JP6559404B2 - 薬剤容器 - Google Patents

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Description

本発明は、揮発性薬剤が収容される薬剤容器に関する。
従来、香料などの揮発性薬剤が収容される薬剤容器は、開口と開口の周囲にフランジを有する容器本体と、該容器本体の開口を覆うガス透過性フィルムとを有する薬剤容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に示された容器体100は、図7(a)に示すように、香料としての芳香液L(揮発性薬剤)が収容された収容部101と、収容部101の上端から外周側に張り出したフランジ102とを有する容器本体103と、容器本体103の一方向に延出した延出部104とを有する。また、容器本体103には、図7(b)に示すように、フランジ102に透過フィルム105(ガス透過性フィルム)がシールされると共に、透過フィルム105の上に剥離可能に不透過性フィルム106(ガス非透過性フィルム)が積層されている。そして、容器体100を使用する際には、不透過性フィルム106を透過フィルム105から剥離して、気化された収容部101内の芳香液Lを透過フィルム105から揮散させる。
特許第5237061号公報
しかしながら、従来の容器体100は、容器本体103とガス透過性フィルム105とのシールを確実にするために、フランジ102において、フランジ102とガス透過性フィルム105とガス非透過性フィルム106とを、エンボス加工によってシールする。エンボス加工は、フランジの全面に対してなされるため、シール部の端部であるフランジの幅方向両端部においては、ガス透過性フィルムおよびガス非透過性フィルムは、エンボス加工によって凹凸形状にシールされている。そのためにエンボス加工のシール幅方向の両端部の境界面にはエンボス加工による突起が形成され、使用する際にガス非透過性フィルムを剥離するとガス透過性フィルムは、突起によって破損しやすいという問題があった。
即ち、ガス非透過性フィルムを剥離する際には、剥離の開始点では、フランジの外周側から剥離するが、剥離の終了前では、フランジの内周側から剥離する。そのため、剥離の終了前では、ガス透過性フィルムはフランジの内周側から外周側に向かって引っ張られるために、エンボス加工されたシール部の端部(内周側)に形成された突起と接触し、ガス透過性フィルムが破損する恐れがあった。さらに、容器体を車などの高温になる環境で使用していると揮発性薬剤の気化が進むことで収容部の内部の圧力が高まり、ガス透過性フィルムに対して内側から圧力がかかるため、エンボス加工されたシール部の端部(内周側)に形成された突起と接触し、ガス透過性フィルムが破損する恐れがあった。いずれの場合も、ガス透過性フィルムに対しては、エンボス加工されたシール部の端部(内周側)に形成された突起において、ガス透過性フィルムが破損する恐れがある。
一方で、このようにエンボス加工によるとシール部の端部においてガス透過性フィルムが破損しやすくなる恐れがあるため、フランジとガス透過性フィルムとガス非透過性フィルムとのシールをエンボス加工ではなくフラット加工によって行うことも考えられる。しかしながら、フラット加工によるシールは、シール強度が強くなるため、フランジの全面に亘ってシール加工を行うと、ガス非透過性フィルムを剥離することが困難となる。また、剥離の際に、ガス透過性フィルムに対して強い引っ張り力がかかるため、シール部の端部において、ガス透過性フィルムを破損する恐れがある。このように、フランジとガス透過性フィルムとのシール部が破損すると、収容部に収容される揮発性薬剤が、容器体の外部に漏れてしまうという問題があった。
そこで、上記の事情に鑑みて、本発明は、ガス非透過性フィルムとガス透過性フィルムとの剥離が容易であると共に、フランジとガス透過性フィルムとのシール部における破損を防止する薬剤容器を提供することを技術的課題とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる薬剤容器は、上端に開口を有し揮発性薬剤が収容される収容部と、前記収容部の上端から外周側に張り出したフランジとを有する容器本体と、容器本体のフランジにシールされ容器本体の開口を覆うガス透過性フィルムと、ガス透過性フィルムの上面に剥離可能に積層されるガス非透過性フィルムと、を備えた薬剤容器であって、容器本体のフランジとガス透過性フィルムとのシール部は、平坦面によってシールされたフラット部を備え、フラット部のシール幅寸法は、フランジの幅寸法よりも小さいことを特徴とする。
このような構成によれば、フランジのシール部に、平坦面によってシールされたフラット部を有するため、フランジ部とガス非透過性フィルムとを確実にシールすることができる。このとき、フランジとガス透過性フィルムとの境界には突起を有しないため、ガス非透過性フィルムとガス透過性フィルムとの剥離の際や、収容部の圧力が高くなった際など、ガス透過性フィルムが上方に引っ張られる力がかかったとしても、フランジとガス透過性フィルムとのシール部における破損を防止することができる。
また、フラット部のシール幅寸法は、フランジの幅寸法よりも小さいため、ガス非透過性フィルムとガス透過性フィルムとの剥離に必要とする引っ張り力は、フランジの全面においてシールされた場合よりも少ない力でよい。そのため、ガス非透過性フィルムを容易に剥離することができると共に、剥離の際に、フランジとガス透過性フィルムとのシール部の破損を防止することができる。
このとき、フラット部は、フランジの全周に亘って連続した、環状にシールされていることが好ましい。このようにすることで、ガス透過性フィルムとガス非透過性フィルムとの剥離の際や、収容部の圧力が高くなった際など、ガス透過性フィルムが上方に引っ張られる力がかかったとしても、フランジとガス透過性フィルムとのシールを確実に行うことができ、シール部の破損を確実に防止することができる。
また、容器本体は、PET樹脂で形成されていてもよい。ここで、容器本体は、板状のPET樹脂を真空成形することで製造される。そのため、温度が上昇すると、容器本体の収容部が、収縮してシート状に戻ろうとする。これにより、収容部の容積が収縮し内部の圧力が高まり、フランジとガス透過性フィルムとを剥離する方向に力が働く。特に、夏場の車内等の高温になりやすい場所においては、上記の収縮が顕著に起こる。しかし、フランジとガス透過性フィルムとのシール部にフラット部を備えることで、シール強度が向上しているため、容器本体がPET樹脂で形成されていたとしても、容器本体の収縮によってフランジとガス透過性フィルムとのシール部における破損を確実に防止することができる。
さらに、フラット部のシール幅寸法とフランジの幅寸法との比率が1:20〜4:5であることが好ましい。このようにすることで、フラット部によって、フランジとガス透過性フィルムとのシールを十分なものとすることができると共に、ガス非透過性フィルムとガス透過性フィルムとの剥離を容易に行うことができる。
また、フラット部をフランジの複数個所に備えてもよい。このようにすることで、フランジに対して複数のフラット部でガス透過性フィルムがシールされるため、より確実にシールすることができる。ガス非透過性フィルムをガス非透過性フィルムから剥離する際には、剥離の開始点では、フランジの外周側のフラット部からフランジとガス透過性フィルムとのシール部を剥離するため、フランジの内周側のシール部を破損することはない。一方、剥離の終了前では、フランジの内周側のシール部から剥離が行われるが、フラット部のシール幅寸法は、フランジの幅寸法に比べるとより小さいため、剥離に必要とする引っ張り力はより小さくてよい。そのため、フランジとガス透過性フィルムとのシール部の破損を確実に防止することができ、収容部内の揮発性薬剤の漏れを確実に防止することができる。
さらに、収容部の開口の直径と収容部の深さとの比率が1:1〜10:1であることが好ましい。ここで、収容部の開口の直径に対して収容部の深さが浅いと、例えば、温度が上昇した際の容器本体の収縮による圧力は抑えられるが、収容部の容積が少なくなる。そのため、収容部の十分な容積を確保するためには、容器が大型化してしまう。また、収容部の開口の直径に対して収容部の深さが深いと、高温となった際の収縮時の圧力が増大するため、フランジとガス透過性フィルムとのシール部を破損する可能性が高くなる。そこで、フランジとガス透過性フィルムとのシール部にフラット部を備えると共に、収容部の開口の直径と収容部の深さとの比率を1:1〜10:1とすることにより、フランジとガス透過性フィルムとのシールを十分なものとすると共に、フランジとガス透過性フィルムとのシール部における破損を防止することができる。
以上のように、本発明によれば、ガス非透過性フィルムとガス透過性フィルムとの剥離が容易であると共に、フランジとガス透過性フィルムとのシール部における破損を防止する容器体を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる薬剤容器を示す斜視図である。 図1の薬剤容器の平面図である。 図1の薬剤容器の樹脂の構成を示す要部の断面図である。 図1の薬剤容器において、ガス非透過性フィルムを剥離した使用状態を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態にかかる薬剤容器を示す要部の平面図である。 (a)は本発明のさらに他の実施形態にかかる薬剤容器を示す要部の平面図であり、(b)は、(a)においてXで示す領域の要部拡大図である。 従来の容器体を示す図である。(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
以下、本発明にかかる薬剤容器の一実施形態を各図面に基づいて説明する。図1〜図3は、薬剤容器1を例示し、図1は斜視図、図2は平面図、図3は薬剤容器1の樹脂の構成を示す要部の断面図である。この薬剤容器1は、図1〜3に示すように、容器本体10と、容器本体10にシールされるガス透過性フィルム20およびガス非透過性フィルム30とを有する。なお、容器本体10の厚み寸法に対して、ガス透過性フィルム20およびガス非透過性フィルム30の厚み寸法はかなり小さいが、図3においては、容器本体10、ガス透過性フィルム20およびガス非透過性フィルム30の厚み寸法を誇張して示す。
図1に示すように、容器本体10は、上端に略円形の開口11を有し、内部に液状の揮発性薬剤を収容する収容部12と、収容部12の上端から外周側に張り出した略円形のフランジ13とを有する。フランジ13の一部には、さらに外周側に延出した延出部14が形成されている。また、フランジ13には、容器本体10の開口11を覆うガス透過性フィルム20がシール(図1にシール部15で示す)されている。ガス透過性フィルム20の上には、ガス非透過性フィルム30が剥離可能に積層されている(図3参照)。図示のように、シール部15は、フランジ13の全周に亘って連続した環状にシールされている。延出部14においても、フランジ13と同様に、ガス透過性フィルム20の上にガス非透過性フィルム30が積層されている。
図2に示すように、シール部15には、フランジ13の幅寸法よりも小さい幅寸法を有する平坦面によってシールされたフラット部15Aが形成されている。また、ガス透過性フィルム20とガス非透過性フィルム30のシール部15も、同様に、フランジ13の幅寸法よりも小さい幅寸法を有するフラット部15Aが形成されている(図3参照)。このように、フラット部15Aのシール幅寸法は、フランジ13の幅寸法よりも小さくなるように形成されている。なお、延出部14におけるシール部15は、エンボス加工によるエンボス加工部15Bが形成されている。
フランジ13と延出部14との境目には、シール部15の縁部に沿って、剥離開始部16が形成されている。剥離開始部16の中央には、延出部14の延出方向に突出する突出部16Aが形成されている。また、フランジ13と延出部14との境目には、突出部16Aの突出端部付近を横断して、延出部14の幅方向に延びる溝部17が形成されている。なお、フランジ13における剥離開始部16よりも外周側の領域と、延出部14におけるエンボス加工部15B以外の領域との間には、容器本体10、ガス透過性フィルム20およびガス非透過性フィルム30がシールされていない非シール領域18が形成されている。
延出部14は、フランジ13の直径よりも長い寸法を有しており、上述のようにガス透過性フィルム20およびガス非透過性フィルム30が、それぞれ積層されてエンボス加工によりシールされている(図1にエンボス加工部15Bで示す)。また、延出部14の延出方向の端部は、幅方向の寸法が若干広くなっており、引出部19(詳細は後述)が形成されている。また、引出部19には、エンボス加工によりシールすることで、引出方向を示す矢印形状のマーク19Aが形成されている。
ここで、薬剤容器1の製造方法について説明する。薬剤容器1は、真空成形工程、薬剤注入工程、フィルムシール工程、およびトリミング工程によって製造されている。真空成形工程では、シート状の樹脂を加熱し、真空成形することによって、容器本体10の収容部12を成形する。続いて、薬剤注入工程において、成形された容器本体10の収容部12に、香料等の揮発性薬剤2を収容する。さらに、フィルムシール工程においては、揮発性薬剤2が収容部12に収容された容器本体10に対して、積層されたガス透過性フィルム20およびガス非透過性フィルム30を、上方から加熱押圧してシールする。ここで、フランジ13におけるシールは、フラット加工によってシールする。その結果、図2に示すように、フランジ13のシール部15には、フラット部15Aが形成される。なお、延出部14においては、エンボス加工部15Bが形成されると共に、シールされていない剥離開始部16も同時に形成される。その後、トリミング工程において、図2に示すような形状に薬剤容器1をトリミングすると同時に、ハーフカットにより溝部17が形成される。
薬剤容器1の容器本体10、ガス透過性フィルム20およびガス非透過性フィルム30は、それぞれ複数の樹脂等が積層されている。詳しくは、図3に示すように、容器本体10は、PET(polyethylene terephthalate)樹脂10Aの上面にPE(polyethylene)樹脂10Bが積層されている。また、ガス透過性フィルム20は、収容部12に収容される揮発性薬剤2が気化したガスが透過可能なPE樹脂20Aから形成され、ガス非透過性フィルム30は、PP(polypropylene)樹脂30Aとガスを透過しないアルミ層30Bとが積層されており、ガス透過性フィルム20とガス非透過性フィルム30とをPE樹脂からなるラミネート層20Bが介在することで積層されている。
上述の薬剤容器1の製造方法のフィルムシール工程では、容器本体10のフランジ13の部分において、ガス透過性フィルム20およびガス非透過性フィルム30を積層した状態で加熱押圧する。すると容器本体10(フランジ13)のPE樹脂10Bとガス透過性フィルム20のPE樹脂20Aとがシールされる。ここで、容器本体10とガス透過性フィルム20とのシール面は、同じPE樹脂同士であるため、強固にシールする。一方、ガス透過性フィルム20とガス非透過性フィルム30との境界は、PE樹脂(ラミネート層20B)でありPP樹脂30Aとは異なる樹脂であるため、疑似的に積層されている。そのため、ガス透過性フィルム20のラミネート層20Bとガス非透過性フィルム30のPP樹脂30Aとの間の層間強度は、容器本体10とガス透過性フィルム20との層間強度に比べると弱いため、ガス透過性フィルム20とガス非透過性フィルム30とは、容易に剥離することができる。なお、図3には、シール部15として、フランジ13のPE樹脂10Bとガス透過性フィルム20のPE樹脂20Aとの間、およびガス透過性フィルム20のラミネート層20Bとガス非透過性フィルム30のPP樹脂30Aとの間に、それぞれフラット部15Aが形成されることを示しているが、実際は、ガス非透過性フィルム30およびガス透過性フィルム20はそれぞれ薄いため、図示のシール面だけでなく、各フィルムの厚み方向全体に対して、フラット部15Aが形成されている。
シール部15におけるフラット部15Aのシール幅寸法は、フランジ13の幅寸法よりも小さい(図3参照)。そのため、フラット部15Aにおけるシール力は、フランジ13の全面にフラットを15Aを形成した場合におけるシール力よりも弱くなる。そのため、ガス非透過性フィルム30とガス透過性フィルム20との剥離に必要とする引っ張り力は、フランジ13の全面にシール部15を形成した場合よりも小さい力でよく、ガス非透過性フィルム30を容易に剥離することができる。また、シール部15の端部がフラットとなり、突起が形成されることがないため、剥離の際に、ガス透過性フィルム20が突起によって破損するということはない。
ところで、上述のように、本実施形態における容器本体10の収容部12は、シート状のPET樹脂を真空成形することで形成されている。真空成形の際には、PET樹脂を加熱すると共に、収容部12を成形する領域を吸引することでPET樹脂を引き伸ばして成形する。そのため、容器本体10は、高温になると、PET樹脂が収容部12の深さ方向に収縮して、元のシート状態に戻るように変形しようとする。この変形によって、収容部12の容積が収縮し、収容部12に収容される揮発性薬剤2(図3参照)が、開口11に向けて押圧され、開口11を覆うガス透過性フィルム20をフランジ13から剥離する方向に圧力がかかる。特に、車で使用される場合には、高温になりやすいため、容器本体10の収縮が顕著に起こる恐れがある。
しかしながら、本実施形態にかかる薬剤容器1は、フランジ13とガス透過性フィルム20とのシール部15は、フラット部15Aで形成されているため、シール部15がエンボス加工で形成される場合とは異なり、フランジ13とガス透過性フィルム20との境界にはエンボス加工されたときに生じる突起がない。そのため、容器本体10がPET樹脂で形成されることで、容器本体10の収容部12が深さ方向に収縮することがあっても、ガス透過性フィルム20がエンボス加工による突起によって破損することはない。したがって、ガス透過性フィルム20の破損による、収容部12内の揮発性薬剤2の漏れを防止することができる。
薬剤容器1のフランジ13のシール部15は、フラット部15Aのシール幅寸法とフランジ13の幅寸法との比率を1:4とすることが好ましい。このようにすることで、ガス非透過性フィルム30を剥離する際の開封性を損なうことがなく、収容部12の内部の圧力が高くなった場合などで、ガス透過性フィルム20に上方へ引っ張られる力がかかったとしても、十分にシールされるため、ガス透過性フィルム20を破損することがない。なお、フラット部15Aのシール幅寸法とフランジ13の幅寸法との比率は、1:20〜4:5の範囲内であることがより好ましい。
また、本実施形態においては、薬剤容器1の収容部12の開口の直径と、収容部12の深さとの比率を3:2とすることが好ましい。収容部12の開口の直径に対して収容部12の深さが浅いと、収容部の容積が少なくなるため十分な容積を確保することができない。一方で、直径を大きくすると容器本体10が大型化してしまう。したがって、収容部12の開口の直径に対して収容部12の深さを深く形成することで、十分な容積を確保することができる。しかし、収容部12の深さを深く形成した場合には、温度が上昇した場合の収容部12の収縮が顕著となり、収容される揮発性薬剤2がガス透過性フィルム20を押圧する内部の圧力がより増加し、フランジ13とガス透過性フィルム20との境界部分を破損する可能性が高くなる。そこで、上記のような比率とすることで、薬剤容器1を適度な大きさとすると共に、フランジ13とガス透過性フィルム20とのシールを十分なものとして、フランジ13とガス透過性フィルム20との境界部分における破損、およびそれによる揮発性薬剤2の漏れを防止することが可能となる。なお、収容部12の開口11の直径と収容部12の深さとの比率は、1:1〜10:1の範囲内であることがより好ましい。
続いて、本発明の一実施形態にかかる薬剤容器1の使用方法について説明する。薬剤容器1は、ケーシング中(図示せず)に収納されて用いられている。詳しくは、図2に示す薬剤容器1の延出部14を溝部17で折り曲げて、延出部14が収容部12の開口11の上に重なるようにした状態でケーシングに収納される。また、ケーシングには、側部にスリット(図示せず)が形成され、該スリットより延出部14の引出部19が延出している。
薬剤容器1を使用する際には、ケーシングのスリットから延出した引出部19をマーク19Aの矢印方向に引っ張ることで、剥離開始部16からガス非透過性フィルム30が剥離される。より詳細には、引出部19を引っ張ることで、延出部14は溝部17において分離される。このとき、突出部16A(図2参照)において、延出部14と、ガス非透過性フィルム30およびガス透過性フィルム20とが強固に積層されているため、ガス非透過性フィルム30およびガス透過性フィルム20は、延出部14によって引出部19の引出方向に引っ張られる。そして、剥離開始部16において、ガス非透過性フィルム30とガス透過性フィルム20とが層間剥離する。
このとき、ガス非透過性フィルム30とガス透過性フィルム20との剥離は、剥離開始部16においては、シール部15のフラット部15Aの外周側から剥離が開始され、剥離が進行すると、続いてフラット部15Aの内周側が剥離される。ここで、フラット部15Aの内周側の剥離は、強い引っ張り力で剥離が行われたとしても、フラット部15Aの端部には突起がないため、ガス透過性フィルム20が破損して、収容部12内の揮発性薬剤2が漏れてしまうことはない。
さらに、引出部19を引っ張ることで、ガス非透過性フィルム30とガス透過性フィルム20とを剥離すると、延出部14と対向するフランジ13の内周側においては、フラット部15Aの内周側から先に剥離が行われる。このとき、上記と同様に、フラット部15Aの端部には突起がないため、フラット部15Aの端部(内周側)においてガス透過性フィルム20が破損する恐れはない。また、フラット部15Aのシール幅寸法は、フランジ13の幅寸法よりも狭いため、剥離に必要とする引っ張り力は、フランジ13の全面においてフラット部15Aによってシールされた場合に比べると、それほど強い力を必要としない。そのため、ガス透過性フィルム20を破損することなく、ガス非透過性フィルム30の剥離を進めることができる。
ガス非透過性フィルム30とガス透過性フィルム20とのシール部15が全て剥離されると、延出部14およびガス非透過性フィルム30が、ケーシングのスリットから排出されて、薬剤容器1が使用可能となる。このとき、ケーシング内部の薬剤容器1は、収容部12内の揮発性薬剤2が気化して、ガス透過性フィルムより揮散され得る状態となる。なお、この状態の薬剤容器1を図4に示す。図4に示すように、薬剤容器1は、収容部12のフランジ13にガス透過性フィルム20がシールされた状態であり、揮発性薬剤2が気化してガス透過性フィルム20から揮散する。このようにして、薬剤容器1が使用可能状態となると、薬剤容器1を収容したケーシングは、取付け部材等を介して車の送風口等に取付けられて、薬剤を揮散させて使用される。
以上述べてきたように、本発明の薬剤容器1は、フランジ13とガス透過性フィルム20とのシール部15は、フラット部15Aを備え、フラット部15Aのシール幅寸法は、フランジ13の幅寸法よりも小さいことを特徴とする。このようにすることで、ガス非透過性フィルム30とガス透過性フィルム20との剥離を容易に行うことができる。また、フランジ13とガス透過性フィルム20との境界には突起がないため、ガス非透過性フィルム30とガス透過性フィルム20との剥離の際のガス透過性フィルム20における破損を防止することができる。さらに、シール部15にフラット部15Aを備えているため、収容部12の圧力が高くなることでガス透過性フィルム20がフランジ13から剥離する方向に引っ張られる力がかかったとしても、ガス透過性フィルム20における破損を防止することができる。したがって、収容部12内の揮発性薬剤2が漏れることを防止することができる。
本発明の薬剤容器1の他の実施形態として、シール部15のフラット部を、フランジ13の複数個所に備えてもよい。本実施形態においては、図5に示すように、フランジ13の内周側と外周側の2箇所に、それぞれフラット部を形成する。図示においては、フランジ13の外周側のフラット部を15Cで示し、内周側のフラット部を15Dで示す。このようにすることで、フランジ13に対して、複数のフラット部15C、15Dでガス透過性フィルム20がシールされるため、より確実にシールすることができる。なお、収容部12の形状および延出部14については、上記の実施形態と同様である。
このとき、ガス非透過性フィルム30をガス透過性フィルム20から剥離する際には、剥離の開始点では、フランジ13の外周側のフラット部15Cに規制される剥離開始部16から剥離が開始する。そのため、フランジ13の内周側のフラット部15Dを破損することはない。剥離が進行すると、続いて、フランジ13の内周側のフラット部15Dが剥離される。剥離の終了前では、フラット部15Dの内周側から剥離が行われるが、フラット部15Dのシール幅寸法は、フランジ13の幅寸法に比べるとより小さいため、剥離に必要とする引っ張り力はより小さくてよい。そのため、剥離によるフランジ13とガス透過性フィルム20とのシール部の破損を確実に防止することができる。従って、薬剤容器1の収容部12に収容される揮発性薬剤2の漏れを確実に防止することができる。
なお、上記実施形態においては、フランジ13のシール部15として、複数のフラット部15C、15Dを形成し、フランジ13の外周側のフラット部15Cと、内周側のフラット部15Dとのシール幅寸法を同じ寸法にしたが、これに限ることはなく、シール幅寸法を異ならせてもよい。特に、フランジ13の内周側のフラット部15Dのシール幅寸法を外周側のフラット部15Cのシール幅寸法よりも小さくすると、ガス非透過性フィルム30の剥離の終了前において、フラット部15Dの内周側から剥離が行われる際に、剥離に必要とする引っ張り力をより小さくすることができる。
さらに、図6(a)に示すように、フランジ13の外周側のフラット部15Cを、エンボス加工によるエンボス加工部15C1としてもよい。これによって、ガス非透過性フィルム30とガス透過性フィルム20との剥離に要する力をより低減させることができる。なお、このとき、エンボス加工部15C1は、格子状に形成されるため、エンボス加工部15C1の端部は、エンボス加工による突起15C2が三角形状に形成される(図6(b)参照)。しかしながら、フランジ13の内周側のシール部15がフラット部15D1であるため、ガス非透過性フィルム30の剥離の際に、ガス透過性フィルム20が突起15C2によって破損することはない。
また、上記実施形態においては、容器本体10の収容部12の開口11およびフランジ13の形状を円形としたが、これに限ることはなく、楕円形や、多角形等の形状としてもよい。また、容器本体10の形状も、ケーシングの形状に合わせて適宜設定することができる。
さらに、上記実施形態においては、薬剤容器1の収容部12に収容される揮発性薬剤2として液状の薬剤を用いる例を示したが、これに限ることはなく、ゲル状や固体状であってもよい。また、薬剤として、香料を用いる例を示したが、殺虫成分等であってもよい。さらに、薬剤容器1は、車中で使用される場合の例を示したが、これに限ることはなく、部屋、玄関、トイレ、ごみ箱内等に設置して使用される薬剤容器1であってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内の全ての変更を含む。
1 薬剤容器
10 容器本体
11 開口
12 収容部
13 フランジ
15 シール部
15A フラット部
20 ガス透過性フィルム
30 ガス非透過性フィルム

Claims (6)

  1. 上端に開口を有し揮発性薬剤が収容される収容部と、前記収容部の上端から外周側に張り出したフランジとを有する容器本体と、
    前記容器本体のフランジにシールされ、前記容器本体の開口を覆うガス透過性フィルムと、
    前記ガス透過性フィルムの上面に剥離可能に積層されるガス非透過性フィルムと、を備えた薬剤容器であって、
    前記容器本体は、さらに、前記フランジの一部から外周側に延出した延出部と、前記延出部の幅方向に延びた溝部とを備え、前記延出部は、前記溝部で前記容器本体から分離可能であり、
    前記フランジと前記ガス透過性フィルムとのシール部、および、前記フランジにおける前記ガス透過性フィルムと前記ガス非透過性フィルムとのシール部は、フラット加工によってシールされたフラット部を備え、
    前記フラット部のシール幅寸法は、前記フランジの幅寸法よりも小さく、かつ、前記ガス透過性フィルムと前記ガス非透過性フィルムとのシール部の剥離強度は、前記フランジと前記ガス透過性フィルムとのシール部の剥離強度よりも弱く、
    前記フランジと前記延出部との境目の部分には、前記両シール部の外周縁部に沿って剥離開始部が形成され、前記剥離開始部の円周方向中央部には、前記溝部を超えて前記延出部まで延びた突出部が形成され、前記剥離開始部の外周側の領域には、前記容器本体、前記ガス透過性フィルムおよび前記ガス非透過性フィルムがシールされていない非シール領域が形成され、
    前記延出部を引っ張ることにより、前記延出部を前記溝部で前記容器本体から分離すると共に、前記延出部を介して前記剥離開始部の突出部を引っ張り、前記ガス非透過性フィルムと前記ガス透過性とを前記剥離開始部から層間剥離させて、前記ガス非透過性フィルムを前記ガス透過性から剥離することを特徴とする薬剤容器。
  2. 前記シール部は、前記フランジの全周に亘って連続した環状にシールされていることを特徴とする請求項1に記載の薬剤容器。
  3. 前記容器本体は、PET樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤容器。
  4. 前記フラット部のシール幅寸法と前記フランジの幅寸法との比率が1:20〜4:5であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬剤容器。
  5. 前記フラット部を、前記フランジの複数個所に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬剤容器。
  6. 前記収容部の開口の直径と前記収容部の深さとの比率が1:1〜10:1であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬剤容器。
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