JP5610983B2 - レーダ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両等に搭載され、アレーアンテナを用いて電波を送信し、前方の車両等からの反射波を受信して、前方の車両等を認識するレーダ装置に関するものである。
車載レーダ装置は、前方を走行する先行車両等と、道路標識や案内板のような位置が高く、走行に対して障害物とは成り得ない物体とを識別する必要がある。
一般的に、レーダ装置においては、所望の幅に絞られたアンテナビームを走査することで、対象物の方位(方位角)を得ることができ、ビーム走査方法としては、機械的に行う方法と電気的に行う方法がある。
上記のような物体を識別する要望に対して、水平方向を機械的に走査し、鉛直方向をモノパルス方式で検出する車載モノパルスレーダ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
これらのレーダ装置によれば、対象物の鉛直方向の仰俯角を知ることができるため、前方を走行する先行車両等と、道路標識や案内板のような位置が高く、走行に対して障害物とは成り得ない物体とを区別することができる。
特開平9−288178号公報
特許文献1に示された機械走査のレーダ装置では、水平方向の測角は隣接するビームの受信強度に基づいて角度を求めているが、受信強度は様々な要因で影響を受けやすいという問題点があった。
また、鉛直方向の測角は機械走査式の複数の受信アンテナを上下に配列したもので行っているため、上下の受信アンテナの間隔を狭くすることに限界があり、小型化できないという問題点があった。
一方、電気的にビーム走査を行う方法において、車両前方の対象物を検出するような場合、対象物が存在する仰俯角範囲は限られるため、そのアンテナパターンとしては、水平方向に広く、鉛直方向に狭い形状が必要とされている。このようなアンテナパターンを実現するために、電気的にビーム走査を行う方法においては、アンテナ素子を鉛直方向に複数並べて構成する必要がある。
また、複数のアンテナの受信信号の位相差を利用して、対象物の鉛直方向の仰俯角を検出するためには、必然的に鉛直方向にアンテナを並べる必要がある。例えば、全てのアンテナが、長方形の開口面の長手方向が鉛直方向に配置されている場合に、水平方向を測角するために水平方向に複数並べたアンテナを、開口面の長手方向に沿って鉛直方向に2列並べたときには、アンテナの位相中心の間隔が広くなりすぎて、位相差を用いて電波の到来方向を正しく検出できる角度範囲が狭くなるという問題点があった。
上記の理由により、従来のレーダ装置では、複数のアンテナの受信信号の位相差を利用して、対象物の水平方向と鉛直方向の両方の角度を検出することが困難であった。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、複数のアンテナを利用して、電気的にビーム走査を行う方法により、対象物の水平方向と鉛直方向の両方の角度を検出することができるレーダ装置を得ることを目的とする。
この発明は、高周波信号を出力する送信機と、前記高周波信号を前方の空間へ放射する第1及び第2の送信アンテナと、前記第1及び第2の送信アンテナを切り替えて前記送信機と順次接続する送信スイッチと、対象物に反射された高周波信号を受信するn(n>2)+m×V(V>2)(但しn=m×V)個の受信アンテナと、n+m×V個の受信アンテナによって受信された高周波信号をディジタル信号へそれぞれ変換する複数の受信機とを備えたレーダ装置であって、全てのアンテナは、水平面と直角となる平面である鉛直面に配置され、かつ長方形である開口面の長手方向が鉛直方向に配置され、n個の受信アンテナは、第1の素子間隔で水平方向に配置され、前記第1及び第2の送信アンテナは、前記n個の受信アンテナを挟むように、水平方向に配置され、m×V個の受信アンテナは、水平方向にm個、前記第1の素子間隔よりも長い第2の素子間隔で鉛直方向にV個、配置され、開口面の長手方向の長さ、及び、前記受信アンテナの中心間の距離は、前記第1及び第2の送信アンテナ及びn個の受信アンテナの開口面の長手方向の長さに比べて、約1/Vであり、かつ、前記第1又は第2の送信アンテナに隣接して又は所定の距離だけ離れて水平方向に配置され、前記第1及び第2の送信アンテナを切り替えて前記送信機と順次接続するよう前記送信スイッチを制御して、前記第1及び第2の送信アンテナから時分割に高周波信号を送信させ、前記n個の受信アンテナのうち、隣り合う受信アンテナによって受信された2つの高周波信号の位相差から水平方向の方位角を検出するとともに、前記m×V個の受信アンテナのうち、鉛直方向に隣り合う受信アンテナによって受信された2つの高周波信号の位相差から鉛直方向の仰俯角を検出する信号処理器をさらに備えたことを特徴とするレーダ装置にある。
本発明に係るレーダ装置によれば、水平方向を測角する受信アンテナとは別に、鉛直方向を測角する受信アンテナを備えたことにより、鉛直方向の有効な測定角度範囲を自由に設定できる。また、水平方向の測角を行う複数の受信アンテナの両端に2つの送信アンテナを設け、2つの送信アンテナから時分割に電波を送信し、それぞれの受信結果を用いてデジタルビームフォーミング(DBF)を実現することで、約2倍の等価開口が実現できるため角度分解能を向上することができる。
この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置のアンテナ配置を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の別のアンテナ配置を示す図である。 2つの受信アンテナの位相差から水平方向の方位角を求める方法の原理を説明する図である。 2つの送信アンテナから時分割に電波を送信して等価的に開口を大きくすることができる方法の原理を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置のさらに別のアンテナ配置を示す図である。 この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の構成を示す図である。
以下、本発明のレーダ装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。本発明のレーダ装置は、レーダの方式として、パルス方式、パルス圧縮方式(スペクトル拡散レーダ)、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式、2周波CW方式、多周波CW方式、FMICW(Frequency Modulated Interrupted Continuous Wave)方式など、様々な方式で適用可能である。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るレーダ装置について図1から図6までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示す図である。なお、以降では、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1において、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置は、デジタルビームフォーミング(DBF)等を用いて、前方の車両等の対象物の水平方向の方位角と鉛直方向の仰俯角を検出するとともに、対象物の速度を検出する信号処理器10と、ディジタル信号を高周波パルス信号へ変換する送信機20と、2つの送信アンテナを切り替える送信スイッチ30と、高周波パルス信号を前方の空間へ放射する2つの送信アンテナTx1、Tx2と、対象物に反射された高周波パルス信号を受信する4つの受信アンテナRx1、Rx2、Rx3、Rx4と、高周波パルス信号をディジタル信号へ変換する4つの受信機70(71、72、73、74)とが設けられている。
図2は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置のアンテナ配置を示す図である。
この図2は、水平面と直角となる平面である鉛直面(垂直面)に配置されたアンテナを示す。送信アンテナTx1、Tx2と、受信アンテナRx1、Rx2、Rx3、Rx4は、スロットアンテナや、ホーンアンテナから構成され、開口面が長方形である。全てのアンテナは、開口面の長手方向が鉛直方向に配置されている。
受信アンテナRx3、Rx4の開口面の長手方向の長さは、送信アンテナTx1、Tx2、受信アンテナRx1、Rx2の開口面の長手方向の長さに比べて、約1/2にすると、鉛直方向の長さを揃えることができ、装置全体を小型化でき、車両等に設置する場合に好都合であるが、両者の開口面の長手方向の長さの関係は任意である。
図2において、2つの受信アンテナRx1及びRx2は、素子間隔Lhで水平方向に配置されている。また、2つの送信アンテナTx1及びTx2は、2つの受信アンテナRx1及びRx2を挟むように、水平方向に配置されている。さらに、2つの受信アンテナRx3及びRx4は、素子間隔Lv(Lv>Lh)で鉛直方向に配置され、かつ、送信アンテナTx2に隣接して水平方向に配置されている。これらの全てのアンテナは、同一鉛直面に配置されている。なお、2つの受信アンテナRx3及びRx4は、車両等の前面の領域内で、送信アンテナTx2に所定の距離だけ離れて水平方向に配置してもよい。また、2つの受信アンテナRx3及びRx4は、車両等の前面の領域内で、送信アンテナTx2とは反対側の送信アンテナTx1に隣接して、又は所定の距離だけ離れて(図上、左側)水平方向に配置してもよい。さらに、2つの受信アンテナRx3及びRx4は、信号処理が増えるが、車両等の前面の領域内で、送信アンテナTx1又はTx2に隣接して、又は所定の距離だけ離れて鉛直方向の上方又は下方(図上、上側又は下側)や、斜め方向の上方又は下方(図上、左右斜め上側又は左右斜め下側)等の全ての方向に配置してもよい。以下で説明する他のアンテナ配置でも同様である。
なお、素子間隔Lhは、2つの受信アンテナRx1及びRx2の開口面の短手方向の中心間の距離であり、素子間隔Lvは、2つの受信アンテナRx3及びRx4の開口面の長手方向の中心間の距離である。
図3は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の別のアンテナ配置を示す図である。
この図3は、水平面と直角となる平面である鉛直面(垂直面)に配置されたアンテナを示す。送信アンテナTx1、Tx2と、受信アンテナRx1、Rx2、Rx3、Rx4、…は、スロットアンテナや、ホーンアンテナから構成され、開口面が長方形である。全てのアンテナは、開口面の長手方向が鉛直方向に配置されている。
図3において、図2と異なる点は、2つの送信アンテナTx1及びTx2の間に、水平方向の素子間隔Lhで、n(n>2)個の受信アンテナRxが水平方向に配置されていることである。同様に、鉛直方向の素子間隔Lvで、m×V(V>2)個の受信アンテナRxが水平方向及び鉛直方向に配置されていることである。なお、素子間隔Lhで配置された受信アンテナRxの数(n)と素子間隔Lvで配置された受信アンテナRxの数(m×V)は同数である。すなわち、n=m×Vである。また、受信アンテナRxの数と同数の受信機が必要であることは言うまでもない。
つぎに、この実施の形態1に係るレーダ装置の動作について図面を参照しながら説明する。
図4は、2つの受信アンテナの位相差から水平方向の方位角を求める方法の原理を説明する図である。
最初に、図4を用いて、2の受信アンテナの受信信号の位相差から方位角を求める方法の原理について説明する。水平方向に配置された2の受信アンテナについて説明するが、鉛直方向に配置された2つの受信アンテナについても同様である。
2つの受信アンテナRx1及びRx2の素子間隔がLhのアレーアンテナにおいて、左手系北基準で方位角θからの到来波s(t)が入射される場合を考える。
具体的には、アレーアンテナを搭載した車両等の進行方向に対して右側の方向θからの到来波s(t)が入射され、それぞれの受信アンテナRx1、Rx2に受信信号r(t)、r(t)が得られる場合を簡略化して考える。なお、この原理説明では、受信アンテナRx1及びRx2を単にアンテナと称する。また、受信アンテナRx1及びRx2の配列が、図2と比べて、左右が逆であるが、原理説明上は問題ない。
受信信号r(t)、r(t)は、到来波s(t)に対しそれぞれ0、φの位相をもってアンテナに入力されると仮定する。つまり、2つの受信信号r(t)、r(t)の位相差がφである。このとき、2つのアンテナに出力される受信信号r(t)、r(t)は、ノイズを無視して、次の式(1)となる。
Figure 0005610983
式(1)から受信信号r(t)とr(t)の関係を導出すると、次の式(2)となる。
Figure 0005610983
従って、2つの受信信号r(t)、r(t)の位相差φは、次の式(3)で求めることができる。
Figure 0005610983
また、図4から位相差φは、素子間隔Lhと次の式(4)の関係にある。なお、λは波長である。
Figure 0005610983
この式(4)をθについて解くと、次の式(5)となる。
Figure 0005610983
式(5)に式(3)を代入すると、到来角θが求められる。つまり、信号処理器10は、2つの受信信号r(t)とr(t)の位相差φから水平方向の方位角(到来角)θを検出することができる。同様に、信号処理器10は、2つの受信信号r(t)とr(t)の位相差φから鉛直方向の仰俯角θを検出することができる。
式(4)で、φは位相差であるので、−π〜+πの範囲で、あいまいさなく角度を求めることができる(有効な測定角度範囲)。
ここで、一例として、素子間隔Lh=0.6λ、位相差φ=±πを代入すると、有効な測定角度範囲θは、以下のようになる。
−56deg<θ<+56deg
別の例として、素子間隔Lh=4.2λ、位相差φ=±πを代入すると、有効な測定角度範囲θは、以下のようになる。
−7deg<θ<+7deg
つまり、素子間隔Lhを大きくすれば、有効な測定角度範囲が狭くなることがわかる。
この実施の形態1に係るレーダ装置においては、水平方向の方位角の測定角度範囲を広角範囲にする必要がある。上記の原理説明のように、水平方向の方位角の角度のあいまいさを無くすには、水平方向の方位角の測角を行う受信アンテナRx1及びRx2間を小さくする必要がある。
この実施の形態1に係るレーダ装置の信号処理器10は、水平方向の方位角の測角を行う方法として、位相を用いて対象物の方位角を計測する方式のデジタルビームフォーミング(DBF)等を用いる。このDBFとは、送信アンテナTxから送信され対象物で反射した電波を複数の受信アンテナRxで同時に受信し、その受信信号を用いて、様々なアンテナパターンをディジタル信号処理により形成するものである。
このDBFでは、形成したビームにより特定されるレーダ波の到来方向毎に、受信強度と位相が検出されることになるため、その位相を用いて角度を高精度に求めることが可能になる。DBFでは、機械走査式のように、アンテナを回動させる必要がないため、駆動機構が不要となり、装置の小型、軽量化が図れる。また、従来のフェーズドアレー方式のアンテナ装置に比べて、各アンテナに備えていたアナログ移相器、電力合成回路が不要となるため低価格化が図れる。
一方、鉛直方向の仰俯角の測定角度範囲は、水平方向の方位角の測定角度範囲ほど広角範囲である必要がない。そのため、この実施の形態1に係るレーダ装置は、水平方向の方位角の測角を行う受信アンテナRx1、Rx2とは別に、図2に示すように、鉛直方向の仰俯角の測角を行う受信アンテナRx3、Rx4を設けた。受信アンテナRx3及びRx4の鉛直方向の素子間隔Lvは、受信アンテナRx1及びRx2の水平方向の素子間隔Lhに比べて、十分に広く配置できる。
また、鉛直方向の仰俯角を検出する際には、図3に示すような、m×Vの2次元配列の受信アンテナRxにより水平方向のビーム幅を絞り、水平広角方向にある不要物からの反射波が受信されないようにしてもよい。すなわち、水平方向に走査する受信アンテナとは別に設けた、鉛直方向を測角する受信アンテナの水平方向の配列m個を増やすことで、水平方向のビームが絞れる。そのことで、鉛直方向の物体検出やレーダ装置の鉛直方向の軸調整をする際の、水平方向にある不要物体からの反射を低減することが可能となり、対象物の検出精度や軸調整時の調整精度が向上する。さらに、鉛直方向を測角する受信アンテナの鉛直方向の配列V個を増やすことで、鉛直方向の角度検出値が平均化されるため、上記同様、物体検出精度や軸調整精度が向上する。さらに、鉛直方向は対象物が限られているため、鉛直方向の測角方式としては、位相モノパルス方式等を用いてもよい。
DBFや位相モノパルス方式等の位相を用いた角度検出手法の場合、角度分解能はアンテナ開口面積が大きいほど、優れることが知られており、解像限界は基本的には波長/アンテナ開口面積で決まる。しかし、レーダ装置を配置するスペースが限られている。
そのため、本実施の形態1に係るレーダ装置においては、図2及び図3に示すように、水平方向の方位角の測角を行う複数の受信アンテナRx1、Rx2、…の両端に2つの送信アンテナTx1、Tx2を設け、2つの送信アンテナTx1、Tx2から時分割に電波を送信し、それぞれの受信結果を用いて、DBFを実現することで、水平方向のアンテナ開口に対して、約2倍の等価開口を実現し、水平方向の角度分解能の向上を図っている。
図5は、2つの送信アンテナから時分割に電波を送信して等価的に開口を大きくすることができる方法の原理を説明する図である。
次に、図5を用いて、2つの送信アンテナの各々から、所定時間毎に、例えば、パルス幅150nsecのパルスを1.7μsec毎に送信し、所定時間毎に、例えば、3.4μsec毎に2つの送信アンテナを切り替えて、時分割に電波(パルス)を送信して、等価的に開口を大きくすることができる方法の原理について説明する。
図5において、左側は送信アンテナTx2の送信時、右側は送信アンテナTx1の送信時の各受信アンテナRx1、Rx2に入射する電波の等位相面を破線で示している。ここでは、アンテナ装置を搭載した車両等の進行方向に対して右側の方向θから受信波が返ってくる場合を想定している。
送信アンテナTx2の送信時の送信アンテナTx2を基準とした、受信アンテナRx1、Rx2に入射される電波の送受の経路差は、図5(b)に示すように、以下のようになる。
Rx1:+2Δr
Rx2:+Δr
ここで、受信アンテナの素子間隔をLhとすると、
Δr=Lhsinθ
で表される。
一方、送信アンテナTx1の送信時の送信アンテナTx2を基準とした、受信アンテナRx1、Rx2に入射される電波の送受の経路差は、送信の経路差が+3Δrあるので、図5(b)に示すように、以下のようになる。
Rx1:+5Δr
Rx2:+4Δr
よって、送信アンテナTx2を基準とした送受の位相差は、図5(c)に示すように、以下のように表わすことができる。
送信アンテナTx2の送信時は、
Rx1:−2Δφ
Rx2:−Δφ
であり、
送信アンテナTx1の送信時は、
Rx1:−5Δφ
Rx2:−4Δφ
である。
ここで、送信アンテナTx1の位置を仮想的に送信アンテナTx2に合わせることを考えると、送信アンテナTx1の送信時の受信アンテナRx1、Rx2における送受の位相差について、6Δφを加算すればよい(位相補正)。
この時、送信アンテナTx1の送信時は、図5(d)(右側)に示すように、
Rx1:+Δφ
Rx2:+2Δφ
となり、図5(e)に示すように、送信アンテナTx1、Tx2を挟んで、計4つの受信アンテナRxが配置されていると仮想的に扱うことができる。
つまり、実際には、2つの受信アンテナRx1、Rx2だけにもかかわらず、ほぼ倍のアンテナ開口面積を仮想的に実現することができ、角度分解能を向上することができる。
信号処理器10は、2つの送信アンテナTx1、Tx2を切り替えて送信機20と順次接続するよう送信スイッチ30を制御して、2つの送信アンテナTx1、Tx2から時分割に電波を送信させ、受信アンテナRx1、Rx2によって受信された2つの受信信号の位相差から水平方向の方位角を検出するとともに、受信アンテナRx3、Rx4によって受信された2つの受信信号の位相差から鉛直方向の仰俯角を検出することができる。
また、図3のようなアンテナ配置の場合には、信号処理器10は、n個の受信アンテナのうち、隣り合う受信アンテナによって受信された2つの受信信号の位相差から水平方向の方位角を検出するとともに、m×V個の受信アンテナのうち、隣り合う受信アンテナによって受信された2つの受信信号の位相差から鉛直方向の仰俯角を検出する。なお、2つの送信アンテナTx1、Tx2を時分割に切り替えなくても、水平方向の方位角及び鉛直方向の仰俯角を検出することができる。すなわち、2つの送信アンテナTx1、Tx2のいずれかを使用し、残りの送信アンテナを使用しないことでも、水平方向の方位角及び鉛直方向の仰俯角を検出することができる。例えば、送信アンテナTx2を使用しない一例が、以下に説明する図6と同等である。
図6は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置のさらに別のアンテナ配置を示す図である。
この図6は、水平面と直角となる平面である鉛直面(垂直面)に配置されたアンテナを示す。1つの送信アンテナTx1と、受信アンテナRx1、Rx2、Rx3、Rx4、…は、スロットアンテナや、ホーンアンテナから構成され、開口面が長方形である。全てのアンテナは、開口面の長手方向が鉛直方向に配置されている。
図6において、1つの送信アンテナTx1は、受信アンテナRx1に隣接して配置されている。また、n個の受信アンテナRxは、送信アンテナTx1に隣接して配置され、かつ素子間隔Lhで水平方向に配置されている。さらに、m×V個の受信アンテナRxは、n個の受信アンテナRxに隣接して配置され、鉛直方向の素子間隔Lvで、水平方向及び鉛直方向に配置されている。これらの全てのアンテナは、同一鉛直面に配置されている。
送信スイッチ30は、不要となる。信号処理器10は、時分割に電波を送信する必要がなく、受信アンテナRx1、Rx2、…によって受信された受信信号の位相差から水平方向の方位角を検出するとともに、受信アンテナRx3、Rx4、…によって受信された受信信号の位相差から鉛直方向の仰俯角を検出することができる。
1つの送信アンテナTx1から電波を送信して、対象物からの反射波をn個の受信アンテナRxとm×V個の受信アンテナRxによって受信する。信号処理器10は、同一の受信チャンネルRx1、Rx2、Rx3、Rx4として、複数の受信アンテナRxで構成されたアンテナアレーの受信信号を合成して受信信号を求める。得られた受信信号から導出される受信チャンネルRx1とRx2、Rx3とRx4間の位相差を用いて、信号処理器10は、対象物の水平方向の方位角と鉛直方向の仰俯角を検出する。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るレーダ装置について図7を参照しながら説明する。図7は、この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の構成を示す図である。なお、この発明の実施の形態2に係るレーダ装置のアンテナ配置は、図2に示す実施の形態1と同じである。
図7において、この発明の実施の形態2に係るレーダ装置は、デジタルビームフォーミング(DBF)等を用いて、前方の車両等の対象物の水平方向の方位角と鉛直方向の仰俯角を検出するとともに、対象物の速度を検出する信号処理器10と、ディジタル信号を高周波パルス信号へ変換する送信機20と、2つの送信アンテナを切り替える送信スイッチ30と、高周波パルス信号を前方の空間へ放射する2つの送信アンテナTx1、Tx2と、対象物に反射された高周波パルス信号を受信する4つの受信アンテナRx1、Rx2、Rx3、Rx4と、2つの受信アンテナを切り替える2つの受信スイッチ60(61、62)と、高周波パルス信号をディジタル信号へ変換する2つの受信機70(71、72)とが設けられている。
信号処理器10は、2つの送信アンテナTx1、Tx2を切り替えて送信機20と順次接続するよう送信スイッチ30を制御して、2つの送信アンテナTx1、Tx2から時分割に電波を送信させ、2つの受信アンテナRx1、Rx3を切り替えて受信機71と順次接続するよう受信スイッチ61を制御するとともに、2つの受信アンテナRx2、Rx4を切り替えて受信機72と順次接続するよう受信スイッチ62を制御して、2つの受信アンテナRx1、Rx2によって受信された2つの受信信号の位相差から水平方向の方位角を検出するとともに、2つの受信アンテナRx3、Rx4によって受信された2つの受信信号の位相差から鉛直方向の仰俯角を検出することができる。
この発明の実施の形態2に係るレーダ装置においては、図7に示すように、水平方向に複数配列された受信アンテナRxと、鉛直方向に複数配列された受信アンテナRxの数を同数とし、水平方向、鉛直方向いずれか1つの受信アンテナRxと受信機71、72の接続を順次切り替える受信スイッチ61、62を備えたことで、受信機70が半減でき、レーダ装置の小型低価格化が図れる。
10 信号処理器、20 送信機、30 送信スイッチ、60、61、62 受信スイッチ、70、71、72、73、74 受信機、Rx、Rx1、Rx2、Rx3、Rx4 受信アンテナ、Tx、Tx1、Tx2 送信アンテナ。

Claims (1)

  1. 高周波信号を出力する送信機と、
    前記高周波信号を前方の空間へ放射する第1及び第2の送信アンテナと、
    前記第1及び第2の送信アンテナを切り替えて前記送信機と順次接続する送信スイッチと、
    対象物に反射された高周波信号を受信するn(n>2)+m×V(V>2)(但しn=m×V)個の受信アンテナと、
    n+m×V個の受信アンテナによって受信された高周波信号をディジタル信号へそれぞれ変換する複数の受信機とを備えたレーダ装置であって、
    全てのアンテナは、水平面と直角となる平面である鉛直面に配置され、かつ長方形である開口面の長手方向が鉛直方向に配置され、
    n個の受信アンテナは、第1の素子間隔で水平方向に配置され、
    前記第1及び第2の送信アンテナは、前記n個の受信アンテナを挟むように、水平方向に配置され、
    m×V個の受信アンテナは、水平方向にm個、前記第1の素子間隔よりも長い第2の素子間隔で鉛直方向にV個、配置され、開口面の長手方向の長さ、及び、前記受信アンテナの中心間の距離は、前記第1及び第2の送信アンテナ及びn個の受信アンテナの開口面の長手方向の長さに比べて、約1/Vであり、かつ、前記第1又は第2の送信アンテナに隣接して又は所定の距離だけ離れて水平方向に配置され、
    前記第1及び第2の送信アンテナを切り替えて前記送信機と順次接続するよう前記送信スイッチを制御して、前記第1及び第2の送信アンテナから時分割に高周波信号を送信させ、
    前記n個の受信アンテナのうち、隣り合う受信アンテナによって受信された2つの高周波信号の位相差から水平方向の方位角を検出するとともに、前記m×V個の受信アンテナのうち、鉛直方向に隣り合う受信アンテナによって受信された2つの高周波信号の位相差から鉛直方向の仰俯角を検出する信号処理器をさらに備えた
    ことを特徴とするレーダ装置。
JP2010244937A 2010-11-01 2010-11-01 レーダ装置 Active JP5610983B2 (ja)

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