以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る駐車待ち時間予測システム1の構成の一例を概略的に示す図である。本実施形態に係る駐車待ち時間予測システム1は、複数の車両2と、各車両2の遠隔に配置され、各車両2との間で通信ネットワーク4(例えば、携帯電話網等)を通じて通信可能なセンタ3と、を含み、複数の車両2からセンタ3に送信される情報に基づき、センタ3により対象となる駐車場(以下、「対象駐車場」と称する)における駐車待ち時間を予測する。
尚、本明細書における「駐車場」は、有料、無料の別を問わず、任意のユーザが利用可能な駐車施設を意味する。また、対象駐車場は、複数あってよく、センタ3は、複数ある対象駐車場のそれぞれに関して、後述する処理を行うことにより、各対象駐車場に対する駐車待ち時間等を算出することができる。また、センタ3は、後述する機能の他、車両2から送信される目的地を含む経路案内要求に応じて、車両2の現在位置から目的地までの経路探索を行い、経路案内要求を送信した車両2に経路案内情報を返信する構成を有する前提で以下の説明を行う。また、車両2は、後述する機能の他、ユーザからの操作入力等に応じて、センタ3に経路案内要求を送信し、センタ3から返信された経路案内情報に基づき、地図画面に経路図を重畳的に表示するナビゲーション装置(不図示)を含む前提で以下の説明を行う。
車両2は、GPS(Global Positioning System)受信機21、ACC(アクセサリ)スイッチ22、ECU23(Electronic Control Unit)、DCM(Data Communication Module)24等を含む。
尚、各車両2は、全て同様の構成を有するため、図中の車両2のうち、左端に示す車両2のみにGPS受信機21、ACCスイッチ22、ECU23、DCM24に対応する構成を図示し、他の車両2では、当該構成の図示を省略している。
GPS受信機21は、地球軌道上を周回するGPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。GPS受信機21は、1対1の通信線やCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク等を通じてECU23と通信可能に接続され、受信したGPS信号は、ECU23に送信される。
ACCスイッチ22は、車両2のACC電源のON/OFFを行う。ACCスイッチ22は、車両2のユーザ(運転者等)の所定の操作に応じて、ON/OFFされる。ACCスイッチ22は、1対1の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてECU23と通信可能に接続され、ACCスイッチ22のON/OFF状態を示す信号は、ECU23に送信される。
ECU23は、DCM24を用いて、センタ3との間での通信制御を行う電子制御ユニットである。ECU23は、例えば、マイクロコンピュータを中心に構成され、ROMに格納される各種プログラムをCPUで実行することにより後述する各種制御処理を実現する。ECU23は、1つ以上のプログラムをCPU上で実行することにより実現される機能部として、送受信処理部231、位置情報生成部232、ACC情報生成部233を含む。
送受信処理部231は、DCM24を用いて、センタ3との間でのデータ信号、制御信号等のやり取りを制御する。送受信処理部231は、位置情報生成部232からの送信要求に応じて、センタ3に自車の位置情報を含む信号(位置情報信号或いは駐車待ち信号)を送信する処理を行う。また、送受信処理部231は、ACC情報生成部233からの送信要求に応じて、ACC情報(ACCスイッチ22のONからOFF或いはOFFからONへの遷移に関する情報)を含む信号(ACC情報信号)をセンタ3に送信する処理を行う。
尚、送受信処理部231は、各種信号をセンタ3に送信する場合、例えば、送信対象の信号に各車両2に固有の識別情報(各車両2或いは各車両2に搭載される車載器に固有のID等)を含めて送信する。これにより、センタ3は、受信した信号が、複数の車両2のうちの何れの車両2から送信されたのかを判断できる。
位置情報生成部232は、GPS受信機21から入力されるGPS信号に基づき、既知のGPS測位手法を用いて、自車(車両2)の位置を測位する。
位置情報生成部232は、車両2が走行している場合、送受信処理部231に送信要求を出力し、送受信処理部231は、送信要求に応じて、測位結果である自車の位置情報を含む位置情報信号をセンタ3に送信する。また、位置情報生成部232は、対象駐車場の入口の手前、例えば、入口から所定距離X[m]以内の離れた位置で停車状態が継続する場合、自車が対象駐車場の駐車待ちをしている可能性があると判断する。そして、位置情報生成部232は、自車が対象駐車場の駐車待ちをしている可能性があると判断すると、送受信処理部231に送信要求を出力し、送受信処理部231は、送信要求に応じて、測位結果である自車の位置情報を含む駐車待ち信号をセンタ3に送信する。
尚、位置情報生成部232は、例えば、図示しない車速センサから1対1の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてECU23に送信される車速信号に基づき、自車(車両2)が走行しているのか、停車しているのかを判断する。また、位置情報生成部232は、停車している時間が信号待ちや渋滞等と区別可能な閾値よりも長くなった場合に、自車が対象駐車場の駐車待ちをしている可能性があると判断してよい。
ACC情報生成部233は、ACCスイッチ22から入力されるON/OFF状態を表す信号に基づき、ACC情報を生成する。ACC情報には、ACCスイッチ22がON状態からOFFされた(即ち、ACC−OFFされた)旨を表す情報(ACC−OFF情報)と、ACCスイッチ22がOFF状態からONされた(即ち、ACC−ONされた)旨を表す情報(ACC−ON情報)が含まれる。ACC−OFF情報は、自車(車両2)が駐車状態に移行した旨を表す情報を一例である。ACC情報生成部233は、自車がACC−OFFされた場合、送受信処理部231に送信要求を出力し、センタ3にACC−OFF情報を含むACC情報信号を送信する。また、ACC情報生成部233は、自車がACC−ONされた場合、送受信処理部231に送信要求を出力し、センタ3にACC−ON情報を含むACC情報信号を送信する。ACC−ON情報は、自車(車両2)が駐車状態を脱した(車両が起動し、運転者による操作或いは自動運転等により走行可能状態になった)旨を表す情報の一例である。
尚、各車両2は、自車(車両2)が駐車状態に移行した旨を表す情報として、ACC−OFF情報の代わりに、車両2がイグニッションオフ(IG−OFF)された旨を表す情報をセンタ3に送信してもよい。また、各車両2は、自車(車両2)が駐車状態を脱した旨を表す情報として、ACC−ON情報の代わりに、車両2がイグニッションオン(IG−ON)された旨を表す情報をセンタ3に送信してもよい。
DCM24は、通信ネットワーク4を通じて、センタ3と通信可能に接続する通信デバイス(無線通信機器)の一例である。
センタ3は、通信機器31、駐車場情報生成装置32を含む。
通信機器31は、通信ネットワーク4を通じて、各車両2と通信可能に接続するための任意のデバイスである。
駐車場情報生成装置32は、対象駐車場に関する各種情報(例えば、後述する駐車待ち台数、平均駐車時間、駐車待ち時間等)を生成する。駐車場情報生成装置32は、1又は複数のコンピュータを中心に構成される。駐車場情報生成装置32は、該コンピュータ等により実現される機能部として、送受信処理部321、駐車待ち台数算出部322、平均駐車時間算出部323、駐車待ち時間算出部324、駐車場情報配信部325を含む。また、駐車場情報生成装置32は、該コンピュータ内のメモリ、或いは、該コンピュータに付随する記憶装置等の記憶領域として実現される記憶部326を含む。
送受信処理部321は、通信機器31を通じて、車両2にデータ信号、制御信号等を送信したり、車両2から送信されるデータ信号、制御信号等を受信したりする処理を行う。送受信処理部321は、各車両2から位置情報信号或いは駐車待ち信号を受信すると、位置情報信号に含まれる車両2の識別情報、位置情報等を受信時刻と紐付けて記憶部326に記憶させる処理を行う。また、送受信処理部321は、各車両2から駐車待ち信号を受信した場合、駐車待ち台数算出部322に対して、その旨を通知する。また、送受信処理部321は、各車両2からACC情報信号を受信すると、ACC情報信号に含まれる車両2の識別情報、ACC情報(ACC−ON情報或いはACC−OFF情報)を受信時刻と紐付けて記憶部326に記憶させる処理を行う。また、送受信処理部321は、各車両2からACC情報を受信すると、平均駐車時間算出部323に対して、その旨を通知する。
駐車待ち台数算出部322は、送受信処理部321が受信した各車両2の位置情報に基づき、対象駐車場の駐車待ち台数を算出する。以下、図2を参照して、駐車待ち台数算出部322による処理の詳細について説明する。
図2は、センタ3の駐車待ち台数算出部322による処理の一例を概略的に示すフローチャートである。当該フローチャートによる処理は、例えば、複数の車両2のそれぞれに対して実行されると共に、各車両2のACC−ONからACC−OFFまでの間で、繰り返し実行される。
ステップS102にて、駐車待ち台数算出部322は、車両2のナビゲーション装置(不図示)を通じて目的地が設定されているか否かを判定する。駐車待ち台数算出部322は、車両2の目的地が設定されている場合、ステップS104に進み、車両2の目的地が設定されていない場合、ステップS110に進む。
ステップS104にて、駐車待ち台数算出部322は、設定されている目的地が対象駐車場であるか否かを判定する。駐車待ち台数算出部322は、設定されている目的地が対象駐車場である場合、ステップS106に進み、設定されている目的地が対象駐車場でない場合、ステップS110に進む。
ステップS106にて、駐車待ち台数算出部322は、送受信処理部321が受信した車両2からの位置情報、及びセンタ3内にデータベースとして格納される地図情報(不図示)等に基づき、対象駐車場に到着したか否かを判定する。駐車待ち台数算出部322は、対象駐車場に到着した場合、即ち、センタ3が車両2を対象駐車場内まで案内できた場合、今回の処理を終了し、対象駐車場に到着していない場合、ステップS108に進む。
ステップS108にて、駐車待ち台数算出部322は、対象駐車場の入口の手前、例えば、入口から所定距離X[m]以内の離れた位置で車両2の停車状態が継続しているか否かを判定する。駐車待ち台数算出部322は、対象駐車場の入口の手前で、車両2の停車状態が継続している場合、車両2は駐車待ちの状態にあると判断し、ステップS112に進み、それ以外の場合、車両2は駐車待ちの状態でないと判断し、ステップS106に戻る。
尚、ステップS108にて、駐車待ち台数算出部322は、後述するステップS110と同様、車両2から駐車待ち信号を受信するか否かにより、車両2が駐車待ちの状態であるか否かを判断してもよい。
一方、ステップS110にて、駐車待ち台数算出部322は、送受信処理部321が車両2から駐車待ち信号を受信したか否かを判定する。駐車待ち台数算出部322は、送受信処理部321が車両2から駐車待ち信号を受信した場合、車両2は駐車待ちの状態にあると判断し、ステップS112に進み、駐車待ち信号を受信していない場合、車両2は駐車待ち状態にないと判断し、今回の処理を終了する。
尚、ステップS110にて、駐車待ち台数算出部322は、ステップS108と同様、送受信処理部321が受信する車両2の位置情報に基づき、車両2が駐車待ちであるか否かを判断してもよい。
ステップS112にて、駐車待ち台数算出部322は、対象駐車場の入口に到達するまでの時間の計測を開始する。
ステップS114にて、駐車待ち台数算出部322は、駐車待ち台数Mを算出する(推定する)。駐車待ち台数算出部322は、送受信処理部321が受信した車両2の位置情報、及び地図情報等に基づき、車両2が駐車待ちを開始した位置(即ち、車両2が現在停車している位置)から対象駐車場の入口までの距離を算出する。そして、駐車待ち台数算出部322は、算出した距離と、予め規定される平均車両全長(例えば、4.5[m])に基づき、車両2を含む対象駐車場の入口までに駐車待ちしている車両(駐車待ち車両)の台数を算出する。例えば、算出した距離を平均車両全長で除して、駐車待ち台数を算出してもよいし、更に、車間距離等も考慮して駐車待ち台数を算出してもよい。
ステップS116にて、駐車待ち台数算出部322は、算出した駐車待ち台数Mを記憶部326に記録する。
尚、対象駐車場の駐車待ちしている車両2が同時に複数存在する場合、それぞれの駐車待ちしている車両2に対して駐車待ち台数Mが算出されるため、その場合は、算出されたうちの最も多いものを対象駐車場の駐車待ち台数Mとして記憶部326に残し、その他の駐車待ち台数Mは削除してもよい。
ステップS118にて、駐車待ち台数算出部322は、送受信処理部321が受信した車両2の位置情報、及び地図情報等に基づき、車両2が対象駐車場の入口に到達したか否かを判定する。駐車待ち台数算出部322は、車両2が対象駐車場の入口に到達した場合、ステップS120に進み、到達していない場合、ステップS118の処理を繰り返す。
ステップS120にて、駐車待ち台数算出部322は、車両2が駐車待ちの開始から対象駐車場の入口に到達するまでに要した時間(以下、単に「対象駐車場の入口までの所要時間」と称する)T1を記憶部326に記録し、今回の処理を終了する。
このように、本実施形態では、センタ3(駐車待ち台数算出部322)は、各車両2から送信される位置情報に基づき、駐車待ちを開始した車両(駐車待ち車両)を特定すると共に、駐車待ち車両の停車位置から対象駐車場の入口までの距離を算出する。そして、センタ3(駐車待ち台数算出部322)は、算出した駐車待ち車両が停車している位置(即ち、駐車待ちを開始した位置)から対象駐車場の入口までの距離、及び平均車両全長に基づき、駐車待ち台数を推定して算出することができる。また、各車両2から送信される位置情報を用いるため、例えば、対象駐車場に固有で設置されるカメラ等の待ち台数を検知する各種装置を用いることなく、対象駐車場の待ち台数を算出することができる。
図1に戻り、平均駐車時間算出部323は、対象駐車場の駐車車両の平均駐車時間を算出する。以下、図3を参照して、平均駐車時間算出部323による処理の詳細について説明をする。
図3は、センタ3の平均駐車時間算出部323による処理の一例を概略的に示すフローチャートである。当該フローチャートによる処理は、例えば、送受信処理部321が複数の車両2の何れかからACC−OFF情報を含むACC情報信号を受信した場合に実行される。
尚、当該フローチャートの処理の実行中に、送受信処理部321が他の車両2から送信されたACC−OFF情報を含むACC情報信号を更に受信する場合が有りうる。このような場合は、当該フローチャートによる複数の処理が並列的に実行されうる。
ステップS202にて、平均駐車時間算出部323は、送受信処理部321が受信したACC情報信号を送信した車両2の位置情報に基づき、当該車両2(即ち、ACC−OFFされた車両2)が対象駐車場内に位置するか否かを判定する。平均駐車時間算出部323は、ACC−OFFされた車両2が対象駐車場内に位置する場合、当該車両2が対象駐車場に駐車したと判断し、ステップS204に進み、対象駐車場内に位置しない場合、今回の処理を終了する。
ステップS204にて、平均駐車時間算出部323は、当該車両2がACC−OFFされた時刻、及び位置を記憶部326に記録する。この際、平均駐車時間算出部323は、送受信処理部321がACC情報信号を受信した時刻を記録してもよいし、ACC情報信号にACC−OFFされた時刻の情報が含まれる場合、当該時刻を記録してもよい。
ステップS206にて、平均駐車時間算出部323は、当該車両2がACC−ONされたか否か、即ち、送受信処理部321が当該車両からACC−ON情報を含むACC情報信号を受信したか否かを判定する。平均駐車時間算出部323は、当該車両2がACC−ONされた場合、ステップS208に進み、ACC−ONされていない場合、ステップS206の処理を繰り返す。
ステップS208にて、平均駐車時間算出部323は、当該車両2がACC−ONされた時刻、及び位置を記憶部326に記録する。この際、平均駐車時間算出部323は、送受信処理部321がACC情報信号を受信した時刻を記録してもよいし、ACC情報信号にACC−ONされた時刻の情報が含まれる場合、当該時刻を記録してもよい。
ステップS210にて、平均駐車時間算出部323は、ACC−OFFされた時刻と、ACC−ONされた時刻に基づき、当該車両2の今回の駐車時間を算出する。即ち、平均駐車時間算出部323は、ACC−OFFされた時刻からACC−ONされた時刻までの経過時間を駐車時間として算出する。
ステップS212にて、平均駐車時間算出部323は、予め規定される種別毎に、例えば、時間帯、曜日、月、特異日等の別毎に、平均駐車時間を算出する。即ち、平均駐車時間算出部323は、当該車両2の駐車されていた日時に対応する複数の種別に対応する平均駐車時間を算出する。記憶部326には、過去に算出された平均駐車時間や平均駐車時間を算出するために用いられた各駐車時間等が記録されているため、記憶部326に含まれる当該データと、当該車両2の今回の駐車時間を用いて、種別毎の平均駐車時間を算出する。
尚、平均駐車時間は、全ての駐車時間の単純平均(移動平均)であってよいし、例えば、新しく算出された駐車時間に重みづけを行った加重平均等であってもよい。
ステップS214にて、平均駐車時間算出部323は、ステップS212で算出した種別毎の平均駐車時間と、その元データである当該車両2の今回の駐車時間を、種別毎に、即ち、種別との対応関係が識別可能な態様で記憶部326に記録し、今回の処理を終了する。
このように、本実施形態では、センタ3(平均駐車時間算出部323)は、各車両2から送信される位置情報及びACC情報(ACC−OFF情報及びACC−ON情報)に基づき、対象駐車場に駐車した各車両2の駐車時間を算出する。そして、センタ3(平均駐車時間算出部323)は、各車両2の駐車時間を統計的に処理することにより、対象駐車場の平均駐車時間を算出することができる。また、センタ3(平均駐車時間算出部323)は、各車両2から送信される位置情報及びACC情報を用いるため、例えば、対象駐車場に固有で設置される入退場車両を検知する各種装置を用いることなく、対象駐車場の平均駐車時間を算出することができる。
図1に戻り、駐車待ち時間算出部324は、対象駐車場が満車である場合に、駐車待ち時間(予測値)を算出する。具体的には、駐車待ち時間算出部324は、後述する駐車場情報配信部325が対象駐車場が満車であると判断して出力される処理要求(駐車待ち時間算出要求)に応じて、駐車待ち時間を算出する。以下、図4を参照して、駐車待ち時間算出部324による処理の詳細について説明をする。
図4は、センタ3の駐車待ち時間算出部324による処理の一例を概略的に示すフローチャートである。当該フローチャートによる処理は、駐車場情報配信部325から駐車待ち時間算出要求を受け付けると実行される。
ステップS302にて、駐車待ち時間算出部324は、変数A,Dの初期値を、それぞれ、平均駐車時間の値、0に設定する。
尚、変数Aに初期値として設定される平均駐車時間は、駐車場情報配信部325から駐車時間算出要求を受信した日時に対応する種別の平均駐車時間である。上述の通り、複数の種別の平均駐車時間を用いることが可能であるが、例えば、最も長いものを利用したり、複数の種別の平均駐車時間の更に平均値を利用したり等してよい。以下の当該フローチャートによる処理では、単に平均駐車時間として説明を続ける。
ステップS304にて、駐車待ち時間算出部324は、送受信処理部321が受信し記憶部326に記録されたACC−OFF情報に基づき、現時点を基準とするA分前からのa分間(例えば、3分間等)で対象駐車場に駐車した台数をカウントする。
ステップS306にて、駐車待ち時間算出部324は、カウントした台数を、現時点を基準とする平均駐車時間内におけるa分毎の時間区分と紐付けて、記憶部326に記録する。
ステップS308にて、駐車待ち時間算出部324は、変数Aをaだけデクリメントする。
ステップS310にて、駐車待ち時間算出部324は、変数Aが0以下であるか否かを判定する。駐車待ち時間算出部324は、変数Aが0以下である場合、ステップS312に進み、変数Aが0以下でない場合、ステップS304に戻って、ステップS304〜S308の処理を繰り返す。
尚、ステップS302〜S310では、駐車待ち時間算出部324は、現時点を基準とする平均駐車時間前を起点として、a分毎に対象駐車場に駐車した台数を現時点までカウントすることにより、後述する駐車台数分布を作成するが、逆からカウントする態様であってもよい。即ち、駐車待ち時間算出部324は、現時点を起点として、a分毎に対象駐車場に駐車した台数を平均駐車時間前までカウントすることにより、駐車台数分布を作成してよい。
ステップS312にて、駐車待ち時間算出部324は、ステップS304〜S310の繰り返しにより、ステップS308で記録された台数に基づき、現時点を基準とする平均駐車時間内におけるa分毎の駐車された台数の分布(以下、駐車台数分布と称する)を生成する。
尚、駐車台数分布は、ステップS306で順次カウントされた台数が、ステップS308で、駐車台数分布として更新されていくことにより、自動的に作成される態様であってもよい。この場合、ステップS312の処理は省略される。
ステップS314にて、駐車待ち時間算出部324は、記憶部326から対象駐車場の現在の待ち台数Mを取得する。
ステップS316にて、駐車待ち時間算出部324は、変数Dをaだけインクリメントする。
ステップS318にて、駐車待ち時間算出部324は、駐車台数分布を用いて、現時点を基準として、平均駐車時間前からのD分間で駐車された台数Kをカウントする。
ステップS320にて、駐車待ち時間算出部324は、カウントされた台数Kが駐車待ち台数M以上であるか否かを判定する。駐車待ち時間算出部324は、カウントされた台数Kが駐車待ち台数M以上である場合、ステップS322に進み、駐車待ち台数M以上でない場合、ステップS316に戻って、ステップS316〜S320の処理を繰り返す。
ステップS322にて、駐車待ち時間算出部324は、現在の変数Dを駐車待ち時間の予測値として算出し、今回の処理を終了する。
このように、本実施形態では、センタ3(駐車待ち時間算出部324)は、各車両2から送信される位置情報、及び各車両2から送信されるACC−OFF情報に基づき、対象駐車場に駐車した駐車車両を特定する。また、センタ3(駐車待ち時間算出部324)は、現時点を基準とする平均駐車時間内における単位時間毎の駐車した車両の台数(駐車台数分布)を算出する。そして、センタ3(駐車待ち時間算出部324)は、別途算出した駐車待ち台数、及び現時点を基準とする平均駐車時間内における単位時間毎の駐車した車両の台数(駐車台数分布)に基づき、駐車場の待ち時間を算出する。従って、現時点から駐車時間と想定される所定時間、即ち、対象駐車場の平均駐車時間前に駐車した車両から順次出庫していくと予測できる。そのため、上述の如く、現時点を基準とする平均駐車時間内における単位時間毎の駐車車両の台数(駐車台数分布)から今後の単位時間毎に出庫する台数を想定し、駐車待ちしている車両の台数と比較することにより、駐車待ち時間を算出することができる。また、各車両2から送信される位置情報及びACC−OFF情報を用いるため、対象駐車場に固有で配備される各種装置からの情報を用いることなく対象駐車場の待ち時間を算出することができる。
尚、本実施形態では、対象駐車場における「駐車時間として想定される所定時間」として、平均駐車時間算出部323により算出される平均駐車時間が利用されるが、例えば、予め規定される固定値を用いることも可能である。
図1に戻り、駐車場情報配信部325は、予め配信対象として登録される各車両2や各車両2のユーザの携帯端末(スマートフォン、タブレット端末等)に対して、対象駐車場に関する各種情報を配信する。以下、図5を参照して、駐車場情報配信部325による処理の詳細について説明を行う。
図5は、センタ3の駐車場情報配信部325による処理の一例を概略的に示すフローチャートである。当該フローチャートによる処理は、例えば、対象駐車場の営業時間内で定期的に実行される。
ステップS402にて、駐車場情報配信部325は、駐車待ち台数算出部322が算出し記憶部326に記録された、直近の対象駐車場の入口までの所要時間T1が所定閾値Tthより長いか否かを判定する。駐車場情報配信部325は、直近の対象駐車場の入口までの所要時間T1が所定閾値Tth以上である場合、ステップS404に進み、所定閾値Tth以上でない場合、ステップS410に進む。
ステップS404にて、駐車場情報配信部325は、対象駐車場が満車であると判断する。
ステップS406にて、駐車場情報配信部325は、駐車待ち時間算出部324に対して駐車待ち時間算出要求を出力し、対象駐車場の駐車待ち時間(予測値)を算出させる。
ステップS408にて、駐車場情報配信部325は、予め登録された配信対象(各車両2及びそのユーザの携帯端末等)に対して、対象駐車場が満車である旨の情報、及び駐車待ち時間(予測値)を配信し、今回の処理を終了する。
一方、ステップS410にて、駐車場情報配信部325は、対象駐車場が空車であると判断する。
そして、ステップS412にて、駐車場情報配信部325は、予め登録された配信対象(各車両2及びそのユーザの携帯端末等)に対して、対象駐車場が空車である旨の情報を配信し、今回の処理を終了する。
尚、ステップS408及びステップS412にて、駐車場情報配信部325は、予め登録された配信対象の中から配信先を限定してもよい。例えば、駐車場情報配信部325は、予め登録された配信対象のうち、対象駐車場を目的地として設定している車両2及びそのユーザの携帯端末や、対象駐車場が位置する地域に向かっている車両2及びそのユーザの携帯端末に限定して、上記情報を配信してもよい。また、駐車場情報配信部325は、対象駐車場の満車又は空車である旨の情報、及び駐車待ち時間の情報の他、例えば、駐車待ち台数算出部322が算出した駐車待ち台数Mや対象駐車場の入口までの所要時間T1等を各車両2やそのユーザの携帯端末に配信してもよい。
このように、本実施形態では、センタ3(駐車場情報配信部325)は、別途計測した駐車待ち車両の対象駐車場の入口までの所要時間T1に基づき、当該所要時間T1が所定閾値Tth以上である場合、満車と判断する。従って、駐車場に固有の各種装置を用いることなく、対象駐車場が満車状態であるか空車状態であるかを判断することができる。また、センタ3(駐車場情報配信部325)は、対象駐車場が満車と判断した場合、上述の如く、駐車待ち時間(予測値)を算出し、満車である旨の情報及び駐車待ち時間を各車両2やそのユーザの携帯端末等に配信する。また、センタ3(駐車場情報配信部325)は、対象駐車場が空車と判断した場合、空車である旨の情報を各車両2やそのユーザの携帯端末等に配信する。従って、各車両2のユーザは、対象駐車場の状況をリアルタイムに把握することができ、駐車場選択の利便性が向上する。
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。