JP6565887B2 - 低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法および低降伏比角形鋼管の製造方法 - Google Patents

低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法および低降伏比角形鋼管の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低降伏比角形鋼管用熱延鋼板、および、熱延鋼板を素材とし冷間でロール成形により製造され低降伏比と低温靭性を具備する角形鋼管(角コラム)に関する。
角形鋼管は、通常、熱延鋼板(熱延鋼帯)または厚板を素材として、冷間成形により製造される。角形鋼管の製造に用いられる冷間成形方法としては、プレス成形、ロール成形がある。熱延鋼板を素材としロール成形を利用して角形鋼管を製造する場合には、まず熱延鋼板を丸型鋼管に成形し、その後、該丸型鋼管に冷間成形を加えて角形鋼管とするのが一般的である。このロール成形を利用した角形鋼管の製造方法は、プレス成形を利用した角形鋼管の製造方法に比べて、生産性が高いという利点がある。しかし、ロール成形を利用した角形鋼管の製造方法では、丸型鋼管への成形に際し管軸方向に大きな加工歪が導入されるため、管軸方向の降伏比が上昇しやすく、靭性が低下しやすいという問題がある。
このような問題に対し、特許文献1では、重量%でCを0.20%以下含有し、さらにMn:0.40〜0.90%、Nb:0.005〜0.040%およびTi:0.005〜0.050%のうち1種または2種を含有する鋼素材を、未再結晶温度域における圧下率55%以上、圧延終了温度730〜830℃、巻取り温度 550℃以下の熱延によりコイルとする熱延工程により、鋼管成形工程における外周長絞りを板厚の3倍以下とすることで、降伏比が90%以下で試験温度0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが27J以上である角形鋼管を得ている。
また、特許文献2では、質量%で、C:0.07〜0.18%、Mn:0.3〜1.5%を含む鋼を、加熱温度:1100〜1300℃に加熱したのち、粗圧延終了温度:1150〜950℃とする粗圧延と仕上圧延開始温度:1100〜850℃、仕上圧延終了温度:900〜750℃とする仕上圧延を施したあと、表面温度で冷却停止温度が550℃以上となるように冷却する一次冷却と、3〜15s間空冷する二次冷却と、板厚中央部温度で750〜650℃の温度域の平均冷却速度が4〜15℃/sとなる冷却速度で650℃以下まで冷却する三次冷却を施し、鋼組織に含まれる第二相頻度の値を0.20〜0.42とすることによって、80%以下の低降伏比を示し試験温度:0℃でシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが150J以上の機械的特性を具備する角形鋼管を製造できる。
特開平9−87743号公報 特許第5594165号
ここで、冷間でのロール成形により製造される角形鋼管は、その肉厚が大きくなるほど導入される加工歪が増加し、降伏比の上昇と靭性の低下がより大きくなる。そのため、素材となる熱延鋼板には、成形時の降伏比の上昇を抑制する鋼組織と、大きな加工歪による靭性の悪化に耐えうる優れた低温靭性を具備することが必要となるが、上記の特許文献1および2で開示された方法で製造される角形鋼管では、特に板厚が25mmを超える場合に、降伏比が高くなってしまい降伏比90%以下を満足できないという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、板厚25mm超であっても降伏強さ:200MPa以上、引張強さ:400〜510MPaで、75%以下の低降伏比を示し、試験温度−20℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが27J以上となる低温靭性を具備する低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、管軸方向で、降伏強さ:295MPa以上、引張強さ:400MPa以上で、90%以下の低降伏比を示し、試験温度:0℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが27J以上となる低温靭性を具備する低降伏比角形鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために検討した結果、以下の知見を得た。
まず、特許文献1および2で開示された方法で角形鋼管の試作を行なったところ、特に板厚が25mmを超える場合に、降伏比90%以下を満足できなかった。試作した鋼板の鋼組織を解析したところ、板厚中心部は、フェライトおよびパーライトからなる組織であり、板厚表裏面の鋼組織は、マルテンサイト組織、上部ベイナイト組織、または、フェライトおよびパーライトからなる組織であった。
次に、発明者らは降伏比の上昇抑制に適した鋼組織を調査した。具体的には、フェライト単相組織(ベイニティックフェライト単相組織を含む)、フェライトおよびパーライトからなる組織、マルテンサイト組織や、上部ベイナイト組織の加工硬化のしやすさを調べた。なお、加工硬化しやすいほど、冷間成形時に導入される加工歪により高降伏比化する。その結果、フェライト単相組織(ベイニティックフェライト単相組織を含む)がもっとも加工硬化し難く、次にフェライトおよびパーライトからなる組織が加工硬化し難く、マルテンサイト組織と上部ベイナイト組織は最も加工硬化しやすいことが分かった。
上記検討により、冷間でのロール成形で導入される加工歪が最も大きくなる板厚表裏面において、マルテンサイト組織、上部ベイナイト組織や、フェライトおよびパーライトからなる組織の形成を抑制し、フェライト単相またはベイニティックフェライト単相組織とすることができれば、肉厚が大きな角形鋼管を冷間でのロール成形で製造する場合においても降伏比の上昇を抑制し、降伏比90%以下の角形鋼管を製造できると考えた。
発明者らは、さらに、所望の鋼組織を得るための製造方法に関して検討を重ねた。その結果、仕上圧延を行なう前に、板表裏面を平均冷却速度30℃/s以上、冷却停止温度600℃以下の条件で冷却を施すことにより、例えば仕上圧延終了後の冷却工程において、放冷を行う等という特殊な工程を行なわずに通常の連続冷却を施せば、フェライト単相またはベイニティックフェライト単相組織を得られることが分かった。この理由は、仕上圧延前に一度、ベイナイト変態もしくはマルテンサイト変態をさせることで仕上圧延中の復熱過程でα→γ逆変態するγが微細化され、表裏面組織の焼き入れ性が低下することに起因すると考えられる。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
[1] 鋼素材に、熱延工程、熱延後冷却工程および巻取工程をこの順に施して、熱延鋼板とするにあたり、
前記鋼素材を、質量%で、C:0.07〜0.20%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.015%以下、Al:0.01〜0.06%、N:0.006%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼素材とし、
前記熱延工程が、前記鋼素材を加熱温度:1100〜1300℃に加熱した後、該加熱された鋼素材に粗圧延終了温度:1150〜950℃とする粗圧延を施し、仕上圧延開始温度:1100〜850℃、仕上圧延終了温度:900〜750℃とする仕上圧延を施し熱延板とする工程であって、前記粗圧延の各パス間および/または前記粗圧延終了後前記仕上圧延開始前に、両面を冷却開始から冷却停止までの平均冷却速度が30℃/s以上となる冷却速度で冷却停止温度:600℃以下まで冷却した後、復熱させる仕上圧延前冷却工程を有し、
前記熱延後冷却工程が、前記熱延板を板厚中心温度で冷却開始から冷却停止までの平均冷却速度が4〜25℃/sとなる冷却速度で冷却停止温度:580℃以下まで冷却を施す工程であり、
前記巻取工程が、巻取温度:580℃以下で巻取り、その後放冷する工程であることを特徴とする低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法。
[2] 前記鋼素材が、前記成分組成に加えてさらに、質量%で、Si:0.4%未満を含有することを特徴とする[1]に記載の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法。
[3] 前記鋼素材が、前記成分組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.04%以下、Ti:0.02%以下およびV:0.10%以下から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]または[2]に記載の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法。
[4] 前記鋼素材が前記成分組成に加えてさらに、質量%で、B:0.008%以下を含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一つに記載の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法。
[5] 熱延鋼板の板厚が25mm超であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一つに記載の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法。
[6] [1]〜[5]のいずれか一つに記載の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法で得られた熱延鋼板を冷間でロール成形することにより角形鋼管を得ることを特徴とする低降伏比角形鋼管の製造方法。
本発明によれば、降伏強さ:200MPa以上、引張強さ:400〜510MPaで、75%以下の低降伏比を示し、試験温度−20℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが27J以上となる低温靭性を具備する低降伏比角形鋼管用熱延鋼板を製造することができる。そして、本発明の製造方法で得られるこの熱延鋼板は、板厚25mm超の厚肉のものであっても、これを素材として用いて、冷間でのロール成形により、管軸方向で、降伏強さ:295MPa以上、引張強さ:400MPa以上で、90%以下の低降伏比を示し、試験温度:0℃で、シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが27J以上となる低温靭性を具備する角形鋼管を製造することができる。したがって、厚肉の角形鋼管、例えば建築構造部材向け角形鋼管として好適に用いることができる角形鋼管を提供することができる。
本発明の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法は、鋼素材に、熱延工程、熱延後冷却工程および巻取工程をこの順に施して、熱延鋼板とするにあたり、鋼素材を、質量%で、C:0.07〜0.20%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.015%以下、Al:0.01〜0.06%、N:0.006%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼素材とし、熱延工程が、鋼素材を加熱温度:1100〜1300℃に加熱した後、該加熱された鋼素材に粗圧延終了温度:1150〜950℃とする粗圧延を施し、仕上圧延開始温度:1100〜850℃、仕上圧延終了温度:900〜750℃とする仕上圧延を施し熱延板とする工程であって、粗圧延の各パス間および/または粗圧延終了後仕上圧延開始前に、両面を冷却開始から冷却停止までの平均冷却速度が30℃/s以上となる冷却速度で冷却停止温度:600℃以下まで冷却した後、復熱させる仕上圧延前冷却工程を有し、熱延後冷却工程が、熱延板を板厚中心温度で冷却開始から冷却停止までの平均冷却速度が4〜25℃/sとなる冷却速度で冷却停止温度:580℃以下まで冷却を施す工程であり、巻取工程が、巻取温度:580℃以下で巻取り、その後放冷する工程であることを特徴とする。なお、「熱延鋼板」には、熱延鋼板、熱延鋼帯を含むものとする。また、温度は特に断らない限り鋼素材、シートバー、熱延板や鋼板等の表面温度とする。該表面温度は、放射温度計等で測定することができる。また、平均冷却速度は特に断らない限り((冷却前の温度−冷却後の温度)/冷却時間)とする。
まず、本発明で使用する鋼素材の成分組成限定理由について説明する。なお、特に断わらない限り質量%は、単に%で記す。
C:0.07〜0.20%
Cは、固溶強化により鋼板の強度を増加させるとともに、第二相の一つであるパーライトの形成に寄与する元素である。所望の引張特性、靭性、さらに所望の鋼板組織を確保するためには、0.07%以上の含有を必要とする。一方、0.20%を超える含有は、角形鋼管の現場溶接時(例えば、角形鋼管同士の溶接時)にマルテンサイト組織が生成し溶接割れの原因となる懸念がある。このため、Cは0.07〜0.20%の範囲に限定した。Cは、好ましくはC:0.09〜0.18%である。
Mn:0.3〜2.0%
Mnは、固溶強化を介して鋼板の強度を増加させる元素であり、所望の鋼板強度を確保するために、0.3%以上の含有を必要とする。0.3%未満の含有では、フェライト変態開始温度の上昇を招き、組織が過度に粗大化しやすい。一方、2.0%を超えて含有すると、中心偏析部の硬度が上昇し、角形鋼管の現場溶接時の割れの原因となる懸念がある。このため、Mnは0.3〜2.0%の範囲に限定した。Mnは、好ましくは0.3〜1.6%、より好ましくは0.3〜1.4%である。
P:0.03%以下
Pは、フェライト粒界に偏析して、靭性を低下させる作用を有する元素であり、本発明では、不純物としてできるだけ低減することが望ましいが、過度の低減は、精錬コストの高騰を招くため、0.002%以上とすることが好ましい。なお、0.03%までは許容できる。このため、Pは0.03%以下に限定した。Pは、好ましくは0.025%以下である。
S:0.015%以下
Sは、鋼中では硫化物として存在し、本発明の組成範囲であれば、主としてMnSとして存在する。MnSは、熱延工程で薄く延伸され、延性、靭性に悪影響を及ぼすため、本発明ではできるだけ低減することが望ましい。しかし、過度の低減は、精錬コストの高騰を招くため、0.0002%以上とすることが好ましい。なお、0.015%までは許容できる。このため、Sは0.015%以下に限定した。Sは、好ましくは0.010%以下である。
Al:0.01〜0.06%
Alは、脱酸剤として作用するとともに、AlNとしてNを固定する作用を有する元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とする。0.01%未満では、Si無添加の場合に脱酸力が不足し、酸化物系介在物が増加し、鋼板の清浄度が低下する。一方、0.06%を超える含有は、固溶Al量が増加し、角形鋼管の長手溶接時(角形鋼管の製造時の溶接時)に、特に大気中での溶接の場合に、溶接部に酸化物を形成させる危険性が高くなり、角形鋼管溶接部の靭性が低下する。このため、Alは0.01〜0.06%に限定した。Alは、好ましくは0.02〜0.05%である。
N:0.006%以下
Nは、転位の運動を強固に固着することで靭性を低下させる作用を有する元素であり、本発明では、不純物としてできるだけ低減することが望ましいが、0.006%までは許容できる。このため、Nは0.006%以下に限定した。Nは、好ましくは0.005%以下である。
Si:0.4%未満
Siは、固溶強化で鋼板の強度増加に寄与する元素であり、所望の鋼板強度を確保するために、必要に応じて含有できる。このような効果を得るためには、0.01%を超えて含有することが望ましいが、0.4%以上の含有は、鋼板表面に赤スケールと称するファイアライトが形成しやすくなり、表面の外観性状が低下する場合が多くなる。このため、含有する場合には、0.4%未満とすることが好ましい。なお、特にSiを添加しない場合は、Siは不可避的不純物として、そのレベルは0.01%以下である。
Nb:0.04%以下、Ti:0.02%以下、V:0.10%以下から選択される1種または2種以上
Nb、Ti、Vはいずれも、鋼中で微細な炭化物、窒化物を形成し、析出強化を通じて鋼の強度向上に寄与する元素である。含有すれば鋼管成形後の降伏比が高くなる傾向となる。このため、本発明では、含有しないことが望ましいが、角形鋼管の降伏比が90%以下となるような範囲であれば、強度を調整する目的で含有してもよい。範囲はそれぞれ、Nb:0.04%以下、Ti:0.02%以下、V:0.10%以下である。
B:0.008%以下
Bは、冷却過程のフェライト変態を遅延させ、低温変態フェライト、すなわち、アシュキュラーフェライト相の形成を促進し、鋼板強度を増加させる作用を有する元素であり、Bの含有は、鋼板の降伏比、したがって角形鋼管の降伏比を増加させる。このため、本発明では、角形鋼管の降伏比が90%以下となるような範囲であれば、強度を調整する目的で必要に応じて含有できる。このような範囲はB:0.008%以下である。Bは、好ましくは0.0001〜0.0015%、さらに好ましくは0.0003〜0.0008%である。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、例えばO:0.005%以下が許容できる。
上記した成分組成を有する鋼素材の製造方法は特に限定されず、転炉、電気炉、真空溶解炉等の通常公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法等の通常公知の鋳造方法により、所望寸法に製造される。なお、溶鋼にはさらに、取鍋精錬等の二次精錬を施してもよい。また、連続鋳造法に代えて、造塊−分塊圧延法を適用しても何ら問題はない。
以下に各工程について、詳細に説明する。
熱延工程(熱間圧延工程)では、上記した成分組成を有する鋼素材を加熱温度:1100〜1300℃に加熱した後、該加熱された鋼素材に粗圧延終了温度:1150〜950℃とする粗圧延を施し、仕上圧延開始温度(仕上圧延入側温度):1100〜850℃、仕上圧延終了温度(仕上圧延出側温度):900〜750℃とする仕上圧延を施して熱延板とするに際し、粗圧延の各パス間および/または粗圧延終了後仕上圧延開始前に、両面を冷却開始から冷却停止までの平均冷却速度が30℃/s以上となる冷却速度で冷却停止温度:600℃以下まで冷却した後、復熱させる仕上圧延前冷却工程を施す。
加熱温度:1100〜1300℃
鋼素材の加熱温度が1100℃未満では、被圧延材の変形抵抗が大きくなりすぎて、粗圧延機、仕上圧延機の耐荷重、圧延トルクの不足が生じ、圧延が困難となる。一方、1300℃を超えると、オーステナイト結晶粒が粗大化し、粗圧延、仕上圧延でオーステナイト粒の加工・再結晶を繰返しても、細粒化することが困難となり、所望の熱延鋼板の平均結晶粒径を確保することが困難となる。このため、鋼素材の加熱温度は1100〜1300℃であり、好ましくは1100〜1280℃である。また、圧延機の耐荷重、圧延トルクに余裕がある場合には、1100℃以下Ar変態点以上の範囲の加熱温度を選択してもよい。鋼素材の厚さは、通常用いられる200〜350mm程度でよく、特に限定されない。
加熱された鋼素材は、次いで粗圧延を施され、シートバー等とされる。
粗圧延終了温度:950〜1150℃
加熱された鋼素材は、粗圧延により、オーステナイト粒が加工、再結晶されて微細化する。粗圧延終了温度が950℃未満では、粗圧延機の耐荷重、圧延トルクの不足が生じやすくなる。一方、1150℃を超えて高温となると、オーステナイト粒が粗大化し、その後に仕上圧延を施しても、平均結晶粒径:20μm以下という所望の平均結晶粒径を確保することが困難となる。このため、粗圧延終了温度は950〜1150℃の範囲に限定する。この粗圧延終了温度範囲は、鋼素材の加熱温度、粗圧延のパス間での滞留、鋼素材厚さ等を調整することにより達成できる。なお、圧延機の耐荷重、圧延トルクに余裕がある場合には、粗圧延終了温度の下限を、Ar変態点+100℃以上としてもよい。粗圧延が終了した段階での厚さ(シートバー等の厚さ)は、仕上圧延で、所望の製品厚さの製品板(熱延鋼板)とすることができればよく、特に限定する必要はないが、32〜60mm程度が適当である。
粗圧延のパス間(すなわち粗圧延の途中で)、および/または、粗圧延終了後仕上圧延開始前に、両面を冷却開始から冷却停止までの平均冷却速度が30℃/s以上となる冷却速度で冷却停止温度:600℃以下まで冷却した後、復熱させる(仕上圧延前冷却工程)。この仕上圧延前冷却工程は、復熱を利用して、板表裏層組織のオーステナイトの結晶粒径を微細化し、焼き入れ性を低くするために行なう。平均冷却速度が30℃/s未満では、ベイナイト組織、マルテンサイト組織が形成されず、十分なオーステナイト粒微細化効果が期待できない。該平均冷却速度は30℃/s以上あればよく、好ましくは50℃/s以上であり、実現できる限り大きい平均冷却速度とすることが好ましい。また、冷却停止温度が600℃を超えると、ベイナイト組織、マルテンサイト組織が形成されず、十分なオーステナイト粒微細化効果が得られない。したがって、冷却停止温度は600℃以下であり、好ましくは500℃以下である。また、粗圧延終了後に仕上圧延前冷却工程を行なう場合は、冷却停止温度は300℃以上600℃以下とすることが好ましい。300℃未満まで冷却すると、板厚表裏面の温度がその後の復熱でオーステナイト逆変態温度まで到達せず、マルテンサイト組織またはベイナイト組織が最終的に残存する場合がある。冷却停止温度:600℃以下まで冷却した後は、仕上圧延前冷却工程を粗圧延のパス間に行う場合は粗圧延する温度、また、仕上圧延前冷却工程を粗圧延終了後に行う場合は仕上圧延開始温度まで、復熱させる。復熱は、鋼板内部の熱によって、鋼板表面温度が上昇することにより生じ、通常は外部からの強制加熱を施さなくても自然に所定の圧延温度まで復熱するが、誘導加熱等の手法により強制的に復熱させても何ら問題ない。仕上圧延前冷却工程は、粗圧延のパス間のみで行なってもよく、粗圧延終了後仕上圧延開始前のみで行なってもよく、また、粗圧延のパス間および粗圧延終了後仕上圧延開始前の両方で行なってもよい。
粗圧延後、または、粗圧延終了後に仕上圧延前冷却工程が施された後は、次いで、タンデム圧延機により仕上圧延を施され、熱延鋼板とされる。
仕上圧延開始温度(仕上圧延入側温度):1100〜850℃
仕上圧延では、圧延加工−再結晶が繰り返され、オーステナイト(γ)粒の微細化が進行する。仕上圧延開始温度(仕上圧延入側温度)が低くなると、圧延加工により導入される加工歪が残存しやすくなり、γ粒の微細化を達成しやすい。仕上圧延開始温度(仕上圧延入側温度)が、850℃未満では、仕上圧延機内で鋼板表面近傍の温度がAr変態点以下となりフェライトが生成する危険性が増大する。生成したフェライトは、その後の仕上圧延加工により圧延方向に伸長したフェライト粒となり、加工性低下の原因となる。一方、仕上圧延開始温度(仕上圧延入側温度)が、1100℃を超えて高温となると、上記した仕上圧延によるγ粒の微細化効果が低減し、平均結晶粒径:20μm以下の所望の熱延鋼板の平均結晶粒径を確保することが困難となる。このため、仕上圧延開始温度は1100〜850℃の範囲に限定する。仕上圧延開始温度は、好ましくは1050〜850℃である。
仕上圧延終了温度(仕上圧延出側温度):900〜750℃
仕上圧延終了温度(仕上圧延出側温度)が900℃を超えて高温となると、仕上圧延時に付加される加工歪が不足し、γ粒の微細化が達成されず、したがって、平均結晶粒径:20μm以下の所望の熱延鋼板の平均結晶粒径を確保することが困難となる。一方、仕上圧延終了温度(仕上圧延出側温度)が750℃未満では、仕上圧延機内で鋼板表面近傍の温度がAr変態点以下となり、圧延方向に伸長したフェライト粒が形成され、フェライト粒が混粒となり、加工性が低下する危険性が増大する。このため、仕上圧延終了温度(仕上圧延出側温度)は900〜750℃の範囲に限定する。仕上圧延終了温度は、好ましくは850〜750℃である。
仕上圧延終了後、冷却工程を施す。
熱延後冷却工程では、仕上圧延で得られた熱延板を板厚中心温度で冷却開始から冷却停止(冷却終了)までの平均冷却速度が4〜25℃/sとなる冷却速度で冷却停止温度:580℃以下まで冷却する。
鋼板板厚中心の平均冷却速度が4℃/s未満では、フェライト粒の生成頻度が減少し、フェライト結晶粒が粗大化して、板厚中心部における平均結晶粒径:20μm以下という所望の平均結晶粒径を確保できなくなる。一方、25℃/sを超えると、パーライトの生成が抑制され、上部ベイナイト組織が形成するようになるため、板厚中心部における所望の平均結晶粒径を確保できなくなる。このため、板厚中心の平均冷却速度は4〜25℃/sであり、より好ましくは5〜15℃/sである。板厚中心の平均冷却速度は、((冷却開始時の板厚中心の温度−冷却停止時の板厚中心の温度)/冷却時間)で求められる。鋼板板厚中心の温度は、伝熱解析により鋼板断面内の温度分布を計算し、その結果を実際の外面および内面の温度によって補正することにより求める。冷却停止温度が580℃を超えると、板厚中心部における所望の平均結晶粒径7〜20μmを満足できなくなる。なお、所望の表裏面組織を得るためには、鋼板表面温度で750℃〜650℃の温度域での平均冷却速度は20℃/s以上とすることが好ましい。また、仕上圧延終了から直ちに(5秒以内に)冷却工程を開始することが好ましい。なお、鋼板(熱延板)の両面が同条件で冷却されるように鋼板両面に冷却操作を施す。
冷却終了後、巻取工程を施す。
巻取工程では、巻取温度:580℃以下で巻取り、その後放冷する。巻取温度が580℃を超えると、巻取り後にフェライト変態とパーライト変態が進行するため、板厚中心部における所望の平均結晶粒径7〜20μmを満足できなくなる。巻取温度を低くしても材質上の問題は生じないが、400℃未満となると、特に板厚が25mmを超えるような厚肉鋼板の場合、巻取り変形抵抗が多大になり、きれいに巻き取れない場合がある。このため、巻取り温度は400℃以上とすることが好ましい。
巻取り工程の後、放冷することで低降伏比角形鋼管用熱延鋼板が得られる。
次に、上記した本発明の製造方法により製造される低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の鋼組織について説明する。本発明で得られる熱延鋼板は、上記成分組成を有し、さらに、板厚中心部の鋼組織が、主相と第二相からなる。該主相はフェライトからなり、主相の面積分率は80〜92%である。また、第二相は、パーライト、擬似パーライトおよびベイナイトから選択される1種または2種以上から成り、第二相の面積分率は、8〜20%である。第二相の面積分率が8%未満となると所望の引張強さを満足できなくなる。第二相の面積分率が20%を超えると、所望の低温靭性を確保できなくなる。このため、第二の面積相分率を8〜20%の範囲に限定した。そして、上記板厚中心部の鋼組織である主相と第二相とを含む鋼組織の平均結晶粒径は、7〜20μmである。ここでいう「主相と第二相とを含む鋼組織の平均結晶粒径」とは、主相を構成するフェライト相と、第二相を構成するパーライト相、擬似パーライト相およびベイナイト相の全結晶粒について測定した平均結晶粒径を意味する。平均結晶粒径が7μm未満では、微細すぎて、角形鋼管の降伏比が90%以下を確保できない。一方、平均結晶粒径が20μmを超えて粗大化すると、角形鋼管の靭性が低下し、所望の靭性を確保できなくなる。なお、更なる高靭性を確保するという観点から、平均結晶粒径は、好ましくは15μm以下である。
上記板厚中心部の鋼組織は、以下の方法で観察し主相および第二相の種類、面積分率、主相と第二相とを含む鋼組織の平均結晶粒径を求める。まず、熱延鋼板から採取した組織観察用試験片について、圧延方向断面(L断面)が観察面となるように研磨し、ナイタール腐食を施し、組織観察用試験片表面(熱延鋼板表面)から板厚1/2t位置を観察中心として、光学顕微鏡(倍率:500倍)、または走査型電子顕微鏡(倍率:500倍)を用いて鋼組織を観察し、撮像する。なお、tは鋼板の厚さ(板厚)である。そして、得られた組織写真について、画像解析装置(画像解析ソフト:Photoshop Adobe社製)を用いて、主相および第二相の種類を特定し、面積分率を算出し、JIS G 0551に記載の切断法で主相と第二相とを含む鋼組織の平均結晶粒径を算出する。
また、本発明により得られる低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の板厚表裏面(熱延鋼板の両表面)の鋼組織は、フェライト単相またはベイニティックフェライト単相であり、平均結晶粒径が2〜20μmである。ここでいう単相とは、面積分率が95%以上である場合をいう。また、熱延鋼板の板厚表裏面とは、具体的には熱延鋼板の両表面からそれぞれ1mmまでの領域のことをいう。平均結晶粒径が2μm未満であると、板表裏面の降伏強さが過度に上昇し、ロール成形時の負荷が増大し丸形鋼管、角形鋼管の成形が困難となる。また、20μmを超えて粗大化すると、角形鋼管の靭性が低下し、所望の靭性を確保できなくなる。このため、該平均結晶粒径は2〜20μmに限定した。該平均結晶粒径は、好ましくは、2〜15μmである。
上記板厚表裏面の鋼組織は、組織観察用試験片表面(熱延鋼板表面)から板厚1/2t位置を観察中心とする代わりに、観察視野が熱延鋼板表面から1mmの範囲内になるようにする以外は、上記板厚中心部の鋼組織の観察方法および測定方法と同様にして、組織の種類、平均結晶粒径を求める。
特定の熱延工程、熱延後冷却工程、巻取り工程を有する本発明の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法によれば、このように成分組成、板厚中心部の鋼組織の種類、面積分率および平均結晶粒径、ならびに、板厚表裏面の鋼組織の種類および平均結晶粒径の全てを上記特定のものとすることができ、これにより、降伏強さ:200MPa以上、引張強さ:400〜510MPaで、75%以下の低降伏比を示し、試験温度−20℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが27J以上となる低温靭性を具備する熱延鋼板とすることができ、該熱延鋼板は角形鋼管用の素材として非常に適する。
本発明で得られる低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の板厚は特に限定されず、例えば15mm以上、好ましくは25mm超である。板厚25mm超の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板を冷間でのロール成形により角形鋼管とすると、特許文献1および2等の技術では降伏比が高く不十分であるという問題があるが、本発明で得られる低降伏比角形鋼管用熱延鋼板は、25mm超の極厚肉であっても降伏比の上昇が抑制され降伏比が90%以下の角形鋼管を得ることができる。
本発明の低降伏比角形鋼管の製造方法は、上記本発明の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法で得られた熱延鋼板を、冷間でロール成形することにより製造することができる。そして、本発明で得られる角形鋼管は、管軸方向で、降伏強さ:295MPa以上、引張強さ:400MPa以上で、90%以下の低降伏比を示し、試験温度:0℃でのシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが27J以上、さらには100J以上となる低温靭性を具備するものとすることができ、例えば、建築構造部材として使用することができる。なお、冷間でロール成形するとは、加熱装置等を使用せず室温でロールにより成形することを意味する。
本発明の低降伏比角形鋼管の製造方法は、例えば本発明の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法で得られたコイル状の熱延鋼板を、冷間で、ロールを用いたロール成形法により円形に成形して丸型鋼管を製造した後に、丸型鋼管を、ロールを用いたロール成形法により角形に成形して角形鋼管を製造する。丸型鋼管へのロール成形を冷間で行うと、管軸方向に大きな加工歪が導入されるため、管軸方向の降伏比が上昇しやすく、靭性が低下しやすいという問題がある。しかしながら本発明の低降伏比角形鋼管の製造方法においては、上記本発明で得られた低降伏比角形鋼管用熱延鋼板を素材としているため、上記問題、すなわち、降伏比の上昇等が抑制されて、例えば25mm超の厚肉のものであっても、上記のように低降伏比且つ低温靭性を具備する角形鋼管を製造することができる。
以下に、本発明の更なる理解のために実施例を用いて説明するが、実施例はなんら本発明を限定するものではない。
溶鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法で、表1に示す組成のスラブ(鋼素材:肉厚250mm)とした。それらスラブ(鋼素材)を、表2に示す加熱温度に加熱したのち、表2に示す条件の熱延工程、熱延後冷却工程、巻取りを施した後、放冷することにより、板厚:19〜32mmの熱延鋼板とした。なお、仕上圧延前冷却工程は、本実施例(発明例および比較例)ではすべて粗圧終了後仕上圧延開始前に行なった。また、仕上圧延終了後、直ちに(5秒以内に)冷却工程を開始した。冷却は水冷で行った。また、表2に示す製品板厚は、熱延工程で得られた熱延板の板厚であり、得られた熱延鋼板の板厚である。
また、得られた熱延鋼板を素材として、冷間でロール成形により丸型鋼管とし、ついで、冷間でロール成形により角形鋼管(400〜550mm角)とした。
得られた熱延鋼板から試験片を採取して、組織観察、引張試験、衝撃試験を実施した。結果を表3に示す。組織観察は上記の方法で行って、板厚中心部について、主相および第二相の種類、面積分率、主相と第二相とを含む鋼組織の平均結晶粒径(表3中「板厚中心部の鋼組織」欄において単に「平均結晶粒径」と記載する)を算出し、板厚表裏面について、鋼組織の種類、平均結晶粒径を求めた。表3の「板厚中心部の鋼組織」の「種類」欄に、板厚中心部の鋼組織の種類を、左から主相、第二相の順に記載する。なお鋼板No.8は板厚中心部の鋼組織は上部ベイナイトのみ存在していた。また、板厚表裏面の鋼組織は、鋼板No.9、10はマルテンサイトと上部ベイナイトの混合相であり、その他の鋼板はフェライト100%またはベイニティックフェライト100%であった。また、引張試験、シャルピー衝撃試験の試験方法は次の通りとした。
(1)引張試験
得られた熱延鋼板から、引張方向が圧延方向となるように、JIS5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、降伏強さYS、引張強さTSを測定し、(降伏強さ)/(引張強さ)×100(%)で定義される降伏比YR(%)を算出した。
(2)シャルピー衝撃試験
得られた熱延鋼板の板厚1/2t位置から、試験片長手方向が圧延方向となるように、Vノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠して、試験温度:−20℃で、シャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギー(J)を求めた。なお、試験片本数は各3本とし、その平均値を算出した。
また、得られた角形鋼管の平坦部から、試験片を採取し、引張試験、シャルピー衝撃試験を実施し、降伏比、靭性を評価した。結果を表3に示す。試験方法は次の通りとした。
(3)角形鋼管引張試験
得られた角形鋼管平坦部から、引張方向が管長手方向となるように、JIS5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、降伏強さYS、引張強さTSを測定し、(降伏強さ)/(引張強さ)×100(%)で定義される降伏比YR(%)を算出した。
(4)角形鋼管衝撃試験
得られた角形鋼管平坦部の板厚1/4t位置から、試験片長手方向が管長手方向となるように、Vノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠して、試験温度:0℃で、シャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギー(J)を求めた。なお、試験片本数は各3本の平均値とした。
Figure 0006565887
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Claims (6)

  1. 鋼素材に、熱延工程、熱延後冷却工程および巻取工程をこの順に施して、熱延鋼板とするにあたり、
    前記鋼素材を、質量%で、C:0.07〜0.20%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.015%以下、Al:0.01〜0.06%、N:0.006%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼素材とし、
    前記熱延工程が、前記鋼素材を加熱温度:1100〜1300℃に加熱した後、該加熱された鋼素材に粗圧延終了温度:1150〜950℃とする粗圧延を施し、仕上圧延開始温度:1100〜850℃、仕上圧延終了温度:900〜750℃とする仕上圧延を施し熱延板とする工程であって、前記粗圧延の各パス間および/または前記粗圧延終了後前記仕上圧延開始前に、両面を冷却開始から冷却停止までの平均冷却速度が30℃/s以上となる冷却速度で冷却停止温度:600℃以下まで冷却した後、復熱させる仕上圧延前冷却工程を有し、
    前記熱延後冷却工程が、前記熱延板を板厚中心温度で冷却開始から冷却停止までの平均冷却速度が4〜25℃/sとなる冷却速度で冷却停止温度:580℃以下まで冷却を施す工程であり、
    前記巻取工程が、巻取温度:580℃以下で巻取り、その後放冷する工程であることを特徴とする低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法。
  2. 前記鋼素材が、前記成分組成に加えてさらに、質量%で、Si:0.4%未満を含有することを特徴とする請求項1に記載の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法。
  3. 前記鋼素材が、前記成分組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.04%以下、Ti:0.02%以下およびV:0.10%以下から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法。
  4. 前記鋼素材が前記成分組成に加えてさらに、質量%で、B:0.008%以下を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法。
  5. 熱延鋼板の板厚が25mm超であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の低降伏比角形鋼管用熱延鋼板の製造方法で得られた熱延鋼板を冷間でロール成形することにより角形鋼管を得ることを特徴とする低降伏比角形鋼管の製造方法。
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