JP6566233B1 - 杭の施工方法、集合装置及び集合装置の設計方法 - Google Patents
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Abstract
Description
・ 本発明の態様は、杭に複数のジェット配管部材及びバイブロハンマを取り付ける準備工程と、
地盤中にて前記ジェット配管部材の先端から高圧流体を噴射しつつ前記バイブロハンマによる振動を与えて前記杭を下降又は上昇させる部分工程を少なくとも含む施工工程とを備えた杭の施工方法であって、
前記準備工程において、1又は複数の高圧流体送出装置と、円筒状の内部空間を有する集合装置とを配置し、1又は複数の前記高圧流体送出装置と前記集合装置における1又は複数の注入孔とをそれぞれ接続すると共に、前記集合装置における複数の吐出孔と複数の前記ジェット配管部材とをそれぞれ接続し、
前記施工工程において、前記集合装置の内部空間を高圧流体で充填した状態を維持しつつ、1つ以上の前記注入孔から高圧流体を注入すると共に複数の前記吐出孔の各々からそれぞれ高圧流体を吐出させ、かつ、
複数の前記吐出孔の各々から吐出される複数の高圧流体の各吐出量について、最大吐出量と最小吐出量との差が最大吐出量の5%以下であることを特徴とする。
・ 上記態様の杭の施工方法における前記集合装置において、複数の前記吐出孔の数n、前記内部空間の直径d、前記吐出孔の直径do、前記吐出孔の流量係数Λ、隣り合う2つの前記吐出孔の間隔L、前記高圧流体の動粘性係数ν及び前記各吐出量の総和Qの関係が次式を充たすことが、好適である。
・ 上記態様の杭の施工方法において、高圧流体が水又は流動性固化材であり、前記施工工程が、
水を噴射しつつ前記バイブロハンマによる振動を与えて前記杭を、支持層界面より下の第1の深度まで打ち込む工程と、
少なくとも前記バイブロハンマによる振動を与えて前記杭を、設定された杭周面グラウト上端に対応する深度まで引き上げる工程と、
流動性固化材を噴射しつつ前記杭を、前記支持層界面より下の第2の深度まで再度打ち込む工程とを含むことが、好適である。
・ 上記態様の杭の施工方法において、高圧流体が水又は流動性固化材であり、前記施工工程が、
水を噴射しつつ前記バイブロハンマによる振動を与えて前記杭を、支持層界面より下の第1の深度まで打ち込む工程と、
流動性固化材を噴射しつつ前記バイブロハンマによる振動を与えて前記杭を、設定された根固め上端に対応する深度まで引き上げる工程と、
流動性固化材を噴射しつつ前記杭を、前記支持層界面より下の第2の深度まで再度打ち込む工程と、
流動性固化材を噴射しつつ前記ジェット配管部材を引き抜く工程とを含むことが、好適である。
・ 上記態様の杭の施工方法において、高圧流体が水又は流動性固化材であり、前記施工工程が、
流動性固化材を噴射しつつ前記バイブロハンマによる振動を与えて前記杭を、支持層界面より下の深度まで打ち込む工程を含むことが、好適である。
・ 上記態様の杭の施工方法において、前記集合装置の前記内部空間に配置された整流板により高圧流体を蛇行させることが、好適である。
・ 上記態様の杭の施工方法において、前記集合装置の前記内部空間に配置された攪拌機により高圧流体を撹拌し、又は、前記内部空間に配置された振動機により高圧流体に振動を与えることが、好適である。
・ 上記態様の杭の施工方法において、施工管理装置が、
前記バイブロハンマに取り付けたプリズムを追尾するトータルステーションから連続的に送信される杭の鉛直高さデータ、及び、1又は複数の前記高圧流体送出装置の送出口にそれぞれ取り付けた流量計から連続的にそれぞれ送信される高圧流体の流量データを取得し、
取得した前記杭の鉛直高さデータ及び前記高圧流体の流量データについて予め設定された施工計画データと比較することにより、前記施工工程に含まれる各部分工程における杭の移動速度、水と流動性固化材の切替、又は、高圧流体の吐出量をリアルタイムで調整することが、好適である。
・ 上記態様の杭の施工方法において、前記ジェット配管部材が、
前記集合装置に接続される導通管と、
一端が前記導通管と接続されかつ他端が複数に分岐している集約管と、
前記集約管の分岐した他端の各々と接続される複数の噴射ノズルと、を有することが、好適である。
・ 本発明の別の態様は、複数のジェット配管部材を取り付けた杭を、前記ジェット配管部材の先端から高圧流体を噴射しつつ打ち込む工程を少なくとも含む杭の施工方法において用いる集合装置であって、
円筒状の内部空間と、1又は複数の高圧流体送出装置とそれぞれ接続される1又は複数の注入孔と、複数の前記ジェット配管部材とそれぞれ接続される複数の吐出孔とを有し、
前記杭の施工中、前記内部空間が高圧流体で充填された状態に維持されつつ、1つ以上の前記注入孔から高圧流体が注入されかつ複数の前記吐出孔の各々から高圧流体が吐出され、かつ、
複数の前記吐出孔の各々から吐出される複数の高圧流体の各吐出量について、最大吐出量と最小吐出量との差が最大吐出量の5%以下であることを特徴とする。
・ 上記態様の集合装置において、
複数の前記吐出孔の数n、前記内部空間の直径d、前記吐出孔の直径do、前記吐出孔の流量係数Λ、隣り合う2つの前記吐出孔の間隔L、前記高圧流体の動粘性係数ν及び前記各吐出量の総和Qの関係が次式を充たすことが、好適である。
・ 本発明のさらに別の態様は、複数のジェット配管部材を取り付けた杭を、前記ジェット配管部材の先端から高圧流体を噴射しつつ打ち込む工程を少なくとも含む杭の施工方法において用いられ、円筒状の内部空間と、1又は複数の高圧流体送出装置とそれぞれ接続される1又は複数の注入孔と、複数の前記ジェット配管部材とそれぞれ接続される複数の吐出孔とを有し、前記杭の施工中、前記内部空間が高圧流体で充填された状態に維持されつつ、1つ以上の前記注入孔から高圧流体が注入されかつ複数の前記吐出孔の各々から高圧流体が吐出される集合装置の設計方法であって、
予め、複数の前記吐出孔の数n、前記内部空間の直径d、前記吐出孔の直径do、前記吐出孔の流量係数Λ、隣り合う2つの前記吐出孔の間隔L及び前記高圧流体の動粘性係数νのパラメータのうち1又は複数をそれぞれ変化させた場合に、各場合について、各吐出量の総和をQとして、複数の前記吐出孔の各々から吐出される複数の高圧流体の各吐出量をそれぞれ算出し、
複数の前記吐出孔の各々から吐出される複数の高圧流体の各吐出量について、最大吐出量と最小吐出量との差が最大吐出量の所定の割合以下となるように、次式のα、β及びδを設定し、
複数の前記吐出孔の数n、前記内部空間の直径d、前記吐出孔の直径do、前記吐出孔の流量係数Λ、隣り合う2つの前記吐出孔の間隔L、前記高圧流体の動粘性係数ν及び前記各吐出量の総和Qの関係が次式を充たすように設計することを特徴とする。
(1)施工システムの構成
ここでは、鋼管杭を海底の地盤に鉛直方向に打ち込むための海上での施工を例として本発明による杭の施工方法を説明する。しかしながら、本発明は、陸上での施工にも適用可能である。また、杭は、鋼管杭以外の杭でもよく、例えば鋼管矢板、鋼矢板等である。さらに、打ち込み方向は傾斜していてもよい。
<集合装置の基本構成>
図3及び図4を参照して図1及び図2に示した集合装置16について説明する。図3(a)は、図2に示した集合装置16の一例の概略的な平面図、(b)は(a)の縦断面図、(c)は横断面図である。
図4を参照して、集合装置の各吐出孔における吐出量の均等化を実現するための集合装置の適正条件について説明する。具体的には、集合装置の各吐出孔からそれぞれ吐出される高圧流体の吐出量の差が、所定の範囲内に収まるために集合装置に求められる条件を導出する。
R(%)=((Q1−Q4)/Q1)×100
Qk:吐出孔の吐出量(m3/sec)(k=1,2,3,4)
Qk’:吐出孔の吐出量の部分和(m3/sec)
Λ:吐出孔の流量係数
do:吐出孔の内径(m)
Pk:吐出孔における圧力(kN/m2)(k=1,2,3,4)
g:重力加速度(m/sec2)
γ:セメントミルクの単位体積重量(kN/m3)
L:隣り合う2つの吐出孔間隔(m)
ν:セメントミルクの動粘性係数(m2/sec)
d:集合装置の内径(m)
v:集合装置内の平均流速(m/sec)
h:摩擦損失水頭(m)
吐出孔の流量係数Λは、吐出孔の形状等により変わる係数であり、一般に実験的に求められる0.5〜2程度の無次元数である。
(i)先ず、吐出孔A5の吐出量Q4を変数と想定し、式[1](k=4とする)から圧力P4を求める。これによりP4がQ4の関数で表される。
(ii)次に、(i)で求めたP4並びに式[2]及び式[3]を用いて、吐出孔A4の圧力P3を求める。このとき式[2]のPk-1−PkはP3−P4とし、式[3]のQk’はQ4とする。これによりP3がQ4の関数で表される。P3が求められれば、式[1]によりQ3が求められる。これによりQ3がQ4の関数で表される。
(iii)次に、(ii)で求めたP3並びに式[2]及び式[3]を用いて、吐出孔A3の圧力P2を求める。このとき式[2]のPk-1−PkはP2−P3とし、式[3]のQk’はQ3+Q4とする。これによりP2がQ4の関数で表される。P2が求められれば、式[1]によりQ2が求められる。これによりQ2がQ4の関数で表される。
(iv)次に、(iii)で求めたP2並びに式[2]及び式[3]を用いて、吐出孔A2の圧力P1を求める。このとき式[2]のPk-1−PkはP1−P2とし、式[3]のQk’はQ2+Q3+Q4とする。これによりP1がQ4の関数で表される。P1が求められれば、式[1]によりQ1が求められる。これによりQ1がQ4の関数で表される。
(v)各吐出孔A1〜A5からの吐出量の総和Qは、Q=2Q1+Q2+Q3+Q4と表される。総吐出量Qは、注入孔I1からの注入量Qiと等しく、注入量Qiの値は、以下の式[4]から算出される。Q1、Q2及びQ3に上記(ii)〜(iv)の結果を代入し、収束計算によりQ4の値を求める。
(vi)最後に、(v)で求めたQ4の値及び上記(ii)〜(iv)の結果からQ1、Q2、Q3の値が算出される。
Qi:注入量(m3)
γw:水の単位体積重量(kN/m3)
γ:セメントミルクの単位体積重量(kN/m3)
Qo:理論最大吐出量(m3/min)
次に、吐出孔の数を5個以外に拡張した場合の集合装置の適正条件について説明する。図4の例において、n個の吐出孔A1〜Anが配置されている場合を想定し、図4の例と同様に注入孔I1のみから注入量Qiのセメントミルクが注入される最悪条件を想定した。
R(%)=((Q1−Qn−1)/Q1)×100
I)施工に使用する高圧流体送出装置を決定することにより、式[4]より注入量Qiが決定され、同時にシミュレーションに用いる総吐出量Qが決まる。また、施工に使用するセメントミルクのW/C%(最悪条件として最も小さい値を採用)を決定することにより、シミュレーションに用いる単位体積重量γ及び動粘性係数νが決まる。
II)シミュレーションのために、集合装置の吐出孔の数n、内径d、吐出孔の内径do、吐出孔の流量係数Λ及び吐出孔間隔Lの各パラメータを適宜の値とする複数の組合せと、上記I)の総吐出量Q、単位体積重量γ及び動粘性係数νの値とを用い、上述した(i)〜(vi)と同様の手順を実行することにより、各吐出孔の吐出量それぞれ求める。
III)得られた各吐出孔の吐出量に基づいて、パラメータの複数の組合せの各々について吐出量差Rを算出する。それらの結果から、許容可能な吐出量差Rに一致する複数の組合せを抽出する。
IV)抽出された複数の組合せの各々について形状パラメータGを算出する。式[6]を用いて、等号の場合のδであるG×(n−α)βの変動が最小となるようなα、βの組合せを求める。得られたα、βを基に改めてδを求める。これにより例えば、許容可能な吐出量差Rが5%の場合は、適正条件の式[7]が得られる。
V)上記IV)で得られた、例えば式[7]を充足する範囲内で、実際に使用する集合装置の吐出孔の数n、内径d、吐出孔の内径do、吐出孔の流量係数Λ及び吐出孔間隔Lを設定する。なお、吐出孔の流量係数Λは吐出孔の形状等により決まる物理定数であるため、実験又は既往の研究成果より求めることができる。
上述した集合装置を含む施工システムを用いた本発明による杭の施工方法の各実施形態を以下に説明する。
図7(a)〜(h)は、杭の施工方法の第1の実施形態における各工程を概略的に示す図である。
図7(a)は準備工程を示す。打設対象の杭は、ここでは鋼管杭1である。打ち込み対象地盤は、下層側に位置する支持層G1と、支持層界面D0から地表(本例では海底)までの間に存在する所定の地盤G2とからなる。鋼管杭1の上端にはバイブロハンマ2が取り付けられる。鋼管杭1の周囲には、一例として、複数の導通管9と、各導通管9の下端に接続される集約管8と、集約管8の分岐した先端にそれぞれ接続される複数の噴射ノズル7とから構成されるジェット配管部材が取り付けられる。各導通管9の上端には、着脱可能な高圧ホース17がカプラーを介してそれぞれ接続されている。高圧ホース17を通して、導通管9に水又は流動性固化材を圧送可能である。
図7(b)(c)は、準備工程に続く打設工程を示している。図7(b)に示すように、打設工程はウォータージェットを用いたJV工法により行う。すなわち、噴射ノズル7から打ち込み方向に水(符号Wで示す)を噴射しながらバイブロハンマ2による振動を与えることにより、鋼管杭1を杭先端の地盤に対して打ち込む。
続いて、図7(d)(e)の引上工程を行う。引上工程は、JV工法又はバイブロハンマ単独工法のいずれを用いて行ってもよい。鋼管杭1の先端が第2の設計深度D12に到達するまで、クレーンにより鋼管杭1を引き上げる。第2の設計深度D12は、後述するグラウト処理工程における杭周面グラウトの上端として予定されている深度であり、設計上別途定められている。
続いて、図7(f)(g)のグラウト処理工程を行う。鋼管杭1が、引上工程の引き上げ停止位置に到達したならば、水を流動性固化材(符号Cで示す)に切り替える。ここでは流動性固化材としてセメントミルクを用いる。セメントミルクの水セメント比は、例えば50〜150%の範囲で必要に応じて設定される。そして、流動性固化材を噴射ノズル7の先端から噴射しながらバイブロハンマ2による振動を与えて、鋼管杭1を打止め深度である第3の設計深度D13まで打ち込む。流動性固化材が固化することにより杭周面グラウトが形成される。第3の設計深度D13は、支持層G1内にあり、第1の設計深度D11とほぼ同じ位置、それより若干深い位置、又はそれより若干浅い位置でもよい。例えば、第3の設計深度D13は、支持層界面D0よりも、例えば杭1の直径の1倍程度だけ深い位置とすることができる。
杭周面グラウト処理が完了し流動性固化材の注入を終えた後、図7(h)に示すように、導通管9のカプラーに接続されていた高圧ホース17を取り外し、解放された接合端を、例えば濁水処理施設への注入管に接続する。続いて、高圧洗浄機により、図2のミキシングプラント12に注水して洗浄し、ポンプを介して洗浄水を高圧流体送出装置14に送水し、さらに高圧流体送出装置14から高圧ホース15に送水して集合装置16と高圧ホース17を通し、最後に高圧ホース17から注入管を介し濁水処理施設に注水する。これにより、流動性固化材の圧送系統の洗浄を行う。さらに、濁水処理施設に滞留したスラッジを廃棄して全工程を終了する。
図11(a)〜(g)は、杭の施工方法の第2の実施形態における各工程を概略的に示す図である。以下の第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成については説明を省略する場合がある。
図11(a)に示す準備工程は、基本的に上述した第1の実施形態において図10(a)で説明した通りである。
図11(b)(c)は、準備工程に続く打設工程を概略的に示している。図11(b)の打設工程は、ウォータージェットを用いたJV工法により行うことが、好適である。すなわち、杭先端地盤に対し噴射ノズル7から水(符号Wで示す)を噴射しながらバイブロハンマ2による振動を与えて鋼管杭1を打ち込む。第1の実施形態と同様に、初期打ち込みにおいては水を用いることが好適であるが、セメントミルク等の流動性固化材を用いることを排除しない。
続いて、図11(d)の引上工程を行う。先ず、図11(c)の初期打ち込みの完了後に、水をセメントミルク等の流動性固化材(符号Cで示す)に切り替える。セメントミルクの場合、水セメント比は、例えば50〜150%の範囲で必要に応じて設定される。そして、流動性固化材を噴射ノズル7の先端から噴射しながらバイブロハンマ2による振動を与えて、鋼管杭1の先端が第2の設計深度D22に到達するまで、クレーンにより鋼管杭1を引き上げる。第2の設計深度D22は、根固めグラウトの上端として予定されている深度である。第2の設計深度D22は、例えば、支持層界面D0より所定の距離(例えば杭1の直径の1倍程度)だけ浅い位置である。
続いて、図11(e)の根固め処理を行う。流動性固化材を噴砂ノズル7の先端から噴射しながらバイブロハンマ2による振動を与えて、鋼管杭1の先端が第3の設計深度D23に到達するまで鋼管杭1を打ち込む。第3の設計深度D23は、支持層内にあり、第1の設計深度D21とほぼ同じ位置、それより若干深い位置、又はそれより若干浅い位置である。例えば、第3の設計深度D23は、支持層界面D0より、例えば杭1の直径の1倍程度だけ深い位置とすることができる。
次に、図11(f)(g)に示す噴射ノズル引抜工程を行う。先ず、導通管9に所定の引張力を印加することにより、導通管9と共に噴射ノズル7を鋼管杭1から離脱させる。その後、導通管9の上端をクレーンで吊り上げつつ、噴射ノズル7を所定の速度で引き抜く。このとき、噴射ノズル7から流動性固化材を噴射させつつ引き抜く。
第2の実施形態の後処理工程では、第1の実施形態で述べた後処理工程に加え、回収された導通管9及び噴射ノズル7の洗浄を行う。
図12(a)〜(e)は、杭の施工方法の第3の実施形態における各工程を概略的に示す図である。以下の第3の実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成については説明を省略する場合がある。
図12(a)に示す準備工程は、基本的に上述した第1の実施形態において図1(a)で説明した通りである。
図12(b)(c)(d)に示すように、第3の実施形態では、打設工程の少なくとも一部においてグラウト処理工程を同時に行う。図示の例では、打設工程の初期段階は、ウォータージェットを用いたJV工法により行う。すなわち、噴射ノズル7から打ち込み方向に水(符号Wで示す)を噴射しながらバイブロハンマ2による振動を与えることにより、鋼管杭1を杭先端地盤に打ち込む。この実施形態は、打ち込み地盤が比較的軟弱かつ障害物が埋没していない等、杭の打ち込みが比較的容易な場合に可能である。
打設工程及びグラウト処理工程が完了し流動性固化材の注入を終えた後、図12(e)に示すように、導通管9のカプラーに嵌合していた高圧ホース17を取り外し、上述した第1の実施形態と同様の後処理工程を行う。
本発明の杭の施工方法は、共通する態様として、杭に複数のジェット配管部材及びバイブロハンマを取り付けると共に、集合装置を含む施工システムの配管を接続する準備工程と、地盤中にてジェット配管部材の先端から高圧流体を噴射しつつバイブロハンマによる振動を与えて杭を下降又は上昇させる部分工程を少なくとも含む施工工程とを備えている。本発明は、上述した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で本発明を適宜、変更可能である。
2 バイブロハンマ
7 噴射ノズル
8 集約管
8a 頭部
8b 分岐部
9 導通管
10 起重機船
11 セメントサイロ
12 ミキシングプラント
13 水タンク
14 高圧流体送出装置
15 高圧ホース
16 集合装置
16a 筐体
16b 注入孔
16c 吐出孔
16d 振動機
16e 整流板
16f 撹拌機
17 高圧ホース
18A、18B 切替装置
19 流量計
20 発動発電機
21 操作ユニット
22 クレーン
23 モニター
24 トータルステーション
25 プリズム
26 施工管理装置
Claims (12)
- 杭に複数のジェット配管部材及びバイブロハンマを取り付ける準備工程と、
地盤中にて前記ジェット配管部材の先端から高圧流体を噴射しつつ前記バイブロハンマによる振動を与えて前記杭を下降又は上昇させる部分工程を少なくとも含む施工工程とを備えた杭の施工方法であって、
前記準備工程において、1又は複数の高圧流体送出装置と、円筒状の内部空間を有する集合装置とを配置し、1又は複数の前記高圧流体送出装置と前記集合装置における1又は複数の注入孔とをそれぞれ接続すると共に、前記集合装置における複数の吐出孔と複数の前記ジェット配管部材とをそれぞれ接続し、
前記施工工程において、前記集合装置の内部空間を高圧流体で充填した状態を維持しつつ、1つ以上の前記注入孔から高圧流体を注入すると共に複数の前記吐出孔の各々からそれぞれ高圧流体を吐出させ、かつ、
複数の前記吐出孔の各々から吐出される複数の高圧流体の各吐出量について、最大吐出量と最小吐出量との差が最大吐出量の5%以下であることを特徴とする杭の施工方法。 - 高圧流体が水又は流動性固化材であり、前記施工工程が、
水を噴射しつつ前記バイブロハンマによる振動を与えて前記杭を、支持層界面より下の第1の深度まで打ち込む工程と、
少なくとも前記バイブロハンマによる振動を与えて前記杭を、設定された杭周面グラウト上端に対応する深度まで引き上げる工程と、
流動性固化材を噴射しつつ前記杭を、前記支持層界面より下の第2の深度まで再度打ち込む工程とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の杭の施工方法。 - 高圧流体が水又は流動性固化材であり、前記施工工程が、
水を噴射しつつ前記バイブロハンマによる振動を与えて前記杭を、支持層界面より下の第1の深度まで打ち込む工程と、
流動性固化材を噴射しつつ前記バイブロハンマによる振動を与えて前記杭を、設定された根固め上端に対応する深度まで引き上げる工程と、
流動性固化材を噴射しつつ前記杭を、前記支持層界面より下の第2の深度まで再度打ち込む工程と、
流動性固化材を噴射しつつ前記ジェット配管部材を引き抜く工程とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の杭の施工方法。 - 高圧流体が水又は流動性固化材であり、前記施工工程が、
流動性固化材を噴射しつつ前記バイブロハンマによる振動を与えて前記杭を、支持層界面より下の深度まで打ち込む工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の杭の施工方法。 - 前記集合装置の前記内部空間に配置された整流板により高圧流体を蛇行させることを特徴とする
請求項1〜5のいずれかに記載の杭の施工方法。 - 前記集合装置の前記内部空間に配置された攪拌機により高圧流体を撹拌し、又は、前記内部空間に配置された振動機により高圧流体に振動を与えることを特徴とする
請求項1〜6のいずれかに記載の杭の施工方法。 - 施工管理装置が、
前記バイブロハンマに取り付けたプリズムを追尾するトータルステーションから連続的に送信される杭の鉛直高さデータ、及び、1又は複数の前記高圧流体送出装置の送出口にそれぞれ取り付けた流量計から連続的にそれぞれ送信される高圧流体の流量データを取得し、
取得した前記杭の鉛直高さデータ及び前記高圧流体の流量データについて予め設定された施工計画データと比較することにより、前記施工工程に含まれる各部分工程における杭の移動速度、水と流動性固化材の切替、又は、高圧流体の吐出量をリアルタイムで調整することを特徴とする
請求項1〜7のいずれかに記載の杭の施工方法。 - 前記ジェット配管部材が、
前記集合装置に接続される導通管と、
一端が前記導通管と接続されかつ他端が複数に分岐している集約管と、
前記集約管の分岐した他端の各々と接続される複数の噴射ノズルと、を有することを特徴とする
請求項1〜8のいずれかに記載の杭の施工方法。 - 複数のジェット配管部材を取り付けた杭を、前記ジェット配管部材の先端から高圧流体を噴射しつつ打ち込む工程を少なくとも含む杭の施工方法において用いる集合装置であって、
円筒状の内部空間と、1又は複数の高圧流体送出装置とそれぞれ接続される1又は複数の注入孔と、複数の前記ジェット配管部材とそれぞれ接続される複数の吐出孔とを有し、
前記杭の施工中、前記内部空間が高圧流体で充填された状態に維持されつつ、1つ以上の前記注入孔から高圧流体が注入されかつ複数の前記吐出孔の各々から高圧流体が吐出され、かつ、
複数の前記吐出孔の各々から吐出される複数の高圧流体の各吐出量について、最大吐出量と最小吐出量との差が最大吐出量の5%以下であることを特徴とする集合装置。 - 複数のジェット配管部材を取り付けた杭を、前記ジェット配管部材の先端から高圧流体を噴射しつつ打ち込む工程を少なくとも含む杭の施工方法において用いられ、円筒状の内部空間と、1又は複数の高圧流体送出装置とそれぞれ接続される1又は複数の注入孔と、複数の前記ジェット配管部材とそれぞれ接続される複数の吐出孔とを有し、前記杭の施工中、前記内部空間が高圧流体で充填された状態に維持されつつ、1つ以上の前記注入孔から高圧流体が注入されかつ複数の前記吐出孔の各々から高圧流体が吐出される集合装置の設計方法であって、
予め、複数の前記吐出孔の数n、前記内部空間の直径d、前記吐出孔の直径do、前記吐出孔の流量係数Λ、隣り合う2つの前記吐出孔の間隔L及び前記高圧流体の動粘性係数νのパラメータのうち1又は複数をそれぞれ変化させた場合に、各場合について、各吐出量の総和をQとして、複数の前記吐出孔の各々から吐出される複数の高圧流体の各吐出量をそれぞれ算出し、
複数の前記吐出孔の各々から吐出される複数の高圧流体の各吐出量について、最大吐出量と最小吐出量との差が最大吐出量の所定の割合以下となるように、次式のα、β及びδを設定し、
複数の前記吐出孔の数n、前記内部空間の直径d、前記吐出孔の直径do、前記吐出孔の流量係数Λ、隣り合う2つの前記吐出孔の間隔L、前記高圧流体の動粘性係数ν及び前記各吐出量の総和Qの関係が次式を充たすように設計することを特徴とする集合装置の設計方法。
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