JP6562834B2 - 電磁波シールド材及び電磁波シールド材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁波の遮蔽性を有する電磁波シールド材及び電磁波シールド材の製造方法に関する。
従来、電磁波のノイズによる電子機器の誤動作や、通信電波の傍受による機密情報の漏洩などを防止することを目的として、電磁波シールド材が広く用いられている。電磁波シールド材としては、基材の表面上に、導電層が積層されたシートなどが用いられている。このような電磁波シールド材では、導電層によって電磁波を吸収することで、電磁波が遮蔽されている。
下記の特許文献1には、基材フィルムと、基材フィルムの一方又は両方の面に積層された金属層とを有する電磁波シールドフィルムが開示されている。上記基材フィルムの材料としては、絶縁性材料が用いられている。上記金属層は、電気抵抗率が低い導電層と、該導電層の表面上に配置された防錆層とにより構成されている。上記導電層の厚みは、50nm〜500nmである。上記防錆層は、上記金属層の腐食を防止するために設けられている。特許文献1では、電磁波シールドフィルムによって、電子部品から発生する電磁波による他の部品への影響を防止したり、外部からの電磁波が電子部品に影響することを防止したりすることができる。
特開2006−156946号公報
電磁波シールド材では、貼り付け時や、電磁波シールド材が組み込まれた電子機器等において、引張力が付与されることがある。特許文献1のような従来の電磁波シールド材では、引張力が付与されると、電磁波の遮蔽信頼性が大きく低下することがある。
また、本発明者らは、電磁波シールド材に、電磁波を遮蔽する状態と、電磁波を透過させる状態を自由に切り換えることができるスイッチング性能を付与するという新たな課題に着目した。特許文献1のような電磁波シールド材では、目的に応じて、電磁波の遮蔽状態及び透過状態をスイッチングすることができないという問題がある。また、特許文献1には、上記のようなスイッチング性能の課題自体が記載されていない。
近年、近距離無線通信用の電波シャッター膜や、スキミング防止シートなどの用途にも、電磁波シールド材が用いられている。このような用途では、不使用時には他人による磁気データの盗用を防止する目的で電磁波を遮断させ、使用時にのみ電磁波を透過させる機能が有効であると考えられる。従って、電磁波シールド材においては、上記のようなスイッチング性能が益々重要になることが予想される。
本発明の目的は、電磁波の遮蔽信頼性を高めることができる電磁波シールド材を提供することにある。
本発明の広い局面によれば、電磁波の遮蔽性を有する電磁波シールド材であって、伸縮性を有する基材と、前記基材の表面上に配置された、導電層とを備え、前記導電層の厚みが、5nm以上、500nm以下であり、前記電磁波シールド材が2%伸長するように前記電磁波シールド材に引張力を付与したときに、前記導電層に割れが生じ、かつ、前記電磁波シールド材が2%伸長するように前記電磁波シールド材に引張力を付与した後に前記電磁波シールド材に対する引張力を解放したときに、前記導電層の割れた部分が再接触する、電磁波シールド材が提供される。
本発明の他の広い局面によれば、電磁波の遮蔽性を有する電磁波シールド材であって、伸縮性を有する基材と、前記基材の表面上に配置された、導電層とを備え、前記導電層の厚みが、5nm以上、500nm以下であり、前記電磁波シールド材が10%伸長するように前記電磁波シールド材に引張力を付与したときに、前記導電層に割れが生じ、かつ、前記電磁波シールド材が10%伸長するように前記電磁波シールド材に引張力を付与した後に前記電磁波シールド材に対する引張力を解放したときに、前記導電層の割れた部分が再接触する、電磁波シールド材が提供される。
本発明に係る電磁波シールド材のある特定の局面では、前記基材が10%伸長するように前記基材に引張力を付与した後に前記基材に対する引張力を解放したときに、下記式(1)より求められる値が0.70%以下である。
(伸長後の基材の寸法−伸長前の基材の寸法)/(伸長前の基材の寸法)×100
(%) …式(1)
本発明に係る電磁波シールド材のある特定の局面では、前記導電層が、Cu、Au、Ni、Ag、Al、Fe、Mo、Cr又はこれらの金属の合金を含む。
本発明に係る電磁波シールド材のある特定の局面では、前記導電層の前記基材とは反対側の表面上に配置された、第1の防錆層をさらに備える。好ましくは、前記第1の防錆層が、Ti、Ni、Cr又はこれらの金属の合金を含む。
本発明に係る電磁波シールド材のある特定の局面では、前記基材と前記導電層との間に配置された第2の防錆層をさらに備える。好ましくは、前記第2の防錆層が、Ti、Ni、Cr又はこれらの金属の合金を含む。
本発明の広い局面によれば、上述の電磁波シールド材の製造方法であって、スパッタリングにより、前記伸縮性を有する基材の表面に、前記導電層を配置する工程を備える、電磁波シールド材の製造方法が提供される。
本発明に係る電磁波シールド材は、伸縮性を有する基材と、上記基材の表面上に配置された、導電層とを備え、上記導電層の厚みが、5nm以上、500nm以下である。
また、本発明に係る電磁波シールド材は、電磁波シールド材が2%伸長するように上記電磁波シールド材に引張力を付与したときに、上記導電層に割れが生じ、かつ、上記電磁波シールド材が2%伸長するように上記電磁波シールド材に引張力を付与した後に上記電磁波シールド材に対する引張力を解放したときに、上記導電層の割れた部分が再接触する。そのため、電磁波の遮蔽信頼性を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る電磁波シールド材を示す模式的断面図である。 図2(a)は、本発明の一実施形態に係る電磁波シールド材の伸長前の状態を示す模式的断面図であり、(b)は、(a)の電磁波シールド材に引張力を付与し、2%伸長させたときの模式的断面図であり、(c)は、(b)の電磁波シールド材の引張力を解放した後の状態を示す模式的断面図である。 図3は、実施例1で得られた電磁波シールド材の電磁波シールド特性を示す図である。 図4は、比較例1で得られた電磁波シールド材の電磁波シールド特性を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る電磁波シールド材は、電磁波の遮蔽性を有する。上記電磁波シールド材は、基材及び導電層を備える。上記基材は、伸縮性を有している。上記基材の表面上に、上記導電層が配置されている。上記導電層の厚みは、5nm以上、500nm以下である。
本発明に係る電磁波シールド材では、電磁波シールド材が2%伸長するように電磁波シールド材に引張力を付与したときに、導電層に割れが生じ、かつ、電磁波シールド材が2%伸長するように電磁波シールド材に引張力を付与した後に電磁波シールド材に対する引張力を解放したときに、導電層の割れた部分が再接触する。
また、本発明に係る電磁波シールド材では、電磁波シールド材が10%伸長するように電磁波シールド材に引張力を付与したときに、導電層に割れが生じ、かつ、電磁波シールド材が10%伸長するように電磁波シールド材に引張力を付与した後に電磁波シールド材に対する引張力を解放したときに、導電層の割れた部分が再接触する。
本発明に係る電磁波シールド材の製造方法は、上述の電磁波シールド材の製造方法であって、スパッタリングにより、伸縮性を有する基材の表面に、導電層を配置する工程を備える。
本発明の電磁波シールド材は、上記の構成を備えているので、電磁波を遮蔽することができ、電磁波の遮蔽信頼性を高めることができる。電磁波シールド材では、貼り付け時や、電磁波シールド材が組み込まれた電子機器等において、引張力が付与されることがある。本発明では、電磁波シールド材に引張力が付与されても、電磁波の遮蔽性を維持することができる。本発明では、電磁波の遮蔽信頼性を高めることができる。
また、本発明者らは、電磁波シールド材に、電磁波を遮蔽する状態と、電磁波を透過させる状態を自由に切り換えることができるスイッチング性能を付与するという新たな課題に着目した。本発明では、電磁波シールド材に引張力を付与し2%以上伸長させると導電層に割れが生じるため、電磁波シールド材を2%以上伸長させた状態では、電磁波を透過させることができる。さらに、電磁波シールド材に付与した引張力を解放させると、導電層の割れた部分が再接触するため、導電層の割れた部分が再接触した状態では、再度電磁波を遮蔽することができる。このように、本発明においては、電磁波シールド材を伸縮させることにより、電磁波の遮蔽状態及び透過状態をスイッチングすることが可能となる。
電磁波の遮蔽信頼性をより一層高め、電磁波の遮蔽状態と透過状態をより一層確実にスイッチングすることを可能とする観点から、基材が10%伸長するように基材に引張力を付与した後に基材に対する引張力を解放したときに、下記式(1)より求められる値が0.70%以下であることが好ましい。
(伸長後の基材の寸法−伸長前の基材の寸法)/(伸長前の基材の寸法)×100
(%) …式(1)
なお、本発明の電磁波シールド材は、MD方向及びTD方向のうち少なくとも一方向に伸縮させたときに、上記のような本発明の作用効果を奏すればよい。MD方向及びTD方向の双方向に伸縮させたときに、上記のような本発明の作用効果を奏することが好ましい。また、上記基材の寸法は、MD方向及びTD方向のうち少なくとも一方向における寸法が上記範囲内にあればよい。MD方向は、流れ方向であり、例えば長さ方向である。TD方向は、流れ方向と直交する方向であり、例えば幅方向である。
本発明の電磁波シールド材では、電磁波の遮蔽状態及び透過状態をスイッチングすることができるので、例えば、交通系のICカードに用いたときには、不使用時に電磁波を遮断させ他人による磁気データの盗用を防止することができ、駅の改札などにおける使用時に電磁波を透過させ通信機能を発揮させることができる。また、買い物用のICカードにおいても、不使用時には電磁波を遮断させ他人による磁気データの盗用を防止することができ、レジにおける精算時には電磁波を透過させ通信機能を発揮させることができる。
このように、本発明の電磁波シールド材は、電磁波の遮蔽状態及び透過状態をスイッチングすることができるので、近距離無線通信用の電波シャッター膜や、スキミング防止シートなどに好適に用いることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電磁波シールド材を示す模式的断面図である。
図1に示すように、電磁波シールド材1は、基材2、導電層3、第1の防錆層4及び第2の防錆層5を備える。電磁波シールド材1は、シート状である。電磁波シールド材1は、電磁波の遮蔽性を有する。
基材2は、伸縮性を有する基材である。基材2の表面上に、第2の防錆層5、導電層3及び第1の防錆層4が、この順に配置され、積層されている。
導電層3は、電磁波を遮蔽するために設けられている。導電層3は、図示しないグラウンドに接続されている。導電層3は、第1の表面3a及び第2の表面3bを有する。第1の表面3a及び第2の表面3bは、互いに対向している。第1の表面3a上に、第1の防錆層4が設けられている。第1の表面3aは、第1の防錆層4が配置される側の表面である。第2の表面3b上に、第2の防錆層5が設けられている。第2の表面3bは、第2の防錆層5が配置される側の表面である。なお、本発明において、第1の防錆層及び第2の防錆層は設けられなくてもよい。
導電層の腐食を抑える観点からは、導電層の基材側とは反対の表面上に、第1の防錆層が配置されていることが好ましい。導電層の腐食を抑える観点からは、導電層の基材側の表面上に、第2の防錆層が配置されていることが好ましく、基材と導電層との間に、第2の防錆層が配置されていることが好ましい。導電層の腐食をより一層抑える観点からは、電磁波シールド材は、第1の防錆層と第2の防錆層とを備えることが好ましい。
次に、電磁波シールド材1を伸び縮みさせたときの挙動について説明する。
図2(a)は、本発明の一実施形態に係る電磁波シールド材の伸長前の状態を示す模式的断面図である。図2(b)は、図2(a)の電磁波シールド材に引張力を付与し、2%伸長させたときの模式的断面図である。図2(c)は、図2(b)の電磁波シールド材の引張力を解放した後の状態を示す模式的断面図である。
図2(a)に示すように、伸長前の電磁波シールド材1においては、導電層3に割れが生じていない。そのため、伸長前の電磁波シールド材1では、電磁波を遮蔽することができる。図2(a)の状態から、電磁波シールド材1が2%伸長するように電磁波シールド材1に引張力を付与すると、図2(b)に示すように導電層3に割れが生じ、割れ部分6が形成される。図2(b)状態においては、導電層3に割れ部分6が形成されているため、電磁波シールド材1は電磁波を透過させることができる。次に、図2(b)の状態から、電磁波シールド材1に対する引張力を解放すると、図2(c)に示すように導電層3の割れ部分6が再接触する。図2(b)の状態では、電磁波の遮蔽性が十分に得られないが、図2(c)の状態では、導電層3の割れ部分6が再接触するため、電磁波シールド材1は再度電磁波を遮蔽することができる。このように、本実施形態においては、電磁波シールド材1を伸縮させることで、電磁波の遮蔽状態及び透過状態をスイッチングすることができる。また、図2(c)の状態では、導電層3の割れ部分6が再接触するため、電磁波の遮蔽信頼性を高めることができる。
次に、図1に示す電磁波シールド材1の製造方法の一例を説明する。
電磁波シールド材1は、例えば、以下の方法により作製することができる。
まず、基材2の表面上に、第2の防錆層5を形成し、配置する。第2の防錆層5は、例えば、蒸着、スパッタリング又はめっきにより形成し、配置することができる。
続いて、第2の防錆層5の表面上に、導電層3を形成し、配置する。導電層3は、例えば、蒸着、スパッタリング又はめっきにより形成し、配置することができる。
次に、導電層3の第1の表面3a上に、第1の防錆層4を形成し、配置する。第1の防錆層4は、例えば、蒸着、スパッタリング又はめっきにより形成し、配置することができる。
導電層3,第1の防錆層4及び第2の防錆層5はそれぞれ、スパッタリングにより形成し、配置することが好ましい。スパッタリングにより形成する場合、各層の厚みをより一層薄くすることができ、厚みの均一性を高めることができる。また、各層間の密着性をより一層高めることができる。
以下、電磁波シールド材1を構成する各層の詳細を説明する。
(基材)
基材は、伸縮性を有する基材である。基材が10%伸長するように基材に引張力を付与した後に基材に対する引張力を解放したときに、下記式(1)より求められる値が0.70%以下であることが好ましい。
(伸長後の基材の寸法−伸長前の基材の寸法)/(伸長前の基材の寸法)×100
(%) …式(1)
基材の収縮率が上記範囲内にある場合、電磁波の遮蔽状態及び透過状態をより一層確実にスイッチングすることができる。
基材としては、例えば、伸縮性を有するフィルム又は不織布等が挙げられる。上記伸縮性を有するフィルムとしては、例えば、熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルム、多孔質ポリウレタン樹脂フィルム又はポリテトラフルオロエチレン樹脂フィルムなどが挙げられる。基材が、上記伸縮性を有する不織布である場合、電磁波シールド材の柔軟性や通気性をより一層高めることができる。
基材の厚みは、好ましくは5μm以上、より好ましくは20μm以上、好ましくは500μm以下、より好ましくは200μm以下である。基材の厚みが上記下限以上及び上記上限以下である場合、電磁波シールド材の柔軟性をより一層高めることができる。
また、基材は、各種安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤又は着色剤を含んでいてもよい。
(導電層)
導電層は、電磁波を遮蔽するために設けられている。導電層の材料としては、特に限定されないが、例えば、Cu、Au、Ni、Ag、Al、Fe、Mo、Cr又はこれらの金属の合金等を含む材料を用いることができる。導電性をより一層高める観点から、導電層は、好ましくは、Cu、Au、Ag、Ni又はこれらの合金を含むことが好ましく、Cu又はCuとNiとの合金を含むことがより好ましい。導電層は、上記の金属を含む金属膜であることが好ましい。
導電層の厚みは、好ましくは5nm以上、より好ましくは100nm以上、好ましくは500nm以下、より好ましくは300nm以下である。導電層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下である場合、より一層薄型化を図りつつ、電磁波の遮蔽性をより一層高めることができる。
また、導電層の電気抵抗率に関しては、好ましくは1×10-4Ω・cm以下、より好ましくは1×10-5Ω・cm以下である。導電層の電気抵抗率が上記上限以下である場合、電磁波の遮蔽性をより一層高めることができる。
(第1及び第2の防錆層)
第1及び第2の防錆層はそれぞれ、特に限定されないが、例えば、Ti、Ni、Cr又はこれらの金属の合金等を含む材料を用いることができる。導電層の耐腐食性をより一層高める観点から、第1及び第2の防錆層はそれぞれ、好ましくは、Ti、Ni、Cr又はこれらの金属の合金を含むことが好ましく、Ti又はNiとCrとの合金を含むことがより好ましい。第1及び第2の防錆層はそれぞれ、上記の金属を含む金属膜であることが好ましい。
第1及び第2の防錆層の厚みはそれぞれ、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下である。第1及び第2の防錆層の厚みがそれぞれ上記下限以上及び上記上限以下である場合、導電層の耐腐食性をより一層高めることができる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づき、更に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
基材として、厚み85μmの熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルム(日本マタイ株式会社製、商品名「DUS202−CDR(6HF)」)を用意した。用意したフィルム上に、DCマグネトロンスパッタリングにより、Ti、Cu及びTiをこの順に堆積させ、第2の防錆層、導電層及び第1の防錆層を形成し、電磁波シールド材(電磁波シールドシート)を得た。第1及び第2の防錆層の厚みはそれぞれ、30nmであり、導電層の厚みは、210nmであった。
なお、実施例1の電磁波シールド材で用いた基材に関して、基材がMD方向に10%伸長するように基材に引張力を付与した後に基材に対する引張力を解放したときに、下記式(1)より求められる値は0.63%であった。
(伸長後の基材の寸法−伸長前の基材の寸法)/(伸長前の基材の寸法)×100
(%) …式(1)
(比較例1)
基材として、厚み16μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「T4102」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド材を得た。
なお、比較例1の電磁波シールド材で用いた基材に関して、基材を2%以上伸長させると、基材が破断した。
(電磁波シールド特性の評価)
得られた電磁波シールド材について、KEC法に準拠して周波数0.1MHz〜1000MHzにおける電磁波シールド特性(電界シールド特性)を評価した。
実施例1の電磁波シールド特性の評価:
得られた電磁波シールド材について、テンションフリーで電磁波シールド特性を評価した。続いて、電磁波シールド材を2%伸長した状態で治具で固定して電磁波シールド特性を評価した。次に、電磁波シールド材を10%伸長した状態で治具で固定して電磁波シールド特性を評価した。最後に、テンションフリーで再度電磁波シールド特性を評価した。
結果を図3に示す。図3に示すように、伸長前の電磁波シールド材では、周波数0.1MHz〜1000MHzに亘って、良好な電磁波シールド特性が得られていた。2%伸長後、2%伸長された状態の電磁波シールド材では、周波数0.1MHz〜1000MHzに亘って、電磁波シールド特性が得られなかった。同様に、10%伸長後、10%伸長された状態の電磁波シールド材では、周波数0.1MHz〜1000MHzに亘って、電磁波シールド特性が得られなかった。また、伸長後のテンションフリーの電磁波シールド材では、周波数0.1MHz〜1000MHzに亘って、伸長前よりも良好な電磁波シールド特性が得られた。
比較例1の電磁波シールド特性の評価:
得られた電磁波シールド材について、2%以上伸長させると基材が破断したため、2%及び10%伸長した状態で、電磁波シールド特性を測定できなかった。参考のため、1%伸長時において、実施例1と同様の電磁波シールド特性の評価を行った。結果を図4に示す。
1…電磁波シールド材
2…基材
3…導電層
3a…第1の表面
3b…第2の表面
4…第1の防錆層
5…第2の防錆層
6…割れ部分

Claims (9)

  1. 電磁波の遮蔽性を有する電磁波シールド材であって、伸縮性を有する基材と、前記基材の表面上に配置された、導電層とを備え、前記導電層の厚みが、5nm以上、500nm以下であり、前記電磁波シールド材が2%伸長するように前記電磁波シールド材に引張力を付与したときに、前記導電層に割れが生じ、かつ、前記電磁波シールド材が2%伸長するように前記電磁波シールド材に引張力を付与した後に前記電磁波シールド材に対する引張力を解放したときに、前記導電層の割れた部分が再接触する、電磁波シールド材。
  2. 電磁波の遮蔽性を有する電磁波シールド材であって、伸縮性を有する基材と、前記基材の表面上に配置された、導電層とを備え、前記導電層の厚みが、5nm以上、500nm以下であり、前記電磁波シールド材が10%伸長するように前記電磁波シールド材に引張力を付与したときに、前記導電層に割れが生じ、かつ、前記電磁波シールド材が10%伸長するように前記電磁波シールド材に引張力を付与した後に前記電磁波シールド材に対する引張力を解放したときに、前記導電層の割れた部分が再接触する、電磁波シールド材。
  3. 前記基材が10%伸長するように前記基材に引張力を付与した後に前記基材に対する引張力を解放したときに、下記式(1)より求められる値が0.70%以下である、請求項1又は2に記載の電磁波シールド材。
    (伸長後の基材の寸法−伸長前の基材の寸法)/(伸長前の基材の寸法)×100
    (%) …式(1)
  4. 前記導電層が、Cu、Au、Ni、Ag、Al、Fe、Mo、Cr又はこれらの金属の合金を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
  5. 前記導電層の前記基材とは反対側の表面上に配置された、第1の防錆層をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
  6. 前記第1の防錆層が、Ti、Ni、Cr又はこれらの金属の合金を含む、請求項5に記載の電磁波シールド材。
  7. 前記基材と前記導電層との間に配置された第2の防錆層をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
  8. 第2の防錆層が、Ti、Ni、Cr又はこれらの金属の合金を含む、請求項7に記載の電磁波シールド材。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電磁波シールド材の製造方法であって、
    スパッタリングにより、前記伸縮性を有する基材の表面に、前記導電層を配置する工程を備える、電磁波シールド材の製造方法。
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