JP6559085B2 - 水性組成物およびコーティング剤 - Google Patents
水性組成物およびコーティング剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6559085B2 JP6559085B2 JP2016059392A JP2016059392A JP6559085B2 JP 6559085 B2 JP6559085 B2 JP 6559085B2 JP 2016059392 A JP2016059392 A JP 2016059392A JP 2016059392 A JP2016059392 A JP 2016059392A JP 6559085 B2 JP6559085 B2 JP 6559085B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ether compound
- monoglycidyl ether
- glycidyl ether
- carboxyl group
- polyurethane resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
本発明において、ポリウレタン樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートとの反応物であれば、特に限定されない。例えば、従来公知の方法で製造することができ、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオール、イソシアネート化合物およびカルボキシル基含有化合物を反応させ、カルボキシル基を中和することでウレタンプレポリマー(a)を得、水または/およびポリアミンで鎖伸長反応することにより得られる。
本発明のモノグリシジルエーテル化合物(B)としては、下記式(1)で表される化合物であれば特に限定されない。モノグリシジルエーテル化合物(B)を含有することによって、1分子中に2以上のグリシジル基を有する化合物を使用する場合と比較して、保存安定性、皮膜の耐食性、および加工性が向上する効果が得られる。このメカニズムについては明らかではないが、モノグリシジルエーテル化合物のグリシジル基は、水性組成物中では未反応のまま存在していると考えられ、皮膜の表面に比較的疎水性のモノグリシジルエーテル化合物を集積することができる。塗布後の加熱により、グリシジル基はポリウレタン樹脂のカルボン酸と反応するが、モノグリシジルエーテル化合物はポリウレタン主鎖に絡まることも少なく、硬化後も膜の疎水性が維持される。そのため、皮膜の耐アルカリ性、耐食性が十分なものとなる。
本発明におけるカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(A)およびモノグリシジルエーテル化合物(B)の含有量としては、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(A)/モノグリシジルエーテル化合物(B)=100/0.5〜6(質量比)であることが好ましく、100/1〜5(質量比)であることがより好ましい。これらの範囲であれば保存安定性が良好であり、皮膜の耐アルカリ性、耐食性、および加工性の観点からも好ましい。
本発明の水性組成物の製造方法としては少なくとも、
(1)ウレタンプレポリマー(a)を合成する工程、
(2)ウレタンプレポリマー(a)にモノグリシジルエーテル化合物(B)を添加する工程、
(3)モノグリシジルエーテル化合物(B)添加と同時またはその後に、乳化工程、
および、(4)前記乳化物を鎖伸長しカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(A)を得る工程、
を有する。
(保存安定性)
本発明の水分散体の実施例記載方法による保存安定性は沈殿などが生じないことが好ましく、沈殿が生じず、増粘しないことがより好ましい。
(耐アルカリ性)
本発明の水分散体から得られる皮膜の耐アルカリ性は、実施例記載方法において、一部で変色あり、または殆ど変色がないことが好ましく、殆ど変色がないことがより好ましい。
(耐食性)
本発明の水分散体から得られる皮膜の耐食性は、実施例記載方法において、錆発生率50%未満であることが好ましく、錆発生率10%未満であることがより好ましい。
(加工性)
本発明の水分散体から得られる皮膜の加工性は、実施例記載方法において、有機皮膜の割れが確認されないことが好ましい。
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコにポリカーボネートポリオール(商品名:ETERNACOLL UH−100、宇部興産株式会社製)40.7重量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール8.8重量部、ジメチロールプロピオン酸5.1重量部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート45.3重量部、メチルエチルケトン90重量部、N−メチルピロリドン30重量部を加え、75℃で2時間反応させて、ポリウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液の不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量は2.6%であった。次に、この溶液を45℃まで冷却してトリエチルアミン3.9重量部を添加することにより中和させた後、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(商品名:エポゴーセー2EH、四日市合成製)1.8重量部を添加し、水210重量部を徐々に加えながらホモジナイザーを使用して乳化反応をさせた。得られた乳化分散体に、エチレンジアミン1.8重量部を水38重量部に溶解した水溶液を添加して1時間反応させた後、反応溶媒であるメチルエチルケトンを減圧蒸留することにより、不揮発分(固形分)濃度が30重量%である水性組成物を得た。
モノグリシジルエーテル化合物(B)および相当品(B’)の種類および量を表1の処方に変更した以外は、実施例1と同様の方法で合成を行った。使用した原料のうち、モノグリシジルエーテル化合物(B)および相当品(B’)としては、セチルグリシジルエーテル(CE−EP、四日市合成社製)、ブチルグリシジルエーテル(DY−BP、四日市合成社製)、およびネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル (デナコールEX−211、ナガセケムテックス社製)を使用した。
得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を、あらかじめ表面をイソプロパノールで脱脂した電気亜鉛メッキ鋼板(商品名:ノンクロメート処理 ユニジング、太佑機材株式会社製)に乾燥膜厚3μmになるように塗布し、120℃の乾燥機を用いて到達板温80℃まで焼き付けて試験片を作成した。
各試験片を1%NaOH水溶液に常温で5時間浸漬した後、その外観変色を観察し、以下のように評価した。
○:殆ど変色なし。
△:一部で変色あり。
×:変色多い。
得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を、あらかじめ表面をイソプロパノールで脱脂した電気亜鉛メッキ鋼板(商品名:ノンクロメート処理 ユニジング、太佑機材株式会社製)に乾燥膜厚3μmになるように塗布し、120℃の乾燥機を用いて到達板温80℃まで焼き付けて試験片を作成した。
各試験片について、塩水噴霧試験を用いて錆発生の有無を目視にて確認し、以下のように評価した。
○:錆発生率10%未満
△:錆発生率10%以上〜50%未満
×:錆発生率50%以上
得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を40℃の恒温槽に保管し、1ヶ月後の変化を目視にて確認し、以下のように評価した。
○:ゲル化あるいは沈殿が生じず、増粘しない。
△:ゲル化あるいは沈殿が生じないが、増粘する。
×:ゲル化あるいは沈殿が生じる。
得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を、あらかじめ表面をイソプロパノールで脱脂した電気亜鉛メッキ鋼板(商品名:ノンクロメート処理 ユニジング、太佑機材株式会社製)に乾燥膜厚3μmになるように塗布し、120℃の乾燥機を用いて到達板温80℃まで焼き付けて試験片を作成した。
各試験片についてJIS Z2248に準拠し、試験板を室温で180°に折り曲げる1T曲げを行い、このときの曲げ加工部頂部を目視で観察し、以下のように評価した。
○:有機皮膜の割れが確認されない
×:有機皮膜の割れが確認される
Claims (1)
- 少なくとも、
(イ)ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールから選択される少なくとも1種、(ロ)4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−トおよびイソホロンジイソシアネ−トから選択された少なくとも1種および(ハ)ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、乳酸およびグリシンから選択された少なくとも1種を反応させて重合体を得た後、前記重合体のカルボキシル基を中和することによりウレタンプレポリマー(a)を合成する工程、
前記ウレタンプレポリマー(a)に一般式(1)で表されるモノグリシジルエーテル化合物(B)を添加する工程、
前記モノグリシジルエーテル化合物(B)の添加と同時またはその後に、前記ウレタンプレポリマー(a)とモノグリシジルエーテル化合物(B)の混合物を乳化して乳化物を得る工程、
並びに、前記乳化物に含まれるウレタンプレポリマー(a)を水または/およびポリアミンで鎖伸長し、中和されたカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(A)およびモノグリシジルエーテル化合物(B)を含有する水性組成物を得る工程、
を有する水性組成物の製造方法であって、
前記中和されたカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(A)の酸価が10〜50mgKOH/gであり、
前記モノグリシジルエーテル化合物(B)が一般式(1)で表されるものであり、
中和されたカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(A)/モノグリシジルエーテル化合物(B)=100/0.5〜6(質量比)である、
水性組成物の製造方法。
(式中、R1は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016059392A JP6559085B2 (ja) | 2016-03-24 | 2016-03-24 | 水性組成物およびコーティング剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016059392A JP6559085B2 (ja) | 2016-03-24 | 2016-03-24 | 水性組成物およびコーティング剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017171782A JP2017171782A (ja) | 2017-09-28 |
JP6559085B2 true JP6559085B2 (ja) | 2019-08-14 |
Family
ID=59973686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016059392A Active JP6559085B2 (ja) | 2016-03-24 | 2016-03-24 | 水性組成物およびコーティング剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6559085B2 (ja) |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4916050B2 (ja) * | 2000-08-30 | 2012-04-11 | 株式会社Adeka | 化粧パフの製造方法 |
JP2003231733A (ja) * | 2002-02-08 | 2003-08-19 | Konishi Co Ltd | 1液型のエポキシ系水性樹脂組成物、および該水性樹脂組成物を含有する1液型のエポキシ系水性接着剤及び水性コーティング剤 |
JP4536405B2 (ja) * | 2004-03-24 | 2010-09-01 | 三菱樹脂株式会社 | 樹脂シート積層金属板 |
JP4551847B2 (ja) * | 2005-09-09 | 2010-09-29 | 株式会社神戸製鋼所 | 樹脂塗装金属板 |
JP5465371B2 (ja) * | 2007-06-04 | 2014-04-09 | 株式会社Adeka | 化粧パフ製造用アニオン性水系ポリウレタン樹脂組成物及び化粧パフの製造方法 |
JP4466703B2 (ja) * | 2007-09-13 | 2010-05-26 | Dic株式会社 | 水性樹脂組成物及びそれを含むコーティング剤 |
JP5183586B2 (ja) * | 2008-08-12 | 2013-04-17 | 日本パーカライジング株式会社 | プライマー兼用水系塗装下地処理剤、表面処理金属材料及びプレコート金属材料 |
JP5702399B2 (ja) * | 2009-11-23 | 2015-04-15 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company | ポリウレタン分散剤をベースとする被架橋顔料分散系 |
JP2013151666A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-08-08 | Sanyo Chem Ind Ltd | ポリウレタン樹脂 |
JP2013227528A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-11-07 | Sanyo Chem Ind Ltd | ポリウレタン系樹脂水性分散体 |
JP5928155B2 (ja) * | 2012-05-22 | 2016-06-01 | Dic株式会社 | 水性複合樹脂組成物及びそれを用いたコーティング剤及び該コーティング剤の塗膜を有する物品 |
-
2016
- 2016-03-24 JP JP2016059392A patent/JP6559085B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017171782A (ja) | 2017-09-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4919799B2 (ja) | 金属材料表面処理用水系塗料組成物 | |
KR101791283B1 (ko) | 수성 음이온 폴리우레탄 분산액 | |
EP1865010B1 (en) | Water dispersible polyurethane composition | |
KR20150099596A (ko) | 수성 폴리우레탄 수지 분산체 및 그의 용도 | |
KR101649759B1 (ko) | 에폭시기를 함유한 수분산 폴리우레탄의 제조방법 | |
JP5596363B2 (ja) | カルボニル基含有ウレタンウレア樹脂の水分散体 | |
US20080171831A1 (en) | Water Dispersible Polyurethane Composition | |
US10550284B2 (en) | Aqueous based polyurethane/acrylate hybrid dispersions | |
JP6132480B2 (ja) | 変性ウレタン樹脂、その水分散体、及び該水分散体を含む水性塗料組成物 | |
US6649693B2 (en) | Polyurethane and water-compatible polyurethane resin | |
JP6559085B2 (ja) | 水性組成物およびコーティング剤 | |
US9120924B2 (en) | Aqueous thermosetting composition | |
JP6604716B2 (ja) | 水性樹脂組成物、水性樹脂組成物の製造方法およびコーティング剤 | |
JP2005015626A (ja) | 一液性水系ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有する水性樹脂組成物 | |
KR20040104132A (ko) | 코팅용 수성 폴리우레탄 수지, 이의 제조방법 및 이의 제품 | |
JP2018062634A (ja) | ポリイソシアネート組成物、ブロックポリイソシアネート組成物、親水性ポリイソシアネート組成物、塗料組成物、及び塗膜 | |
KR100911174B1 (ko) | 표면처리용 난연성 폴리우레탄 수지 조성물 및 그의제조방법 | |
KR101809494B1 (ko) | 수분산형 폴리우레탄 제조용 조성물, 및 이로부터 제조된 수분산형 폴리우레탄 | |
KR101809513B1 (ko) | 수분산형 폴리우레탄 전구체 조성물, 및 이로부터 제조된 수분산형 폴리우레탄 | |
JP7481424B1 (ja) | ポリウレタン樹脂の水系分散体、及びその製造方法 | |
JP6355123B2 (ja) | ウレタン樹脂及びそのエマルジョン | |
JPH1060073A (ja) | 水性ポリイソシアネート及び水性塗料組成物 | |
CN108864919B (zh) | 复合体、水性树脂组合物及涂料 | |
JP2011126945A (ja) | 水性ポリウレタン樹脂組成物並びにそれを用いた水性塗料組成物 | |
KR20170081510A (ko) | 에폭시기를 함유한 수분산 폴리우레탄 아크릴 에멀젼의 제조방법 및 이 방법에 의해 제조된 에폭시기를 함유한 수분산 폴리우레탄 아크릴 에멀젼 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181105 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20181105 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20190206 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190206 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190212 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190408 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190507 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190620 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190702 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190716 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6559085 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |