JP6567623B2 - 弾道性能の向上した重合体繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、軽量化されながら強度が向上している防弾材料に関する。より詳細には、本発明は、繊維の化学的性質、結合剤樹脂の種類、および結合剤樹脂含量などその他の性質の修飾を必要とすることなく、繊維径を細くしながら強度物性を改善した高弾性延伸繊維で製造された、防弾性の改善された布に関する。
発射物に対抗する物性が優れた高強度繊維を含有する防弾物品は周知である。防弾ベスト、ヘルメット、車体パネル、および軍装備品の構造部材などの物品は、典型的には、高強度繊維を含有する布で作られている。従来から使用されている高強度繊維として、ポリエチレン繊維、ポリ(フェニレンジアミンテレフタルアミド)などのアラミド繊維、グラファイト繊維、ナイロン繊維、およびガラス繊維などが挙げられる。ベストやベストの部品といった多くの用途では、そのような繊維は、織布または編地として用いることができる。その他の用途では、そのような繊維は、重合体結合剤材料に封入するか埋め込むことにより、剛直または柔軟な織布または不織布とすることができる。
防弾材料の性能に影響を及ぼすパラメーターは多数あり、硬質または軟質の装甲物品(ヘルメット、パネル、およびベストなど)の形成に有用な様々な防弾構造物が知られている。例えば、米国特許第4,403,012号、同第4,457,985号、同第4,613,535号、同第4,623,574号、同第4,650,710号、同第4,737,402号、同第4,748,064号、同第5,552,208号、同第5,587,230号、同第6,642,159号、同第6,841,492号、および同第6,846,758号(これらはすべて、本明細書と両立する限りにおいて、参照により本明細書に組み込まれる)は、防弾複合体を記載しているが、それらの複合体は長鎖超高分子量ポリエチレンなどの材料でできた高強度繊維を含む。こうした複合体は、発射物(弾丸、砲弾、榴散弾など)の高速の衝撃による進入に対して様々な度合いの抵抗性を示す。
防弾性のレベルおよび防弾材料の有効性に特に影響を及ぼすパラメーターとして、繊維構造、繊維表面、結合剤樹脂、および結合剤樹脂含量が挙げられる。とはいえ、繊維は防弾材料の骨格であり、繊維こそが破片および弾丸の進入を防ぐ上で布の有効性に最も重要な影響を及ぼす。高分子量で高弾性のポリエチレンフィラメントおよび繊維は、そのような複合構造物を形成するのに特に望ましい材料である。なぜならそれらは、強度対重量の性能が非常に高いからである。それらは、優れた防弾性を使用者に提供するのに十分な高い引張弾性率および引張強度と、着用に好適な材料を製造するのに十分な軽量性とを有する。
高い引張強度を有するポリエチレンフィラメントおよび繊維を製造する多様な技術が知られている。代表的には、そのような高い引張強度を有するポリエチレン繊維は、適切な溶媒で膨潤した超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を含む溶液から超高分子量ポリエチレンのフィラメントを紡糸し、続いて液状フィラメントを冷却してゲル状にし、それから紡糸溶媒を除去して作られる。液状フィラメント、ゲル状フィラメント、および溶媒を含まないフィラメントの1種類以上が、1つ以上の段階で伸張または延伸されて高度に配向した状態になる。一般に、そのようなフィラメントは、「ゲル紡糸」ポリエチレンフィラメントとして知られる。ゲル紡糸プロセスは、折り畳み鎖のラメラの形成を妨げ、より効率良く引張荷重を伝達する「鎖が伸びた」構造を形成しやすい。ゲル紡糸フィラメントはまた、そのフィラメントの原料である重合体よりも融点が高くなる傾向がある。例えば、分子量が約150,000、約1,000,000、および約2,000,000の
高分子量ポリエチレンは、一般に、バルクで138℃の融点を有する。これらの材料でできた高配向ポリエチレンフィラメントは、融点が約7℃〜約13℃高い。このように融点が少し上昇するのは、バルク重合体と比較してフィラメントが結晶完全性およびより高い結晶配向性を有することを反映している。
ゲル紡糸ポリエチレンフィラメントを形成する様々な方法が、例えば、米国特許第4,413,110号、同第4,430,383号、同第4,436,689号、同第4,536,536号、同第4,545,950号、同第4,551,296号、同第4,612,148号、同第4,617,233号、同第4,663,101号、同第5,032,338号、同第5,246,657号、同第5,286,435号、同第5,342,567号、同第5,578,374号、同第5,736,244号、同第5,741,451号、同第5,958,582号、同第5,972,498号、同第6,448,359号、同第6,746,975号、同第6,969,553号、同第7,078,099号、および同第7,344,668号に記載されている(これらはすべて、本明細書と両立する限りにおいて、参照により本明細書に組み込まれる)。例えば、米国特許第4,413,110号、同第4,663,101号および同第5,736,244号は、ポリエチレンゲル前駆体の形成およびその前駆体から得られる低空隙性キセロゲルの延伸による引張強度の高い高弾性繊維の形成を記載する。米国特許第5,578,374号および同第5,741,451号は、既に配向させてあるポリエチレン繊維を特定の温度および延伸率で延伸することによって後伸張することを記載している。米国特許第6,746,975号は、ポリエチレン溶液を多孔紡糸口金から直交流のガス流中に押し出して形成された流体産物すなわち高引張強度かつ高弾性のマルチフィラメント糸を記載している。この流体産物をゲル化させ伸張してキセロゲルにする。ついで、このキセロゲルを二段伸張に供して所望のマルチフィラメント糸を形成する。
米国特許第7,078,099号は、向上した分子構造完全性を有する延伸したゲル紡糸マルチフィラメントポリエチレン糸を記載している。この糸は、改良されたゲル紡糸プロセスにより製造され、特別な条件下で延伸されることにより、高い分子秩序および結晶秩序を有するマルチフィラメント糸となる。米国特許第7,344,668号は、本質的に希釈剤を含まないゲル紡糸ポリエチレンマルチフィラメント糸を強制対流風炉中で延伸するプロセスおよびそのプロセスにより製造された延伸糸を記載している。プロセス条件である延伸比、伸張率、滞留時間、炉長、および供給速度は、効率性および生産性が向上するように、互いに特別な関係を持って選択されている。
しかしながら、被弾の脅威の範囲が広がり続けていること、およびそのような脅威から自分自身を守る必要があると感じている人間が急速に増えていることから、当該分野では、被弾の脅威からの防御において防弾材料の有効性を減少させることなく、その防弾材料を軽量化することが常に要求されている。本発明は、当該分野のこの要求に対する解決策を提供するもので、複数の高強度低デニール(フィラメントあたりのデニールが低い)モノフィラメント繊維、複数の高強度低デニールマルチフィラメント繊維、または複数の高強度低デニールモノフィラメント繊維と複数の高強度低デニールマルチフィラメント繊維を組み合わせて特殊な布構造に組込むことで、布全体の重量を変えることなく、優れた繊維拡散、向上した強度、および適切な繊維面密度を有する、薄く繊細な繊維層および布を形成するものである。本発明の改善された布は、末端の利用者に、布重量は変わらないのに向上した弾道性能を有する布か、布重量を軽量化しながら軽量化による弾道性能の低下のない布を選択する選択肢を提供する。本明細書で検討される特許はそれぞれ、当該分野の状況における進歩を表すものの、いずれも本発明によって満たされる要求を満たしてはいない。
本発明は、少なくとも1つの相互連結繊維層を含む防弾複合体を提供し、該繊維は随意に重合体結合剤材料を担持してもよく、該随意の結合剤材料は、実質的に繊維一本一本の外表面を被覆しかつ該繊維を相互連結しており、該繊維は、モノフィラメント繊維および/またはマルチフィラメント繊維を含み、該繊維は、約4.6デニール/フィラメント(dpf)未満の直径、少なくとも約37グラム/デニールの引張強度、少なくとも約1400グラム/デニールの引張弾性率、少なくとも約2%の破断点伸度、および少なくとも約5g/mの繊維面密度を有する。
本発明は、複数の相互連結繊維層で形成された防弾布も提供し、該布は複数の不織繊維層を含み、各繊維層は実質的に平行配列に配置された複数の繊維を含み、該繊維は、モノフィラメント繊維および/またはマルチフィラメント繊維を含み、該繊維は、約4.6デニール/フィラメント未満の直径、少なくとも約37グラム/デニールの引張強度、少なくとも約1400グラム/デニールの引張弾性率、少なくとも約2%の破断点伸度、および少なくとも約5g/mの繊維面密度を有し、該繊維は重合体結合剤材料を担持し、該結合剤材料は、実質的に繊維一本一本の外側表面を被覆しかつ該繊維を相互連結しており、各不織繊維層は約5g/m〜約35g/mの繊維面密度を有し、かつ該布は約75g/m未満の面密度を有する。
本発明はさらに、複数の高強度繊維層から防弾材料を製造する方法を提供し、該製造方法は、
a)繊維層を少なくとも2層形成する工程、各繊維層は、実質的に平行で一方向に整列した複数の繊維を含む;
b)該繊維の直径を細くするのに十分な条件で1本以上の該繊維を延伸し、約4.6デニール/フィラメント未満の直径、少なくとも約37グラム/デニールの引張強度、少なくとも約1400グラム/デニールの引張弾性率、少なくとも約2%の破断点伸度、および少なくとも約5g/mの繊維面密度を有する延伸繊維を製造する工程;
c)工程a)および工程b)の両方が完了した後、重合体結合剤材料が実質的に該繊維の一本一本の外側表面を被覆しかつ該繊維を相互連結するように、該結合剤材料で該繊維を被覆する工程;およびその後
d)該繊維層を一体化して防弾材料を形成する工程、
を含む。
本発明は、繊維径は細くなりながら強度物性は向上している高度延伸高弾性繊維から防弾布を製造することにより、強度と軽量化の比率が改善された防弾材料を提供する。本布およびこの布から形成された物品は、繊維の化学的性質、結合剤樹脂の種類、および結合剤樹脂含量などその他の性質を改変することなく、被弾進入に対する優れた抵抗性を保持する。
本発明の目的に関して、被弾進入に対する優れた抵抗性を有する物品とは、変形可能な発射物(弾丸など)に抵抗して、および断片(榴散弾)の進入に抵抗して、優れた性質を示すものを意味する。本発明は、少なくとも1つの相互連結繊維層を形成するのに低デニール/フィラメントのモノフィラメント繊維、低デニール/フィラメントのマルチフィラメント繊維、または低デニール/フィラメントのモノフィラメント繊維と低デニール/フィラメントのマルチフィラメント繊維の組み合わせを用いた1以上の繊維層から形成された防弾複合体を提供する。防弾複合体は、織布でも不織布でもよく、布を形成する繊維は、重合体結合剤材料で随意に被覆されていてもよい。
本明細書で使用される場合、「複合体」という用語は、繊維同士、および随意に繊維と結合剤/マトリクス被膜との組み合わせを示す。そのようなものは、当該分野で知られて
いる。本明細書で使用される場合、繊維の「層」とは、織ることによって相互連結した、または不織構造で相互連結した繊維の実質的に平面の配置を示す。本明細書で使用される場合、繊維の「プライ(ply)]または「単独プライ」とは、単一方向に実質的に平行に
配列した重なり合わないまたは部分的に重なり合う繊維の配置である。この種の繊維配置は、当該分野では「ユニテープ(一方向テープ)」としても知られており、複数のプライを組み合わせて不織布を形成することもできる。例えば、複数の繊維プライを積み重ねて、これらが単独層の一体要素に統合された構造の不織布を形成することができる。本明細書で使用される場合、繊維の層は、1つ以上のプライ(ユニテープ)を含むことができる。さらに、本明細書で使用される場合、「配列」は、繊維または糸の秩序だった配置を示し、「平行配列」は、繊維または糸の秩序だった平行な配置を示す。本明細書で使用される場合、「布」は、織られた材料か不織材料、またはそれらの組み合わせのいずれかに関連することができ、「布」という用語は、一体化された不織構造体に成形される前か後のいずれかにおいて複数の繊維プライを含むことができる構造を示す。本明細書で使用される場合、「延伸」繊維または繊維の「延伸」は、当該分野で知られており、当該分野では「配向」繊維または繊維の「配向」あるいは「伸張」繊維または繊維の「伸張」としても知られている。これらの用語は、本明細書で相互交換可能に用いられる。
本発明の目的に関して、「繊維」は、細長い物体で、その長さ方向の大きさは、横方向の大きさである幅および厚さよりはるかに大きい。本発明に用いられる繊維の断面は様々な形が可能であり、繊維は断面が円形でも扁平でも楕円形でもよい。したがって、「繊維」という用語は、対称性のあるもしくは不規則な断面を有するフィラメント、リボン、ストリップなどを含むが、繊維は実質的に円形の断面を有するものが好ましい。本明細書で使用される場合、「糸」という用語は、複数の繊維からなる一本の鎖状物として定義される。
本明細書に記載のとおり、一本の繊維は、ただ一本のフィラメントから形成されても複数本のフィラメントから形成されてもよい。ただ一本のフィラメントで形成された繊維は、本明細書において「単独フィラメント」繊維または「モノフィラメント」繊維のいずれかで表され、複数本のフィラメントで形成された繊維は「マルチフィラメント」繊維と表される。マルチフィラメント繊維の定義は、本明細書において擬似モノフィラメント繊維も包含する。「擬似モノフィラメント繊維」とは、少なくとも部分的に融合してモノフィラメント繊維のように見えるマルチフィラメント繊維を示す技術用語である。本発明のマルチフィラメント繊維は、好ましくは2本〜約500本、より好ましくは2本〜250本、より好ましくは2本〜100本、より好ましくは2本〜20本、より好ましくは2本〜10本、さらにより好ましくは2本〜5本のフィラメントを含み、前記フィラメントは、少なくとも部分的に溶解して互いに融合しているか、互いに撚り合わされているか、または互いに編み上げられている。
本発明の繊維は、繊維の直線軸すなわち縦軸から対称的にまたは不規則に突き出た突出部を1つ以上有する、不規則なまたは対称性複葉形断面のものでもよい。繊維は、実質的に円形断面を有する単葉形であることが好ましい。本発明の特に好適な実施形態において、本発明の防弾材料/布は、一本以上のモノフィラメント繊維を含み、好ましくは、モノフィラメント繊維からなるかモノフィラメント繊維とマルチフィラメント繊維の組み合わせを含む。特に好ましくは、本発明の布は、互いに接触しあうモノフィラメント繊維で形成される。モノフィラメント繊維は特に好適である。なぜなら、例えば、マルチフィラメント繊維で形成するよりも多数の繊維を同じ大きさのユニテープまたは布層に組み込むことができるからである。こうして得られる布は35g/m(gsm)未満の繊維面密度を有する。同様な有益性は、マルチフィラメント繊維を用いた場合もしくは組み込んだ場合にも見られるが、向上具合は同等ではない。さらに、モノフィラメント繊維が特に好適であるのは、慣用の加工工程でトリミングまたは切断されたマルチフィラメント繊維が繊
維の端からほつれる可能性があるという理由による。
本明細書で提供される防弾布は、高強度高引張弾性率の重合体繊維から形成される。本発明の目的に関して、高強度高引張弾性率の繊維は、約4.6デニール/フィラメント未満の直径、少なくとも約37グラム/デニールの引張強度、少なくとも約1400グラム/デニールの引張弾性率、少なくとも約2%の破断点伸度、および少なくとも約5g/mの繊維面密度を有するように加工できる種類の重合体繊維なら任意のものを含むことができる。本明細書で使用される場合、「デニール」という用語は、線密度の単位を示し、繊維または糸9000メートルあたりのグラム単位での質量に等しい。本明細書で使用される場合、「引張強度」という用語は、応力のかかっていない検体が持つ引張り応力を示し、単位線密度(デニール)あたりの力(グラム)で表される。繊維の「初期弾性率」は、材料の性質で、変形に対するその材料の抵抗性を表す。「引張弾性率」という用語は、引っ張りにおける変化の比を示し、最初の繊維長の分数(in/in)で表される歪みの変化に対するデニールあたりのグラム重量(g/d)で表される。引張強度、初期弾性率、および引張弾性率という用語はそれぞれASTMD2256によって測定されるとおりのものである。
特に好適であるのは、繊維のデニールが約4.6デニール/フィラメント未満、より好ましくは約1デニール/フィラメント〜約3.0デニール/フィラメント、さらにより好ましくは約1.0デニール/フィラメント〜約2.0デニール/フィラメントであるモノフィラメント繊維であり、このモノフィラメント繊維は前記の望ましい強度物性、すなわち優れた引張強度、引張弾性率、破断点伸度、および繊維面密度も有するものである。したがって、本発明の好適な繊維は、約1デニール/フィラメント〜約4.6デニール/フィラメントの直径、約37グラム/デニール〜約45グラム/デニールの引張強度、約1400グラム/デニール〜約3000グラム/デニールの引張弾性率、少なくとも約2%の破断点伸度、および約5g/m〜約35g/mの繊維面密度を有する。特に好ましくは、本発明の繊維は、約1デニール/フィラメント〜約2.0デニール/フィラメントの直径、約40グラム/デニール〜約45グラム/デニールの引張強度、約2000グラム/デニール〜約3000グラム/デニールの引張弾性率、少なくとも約2%〜約3.3%の破断点伸度、および約25g/m〜約35g/mの繊維面密度を有する。初期引張弾性率および引張強度についての上記の値は、一般に、溶液成長またはゲル紡糸プロセスを採用した場合にのみ達成可能であり、しかも高分子量ポリエチレンバルク重合体を用いた場合が最も良い結果が得られる。したがって、本発明の繊維は、好ましくは引張強度が強いポリオレフィン繊維を含むか、本質的に引張強度が強いポリオレフィン繊維からなるか、引張強度が強いポリオレフィン繊維からなり、このポリオレフィン繊維は、好ましくは引張強度が強いポリエチレン繊維である。引張強度が強いポリエチレンマルチフィラメント繊維は、現在、例えば、SPECTRA(登録商標)(Honeywell International Inc. of Morristown, N.J.製)などの市販品があるが、しかしながら、上記の特定の性質を併せ持つようなものは、モノフィラメント繊維でもマルチフィラメント繊維でも現在販売されていない。
防弾材料および物品の形成に特に好適な高強度高引張弾性率の繊維材料は、高配向高分子量の、ゲル紡糸モノフィラメントおよびマルチフィラメントのポリエチレン繊維である。ゲル紡糸UHMWPEフィラメントを製造するプロセスは複数知られており、そのようなプロセスとして、例えば、米国特許第4,413,110号、同第4,422,993号、同第4,551,296号、同第4,663,101号、同第5,246,657号、同第5,736,244号、同第5,578,374号、同第5,741,451号、同第6,448,359号、同第6,746,975号、同第7,078,099号、および同第7,344,668号に記載されている方法が挙げられる(これらはすべて、本明細書と両立する限りにおいて、参照により本明細書に組み込まれる)。例えば、米国特
許第7,344,668号に記載のとおり、ゲル紡糸ポリエチレンフィラメントは、デカリン中135℃で5dl/g〜35dl/gの固有粘度を有する超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)から製造される。UHMWPEを高温で溶媒に溶解し、得られる溶液を押出し成形して液状フィラメントとし、この液状フィラメントを冷却してゲル状にする。ゲル状というのは、紡糸溶媒が液体の場合はゴム様の可能性もあるし、紡糸溶媒がワックスの場合は固化している可能性もある。紡糸溶媒は、一般に、蒸発または抽出によりゲルフィラメントから除去される。好ましくは、ゲル紡糸ポリエチレンとして、炭素原子1000個あたりのメチル基が約1個未満、より好ましくは0.5個未満であり、その他の構成要素が約1重量%未満であるポリエチレンが用いられる。
本発明のゲル紡糸マルチフィラメントまたはゲル紡糸モノフィラメントポリエチレン繊維は、実質的に4.6デニール/フィラメントより太いフィラメントを押出し成形する開口部を有する単孔または多孔紡糸口金から押し出される。好ましくは、その後の伸張するプロセスで、ゲル紡糸フィラメントのデニールが好ましくは約50%以上、より好ましくは約60%以上、さらにより好ましくは約70%以上、特に好ましくは約80%以上減少し、デニール/フィラメントが好ましくは3.2dpf以下、より好ましくは2.0dpf以下、さらにより好ましくは1.0dpf以下に低下するように、延伸前のゲル紡糸フィラメントを多孔紡糸口金から紡糸し、本発明の最終的な高延伸フィラメントのデニールの少なくとも約2倍のデニール/フィラメントを有するものにする。
上記の結果を得るため、本発明のゲル紡糸マルチフィラメントまたはゲル紡糸モノフィラメントポリエチレン繊維は、単回の連続延伸工程で、または複数の延伸工程で伸張される。本発明の好適な実施形態において、フィラメントは複数回延伸され、延伸は多段階延伸プロセスで行われる。代表的な多段階延伸プロセスでは、フィラメント/繊維は、延伸工程ごとにその前の延伸工程よりも高い温度に加熱され、このとき繊維の温度は伸張の直前に上昇させても伸張工程中に上昇させてもよい。フィラメントから溶媒を抽出した後に延伸を行う場合、繊維は熱風炉にて比較的高温(例えば約135℃〜約160℃)で柔らかくすることができ、好ましくはこの加熱工程中に延伸される。任意の所望の伸張比率を採用することができ、代表的には少なくとも約2倍、例えば約2倍〜約10倍、より好ましくは約3倍〜約8倍、特に好ましくは約4倍〜約6倍である。繊維は、所望の時間で加熱および延伸される。加熱装置(炉など)での実際の滞留時間は、炉の温度、炉の長さ、炉の種類(例えば、循環式熱風炉、熱浴など)など複数の要因に依存する。これに関して、一連の複数の延伸工程における各延伸工程は、その工程の前の延伸工程よりも遅い延伸速度で行われ、伸張プロセスは特に遅く、状況によっては繊維を実質的に破断させることなく伸張するために数日を要することもある。
ゲル紡糸ポリエチレンフィラメントの代表的な延伸プロセスでは、複数のゲル紡糸フィラメントがひとまとめにされて、連結していないフィラメントの束あるいは相互連結繊維を含む糸としてまとめて延伸される。本発明のフィラメントは、相互連結繊維の糸としてよりも連結していないフィラメントの束として延伸されるのが好ましい。1台のクリールで複数のゲル紡糸ポリエチレンの束または糸のパッケージを同時に延伸することも一般的である。例えば、共有の米国特許第7,078,099号および同第7,344,668号を参照、これらは好適な伸張条件を記載している。本発明の特に好適な実施形態において、フィラメントの延伸は、共有の米国特許第7,078,099号または同第7,344,668号で指定される延伸条件下で行われる。これらのプロセスのいずれかを、好ましくはフィラメントがそれらの明細書中に指定される延伸装置を複数回通過するように改良して行い、逐次延伸工程の狭間で延伸を完全に停止する。例えば、米国特許第7,078,099号は、一通過一延伸の延伸プロセスを教示しているが、このプロセスでは、フィラメントは指定の延伸装置を通り抜ける間に、延伸装置を1回通過し1度延伸される。米国特許第7,344,668号は、一通過二延伸の延伸プロセスを教示しているが、こ
のプロセスでは、フィラメントは指定の延伸装置を通り抜ける間に、延伸装置を1回通過し2度延伸される。今回、本発明者らは、米国特許第7,078,099号および/または同第7,344,668号のプロセスを改良してそれぞれの延伸装置を1回通過させるのではなく複数回通過させることにより、本明細書に記載される優れた性質を有する低デニール/フィラメント繊維を製造できることを見いだした。
本発明の好適な実施形態において、ゲル紡糸繊維は、米国特許第7,078,099号のプロセスと同第7,344,668号のプロセスの複合的な組み合わせにより、またはこれらのプロセスのうち1つを複数回行うことにより延伸される。このとき、まず未延伸のフィラメントを1回目の延伸装置通過(すなわち1回通過)により延伸し、次いで延伸したフィラメントを少なくともさらにもう1回続けて装置通過させる(すなわち2度目通過、3度目通過など)。好ましくは、初回の通過は、米国特許第7,078,099号か同第7,344,668号のいずれかに指定されるとおりに延伸装置を通過するものであり、2度目通過(および任意の回数の通過)も好ましくは米国特許第7,078,099号か同第7,344,668号のいずれかに指定されるとおりに延伸装置を通過するものである。例えば、未延伸のフィラメントを米国特許第7,078,099号のプロセス(一延伸プロセス)で1回処理すると、1回延伸された(米国特許第7,078,099号の条件に従って)フィラメントが得られ、この延伸フィラメントを米国特許第7,344,668号のプロセス(二延伸プロセス)で引き続き処理すると、さらに2回延伸されたフィラメント、すなわち合計で3回延伸されたフィラメントが得られる(この第二、第三の延伸は米国特許第7,344,668号の条件に従うものである)。特に好ましくは、本発明のフィラメントは、ちょうど2回、延伸過程を経るもので、1回目の過程と2回目の過程の両方が、米国特許第7,344,668号に指定される二延伸法を含む。米国特許第7,344,668号のプロセスは二延伸法であるので、従って本発明のフィラメントは、好ましくは合計で4回延伸される。このような複数回の延伸過程は、米国特許第7,078,099号にも、米国特許第7,344,668号にも、関連分野にも教示がなく、本発明者らにより発見されたことで、約4.6デニール/フィラメント未満の直径、少なくとも約37グラム/デニールの引張強度、少なくとも約1400グラム/デニールの引張弾性率、少なくとも約2%の破断点伸度、および少なくとも約5g/mの繊維面密度を有する改良された高性能繊維が達成されたのである。
上記の通り、本発明のマルチフィラメント繊維を構成する個々のフィラメントは、少なくとも部分的に溶解して互いに融合しているか、互いに撚り合わされているか、または互いに編み上げられている。米国公開特許出願2009/0321976号(その開示は、本明細書と両立する限りにおいて、参照により本明細書に組み込まれる)に記載される技法によれば、マルチフィラメント繊維の加熱および延伸条件は、好ましくは、マルチフィラメント糸の隣り合うフィラメントが少なくとも部分的に互いに融合するように選択される。融合するとき、フィラメントの表面が軟化してフィラメントの外側表面の長さ方向に沿って接点で融合するように、フィラメントの外側表面温度は、フィラメントを構築する重合体の融点または溶融範囲にあると考えられる。本発明のマルチフィラメント繊維は、好ましくは実質的にねじれていない。「実質的にねじれていない」という用語により、マルチフィラメント繊維は、長さ方向に沿ったねじりが0であるか、ねじりがほとんどない、例えば、マルチフィラメント繊維の長さ方向に沿って約0.1回転/インチ(4回転/メートル)以下、好ましくは約0.05回転/インチ(2回転/メートル)以下であることを意味する。必要であれば、マルチフィラメント繊維を互いに融合した後、マルチフィラメントのデニールが約4.6デニール/フィラメント未満、より好ましくは約1デニール/フィラメント〜約3.0デニール/フィラメント、特に好ましくは約1.0デニール/フィラメント〜約2.0デニール/フィラメントである融合したマルチフィラメント繊維を得る目的で、融合したマルチフィラメント繊維をもう一度伸張させることができる。
米国特許第7,078,099号および同第7,344,668号のいずれも、モノフィラメント繊維もモノフィラメント繊維で形成された複合体も教示していない。本発明の目的に関して、モノフィラメント繊維は、前記特許に開示される方法と同様な様式で製造することがでる。製造では、重合体溶液を単紡糸口金開口部から押し出すか、編み上げ、捻り、熱融合、またはその他の手段で個々のフィラメントが他のフィラメントとくっつくことがないようにして多孔紡糸口金で押し出し成形する。米国特許第7,078,099号および同第7,344,668号は、約4.6デニール/フィラメント未満の直径、少なくとも約37グラム/デニールの引張強度、少なくとも約1400グラム/デニールの引張弾性率、少なくとも約2%の破断点伸度、および少なくとも約5g/mの繊維面密度を有する繊維で形成された布の記載もしていない。これらの特許に記載される伸張工程を延長することによりこれらの特許に記載される方法を改良して、約4.6デニール/フィラメント未満、より好ましくは約1.0デニール/フィラメント〜約3.0デニール/フィラメント、特に好ましくは約1.0デニール/フィラメント〜約2.0デニール/フィラメントを有するさらに細い繊維を製造することができる。
フィラメント/繊維を伸張する前か後のいずれかで、フィラメント/繊維表面に外部作用剤(帯電防止剤および紡糸仕上剤など)を塗布することができるが、ただしポリエチレン用の溶媒は前記作用剤に含まれない。そのような外部作用剤は、繊維の1重量%未満を構成する。さらに、任意のマトリクス樹脂またはその他の表面塗料を塗布する前に、繊維の一部または全部が様々な理由から当業者により決定されるとおりの随意の表面処理を施されることが好ましく、多くの場合その表面処理は、布を構成する繊維全部または大部分ではなくて布の表面間際の繊維のみを処理するのに十分なものである。例えば、繊維は、その一部または全部が、随意のコロナ処理、プラズマ処理、フッ素化処理、またはその他の化学処理(UVグラフト重合など)を施されてもよく、複合体製造中の隣接繊維間の接着性を改善することができる。例えば、コロナ処理は、繊維をコロナ放電場に通すことで繊維表面を帯電させ、これにより隣り合う繊維同士の結合能力を向上させるプロセスである。好ましくは、繊維は、約0.5〜約3kVA−min/mのコロナ処理を施される。より好ましくは、コロナ処理のレベルは約1.7kVA−min/mである。適切なコロナ処理の装置は、Enercon Industries Corp.(Menomonee Falls, Wis.)やSherman Treaters Ltd(Thame, Oxon., UK)から入手できる。随意のプラズマ処理は、当該分野で周知
であるが、これは当該分野で周知であるとおりに、酸素、アンモニア、または別の適切な不活性ガスのいずれかで満たした真空室中、繊維または布を放電で処理することを含む。所望の表面処理に対してはガスの選択が重要であり、そのような選択は当業者により決定される。放電は、無線周波(RF)エネルギーで起こり、放電によりガスが電子、イオン、フリーラジカル、および準安定生成物に分解される。プラズマ中に発生した電子およびフリーラジカルは、繊維表面に衝突して、繊維表面の共有結合を切断し、そこにフリーラジカルを作り出す。所定の反応時間または温度に達した後、処理ガスおよびRFエネルギーを切って、残ったガスおよびその他副生成物を除去する。随意のフッ素化処理では、本発明のフィラメント/繊維の表面は、フッ素元素で直接フィラメント/繊維をフッ素化することにより修飾される。例えば、25℃でフィラメント/繊維表面を10%F/90%Heの混合物と接触させて前記表面にフッ素元素を堆積させることにより、フィラメント/繊維表面をフッ素化することができる。したがって、本明細書における複合体は、フッ素化繊維、非フッ素化繊維、またはフッ素化繊維と非フッ素化繊維を組み合わせて1つの布複合体にすることにより製造されたものであり得る。UVグラフト重合も当該分野で周知のプロセスである。防弾繊維表面にUVグラフト重合を行う随意のプロセスでは、繊維(または布)を単量体、光増感剤、および溶媒の溶液に浸漬して、繊維/布表面を少なくとも部分的に単量体および光増感剤で被覆する。次いで、当該分野で周知のように、被覆された繊維にUVを照射する。単量体の種類、光増感剤の種類、および溶媒の種類の具体的な選択は、望み通りに変更可能であり当業者により容易に決定される。例えば、「Studies on surface modification of UHMWPE fibers via UV initiated grafting」(Jiel
iang Wang, et al. of the Department of Applied Chemistry, School of Science, Northwestern Polytechnical University, Xi'an, Shaanxi 710072, PR China. Applied Surface Science, Volume 253, Issue 2, 15 November 2006、pages 668-673)という表題の論文に考察されているとおり、アクリルアミドグラフト重合用単量体を介してアクリルアミド基をUHMWPE重合体鎖にグラフト重合することができる。
繊維を伸張する前か後のいずれかで、本発明の繊維は、好ましくは重合体結合剤材料で被覆される。重合体結合剤材料は、当該分野では「重合体マトリクス」材料としても一般的に知られている。「重合体結合剤」および「重合体マトリクス」という用語は本明細書で相互交換可能に用いられる。これらの用語は、当該分野で従来から知られているもので、材料固有の接着性によるか周知の加熱および/または加圧条件を施されるかのいずれかで繊維同士を結合させる材料を表す。そのような「重合体マトリクス」または「重合体結合剤」材料は、布に他の望ましい性質(耐摩耗性および有害な環境条件に対する耐性など)も付与することができるので、繊維をそのような結合剤材料で被覆することは、その材料の接着性が重要でない(例えば織布に対してなど)場合でも望ましいことがある。
フィラメント/繊維を重合体結合剤で被覆する場合、重合体結合剤塗料は、代表的には、繊維ウェブ(例えば平行配列またはフェルト)として配置された複数の繊維に同時または順次のいずれかで塗布されて被覆ウェブを形成し、織布として配置された場合は被覆織布を形成し、別の配置の場合は、繊維は塗料を塗布されるか、塗料に浸漬されるか、塗料に包埋されるか、その他いずれにしろこの塗料で被覆される。重合体材料は、繊維ウェブに含まれていない少なくとも1つの繊維配列を塗布するのに用い、続いて塗布された繊維を本明細書中上記の方法に従って織布に織り込むか不織布に組み込むこともできる。
好ましくは、繊維を伸張した後、必要であれば所望のプライの形状および大きさにトリミングし、次いで従来技法に従って複数本のプライを整列させ、積み重ね、一体化させることにより、配列された1本以上の繊維プライにする。別の技法では、繊維を伸張し、結合剤材料で被覆し、無秩序に配置して、一体化することにより、フェルトを形成する。そのような技法は、当該分野で知られている。織布を形成する場合は、織る前に繊維を伸張し、織る前または織った後、好ましくは織った後に重合体結合剤塗料で被覆することができる。そのような技法は、当該分野で周知である。
本発明の織布または不織布は、低弾性のエラストマー材料および高弾性の剛性材料の両方を含む様々な重合体結合剤材料を用いて製造することができる。本明細書全体にわたって用いられるとおり、「引張弾性率」という用語は、繊維についてはASTM2256により測定されるとおり、および重合体結合剤材料についてはASTMD638により測定されるとおりの弾性率を意味する。
低弾性または高弾性の結合剤は、様々な重合体および非重合体材料を含むことができる。好適な重合体結合剤は、低弾性のエラストマー材料を含む。本発明の目的に関して、低弾性のエラストマー材料とは、ASTMD638試験手順に従って約6,000psi(41.4MPa)以下と測定される引張弾性率を有するものである。低弾性重合体は、好ましくは約4,000psi(27.6MPa)以下、より好ましくは約2400psi(16.5MPa)以下、さらにより好ましくは1200psi(8.23MPa)以下、特に好ましくは約500psi(3.45MPa)以下のエラストマー引張弾性率を有する。エラストマーのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは約0℃未満、より好ましくは約−40℃未満、特に好ましくは約−50℃未満である。エラストマーは、少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約100%、特に好ましくは少なくとも約300%の破断点伸度も有する。
多様な低弾性の材料および配合物を重合体結合剤として用いることができる。代表例として、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリスルフィド重合体、ポリウレタンエラストマー、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリクロロピレン、可塑化ポリ塩化ビニル、ブタジエンアクリロニトリルエラストマー、ポリ(イソブチレン−イソプレン)共重合体、ポリアクリラート、ポリエステル、ポリエーテル、フルオロエラストマー、シリコーンエラストマー、エチレン共重合体、およびそれらの組み合わせ、ならびに繊維の融点より低い温度で硬化可能な他の低弾性の重合体および共重合体が挙げられる。同じく好適であるのは、異なる弾性材料の混合物、または弾性材料と1種以上の熱可塑性プラスチックの混合物である。
特に有用であるのは、共役ジエンとビニル芳香族単量体のブロック共重合体である。ブタジエンおよびイソプレンは好適な共役ジエンエラストマーである。スチレン、ビニルトルエン、およびt−ブチルスチレンは、好適な共役芳香族単量体である。ポリイソプレンを組み込んだブロック共重合体を水素化すると、飽和炭化水素エラストマー部分を有する熱可塑性エラストマーを生成することができる。重合体は、A−B−A型の単純な3ブロック共重合体であってもよいし、(AB)(n=2〜10)型の複数ブロック共重合体またはR−(BA)(x=3〜150)型の放射状配置の共重合体でもよい(式中、Aはポリビニル芳香族単量体由来のブロックであり、Bは共役ジエンエラストマー由来のブロックである)。こうした重合体の多くは、Kraton Polymers (Houston, TX)が製造販売
を行っており、会報「Kraton Thermoplastic Rubber」のSC−68−81に記載されて
いる。特に好適な低弾性の重合体結合剤用重合体は、KRATON(登録商標)の商品名で販売されているスチレンブロック共重合体を含む(Kraton Polymersが製造販売を行っ
ている)。特に好適な重合体結合剤材料は、KRATON(登録商標)の商品名で販売されているポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン−ブロック共重合体を含む。
好適な高弾性剛性材料は、一般に、6,000psiより高い初期引張弾性率を有する。本明細書において有用である好適な高弾性剛性重合体結合剤材料として、ビニルエステル重合体やスチレン−ブタジエンブロック共重合体などの材料、ならびにビニルエステルとフタル酸ジアリルまたはフェノールホルムアルデヒドとポリビニルブチラールなどの重合体混合物が挙げられる。本発明での使用に特に好適な剛性重合体結合剤材料は、熱硬化性重合体、好ましくは炭素−炭素飽和溶媒(メチルエチルケトンなど)に可溶であり、硬化したときにASTMD638により測定して少なくとも約1×10psi(6895MPa)の高引張弾性率を有する熱硬化性重合体である。特に好適な剛性重合体結合剤材料は、米国特許第6,642,159号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものである。重合体結合剤は、低弾性材料であるか高弾性材料であるかにかかわらず、当該分野で周知のとおりに、充填剤(カーボンブラックやシリカなど)も含んでもよく、油展してもよく、硫黄、過酸化物、金属酸化物、または照射硬化系により硬化されていてもよい。
不織繊維層だけでなく、織られた繊維層も、好ましくは重合体結合剤で被覆される。好ましくは、織られた繊維層を構成する繊維は、少なくとも部分的に重合体結合剤で被覆され、続いて不織繊維層で行われるのと同様な一体化工程に供される。そのような一体化工程を行うことにより、複数の織られた繊維層を互いに、またはさらに結合剤を前記織布の繊維と結合することができる。しかしながら、織られた繊維層を重合体結合剤で被覆することは必須ではない。例えば、複数の織られた繊維層は、必ずしも一体化される必要はなく、他の手段、例えば慣用の接着剤により、または縫製により結合されてもよい。
一般に、重合体結合剤塗料は、複数の不織繊維プライを効率的に結合する、すなわち一体化するのに必要である。重合体結合剤材料は、個々の繊維の表面全部に、または繊維の
表面の一部に塗布することができる。特に好ましくは、重合体結合剤材料塗料は、本発明の織布または不織布を形成する個々の繊維一本一本の表面の実質的にすべてに塗布される。布が複数本の糸を含む場合、好ましくは一本の糸を形成する各繊維が、重合体結合剤材料で被覆される。しかしながら、織布物質の場合と同様に、不織布も、当業者の望むとおりに、上述の一体化/成形工程後、不織布の1カ所以上の表面を追加の重合体結合剤/マトリクス材料で被覆することができる。
本発明の布複合体で形成された物品の、剛性、衝撃特性、および弾道特性は、繊維を被覆する重合体結合剤用重合体の引張弾性率に影響される。例えば、米国特許第4,623,574号には、約6,000psi(41,300kPa)未満の引張弾性率を有するエラストマーマトリクスで構築された繊維強化複合体が、より高い弾性率の重合体で構成された複合体と比べても、同じ繊維構造体で重合体結合剤材料を含まない場合と比べても、どちらよりも優れた弾道特性を有することが開示されている。しかしながら、引張弾性率の低い重合体結合剤材料用重合体は、複合体の剛性も下げてしまう。さらに、特定の用途、特に複合体に防弾面でも構造面でも機能が求められるようなものにおいて、防弾性と剛性の優れた組み合わせが必要とされる。したがって、特に使用に好適な重合体結合剤用重合体の種類は、本発明の布で形成しようとする物品の種類に依存して変わる。防弾性と剛性の両方を確保する目的で、適切な重合体結合剤を低弾性材料および高弾性材料の両方と組み合わせて、単一の重合体結合剤とすることができる。
本発明の目的に関して、「被覆された」という用語は、本明細書で用いられる場合、フィラメント/繊維表面に重合体層を形成する方法を制限することを意図しない。繊維表面に重合体結合剤材料層を直接形成する任意の適切な形成方法を用いることができる。したがって、本発明の繊維は、重合体結合剤材料で被覆されても、重合体結合剤材料に浸漬されても、重合体結合剤材料に包埋されても、他の方法で重合体結合剤材料を塗布されてもよい。重合体結合剤材料は、好ましくは、当業者により容易に決定できる任意の好適な方法を用いて、繊維(単数または複数)に直接塗布される。例えば、重合体結合剤材料は、重合体材料の溶液(溶液の一部は1種以上の所望の重合体で構成され、また一部は1種以上の重合体を溶解または分散させる能力がある溶媒で構成される)を繊維表面に噴霧、展着、またはローラー塗布し、続いて乾燥させることにより、溶液として塗布される。あるいは、重合体結合剤材料は、従来周知の技法(スロットダイなど)を用いて、または他の技法(直接グラビア塗装、メイヤーロッド(Meyer rod)、およびエアナイフ(air knife)システムなど、これらは当該分野で周知である)を用いて、繊維に押し出すことができる。別の方法は、結合剤材料の重合体そのものを、液体として、懸濁液に分散した粘着性固体もしくは粒子として、または流動床として、繊維に塗布する方法である。あるいは、塗料は、塗布温度で繊維の性質に悪影響を及ぼさない適切な溶媒を用いた溶液、乳濁液、または分散液として、塗布することができる。例えば、繊維を重合体結合剤材料の溶液にくぐらせることにより、実質的に繊維を被覆することができ、次いで乾燥させる。
別の被覆技法では、重合体結合剤材料を適切な溶媒に溶解または分散させた溶液の浴に繊維を浸し、次いで溶媒の蒸留または蒸発により乾燥させることができる。この方法は、第一の重合体材料で繊維一本一本を好ましくは少なくとも部分的に被覆し、繊維一本一本を好ましくは実質的に被覆または被包し、重合体結合剤材料でフィラメント/繊維表面をすべてまたは実質的にすべて覆う。浸漬手順は、所望量の重合体材料を繊維に付着させるのに必要なだけ複数回繰り返すことができる。
繊維に塗料を塗布する他の技法を用いることもできる。そのような技法として、ゲル紡糸技法のように、ゲル繊維前駆体に伸張操作を施す前のこの繊維からの溶媒除去前か後のいずれかにおいて、このゲル繊維前駆体を被覆する技法が挙げられる。この繊維を、次いで、本発明の好適なプロセスに従って高温で伸張することができる。ゲル繊維は、所望の
被覆を達成する条件下で適切な被覆重合体溶液にくぐらせてもよい。ゲル繊維での高分子量重合体の結晶化は、溶液に繊維をくぐらせる前に起こっていてもいなくてもよい。あるいは、適切な重合体粉末の流動床に繊維を広げることもできる。
本明細書に記載のとおり、繊維を伸張する前か後のいずれかで、繊維を重合体結合剤で被覆することができる。さらに、繊維を1つ以上のプライ/層に配置する前か後のいずれかで、あるいは繊維を織布に織り上げる前か後のいずれかで、繊維を結合剤で被覆することができる。したがって、当然のことながら、随意の重合体結合剤を組み込む実施形態において、本発明は、重合体結合剤が繊維に塗布される段階によって制限されることも、重合体結合剤を塗布するための手段によって制限されることも意図しない。
不織布の製造方法は、当該分野で周知である。本明細書中の好適な実施形態では、複数の繊維を少なくとも1つの配列に、代表的には、複数の繊維が実質的に平行な一方向配列に整列している繊維ウェブとして配置する。一方向に整列した不織繊維プライを形成する代表的なプロセスでは、繊維の束を、クリールからガイドおよび1つ以上の拡幅棒(spreader bars)を通して平行櫛に送り、続いて繊維を重合体結合剤材料で被覆する。代表的
な繊維の束は、約30本〜約2000本の個々の繊維を含む。拡幅棒および平行櫛は、束になった繊維をほぐして広げ、同一平面上で一本一本が並んでいるように再構成する。繊維が理想的に広げられると、単一繊維面に一本一本のフィラメントまたは一本一本の繊維が順次配置されたようになり、繊維が互いに重なり合うことのない実質的に一方向の繊維の平行配列を形成する。この時、この拡幅工程の前または最中に繊維を精練すると、繊維をそのような平行配列に広げるのが上手く速くできるようになる。繊維の精練は、製造中または製造後に繊維に使用されたかも知れない繊維仕上げ剤(または織り助剤)の望ましくない残留物の任意のものを除去する化学溶液に繊維(または布)を通すプロセスである。繊維の精練により、その後塗布される重合体結合剤材料(またはその後貼付けられる保護フィルム)と繊維の結合強度も改善でき、したがって必要な結合剤を減らすことができる。結合剤の量を減らすことにより、布に含まれる繊維の数を増やすことができ、強度を向上させながら軽量化された防弾材料が製造される。これによって、発射物と繊維のかみ合いの増加、得られる布複合体の防刃性の向上、および衝撃繰り返し耐性の向上が図られる。繊維の広げ工程および平行化工程の結果、そのような平行配列の繊維は、フィラメント/繊維の厚さに依存して、代表的に、1インチあたり約3本〜12本の繊維端(1cmあたり1.2〜4.7本の繊維端)を有する。
本明細書に記載のとおりに繊維を結合剤材料で被覆した後、被覆繊維から不織布を形成する。この不織布は複数の重なり合う不織繊維プライを含み、この不織繊維プライは一体化されて単一層の一体要素になっている。上記のとおり、各プライは、一方向の実質的に平行な配列に整列した重なり合わない繊維配置を有している。本明細書で使用される場合、「単一層」構造は、単一の統一された構造に一体化されている一つ以上の個々の繊維プライからなる一体構造を示す。「一体化」により、重合体結合剤被膜と各繊維プライがひとまとまりになって単一の統一された層になることを意味する。
本発明の好適な不織布構造体において、複数の積み重なり合ったユニテープが形成され、1つ1つのプライ(ユニテープ)が持つ平行な繊維は、それぞれ互いに隣り合う1つのプライが持つ平行な繊維と、プライの長軸繊維方向に対して直角(0°/90°)に配置される。重なり合う不織繊維プライの積層物を加熱および加圧下で一体化するか1つ1つの繊維プライの被膜を接着することにより、単一層の一体要素が形成される。この要素は当該分野では単一層一体化網状体とも称されており、「一体化網状体」とは繊維プライと重合体マトリクス/結合剤の組み合わせを一体化(融合)したものを表す。本発明の物品は、織布、一方向繊維プライで形成された不織布、および不織フェルト布をハイブリッドに組み合わせて一体化したものも含むことができる。
当該分野で従来から知られているとおり、1つのプライの繊維の整列方向が別のプライの繊維の整列方向に対してある角度で回転しているように個々の繊維プライを交差させて組み合わせる(cross-plied)と、優れた防弾性が得られる。特に好ましくは、繊維プラ
イは、0°と90°の角度で直角に交差して組み合わせられているが、隣り合うプライは、別のプライの長軸繊維方向に対して約0°〜約90°の間の実質的に任意の角度で整列することができる。例えば、5つのプライによる不織構造では、プライは、0°/45°/90°/45°/0°または他の角度を向いていてもよい。そのような回転した一方向整列は、例えば、米国特許第4,457,985号、同第4,748,064号、同第4,916,000号、同第4,403,012号、同第4,623,574号、および同第4,737,402号に記載されている(これらはすべて、本明細書と両立する限りにおいて、参照により本明細書に組み込まれる)
最も典型的には、不織布は、1つから約6つのプライを有するが、様々な用途によって望まれるとおりに、約10〜約20という多数のプライを有してもよい。プライの数が多いほど防弾性が向上するが、重量も重くなる。したがって、本発明の布または物品を形成する繊維プライの数は、その布または物品の最終的な用途によって様々である。例えば、軍事用の防護ベストでは、1.0ポンド/平方フィート(4.9kg/m)以下の望ましい面密度を達成した複合体物品を形成する目的で、合計で約100のプライ(または層)〜約50のプライ(または層)が必要になると思われ、これらのプライ/層は、本明細書に記載の高強度繊維で形成された、織布、編地、フェルト、不織布(平行に配列されたまたは他の配置の繊維による)のいずれでもよい。別の実施形態において、警察が使用する防護ベストは、米国立司法省研究所警戒レベル(National Institute of Justice (NIJ) Threat Level)に基づき多数のプライ/層を有するかも知れない。例えば、NIJ警戒レベルIIIAのベストの場合、合計で40本のプライが使われるかも知れない。NIJ警戒レベルが低くなれば、用いられるプライ/層はさらに少なくてもよい。本発明は、他の既知防弾構造体と比較して、それほど布重量を増加させずに、組み込む繊維プライ数を増加させて所望のレベルの防弾性を達成することができる。
布または繊維プライを一体化する方法は、例えば米国特許第6,642,159号に記載される方法などにより周知である。一体化は、乾燥、冷却、加熱、加圧、またはそれらの組み合わせによって行うことができる。湿式積層プロセスの場合のように、繊維または布層が互いにまさに接着されるならば、加熱および/または加圧は、必ずしも必要ではない。代表的には、一体化は、十分な加熱および加圧条件で個々の繊維プライを互いに対して配置して結合させて統一された布にすることによって行われる。一体化は、約50℃〜約175℃、好ましくは約105℃〜約175℃の温度範囲、ならびに約5psig(0.034MPa)〜約2500psig(17MPa)の圧力範囲で、約0.01秒〜約24時間、好ましくは約0.02秒〜約2時間の間行うことができる。加熱する際、重合体結合剤被覆を完全に溶融させることなく粘着化または流動化させることができる。しかしながら、一般に、重合体結合剤材料が溶融すれば、複合体を形成するのに比較的低い圧力しか必要としないのに対し、結合剤材料が粘着化する温度までしか加熱されないと、たいていはより高い圧力が必要となる。当該分野で従来から知られているとおり、一体化は、カレンダーセット、平面ラミネーター、プレス機、またはオートクレーブで行うことができる。
あるいは、一体化は、適切な成形装置を用いて加熱および加圧下で成形することによっても達成できる。一般に、成形は、約50psi(344.7kPa)〜約5,000psi(34,470kPa)、より好ましくは約100psi(689.5kPa)〜約3,000psi(20,680kPa)、特に好ましくは約150psi(1,034kPa)〜約1,500psi(10,340kPa)の圧力で行われる。成形は、あるいはさらに高圧の約5,000psi(34,470kPa)〜約15,000psi(
103,410kPa)、より好ましくは約750psi(5,171kPa)〜約5,000psi、特に好ましくは約1,000psi〜約5,000psiでも行うことができる。成形工程は、約4秒〜約45分間の時間を要してもよい。適切な成形温度は、約200°F(約93℃)〜約350°F(約177℃)、より好ましくは約200°F〜約300°F(約149℃)、特に好ましくは約200°F〜約280°F(約121℃)の範囲である。本発明の布を成形するときにかける圧力は、得られる成形産物の剛性または柔軟性に直接影響を及ぼす。具体的には、布を成形するときにかける圧力が高いほど剛性が高くなり、またその逆もしかりである。成形圧力の他に、繊維プライの量、厚さ、および組成、ならびに重合体結合剤塗料の種類も、本発明の布で形成された物品の剛性に直接影響を及ぼす。最も一般的には、複数の直交する繊維ウェブが、結合剤重合体を用いて「接着」され、平面ラミネーターを通過することで結合の均一性および強度が向上される。
本明細書に記載の成形技法および一体化技法は互いに類似しているが、それぞれのプロセスは異なるものである。特に、成形はバッチプロセスであるのに対し、一体化は連続プロセスである。さらに、成形は、たいてい型(ある形を持った型や平面パネルを形成する場合のマッチドダイ型など)を使用し、必ずしも平面的な生成物をもたらすとは限らない。通常、一体化は平面ラミネーターまたはカレンダーニップセットで行われるか、湿式積層で行われ、軟質(柔軟性)身体防護布が得られる。成形は、代表的には、硬質装甲、例えば剛性板の製造のためにある。いずれのプロセスにしろ、適切な温度、圧力、および時間は、一般に、重合体結合剤塗料材料の種類、重合体結合剤含量、用いるプロセス、および繊維の種類に依存する。本発明の布は、その表面を平滑にするためまたは光沢を出すために、随意に加熱および加圧下でカレンダー処理されてもよい。カレンダー処理法は、当該分野で周知である。
織布は、当該分野で周知である技法により任意の織り方(平織り、斜文織り(crowfoot
weave)、バスケット織り(basket weave)、繻子織り(satin weave)、綾織り(twill
weave)など)で形成することができる。平織りが最も一般的であり、平織りでは、繊維は直交する0°/90°の向きでひとつに織り上げられる。織る前か後のいずれかで、各織布材料の個々の繊維を、重合体結合剤材料で被覆してもよいし、しなくてもよい。別の実施形態において、本明細書に記載されるとおりの一体化などにより、織布と不織布の両方をひとまとめにして相互連結したハイブリッド構造を組み立てることができる。
十分な防弾特性を有する布物品を製造するため、結合剤/マトリクス被膜の合計重量は、好ましくは、繊維と被膜の合計重量の約2%〜約50重量%、より好ましくは約5%〜約30%、さらにより好ましくは約7%〜約15%、特に好ましくは約11%〜約16重量%を占め、不織布の場合は16%が特に好ましい。織布の場合、結合剤/マトリクス含量はもっと少ないほうが好ましく、この場合、重合体結合剤含量が繊維と被膜の合計重量の0重量%超かつ10重量%未満が特に好ましい。
個々の布の厚さは、個々の繊維の太さおよび布に組み込まれた繊維層の数に対応することになる。適切な織布は、好ましくは、1層あたり、約25μm〜約500μm、より好ましくは約50μm〜約385μm、特に好ましくは約75μm〜約255μmの厚さを有する。適切な不織布、すなわち不織単層一体化網状体は、好ましくは、約12μm〜約500μm、より好ましくは約50μm〜約385μm、特に好ましくは約75μm〜約255μmの厚さを有し、単層一体化網状体は、代表的には、一体化された2つのプライ(すなわち2本のユニテープ)を含む。上記のような厚さが好適であるが、特定の要望を満たすために他の厚さのものを製造してもよく、当然のことながらそれらも本発明の範囲内にある。
繊維層の製織又は一体化に続いて、慣用の方法により随意の重合体層を布の各外側表面に貼り付けることができる。そのような重合体層に好適な重合体として、熱可塑性重合体および熱硬化性重合体が挙げられるが、これらに限定されない。適切な熱可塑性重合体は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル重合体、フルオロ重合体、ならびにそれらの共重合体および混合物から選択することができるが、これらに限定されない。これらの中で、ポリオレフィン層が好適である。好適なポリオレフィンはポリエチレンである。ポリエチレンフィルムとして、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖中密度ポリエチレン(LMDPE)、直鎖極低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖超低密度ポリエチレン(ULDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中で、特に好適なポリエチレンはLLDPEである。適切な熱硬化性重合体として、米国特許第6,846,758号、同第6,841,492号、および同第6,642,159号(これらはすべて、本明細書と両立する限りにおいて、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるような、熱硬化性アリル、アミノ、シアノ酸塩、エポキシ、フェノール重合体、不飽和ポリエステル、ビスマレイミド、剛性ポリウレタン、シリコーン、ビニルエステル、ならびにそれらの共重合体および混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載のとおり、重合体フィルムは、重合体被膜を含む。
重合体フィルム層は、好ましくは、周知の積層技法を用いて単層一体化網状体に貼り付けられる。代表的には、積層は、個々の層を互いに位置決めして十分な加熱および加圧条件下で層を結合させて統一されたフィルムにすることによって行われる。個々の層を互いに位置決めし、次いでその組み合わせたものを、当該分野で周知である技法により、代表的には、加熱した積層ロール対のニップに通す。積層の加熱は、約95℃〜約175℃、好ましくは約105℃〜約175℃の温度範囲で、約5psig(0.034MPa)〜約100psig(0.69MPa)の範囲の圧力下、約5秒〜約36時間、好ましくは約30秒〜約24時間の間行うことができる。重合体フィルム層が含まれる場合、この層は、好ましくは布全体の約2重量%〜約25重量%、より好ましくは約2重量%〜約17重量%、特に好ましくは2%〜12%を占める。重合体フィルム層の重量での割合は、一般に、含まれる布層の数に依存して様々であるだろう。さらに、一体化工程と外側重合体層積層工程は、本明細書において2つの別々の工程として記載されているものの、代替的に当該分野の従来技法によりこれらの工程をまとめて単独の一体化/積層工程としてもよい。
重合体フィルム層は、好ましくは非常に薄く、好ましくは約1μm〜約250μm、より好ましくは約5μm〜約25μm、特に好ましくは約5μm〜約9μmの層の厚さを有する。個々の布層の厚さは、個々の繊維の太さに対応するだろう。上記のような厚さが好適であるものの、特定の要望を満たすために他の厚さのフィルムを製造することができ、当然ながらそれらも本発明の範囲内にある。
本発明の布は、良好な剥離強度も示す。剥離強度とは、繊維層間の結合強度の指標である。一般則として、マトリクス重合体含量が少ないほど、結合強度は低くなるが、材料の破片耐性は高くなる。しかしながら、結合強度が臨界値を下回ると、防弾材料は、材料切断や物品(ベストなど)組み立て中の耐久力を失ってしまい、物品の長期耐久性も悪化してしまう。好適な実施形態において、SPECTRA(登録商標)Shield(0°、90°)型構造の薄いフィラメント布の剥離強度は、良好な破片耐性のために好ましくは少なくとも約0.17lb/ft、より好ましくは少なくとも約0.188lb/ft、特に好ましくは少なくとも約0.206lb/ftである。本発明の布が結合剤を少なくとも約11%〜約15%の量で含有すると最高の剥離強度が達成されることがわかっている。
本発明の布は、好ましくは約20g/m(0.004lb/ft(psf))〜約1000gsm(0.2psf)、より好ましくは約30gsm(0.006psf)〜約500gsm(0.1psf)の範囲、特に好ましくは約50gsm(0.01psf)〜約250gsm(0.05psf)の範囲の面密度を有する。さらに、複数の個別の布層を含みそれらが互いに積み重なっている本発明の物品の場合、面密度は、好ましくは約1000gsm(0.2psf)〜約40,000gsm(8.0psf)、より好ましくは約2000gsm(0.40psf)〜約30,000gsm(6.0psf)、さらにより好ましくは約3000gsm(0.60psf)〜約20,000gsm(4.0psf)、特に好ましくは約3750gsm(0.75psf)〜約10,000gsm(2.0psf)である。
本発明の布を様々に応用して、周知の技法により多種多様な防弾物品を形成することができる。例えば、防弾物品を形成するのに好適な技法は、例えば、米国特許第4,623,574号、同第4,650,710号、同第4,748,064号、同第5,552,208号、同第5,587,230号、同第6,642,159号、同第6,841,492号、および同第6,846,758号(これらはすべて、本明細書と両立する限りにおいて、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。本複合体は、柔軟性のある軟質装甲物品の形成に特に有用である。そのような軟質装甲物品として、ベスト、ズボン、帽子などの衣服、ならびに他の着用物、覆い、および毛布などが挙げられる。これらは、軍関係者が様々な被弾(9mm完全被甲(FMJ)弾丸ならびに手榴弾、迫撃砲弾、簡易爆破装置(IED)、および軍事活動や平和維持活動で遭遇する他の同様な装置の破裂により生じる様々な破片など)の脅威から防御するために用いるものである。
本明細書で使用される場合、「軟質」または「柔軟」装甲とは、十分な大きさの応力がかかったときにその形状が維持されない装甲である。この構造体は、剛直な硬質装甲物品の形成にも有用である。「硬質」装甲とは、十分な機械強度を有し、その結果、十分な大きさの応力がかかったときにも構造の剛性を維持し、崩れることなく自立できる物品(ヘルメット、軍事車両用パネル、または防護シールドなど)を意味する。この構造体は、複数の別々のシートに切り分けて積み重ねることにより物品を形成することができ、または物品を形成するのに用いられる前駆体にすることができる。そのような技術は、当該分野で周知である。
本発明の着用物は、当該分野で従来から知られている方法により形成することができる。本発明の防弾物品を衣類と隣接させることにより着用物を形成してもよい。例えば、ベストは、一般的な布製ベストに本発明の防弾構造体を隣接させて構成されていてもよく、これにより本発明の防弾構造体を戦略的に配置されたポケットに導入することができる。これによりベストを軽量化しながら防弾性を最大限にすることができる。本明細書で使用される場合、「隣接させる」または「隣接した」という用語は、縫製や接着などにより取り付けることだけでなく、防弾物品を随意にベストやその他の衣類から簡単に取り外しできるように、この防弾物品が別の布に取り付けられてはいないけれど組み合わされていることまたは並置されていることを含むものとする。柔軟構造体(柔軟シート、ベスト、およびその他の着用物など)を形成するのに用いられる物品は、好ましくは低引張弾性率結合剤材料を用いて形成される。硬質物品(ヘルメットおよび装甲など)は、好ましくは、高引張弾性率結合剤材料を用いて形成されるが、これらに限定されない。
防弾性は、当該分野で周知である標準試験手順で求められる。特に、防弾複合体の保護力すなわち進入抵抗性は、通常、V50値としても知られる、発射物の50%は複合体に進入するが50%は複合体により止められる衝突速度により表される。本明細書で使用される場合、物品の「進入抵抗性」は、指定の脅威物(弾丸、破片、榴散弾などを含む物理的対象物)の進入に対する抵抗性である。複合体の面密度(複合体の重量をその表面積で
割ったもの)が等しい場合、V50値が高い複合体ほど防弾性が高い。
指定の脅威物についての進入抵抗性は、防弾材料の全比エネルギー吸収(SEAT)でも表すことができる。全SEATは、脅威物の運動エネルギーを複合体の面密度で割ったものである。SEAT値が高いほど複合体は脅威物に対して高い抵抗性を有する。本発明の物品の防弾性は、多くの要因、特に布を製造するのに用いた繊維の種類、複合体中の繊維の重量割合、被覆材料の物性の適性、複合体を形成する布層の数、および複合体の合計面密度に依存して変わるだろう。
以下の実施例は、本発明を例示するためのものである。
実施例1
本発明による高弾性繊維を調製するため、60本のフィラメントをゲル紡糸して束にした。この60本のフィラメントの束のデニールは650(10.83dpf)であった。次いで、この60本のフィラメントの束を、第一の延伸工程、すなわち米国特許第7,344,668号の実施例1に記載される方法による一通過二延伸プロセスに供し、これによりフィラメントの束を215デニール(3.58dpf)と細くした。次いで、この60本のフィラメントの束を、第二の延伸工程、すなわち米国特許第7,344,668号の実施例1に記載される方法による別の二通過一延伸プロセスに供し、これによりフィラメントの束を163デニール(2.71dpf)と細くした。
実施例2
実施例1の工程を繰り返して、480本の個別フィラメントをまとめて太さ1300デニール(2.71dpf)の束にした。この束は、表1において「HMF繊維」と表示される。得られた繊維は、引張強度が39g/デニールであり、引張弾性率が1449g/デニールであった。
実施例3及び4(比較用)、及び、実施例5
異なる3種の高弾性ポリエチレン繊維(表1において、「標準繊維」、「PLUS繊維」、および「HMF繊維」と表示される)のそれぞれの防弾性を試験するため、それぞれを用いて射撃用パック(ballistic shoot pack)を製造した。標準繊維は、引張強度が34.3である高引張強度マルチフィラメントポリエチレン繊維を5.4デニール/フィラメントに伸張したものであった。PLUS繊維は、引張強度が36の高引張強度マルチフィラメントポリエチレン繊維を4.6デニール/フィラメントに伸張したものであった。標準繊維とPLUS繊維はそれぞれHoneywell International Inc. (Morristown, NJ)か
ら入手した。HMF繊維は、実施例2で特定されるとおりの本発明の高引張強度マルチフィラメントポリエチレン繊維であった。3種の繊維すべてについて、測定した性質を表1にまとめる。各種繊維について列挙した性質それぞれの比較を示す。
射撃用パックを形成するにあたり、Kraton(登録商標)D1107熱可塑性結合剤樹脂(Kraton Polymers (Houston, TX)から販売されている)を含む重合体結合剤組成
物を含浸させた各種繊維の一方向繊維からなるプライを2つ一体化させた材料の連続積層シートから繊維層を切り出した。各繊維層は、繊維と結合剤樹脂の合計重量を基準として、21重量%のKraton(登録商標)D1107結合剤材料を含有していた。繊維を結合剤で被覆する前および繊維層を形成する前に、繊維を随意にコロナ処理して隣接する繊維の繊維間接着性を改善することができる。実施例3〜5では、PLUS繊維にはコロナ処理を施したが、標準繊維およびHMF繊維には施さなかった。
各層の2つの繊維プライは、各繊維プライの長軸繊維方向に対して、一方のプライの繊維が他方のプライの繊維に対して直角を向く(従来の0°/90°配置)ように、交差して重ねた。これらのプライを、それぞれ厚さ9μmおよび面密度8g/mである直鎖低
密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム2枚の間に積層した。積層プロセスには、200psi(1379kPa)の圧力下110℃で30分間、LLDPEフィルムを、交差して重ねた材料にプレスすることが含まれており、これにより厚さ0.06インチ(1.524mm)の材料の連続積層シートを形成した。標準繊維布のシートを切断して、それぞれ長さ18インチ×幅18インチ(45.7mm×45.7mm)で1つの繊維層の全面密度が150gsmの2枚の別々の層状物を形成した。PLUS繊維布のシートを切断して、それぞれ長さ18インチ×幅18インチ(45.7mm×45.7mm)で1つの繊維層の全面密度が113gsmの2枚の別々の層状物を形成した。HMF繊維布のシートを切断して、それぞれ長さ18インチ×幅18インチ(45.7mm×45.7mm)で1つの繊維層の全面密度が150gsmの8枚の別々の層状物を形成した。各試料について、形成した層状物をゆるく重ね合わせて射撃用パックを形成した。層状物は互いに結合してはいなかった。各射撃用パックの面密度は3.66kg/mであった。
Figure 0006567623
各2プライ層状物の防弾性を、9MM完全被甲(FMJ)発射物、17グレインFSPの破片、およびM80ライフル弾で試験した。この射撃試験の結果をそれぞれ表2〜4にまとめる。
破片抵抗性を試験するため、各射撃用パックを試験枠の頭頂に取り付けてしっかりと固定した。試験枠を、しっかりと取り付けたユニバーサルレシーバーから発射される破片の線に対して90度の方向で取り付けた。17グレイン破片模擬発射は、形状、大きさ、重量がMIL−P−46593Aのとおりであることを確認して試験に用いた。MIL−STD−662Eの手順に従ってV50射撃試験を行い、弾丸が試験対象物に進入する確率が50%である速度を実験的に求めた。
破片の速度を変えながら複数回17グレインFSPの破片を各射撃用パックに対して発射した。破片の速度は毎回、前回の破片の発射が射撃用パックを貫通したか、それとも射撃用パックの複数の層に部分的に進入したかによって上げ下げした。平均速度は、125fps(38.1mps)の速度幅内で4粒が部分進入し4粒が貫通する最小速度を含めて求めた。8粒が部分進入および貫通する速度の平均を計算し、V50とした。各射撃用パックのV50を計算したものを表2にまとめる。標的の比エネルギー吸収(SEAT)
も計算したものを表2に表示する。
Figure 0006567623
実施例6及び7(比較用)、及び、実施例8
実施例3〜5に記載されるとおりの射撃用パックをさらに製造し、9mm完全被甲弾丸(弾丸重量:124グレイン)で試験した。9mmFMJ弾丸に対する抵抗性を試験するため、Plastilina #1粘土を詰めた試験枠に射撃用パックを取り付け、ひもで固定した。Plastilinaを詰めた試験枠を、しっかりと取り付けたユニバーサルレシーバーから発射される破片の線に対して90度の方向で取り付けた。試験に用いる9mmFMJ弾丸は国立司法省研究所(NIJ)0101.04試験基準のとおりであることを確認した。各射撃用パックのV50およびSEATを計算したものを表3にまとめる。
Figure 0006567623
実施例9及び10(比較用)、及び、実施例11
実施例3〜5に記載されるとおりの射撃用パックをさらに製造し、米軍規格MIL−STD−662Fに従って高性能ライフル米軍M80弾丸(重量:9.65g)で試験した。各射撃用パックのV50およびSEATを計算したものを表4にまとめる。
Figure 0006567623
実施例5、8、および11に示されるとおり、本発明の繊維で形成された布は、弾道脅威物に関わらず、比較例3〜4、6〜7、および9〜10の既知の布よりも優れた被弾進入抵抗性を示した。
本発明は好適な実施形態を参照して具体的に表示され説明されてきたが、本発明の思想
および範囲から逸脱することなく様々な改変および修飾がなされ得ることが、当業者にはすぐに理解されるだろう。請求の範囲は、開示される実施形態、上記で考察されたそれらの改変物、およびそれらのすべての均等物を包含するものとする。

Claims (2)

  1. 複数の繊維層を含む防弾複合体であって、各繊維層は相互連結ポリエチレン繊維を含み、各繊維層は加熱および加圧下で一体化された複数の繊維プライを含み、各繊維プライは重合体結合剤材料を担持した複数のポリエチレン繊維を含み、該繊維層は単一層一体化網状体として一体化されており、該ポリエチレン繊維は、モノフィラメント繊維および/またはマルチフィラメント繊維を含み、該マルチフィラメント繊維は、2〜500本のフィラメントを含み、該ポリエチレン繊維は、1〜4.6デニール/フィラメントの直径、少なくとも37グラム/デニールの引張強度、少なくとも1400グラム/デニールの引張弾性率、及び、少なくとも2%の破断点伸度を有し、繊維層の各々が少なくとも5g/mの繊維面密度を有する防弾複合体。
  2. 請求項1に記載の防弾複合体であって、該単一層一体化網状体に結合された重合体フィルムをさらに含む防弾複合体。
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