JP6561414B2 - ポリアミド繊維 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、ポリアミド繊維および前記ポリアミド繊維を含むヤーンに関する。さらに本発明は、そのようなポリアミド繊維を調製するための方法に関する。
本発明の分野は、ポリマー繊維の分野、より具体的にはすぐれた機械的および熱的特性を有し、かつ要求の厳しい用途、例えば耐熱性ゴム補強用繊維(例えばターボホース補強用繊維)、熱可塑性樹脂強化用繊維、ステッチ糸、縫製スレッド、フィルタ用ヤーン、編織糸、モノフィラメント(例えば耐熱ブラシ用)、釣糸、プラスチック複合材強化用繊維、ゴム強化機械部品、単素糸コード、タイヤ補強材、耐熱衣類、および耐薬品性糸に使用することができるポリマー繊維の分野である。
低打込み本数製品(low end product)の場合、ポリマー繊維はポリエステル、ポリアミド6、またはポリアミド66から作られ、高打込み本数製品の場合、ポリマー繊維は、溶液紡糸によって加工されるアラミド、ならびに溶融紡糸によって加工されるPEEK、PPS、およびポリアミドから作られる。これらの高打込み本数製品の利点は、それらがきわめてすぐれた機械的性質、高い耐熱性、すぐれた耐加水分解性、およびすぐれた耐薬品性を有することである。しかしながら、これらの材料は高価でかつ加工が難しい。
ポリアミド、特に脂肪族ポリアミドは繊維に加工しやすく、ポリアミド繊維は様々な目的および多くの用途に広く使用される。脂肪族ポリアミドは、300℃未満のあまりにも低い融解温度を有するが、半芳香族ポリアミドは300℃を十分に超える融解温度を有することができる。ポリアミド繊維の機械的性質は、配向と、ガラス転移温度付近またはそれを超える温度での延伸とによって向上させることができる。しかしながら、ポリアミド繊維、また延伸されたポリアミド繊維には、ガラス転移温度を超える温度での(および特にそれが必要とされる高温における)機械的性質が、ガラス転移温度未満での機械的性質よりもはるかに低いという事実がある。本発明者らは、300℃を超える融解温度を有する半芳香族ポリアミド、例えばPA9TまたはPAXT/Y6の一軸延伸ポリアミド繊維が、260℃においてはるかに低い曲げ剛性(stiffness)を有することに気付いた。
モノフィラメント、マルチフィラメント、編織繊維、またはヤーンの一部として使用されるポリアミド繊維は、大規模に生産され、比較的低い融解温度を有するポリアミドを必要とするという別の面がある。310℃を超える融解温度を有する高融点ポリアミドは、特にその繊維が一軸スクリュー押出機を備えた繊維生産設備で溶融加工法によって生産される場合、泡を含む繊維を生成する傾向がある。このような泡は、延伸中に繊維の破断を起こす可能性があるため、延伸工程を複雑にする。
本発明の第一の目的は、高温における機械的性質を向上させたポリアミド組成物から作られ、その生産工程で泡が生じず、またその繊維が良好な外観を有するポリマー繊維を提供することである。
第二の目的は、そのような改良された機械的性質を有するポリマー繊維を調製するための方法を提供することである。
さらなる目的は、一軸スクリュー押出機上においてより少ない泡で生産することができ、かつ前記改良された機械的性質を有するポリマー繊維の生産のために使用することができるポリアミド繊維を提供することである。
本発明の第一の態様においてポリマー繊維は、半結晶性半芳香族ポリアミド(PPA)を含むポリアミド組成物から作られる延伸ポリマー繊維であって、そのPPAが、
− 芳香族ジカルボン酸の総量を基準にしてテレフタル酸を少なくとも80モル%含む芳香族ジカルボン酸と、
− ジアミンの総量を基準にして第一のジアミンを少なくとも5モル%および第二のジアミンを少なくとも5モル%含むジアミンと、
− 芳香族ジカルボン酸、ジアミン、および他のモノマー単位の総量を基準にして0〜5モル%の他のモノマー単位と
から誘導される反復単位からなり、
そのPPAは、ISO−11357−1/3、2011に従ったDSC法により、かつ10℃の加熱速度で測定されて少なくとも310℃の融解温度(Tm)を有する、延伸ポリマー繊維である。
本発明の第二の態様においてポリマー繊維は、前記半結晶性半芳香族ポリアミドを含む組成物を、a)本発明で規定されるポリアミド組成物を融解するステップと、b)その溶融ポリアミド組成物を紡糸してポリマー繊維を得るステップと、c)その紡糸された溶融ポリマー繊維を冷却し、その繊維を延伸するステップとにかける方法によって生産される。ポリマー繊維を延伸して延伸ポリマー繊維を生産するステップは、一般にTm未満の温度(T−stretch)で行われる。
本発明の第三の態様において本発明による延伸ポリマー繊維は、マルチフィラメントの形態だけでなくモノフィラメントの形態で、また本発明による延伸ポリマー繊維を含むヤーンとしても存在することができる。本発明に関連して、モノフィラメントは、繊維の単一ストランドからなる線材として理解されたい。本発明に関連して、マルチフィラメントは、2本以上の繊維のストランドを含む線材である。本発明に関連して、ヤーンは、連続した長さの抱き合わせた繊維として理解されたい。本発明に関連して、諸撚ヤーン(ply of yarns)、織られたまたは織られていないヤーン、およびそれから作られる布、例えばディップドファブリックは、本発明によるポリマー繊維を含むか、これからなることができる。
本発明による延伸ポリマー繊維の効果は、この繊維が、特にガラス転移温度を超える温度においてきわめて良好な機械的性質を示し、テレフタル酸を基材とする、またはテレフタル酸とアジピン酸との組合せを基材とする他の半結晶性半芳香族ポリアミドよりもはるかに良好な機械的性質を示すことである。
本発明の一実施形態によればポリマー繊維は、上記半結晶性半芳香族ポリアミドを含むポリアミド組成物を、延伸ステップd)を含む上記ステップa)〜d)にかける方法によって生産することができる。このポリアミド組成物は、ガラス転移温度(Tg)および融解温度(Tm)を有する。こうして得られる繊維は、Tm未満の温度(T−stretch)で延伸され、および任意選択でT−stretch〜Tmの温度でヒートセットステップにかけられる。好ましくは、延伸ステップは、ポリアミド組成物のガラス転移温度(Tg)とポリアミド組成物の融解温度(Tm)との間の温度で行われる。ステップa)〜c)および上記の延伸ステップを含むこのような方法は、モノフィラメント(例えば耐熱ブラシ用)、またはゴム補強用繊維(例えばターボホース補強用繊維)、熱可塑性樹脂強化繊維、フィルターヤーン、釣糸、プラスチック複合材強化繊維などの用途に使用される工業用ヤーンを調製するために使用される。このようなモノフィラメントまたはヤーンを製造するための工程では、繊維は溶融物から紡糸され、その溶融物からの紡糸中、繊維は結晶化の進行を極力防止するためにむしろ急速に冷却される。モノフィラメントの工程では、繊維は一般に水浴中で冷却されるが、工業用ヤーンの場合にはその繊維は側部空気の流れに曝すことによって冷却される。溶融物からの繊維の紡糸は、むしろ低い紡糸速度によって特徴付けられる。モノフィラメントの調製のための工程の場合、紡糸速度は、2m/分〜30m/分、好ましくは6m/分〜10m/分の範囲、より好ましくは約8m/分である。工業用ヤーンの調製のための工程の場合、紡糸速度は、200m/分〜2000m/分、好ましくは400m/分〜800m/分の範囲、より好ましくは約600m/分である。溶融物から冷却させた後、その繊維中の分子の配向のレベルは低い。さらに結晶化度のレベルも低い。工程の下流で繊維を、一般にはそのポリマー繊維のガラス転移温度(Tg)と融解温度(Tm)との間の温度で一軸延伸することができる。この延伸は、多段方式で、一般にはTg〜Tmの温度範囲において各延伸ステップの延伸温度を上昇させながら行うことができる。結晶化の進行は、一般にこれらの延伸ステップ中にすでに起こっており、さらなる延伸可能性を妨げる可能性がある。したがって、本発明による工程では延伸温度の配列は、ポリマーの結晶化をできるだけ少なくするようなものである。延伸後、繊維は、繊維が機械的に束縛された条件下にある状態、または繊維が長さ方向にごく少量収縮することができる条件下にある状態下において、Tm直下での追加のヒートセットステップを与えられる。
延伸は、一段または多段延伸法で行うことができる。多段延伸法において第一の延伸ステップは、好適にはそのポリアミド組成物のTg付近の温度(T−stretch−1)、好ましくはTg−20℃〜Tg+20℃の範囲内の温度で行われる。第二の延伸ステップは、T−stretch−1+20℃〜T−stretch−1+100℃の範囲であるが、Tm未満である温度(T−stretch−2)で行われる。最後の第三の延伸ステップは、T−stretch−2+20℃〜T−stretch−2+100℃の範囲であるが、Tm未満の温度(T−stretch−3)で行われる。一段延伸ステップでは、延伸は、Tg〜Tmの温度、より好ましくはTg〜Tg+60℃の温度、さらに一層好ましくはTg〜Tg+40℃の温度で行われる。延伸ステップ後、繊維は、好適にはヒートセットステップにかけられる。ここでは繊維は、完全に機械的に束縛されるか、または多少の幾何学的緩和を可能にする条件下において最後の延伸ステップの温度とTmとの間の温度に加熱される。好ましくはこの温度は、Tm−30℃〜Tmの範囲、より好ましくはTm−15℃〜Tmの温度であり、続いて繊維はTg未満の温度に冷却される。ヒートセットステップの持続時間は、好適には0.5秒〜30秒、例えば5秒〜20秒の範囲である。繊維を30秒よりも長い時間、そのヒートセット温度に保つこともできるが、それはさらなる顕著な改良をもたらさない。ヒートセットの利点は、そのポリアミド組成物のTgを超える温度まで再度加熱した場合に、繊維の物理的性質および寸法がより良好に保たれることである。
繊維の延伸倍率は広範囲にわたって変えることができ、一方向に延伸される繊維の延伸倍率は、3.5以上、約6までの大きさであることができることに気付いた。好適には一方向に延伸される繊維は、少なくとも1.5の延伸倍率で延伸ステップにかけられた。好ましくは、延伸倍率は、少なくとも2、より好ましくは少なくとも2.5、または少なくとも3.0でさえある。
延伸の効果は、その繊維が配向され、その特性が異方性になり、機械的強度などの特定の特性がその一軸延伸方向で高められることである。好適には本発明によるポリマー繊維は、熱膨張(延伸方向で減少する)または複屈折などの異方特性を有する。
本発明による延伸ポリマー繊維の特定の実施形態では、ポリマー繊維は、少なくとも300MPaの引張強さ(TS)を有し、好ましくは、TSは少なくとも400MPa、より好ましくは少なくとも500MPaであり、また650MPaほどまたはそれを超えることができる。
本発明による延伸ポリマー繊維の別の特定の実施形態では、ポリマー繊維は、少なくとも3.0GPaの1%伸長時引張弾性率(TM)を有する。好ましくは、TMは、少なくとも4.0GPa、より好ましくは少なくとも5.0GPaであり、また6.5GPaほどまたはそれを超えることができる。好ましくは、このポリマー繊維は、少なくとも300MPaの引張強さと少なくとも3.0GPaの1%伸長時引張弾性率との両方を有する。ここで引張強さおよび引張弾性率の両方は、ASTM D885Mに従った方法によって23℃および相対湿度50%において測定される。
本発明による方法の第二の実施形態は、紡織繊維の調製方法を提供する。このタイプの工程は、繊維の分子配向が溶融物からの紡糸に関係する生産ステップにおいて実現される点で第一の実施形態とは基本的に異なり、その高速紡糸工程の場合、この種類の工程に対する紡糸速度は先行する種類と比べてはるかに速く、3000m/分〜15000m/分、好ましくは4000m/分〜6000m/分の範囲、より好ましくは約5000m/分である。これらの条件下では溶融物中にくびれが形成され、これが結晶化過程を誘発する局所的な高レベルの配向を引き起こす。一段延伸または多段延伸法において任意選択で追加の延伸を上記のようなTg〜Tmの温度範囲で行うことができる。ステップa)〜c)による工程後に下流のヒートセットステップへの1回(または複数回)の曝露を行うことができる。
本発明によるポリマー繊維は、応用分野に応じて広範囲にわたって変わる直径を有することができる。繊維の直径は、光学顕微鏡法により実験的に測定される。その直径は、良好な高温特性を有したままで1000μm(マイクロメートル)ほど、またはそれを超えることができる。太さは、0.5μmほどまたはそれを下回ることもできる。0.5μ未満では延伸および取扱いがきわめて困難になり、しばしば繊維の破断を引き起こす。好ましくは、直径は、1μm〜1000μmの範囲にある。より好ましい太さは、5μm〜500μmの範囲、または10〜500μmでさえあり、またはより一層好ましくは20〜400μmである。
本発明によるポリマー繊維は、本明細書中でPPAとして表示される半結晶性半芳香族ポリアミドを含むポリアミド組成物から作られる。本発明によるポリマー繊維に使用されるPPAは、
− 芳香族ジカルボン酸の総量を基準にしてテレフタル酸を少なくとも80モル%含む芳香族ジカルボン酸と、
− ジアミンの総量を基準にして少なくとも5モル%の第一のジアミンおよび少なくとも5モル%の第二のジアミンを含み、第一のジアミンおよび少なくとも第二のジアミンを合わせた量が、ジアミンの総量を基準にして少なくとも60モル%であることができる、ジアミンと、
− 芳香族ジカルボン酸、ジアミン、および他のモノマー単位の総量を基準にして0〜5モル%の他のモノマー単位と
から誘導される反復単位からなる。
本発明によるポリアミド組成物を含むポリマー繊維に関しては、第一のジアミンおよび/または第二のジアミンは、任意の直鎖脂肪族ジアミンであることも、任意の分岐鎖脂肪族ジアミンであることもでき、また任意の脂環式ジアミンであることもできる。有利には、第一のジアミンおよび/または第二のジアミンは、1,2−エタンジアミン、1,3プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミンまたは1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、および1,4−シクロヘキサンジアミンからなる群から選択することができる。第一のジアミンが1,4−ブタンジアミンである場合に良好な結果が得られた。第一のジアミンが1,6−ヘキサンジアミンである場合に良好な結果が得られた。好ましくは、第一のジアミンは、1,4−ブタンジアミンまたは1,6−ヘキサンジアミンである。より好ましくは1,4−ブタンジアミンおよび1,6−ヘキサンジアミンの両方が存在し、1,4−ブタンジアミンと1,6−ヘキサンジアミンとを合わせた量が、ジアミンの総量を基準にして少なくとも60モル%である。
テレフタル酸は別にして、使用することができる芳香族ジカルボン酸には、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、および/またはジフェニレンジカルボン酸を挙げることができる。好ましくは、芳香族ジカルボン酸は少なくとも90モル%のテレフタル酸を含み、ついには完全にテレフタル酸からなる。有利には、芳香族ジカルボン酸は、イソフタル酸を最大で20モル%、またより好ましくはイソフタル酸を最大で15モル%含む。追加の芳香族ジカルボン酸の存在は、加工しやすい製品を得るためだけでなく、融解温度および結晶化速度を下げ、延伸性を向上させるのに有利である。
PPAの融解温度を下げるために第一および第二のジアミンは別にして(さらなる)ジアミンを、ジアミンの総量を基準にして最大で40モル%の量で加えることができる。好ましくはその量は、0〜40モル%、好ましくは0〜30モル%、例えば5〜25モル%の範囲にある。少なくとも第一のジアミンおよび第二のジアミンと共に第三のジアミンが存在することもまた同様に、結晶化を低減させ、延伸性を向上させるのに、また加工しやすい製品を得るために有利である。
好適なさらなる(第三の)ジアミンの例は、好ましくは1,4−ブタンジアミンまたは1,6−ヘキサンジアミンのいずれかと組み合わせた、または1,4−ブタンジアミンおよび1,6−ヘキサンジアミンの両方と組み合わせた、好ましくは1,2−エタンジアミン、1,3プロパンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンなどの直鎖脂肪族ジアミン、または2−メチル−1,5−ペンタンジアミンなどの分岐鎖脂肪族ジアミン、または1,4−シクロヘキサンジアミンなどの脂環式ジアミンである。有利には1,10−デカンジアミンが第三のジアミンである。
好ましくは、PPAは、少なくとも310℃(摂氏度)、より好ましくは少なくとも315℃、最も好ましくは少なくとも320℃の融解温度(Tm)を有する。PPAの融解温度Tmは、例えば320℃〜360℃であることができる。
融解温度に関しては、本明細書中ではISO−11357−1/3、2011に従ったDSC法により、予乾燥試料に対して窒素雰囲気中で10℃/分の加熱および冷却速度で測定される温度と理解されたい。本明細書中ではTmは、第二の加熱サイクルにおける最高融解ピークのピーク値から計算される。
ガラス転移温度(Tg)に関しては、本明細書中ではISO−11357−1/2、2011に従ったDSC法により、予乾燥試料に対して窒素雰囲気中で10℃/分の加熱および冷却速度で測定される温度と理解されたい。本明細書中ではTgは、第二の加熱サイクルにおける親の熱曲線の変曲点に対応するその親の熱曲線の一次導関数(時間に関して)のピークにおける値から計算される。
PPAは、芳香族ジカルボン酸およびジアミンから誘導されるモノマー単位以外のモノマー単位を0〜5モル%、好ましくは0〜2モル%含むことができる。それらには、脂肪族ジカルボン酸と、アミノ官能カルボン酸と、単官能アミンおよび単官能カルボン酸などの単官能成分と、例えば3個以上の官能基を有する三官能アミンおよび三官能カルボン酸などの多官能化合物とから選択される1種類または複数種類の成分を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸は、例えばアジピン酸および/またはセバシン酸であることができる。アミノ官能カルボン酸は、例えばε−アミノカプロン酸、11−アミノ−1−ウンデカン酸、および/または12−アミノ−1−ドデカン酸、あるいはそれらのそれぞれのラクタム、カプロラクタム、ウンデカン−11−ラクタム、およびラウロラクタムであることができる。単官能アミンは、例えばステアリルアミン、ドデシルアミン、および/またはデシルアミンであることができる。単官能カルボン酸は、例えばステアリン酸、安息香酸、酢酸、および/またはプロパン酸からなることができる。三官能アミンの例は、例えばビス(ヘキサメチレン)トリアミンである。トリメシン酸を、例えば三官能カルボン酸に使用することができる。
このような他のモノマー単位の総量は、芳香族ジカルボン酸、ジアミン、および他のモノマー単位の総量(そのPPAの成分の総量)を基準にして5モル%まで、好ましくは3モル%まで、より好ましくは2モル%までに限定される。
好ましくは、PPAは、芳香族ジカルボン酸、ジアミン、および他のモノマー単位の総量を基準にして0.20モル%未満の多官能モノマー単位を含む。多官能モノマー単位のより多い量の場合、PPAの加工性がむしろ劣る。
好ましい実施形態ではポリアミド組成物中のPPAは、少なくとも1.75の相対粘度(RV)を有する。本明細書中で相対粘度(RV)は、ISO 307、第4版に従った方法により、硫酸中において、96%硫酸100mLに1gの濃度で25℃において測定される。この利点は、一軸スクリュー押出機上での繊維調製中の泡形成の生起が減少することである。より好ましくは、相対粘度(RV)は少なくとも1.90である。
本発明による方法および繊維に使用することができるPPAの例は、PA6T/4T、すなわち1,6−ヘキサンジアミン、1,4−ブタンジアミン、およびテレフタル酸からなり、他のジアミンおよび他の芳香族ジカルボン酸を使用しないコポリアミドである。このような半芳香族ポリアミドは、米国特許第6,747,120号明細書によって知られる。ポリアミド6T/4Tの問題は、標準的な加工条件下では十分高い分子量および十分高い粘度を有するこのようなポリアミドを調製することが難しいことである。3以上の官能価を有する酸またはアミンモノマーを使用することによってより高い分子量、またそれによってより高い粘度を達成できることが米国特許第6,747,120号明細書中で述べられているが、このようなモノマーの使用はまた、重合中および/または溶融加工中のポリアミドの架橋およびゲル化の危険性をもたらす。米国特許第6,747,120号明細書で述べられているPA6T/4Tポリマーの粘度は、1.35〜1.58の範囲である。本発明に関しては、1.75以上のRVに対応する十分に高い分子量を有する本発明に一致するPA6T/4Tのようなポリアミドおよび他のジアミンを含むコポリマーを、ゲル化の危険なしに直接固相重合によって調製することができることに注目されたい。
有利には1.75以上のRVを有するポリマーが、本発明によるポリマー繊維を製造するために使用される。
本発明によるポリマー繊維に使用されるポリアミド組成物は、上記PPAを含む。前記繊維および組成物は、1種類または複数種類のさらなる成分を含むことができる。しかしながら、このPPAが、好適には組成物の総重量を基準にして少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80〜100重量%の量で存在する。組成物は、例えば他のポリアミドを含むことができるが、その量は好適には制限され、例えば組成物の総重量を基準にして他の半結晶性半芳香族ポリアミドは、最大で40重量%、好ましくは0〜25重量%の量に、非晶質半芳香族ポリアミドは、最大で40重量%、好ましくは0〜25重量%の量に、かつ/または半結晶性脂肪族ポリアミドは、最大で5重量%、好ましくは0〜2.5重量%の量に制限される。それらの合せた量は、最大で40重量%、好ましくは最大で30重量%、またさらに一層好ましくは0〜20重量%に制限されるべきである。他の半結晶性半芳香族ポリアミドの例は、PA8T、PA9T、PA10T、またはこれらのコポリマー、例えばPA6T、PA10T/6Tである。好適な非晶質半芳香族ポリアミドは、PA6I/6Tである。
有利には、ポリアミド組成物は、少なくとも100℃、より有利には少なくとも120℃、最も有利には少なくとも130℃のガラス転移温度を有する。有利には、ポリアミド組成物は、少なくとも310℃、より有利には少なくとも315℃の融解温度を有する。ポリアミド組成物が少なくとも315℃のTmと少なくとも120℃のTgとを有する場合に良好な結果が得られた。
ポリアミド組成物はまた、ポリアミド以外の追加の熱可塑性ポリマー、例えばポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)と、任意選択で相溶化剤とを含むことができる。好ましくは、追加の熱可塑性ポリマーの量は、組成物の総重量を基準にして最大で20重量%、好ましくは0〜10重量%、さらに一層好ましくは0〜5重量%である。本発明に関連して、ポリアミド組成物およびそれから作られるポリマー繊維は、他のポリマーと、繊維質強化材料と、ナノ粒子と、無機充填剤と、難燃剤と、補助添加剤、例えば安定剤、衝撃改質剤、着色料、顔料、可塑剤と、核形成剤、粘着防止剤、離型剤、および滑止剤などの加工助剤とから選択される1種類または複数種類の成分を含むことができる。このようなさらなる成分は、好適には高温における機械的性質があまり悪化しないように選択される。補助添加剤は、全てを合わせて最大で10重量%、好ましくは0〜5重量%、また最も適切には0〜2.5重量%の量で存在する。
PPAは別にして本発明による繊維が様々な他の成分を含むことができる一方で、そのような他の成分は、ポリマー組成物の総重量を基準にして、好ましくは、例えば最大で20重量%(wt.%)、好ましくは最大で10重量%、または一層有利には最大で5重量%の総量で存在し、かつ好適には高温における機械的性質があまり悪化しないように選択される。したがって、PPAは好ましくは、ポリマー組成物の総重量を基準にして少なくとも80重量%、より好ましくは90重量%、さらに一層好ましくは少なくとも95重量%の量で存在する。
本発明はまた、半結晶性反芳香族ポリアミド(PPA)を含み、かつ1.75以上の相対粘度RVを有するポリアミド組成物(ポリマー繊維の場合のような組成物)から作られるポリマー繊維に関する。PPAは、好適には少なくとも315℃の融解温度(Tm)および少なくとも1.75の相対粘度(RV)を有する。また好適には、PPAは、ポリマー組成物の総重量を基準にして少なくとも60重量%(wt.%)の量で存在する。
本発明はまた、本発明によるポリマー繊維の、または本発明による方法によって得られるポリマー繊維の使用、あるいはそのようなポリマー繊維の用途、例えばゴム補強用繊維(例えばターボホース補強用繊維)、熱可塑性樹脂強化用繊維、ステッチ糸、縫製スレッド、フィルタ用ヤーン、編織糸、モノフィラメント(例えば耐熱ブラシ用)、釣糸、プラスチック複合材強化用繊維に関するその任意の特定のまたは好ましい実施形態に関する。
本発明を下記の実施例および比較実験によりさらに例示する。
[実施例]
[材料]
M1 PA6T/4T(30モル%の1,6−ヘキサンジアミン、20モル%の1,4−ブタンジアミン、および50モル%のテレフタル酸)、RV 2.1、Tg 151℃、およびTm 338℃。
M2 42.5モル%のテレフタル酸および7.5モル%のアジピン酸と、30モル%の1,6−ヘキサンジアミンおよび20モル%の1,4−ブタンジアミンとをベースとするPPA、RV 2.3、Tg 125℃、およびTm 325℃。
M3 42.5モル%のテレフタル酸および7.5モル%のアジピン酸と、30モル%の1,6−ヘキサンジアミンおよび20モル%の1,4−ブタンジアミンとをベースとするPPA、RV 1.9、Tg 125℃、およびTm 325℃。
M4 Novamid X21 F07 PA6I/6T(50モル%の1,6−ヘキサンジアミン、35モル%のイソフタル酸、および15モル%のテレフタル酸)半芳香族非晶質コポリアミド、Tg 127℃、DSMから入手。
B1 M1(PA6T/4T)とM4(PA6I/6T)との80:20重量%ブレンド。RV 2.2、Tg 145℃、およびTm 324℃。
[繊維加工]
以前に述べた繊維工程のうちの第一の種類を代表する繊維工程によって繊維を生産した。全ての材料は加工の前に乾燥された。長方形のダイリップを有するスロットダイを備えた送りブロックに、コリン一軸スクリュー押出機(スクリュー直径30mm、L/D=30)を連結した。このダイリップ中に、1mmの標準直径を有する複数の円形開口部を含有する長方形の金属ブロックを位置決めした。標準的な融解および輸送スクリューが適用され、回転速度は100rpmである。ポリアミドの送り速度および溶融物の成形速度は、溶融押出ゾーン、送りブロック、およびダイ中でのポリマーの滞留時間が約2〜3分であるようなものであった。25μmのグリッド開口部を有するメルトフィルターが適用された。溶融した繊維を、20℃の温度を有する冷却ロールによって巻き取り、そのロール上で急冷してできるだけ結晶化の進行を防止した。冷却ロールの巻取速度は、約350μmの直径および約10倍の延伸比をもたらす40m/分である。繊維をボビン上に回収し、湿気から守るためにアルミナの袋の中で直接保管した。第二のステップではこれらの繊維を一軸延伸工程にかけた。この延伸工程では大気由来の湿気から繊維を守るために再び予防措置が取られた。延伸工程は、2台の延伸機上に繊維を導くことによって行われ、各延伸機は、72mmの直径をそれぞれ有する5本の金属ロールからなる。繊維は、3.0m/分の速度を有する第一の延伸機上に運ばれ、第二の延伸機の速度は変えられた。延伸ゾーンの長さは190mmである。下記の表中で述べる一連の実験において第一の延伸装置の最後の2本のロールは、表中で与えられる温度(Tdraw)に加熱された。所与の条件下において加熱ロールとの接触時間は数秒程度である。第二の延伸機の速度は、3.0m/分の速度(延伸比1に等しい)で始まり、繊維の破断がある特定の破壊最大延伸比を反映して起こる速度まで徐々に増加させる。延伸比を0.1の値だけ下げ、繊維を回収する。対応する延伸比は、その延伸繊維を生成することができる最大延伸比として表示される。
[繊維の引張特性]
引張強さ(または強度)、引張弾性率(または弾性率)、および破断時伸び(FAB)は、マルチフィラメントヤーンに関してASTM D885M中で指定されるように定義され、繊維の公称標点距離500mm、クロスヘッドスピード50%/分、およびインストロン2714のタイプ「Fiber Grip D5618C」クランプを使用して測定される。引張特性は、23℃および相対湿度50%で測定された。引張試験の前にヤーンを23℃および相対湿度50%で60分間プレコンディショニングした。測定された応力−歪み曲線の弾性率および強度に基づき、その引張力を滴定量で割った値、すなわち単位MPaまたはGPaの値が、密度1.2g/cmと仮定して計算される。フィラメントデニールは、微量天秤で1mのフィラメントの重さを計ることによって求められる。それぞれの試料について5本のフィラメントが試験された。
[DMA測定]
繊維に対する動的粘弾性分析をASTN D5026に従って、乾燥条件下で振動数1Hzおよび加熱速度5℃/分でTA RSA−III試験システムを使用して行った。測定中に貯蔵弾性率(E’)が温度の関数として求められた。繊維は装置中にクランプで固定された。クランプ間の一般的な初期距離は25mmである。
[実施例1(E1)]
繊維をM1から、以前に述べた溶融紡糸工程により、かつ下記の表中で述べるような押出機、送りブロック、およびダイリップのバレルの温度設定により作り出した。均一な直径を有する透明で良質の繊維が得られた。繊維をボビン上に回収し、以前に述べたような延伸工程にかけた。この特定の試料ついてその延伸温度を3.0倍の延伸レベルと共に次の表に示す。得られた繊維は、M1と同一のTmおよびTgを有する。
[実施例2(E2)]
繊維をM1から、以前に述べた溶融紡糸工程により、かつ下記の表中で述べるような押出機、送りブロック、およびダイリップのバレルの温度設定により作り出した。繊維をボビン上に回収し、以前に述べたような延伸工程にかけた。この特定の試料についてその延伸温度を3.0倍の延伸レベルと共に次の表に示す。さらに組成物中でのM1とM4とのブレンド物(80重量%のM1/20重量%のM4)について検討した。次の表から分かるように、これは純粋なM1系と比較して最大延伸比を3.3まで増加させる。得られた繊維は、B1と同一のTmおよびTgを有する。
[比較例1〜3(CE−1、CE−2、CE−3)]
繊維をまたM2およびM3から、以前に述べた溶融紡糸工程により、かつ下記の表中で述べるような押出機、送りブロック、およびダイリップのバレルの温度設定により作り出した。得られた繊維は透明であり、十分な急冷を示唆したが、それらの繊維の外観は良くなかった。直径は不均一であり、また繊維中に泡が存在した。繊維をボビン上に回収し、以前に述べたような延伸工程にかけた。CE−1についての1.5倍、またCE−2についての1.3倍の延伸レベルと共にそれらの延伸温度を次の表に示す。より高い延伸温度を適用することによりCE−1の延伸ステップを最適化した場合、その延伸倍率は、CE−3で見られるのと同様にさらに低くなる。CE−1、CE−2、およびCE−3の延伸倍率は、E−1およびE−2の場合よりも明らかに低い。CE−1、CE−2、およびCE−3の得られた繊維は、325℃のTmおよび125℃のTgを有する。
Figure 0006561414
E−2の未延伸マルチフィラメントヤーン(E−2a)および延伸マルチフィラメントヤーン(E−2b)の引張特性は、高い弾性率と共に強い繊維を有するためには延伸が必要であることを示している(表2参照)。それぞれ1.5および1.3の最大延伸比にしか至ることができなかった延伸マルチフィラメントヤーンCE−1bおよびCE−2bは、E−2bと比較してかなり低い強度および弾性率を示した。
Figure 0006561414
本発明による延伸ポリマー繊維の効果は、この繊維が、特にガラス転移温度を超える温度でのきわめてすぐれた機械的性質を示し、またテレフタル酸から作られる、またはテレフタル酸とアジピン酸との組合せから作られる他の半結晶性半芳香族ポリアミドよりもはるかに良好な機械的性質を示すことである。表3にまとめた試験結果によって示されるように、それぞれ3.0および3.3の延伸比を有する延伸繊維E−1bおよびE−2bは、1.5の最大延伸比を有するに過ぎなかった延伸繊維CE−1bと比較してTgを超える温度でかなり高い弾性率を示す。
Figure 0006561414

Claims (16)

  1. 半結晶性半芳香族ポリアミド(PPA)を含むポリアミド組成物から作られるポリマー繊維であって、前記PPAが、
    − 芳香族ジカルボン酸の総量を基準にしてテレフタル酸を少なくとも80モル%含む芳香族ジカルボン酸と、
    − ジアミンの総量を基準にして第一のジアミンを少なくとも5モル%および第二のジアミンを少なくとも5モル%含むジアミンと、
    − 芳香族ジカルボン酸、ジアミン、および他のモノマー単位の総量を基準にして0〜5モル%の他のモノマー単位と
    から誘導される反復単位からなり、
    前記PPAが、ISO−11357−1/3、2011に従ったDSC法により、かつ10℃/分の加熱速度で測定されて少なくとも310℃の融解温度(Tm)を有し、
    前記PPAが、前記ポリアミド組成物の総重量を基準にして少なくとも60重量%(wt.%)の量で存在し、
    前記第一のジアミンが1,4−ブタンジアミンであり、前記第二のジアミンが1,6−ヘキサンジアミンであり、前記第一および第二のジアミンを合わせた量が、前記ジアミンの総量を基準にして少なくとも60モル%であり、
    前記ポリマー繊維が、Tm未満の温度(T−stretch)で延伸された延伸ポリマー繊維であり、
    前記ポリマー繊維が、少なくとも300MPaの引張強さもしくは少なくとも3.0GPaの1%伸長時引張弾性率または両方を有し、前記引張強さおよび前記引張弾性率がASTM D885Mに従った方法によって23℃および相対湿度50%において測定される、ポリマー繊維。
  2. 前記芳香族ジカルボン酸が、イソフタル酸を最大で20モル%含む、請求項1に記載のポリマー繊維。
  3. 前記ジアミンが、1,2−エタンジアミン、1,3プロパンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミンもしくは1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、または分岐鎖脂肪族ジアミンからなる群から選択されるジアミンを含む、請求項1又は2に記載のポリマー繊維。
  4. 前記PPAが、ISO−11357−1/3、2011に従ったDSC法により、かつ10℃/分の加熱速度で測定されて少なくとも310℃の融解温度を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリマー繊維。
  5. 前記ポリマー繊維が、ISO−11357−1/3、2011に従ったDSC法により、かつ10℃/分の加熱速度で測定されて少なくとも315℃の融解温度(Tm)と、ISO−11357−1/2、2011に従ったDSC法により、かつ10℃/分の加熱速度で測定されて少なくとも120℃のガラス転移温度(Tg)とを有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリマー繊維。
  6. 前記PPAが少なくとも1.75の相対粘度(RV)を有し、前記RVが、ISO 307、第4版に従った方法により、硫酸中において、96%硫酸100mLに1gの濃度で25℃において測定される、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリマー繊維。
  7. 前記PPAが、前記芳香族ジカルボン酸、ジアミン、および他のモノマー単位の総量を基準にして0.20モル%未満の多官能モノマー単位を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリマー繊維。
  8. 前記ポリマー繊維が、少なくとも2の延伸比によって延伸されている、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリマー繊維。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載のポリマー繊維からなるヤーン。
  10. )ポリアミド組成物を溶融するステップと、
    )溶した前記ポリアミド組成物を紡糸してポリマー繊維を得るステップと、
    c)前記紡糸された溶融ポリマー繊維を前記ポリアミド組成物のガラス転移温度(Tg)未満に冷却するステップと、
    d)前記繊維を前記ポリアミド組成物の融解温度(Tm)未満で延伸するステップと
    を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のポリマー繊維の調製方法。
  11. 前記紡糸が、2〜30m/分の範囲の速度で行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記紡糸が、200〜2000m/分の範囲の速度で行われる、請求項10に記載の方法。
  13. 前記紡糸が、3000〜15000m/分の範囲の速度で行われる、請求項10に記載の方法。
  14. 得られた前記ポリマー繊維が、ステップc)の後に、前記ポリマー繊維のTm〜Tm−30℃の範囲の温度でヒートセットされる、請求項1013のいずれか一項に記載の方法。
  15. ステップc)の後に得られる前記ポリマー繊維が、前記ポリアミド組成物の前記ガラス転移温度(Tg)と前記ポリアミド組成物の前記融解温度(Tm)との間の温度で一軸延伸される、請求項1014のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記延伸ステップ後に得られる前記ポリマー繊維が、前記ポリアミド組成物のTm〜Tm−30℃の範囲の温度でヒートセットされる、請求項15に記載の方法。
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