−LP01干渉とLP11−LP11干渉とのクロストーク特性を詳細に調べている。図69〜図74に示すように、いずれの曲げ半径においても、LP11−LP11干渉が伝送距離の制限要因となっていた。そして、クロストークが−30dBになる伝送距離を100,000kmにするには、コア間距離を50μm〜52μmにする必要があり、伝送距離を10,000kmにするには、コア間距離を48μm〜50μmにする必要があることが分かった。
なお、このコア間距離は、図66のNo.170−3に示す構造パラメータを採用した場合であるが、他の構造パラメータを採用する場合にも、コア間距離を適切に設定することによって、クロストークが−30dBになる伝送距離を100,000kmまたは10,000km、あるいはその他の所望の距離にすることができる。
また、実施の形態3のトレンチ型プロファイルは、実施の形態2の19コア型のマルチコア光ファイバにも適用できる。
(実施の形態4)
図75は、実施の形態4に係る光伝送システムの模式的な構成図である。図75に示すように、この光伝送システム400Aは、光送信装置420と光受信装置440との間に、光伝送路としての実施の形態1に係る複数のマルチコア光ファイバ100と、複数のマルチコア光増幅器430Aとが交互に接続された構成を有している。
光送信装置420は、半導体レーザなどの光源を有する複数の光送信器(TX)を備え、LP01モード伝送用の信号光と、LP11モード伝送用の信号光を出力するものである。各信号光は、モード多重されてマルチコア光ファイバ100の各コア部に入力される。マルチコア光ファイバ100は、入力されたモード多重信号光を伝送する。
マルチコア光増幅器430Aは、マルチコア光ファイバ100によって伝送された信号光を光増幅してその伝送損失を補償するものである。マルチコア光増幅器430Aは、たとえばエルビウム添加光ファイバ増幅器やラマン増幅器などの光ファイバ増幅器の増幅用光ファイバをマルチコア光ファイバで構成したものを用いることができる。この増幅用マルチコア光ファイバの各コア部は、モード多重信号光を増幅できるように構成されている。または、マルチコア光増幅器430Aは、マルチコア光ファイバ100の各コア部を伝送してきたモード多重信号光を光ファイババンドル等で1本の光ファイバに合波し、それを1つのコア部を有する増幅用光ファイバを用いた光ファイバ増幅器で増幅する構成としてもよい。また、マルチコア光増幅器430Aは半導体光増幅器で構成してもよい。
この光伝送システム400Aは、光中継器としてのマルチコア光増幅器430Aによってマルチコア光ファイバ100を多段接続しているので、より長距離の光伝送を実現するのに好適である。
(実施の形態5)
図76は、実施の形態5に係る光伝送システムの模式的な構成図である。図76に示すように、この光伝送システム400Bは、図76に示す光伝送システム400Aにおいて、マルチコア光増幅器430Aをマルチコア光増幅器430Bに置き換えたものである。
マルチコア光増幅器430Bは、光コネクタ431と、光増幅部432と、光コネクタ433とを備えている。光増幅部432は、たとえば希土類添加光ファイバ増幅器やラマン増幅器などの光ファイバ増幅器の増幅用光ファイバをマルチコア光ファイバで構成した3つの光ファイバ増幅器を備えている。各光ファイバ増幅器の増幅用マルチコア光ファイバは、それぞれSバンド(1.46μm〜1.53μm)、Cバンド(1.53μm〜1.565μm)、Lバンド(1.565μm〜1.625μm)の、モード多重されたWDM(Wavelength Division Mulitplexing)信号光をそれぞれ増幅することができるように構成されている。光コネクタ431は、マルチコア光ファイバ100を伝送してきた信号光をSバンド、Cバンド、Lバンドごとに、光増幅部432の各バンド用の光ファイバ増幅器に入力させるように構成されている。光コネクタ433は、光増幅部432の各光ファイバ増幅器で増幅された各バンドのWDM信号光を、WDM信号光ごとに対応するマルチコア光ファイバ100のコア部に入力させるように構成されている。
この光伝送システム400Bでは、2モードを伝搬することが可能なマルチコア光ファイバ100を用いて、広帯域のWDM信号光を、空間多重およびモード多重伝送する。光伝送システム400Bによれば、広帯域での波長多重、空間多重およびモード多重伝送を実現できるので、きわめて伝送容量の大きい光伝送システムを実現することができる。また、この光伝送システム400Bでは、WDM信号光を3つのバンドに分割して、分割したWDM信号光を各バンドの増幅に適した光増幅器で増幅するようにしているので、より伝送品質のよい光伝送システムを実現することができる。
なお、上記実施の形態の光伝送システムは、光増幅器を備えているが、伝送距離が短い場合には光増幅器は必ずしも必要ではない。
また、上記のように、マルチコア光ファイバの曲げ半径や巻き張力がコア間またはコア内のクロストークに影響を与える場合があるので、曲げ半径や巻き張力を調整してクロストークを微調整してもよい。
また、上記実施の形態では、クラッド部が純石英ガラスからなるが、たとえば中心コア部を純石英ガラスで構成し、外周コア部およびクラッド部を、屈折率を低めるドーパントを含む石英ガラスで構成してもよい。また、上記実施の形態では、マルチコア光ファイバは石英系ガラス材料からなるが、本発明に係るマルチコア光ファイバの構成材料はこれに限定されず、他のガラス材料やプラスチック材料等の光ファイバを構成することができる光学材料を適宜利用できる。
また、本発明に係るマルチコア光ファイバで伝搬する光の波長としては、1550nmを含む波長帯、または光ファイバ通信に信号光として使用されるたとえば1300nm〜1600nmの波長帯を使用することができる。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
以上のように、本発明に係るマルチコア光ファイバおよび光伝送システムは、光通信の用途に利用して好適なものである。
1 光源
2、3 高非線形光ファイバ
4 光パワーメータ
10、20、30、40、50、60、70、310 コア部
11、21、31、41、51、61、71、301 中心コア部
12、22、32、42、52、62、72、302 外周コア部
80、380 クラッド部
81、381 マーカ
90 被覆
100、100A、100B、200、300 マルチコア光ファイバ
400A、400B 光伝送システム
420 光送信装置
430A、430B マルチコア光増幅器
431、433 光コネクタ
432 光増幅部
440 光受信装置
A、P1〜P7 領域

Claims (24)

  1. 複数のコア部と、前記複数のコア部の外周に位置し該各コア部の最大屈折率よりも低い屈折率を有するクラッド部とを備え、
    前記各コア部は、2以上の所定数の伝搬モードのみで光を伝搬し、かつ各伝搬モードでの波長1550nmにおける有効コア断面積は120μm以上であることを特徴とするマルチコア光ファイバ。
  2. 前記所定数は2であることを特徴とする請求項1に記載のマルチコア光ファイバ。
  3. 前記伝搬モードはLP01モードおよびLP11モードであることを特徴とする請求項2に記載のマルチコア光ファイバ。
  4. 前記所定数は3であることを特徴とする請求項1に記載のマルチコア光ファイバ。
  5. 前記伝搬モードはLP01モード、LP11モード、およびLP21モードであることを特徴とする請求項4に記載のマルチコア光ファイバ。
  6. 第1高次伝搬モードの波長1550nmにおける有効コア断面積が170μm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のマルチコア光ファイバ。
  7. 前記各コア部間における前記各伝搬モード間での波長1550nmにおける光のクロストークが伝搬距離100kmあたり−30dB以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のマルチコア光ファイバ。
  8. 前記伝搬モードのうち、隣接する前記各コア部間において波長1550nmにおける光のクロストークが最も大きい伝搬モードの波長1550nmにおける実効屈折率が、0.00005以上の差を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のマルチコア光ファイバ。
  9. 前記実効屈折率の差が0.00015以上の差を有することを特徴とする請求項8に記載のマルチコア光ファイバ。
  10. 前記各コア部は、隣接するコア部との離隔距離が100μm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のマルチコア光ファイバ。
  11. 前記複数のコア部は、前記屈折率分布が互いに異なるコア部を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のマルチコア光ファイバ。
  12. 前記複数のコア部は、前記屈折率分布が互いに異なる3種類のコア部からなることを特徴とする請求項11に記載のマルチコア光ファイバ。
  13. 前記各コア部は、隣接するコア部との離隔距離が90μm以下であることを特徴とする請求項11または12に記載のマルチコア光ファイバ。
  14. 前記各コア部は、隣接するコア部との離隔距離が60μm以下であることを特徴とする請求項11または12に記載のマルチコア光ファイバ。
  15. 前記コア部は、前記最大屈折率を有する中心コア部と、前記中心コア部の外周に形成され前記クラッド部の屈折率よりも低い屈折率を有する外周コア部とからなることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載のマルチコア光ファイバ。
  16. 前記クラッド部に対する前記中心コア部の比屈折率差Δ1が0.2%〜0.5%であり、前記クラッド部に対する前記外周コア部の比屈折率差Δ2が−0.5%以上で0%より小さく、前記中心コア部の直径が14μm〜19μmであり、前記中心コア部の直径に対する前記外周コア部の外径の比が1より大きく4以下であることを特徴とする請求項15に記載のマルチコア光ファイバ。
  17. 前記コア部は、前記最大屈折率を有する中心コア部と、前記中心コア部の外周に形成され前記クラッド部の屈折率と略等しい屈折率を有する内周コア層と、前記内周コア層の外周に形成され前記クラッド部の屈折率よりも低い屈折率を有する外周コア層とからなることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載のマルチコア光ファイバ。
  18. 前記クラッド部に対する前記中心コア部の比屈折率差Δ1が0.20%以上0.35%未満であり、前記クラッド部に対する前記外周コア層の比屈折率差Δ3が−0.5%以上で0%より小さく、前記中心コア部の直径が12.0μm以上18.0μm以下であり、前記中心コア部の直径に対する前記内周コア層の外径の比が1より大きく4以下であり、前記中心コア部の直径に対する前記外周コア層の外径の比が2以上5以下であることを特徴とする請求項17に記載のマルチコア光ファイバ。
  19. 前記コア部の数は7であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載のマルチコア光ファイバ。
  20. 前記コア部の数は19であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載のマルチコア光ファイバ。
  21. 前記コア部のうち2つのコア部間における前記各伝搬モード間での波長1550nmにおける光のクロストークが伝搬距離1000kmあたり−30dB以下であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一つに記載のマルチコア光ファイバ。
  22. 前記7つのコア部は、中央のコア部と、該中央のコア部を中心としてほぼ正六角形の頂点に位置するように配置した他のコア部とからなり、前記中心のコア部とすべての他のコア部との間の前記各伝搬モード間での波長1550nmにおける光のクロストークが伝搬距離100kmあたり−30dB以下であることを特徴とする請求項19に記載のマルチコア光ファイバ。
  23. 前記7つのコア部は、中央のコア部と、該中央のコア部を中心としてほぼ正六角形の頂点に位置するように配置した他のコア部とからなり、前記中心のコア部とすべての他のコア部との間の前記各伝搬モード間での波長1550nmにおける光のクロストークが伝搬距離1000kmあたり−30dB以下であることを特徴とする請求項19に記載のマルチコア光ファイバ。
  24. 請求項1〜23のいずれか一つに記載のマルチコア光ファイバを光伝送路として備えることを特徴とする光伝送システム。
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