JP6566223B1 - 切削インサート及び該切削インサートを用いた切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一の切れ刃の複数の切込み角においてワイパー刃を機能させることができる切削インサートを提供する。【解決手段】切削インサート2は、複数の切れ刃25と、隣り合う切れ刃25,25の間に一対ずつ配置された第1及び第2のワイパー刃271,272と、を有している。切れ刃25並びに第1及び第2のワイパー刃271,272は、上面21と側面23とが交差する第1の稜線R1に形成されている。第1及び第2のワイパー刃271,272が交差する角度は、150°以上160°以下である。【選択図】図5

Description

本発明は、切削インサート及び該切削インサートを用いた切削工具に関する。
切れ刃に加えてワイパー刃が切削インサートに形成されていると、重切削と同時に中切削が可能になる。ワイパー刃は、切れ刃に対して所定の角度で交差しており、被削部の加工面と略平行に配置されたとき、該加工面の凹凸をさらうように機能する(例えば、特許文献1及び2参照)。
工具本体(ホルダ)を交換して切れ刃の切込み角を変更することで、例えば高送り用や高切込み用といった複数の用途に使用できる切削インサートが提供されている。しかるに、切れ刃が高送り用の切込み角のとき、加工面と略平行になるようにワイパー刃が形成されていると、切れ刃が高切込み用の切込み角のとき、当該ワイパー刃は加工面と略平行ではなくなる。
再公表WO2016/190351号公報 特開2003−11006号公報
切込み角を変更して複数の用途に使用できる切削インサートであっても、ワイパー刃付きで機能させることができるのは、いずれか一つの切込み角に限られてしまう。
そこで、本発明は、同一の切れ刃の複数の切込み角においてワイパー刃を機能させることができる切削インサートを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る切削インサートは、すくい面と側面とが交差する稜線に形成された複数の切れ刃と、稜線に形成され、隣り合う切れ刃の間に一対ずつ配置された第1のワイパー刃及び第2のワイパー刃と、を有している。第1のワイパー刃と第2のワイパー刃とが交差する角度は、150°以上160°以下である。
本発明の一態様に係る切削工具は、切削インサートと、該切削インサートを固定する工具本体と、を備えている。切削インサートは、すくい面と側面とが交差する稜線に形成された複数の切れ刃と、該稜線に形成され、隣り合う切れ刃の間に一対ずつ配置された第1のワイパー刃及び第2のワイパー刃と、を有している。第1のワイパー刃と第2のワイパー刃とが交差する角度は、150°以上160°以下が好ましい。工具本体は、切れ刃によって切削された加工面を、切れ刃に隣接した第1のワイパー刃ではなく、該切れ刃に隣接していない第2のワイパー刃がさらうように切削インサートを固定する。
これらの態様によれば、異なる角度に形成された第1のワイパー刃と第2のワイパー刃と双方をワイパー刃として使用することができる。使用するワイパー刃を切り替えることにより、例えばワイパー刃付きの高切込み用と、例えばワイパー刃付きの高送り用と、同一の切削インサートを切込み角が異なる用途に使用できるようになる。ワイパー刃が被削材の表面をさらうため、仕上げ面が粗くなりにくい。コーナがワイパー刃によって150°以上160°以下に形成されているため、刃先が欠損しにくい。
上記態様において、隣り合う切れ刃が交差する角度は、すべて108°が好ましい。
この態様によれば、第1のワイパー刃が加工面をさらうことができる向きに切削インサートを傾けたとき、第1のワイパー刃に面した加工面と切れ刃とが、高送り用に好適な20°から35°の切込み角をなす。第2のワイパー刃が加工面をさらうことができる向きに切削インサートを傾けたとき、第2のワイパー刃に面した加工面と切れ刃とが、高切込み用に好適な35°から75°の切込み角をなす。
切れ刃の交差角が108°であれば、第1又は第2のワイパー刃に面した加工面と切れ刃とが自ずから好適な切込み角をなすため、使用できないコーナを設けて使用するコーナにおける切込み角を調整する必要がない。すべてのコーナを切削加工に有効に利用できて経済的である。しかも、コーナ角が鈍角になるため、切れ刃が欠損しにくい。切削負荷が高い条件であっても好適に用いることができる。
上記態様において、切削インサートは、切れ刃に沿ってすくい面に形成されたチップブレーカをさらに有し、チップブレーカは、各々が円形に形成された複数の突起を含み、該複数の突起は、切れ刃の一端及び他端にそれぞれ配置されており少なくとも一部が第1のワイパー刃又は第2のワイパー刃に対向している第1の突起と、該第1の突起の間に配置された第2の突起と、を含んでいてもよい。
この態様によれば、チップブレーカに含まれる突起が円形であるため、切れ刃とワイパー刃とで異なる方向から流出する切りくずを細分化できる。
本発明の一態様に係る切削インサートは、すくい面と側面とが交差する稜線に形成された複数の主切れ刃と、稜線に形成され、隣り合う主切れ刃の間に一つずつ配置されたスイッチ部と、を有している。スイッチ部は、主切れ刃に隣接した第1の部分と、第1の部分に隣接した第2の部分と、を有している。主切れ刃が被削材を切削するように固定したとき、第1の部分は、主切れ刃によって切削された加工面をさらうワイパー刃として機能する。主切れ刃及び第1の部分が被削材を切削するように固定したとき、第2の部分は、主切れ刃及び第1の部分によって切削された加工面をさらうワイパー刃として機能する。
この態様によれば、第1の部分がワイパー刃として機能する場合と、第1の部分が切れ刃として機能する場合とが主切れ刃の切込み角に応じて切り替わる。そして、第1の部分がワイパー刃として機能しない切込み角では、代わりに第2の部分がワイパー刃として機能する。使用するワイパー刃を切り替えることにより、例えばワイパー刃付きの高切込み用と、例えばワイパー刃付きの高送り用と、同一の切削インサートを切込み角が異なる用途に使用できるようになる。
本発明によれば、同一の切れ刃の複数の切込み角においてワイパー刃を機能させることができる切削インサートを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態の切削工具の一例を示す斜視図である。 図2は、図1中のII−II線に沿う断面図である。 図3は、図2に示された傾斜面を拡大して示す断面図である。 図4は、図1に示された切削インサートの一例を示す斜視図である。 図5は、図4に示された切削インサートのコーナを拡大して示す平面図である。 図6は、図1に示された切削工具が高送りで被削材を切削している状態を示す正面図である。 図7は、図1に示された切削工具が高切込みで被削材を切削している状態を示す正面図である。
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本発明の一実施形態に係る切削インサート2は、各々の切れ刃25に対して複数のワイパー刃(第1及び第2のワイパー刃271,272)が付設されていることが特徴の一つである。
第1及び第2のワイパー刃271,272が交差する角度は例えば150°以上160°以下であり、その補角は高切込み用の切込み角αと高送り用の切込み角βとの差に一致する。そのため、同一の切れ刃の複数の切込み角α,βにおいて、各々に対応するワイパー刃271,272を機能させることができる。以下、図1から図7を参照して各構成について詳しく説明する。
まず、図1乃至図5を参照してすべての切込み角に共通する構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態の切削工具1の一例を示す斜視図である。図1に示すように、切削工具1は、正五角形の切削インサート2と、切削インサート2を固定する工具本体3と、を備えている。この工具本体3は、後述する第1及び第2の工具本体3A,3Bのいずれか一方である。工具本体3のシャンクは、例えば、旋盤の刃物台に固定される。工具本体3の先端には、切削インサート2が固定されるインサート座30が形成されている。
インサート座30は、切削インサート2の着座面(例えば、下面22)に対向する取付け座面31と、取付け座面31から起立した壁面32と、を有している。下面22と取付け座面31との間には、交換可能な敷き金(shim)33が介在していてもよい。インサート座30を含む工具本体3の大部分は、例えば鋼材から形成されている。敷き金33は、例えば超硬合金から形成され、鋼材から形成された他の部分よりも変形しにくい。図1に示す例によれば、損傷しやすい部分が交換可能に構成され、しかも変形しにくいため、工具本体3の寿命を延ばすことができる。
図1に示す例では、切削インサート2の装着形式が、切削インサート2のコーナ20をインサート座30の隅に押し込んで締め付けるレバーロック式に構成されている。なお、工具本体3は、レバーロック式に限られず、切削インサート2のすくい面(例えば、上面21)をねじ頭で押さえ付けるスクリューオン式等であってもよい。レバーロック式の場合、工具本体3は、インサート座30に設けられて切削インサート2を着脱自在に固定するクランプ部材34と、クランプ部材34を操作する締付けねじ35と、を備えている。クランプ部材34は、例えばL字形に形成された金属部品である。
締付けねじ35を締めると、クランプ部材34の基端が押し下げられ、クランプ部材34の先端が切削インサート2の取付け孔24の内周面を押圧する。押圧された切削インサート2が締付けねじ35に向かう方向へ移動し、側面23がインサート座30の壁面32へ当接する。逆に、締付けねじ35を緩めると、クランプ部材34の先端が切削インサート2の取付け孔24の内周面を押圧する力が弱まり、切削インサート2をインサート座30から取り外すことができる。
図2は、図1中のII−II線に沿う断面図である。図3は、図2に示された傾斜面14を拡大して示す断面図である。図2及び図3に示すように、工具本体3のインサート座30において、壁面32は、取付け座面31及び敷き金33の上面に略垂直に形成されている。壁面32は、切削インサート2の側面23に対向している。壁面32は、取付け座面31及び敷き金33の上面に対して鋭角に傾斜した傾斜面14を含んでいる。
図1乃至図3に示す例では、切削インサート2の側面23に凸部10が形成されている。なお、凸部10は必須の構成ではなく省略してもよい。凸部10は、側面23から突出し、後述する切削インサート2の切れ刃25,26(図4参照)に沿って延在している。凸部10は、切れ刃25,26に直交する平面で切断したとき、例えば台形の断面を有している。より詳しくは、凸部10は、上面21へ向かうに従って突出高さが低くなる第1面11と、下面22へ向かうに従って突出高さが低くなるように傾斜した第2面12と、第1面11及び第2面12を繋いでおり側面23に平行な第3面13と、を有している。
なお、凸部10の断面は、図2に示す例に限られず、第3面13を省略した山形であってもよいし、他の形状であってもよい。傾斜面14は、凸部10の第1面11又は第2面12に対して取付け座面31とは反対側の上方から当接する。図2及び図3に示す例では、傾斜面14が凸部10の第1面11と平行に形成され、該第1面11に対して上方から当接している。
図4は、切削インサート2の一例を示す斜視図である。図4に示すように、切削インサート2は、上面21と、上面21とは反対側の下面22と、上面21及び下面22を繋ぐ側面23と、上面21及び下面22を貫通する取付け孔24と、を有している。図4に示す例では、上面21及び下面22が、略正五角形にそれぞれ形成されている。本発明において、切削インサート2は略正五角形に限られない。切削インサート2は、例えば、二箇所又は四箇所のコーナを使用できる菱形であってもよいし、三箇所又は六箇所のコーナを使用できる六角形であってもよいし、四箇所又は八箇所のコーナを使用できる正方形であってもよい。
図4に示す例では、上面21及び下面22の内接円の直径は、例えば19.05mmである。切削インサート2の厚み(側面23の幅)は、例えば6.35mmである。取付け孔24の直径は、例えば7.9mmである。なお、切削インサート2の寸法は、図4に示す例に限られない。例えば、切削インサート2の内接円を大きくして、より大きな切込み量に対応できるようにしてもよい。また、切削インサート2の材料は、特に限定されない。超硬合金をはじめとした種々の切削インサート用材料を適用できる。
上面21と側面23とが交差する第1の稜線R1には、隣り合うコーナ20の間に五箇所の切れ刃(主切れ刃)25が形成されている。同様に、下面22と側面23とが交差する第2の稜線R2には、五箇所の切れ刃(主切れ刃)26が形成されている。なお、切削インサート2は、上面21及び下面22のいずれか一方のみに切れ刃が形成された片面タイプであってもよい。
また、図4に示す例では、切削インサート2が、コーナ20と取付け孔24の中心軸とを結んだ鏡面M(図5参照)に対して切れ刃25,26が鏡映対称であって、右勝手及び左勝手のどちらにも使用できる勝手なしに形成されている。図示しないが、切削インサート2は、右勝手用の工具本体にしか装着できない右勝手として構成してもよいし、左勝手用の工具本体にしか装着できない左勝手として構成してもよい。
切れ刃25は、取付け孔24から見て72°ずつ変位した位置に配置されている。同様に、切れ刃26は、取付け孔24から見て72°ずつ変位した位置に配置されている。各々の切れ刃25,26において、第1及び第2の稜線R1,R2は略直線である。隣り合う切れ刃25又はその延長線がなす角度(コーナ角)はすべて108°であり、隣り合う切れ刃26又はその延長線がなす角度(コーナ角)はすべて108°である。つまり、切削インサート2は概ね正五角形に形成されている。切削インサート2のコーナ20には、後述する第1及び第2のワイパー刃(さらい刃)271,272,281,282が形成されている。
上面21及び下面22には、切れ刃25,26に沿ってチップブレーカが設けられている。なお、チップブレーカは必須の構成ではなく省略してもよい。図2に示す例では、チップブレーカが、複数の円形の突起29を含んでいる。各々の突起29は、上面21及び下面22から球状に突出している。以下、上面21の説明において、下面22から上面21へ向かう方向(切削インサート2の厚み方向の一例)の突出量を高さと呼ぶことがある。同様に、下面22の説明において、上面21から下面21へ向かう方向(切削インサート2の厚み方向の他の一例)の突出量を高さと呼ぶことがある。
球の頂点の突出高さは、切れ刃25,26と同程度である。切れ刃25,26と同程度の高さに収まり、十分な幅のすくい面を確保できる範囲内で、突起29は、摩滅しにくいようにできるだけ大きく形成されている。球の半径は、例えばR1.5〜2mm程度が好ましく、図示した例ではR1.8mm程度である。なお、チップブレーカの形状は、図示した例に限られず、他の形状であってもよい。
図4に示す例では、複数の突起29は、切れ刃25,26の一端及び他端にそれぞれ配置された第1の突起291と、第1の突起291の間に配置された複数の第2の突起292と、を含んでいる。両端の第1の突起291は、少なくとも一部が第1又は第2のワイパー刃271,272に対向している。換言すると、任意のコーナ20において、第1の突起291は、互いに隣接する第1又は第2のワイパー刃271,272と切れ刃25とに跨って配置されている。
第1の突起291の少なくとも一部は、第1又は第2のワイパー刃271,272の法線上に位置している。第1の突起291の残余(他部)は、切れ刃25の法線上に位置している。切れ刃25の法線の延在方向は、切れ刃25の切りくずの流出方向の一例であり、第1又は第2のワイパー刃271,272の法線の延在方向は、第1又は第2のワイパー刃271,272の切りくずの流出方向の一例である。なお、切れ刃25から流出した切りくずと第1又は第2のワイパー刃271,272から流出した切りくずとが連続しているため、実際の切りくずの流出方向は、それぞれの刃の使用比率に応じて合成された種々の方向になる。
本発明の一実施形態に係る本切削インサート2は、第1の稜線R1のコーナ20において、主切れ刃25の間に一つずつ配置されたスイッチ部27を有し、第2の稜線R2のコーナ20において、主切れ刃26の間に一つずつ配置されたスイッチ部28を有している。スイッチ部27には、第1及び第2の部分271,272が含まれている。同様に、スイッチ部28には、第1及び第2の部分281,282が含まれている。図6及び図7を参照して後で詳しく説明するが、スイッチ部27,28は、主切れ刃25,26の切込み角に応じて、第1の部分271,281か、第2の部分272,282か、どちらをワイパー刃として機能させるか切り替えることができる。
換言すると、本発明の一実施形態に係る切削インサート2は、第1の稜線R1のコーナ20において、一対のワイパー刃(第1及び第2のワイパー刃)271,272が形成され、隣り合う切れ刃25の間に配置されている。同様に、第2の稜線R2のコーナ20において、一対のワイパー刃(第1及び第2のワイパー刃)281,282が形成され、隣り合う切れ刃26の間に配置されている。
なお、上面21及び下面22は、略同一の形状及び機能を有している。切削工具1において、上面21がすくい面になり、下面22が着座面になってもよい(図1参照)。上面21が着座面になり、下面22がすくい面になってもよい。そのため、上面21側の第1の稜線R1に形成された切れ刃25及び一対のワイパー刃271,272について代表して詳しく説明し、下面22側の第2の稜線R2に形成された切れ刃26及び一対のワイパー刃281,282については重複する説明を省略することがある。
図5は、切削インサート2のコーナ20を拡大して示す平面図である。第1及び第2のワイパー刃271,272は、直線状であってもよいし、円弧形状であってもよいし、楕円形状であってもよい。図5に示す例では、直線状のワイパー刃271,272が形成されている。切削インサート2の内接円が19.05mmの場合、第1のワイパー刃271,281の長さは、例えば2mm程度であり、第2のワイパー刃272,282の長さは、例えば2mm程度である。
以下の説明において、任意の切れ刃25Xに着目したとき、当該任意の切れ刃25Xに隣接した一番目(α位)に位置したワイパー刃を第1のワイパー刃271と呼び、その隣の二番目(β位)に位置したワイパー刃を第2のワイパー刃272と呼ぶ。切削インサート2を右勝手用の工具本体3に装着する場合、図5に示すように、切れ刃25X、第1のワイパー刃271、第2のワイパー刃272が時計回りに並ぶ。切削インサート2を左勝手用の工具本体3に装着する場合、逆に、切れ刃25X、第1のワイパー刃271、第2のワイパー刃272が反時計回りに並ぶ。
任意の切れ刃25Xにおいて、切れ刃25Xに隣接した第1のワイパー刃271と切れ刃25Xとが交差する角度θ1は、その隣の第2のワイパー刃272(他方のワイパー刃)と切れ刃25Xとが交差する角度θ2よりも小さい。具体的には、切れ刃25Xに隣接する第1のワイパー刃271が当該切れ刃25となす角度θ1は、5〜35°が好ましく、20〜30°がより好ましい。その隣の第2のワイパー刃272が同一の切れ刃25Xとなす角度θ2は、25〜65°が好ましく、40〜50°がより好ましい。図5に示す例では、θ1が23°であり、θ2が46°である。
高切込み用と高送り用とで第1のワイパー刃271と、第2のワイパー刃272と、双方を使用できるようにするため、第1及び第2のワイパー刃271,272が交差する角度θ3は、150°以上160°以下が好ましい。図5が示す例では、第1及び第2のワイパー刃271,272の交差角θ3が154°である。
第1及び第2のワイパー刃271,272が円弧形状や楕円形状の場合、第1ワイパー271の両端のうちの第2ワイパー272側の端における接線と、切れ刃25Xとがなす角は、前述の角度θ1である。同様に、第2ワイパー刃272の両端のうちの第1ワイパー刃271側の端における接線と、切れ刃25Xとがなす角は、前述の角度θ2である。また、第1ワイパー271の両端のうちの第2ワイパー272側の端における接線と、第2ワイパー刃272の両端のうちの第1ワイパー刃271側の端における接線とがなす角は、前述の角度θ3である。
切削工具1は、工具本体3を交換して切削インサート2の切込み角α,βを変更できる。図6は、切削インサート2を第1の工具本体3Aに装着し、切削工具1を高送り用(High Feed type)として構成した例である。高送り用として好適な切込み角αは、例えば20°から35°である。図6に示す例では、被削材と切れ刃25,26とがなす切込み角αが22.5°となるように切削インサート2が固定されている。
図6に示された状態では、切削中の切れ刃25に隣接した(当該切れ刃25から一番目に位置した)第1のワイパー刃271が、被削材に対向している。被削材と第1のワイパー刃271とは、略平行に固定されている。より詳しくは、被削材に対する第1のワイパー刃271,281のさらい刃角γ1が0.5°となるように切削インサート2が固定されている。図6に示された切削インサート2において、被削材に最も深く切り込んだ部位は、切削中の切れ刃25Xと第1のワイパー刃271とが交差する部位201である。
図7は、切削工具2を第2の工具本体3Bに装着し、切削工具1を中〜重切削用(Medium to Heavy Cutting)として構成した例である。中〜重切削用(高切込み用)として好適な切込み角βは、例えば40°から67°である。図7に示す例では、被削材と切れ刃25,26とがなす切込み角βが48.5°となるように切削インサート2が固定されている。
図7に示された状態において、切削中の切れ刃25Xに隣接した一方のワイパー刃(第1のワイパー刃271)ではなく、その隣に位置した他方のワイパー刃(第2のワイパー刃272)が、被削材に対向している。被削材と第2のワイパー刃272とは、略平行に固定されている。
より詳しくは、被削材に対する第2のワイパー刃272,282のさらい刃角γ2が0.5°となるように切削インサート2が固定されている。切削インサート2において、被削材に最も深く切り込んだ部位は、前述の部位201ではなく、第1及び第2のワイパー刃271,272が交差する部位202である。
異なる観点から説明すると、本発明において、前述のスイッチ部27は、主切れ刃25に隣接した第1の部分271と、第1の部分271に隣接した第2の部分272と、を有している。図6に示すように、主切れ刃25Xが被削材を切削するように固定したとき、第1の部分271は、主切れ刃25Xによって切削された加工面をさらうワイパー刃(第1のワイパー刃)として機能する。
第1の切れ刃271は、主切れ刃25の切込み角に応じて、ワイパー刃ではなく、切れ刃(コーナ刃又は主切れ刃)として機能することもできる。図7に示すように、主切れ刃25だけでなく第1の部分271も被削材を切削するように固定したとき、第2の部分272は、これら主切れ刃25及び第1の部分271によって切削された加工面をさらうワイパー刃(第2のワイパー刃)として機能する。
以上のように構成された本実施形態の切削工具1及びその切削インサート2によれば、単一の切削インサート2に形成された二種類のワイパー刃271,272の双方を機能させることができる。本実施形態では、第1及び第2のワイパー刃271,272が交差する角度が150°以上160°以下であって、その補角が切削工具1の切込み角α,βの差分に相当する20°超30°未満である。
第1及び第2の工具本体3A,3Bを交換し、該工具本体3に固定された切削インサート2の切れ刃25,26の切込み角α,βを変更することがある。本実施形態によれば、二種類の切込み角α,βのそれぞれにおいて、第1及び第2のワイパー刃271,272をワイパー刃として機能させることができる。本実施形態では、ワイパー刃27,28が被削材の表面をさらうため、切削条件の送り速度を高めても、仕上げ面が粗くなりにくい。そのため、重切削(荒加工)と同時に中切削(中仕上げ)が可能になる。
本実施形態に係る切削インサート2は、図5に示すように、鏡面Mに対して切れ刃25,26やワイパー刃27,28が鏡映対称であって、右勝手及び左勝手のどちらにも使用できる勝手なしに形成されている。そのため、図6及び図7に示された右勝手用の工具本体3に切削インサート2を装着することによって、右勝手の切削工具1を構成することができる。図示しないが、左勝手用の工具本体3に切削インサート2を装着し、左勝手の切削工具1を構成することもできる。
ワイパー刃271,272,281,282を有していると、切れ刃25,26とワイパー刃271,272,281,282とで異なる方向から切りくずが流出する。本実施形態によれば、切れ刃25,26の両端に円形の第1の突起291が配置されているため、種々の方向から衝突する切りくずを好適に細分化できる。
本実施形態は、すべてのコーナ20の角度が鈍角となる108°であるため、切れ刃25,26が欠損しにくい。例えば、図6に示された高送り加工等や図7に示された中〜重切削の切削負荷が高い条件であっても好適に用いることができる。図4に示すように、切削インサート2が略正五角形であるため、上面21及び下面22の合計十箇所の切れ刃25,26すなわち十箇所のコーナ20を使用できて経済的である。
一方で、コーナ20の角度が鈍角であると、切削インサート2が工具本体3のインサート座30から浮き上がりやすくなる。しかるに、本実施形態に係る切削インサート2は、側面23に凸部10を有している。そのため、正方形よりもコーナ20の角度が大きい正五角形の切削インサート2であっても、図2及び図3に示すように、工具本体3に凸部10を当接させて確実に固定できる。
本実施形態では、切削インサート2の装着形式として、操作性に優れ、切りくず処理を阻害しにくいレバーロック式を採用している。切削インサート2のコーナ20を工具本体3のインサート座30の隅に押し込んで締め付けるレバーロック式の場合、切削インサート2の上面21をねじ頭で押さえ付けるスクリューオン式と比べて、切削インサート2が浮き上がる方向の拘束力が弱い傾向がある。しかしながら、本実施形態では、側面23に凸部10が設けられているため、コーナ20の角度が大きくなっても切削インサート2がインサート座30から浮き上がりにくい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
1…切削工具、2…切削インサート、3…工具本体、10…凸部、11…第1面、12…第2面、13…第3面、14…傾斜面、20…コーナ、21…上面、22…下面、23…側面、24…取付け孔、25,26…主切れ刃、27,28…スイッチ部、29…突起、30…インサート座、31…取付け座面、32…壁面、33…敷き金、34…クランプ部材、35…締付けねじ、201,202…最も深く切り込む部位、271、281…第1の部分(第1のワイパー刃)、272,282…第2の部分(第2のワイパー刃)、291…第1の突起、292…第2の突起、R1…第1の稜線、R2…第2の稜線、α,β…切込み角、γ1,γ2…さらい刃角、θ1…第1のワイパー刃と主切れ刃との交差角、θ2…第2のワイパー刃と主切れ刃との交差角、θ3…ワイパー刃の交差角。

Claims (4)

  1. すくい面と側面とが交差する稜線に形成された複数の切れ刃と、
    前記稜線に形成され、隣り合う前記切れ刃の間に一対ずつ配置された第1のワイパー刃及び第2のワイパー刃と、を有し、
    前記第1のワイパー刃と前記第2のワイパー刃とが交差する角度は、150°以上160°以下であり、
    前記切れ刃に沿って前記すくい面に形成されたチップブレーカをさらに有し、
    前記チップブレーカは、各々が前記すくい面から球状に突出しており平面視で円形に形成された複数の突起を含み、該複数の突起は、前記切れ刃の一端及び他端にそれぞれ配置されており少なくとも一部が前記第1のワイパー刃又は前記第2のワイパー刃に対向している第1の突起と、該第1の突起の間に配置された第2の突起と、を含み、
    前記第1の突起は、互いに隣接する前記ワイパー刃と前記切れ刃とに跨って配置され、前記第1の突起の一部は、前記第1のワイパー刃又は前記第2のワイパー刃の法線上に位置し、前記第1突起の他部は、前記切れ刃の法線上に位置している、切削インサート。
  2. 隣り合う前記切れ刃が交差する角度は、すべて108°である、請求項1に記載の切削インサート。
  3. 各々の前記突起は、前記すくい面から半径が1.5mm以上2mm以下の球状に突出している、請求項1又は2に記載の切削インサート。
  4. 切削インサートと、該切削インサートを固定可能な第2の工具本体と、前記切削インサートを固定可能な第1の工具本体と、を備えた切削工具であって、
    前記切削インサートは、すくい面と側面とが交差する稜線に形成された複数の切れ刃と、該稜線に形成され、隣り合う前記切れ刃の間に一対ずつ配置された第1のワイパー刃及び第2のワイパー刃と、を有し、
    前記第1のワイパー刃と前記第2のワイパー刃とが交差する角度は、150°以上160°以下であり、
    前記切れ刃に沿って前記すくい面に形成されたチップブレーカをさらに有し、
    前記チップブレーカは、各々が前記すくい面から球状に突出しており平面視で円形に形成された複数の突起を含み、該複数の突起は、前記切れ刃の一端及び他端にそれぞれ配置されており少なくとも一部が前記第1のワイパー刃又は前記第2のワイパー刃に対向している第1の突起と、該第1の突起の間に配置された第2の突起と、を含み、
    前記第2の工具本体は、前記切れ刃によって切削された加工面を、該切れ刃に隣接した前記第1のワイパー刃ではなく、該切れ刃に隣接していない前記第2のワイパー刃がさらうように前記切削インサートを固定し、
    前記第1の工具本体は、前記切れ刃によって切削された加工面を、該切れ刃に隣接した前記第1のワイパー刃がさらうように前記切削インサートを固定する、切削工具。
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