JP7102044B1 - 地盤改良工法及び地盤改良装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、近隣の構築物に変異が生じることを防止し、固化材が地表に溢れ出ず、地表に排出される掘削排土を固化材が混入していない土とすることができる地盤改良工法及び地盤改良装置を提供することを目的とする。【解決手段】本開示に係る地盤改良工法は、掘削ロッド3を地盤GL中の所定深度に達するまで挿入する挿入工程と、掘削ロッドを正回転させながら引き上げて掘削排土53を地表に排出するとともに、土砂と固化材とが混合された未固化柱状体30を形成する形成工程と、形成工程において、掘削ロッドの引き上げ長さが予め設定した設定長さに達する時が固化材の吐出体積が設定体積に達する時よりも早いとき、掘削ロッドの引き上げを一旦停止して固化材の吐出体積が設定体積に達する時を待つ待機工程と、形成工程と待機工程とを1サイクルとし、1サイクルを未固化柱状体が所定の長さに達するまで繰り返す繰返し工程と、固化工程と、を有する。【選択図】図3

Description

本開示は、地盤改良工法及び地盤改良装置に関する。
従来、住宅又は地上3階建て以下高さ13m以下で軒下9m以下の軽量建物などの構築物が不同沈下することを防止するために、柱状地盤改良杭や鋼管の先端に鉄の円盤を溶接した鋼管杭などの基礎杭を打設する工法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2016-89377号公報
鋼管杭は盤石で安心であるが、高価であり、繋杭など溶接の技術又は狭小地に搬入することが困難であるなどの欠点がある。セメントミルクなどを使う柱状地盤改良杭であれば、狭小地であっても安価に施工することができる。しかし、柱状地盤改良杭は、鋼管杭と比較して、構築時に、掘削孔へのセメントミルクなどの固化材の注入によって押しのけられる土の体積が遥かに大きく、鋼管杭と同じ支持力を持たせるためには、掘削孔の周りに土圧がかかり、近隣の構築物においてブロック塀の歪み又は風呂場のタイルのひび割れなど構築物の変異が生じる問題や柱状地盤改良杭が形成される際に地表に固化材が溢れ出して無駄になる問題があり、大きな損害につながるおそれがある。また、大きな支持力を必要とする設計として、図4に示すように、群杭と呼ばれる複数本の杭を相互に密接させて打設する工法がある。図4では、理想の杭の断面形状を破線の円で示し、従来工法で現実に施工される杭の形状を実線で囲んでハッチングを付して示した。群杭の施工中は、周辺に打設中の杭が未硬化で柔らかくセメントミルクなどの材料の圧送圧が高いので、図4に示すように、現実に施工される杭の太さ(図4において実線で示し斜線のハッチングを付した)が理想の杭の太さ(図4において破線で示した円)よりも太くなりやすく、周囲への土圧が高くなったり、セメントミルクが大量に無駄になったりして、理想の杭を形成することが難しい場合があった。攪拌ロッドの先端が隣の打設直後の柔らかい杭の方へ曲がっていく場合もあり、高度な技術を持っているオペレータであっても、施工が難しいという問題があった。また、排出される掘削排土は固化材が混入した土であり、産業廃棄物として取り扱われる。このため、その廃棄処理にコストがかかる問題があった。
本開示は、近隣の構築物に変異が生じることを防止し、固化材が地表に溢れ出ず、地表に排出される掘削排土を固化材が混入していない土とすることができる地盤改良工法及び地盤改良装置を提供することを目的とする。
本発明に係る地盤改良工法は、中空部を有する掘削ロッドと、該掘削ロッドの下端部に開口し、かつ、前記中空部に連通する噴出口と、前記掘削ロッドの前記噴出口よりも上方の外周面に突設された螺旋翼と、前記掘削ロッドに突設されて前記螺旋翼の外径よりも大きい外径を有する先端翼と、を備える地盤改良装置を使用して、地盤中で土砂と前記噴出口から吐出される固化材とを混合し、前記地盤中に柱状改良杭を構築する地盤改良工法において、前記地盤改良工法は、前記掘削ロッドを正回転させながら前記掘削ロッドの下端部が前記地盤中の所定深度に達するまで挿入する挿入工程と、前記掘削ロッドを正回転させながら引き上げて掘削排土を地表に排出するとともに、前記噴出口から前記固化材を吐出して前記土砂と前記固化材とが混合された未固化柱状体を形成する形成工程と、該形成工程において、前記掘削ロッドの引き上げ長さが予め設定した設定長さに達する時が前記固化材の吐出体積が予め設定した設定体積に達する時よりも早いとき、前記掘削ロッドの引き上げを一旦停止して前記固化材の吐出体積が前記設定体積に達する時を待つか、又は、前記固化材の吐出体積が前記設定体積に達する時が前記掘削ロッドの引き上げ長さが前記設定長さに達する時よりも早いとき、前記固化材の吐出を一旦停止して前記掘削排土の排出体積が前記設定体積に達する時を待つ待機工程と、前記形成工程と前記待機工程とを1サイクルとし、該1サイクルを前記未固化柱状体が所定の長さに達するまで繰り返す繰返し工程と、前記未固化柱状体を固化させて前記柱状改良杭とする固化工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る地盤改良工法では、前記固化工程前に、前記掘削ロッドを正回転させながら前記掘削ロッドの下端部が前記未固化柱状体中の前記所定深度に達するまで挿入し、前記掘削ロッドの下端部が前記所定深度に存在する状態で前記掘削ロッドを正回転させる攪拌工程を更に有することが好ましい。柱状改良杭の高さ方向において、外径をより均一にすることができる。
本発明に係る地盤改良装置は、地盤中で土砂と固化材とを混合し、前記地盤中に柱状改良杭を構築する地盤改良装置において、中空部を有する掘削ロッドと、該掘削ロッドの下端部に開口し、かつ、前記中空部に連通する噴出口と、前記掘削ロッドの前記噴出口よりも上方の外周面に突設された螺旋翼と、前記掘削ロッドに突設されて前記螺旋翼の外径よりも大きい外径を有する先端翼と、前記中空部に接続される固化材供給装置と、該固化材供給装置から供給される前記固化材の流量を計測する流量計測装置と、前記掘削ロッドを駆動する駆動装置と、前記掘削ロッドの深度を計測する深度計測装置と、制御装置と、を備え、該制御装置は、少なくとも前記流量計測装置から送られてきた流量情報及び前記深度計測装置から送られてきた深度情報を入力する入力部と、該入力部からの情報に基づいて少なくとも前記固化材供給装置及び前記駆動装置へオンオフ信号を出力する出力部と、を有し、前記柱状改良杭に混合される前記固化材の全体積を体積V1、地表に排出される掘削排土の全体積を体積Vsとしたとき、前記体積Vsが前記体積V1の90~110%となるように制御することを特徴とする。
本開示によれば、近隣の構築物に変異が生じることを防止し、固化材が地表に溢れ出ず、地表に排出される掘削排土を固化材が混入していない土とすることができる地盤改良工法及び地盤改良装置を提供することができる。本開示によれば、固化材の節約となり、打設するオペレータにとっても技術的に簡単で安心して作業を進められる安価な工法を提供することができる。
本実施形態に係る地盤改良装置の一例を説明するための概略図である。 本実施形態に係る地盤改良装置の地盤中に挿入される部分を説明するための概略図である。 本実施形態に係る地盤改良工法の一例を説明するための概略図であり、(a)は挿入工程、(b)(c)(d)は形成工程、(e)は攪拌工程を示す。 従来の工法による問題点を説明するための図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の一態様を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
図1は、本実施形態に係る地盤改良装置の一例を説明するための概略図である。本実施形態に係る地盤改良装置100は、図1に示すように、地盤GL中で土砂と固化材とを混合し、地盤GL中に柱状改良杭を構築する地盤改良装置において、中空部を有する掘削ロッド3と、掘削ロッド3の下端部に開口し、かつ、中空部に連通する噴出口14,15と、掘削ロッド3の噴出口14,15よりも上方の外周面に突設された螺旋翼2と、掘削ロッド3に突設されて螺旋翼2の外径よりも大きい外径を有する先端翼5と、中空部に接続される固化材供給装置6~11,13と、固化材供給装置6~11,13から供給される固化材の流量を計測する流量計測装置12と、掘削ロッド3を駆動する駆動装置4と、掘削ロッド3の深度を計測する深度計測装置26と、制御装置25と、を備え、制御装置25は、少なくとも流量計測装置12から送られてきた流量情報及び深度計測装置26から送られてきた深度情報を入力する入力部(不図示)と、入力部からの情報に基づいて少なくとも固化材供給装置6~11,13及び駆動装置4へオンオフ信号を出力する出力部(不図示)と、を有し、柱状改良杭に混合される固化材の全体積を体積V1、地表に排出される掘削排土の全体積を体積Vsとしたとき、体積Vsが体積V1の90~110%となるように制御する。
地盤改良装置100は、図1に示すように、例えば、昇降装置27に支持されることが好ましい。昇降装置27は、例えば、ガイド支柱27aと、ガイド支柱27aの上下端にそれぞれ設けられた一対のガイドシーブ27b,27cと、ガイドシーブ27b,27c間に掛け渡された昇降チェーン27dと、ガイドシーブ27b,27cを回転駆動させるシーブ駆動装置(不図示)と、を有する。昇降装置27は、クレーン車又は土木作業に一般に使用されている作業車などの作業車両1の作業用アームに取り付けられることが好ましい。これによって、地盤改良装置100の位置決めを容易に行ない得るように構成される。
掘削ロッド3は、昇降装置27の昇降チェーン27dに連結されており、ガイドシーブ27b,27cの回転によって、ガイド支柱27aに沿って昇降移動する。掘削ロッド3は、例えば円筒形の管であり、管内の中空部は固化材の通路となっている。固化材は、例えば、セメントミルクである。
噴出口14,15は、掘削ロッド3の下端部に設けられた孔であり、固化材の出口である。図1では、一例として、噴出口14,15が、掘削ロッド3の下端に設けられた第1噴出口14と掘削ロッド3の下端部の側面に設けられた第2噴出口15とを有する形態を示したが、本発明はこれに限定されず、第1噴出口14だけを有する形態(図2に図示)、又は第2噴出口15だけを有する形態であってもよい。
図2は、本実施形態に係る地盤改良装置の地盤中に挿入される部分を説明するための概略図である。螺旋翼2は、板状の羽根が掘削ロッド3の外周に螺旋状に周回したスクリュー翼である。螺旋翼2を有する掘削ロッド3は、スパイラル付きロッドとも呼ばれる。螺旋翼2は、固化材が混入していない土砂を螺旋翼2の内側部分に取り込み、掘削排土として地表に排出する役割を持つ。螺旋翼2の内側部分とは、上下に隣接する螺旋翼2の羽根同士の間の空間であり、例えば、図2において縦線状のハッチングを付した部分である。螺旋翼2の外径D2は、掘削ロッド3の外径D1よりも大きく、先端翼5の外径D3よりも小さければよく、特に限定されない。螺旋翼2は、図1に示すように、掘削ロッド3の地盤GL中に挿入される部分のうち下端から所定の長さを除く部分にわたって連続して設けられることが好ましい。螺旋翼2の螺旋方向は、図1では、一例として正面視で右上がりになっている形態を示したが、本発明はこれに限定されず、螺旋翼2の螺旋方向が正面視で左上がりになっていてもよい。
先端翼5は、杭の外周に相当する太さで地盤を掘削するとともに掘削した土砂と固化材とを混合する役割を持つ。先端翼5は、従来公知の掘削羽根を用いることができる。図2では、一例として板状部材の側辺に複数個の爪を突出させた形態を示した。先端翼5は、掘削ロッド3の下端に設けられることが好ましく、螺旋翼2よりも下方に設けられることが好ましい。また、先端翼5は、噴出口14,15よりも上方に設けられることが好ましい。先端翼5の外径D3は、形成する柱状改良杭の外径と略同等であり、柱状改良杭の外径に応じて適宜設計される。先端翼5は、従来公知な任意の構成の掘削羽根を用いることが可能であり、例えば、図2では、一例として掘削ロッド3の外壁面から突出する板状部材の端辺に複数個の爪を突出させた形態を示した。
地盤改良装置100は、掘削ロッド3に突設された掘削翼16を更に有することが好ましい。掘削翼16は、掘削ロッド3の先端翼5よりも上方に設けられることが好ましい。掘削翼16は、固い地盤を削る役割を持つ。掘削翼16は、従来公知の掘削羽根を用いることができる。図2では、一例として板状部材の側辺に複数個の爪を突出させた形態を示した。
固化材供給装置6~11,13は、例えば、図1に示すように、ミキサー6と、圧送ポンプ8と、障害物除去装置10と、ミキサー6の出口とポンプ8の入口とを繋ぐバキュームホース7と、圧送ポンプ8の出口と障害物除去装置10の入口とを繋ぐ圧送ホース9と、障害物除去装置10の出口と掘削ロッド3の上端とを繋ぐ圧送ホース11と、圧送ホース11の出口を掘削ロッド3の中空部に連通させるスイベルなどの接続部13と、を有する。ミキサー6から送られた固化材は、バキュームホース7を通って圧送ポンプ8に供給される。ポンプ8から送出された固化材は、圧送ホース9を通って、障害物除去装置10に送られて障害物を除去された後、圧送ホース11を通って、掘削ロッド3の上端から中空部に供給される。中空部に供給された固化材は、噴出口14,15から噴出されて、先端翼5によって掘削された土に混合される。
流量計測装置12は、例えば、自動リセット機能装備を有しており、固化材の供給量が予め設定された量に達すると固化材の供給を停止する装置であることが好ましい。流量計測装置12は、例えば、障害物除去装置10の出口と掘削ロッド3の上端とを繋ぐ圧送ホース11に接続される。
駆動装置4は、掘削ロッド3を回転させるモータである。
深度計測装置26は、例えば、昇降装置27の下側のガイドシーブ27cにロータリーエンコーダを連動可能に取り付けて昇降装置27の昇降チェーン27dの移動量を検出することで、掘削ロッド3の先端の深度を算出する装置である。掘削ロッド3の先端の深度の算出は、深度計測装置26が行ってもよいし、制御装置25が行ってもよい。
制御装置25は、少なくとも流量計測装置12から送られてきた流量情報及び深度計測装置26から送られてきた深度情報を入力する入力部(不図示)と、入力部からの情報に基づいて少なくとも固化材供給装置6~11,13及び駆動装置4へオンオフ信号を出力する出力部(不図示)と、を有する。制御装置25は、流量計測装置12から送られてきた流量情報から噴出口14,15から吐出された固化材の吐出体積を算出する。また、制御装置25は、深度計測装置26から送られてきた深度情報から掘削排土の排出体積を算出する。掘削排土の排出体積は、掘削ロッド3のうち地中から地表に出てきた部分の体積及び当該部分に設けられた螺旋翼2の内側部分の体積の和と同じである。掘削ロッド3を地中に挿入すると、掘削ロッド3の体積分に相当する土砂が圧縮されて、螺旋翼2の内側部分の体積に相当する土砂とともに螺旋翼2の内側に詰まった状態となる。
制御装置25は、柱状改良杭に混合される固化材の全体積を体積V1、地表に排出される掘削排土の全体積を体積Vsとしたとき、体積Vsが体積V1の90~110%となるように制御する。より好ましくは、体積Vsは体積V1の95~105%である。特に好ましくは、体積Vsは体積V1と略同等又は同等である。体積V1は、柱状改良杭となる所定長さの未固化柱状体が形成されるまでに土砂に混合される固化材の全体積、又は柱状改良杭となる所定長さの未固化柱状体が形成されるまでに噴出口14,15から吐出される固化材の全吐出体積である。体積Vsは、掘削ロッド3のうち地中に挿入される部分の体積及び前記挿入される部分に設けられた螺旋翼2の内側体積の和である。
図3は、本実施形態に係る地盤改良工法の一例を説明するための概略図であり、(a)は挿入工程、(b)(c)(d)は形成工程、(e)は攪拌工程を示す。本実施形態に係る地盤改良工法は、図1に示すように、中空部を有する掘削ロッド3と、掘削ロッド3の下端部に開口し、かつ、中空部に連通する噴出口14,15と、掘削ロッド3の噴出口14,15よりも上方の外周面に突設された螺旋翼2と、掘削ロッド3に突設されて螺旋翼2の外径よりも大きい外径を有する先端翼5と、を備える地盤改良装置100を使用して、地盤GL中で土砂と噴出口14,15から吐出される固化材とを混合し、地盤GL中に柱状改良杭を構築する地盤改良工法において、地盤改良工法は、図3(a)に示すように掘削ロッド3を正回転させながら掘削ロッド3の下端部が地盤GL中の所定深度に達するまで挿入する挿入工程と、図3(b)(c)(d)に示すように掘削ロッド3を正回転させながら引き上げて掘削排土53を地表に排出するとともに、噴出口14,15から固化材を吐出して土砂と固化材とが混合された未固化柱状体30を形成する形成工程と、形成工程において、掘削ロッド3の引き上げ長さが予め設定した設定長さに達する時が固化材の吐出体積が設定体積に達する時よりも早いとき、掘削ロッド3の引き上げを一旦停止して固化材の吐出体積が設定体積に達する時を待つか、又は、固化材の吐出体積が予め設定した設定体積に達する時が掘削ロッド3の引き上げ長さが設定長さに達する時よりも早いとき、固化材の吐出を一旦停止して掘削排土53の排出体積が設定体積に達する時を待つ待機工程と、形成工程と待機工程とを1サイクルとし、1サイクルを未固化柱状体が所定の長さに達するまで繰り返す繰返し工程と、未固化柱状体30を固化させて柱状改良杭とする固化工程と、を有する。
次に、図1及び図3を参照して各工程について説明する。図3では、図1の地盤改良装置100の一部を示している。
挿入工程では、作業車両1(図1に図示)によって指定位置に地盤改良装置100の掘削ロッド3の下端を位置決めする。そして、駆動装置4(図1に図示)の駆動によって掘削ロッド3を正回転させながら掘削ロッド3を図3(a)に示すように所定深度まで掘り下げる。掘削ロッド3の先端が所定深度に達した時点で駆動装置4の駆動を一旦停止してもよい。これによって、地中には、先端翼5の外径に相当する太さで掘削土50が柱状に形成される。本明細書において、正回転とは、螺旋翼2を地盤GL中にねじ込む方向をいう。具体的には、正回転は、螺旋翼2の螺旋方向が正面視で右上がりである場合、回転方向が掘削ロッド3を上から見たときに右回り(時計回り)となる回転であり、螺旋翼2の螺旋方向が正面視で左上がりである場合、回転方向が掘削ロッド3を上から見たときに左回り(反時計回り)となる回転である。掘削ロッド3を地中に挿入すると、図2に示すように、螺旋翼2の外径よりも内側の部分には固化材が混入していない土砂51が入り込む。この固化材が混入していない土砂51には、掘削ロッド3の挿入によって掘削ロッド3の外側に押しのけられた掘削ロッド3の体積に相当する圧縮土砂が含まれる。
形成工程では、図1に示す制御装置25の出力部が、固化材供給装置6~11,13及び駆動装置4へオン信号を出力する。これによって、固化材供給装置6~11,13が作動して噴出口14,15から固化材を圧送注入するとともに駆動装置4が駆動して掘削ロッド3を正回転させながら引き上げる。そうすると、図3(b)(c)に示すように、掘削ロッド3の下方では土砂と固化材とが混合された混合土52が形成される。この混合土52が図3(d)に示すように所定太さ及び所定長さで地中に柱状に形成されることで流動性を有する未固化柱状体30となる。一方、地中から地表に出てきた螺旋翼2の内側部分に詰まっていた固化材が混入していない土砂51は、掘削排土53として地表に排出される。
形成工程では、図1に示す流量計測装置12及び深度計測装置26のスイッチをオンにしておく。制御装置25には、予め固化材の吐出体積の設定体積及び掘削ロッド3の引き上げ長さの設定長さが設定登録されており、掘削ロッド3を正回転で引き抜くと同時に固化材を圧送注入する。設定体積は例えば20リットルであり、設定長さは例えば20cmである。設定長さは、掘削ロッド3の引き抜きによって地表に排出される掘削排土の体積が、設定体積と同程度となるように決定される。制御装置25は、入力部が流量計測装置12から送られてきた流量情報を入力すると、流量情報から噴出口14,15から吐出された固化材の吐出体積を算出し、深度計測装置26から送られてきた深度情報を入力すると、深度情報から掘削ロッド3の引き上げ長さを算出する。算出された固化材の吐出体積及び掘削ロッド3の引き上げ長さは、出力部に送られる。出力部は、掘削ロッド3の引き上げ長さが予め設定した設定長さに達すると、駆動装置4へオフ信号を出力する。また、出力部は、固化材の吐出体積が予め設定した設定体積に達すると、固化材供給装置6~11,13へオフ信号を出力する。この制御によって待機工程が実行される。流量計測装置12が自動リセット機能装備を有する場合、出力部が固化材供給装置6~11,13へオフ信号を出力する代わりに、固化材の供給量が予め設定された量に達すると流量計測装置12が固化材の供給を自動的に停止してもよい。そして、掘削ロッド3の引き上げ長さ及び固化材の吐出体積がいずれも設定した値に達したら、出力部は、固化材供給装置6~11,13及び駆動装置4へオン信号を出力して、再度、形成工程を進行させる。設定体積を20リットル、設定長さを20cmとした場合を例にとって説明する。固化材の吐出体積が先に20リットルに達したら、掘削ロッド3の引き上げ長さが20cmに達するまで固化材の吐出を停止し、掘削排土の排出体積が20リットルに達したら、固化材の吐出を再開する。あるいは、掘削ロッド3の引き上げ長さが先に20cmに達したら、固化材の吐出体積が20リットルに達するまで掘削ロッド3の引き上げを停止し、固化材の吐出体積が20リットルに達したら、掘削ロッド3の引き上げを再開する。このように固化材の流量及び掘削ロッド3の引き上げ量を小刻みに自動計測しながら、固化材の吐出体積と掘削排土の排出体積とが同比率になるような制御を、未固化柱状体30の長さが設定した長さになるまで繰り返す。
繰返し工程は、形成工程と待機工程とを1サイクルとし、1サイクルを未固化柱状体30が所定の長さに達するまで繰り返す工程である。所定の長さは、所定の深度位置から地表までの距離であってもよいし(図3(d)に図示)、所定の深度位置から地表よりも低い位置までの距離であってもよい(不図示)。繰返し工程が終了すると、図3(d)に示すように、掘削ロッド3の全体が地表に引き上げられる。制御装置25は、掘削ロッド3の先端が地表に引き上げられて引上げが終了すると同時に固化材の圧送ポンプ8を停止させる。繰返し工程によって固化材が混ざっていない土が螺旋翼2のスパイラルに詰まって地表に引き上げられ、先端翼5が固化材と地中の土とを撹拌しながら未固化柱状体30が形成される。
その後、固化工程を行う。固化工程では、未固化柱状体30は、所定期間養生されることによって固化して柱状改良杭となる。ここまでの作業を地盤の複数個所で行って複数本の柱状改良杭を施工することで、地盤GLを強固な地盤に改良することができる。
本実施形態に係る地盤改良工法では、図3(e)に示すように、固化工程前に、掘削ロッド3を正回転させながら掘削ロッド3の下端部が未固化柱状体30中の所定深度に達するまで挿入し、掘削ロッド3の下端部が所定深度に存在する状態で掘削ロッド3を正回転させる攪拌工程を更に有することが好ましい。なお、撹拌工程の前には、螺旋翼2の内側部分に詰まった掘削排土53は除去しておく。未固化柱状体30は流動性を有するので、攪拌工程によって、固化材と土砂とがランダムに練り混ぜられながら固化材と土砂との混合土52が螺旋翼2によって上昇及び下降を繰り返す。その結果、柱状改良杭の高さ方向において、固化材の混合率が均一で、外径がより均一な杭とすることができる。
本実施形態に係る地盤改良工法は、固化材のロスがなく土圧による周囲の変異の心配もない。また、産業廃棄物となる固化材の混入した残土が排出されないので、産業廃棄物の搬出が不要となる。したがって、安心で安価な工法となる。
1 作業車両
2 螺旋翼
3 掘削ロッド
4 駆動装置
5 先端翼
6 ミキサー
7 バキュームホース
8 圧送ポンプ
9 圧送ホース
10 障害物除去装置
11 圧送ホース
12 流量計測装置
13 接続部
14,15 噴出口
16 掘削翼
25 制御装置
26 深度計測装置
27 昇降装置
27a ガイド支柱
27b,27c ガイドシーブ
27d 昇降チェーン
30 未固化柱状体
50 掘削土
51 固化材が混入していない土砂
52 混合土
53 掘削排土
100 地盤改良装置
GL 地盤

Claims (3)

  1. 中空部を有する掘削ロッドと、該掘削ロッドの下端部に開口し、かつ、前記中空部に連通する噴出口と、前記掘削ロッドの前記噴出口よりも上方の外周面に突設された螺旋翼と、前記掘削ロッドに突設されて前記螺旋翼の外径よりも大きい外径を有する先端翼と、を備える地盤改良装置を使用して、地盤中で土砂と前記噴出口から吐出される固化材とを混合し、前記地盤中に柱状改良杭を構築する地盤改良工法において、
    前記地盤改良工法は、
    前記掘削ロッドを正回転させながら前記掘削ロッドの下端部が前記地盤中の所定深度に達するまで挿入する挿入工程と、
    前記掘削ロッドを正回転させながら引き上げて掘削排土を地表に排出するとともに、前記噴出口から前記固化材を吐出して前記土砂と前記固化材とが混合された未固化柱状体を形成する形成工程と、
    該形成工程において、前記掘削ロッドの引き上げ長さが予め設定した設定長さに達する時が前記固化材の吐出体積が予め設定した設定体積に達する時よりも早いとき、前記掘削ロッドの引き上げを一旦停止して前記固化材の吐出体積が前記設定体積に達する時を待つか、又は、前記固化材の吐出体積が前記設定体積に達する時が前記掘削ロッドの引き上げ長さが前記設定長さに達する時よりも早いとき、前記固化材の吐出を一旦停止して前記掘削排土の排出体積が前記設定体積に達する時を待つ待機工程と、
    前記形成工程と前記待機工程とを1サイクルとし、該1サイクルを前記未固化柱状体が所定の長さに達するまで繰り返す繰返し工程と、
    前記未固化柱状体を固化させて前記柱状改良杭とする固化工程と、を有することを特徴とする地盤改良工法。
  2. 前記固化工程前に、前記掘削ロッドを正回転させながら前記掘削ロッドの下端部が前記未固化柱状体中の前記所定深度に達するまで挿入し、前記掘削ロッドの下端部が前記所定深度に存在する状態で前記掘削ロッドを正回転させる攪拌工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の地盤改良工法。
  3. 地盤中で土砂と固化材とを混合し、前記地盤中に柱状改良杭を構築する地盤改良装置において、
    中空部を有する掘削ロッドと、
    該掘削ロッドの下端部に開口し、かつ、前記中空部に連通する噴出口と、
    前記掘削ロッドの前記噴出口よりも上方の外周面に突設された螺旋翼と、
    前記掘削ロッドに突設されて前記螺旋翼の外径よりも大きい外径を有する先端翼と、
    前記中空部に接続される固化材供給装置と、
    該固化材供給装置から供給される前記固化材の流量を計測する流量計測装置と、
    前記掘削ロッドを駆動する駆動装置と、
    前記掘削ロッドの深度を計測する深度計測装置と、
    制御装置と、を備え、
    該制御装置は、少なくとも前記流量計測装置から送られてきた流量情報及び前記深度計測装置から送られてきた深度情報を入力する入力部と、該入力部からの情報に基づいて少なくとも前記固化材供給装置及び前記駆動装置へオンオフ信号を出力する出力部と、を有し、前記柱状改良杭に混合される前記固化材の全体積を体積V1、地表に排出される掘削排土の全体積を体積Vsとしたとき、前記体積Vsが前記体積V1の90~110%となるように制御することを特徴とする地盤改良装置。
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