JP6561867B2 - 複数の送信アンテナの位相校正装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の送信アンテナの位相校正装置に関する。
近年、例えばミリ波レーダは、車両の前方に設置され当該車両と周辺物体との衝突を防止する衝突防止装置などに応用されている。このようなミリ波レーダは送信アンテナを複数用いており、これらの複数の送信アンテナから送信される送信波の位相を変更することにより信号送信方位を電気的に調整できる(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−152335号公報
前述した背景技術に記載した装置を実用的に構成するためには、送信アンテナを複数実装しなければならない。このとき複数の送信アンテナに送信信号を出力するため複数の集積回路を組み合わせて構成することが実用上好ましい。しかしながら、例えば複数の集積回路を組み合わせて構成すると、これらの複数の集積回路の間を接続する線路長が送信波(例えばミリ波帯)の波長に対して無視できない程度に長くなる場合があり、このようなときには、当該対象となる集積回路が制御する送信アンテナの送信波の位相ずれを生じてしまい、意図した指向特性を備えたビームフォーミング技術を達成できなくなってしまうことが判明している。このような課題は複数の送信アンテナを用いてビームフォーミング技術を搭載したシステムであれば同様に生じる課題である。
本発明の開示の目的は、複数の送信アンテナに対応して複数の集積回路を搭載したときであっても送信アンテナの送信信号の位相を校正できるようにした複数の送信アンテナの位相校正装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、複数のアンテナ、第1及び第2集積回路、校正用の受信アンテナ、及び、制御回路を備える。複数の送信アンテナは、ビームフォーミング技術を用いて送信波の方位を変更可能に配置されている。第1集積回路は、所定周波数の基準信号が与えられるとこの基準信号を用いて複数の送信アンテナのうち少なくとも何れか一つ以上の第1送信アンテナの送信波を生成するための送信信号を出力する。
他方、第2集積回路は第1集積回路に接続されており、第1集積回路から基準信号が入力される。第2集積回路は、複数の送信アンテナのうち少なくとも何れか一つ以上で且つ第2送信アンテナの送信波を生成するための送信信号を出力する。校正用の受信アンテナは、第1及び第2送信アンテナの送信波を受信するときに理論上互いに電気的な結合量が同一となる状態に配置されている。
そして制御回路は、第1及び第2集積回路が第1及び第2送信アンテナに送信信号を出力するときに送信信号の互いの位相差を変化させることに応じて変化する校正用の受信アンテナで受信される受信信号の振幅に基づいて送信信号の位相を校正する。これにより、複数の送信アンテナに対応して複数の集積回路を搭載したときであっても送信アンテナの送信信号の位相を校正できる。
第1実施形態の電気的構成を概略的に示すと共に、送信アンテナ及び受信アンテナの構成及び配置形態を概略的に示す図 送信アンテナの一部構成と基板の断面を模式的に示す斜視図 校正手順を概略的に示すフローチャート 受信振幅を位相変化に対応して示す特性図 第2実施形態の校正手順を概略的に示すフローチャート 受信振幅を位相変化に対応して示す特性図(その1) 受信振幅を位相変化に対応して示す特性図(その2) 第3実施形態の校正手順を概略的に示すフローチャート 受信振幅を位相変化に対応して示す特性図(その1) 受信振幅を位相変化に対応して示す特性図(その2) 第4実施形態の電気的構成を概略的に示すと共に、送信アンテナ及び受信アンテナの構成及び配置形態を概略的に示す図 第5実施形態の電気的構成を概略的に示すと共に、送信アンテナ及び受信アンテナの構成及び配置形態を概略的に示す図 受信アンテナを拡大して示す平面図 第6実施形態の電気的構成を概略的に示すと共に、送信アンテナ及び受信アンテナの構成及び配置形態を模式的に示す図 第7実施形態の電気的構成を概略的に示すと共に、送信アンテナ及び受信アンテナの構成及び配置形態を概略的に示す図 第8実施形態の電気的構成を概略的に示すと共に、送信アンテナ及び受信アンテナの構成及び配置形態を概略的に示す図 送信アンテナの一部及び受信アンテナを拡大して示す平面図 第9実施形態の電気的構成を概略的に示すと共に、送信アンテナ及び受信アンテナの構成及び配置形態を概略的に示す図
以下、複数の送信アンテナの位相校正装置の幾つかの実施形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する各実施形態において、同一又は類似の動作を行う構成については、同一又は類似の符号を付して必要に応じて説明を省略する。なお、下記の実施形態において同一又は類似する構成には、符号の十の位と一の位とに同一符号を付して説明を行っている。以下では、ビームフォーミング技術を搭載したミリ波レーダシステムに適用した形態を説明する。
(第1実施形態)
図1から図4は第1実施形態の説明図を示している。図1は電気的構成を概略的に示している。このミリ波レーダシステム101は、複数の集積回路2a、2b、2c、2d…、複数の送信アンテナ3a、3b、3c、3d…、校正用の受信アンテナ4、受信回路5、制御回路6、及び、基準発振回路7を、例えば一枚の基板8に搭載して構成される。一の集積回路2aはマスタ動作を行い、他の集積回路2b、2c、2d…はスレーブ動作を行い、これらの集積回路2a、2b…は共に送信アンテナ3a、3b…に対するレーダ信号送信機能を備える。集積回路2aは第1集積回路に相当する。集積回路2b…は第2集積回路に相当する。送信アンテナ3aは第1送信アンテナに相当する。送信アンテナ3b…は第2送信アンテナに相当する。
集積回路2a、2b、2c、2d…は図1に4つ図示しているが2つ又は3つであっても良く、また5つ以上搭載されていても良い。スレーブ動作する集積回路2b、2c、2d…の構成は互いに同一であるため、以下では、マスタ動作する集積回路2aとスレーブ動作する集積回路2bとの関係について説明し、集積回路2c、2d…の構成及び集積回路2aとの連携動作については、集積回路2aと2bの関係と同一となる動作についてはその説明を省略する。
マスタ動作する一の集積回路2aは、PLL回路9、及び、送信回路10aを備える。スレーブ動作する他の集積回路2bは、位相調整回路11、及び送信回路10bを備える。また、受信アンテナ4には受信回路5が接続されており、この受信回路5には制御回路6が接続されている。この制御回路6は位相調整回路11の校正位相φを制御する。制御回路6は、基板8の上に集積回路2a、2bとは別体で構成されており、例えばメモリを内蔵したマイクロコンピュータにより構成され、専用の集積回路を用いて構成される。
また集積回路2a、2b…の外部には基準発振回路7が構成されている。この基準発振回路7は、ある基準周波数の発振信号を生成し、集積回路2aの内部のPLL(Phase Lock Loop)回路9にこの発振信号を出力する。集積回路2aのPLL回路9は、この基準発振回路7の発振信号を入力すると、この発振信号を逓倍し高精度の基準信号を生成する。これによりPLL回路9は高精度の所定周波数の基準信号を生成できる。このPLL回路9の基準信号は、マスタ動作する集積回路2aの内部の送信回路10aの他、スレーブ動作する集積回路2bの内部の位相調整回路11に出力される。集積回路2bは、集積回路2aから基準信号を入力すると位相調整回路11により基準信号の位相を調整し、この調整後の基準信号を送信回路10bに出力する。
集積回路2a、2bの送信回路10a、10bは、それぞれ入力される基準信号を用いて、各集積回路2a、2bに接続される送信アンテナ3a、3bの送信信号を生成し、この送信信号を送信アンテナ3a、3bに同時に出力する。集積回路2a、2bの給電点には、送信アンテナ3a、3bがそれぞれ接続されている。
図1に示すように、基板8の表層L1の平面方向の一方向をX方向とし、このX方向に交差する表層L1の平面方向の他方向をY方向とし、このX方向とY方向の両方向に交差する基板8の表裏方向をZ方向として説明する。特に送信アンテナ3aと校正用の受信アンテナ4との関係はXY平面内の関係について主に説明する。
複数の送信アンテナ3a、3b…は、互いに同一のY方向に延伸すると共にX方向に離間して配置されアレーアンテナとして構成される。このように複数の送信アンテナ3a、3b…を配置することで、ビームフォーミング技術を用いて送信波の方位を変更可能になる。これらの送信アンテナ3a、3b…は互いに同一形状に構成されている。送信アンテナ3a、3b…をより多く並列に構成することで、ビームフォーミングの精度や利得を高めることができる。
これらの送信アンテナ3a、3b…は、X方向に互いに距離2Dだけ離間して配置されている。距離2Dは、PLL回路9が出力する周波数に対応した波長(数mm)に対して無視できない程度に長い距離である。また、これらの複数の送信アンテナ3a、3b…のうち例えば基板8の中央側に位置する2つの送信アンテナ3a、3bの間には校正用の受信アンテナ4が配置されている。図1には、本実施形態の特徴を示すため、校正用の受信アンテナ4を示しているが、物標検出用の受信アンテナを別体に設けても良く、また、物標検知用の受信アンテナを校正用の受信アンテナと兼用しても良い。
校正用の受信アンテナ4は、そのX方向両脇に隣接する2つの送信アンテナ3a、3bからの距離Dが等しい位置、領域に配置されている。特に、校正用の受信アンテナ4は、隣接する2つの送信アンテナ3a、3bの間の二等分線16にその少なくとも一部を配置している。本実施形態において、校正用の受信アンテナ4は各送信アンテナ3a、3b…のパターン構造と同一構造である。このため、一の送信アンテナ3aのパターン構造について図2を参照して説明し、他の送信アンテナ3b…及び校正用の受信アンテナ4のパターン構造については説明を省略する。
図2は送信アンテナ3aの一部平面構成を基板8の表層側の断面図と共に示している。基板8は、多層基板により構成され、この基板8の表層L1には送信アンテナ3aのパターンが構成されている。この基板8の表層L1から2層目L2はベタグランド面として構成されている。基板8の表層L1から3層目以降は図示を省略している。その他、基板8の表層L1には送信アンテナ3b…のパターンが構成されているが図2には示していない。また基板8には集積回路2a、2b…及び各種の回路5〜7が搭載されているが図2には示していない。送信アンテナ3aは、複数のパッチアンテナ12a、12bを1又は複数のマイクロストリップライン13a、13bにより連結して構成されている。なお図1には、パッチアンテナ12a、12bの表層L1の金属面にハッチングを付して示している。
図2に示す各パッチアンテナ12a、12bは、基板8の表層L1に矩形状の金属面を備え、この矩形状の金属面の一の辺部14がX方向に沿って構成されると共に他方の辺部15がY方向に沿って構成され、これらの一方と他方の辺部14、15は互いに例えば直交交差している。そして送信アンテナ3aは、これらのパッチアンテナ12a、12bの金属面の辺部14の中央部をマイクロストリップライン13a、13bにより連結して構成される。マイクロストリップライン13a、13bは、パッチアンテナ12a、12b…を集積回路2a、2b…の送信回路10a、10b…まで連結する部分の長さが、互いの送信アンテナ3a、3b…の間にて同一となるように構成される。言い換えると、送信回路10a、10b…に接続される各送信アンテナ3a、3b…のマイクロストリップライン13a、13b…は、その合計線路長が送信アンテナ3a、3b…の間で同一長となるように構成されている。
他方、受信アンテナ4のパッチアンテナ12a、12bを連結するマイクロストリップライン13a、13bは、例えば、そのマイクロストリップライン13a、13bのX方向中心が送信アンテナ3a、3bの間の二等分線16の上に位置するように配置されている。
受信アンテナ4は、送信アンテナ3a、3bのX方向対向領域に配置されており、本実施形態では、受信アンテナ4のパッチアンテナ12a、12bは、二等分線16を中心線としてX方向に線対称に配置されている。受信アンテナ4が、送信アンテナ3a、3bの対向領域に配置されていると、受信アンテナ4が送信アンテナ3a、3bから送信波を直接受信できる。
このため、この校正用の受信アンテナ4は、これらの送信アンテナ3a、3bの送信波を受信するときに、理論上互いに電気的な結合量が同一となる状態に配置されていることになる。全ての送信アンテナ3a、3b…は、送信信号を入力するとこの送信信号に対応した送信波を同時に出力する。これにより、全ての送信アンテナ3a、3b…の送信波は、当該送信アンテナ3a、3b…から出力される電波を合成した電波となる。このとき、集積回路2b…が、送信信号の位相を調整出力することで、ビームフォーミング技術により方位が調整された状態で送信波を放射できる。これにより信号送信方位を電気的に調整できる。
以下、位相調整回路を用いた基準信号の位相の校正手順を説明する。まず、この校正の意義について説明する。集積回路2a、2bの内部線路長及び当該集積回路2a、2bの内部回路に基づく送信信号の位相誤差は、当該集積回路2a、2bを製造する段階で内部構成が予め定められている。このため設計、調整可能であり、集積回路2a、2bが入力する基準信号と出力する送信信号との位相差を関連付けることは容易にでき、これらの集積回路2a、2bは、これらの位相誤差の情報を予め内部メモリ(図示せず)に記憶したり、又は、これらの位相誤差の情報を互いに通信したりすることにより位相誤差をオフセット調整可能になる。
しかし、PLL回路9の基準信号の出力部から送信アンテナ3a、3bの端部のパッチアンテナ12aまでの経路は、基板8に集積回路2a、2b…及び送信アンテナ3a、3b…を搭載しなければ把握できず、集積回路2a、2b…とこれらに接続される送信アンテナ3a、3b…ごとに異なることになり位相差は不明となる。
本実施形態では、基板8の上に複数の集積回路2a、2b…を搭載したとき、PLL回路9を搭載する集積回路2aと他の集積回路2b…との間に、図1に示すように信号が基板8を伝搬するための線路長Lが存在する。このため、集積回路2aと他の集積回路2bとの間の線路長Lを主因として、基準信号に位相ずれを生じる。この位相ずれを解消するため、集積回路2bには位相調整回路11が設けられており、ビームフォーミング技術により各送信アンテナ3a、3b…間で位相を調整する前の段階において、この位相調整回路11による初期の校正位相φを決定する。この処理が校正処理となる。システム101は、この校正位相φを決定した後に、送信信号の位相をずらして送信することで通常のビームフォーミング技術を容易に実現しやすい。
この校正処理を行うときに、制御回路6は、集積回路2b内の位相調整回路11により基準信号の校正位相φを調整する。このとき例えば図3に示す手順により位相を制御して位相を校正することが望ましい。まず制御回路6は、ステップS1において、位相調整回路11により校正位相φを初期値(例えば0°)に設定する。そして、ステップS2において、各集積回路2a、2b…の送信回路10a、10b…は送信アンテナ3a、3b…に送信信号を同時出力する。
またこのとき、各送信回路10a、10b…は、所定の変調方式により変調された送信信号を各送信アンテナ3a、3b…に出力することが望ましい。この所定の変調方式としては例えばFMCW(Frequency Modulated - Continuous Wave)方式を用いることが望ましい。FMCW方式は、送信信号の周波数を時間に対し直線的に上昇/下降させて送信する方式である。このような変調方式を用いると、送信波の信号と送信アンテナ3a、3b…の周辺物から反射する信号との間で周波数を変更できるようになり、送信波の周波数と受信信号の周波数とを容易に分離でき、校正をより正確に行うことができるためである。
送信回路10a、10b…が、送信アンテナ3a、3b…に送信信号を出力すると、送信アンテナ3a、3b…が送信波を出力する。この放射された送信波は受信アンテナ4に到達し、受信回路5は受信アンテナ4を通じて信号を受信する。受信回路5は、ステップS3において、この受信信号の振幅を検出する。制御回路6は、ステップS4において、受信回路5により取得された受信信号の振幅値を位相φと対応づけて内部メモリにデータ保持させる。制御回路6、送信回路10a、10b…及び受信回路5は、ステップS6において位相φを所定ステップφ0(例えば1°)ごとに変化させ、位相φが360°に達する、すなわち、ステップS5の条件を満たすまで、ステップS2からS4の処理を繰り返す。
制御回路6、送信回路10a、10b…及び受信回路5は、ステップS2からS4の処理を繰り返し、ステップS5の条件を満たしたと判定すると、ステップS7において受信振幅が最大となる条件を満たす位相φmaxを検出して特定し、ステップS8において、この位相φmaxを位相調整回路11の校正位相φとして設定することによって位相を校正できる。
図4は、受信回路5が受信アンテナ4を通じて信号を受信した受信振幅のレベルを位相φの変化に対応して示している。制御回路6、送信回路10a、10b…及び受信回路5は、図3のステップS2からS4の処理をステップS5の条件を満たすまで繰り返すため、図4に示すように、位相φが0°から360°の範囲R0において、受信振幅はステップφ0ごとに制御回路6の内部メモリに保持される。位相φが0°から360°まで変化すると、受信振幅が徐々に変化し、受信振幅が極小値となる位相φminと受信振幅が極大値となる位相φmaxとが存在する。このときの受信振幅は校正位相φの変化に対し正弦波状に変化する。
説明の簡単化のため、送信波が2つの送信アンテナ3a、3bから受信アンテナ4に向けて送信されたときの受信振幅の変化を原理的に説明する。例えば、送信アンテナ3a、3bが送信波を出力するときに、2つの送信波の位相が一致していると、送信アンテナ3a、3bと受信アンテナ4との距離は互いに等しいため、受信アンテナ4では2つの送信波を受信した受信信号が強め合い比較的大きな振幅の信号を受信する。逆に、送信回路10a、10bの2つの送信信号の位相が互いに逆相であるとき、受信アンテナ4がこれらの信号を受信するときに弱めあうことになるため、受信回路5が受信する信号の振幅は比較的小さくなる。位相が180°ずれている場合には原理的に信号0となる。
制御回路6は、図3のステップS7において、内部メモリに保持された受信振幅のうち最も高い受信振幅となる位相φを最大となる位相φmaxとして検出して特定する。このとき、受信アンテナ4に干渉する信号の大きさは、位相ずれと相関性を有するため、干渉量が最大となる位相を検出し特定することで位相を校正できる。
この図4に示すように、受信振幅が最大となる条件を満たす位相φmaxが、複数の送信波の位相差を最も小さくできる位相であり、ステップS8において、この位相φmaxを位相調整回路11の校正位相φとして設定することにより受信振幅を最大とするように校正できる。このとき、送信アンテナ3a、3b…の端部のパッチアンテナ12aの影響まで加味した校正処理が行われるため、各集積回路2a、2b…が基板8の上にどのような関係性をもって配置されたかに拘わらず、集積回路2a、2b…の各間の線路長Lに応じた位相誤差をキャンセルできる。
このような校正処理を行った後、各集積回路2a、2b…は連携してレーダ送信信号を出力することで送信アンテナ3a、3b…からレーダ送信波を放射させる。このとき、レーダ送信波は、先行車両や路側物などの物標にて反射し、この反射した電波はレーダと物標との距離をRとしたとき、この往復分の距離2Rの時間遅れを伴い受信アンテナ(例えば4)を通じて受信回路(例えば5)に入力されることになる。受信回路(例えば5)は、この受信信号と送信回路(例えば10a、10b等)の送信信号をミキシングすることで距離Rに比例した信号を取得できる。このためミリ波レーダシステム101と物標との距離Rを算出できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、制御回路6が、集積回路2a、2b…が送信アンテナ3a、3b…に送信信号を出力するときに送信信号の互いの位相差を変化させることに応じて変化する受信回路5の受信信号の振幅に基づいて送信信号の位相を校正するようにした。このため、複数の送信アンテナ3a、3b…に対応して複数の集積回路2a、2b…を搭載したときであっても、各集積回路2a、2b…に対応した各送信アンテナ3a、3b…から出力される送信信号の位相誤差を検出して校正位相φとして決定できる。これにより、各集積回路2a、2b…の送信信号の位相誤差が各集積回路2a、2b…にて認識できない従来の問題を解決できるようになる。
また、本実施形態に係る校正処理を行うことにより、基板8の面積や搭載部品点数、集積回路2a、2b…の内部に集積される送信回路10a、10b…のチャンネル数に制限されることなく、ミリ波レーダシステム101を構成する送信アンテナ3a、3b…の数を増やすことができる。
校正用の受信アンテナ4は、複数の送信アンテナ3a、3b…からの距離が等しくなるように配置されているため、受信アンテナ4が送信アンテナ3a、3bからの送信波の位相を原理的に同一とすることができ、これらの位相差を検出することでそのまま位相調整回路11の調整用の位相として用いることができる。
校正用の受信アンテナ4は、複数の送信アンテナ3a、3bの間の対向領域に配置されているため、受信アンテナ4が送信アンテナ3a、3bから送信波を直接受信でき、受信振幅を大きくできる。
複数の送信アンテナ3a、3b…は複数のパッチアンテナ12a、12b…をマイクロストリップライン13a、13b…により互いに接続して構成している。このため、個々のパッチアンテナ12a、12b…から送信波を出力させることができ、ミリ波レーダシステム101に適したアンテナ態様にできる。
受信アンテナ4が、後述実施形態の受信アンテナ204、304に比較して多くのパッチアンテナ12a、12b…を備えて構成されているため、アンテナ利得を稼ぐことができ受信振幅をより大きくでき、振幅最大となる条件を満たす位相φmaxを検出しやすくなる。
(第2実施形態)
図5から図7は第2実施形態の追加説明図を示している。第2実施形態では校正手順を変更した例を示す。前述実施形態と同一又は類似の構成については同一又は類似の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、制御回路6、送信回路10a、10b…、及び、受信回路5は、ステップS1からS5a及びS6の処理を行う。ここで、制御回路6は位相φを初期値(例えば0°)に設定し、ステップS5aにおいて位相φが180°に達するまで、ステップS6において位相φを所定ステップφ0だけ加算してステップS2からS4の処理を繰り返す。そして制御回路6は、ステップS9において0°≦R1≦180°を満たす範囲R1内に受信振幅の極大値が有るか無いかを判定する。極大値の有無の判定方法としては、校正位相φがステップφ0で連続する3つの受信振幅をA1、A2、A3としたときに、A1<A2>A3となる関係を満たす受信振幅A2の位相φが存在するか否かを判定すると良い。またこの方法に限られるものではない。
制御回路6は、ステップS9において受信振幅の極大値が存在すると判定したときには、ステップS10において極大値条件を満たす位相φmaxを位相調整回路11の校正位相φφとして設定する。逆に制御回路6は、ステップS9において範囲R1内に受信振幅の極大値が存在しないと判定したときには、ステップS11において極小値条件を満たす位相φminを位相調整回路11の校正位相φとして設定する。極小値条件を満たす位相φの特定方法としては、位相φが連続する3つの受信振幅をA1、A2、A3としたときに、A1>A2<A3の関係を満たす受信振幅A2の位相φを用いると良い。またこの方法に限られるものではない。
このステップS10、S11において、位相が0°から180°となる範囲R1では、極大値条件を満たす位相φmax又は極小値条件を満たす位相φminが必ず存在するため、ステップS10において範囲R1内に極大値条件を満たす位相φmaxが存在しなければ、極小値条件を満たす位相φminが必ず存在する。このためステップS9の条件を満たさないときには、ステップS11において極小値条件を満たす位相φminを特定すると良い。
そして制御回路6は、この極小値条件を満たす位相φminに180°を加算し、φmin+180°を位相調整回路11の校正位相φとして設定する。この方法では、受信回路5が検出する受信振幅と位相調整値の特性において、極大値は必ず1つであり、極大値条件を満たす位相φmaxを180°だけ反転した位相φにおいて受信振幅が極小値となり、これらの逆も成立することを利用している。
図6及び図7は受信振幅のレベルを位相φの変化に対応した例を2つ例示している。図5のフローチャートに示す流れで、制御回路6が受信振幅の値を取得したときには、これらの図6及び図7に示すように、位相φが0°から180°となる範囲R1において、受信振幅がステップφ0ごとに制御回路6内の内部メモリに保持される。これらの図6、図7に示すように、位相φが0°から180°に至るまで変化したとき、受信振幅の極大値条件を満たす位相φmaxが存在する場合と、受信振幅の極小値条件を満たす位相φminが存在する場合がある。
制御回路6は、ステップS9において内部メモリに保持された受信振幅のうち極大値条件を満たす位相φmaxが存在すると判定したときには、図6に示すように、位相φmaxを位相調整回路11の校正位相φとする。また制御回路6は、ステップS9において内部メモリに保持された受信振幅のうち極大値条件を満たす位相φmaxが存在しないと判定したときには、図7に示すように、極小値条件を満たす位相φminに180°を加算したφmin+180°を位相調整回路11の校正位相φとする。
このように算出された位相φmax、φmin+180°を位相調整回路11の校正位相φとして設定することで、受信振幅を最大とするように校正できる。これにより、位相φを180°掃引することで位相を校正できるため、位相φを360°掃引する第1実施形態と比較して掃引時間を半分にできる。その他、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第3実施形態)
図8から図9は第3実施形態の追加説明図を示している。第3実施形態では校正手順を変更した例を示す。前述実施形態と同一又は類似の構成については同一又は類似の符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、制御回路6、送信回路10a、10b…、及び、受信回路5は、ステップS1からS5b及びS6の処理を行う。ここで制御回路6は、ステップS5bにおいて受信振幅が極大値条件又は極小値条件を満たすまでステップS2からS4の処理を繰り返す。
第2実施形態でも示したように、極大値条件の存在判定方法としては、位相φが連続する3つの受信振幅をA1、A2、A3としたときに、A1<A2>A3となる関係を満たす受信振幅A2が存在するか否かを判定すると良く、極小値条件の存在判定方法としては、位相φが連続する3つの受信振幅をA1、A2、A3としたときに、A1>A2<A3となる関係を満たす受信振幅A2が存在するか否かを判定すると良い。その後、制御回路6はステップS9からS11の処理を行う。この処理内容は第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
図9及び図10は受信振幅のレベルを位相φの変化に対応して2例示している。これらの図9、図10に示すように、位相φを0°から増加させていく過程において、ステップS5b、S9において極大値条件を満たす位相φmaxが存在すると判定したときには、図9に示すように、位相φmaxを位相調整回路11の校正位相φとする。また、制御回路6は、ステップS5b、S9において、極大値条件を満たす位相φmaxが存在しないと判定したときには、図10に示すように、極小値条件を満たす位相φminに180°を加算したφmin+180°を位相調整回路11の校正位相φとする。制御回路6は、このように算出された位相φmax、φmin+180°を位相調整回路11の校正位相φとして設定することで、受信振幅を最大とするように校正できる。
これにより、制御回路6が、位相φを掃引し受信振幅が極大値条件又は極小値条件を満たした時点で掃引を停止して位相を校正できるため、掃引範囲を図9に示す範囲R2a又は図10に示す範囲R2bにすることができ、位相φを360°又は180°掃引する構成に比較して掃引時間をさらに短縮できる。その他、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第4実施形態)
図11は第4実施形態の追加説明図を示す。第4実施形態は受信アンテナの他の形態を示す。また第4実施形態は、1つの集積回路が複数の送信アンテナの送信信号を出力する形態を示す。
ミリ波レーダシステム201は、複数の集積回路202a、202b、送信アンテナ3a、3b…、及び、基準発振回路7を備える。マスタ動作する集積回路202aは、送信回路210aa、210abを複数(例えば2)チャンネル分備えており、これらの複数チャンネル分の送信回路210aa、210abにそれぞれ対応して接続された送信アンテナ3a、3cに送信信号を出力する。この集積回路202aは、第1実施形態で説明したPLL回路9、受信回路5、及び、制御回路6を備える。
本実施形態に示すように、受信回路5、制御回路6は、基板8に集積回路202aと別構成にすることなく、集積回路202aの内部に集積化しても良い。これらのPLL回路9、受信回路5、及び、制御回路6は、前述実施形態で説明した内容と同様の制御を行うものであり、その動作説明を省略する。
スレーブ動作する集積回路202bは、送信回路201ba、201bb、及び、位相調整回路211a、211bを複数チャンネル分備えている。複数の位相調整回路211a、211bは、制御回路6から校正位相φを入力すると、この校正位相φに応じてPLL回路9が出力する基準信号の位相を校正し、校正後の基準信号をそれぞれ送信回路210ba、210bbに出力する。集積回路202bの送信回路210ba、210bbは、それぞれ入力される校正後の基準信号を用いて、集積回路202bに接続される送信アンテナ3b、3dの送信波を生成するための送信信号を生成し、送信信号を送信アンテナ3b、3dに同時に出力する。
複数の送信アンテナ3a〜3dは、X方向に互いに等しい距離2Dだけ離間して配置されている。集積回路202aが複数の送信アンテナ3a、3bを接続し、集積回路202bが複数の送信アンテナ3c、3dを接続している。このような場合、校正用の受信アンテナ204は、異なる集積回路202a、202bに接続された送信アンテナ3a〜3dのうち、最も近接する送信アンテナ3a、3bから互いに等しい距離Dとなる二等分線16の上に少なくとも一部を設けて配置されている。特に、校正用の受信アンテナ4は、2つの送信アンテナ3a、3bの中心線の二等分線16の上の位置を中心又は重心位置としたパッチアンテナ12aを備えている。
これにより、受信アンテナ204は、これらの送信アンテナ3a〜3dの送信波を受信するときに理論上互いに電気的な結合量が同一となる状態に配置されている。本実施形態の受信アンテナ204は、1つのパッチアンテナ12aをマイクロストリップライン13により受信回路5と接続することによって構成されている。このように、受信アンテナ204は必ずしも送信アンテナ3a〜3dと同一形状としなくても良い。
このとき、制御回路6は、全ての送信回路210aa、210ab、210ba、210bbから送信信号を送信アンテナ3a〜3dに出力させ、このときの受信回路5の受信信号の受信振幅が最も大きくなるように位相調整回路211a、211bの調整用の位相を設定することが望ましい。位相調整回路211a、211bの校正位相φを互いに同一値として設定することが望ましいが、互いに異なる位相φを設定しても良い。
またその他、制御回路6は、受信アンテナ204に最も近接する送信アンテナ3a、3bを対象として対応する送信回路210aa、210baに送信信号を出力させ、このときの受信回路5の受信信号の振幅が最も大きくなるように位相調整回路211aの校正位相φを設定しても良い。この場合、このとき位相調整回路211aにより調整された校正位相φを位相調整回路211bの校正位相φとして設定すると良く、2つの近接する位相調整回路211a、211bの校正位相φをそのまま流用できる。その他、第1、第2、第3の各実施形態と同様の校正手順で校正処理を行うことで、各実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第5実施形態)
図12及び図13は第5実施形態の追加説明図を示す。第5実施形態では受信アンテナの他の形態について示す。その他の構成は前述実施形態(例えば第4実施形態)の構成と同様であるため、その説明を省略する。
図12に示すように、受信アンテナ304は長方形状に構成されたパッチアンテナ312aを備え、受信回路5との間をマイクロストリップライン313により接続して構成されている。図13は受信アンテナ304の拡大平面図を示す。受信アンテナ304のパッチアンテナ312aは、この長方形の辺部314がX方向及びY方向から例えば45°傾斜すると共に、辺部315がこの辺部314に直交するようにX方向及びY方向から傾斜するように配置されている。送信アンテナ3a、3bの間の二等分線16がパッチアンテナ312aの中心又は重心Pを通過するように配置されている。図13に示すように、受信アンテナ304は二等分線16に対しX方向に線対称に配置されていない。このような配置形態においても、理論上互いに電気的な結合量が同一となる状態に配置されていることになるため、前述実施形態と同様の効果を奏する。
なお、受信アンテナ304を構成するパッチアンテナ312aのY方向配置位置について言及するならば、本実施形態のパッチアンテナ312aは図12に示すように送信アンテナ3a、3bの対向領域に配置されている。しかし、パッチアンテナ312aのY方向配置位置はこの位置に限られるものではない。後述の第6又は第7実施形態に示すように、パッチアンテナ312aは送信アンテナ3a、3bの対向領域から外れた位置に配置されていても良い。要は、受信アンテナ304が、送信アンテナ3a、3b…の送信波を受信するときに理論上互いに電気的な結合量が同一となる状態に配置されていれば良い。本実施形態においても、第1、第2、第3の各実施形態と同様の校正手順で校正処理を行うことで、各実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第6実施形態)
図14は第6実施形態の追加説明図を示す。第6実施形態では、ミリ波レーダシステム401の別の形態を示す。図14は基板8の上に搭載される送信アンテナ403a〜403f、受信アンテナ404a、404b、集積回路402a、402b、402c、受信回路405a、405b、及び、制御回路406の配置の関係性を模式的に表している。
集積回路402aは、PLL回路9と送信回路410a、410bとを備える。集積回路402bは、位相調整回路411bと送信回路410c、410d、410eとを備える。集積回路402cは、位相調整回路411c、送信回路410f及び受信回路405aを備える。これらの送信回路410a〜410fや位相調整回路411b、411cの構成及び機能はそれぞれ前述実施形態の送信回路10a、10b、位相調整回路11と同様であるため、その説明を省略する。図示しないが、送信アンテナ403a〜403fは、その形状が互いに同一形状に構成されている。
送信アンテナ403eと403fとの間は距離2×daだけ離間して構成され、これらの送信アンテナ403eと403fとの間の二等分線411aの上には受信アンテナ404aの少なくとも一部が構成されている。同様に、送信アンテナ403bと403cとの間は距離2×dbだけ離間して構成され、これらの送信アンテナ403bと403cとの間の二等分線416bの上には受信アンテナ404bの少なくとも一部が構成されている。
この図14に示すように、複数の集積回路402a、402b、402cが基板8の上に搭載されているとき、これらの個々の集積回路402a、402b、402cが送信信号の出力対象とする送信アンテナ403a〜403fの本数は互いに同一数に限られるものではなく、互いに異なっていても良い。図14に示すように、集積回路402aは、2つの送信アンテナ403a、403bに送信信号を出力しているのに対し、集積回路402bは3つの送信アンテナ403c、403d、403eに送信信号を出力し、集積回路402cは1つの送信アンテナ403fに送信信号を出力している。
図14に示す構成では、1つの集積回路402aとこれに接続される2つの送信アンテナ403a、403bとの間のマイクロストリップライン413a、413bの線路長Laは同一に設定されていることが望ましい。同様に、集積回路402bとこれに接続される3つの送信アンテナ403c〜403eとの間のマイクロストリップライン413c〜413eの線路長Lbは同一に設定されていることが望ましい。このような場合、集積回路402aに接続される複数の送信アンテナ403a、403bの送信波の位相を互いに同一となるように設定でき、さらに集積回路402bに接続される複数の送信アンテナ403a、403bの送信波の位相を互いに同一となるように設定できる。集積回路402cと送信アンテナ403fとの間のマイクロストリップライン413fの線路長をLcとしたとき、線路長La、Lb、Lcは互いに同一としても異なっていても良い。
また第1〜第3実施形態に示した校正処理を適用したときには、送信波が全ての送信アンテナ403a〜403fから出力されたとしても、受信アンテナ404a、404bへの結合量を互いに等しくできない虞がある。これは各送信アンテナ403a〜403fが互いに相互干渉するためである。このようなことが想定される場合には、送信アンテナ403a〜403fの受信アンテナ404a、404bへの結合量を等しくするため、制御回路406は隣接する最も近接した2つの送信アンテナ(例えば403bと403c、403eと403f)から送信波を出力させ、これにより校正処理を行い、これらの校正処理により得られた校正位相φを、各集積回路402b、402cの内部の位相調整回路411b、411cの校正位相φとして設定することが望ましい。
具体的な校正手順例を説明する。まず制御回路406は、集積回路402aに接続される2つの送信アンテナ403a、403bのうち、二等分線416bに最も近接した送信アンテナ403bから送信波を出力させると共に、集積回路402bに接続される3つの送信アンテナ403c〜403eのうち、二等分線416bに最も近接した送信アンテナ403cから送信波を送信させる。そして、第1〜第3実施形態に示したように、位相調整回路411bの位相φの校正処理を行い、この校正処理によって算出された位相φを位相調整回路411bの校正位相φ1として用いる。
位相調整回路411bの校正位相φ1が設定された後、制御回路406は、集積回路402bに接続される3つの送信アンテナ403c〜403eのうち、二等分線411aに最も近接した送信アンテナ403eから送信波を出力させると共に、集積回路402cに接続され二等分線411aに近接した1つの送信アンテナ403fから送信波を送信させる。そして、第1〜第3実施形態に示したように、位相調整回路411cの位相φの校正処理を行い、この校正処理によって算出された校正位相φを位相調整回路411cの校正位相φ2として用いる。集積回路402a〜402cが3つ以上配置されていたとしても、集積回路402b、402cに内蔵される位相調整回路411b、411cの校正位相φ1、φ2を順次算出できる。したがって、第1〜第3実施形態に示したように、受信振幅が最大となる条件を満たす位相を校正位相φとすることで、第1〜第3実施形態に示した作用効果と同様の作用効果を奏する。
また、図14に示すように、受信アンテナ404aは送信アンテナ403e及び403fの対向領域からY方向に外れた領域に配置されていても良く、受信アンテナ404bは送信アンテナ403b及び403cの対向領域からY方向に外れた領域に配置されていても良い。例えば図1に示すパッチアンテナ12a、12bのXY方向寸法は数mm×数mm程度の長方形となり、パッチアンテナ12a、12bの寸法を大きくすることでアンテナ利得を稼ぐことができる。しかし、送信アンテナ3aと3bとの距離2Dもまた数mmであり、パッチアンテナ12a、12bのXY方向寸法と同一桁スケールで設定されるため、パッチアンテナ12a、12bが受信アンテナ4と接近する。
このように例えばX方向の配置スペースが限られている場合には、図14に示すように、受信アンテナ404a、404bを送信アンテナ3a、3bの対向領域からY方向に外して配置しても良く、この場合、配置スペースを有効活用できる。
受信アンテナ404aは送信アンテナ403e及び403fの間の二等分線411aの上に少なくとも一部が配置されていれば、何れの位置に配置されていても良く、受信アンテナ404bは送信アンテナ403b及び403cの間の二等分線416bの上に少なくとも一部が配置されていれば、何れの位置に配置されていても良い。また、受信アンテナ404a、404bの形状は送信アンテナ403a〜403fの形状と異なっていても良い。なお、受信アンテナ404a、404bの具体的な構成例は後述実施形態で説明する。
(第7実施形態)
図15は第7実施形態の追加説明図を示す。図15は第6実施形態に模式的に示した送信アンテナ及び受信アンテナの設置例及び構成例を概略的に表している。
図15に示すように、ミリ波レーダシステム501は、基板8の上に、制御回路6、受信回路5、基準発振回路7、2つの集積回路502a、502b、送信アンテナ3a〜3g、及び、受信アンテナ504を搭載して構成される。集積回路502aには複数の送信アンテナ3a、3c、3e、3gが接続されており、集積回路502bには複数の送信アンテナ3b、3d、3f、3hが接続されている。集積回路502aは、PLL回路9及び送信回路510a、510c、510e、510gを備えており、集積回路502bは、位相調整回路11及び送信回路510b、510d、510f、510hを備えている。送信回路510a〜510hは送信回路10a、10b…と同様の構成である。また送信アンテナ3a〜3hの構成は互いに同一であり、その配置位置とその配置関係は第1実施形態で説明した送信アンテナ3a、3b…と同様であるため、その説明を省略する。
校正用の受信アンテナ504は、2つの集積回路502a、502bに接続される複数の送信アンテナ3a〜3hのうち、最も近接した送信アンテナ3a、3bの間の二等分線516の上にその一部を設置して構成されている。この校正用の受信アンテナ504は、これらの対象の2つの送信アンテナ3a、3bの間のX方向対向領域には存在しておらず、当該対向領域からY方向に逸脱して配置されている。
受信アンテナ504は、長方形状のパッチアンテナ512a〜512dをマイクロストリップライン513a〜513cにより複数接続して構成される。パッチアンテナ512a〜512dは、それぞれ、長方形の一方の辺がX方向に延びると共に他方の辺がY方向に延びるように配置されている。これらのパッチアンテナ512a〜512dを連結するマイクロストリップライン513a〜513cは、例えば、そのラインの中心が送信アンテナ3a、3bの間の二等分線516の上に一致するように配置されている。パッチアンテナ512a〜512dはその中心、重心の位置が二等分線516の上に一致するように配置されている。そして、パッチアンテナ512dと受信回路5との間にはマイクロストリップライン513dが構成されている。
本実施形態では、受信アンテナ504のパッチアンテナ512a〜512dはこの二等分線516を中心線としてX方向に線対称に配置されている。このため、この校正用の受信アンテナ504は、これらの送信アンテナ3a〜3hの送信波を受信するときに、理論上互いに電気的な結合量が同一となる状態に配置されている。したがって、第1〜第3実施形態で説明したように、受信振幅が最大となる条件を満たす位相φを位相調整回路11の校正位相φとすることで、第1〜第3実施形態に示した作用効果と同様の作用効果を奏する。
(第8実施形態)
図16及び図17は第8実施形態の追加説明図を示す。図16は第6実施形態に模式的に示した送信アンテナ及び受信アンテナの他の設置例及び他の構成例を概略的に表している。
図16に示すように、ミリ波レーダシステム601は、基板8の上に、制御回路6、受信回路5、基準発振回路7、2つの集積回路502a、502b、送信アンテナ603a〜603h、及び、受信アンテナ604を備えて構成される。集積回路502aの送信回路510a、510c、510e、510gにはそれぞれ送信アンテナ603a、603c、603e、603gが接続されている。集積回路502bの送信回路510b、510d、510f、510hにはそれぞれ送信アンテナ603b、603d、603f、603hが接続されている。送信アンテナ603a〜603hは全て同一構成であるが、前述実施形態に示した送信アンテナ3a〜3hとは平面的な構造が異なる。送信アンテナ603a〜603hは、複数のパッチアンテナ612a、612b…をマイクロストリップライン613により連結して構成されている。
図17は送信アンテナ603a、603b及び受信アンテナ604の一部を模式的に示している。図17に示すように、パッチアンテナ612aは、基板8の表面に長方形状の金属面を備え、この金属面の一方の辺部614がX方向及びY方向に対し共に例えば45°傾斜して構成されると共に、他方の辺部615もまたX方向及びY方向に対し共に傾斜し一方の辺部614と直交するように構成される。
なお図16及び図17に示すように、パッチアンテナ612b〜もまたパッチアンテナ612aと同様の構造となっている。そして、送信アンテナ603a〜603hは、これらのパッチアンテナ612a、612b…の金属面の一方の辺部614の中央部をマイクロストリップライン613により連結して構成されている。
図17に示すように、マイクロストリップライン613は、集積回路502a、502bの給電点からY方向に延びる基線部620と、この基線部620の途中部分からXY斜方となる所定方向に延び各パッチアンテナ612a、612b…の辺部614の中央部まで結線される複数の枝部613a、613b…と、を備える。このマイクロストリップライン613の複数の枝部613a、613b…は、各パッチアンテナ612a、612b…の辺部614に直交するよう接続されている。これらの送信アンテナ603a〜603hはX方向に併設されている。これにより、送信アンテナ603a〜603hは例えば第1実施形態の送信アンテナ3a、3b…の構成に比較して偏波方向を変更できる。
これらの集積回路502a、502bに接続される複数の送信アンテナ603a〜603hのうち、最も近接した送信アンテナ603a、603bの間にY方向に沿って二等分線616を引くと、これらの対象の送信アンテナ603a、603bのパッチアンテナ612a、612bの中心から二等分線616までの距離はDとなる。
校正用の受信アンテナ604は、この二等分線616のY方向の延長線上にその少なくとも一部を配置して構成される。この校正用の受信アンテナ604は、これらの対象の2つの送信アンテナ603a、603bの間のX方向対向領域には存在しておらず、当該対向領域からY方向に逸脱して配置されている。校正用の受信アンテナ604は、長方形状のパッチアンテナ612aをマイクロストリップライン613により受信回路5に接続して構成される。
本実施形態では、受信アンテナ604のパッチアンテナ612aは、第5実施形態のパッチアンテナ312aと同様の配置及び構造となっている。すなわち、受信アンテナ604のパッチアンテナ612aは長方形状に構成され、この長方形の辺部614がX方向及びY方向から傾斜すると共に辺部315がこの辺部314に直交するようにX方向及びY方向から傾斜するように配置されている。
図17に示すように、送信アンテナ603a、603bのパッチアンテナ612a、612b…の二等分線616が、受信アンテナ604のパッチアンテナ612aの中心、重心Pを通過するように配置されている。この場合、受信アンテナ604のパッチアンテナ612aは、二等分線616を中心線として線対称に配置されていない。このような形態においても、校正用の受信アンテナ604は、これらの送信アンテナ603a、603b…の送信波を受信するときに、理論上互いに電気的な結合量が同一となる状態に配置されていることになる。したがって、第1〜第3実施形態にて説明したように、受信振幅が最大となる条件を満たす位相φを調整用の位相として校正処理することで、第1〜第3実施形態に示した作用効果と同様の作用効果を奏する。
(第9実施形態)
図18は第9実施形態の追加説明図を示す。図18は第6実施形態に模式的に示した送信アンテナ及び受信アンテナの他の設置例及び他の構成例を概略的に表している。
図18に示すミリ波レーダシステム701は、基板8の上に、受信回路5、制御回路6、基準発振回路7、2つの集積回路502a、502b、送信アンテナ503a〜503h、及び、受信アンテナ704を備える。受信アンテナ704以外の構成は第7実施形態に示す構成と同様であるため、その説明を省略する。
受信アンテナ704は、2つの集積回路502a、502bに接続される複数の送信アンテナ3a〜3hのうち、2つの集積回路502a、502bに対応して最も近接した送信アンテナ3a、3bの間の二等分線516の上にその一部を設置して構成されている。この校正用の受信アンテナ704は、これらの対象の2つの送信アンテナ3a、3bの間のX方向対向領域には存在しておらず、当該対向領域からY方向に逸脱して配置されている。
受信アンテナ704は、長方形状のパッチアンテナ712a〜712dとマイクロストリップライン713a〜713cとを備え、パッチアンテナ712a〜712dをマイクロストリップライン713a〜713cにより連結して構成されている。
パッチアンテナ712a〜712dは、それぞれ、長方形の一方の辺がX方向に延びると共に他方の辺がY方向に延びるように配置されている。これらのパッチアンテナ712a〜712d及びマイクロストリップライン713a〜713cは、送信アンテナ3a、3bの間の二等分線516の上を跨いで配置されている。
パッチアンテナ712a、712bは二等分線516のX方向の一方(図示右側)に配置されており、パッチアンテナ712c、712dは二等分線516のX方向の他方(図示左側)に配置されている。これらのパッチアンテナ712a、712bと712c、712dとは二等分線516を中心として線対称に配置されている。そして、パッチアンテナ712dと受信回路5との間には、マイクロストリップライン713dが構成されている。
本実施形態では、受信アンテナ704のパッチアンテナ712a〜712dはこの二等分線516を中心線としてX方向に線対称に配置されている。このため、この校正用の受信アンテナ704は、これらの送信アンテナ3a〜3hの送信波を受信するときに、理論上互いに電気的な結合量が同一となる状態に配置されている。したがって、第1〜第3実施形態で説明したように、受信振幅が最大となる条件を満たす位相φを位相調整回路11の校正位相φとすることで、第1〜第3実施形態に示した作用効果と同様の作用効果を奏する。
(他の実施形態)
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができ、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。例えば以下に示す変形又は拡張が可能である。
前述実施形態では、図1に示すPLL回路9を用いて基準発振回路7の発振信号を逓倍する形態を示したが、このPLL回路9は例えばVCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)を用いて構成でき、またVCOに代えて構成しても良い。
前述した内容(例えば第1〜第9実施形態)では、何れも、一の送信アンテナを構成するパッチアンテナがY方向に沿う一直線上に配置されている形態を示している。例えば第1実施形態では、送信アンテナ3aを構成するパッチアンテナ12a、12b…がY方向に沿う一直線上に配置されている。本発明では、これに限定されるものではなく、例えばパッチアンテナ12a、12b…を曲線上に配置してもランダムに配置しても良い。
この場合、例えば、二等分線16、516、616を中心として線対称に、パッチアンテナ12a、12b…又は612a、612b…を配置すれば、送信アンテナ3a、3b…又は603a、603b…と受信アンテナ4、504、604又は704との配置関係を、理論上互いに電気的な結合量が同一となる状態に配置することができる。したがって、送信アンテナ3a、3b…がどのような方向に沿ってパッチアンテナ12a、12b…を配置しても、また、受信アンテナ4が送信アンテナ3a、3b…のパッチアンテナ12a、12b…に対してどのような配置関係であっても良い。要は、受信アンテナ4が、例えば送信アンテナ3a、3bとの間で理論上の電気的な結合量が同一となる状態に配置されていれば良い。
図1、図16などでは、送信アンテナ3a、3b…又は603a、603bを構成するパッチアンテナ12a、12b…又は612a、612bと、受信アンテナ4又は604を構成するパッチアンテナ12a、12b…又は612aとを同一符号を付して示したが、これらはパッチアンテナとしての特性が同様であることを示すものであり、一体物ではなく別体のものであることに留意する。
前述実施形態、例えば第1実施形態では、スレーブ動作する集積回路2b…が位相調整回路11を備えると共にマスタ動作する集積回路2aは位相調整回路11を備えていない形態を示したが、集積回路2aもまた位相調整回路11を備えるように構成しても良い。すなわち、例えば第1実施形態では、全ての集積回路2a、2b…が位相調整回路11を備えていても良い。
例えば各集積回路のPLL回路9が逓倍する周波数を変更するタイミングにおいて前述実施形態の校正処理を行っても良い。また、例えば温度センサを別途設け、温度が所定以上変化したときに前述実施形態の校正処理を行っても良い。
例えば、一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素に統合させたりしてもよい。また前述の実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、前述の2以上の実施形態の構成の一部又は全部を互いに組み合わせて付加しても置換しても良い。なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、本発明の一つの態様として前述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図面中、101、201、301、401、501、601はミリ波レーダシステム、2a〜2d…は集積回路(2a;202a;402a;502aは第1集積回路、2b…;202b;402b、402c;502bは第2集積回路)、3a〜3h;403a〜403f;603a〜603hは送信アンテナ(3a;403b;603aは第1送信アンテナ、3b;403c;603bは第2送信アンテナ)、4、204、304、404a、404b、504、604、704は校正用の受信アンテナ、5は受信回路、6は制御回路、12a、12b…;612a、612b…;712a、712b…はパッチアンテナ、13a、13b…;613a、613b…;713a、713b…はマイクロストリップライン、を示す。

Claims (11)

  1. ビームフォーミング技術を用いて送信波の方位を変更可能に配置された複数の送信アンテナ(3a〜3h;403a〜403f;603a〜603h)と、
    基準信号が与えられるとこの基準信号を用いて前記複数の送信アンテナのうち少なくとも何れか一つ以上の第1送信アンテナ(3a;403b;603a)の送信波を生成するための送信信号を出力する第1集積回路(2a;202a;402a;502a)と、
    前記第1集積回路に接続され、前記第1集積回路から基準信号が入力され前記複数の送信アンテナのうち少なくとも何れか一つ以上で且つ前記第1送信アンテナとは異なる第2送信アンテナ(3b;403c;603b)の送信波を生成するための送信信号を出力する第2集積回路(2b;202b;402b、402c;502b)と、
    前記第1及び第2送信アンテナの送信波を受信するときに理論上互いに電気的な結合量が同一となる状態に配置された校正用の受信アンテナ(4;204;304;404a、404b;504;604;704)と、
    前記受信アンテナの信号を取得する受信回路(5)と、
    前記第1及び第2集積回路が前記第1及び第2送信アンテナに送信信号を出力するときに前記送信信号の互いの位相差を変化させることに応じて変化する前記受信回路の受信信号の振幅に基づいて前記送信信号の位相を校正する制御回路(6)と、
    を備える位相校正装置。
  2. 請求項1記載の位相校正装置において、
    前記校正用の受信アンテナ(4;204;304;404a、404b;504;604)は、前記第1及び第2送信アンテナからの距離が等しくなるように配置されている位相校正装置。
  3. 請求項1記載の位相校正装置において、
    前記校正用の受信アンテナ(404a、404b;504;604;704)は、前記第1及び第2送信アンテナの間の対向領域から外れた領域に配置されている位相校正装置。
  4. 請求項1記載の位相校正装置において、
    前記校正用の受信アンテナ(4;204;304)は、前記複数の送信アンテナの対向領域に配置されている位相校正装置。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の位相校正装置において、
    前記複数の送信アンテナは、それぞれ、1又は複数のパッチアンテナ(12a、12b…;612a、612b…;712a、712b…)をマイクロストリップライン(13a、13b…;613a、613b…;713a、713b…)により接続して構成されている位相校正装置。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の位相校正装置において、
    前記制御回路は、前記第1及び第2集積回路により出力される送信信号の位相差を所定ステップごとに変化させて前記第1及び第2送信アンテナから送信波を出力させ、前記校正用の受信アンテナで受信される受信信号の振幅が最大となる位相(φmax)を検出し、この検出された位相を用いて校正位相を設定する位相校正装置。
  7. 請求項6記載の位相校正装置において、
    前記制御回路は、前記第1及び第2集積回路により出力される送信信号の位相差を所定ステップごとに変化させるときに前記位相差を初期値から初期値に360°を加算した範囲(R0)で変化させたときの前記受信回路の受信信号の振幅が最大となる位相(φmax)を検出し、この検出された位相を用いて校正位相を設定する位相校正装置。
  8. 請求項6記載の位相校正装置において、
    前記制御回路は、前記第1及び第2集積回路により出力される送信信号の位相差を所定ステップごとに変化させるときに前記位相差を初期値から初期値に180°を加算した範囲(R1)で変化させたときの前記受信回路の受信信号の振幅が極大値又は極小値となる位相を検出し、極大値条件を満たす位相(φmax)が検出されたときには当該極大値条件を満たす位相を用いて校正位相を設定し、極小値条件を満たす位相(φmin)が検出されたときには当該極小値条件を満たす位相に180°を加算した位相を用いて校正位相を設定する位相校正装置。
  9. 請求項6記載の位相校正装置において、
    前記制御回路は、前記第1及び第2集積回路により出力される送信信号の位相差を初期値から所定ステップごとに変化させたときの前記受信回路の受信信号の振幅が極大値又は極小値となる位相を検出し、極大値条件を満たす位相(φmax)が検出されたときには当該極大値条件を満たす位相を用いて校正位相を設定し、極小値条件を満たす位相(φmin)が検出されたときには当該極小値条件を満たす位相に180°を加算した位相を用いて校正位相を設定する位相校正装置。
  10. 請求項1から9の何れか一項に記載の位相校正装置において、
    前記第1集積回路及び前記第2集積回路は、FMCW方式を用いて変調した送信信号を出力する位相校正装置。
  11. 請求項1から10の何れか一項に記載の位相校正装置において、
    前記校正用の受信アンテナは、物標検出用のアンテナと兼用されている位相校正装置。
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