JP6860777B2 - 無線通信装置、及び位相調整方法 - Google Patents

無線通信装置、及び位相調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、無線通信装置、及び位相調整方法に関する。
近年、ミリ波など、高周波数(数GHzから数百GHz)の電磁波を利用する無線通信技術が注目されている。高周波数の電磁波は、特定の方向にある障害物や接近車両などを検知する車載用のレーダ装置などで利用されている。ミリ波は、狭い範囲をカバーする基地局から個々のユーザ端末にビームを向けて無線通信する無線通信システムなどでの利用が検討されている。こうした装置やシステムでは、ビームの指向性を精度良く制御することが、検知精度や通信品質の向上に寄与する。
レーダ装置や基地局でビームを送受信する無線通信装置は、電磁波を出力するアンテナ部と、アンテナ部による出力を制御する制御回路とを有する。また、ビームの指向性を切り替え可能にするため、アンテナ部には、複数のアンテナを有するアンテナアレイが用いられる。ビームの指向性は、各アンテナに供給される信号の振幅及び位相を制御することで切り替えることができる。
アンテナアレイの各アンテナと制御回路とはフィードライン(例えば、金属ワイヤなどの配線)で接続される。フィードラインの長さは、そのフィードラインに接続されたアンテナから送信される信号の位相に影響する。制御回路は、各アンテナに接続されるフィードラインの長さを考慮して、ビームが特定の方向を向くように信号の位相を調整する。
位相の調整量は、例えば、外部アンテナを利用してアンテナアレイから送信される信号を受信し、受信した信号の電力分布などから計算することができる。フィードラインの長さが同じ場合に外部アンテナの位置で逆位相になる信号を2つのアンテナから送信すれば、外部アンテナで受信される信号が打ち消しあうと予想される。但し、フィードラインの長さに違いがあれば信号間に位相ズレが生じるため、外部アンテナで受信される信号の電力は予想値より大きくなる。
上記のように、外部アンテナを利用すればフィードラインの長さに起因する位相ズレを検出でき、その位相ズレを制御回路に調整させることができる。但し、外部アンテナを利用する位相ズレの調整は、無線通信装置の出荷前に行う通信試験の際など、実施できる機会が限られている。そのため、フィードラインの経年変化により更なる位相ズレが生じると、指向性の制御に誤差が生じて上記の検知精度や通信品質が劣化するリスクがある。
位相ズレの調整に関し、例えば、2つのフィードラインを流れる信号間の位相差などを検知するブランチ間誤差検出部をフィードライン間に設置し、その位相差などに基づいて位相ズレを調整する方法が提案されている。また、2つのアンテナから送信される信号の合成信号を受信する合成信号検知線路をアンテナ間に設置し、その合成信号の電力に基づいて位相ズレを調整する方法が提案されている。
特開2004-343468号公報 特開2014-179785号公報
上記のブランチ間誤差検出部を利用する方法では、ブランチ間誤差検出部から先のアンテナ部を含む線路における位相ズレが調整されない。また、上記の合成信号検知線路を利用する方法では、複数のアンテナの近傍にそれぞれ導電体を配置することになるため、導電体によりアンテナ特性が変化し、アンテナ部を含む線路における位相ズレが正しく検知されないリスクがある。
1つの側面によれば、本開示の目的は、アンテナ部を含む線路の経年変化による位相ズレを調整できる無線通信装置、及び位相調整方法を提供することにある。
一態様によれば、それぞれ同一基板上に隣接して設けられ、送信アンテナ及び受信アンテナにそれぞれ設定変更可能な複数のアンテナと、複数のアンテナ間の距離を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された距離に基づいて、複数のアンテナのうち、第1のアンテナ及び第2のアンテナを送信アンテナに設定し、第1のアンテナ及び第2のアンテナの少なくとも一方に近い第3のアンテナを受信アンテナに設定し、第1のアンテナから送信される第1の信号と、第2のアンテナから送信される第2の信号との間の位相差を変化させ、第1の信号と第2の信号との合成信号を第3のアンテナで受信した場合の受信電力パターンを測定し、測定した受信電力パターンと、計算で得られる受信電力パターンとの差に基づいて、第1のアンテナ又は第2のアンテナから送信される信号の位相ズレを調整する演算部とを有する、無線通信装置が提供される。
アンテナ部を含む線路の経年変化による位相ズレを調整できる。
第1実施形態に係る無線通信装置の一例を示した図である。 第2実施形態に係る無線通信システムの一例を示した図である。 第2実施形態に係る無線通信装置の一例を示した図である。 第2実施形態に係るアンテナ部の一例(平面アンテナ)を示した図である。 第2実施形態に係る位相調整に用いるアンテナの配置及び合成信号の一例(1つの送信アンテナが受信アンテナに隣接する場合の例)を示した図である。 合成信号の受信電力と位相差との関係を示した図である。 第2実施形態に係る位相調整に用いるアンテナの配置及び合成信号の一例(2つの送信アンテナが受信アンテナに隣接する場合の例)を示した図である。 第2実施形態に係る無線通信装置の機能の一例を示した図である。 第2実施形態に係る変換情報の一例を示した図である。 第2実施形態に係る位相情報の一例を示した図である。 特定の条件(条件#1)におけるシミュレーションの結果を示した図である。 特定の条件(条件#2)におけるシミュレーションの結果を示した図である。 特定の条件(条件#3)におけるシミュレーションの結果を示した図である。 位相差πにおける平面アンテナ上の電磁界強度分布を示した図である。 位相差π/2における平面アンテナ上の電磁界強度分布を示した図である。 第2実施形態に係る位相ズレ計算の流れを示したフロー図である。 第2実施形態に係る位相ズレ計算のうち、送信アンテナの組及び受信アンテナを決定する処理の流れを示したフロー図である。 第2実施形態の一変形例(変形例#1)に係る位相ズレの検出方法を示した図である。 第2実施形態の一変形例(変形例#2)に係る位相ズレの検出方法を示した図である。 第2実施形態の一変形例(変形例#3)に係るアンテナの配置及び位相ズレの調整方法を示した図である。 第2実施形態の一変形例(変形例#4)に係る無線通信装置の一例を示した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書及び図面において実質的に同一の機能を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
<1.第1実施形態>
図1を参照しながら、第1実施形態について説明する。第1実施形態は、複数のアンテナを利用して信号を送信する無線通信装置において、アンテナを含む線路で位相調整後の信号に生じる位相ズレを測定し、その位相ズレを抑制するように信号の位相を調整する方法に関する。図1は、第1実施形態に係る無線通信装置の一例を示した図である。
図1に示すように、無線通信装置10は、記憶部11、演算部12、第1のアンテナ13、第2のアンテナ14、及び第3のアンテナ15を有する。
記憶部11は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置、或いは、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。演算部12は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのプロセッサである。
記憶部11は、第1のアンテナ13から送信される第1の信号21及び第2のアンテナ14から送信される第2の信号22の波長λ(波数K=2π/λ)に関する情報を記憶する。また、記憶部11は、第1のアンテナ13と第3のアンテナ15との間の距離D13、及び第2のアンテナ14と第3のアンテナ15との間の距離D23を記憶する。また、記憶部11は、第1の信号21の振幅A1、及び第2の信号22の振幅A2を記憶する。
なお、波長λ、距離D13、D23、振幅A1、A2は予め設定されている。図1の例では、距離D13、D23がいずれも半波長(λ/2)に設定されている。また、振幅A1、A2は同じ値Aに設定されている。
演算部12は、記憶部11の情報に基づいて第1の信号21及び第2の信号22を生成し、第1の信号21を第1のアンテナ13から送信させ、第2の信号22を第2のアンテナ14から送信させる。例えば、演算部12は、波長λ、振幅Aを有する搬送波の位相をQ1だけシフトさせて第1の信号21を生成する。また、演算部12は、その搬送波の位相をQ2だけシフトさせて第2の信号22を生成する。
なお、シフトさせる位相の大きさQ1、Q2に関する情報は、記憶部11に予め格納されていてもよい。例えば、記憶部11は、予め設定されたQ1の値(0など)と、Q1とQ2との差である位相差dQ(dQ=Q2−Q1;0<dQ<2π)の値とを記憶する。
演算部12は、記憶部11の情報に基づいて、第1の信号21と第2の信号22との間の位相差dQを変化させる。第1のアンテナ13から送信された第1の信号21と、第2のアンテナ14から送信された第2の信号22は第3のアンテナ15で受信される。
例えば、第1の信号21がS1(下記の式(1)参照)、第2の信号22がS2(下記の式(2)参照)である場合、第3のアンテナ15におけるS1、S2の合成信号S3は、下記の式(3)で与えられる。
S1(X)=A1・sin(K・X−Q1)
…(1)
S2(X)=A2・sin(K・X−Q2)
…(2)
S3=S1(D13)+S2(23)
…(3)
ここで、A1=A2=A、D13=D23=λ/2、Q1=Qとすると、合成信号S3は、下記の式(4)のようになる。但し、Rは減衰係数である。この場合、dQが0のときS3が最大になる。言い換えると、dQが0のとき、第1の信号21と第2の信号22とは第3のアンテナ15において同位相になり、強め合う。また、dQがπのときS3が最小になる。つまり、dQがπのとき、第1の信号21と第2の信号22とは第3のアンテナ15において逆位相になり、打ち消し合う。
S3=R・A・{sin(K・λ/2−Q)+sin(K・λ/2−(dQ+Q))}
=R・A・{sin(π−Q)+sin(π−Q−dQ)}
…(4)
演算部12は、第1の信号21と第2の信号22との合成信号を第3のアンテナ15で受信した場合の受信電力パターンを測定する。そして、演算部12は、測定した受信電力パターン(dQ−受信電力グラフの破線)と、計算で得られる受信電力パターン(dQ−受信電力グラフの実線)との差に基づいて位相ズレの量を計算する。
上記のように、第1の信号21及び第2の信号22の位相は演算部12により調整されている。しかし、第1の信号21が第1のアンテナ13を介して出力されるまでの経路に経年変化が生じている場合、出力される第1の信号21の位相にズレ(位相ズレ)が生じうる。第2の信号22においても同様の位相ズレが生じうる。
第1の信号21、第2の信号22の少なくとも一方に上記の位相ズレが生じている場合、第1の信号21と第2の信号22とが干渉して得られる合成信号S3は、位相ズレがない場合とは異なる波形となる。そのため、合成信号S3の実測値と計算値とを比較し、その差を分析することによって位相ズレの量を計算することができる。受信電力パターンの比較は、位相ズレの量を計算する方法の一つである。
上記の例では、上記の式(4)から、計算上、dQがπのときにS3が最小になる。一方、第1の信号21、第2の信号22の少なくとも一方に位相ズレが生じていると、S3の実測値から得られる受信電力のパターンは、S3が最小になる位相差dQがπからずれたものとなる。この位相差dQの差分が、第1のアンテナ13から送信される信号と、第2のアンテナ14から送信される信号との間で本来予定されている位相差と、実際に生じている位相差との間の差となる。
演算部12は、上記位相差dQの差分を相殺するように、第1のアンテナ13から送信される信号又は第2のアンテナ14から送信される信号の位相を調整する。この調整により、上述した経路の経年変化に起因して生じる位相ズレを抑制することが可能になる。
上記のように、合成信号の受信電力パターンについて計算値と実測値とを比較することで、位相ズレの量を計算することができる。上記の例ではS3が最小になる点でdQを比較する方法を示したが、S3が最大になる点でdQを比較してもよい。
また、上記の例では、第1のアンテナ13及び第2のアンテナ14を送信アンテナとし、これら2つの送信アンテナに隣接する第3のアンテナ15を受信アンテナとしているため、このアンテナ設定では隣り合うアンテナ間の位相調整ができない。そこで、送信アンテナ及び受信アンテナの設定を変更してもよい。例えば、第1のアンテナ13及び第3のアンテナ15を送信アンテナとし、第2のアンテナ14を受信アンテナとしてもよい。この場合も上記と同様に位相ズレの量を計算することができる。
また、第1実施形態に係る技術は、パッチアンテナなどの平面アンテナを有する無線通信装置の他、ポールアンテナのアンテナアレイを有する無線通信装置にも適用可能である。さらに、上記の例では、説明の都合上、3本のアンテナを有する無線通信装置について説明したが、アンテナアレイに含まれるアンテナの本数は4以上であってもよい。
以上、第1実施形態について説明した。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、複数のアンテナを利用して信号を送信する無線通信装置において、アンテナを含む線路で位相調整後の信号に生じる位相ズレを測定し、その位相ズレを抑制するように信号の位相を調整する方法に関する。
[2−1.位相ズレ]
以下、図2に示すような複数のアンテナ(ANT)を有する無線通信装置100を例に説明を進める。図2は、第2実施形態に係る無線通信システムの一例を示した図である。
複数のアンテナを利用する無線技術としては、例えば、MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)やBF(Beam-Forming)などがある。いずれの技術も各アンテナから送信される信号の振幅及び位相を制御する精度が通信性能に大きく影響する。
例えば、BFの場合、図2に示すように、無線通信装置100は、各アンテナから送信される信号の振幅及び位相を制御してビームの方向を切替える。図2の例では、θ1の方向に端末#1が存在し、θ2の方向に端末#2が存在する。
端末#1に信号を送信する場合、無線通信装置100は、θ1の方向にビーム(ビーム#1)を向け、θ2の方向にNULL(複数のアンテナから送信される信号が打ち消し合う部分)を向ける。一方、端末#2に信号を送信する場合、無線通信装置100は、θ2の方向にビーム(ビーム#2)を向け、θ1の方向にNULLを向ける。
このように、BFを実施することで空間多重度を向上でき、結果として周波数利用効率の向上などの効果も期待できる。但し、各アンテナから送信される信号の位相が意図した位相の値からずれると、ビームの方向及びNULLの方向がいずれも意図した方向からずれる。その結果、受信エラーの発生や干渉の増大などが生じうる。
各アンテナから送信される信号の位相が意図した位相の値からずれる原因としては、例えば、移相器からアンテナに至るフィードライン及びアンテナを含む信号線路の経年変化がある。通常、無線通信装置100の出荷時に行われる検査工程などにおいて各移相器は適切に調整される。しかし、信号線路は時間経過に伴って長さが変化するため、その変化分だけ位相ズレが生じ、ビームの方向が意図した方向からずれる原因となる。
以下では、上記のような位相ズレを検出し、各アンテナから送信される信号の位相を調整して、検出した位相ズレが抑制されるようにする仕組みについて説明する。なお、説明の都合上、以下ではBFを行う無線通信システムを例に説明を進める。
[2−2.無線通信装置]
まず、図3を参照しながら、無線通信装置100について、さらに説明する。図3は、第2実施形態に係る無線通信装置の一例を示した図である。
(主な要素)
図3に示すように、無線通信装置100は、DSP101と、無線部102と、アンテナ(ANT)103a、103b、103cを有する。なお、ここでは説明の都合上、アンテナの本数を3としているが、4以上のアンテナを有していてもよい。
DSP101は、デジタル領域でベースバンド信号の処理を実行するプロセッサである。無線部102は、DSP101から出力されるデジタルのベースバンド信号をアナログのベースバンド信号に変換し、そのベースバンド信号を無線帯域のRF信号に帯域変換する。また、無線部102は、形成するビームの向きに応じてRF信号の振幅及び位相を調整し、アンテナ103a、103b、103cからRF信号を送信する。なお、受信時は逆の動作となる。また、無線部102は、上述した位相ズレを検出する機能を有する。
無線部102は、RF処理部120、移相器121、122、123、増幅器124、125、126、及び検出器127、128、129を有する。
RF処理部120は、アナログのベースバンド信号とデジタルのベースバンド信号との間のAD/DA(Analog to Digital / Digital to Analog)変換処理、及びアナログのベースバンド信号をRF信号に周波数変換する処理を実行する。また、RF処理部120は、移相器121、122、123に接続されている。
移相器121及び増幅器124は、RF処理部120とアンテナ103aとを結ぶ信号線路上にある。なお、以下では、増幅器124からアンテナ103aに至る信号線路をフィードラインFL#aと呼ぶ場合がある。フィードラインFL#aには、検出器127が接続されている。移相器121は、RF信号の位相を調整する。増幅器124は、RF信号の振幅を調整する。なお、振幅及び位相の調整値は、DSP101により制御される。
検出器127は、アンテナ103aを介して受信される信号の電圧(検出電圧)を検出する。例えば、検出電圧は、検出器127からDSP101に通知される。DSP101は、検出器127から通知される検出電圧に基づいて位相ズレを検出する。また、DSP101は、検出した位相ズレを抑制するように位相を調整する。なお、検出電圧は、信号の受信電力に変換できる(つまり、検出電圧は、信号の受信電力に対応する)。
移相器122及び増幅器125は、RF処理部120とアンテナ103bとを結ぶ信号線路上にある。移相器123及び増幅器126は、RF処理部120とアンテナ103cとを結ぶ信号線路上にある。以下、増幅器125からアンテナ103bに至る信号線路をフィードラインFL#b、増幅器126からアンテナ103cに至る信号線路をフィードラインFL#cと呼ぶ場合がある。
フィードラインFL#bには、検出器128が接続されている。フィードラインFL#cには、検出器129が接続されている。移相器121と同様、移相器122、123は、RF信号の位相を調整する。増幅器124と同様、増幅器125、126は、RF信号の振幅を調整する。検出器128は、アンテナ103bを介して受信される信号の電圧(検出電圧)を検出する。検出器129は、アンテナ103cを介して受信される信号の電圧(検出電圧)を検出する。
検出器127と同様、検出器128、129は、検出電圧をDSP101に通知する。DSP101は、検出器128、129から通知される検出電圧に基づいて位相ズレを検出する。また、DSP101は、検出した位相ズレを抑制するように位相を調整する(位相調整)。なお、位相調整の方法については後述する。
(アンテナの例)
ここで、図4を参照しながら、アンテナ103a、103b、103cに平面アンテナ(パッチアンテナ)を用いる例について説明する。なお、アンテナ103a、103b、103cの機能を実現する要素をアンテナ部と呼ぶ場合がある。
図4は、第2実施形態に係るアンテナ部の一例(平面アンテナ)を示した図である。図4の(A)はアンテナ部の上面図であり、(B)はアンテナ部のI−I断面図である。
図4(A)でハッチングを施した部分は導電体(金属材料など)である。この導電体は、図4(B)に示すように、誘電体基板104の上面に設置される。誘電体基板104の底面には、グランド(GND)として機能する導電体板が設置される。
誘電体基板104の上面に設置された導電体のうち、X方向の幅がLX、Y方向の幅がLYの矩形部分がアンテナ(アンテナ103a、103b、103c)として機能する。アンテナ103a、103bの間隔はDabに設定されている。アンテナ103b、103cの間隔はDbcに設定されている。
また、誘電体基板104の上面に設置された導電体のうち、上記の矩形部分からポート(Port#a、Port#b、Port#c)に伸びた部分は、フィードラインFL#a、FL#b、FL#cの少なくとも一部となる。例えば、Port#aには、増幅器124に繋がる信号線路が接続され、その信号線路に検出器127が接続される。Port#b、Port#cについても同様である。
以下、図4のアンテナ部を例に説明を進める。
(位相調整の方法)
ここで、図5を参照しながら、第2実施形態に係る位相調整の方法について説明する。図5は、第2実施形態に係る位相調整に用いるアンテナの配置及び合成信号の一例(1つの送信アンテナが受信アンテナに隣接する場合の例)を示した図である。
第2実施形態に係る位相調整では、アンテナ103a、103b、103cのうち、2つのアンテナが送信アンテナとして利用され、1つのアンテナが受信アンテナとして利用される。図5の例では、アンテナ103a、103bが送信アンテナ、アンテナ103cが受信アンテナに設定されている。
アンテナ103a、103b間の距離Dab、及びアンテナ103b、103c間の距離Dbcは既知である。アンテナ103a、103bから送信される信号(Siga、Sigb)の振幅Aは増幅器124125で制御できる。アンテナ103a、103bから送信される信号(Siga、Sigb)の位相φa、φbは移相器121122で制御できる。なお、説明の都合上、信号Siga、Sigbの振幅は同じ値Aとする。
RF処理部120から出力されるRF信号の波数をk(k=2π/λ;λは波長)とすると、アンテナ103aから送信される信号Sigaは、下記の式(5)のように表現できる。また、アンテナ103bから送信される信号Sigbは、下記の式(6)のように表現できる。但し、Xはアンテナからの距離を表す。
Siga(X)=A・sin[k・X+φa
…(5)
Sigb(X)=A・sin[k・X+φb
…(6)
アンテナ103cで受信される信号Sigcは、アンテナ103cにおける信号Siga、Sigbの合成信号である。そのため、距離Dに依存する減衰係数R[D]を用いて、信号Sigcは、下記の式(7)のように表現できる。
Sigc=Siga(Dab+Dbc)+Sigb(Dbc
=Aa・sin[k・(Dab+Dbc)+φa
+Ab・sin[k・Dbc+φb
(但し、Aa=R[Dab+Dbc]・A、Ab=R[Dbc]・A)
…(7)
ab=Dbc=D、 a R[2D]・A0.5、A b R[D]・A=1.0、dφ=φb−φaとし、D=0.5λ、0.75λ、1.0λの3条件で位相差dφの変化に応じたSigc(受信電力)の変化を計算すると、図6のようなグラフが得られる。図6は、合成信号の受信電力と位相差との関係を示した図である。なお、縦軸の単位は任意単位(a.u.)であり、横軸の単位はラジアン(rad.)である。
実線は、D=1.0λの条件に対応する。この条件では、位相差dφが0のとき、受信電力が最大になる。つまり、位相差dφが0のときに、アンテナ103cの位置で信号Siga、Sigbが同位相になり、両者が強め合うことを示している。
一点鎖線は、D=0.5λの条件に対応する。この条件では、位相差dφが0のとき、受信電力が最小になる。つまり、位相差dφが0のときに、アンテナ103cの位置で信号Siga、Sigbが逆位相になり、両者が打ち消し合うことを示している。D=0.75λの条件では鎖線のようなグラフとなる。
上記のように、既知の情報(アンテナ間隔Dや波長λ)に基づいて、受信電力が最大又は最小になる位相差dφを計算することができる。上述した位相ズレがなければ、受信電力が最大又は最小になる位相差dφの測定値は、上記の式(7)に基づいて計算される計算値と一致する。しかし、上述した位相ズレがある場合、測定値と計算値との間に差が生じる。この差が位相ズレの大きさである。
なお、アンテナ103a、103cを送信アンテナとして利用し、アンテナ103bを受信アンテナとして利用する場合(図7を参照)、アンテナ103bで受信される信号Sigbは、下記の式(8)のように表現できる。図7は、第2実施形態に係る位相調整に用いるアンテナの配置及び合成信号の一例(2つの送信アンテナが受信アンテナに隣接する場合の例)を示した図である。但し、φcは、移相器123により制御される信号Sigcの位相である。また、信号Siga、Sigcの振幅は同じ値Aとする。
Sigb=Siga(Dab)+Sigb(Dbc
=Aa・sin[k・Dab+φa
+Ac・sin[k・Dbc+φc
(但し、Aa=R[Dab]・A、Ac=R[Dbc]・A)
…(8)
図5の例ではSigcを検出器129が検出する。図7の例ではSigbを検出器128が検出する。Sigcの検出結果から特定される位相ズレは、2つのフィードラインFL#a、FL#bの少なくとも一方で生じたものである。そして、特定された位相ズレの分だけ移相器121122が制御する位相を調整(シフト)すれば、位相ズレを抑制することができる。ここではアンテナ103aから送信される信号の位相を基準とする。この場合、移相器122の位相が調整される。
同様に、Sigbの検出結果から特定される位相ズレは、2つのフィードラインFL#a、FL#cの少なくとも一方で生じたものである。そして、特定された位相ズレの分だけ移相器121123のいずれかが制御する位相を調整(シフト)すれば、位相ズレを抑制することができる。アンテナ103aから送信される信号の位相を基準とする場合、移相器123の位相が調整される。
上記のような方法で、移相器122123の位相を調整することで、フィードラインFL#a、FL#b、FL#cの経年変化に起因する位相ズレを抑制することができる。
(位相調整の機能)
ここで、図8を参照しながら、無線通信装置100が有する機能について、さらに説明する。図8は、第2実施形態に係る無線通信装置の機能の一例を示した図である。
既に述べたように、無線通信装置100は、アンテナ103a、103b、103cを利用して位相ズレを検出し、信号の位相を調整して位相ズレを抑制する。このような位相調整の機能は、主にDSP101の制御に基づいて実現される。無線通信装置100は、図8に示すように、RAM、ROM、フラッシュメモリなどのメモリ105をさらに有する。DSP101は、メモリ105の内容を参照することができる。
メモリ105には、変換情報105a及び位相情報105bが格納される。
変換情報105aは、図9に示すように、合成信号の受信時に検出器127、128、129で検出される電圧(検出電圧)を受信電力に変換する情報である。図9は、第2実施形態に係る変換情報の一例を示した図である。説明の都合上、図9には、受信電力Sigと検出電圧Vとの関係を示すグラフをそのまま記載しているが、変換情報105aは、例えば、図9のグラフを表現した式V[Sig]や、検出電圧と受信電力との対応関係を示す変換テーブルで表現されうる。
位相情報105bは、図10に示すように、位相ズレの検出結果に基づいて調整される位相の調整値(シフト量)を示す情報である。図10は、第2実施形態に係る位相情報の一例を示した図である。図10の例では、移相器(PS)122における位相の調整値がdφb、移相器123における位相の調整値がdφcに設定されている。位相情報105bの内容は、位相ズレが計算された際に更新される。
DSP101は、位相制御部101a、及び位相ズレ計算部101bを有する。位相制御部101aは、移相器121122123を制御してアンテナ103a、103b、103cから送信される信号の位相を制御する。
位相ズレ計算部101bは、上述した位相調整を実施する際に、2つの送信アンテナ、及び受信アンテナを決定する。また、位相ズレ計算部101bは、2つの送信アンテナから送信される信号の位相差dφを制御する。また、位相ズレ計算部101bは、受信アンテナで受信される合成信号の受信電力から位相ズレの量(位相ズレ量)を計算し、計算した結果に基づいて位相情報105bを更新する。
図5の例(アンテナ103aから送信される信号の位相を基準としてアンテナ103bに対応する移相器122の位相を調整する例)において、位相ズレ計算部101bは、アンテナ103a、103bを送信アンテナに決定する。また、位相ズレ計算部101bは、アンテナ103cを受信アンテナに決定する。そして、位相ズレ計算部101bは、信号Siga、Sigbの位相差dφ(dφ=φb−φa)を変化させながら、検出器129から通知される検出電圧の変化を監視する。
位相差dφが0のときにアンテナ103cの位置でSiga、Sigbが逆位相になる条件(条件#1)では、位相差dφの変化に伴って検出電圧(検出器129で検出される受信電力)が図11のように変化する。図11は、特定の条件(条件#1)におけるシミュレーションの結果を示した図である。なお、実線は検出電圧のグラフであり、一点鎖線は変換情報105a(図9参照)を利用して検出電圧のグラフを受信電圧のグラフに変換したものである。
この場合、位相ズレ計算部101bは、グラフから検出電圧(又は受信電力)が最小となる位相差dφの値を特定する。また、位相ズレ計算部101bは、特定した値(実測値)と、計算上グラフが最小になる位相差dφの値(計算値;この例では0)との差dφb(位相ズレ量)を計算する。そして、位相ズレ計算部101bは、計算したdφbを移相器122の情報に対応付けて位相情報105bに記載する。
他の例として、位相差dφが0のときにアンテナ103cの位置でSiga、Sigbが同位相になる条件(条件#2)では、位相差dφの変化に伴って検出電圧(検出器129で検出される受信電力)が図12のように変化する。図12は、特定の条件(条件#2)におけるシミュレーションの結果を示した図である。
さらに他の例として、図7の例(アンテナ103aから送信される信号の位相を基準としてアンテナ103cに対応する移相器123の位相を調整する例)では、位相ズレ計算部101bにより、アンテナ103a、103cが送信アンテナに決定される。また、位相ズレ計算部101bは、アンテナ103bを受信アンテナに決定する。そして、位相ズレ計算部101bは、信号Siga、Sigcの位相差dφ(dφ=φc−φa)を変化させながら、検出器128から通知される検出電圧の変化を監視する。
位相差dφが0のときにアンテナ103cの位置でSiga、Sigcが逆位相になる条件(条件#3)では、位相差dφの変化に伴って検出電圧(検出器128で検出される受信電力)が図13のように変化する。図13は、特定の条件(条件#3)におけるシミュレーションの結果を示した図である。この場合、位相ズレ計算部101bは、グラフから検出電圧(又は受信電力)が最小となる位相差dφの値を特定する。
また、位相ズレ計算部101bは、特定した値(実測値)と、計算上グラフが最小になる位相差dφの値(計算値;この例では0)との差dφc(位相ズレ量)を計算する。そして、位相ズレ計算部101bは、計算したdφcを移相器122の情報に対応付けて位相情報105bに記載する。
上記のようにして得られた位相情報105bは、位相制御部101aにより利用される。例えば、アンテナ103a、103b、103cを利用してBFを実施する際、位相制御部101aは、位相情報105bを参照し、位相ズレ計算部101bにより計算された位相の調整量dφb、dφcを用いて移相器122123の位相を調整する。
なお、図11のシミュレーションは、誘電体基板104の比誘電率ε=4.0及び厚さt=0.2mm、LY=0.9mm、LX=0.6mm、λ/2=0.97mm、D=2.0mm、φa=0、A=10mWの条件を設定して実施した。図12のシミュレーションは、DをD=2.7mmに変更して実施した。図13のシミュレーションは、D=2.0、A=1mWの条件に変更して実施した。
(電磁界強度の分布)
図11及び図13のシミュレーションのように、アンテナ103bの位置で逆位相となる2つの信号をそれぞれアンテナ103a、103cから送信し、アンテナ103bで受信する場合、アンテナ部に形成される電磁界の強度は、図14のような分布となる。図14は、位相差πにおける平面アンテナ上の電磁界強度分布を示した図である。受信アンテナ103b直下の電界は非常に弱く、検出電圧又は受信電力が最小となる試算結果に対応している。
一方、図12のシミュレーションのように、アンテナ103bの位置で同位相となる2つの信号をそれぞれアンテナ103a、103cから送信し、アンテナ103bで受信する場合、アンテナ部に形成される電磁界の強度は図15のような分布となる。図15は、位相差π/2における平面アンテナ上の電磁界強度分布を示した図である。受信アンテナ103b直下には、検出電圧又は受信電力に対応する電界が確認される。
平面アンテナの場合、アンテナ面に垂直な方向(Z方向)へ強く電波を放出するアンテナ特性のため、XY面に平行な方向へ伝搬する電波の成分は比較的強度が弱い。また、XY面に平行な方向へ伝搬する電波は、誘電体基板104や隣接アンテナなどの影響を受けて減衰しやすい傾向にある。
そのため、4本以上のアンテナを有するアンテナアレイに対して上記の位相調整を実施する場合には、受信アンテナの近くにあるアンテナを送信アンテナとして利用するのが好ましい。図7の例のように、受信アンテナの両隣にある2つのアンテナを送信アンテナに利用するのが好ましい。但し、この場合には、隣り合うアンテナ間の位相調整をうまく行うことができない。図5の例のように、少なくとも1つの送信アンテナは受信アンテナに隣接する方法による位相調整を併用することが好ましい。このように、平面アンテナを採用する場合には、受信アンテナに近い順に送信アンテナを選択することで、減衰の影響を低減でき、より精度良く位相ズレを検出することができる。
[2−3.処理フロー:位相ズレ計算]
次に、図16を参照しながら、位相ズレ計算の流れについて説明する。図16は、第2実施形態に係る位相ズレ計算の流れを示したフロー図である。なお、ここではアンテナの本数をN、m番目(m=1,…,N)のアンテナをANT#mと表記する。また、ANT#mで送信される信号の位相をφmと表記し、ANT#mの位相φmと呼ぶ場合がある。
(S101、S109)位相ズレ計算部101bは、パラメータnを1からN−1まで変化させながら、S102からS108までの処理を繰り返し実行する。
(S102)位相ズレ計算部101bは、N本のアンテナの中から、送信アンテナの組(ANT#n、ANT#i)及び受信アンテナ(ANT#j)を決定する。なお、ANT#i、ANT#jの決定方法については後述する。
(S103)位相ズレ計算部101bは、位相制御部101aを介してANT#nのフィードラインに接続される移相器を制御し、ANT#nで送信される信号の位相φnを設定する。なお、位相φnの値は0などに予め設定される。
(S104、S107)位相ズレ計算部101bは、ANT#iで送信される信号の位相φiを−φからφまで変化させながら、S105からS106までの処理を繰り返し実行する。なお、φの値はπ/2などの値に予め設定される。
(S105)位相ズレ計算部101bは、無線部102を制御してANT#n、ANT#iから信号を送信する。なお、ANT#n、ANT#iから送信される信号は、例えば、振幅A及び波長λを有し、それぞれ位相をφn、φiだけシフトした信号である。
(S106)位相ズレ計算部101bは、ANT#jで受信された合成信号の電力を検出する。例えば、位相ズレ計算部101bは、ANT#jに接続された検出器が検出した電圧を取得し、変換情報105aを利用して受信電力(合成信号の電力)に変換する。
(S108)位相ズレ計算部101bは、S106で検出した電力の最小値を抽出し、その最小値に対応する位相φiを特定する。そして、位相ズレ計算部101bは、特定した位相φi(実測値)から位相ズレ量dφinを計算する。図11及び図13に示したように、アンテナ間隔D、波長λ、位相φnが分かれば、受信電力の最小値に対応する位相φiの計算値が得られる。そのため、位相ズレ計算部101bは、実測値と計算値との差を計算し、その差を位相ズレ量dφinとする。
(S110)位相ズレ計算部101bは、S108で計算した位相ズレ量dφinを用いて位相情報105bに追加する位相ズレ量dφn(dφn=dφ1n;ANT#1で送信される信号の位相を基準とする位相ズレの量)を計算する。dφmnは、下記の式(9)で与えられる。そのため、計算結果にdφp(dφp=dφ1p)がなく、dφ1m、dφmpが得られている場合、位相ズレ計算部101bは、下記の式(9)を利用してdφp(dφ1p=dφ1m+dφmp)を計算する。
dφmn=φm−φn
=φm−φq+φq−φn
=dφmq+dφqn
(但し、q≠m、n)
…(9)
上記の方法で位相ズレ計算部101bはdφn(n=2,…,N)を計算し、計算したdφnをANT#nに繋がる移相器の情報に対応付けて位相情報105bに追加する。この位相情報105bが得られると、位相制御部101aは、位相情報105bに基づいてANT#n(n=2,…,N)に繋がる移相器の位相を調整できる。S110の処理が完了すると、図16に示した一連の処理は終了する。
(アンテナの決定方法)
ここで、図17を参照しながら、送信アンテナの組及び受信アンテナを決定する方法について説明する。図17は、第2実施形態に係る位相ズレ計算のうち、送信アンテナの組及び受信アンテナを決定する処理の流れを示したフロー図である。なお、図17に示した処理は、図16に示したS102の処理に相当する。
(S121)位相ズレ計算部101bは、ANT#(n+2)があるか否かを判定する。例えば、nがN−2の場合、ANT#(n+2)はある。一方、nがN−1の場合、ANT#(n+2)はない。ANT#(n+2)がある場合、処理はS122へと進む。一方、ANT#(n+2)がない場合、処理はS124へと進む。
(S122、S123)位相ズレ計算部101bは、ANT#(n+2)を送信アンテナANT#iに決定する(i=n+2)。また、位相ズレ計算部101bは、ANT#(n+1)を受信アンテナANT#j(j=n+1)に決定する。
この場合、ANT#n、ANT#(n+2)が送信アンテナとなり、ANT#(n+1)が受信アンテナとなる。つまり、受信アンテナANT#(n+1)の両隣にある2つのアンテナANT#n、ANT#(n+2)が送信アンテナとして選択される(図7の場合に相当)。そのため、2つの送信アンテナから送信される信号の減衰が最小限に抑えられる。また、アンテナ間隔が等間隔であれば2つの信号の減衰量がほぼ同じになるため、干渉の効果(打ち消し合う効果や強め合う効果)がより明確になる。
S123の処理が完了すると、図17に示した一連の処理は終了する。
(S124、S125)位相ズレ計算部101bは、ANT#(n+1)を受信アンテナANT#jに決定する(j=n+1)。また、位相ズレ計算部101bは、ANT#(n−1)を送信アンテナANT#i(i=n−1)に決定する。
この場合、ANT#n、ANT#(n−1)が送信アンテナとなり、ANT#(n+1)が受信アンテナとなる。つまり、受信アンテナANT#(n+1)に隣接するアンテナANT#nと、そのアンテナANT#nに隣接するアンテナANT#(n−1)とが送信アンテナとして選択される(図5の場合に相当)。このように、受信アンテナを2つの送信アンテナで挟む配置がとれない場合でも、受信アンテナに近い順に送信アンテナを選択することで信号の減衰による影響が抑えられる。
S125の処理が完了すると、図17に示した一連の処理は終了する。
なお、送信アンテナの組及び受信アンテナを決定する方法は上記の例に限定されない。しかし、上記のように、受信アンテナに近い送信アンテナを積極的に選択することで、位相ズレの検出精度を高める効果が期待できる。
[2−4.変形例]
ここで、第2実施形態に係る変形例について述べる。
(所定電力値に対応する位相差の中間値を利用する方法)
まず、図18を参照しながら、受信電力が最小又は最大になる位相差dφを決める方法に関する変形例(変形例#1)について述べる。図18は、第2実施形態の一変形例(変形例#1)に係る位相ズレの検出方法を示した図である。
既に述べたように、第2実施形態では、合成信号の受信電力が最小又は最大になる位相差を検出し、検出した位相差の値と、計算で得られる位相差の値とを比較して位相ズレを求める。そのため、受信電力が最小又は最大になる位相差の検出精度が位相ズレの計算精度に影響する。そこで、変形例#1では、図18に示すように、所定の受信電力S0となる位相差Q1、Q2を特定し、位相差Q1、Q2の中間値を受信電力が最大又は最小(図18の例では最小)になる位相差とする。
上記の方法を採用することで、受信電力の測定データが少ない場合や、受信電力が最小又は最大となる部分で十分な測定精度が得られない場合でも、受信電力が最小又は最大になる位相差を精度良く検出することが可能になる。なお、所定の受信電力を複数設定しておき、その受信電力毎に上述した中間値を計算し、その中間値の平均値を利用する方法も適用しうる。この方法を利用すれば、さらに誤差を低減しうる。このような変形も当然に第2実施形態の技術的範囲に属する。
(位相ズレを最大電力、最小電力の両方で特定し平均する方法)
次に、図19を参照しながら、受信電力が最小又は最大になる位相差dφを決める方法に関する他の変形例(変形例#2)について述べる。図19は、第2実施形態の一変形例(変形例#2)に係る位相ズレの検出方法を示した図である。
既に述べたように、第2実施形態では、位相差dφを変化させながら合成信号の受信電力を測定し、その受信電力が最小又は最大になる位相差を特定して、その位相差から位相ズレを計算する。このとき、位相差dφを十分に広い範囲で変化させると、2つの送信アンテナから送信される信号が受信アンテナの位置で同位相となる点と、逆位相となる点とが現われる。つまり、測定した受信電力のパターンに、受信電力が最小になる点と、受信電力が最大になる点とが現われる。
上記の性質を利用し、変形例#2では、図19に示すように、受信電力が最小となる位相差(最小時位相差)と、受信電力が最大となる位相差(最大時位相差)とを特定し、特定した2つの位相差の値、及びこれら2つの位相差の計算値をもとに位相ズレを求める。例えば、最小時位相差と最大時位相差との平均値を位相ズレとする。この方法を採用することで、受信電力の測定誤差や、最小時位相差及び最大時位相差を特定する際に生じる誤差を低減しうる。このような変形も当然に第2実施形態の技術的範囲に属する。
(平面アンテナの二次元配置)
これまでは、説明の都合上、一次元的に並べて配置された3つのアンテナを利用して位相ズレを検出する方法について説明してきた。しかし、第2実施形態に係る技術は、任意の形状に配置された3つ以上のアンテナを有する無線通信装置に適用可能である。
例えば、図20に示すように、二次元的に4つのアンテナ(ANT#1、ANT#2、ANT#3、ANT#4)が配置されているケース(変形例#3)にも適用できる。図20は、第2実施形態の一変形例(変形例#3)に係るアンテナの配置及び位相ズレの調整方法を示した図である。
既に述べたように、平面アンテナの場合、基板に平行な方向に進む電波(電磁界の拡がりを含む)は、進む距離の長さに応じて大きく減衰する。そのため、互いの距離ができる限り近くなるように送信アンテナと受信アンテナとを選択することが、位相ズレの検出精度を高めるのに寄与する。そこで、図20に示すように、受信アンテナと送信アンテナとの距離が最小になるように送信アンテナと受信アンテナとの組み合わせを選択する。
(A)の例は、ANT#1が受信アンテナの場合における送信アンテナの選択方法を示している。ANT#2、ANT#3、ANT#4はいずれもANT#1に隣接しているが、ANT#4は、ANT#2、#3に比べてANT#1から離れている。そのため、ANT#2、#3が送信アンテナとして選択される。この場合、ANT#2、ANT#3で送信される信号間の位相ズレ量dφ23が得られる。
(B)の例は、ANT#2が受信アンテナの場合における送信アンテナの選択方法を示している。ANT#1、ANT#3、ANT#4はいずれもANT#2に隣接しているが、ANT#3は、ANT#1、#4に比べてANT#2から離れている。そのため、ANT#1、#4が送信アンテナとして選択される。この場合、ANT#1、ANT#4で送信される信号間の位相ズレ量dφ14が得られる。
(C)の例は、ANT#4が受信アンテナの場合における送信アンテナの選択方法を示している。ANT#4に近いアンテナはANT#2、ANT#3である。しかし、(A)(B)でdφ23、dφ14が得られているから、dφ12が得られれば、ANT#1を基準とするANT#2、ANT#3、ANT#4の位相ズレが全て計算できる((D)参照)。そのため、この場合にはANT#1、ANT#2が送信アンテナとして選択される。そして、ANT#1、ANT#2で送信される信号間の位相ズレ量dφ12が得られる。
ANT#1の位相を基準とするANT#2の位相ズレ量dφ2(dφ2=dφ12)は(C)の処理で得られている。また、ANT#3の位相ズレ量dφ3(dφ3=dφ13)は、(D)に示すように、(C)の処理で得られているdφ12と、(A)の処理で得られているdφ23を用いて計算される。また、ANT#4の位相ズレ量dφ4(dφ4=dφ14)は、(B)の処理で得られている。そのため、上記の方法を利用すれば、ANT#2、ANT#3、ANT#4から送信される信号の位相を調整できる。
なお、図20に示したアンテナの選択方法は一例であり、二次元的にアンテナが配置されている場合には、上記の例とは異なるアンテナの組み合わせで位相ズレ量dφ2、dφ3、dφ4を得ることもできる。この性質を利用し、例えば、複数の組み合わせで同じ位相ズレ量dφ2、dφ3、dφ4を求め、それぞれ組み合わせ毎に求めた値の平均値を位相の調整に利用する方法も採用しうる。この方法を利用すれば位相ズレの検出過程で生じる誤差などを低減しうる。
(その他)
これまで、説明の都合上、図3に示した無線部102を想定して説明を進めてきたが、図21に示すように、無線部102が送受信機201、202、203を具備する場合で(変形例#4)も第2実施形態の技術を適用可能である。図21は、第2実施形態の一変形例(変形例#4)に係る無線通信装置の一例を示した図である。
送受信機201、202、203は、バンドパスフィルタ(BPF)、ミキサ(MX)、局部発振器(RF)、移相器(PS)、電力増幅器(PA)、低ノイズ増幅器(LNA)、スイッチ(SW)を有する。
ベースバンド領域の送信信号Txは、BPFで帯域制限された後、MXでRFが出力する搬送波に乗算されてRF信号に変調される。そして、RF信号は、PS及びPAで位相及び振幅が調整された後、SW(送受信の切替え)を経由してアンテナから出力される。逆に、アンテナに入力されたRF信号は、SWを経由してLNAに入力され、LNAで振幅調整された後にMXでベースバンド領域に変換され、BPFを経由してベースバンド領域の受信信号RxとしてDSP101に入力される。
変形例#4の場合、送受信機201、202、203の受信機能を利用して受信信号の電力パターン(位相差と受信電力との関係)が得られる。そのため、上述した検出器127、128、129を別途設けずとも第2実施形態の技術を適用できる。このように、無線部102の要素が変更されても第2実施形態の技術を適用することが可能である。また、平面アンテナを例に説明を進めてきたが、アンテナの種類や形状が変更されても、同様に第2実施形態の技術を適用することができる。
以上、第2実施形態について説明した。
10 無線通信装置
11 記憶部
12 演算部
13 第1のアンテナ
14 第2のアンテナ
15 第3のアンテナ
21 第1の信号
22 第2の信号
D13、D23、X 距離
A1、A2、A 振幅
Q1、Q2 位相
dQ 位相差
λ 波長
K 波数

Claims (7)

  1. それぞれ同一基板上に隣接して設けられ、送信アンテナ及び受信アンテナにそれぞれ設定変更可能な複数のアンテナと、
    前記複数のアンテナ間の距離を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記距離に基づいて、前記複数のアンテナのうち、第1のアンテナ及び第2のアンテナを前記送信アンテナに設定し、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナの少なくとも一方に近い第3のアンテナを前記受信アンテナに設定し、前記第1のアンテナから送信される第1の信号と、前記第2のアンテナから送信される第2の信号との間の位相差を変化させ、前記第1の信号と前記第2の信号との合成信号を前記第3のアンテナで受信した場合の受信電力パターンを測定し、測定した前記受信電力パターンと、計算で得られる前記受信電力パターンとの差に基づいて、前記第1のアンテナ又は前記第2のアンテナから送信される信号の位相ズレを調整する演算部と
    を有する、無線通信装置。
  2. 前記演算部は、前記合成信号の受信電力が所定値になる一対の前記位相差を特定し、特定した一対の前記位相差の中間値を前記位相差の実測値とする
    請求項に記載の無線通信装置。
  3. それぞれ同一基板上に隣接して設けられ、送信アンテナ及び受信アンテナにそれぞれ設定変更可能な複数のアンテナを有する無線通信装置が、
    前記複数のアンテナ間の距離を記憶し、
    記憶された前記距離に基づいて、前記複数のアンテナのうち、第1のアンテナ及び第2のアンテナを前記送信アンテナに設定し、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナの少なくとも一方に近い第3のアンテナを前記受信アンテナに設定し、前記第1のアンテナから送信される第1の信号と、前記第2のアンテナから送信される第2の信号との間の位相差を変化させ、前記第1の信号と前記第2の信号との合成信号を前記第3のアンテナで受信した場合の受信電力パターンを測定し、測定した前記受信電力パターンと、計算で得られる前記受信電力パターンとの差に基づいて、前記第1のアンテナ又は前記第2のアンテナから送信される信号の位相ズレを調整する
    位相調整方法。
  4. 前記演算部は、
    前記第1の信号と前記第2の信号が前記第3のアンテナの位置で逆位相になる第1の位相差に基づく第1の受信電力パターンを算出し、前記第1の信号と前記第2の信号とが前記第3のアンテナの位置で同位相になる第2の位相差に基づく第2の受信電力パターンを算出し、
    前記合成信号の受信電力が最小になる第3の位相差を実測した場合、前記第1の受信電力パターンと、前記第3の位相差に基づく第3の受信電力パターンとの差に基づいて、前記第1のアンテナ又は前記第2のアンテナから送信される信号の第1の位相ズレを調整し、
    前記合成信号の受信電力が最大になる第4の位相差を実測した場合、前記第2の受信電力パターンと、前記第4の位相差に基づく第4の受信電力パターンとの差に基づいて、前記第1のアンテナ又は前記第2のアンテナから送信される信号の第2の位相ズレを調整する
    請求項1に記載の無線通信装置。
  5. 前記演算部は、
    アンテナ間の前記距離に依存する減衰定数に基づいて前記受信電力パターンを計算し、
    計算した前記受信電力パターンを最大化するときの第1の位相差を計算し、計算した前記受信電力パターンを最小化するときの第2の位相差を計算し、
    測定した前記受信電力パターンを最大化するときの第3の位相差を測定し、測定した前記受信電力パターンを最小化するときの第4の位相差を測定し、
    前記第1の位相差と前記第3の位相差を比較して第1の位相ズレを検出し、前記第2の位相差と前記第4の位相差を比較して第2の位相ズレを検出する
    請求項1に記載の無線通信装置。
  6. 前記無線通信装置は、
    前記第1の信号と前記第2の信号が前記第3のアンテナの位置で逆位相になる第1の位相差に基づく第1の受信電力パターンを算出し、前記第1の信号と前記第2の信号とが前記第3のアンテナの位置で同位相になる第2の位相差に基づく第2の受信電力パターンを算出し、
    前記合成信号の受信電力が最小になる第3の位相差を実測した場合、前記第1の受信電力パターンと、前記第3の位相差に基づく第3の受信電力パターンとの差に基づいて、前記第1のアンテナ又は前記第2のアンテナから送信される信号の第1の位相ズレを調整し、
    前記合成信号の受信電力が最大になる第4の位相差を実測した場合、前記第2の受信電力パターンと、前記第4の位相差に基づく第4の受信電力パターンとの差に基づいて、前記第1のアンテナ又は前記第2のアンテナから送信される信号の第2の位相ズレを調整する
    請求項3に記載の位相調整方法。
  7. 前記無線通信装置は、
    アンテナ間の前記距離に依存する減衰定数に基づいて前記受信電力パターンを計算し、
    計算した前記受信電力パターンを最大化するときの第1の位相差を計算し、計算した前記受信電力パターンを最小化するときの第2の位相差を計算し、
    測定した前記受信電力パターンを最大化するときの第3の位相差を測定し、測定した前記受信電力パターンを最小化するときの第4の位相差を測定し、
    前記第1の位相差と前記第3の位相差を比較して第1の位相ズレを検出し、前記第2の位相差と前記第4の位相差を比較して第2の位相ズレを検出する
    請求項3に記載の位相調整方法。
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