まず、本実施形態に係る貯湯タンクユニット1Aを備えた給湯器Kについて図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る貯湯タンクユニットを備えた給湯器を示す全体構成図である。
図1に示すように、給湯器Kは、貯湯タンクユニット1A、ヒートポンプユニット10を含んで構成されている。
貯湯タンクユニット1Aは、貯湯タンク2、外箱3A、内脚(脚部)4、真空断熱材5、発泡断熱材6を含んで構成されている。
貯湯タンク2の下部には、水道水が導入される給水管11(配管)が接続されている。貯湯タンク2の下部の水は、ポンプ(不図示)によって入水管12(配管)を介してヒートポンプユニット10に導入される。ヒートポンプユニット10で加熱された温水は、出湯管13を介して貯湯タンク2の上部に導入される。
このような貯湯タンク2内の温水の温度は、例えば、鉛直方向下方から上方にいくにしたがって高くなる。すなわち、貯湯タンク2内の下部から上部にかけて、相対的に低温、中温、高温の温度分布となっている。例えば、貯湯タンク2内の上部で約90℃、中間部で約50℃となっている。
ヒートポンプユニット10は、貯湯タンク2から取り出した水を沸き上げるものであり、例えば、冷媒(例えば、二酸化炭素)を圧縮して高温・高圧にする圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒と貯湯タンク2からの水とを熱交換することによって貯湯タンク2からの水を加熱する凝縮器と、凝縮器からの冷媒を減圧する減圧弁と、大気中の熱を吸熱して減圧した冷媒を蒸発させる蒸発器と、を備えて構成されている。なお、本実施形態では、加熱手段として、ヒートポンプユニット10を例に挙げて説明したが、加熱手段として、電気ヒータやガスで加熱するものであってもよい。
貯湯タンク2の上部から取り出された湯は、給湯管14を通り、給水管11に分岐して接続された分岐給水管(不図示)からの水と、混合弁16を介して混合された後、給湯管17を介して給湯端末18から出湯される。なお、本実施形態では、貯湯タンク2内部の湯を給湯端末18に使用する場合を例に挙げて説明したが、貯湯タンク2の湯を給湯端末の湯として使用せずに給水された水を熱交換(加熱)するための熱媒体として使用するタイプの貯湯タンクユニット(直圧給湯式)に適用するものであってもよい。
外箱3Aは、貯湯タンク2を収容する空間を有し、前方(正面側)に配管カバー3sが取り付けられている。配管カバー3sは、ヒートポンプユニット10から貯湯タンク2に向かう出湯管13、分岐給水管(不図示)、混合弁16、給湯管17などを収容する空間を有している。
図2は、第1実施形態に係る貯湯タンクユニットの内部を示す斜視図である。なお、図2は、外箱3Aの前面側を切り欠いた状態を示し、また各種配管の図示を省略している。
図2に示すように、貯湯タンク2は、例えば、ステンレス鋼などの材料によって、円筒形状の胴板2a、胴板2aの上部開口を覆う略お椀状(半球状、器状)の上部鏡板2b、胴板2aの下部開口を覆う略お椀状(半球状、器状)の下部鏡板2c、の3部材を溶接することで構成されている。
また、貯湯タンク2は、3本の内脚4(4A),4(4B),4(4C)を介して外箱
3Aの底板3eに支持されている。また、各内脚4の下端は、ボルトなどで外箱3Aの底板3eに固定されている。なお、内脚4の本数は、3本に限定されるものではなく、4本以上であってもよい。
また、貯湯タンク2の外面(前面)には、上下方向に間隔を置いて温度センサT1,T2(サーミスタ)が設けられている。上側の温度センサT1は、貯湯タンク2の上部の温度である沸き上げ温度を検出するものである。下側の温度センサT2は、貯湯タンク2の中間部の中温水の温度を検出するものである。なお、温度センサT1,T2の個数は、本実施形態に限定されるものではなく、貯湯タンク2の上部だけではなく、貯湯タンク2の上部から下部にかけて3個以上の温度センサが設けられる構成であってもよい。
外箱3Aは、貯湯タンク2を収容する鋼板製のものであり、貯湯タンク2の、前方に位置する前板3a(図1参照)、側方に位置する側板3b,3b、後方に位置する後板(背板)3c(図1参照)、上方に位置する上板(天板)3dおよび下方(底側)に位置する底板3eによって縦長の四角箱状に構成されている。
配管カバー3sは、外箱3Aの前方に設けられ、外箱3Aの前板3a(図1参照)の上端から下端までの全体を覆う形状を有している。また、配管カバー3sの高さおよび幅(左右方向)は、外箱3Aの高さおよび幅と同様に構成されている。これにより、外箱3Aに配管カバー3sが取り付けられた状態では、外観視において縦長の直方体形状を呈するようになっている。
また、外箱3Aの前板3aの下部には、発泡断熱材6(図1参照)を注入するための1つ目の注入口8が外箱3Aの内部と連通するように前板3aを貫通して形成されている。また、外箱3Aの前板3aの上部にも、発泡断熱材6を注入するための2つ目の注入口9が外箱3Aの内部と連通するように前板3aを貫通して形成されている。なお、注入口8,9は、発泡断熱材6(図1参照)を注入する際に必要な孔であり、発泡断熱材6の注入・発泡後に蓋(カバー)などで閉じられるものである。図2では、注入口8、9を前板3aの対角位置に設けているが、本発明はこの配置に限定されるものではなく、一方の注入口を上方側に設け、他方の注入口を下方側に設ける構成であっても良い。
発泡断熱材6は、発泡スチロールのような予め成形された断熱材(成形断熱材)ではなく、貯湯タンク2と外箱3Aとの間の発泡断熱空間に液状の断熱材を注入し、注入後に発泡させることで構成されるものである。この発泡断熱材6としては、例えば、硬質ポリウレタンフォームが用いられる。この硬質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分とイソシアネート成分の2つのウレタン原液を、発泡剤、触媒、整泡剤の存在下で反応させることにより得られるものである。発泡剤としては、シクロペンタン、水、炭酸ガスなどである。なお、発泡断熱材6は、硬質ポリウレタンフォームに限定されるものではない。
内脚4は、L字状に曲げ形成されたもの(いわゆるL型アングル)であり、下部鏡板2cの上方から底板3eに向けて貯湯タンク2の軸方向に沿って延在するように配置されている。また、内脚4は、脚受部4aを有し、この脚受部4aが貯湯タンク2の外面に溶接によって固定されている。この脚受部4aは、L字状に曲げ形成されたものであり、内脚4の上部が挿入されるように構成されている。内脚4は、複数のボルトBTを介して脚受部4aに固定されている。
また、各内脚4は、120度間隔で貯湯タンク2の周囲に配置されており、一の内脚4(4A)が貯湯タンク2の前端部(最も前方に位置する部分)に配置され、他の内脚4(4B,4C)が貯湯タンク2の左右斜め後方を向くように配置されている。
底板3eの下面には、各内脚4に対応する位置に外脚7が固定されている。この外脚7は、アンカーボルト(不図示)などを介して設置箇所Gに固定されている。
真空断熱材5は、シート状のものであり、貯湯タンク2の胴板2aの周囲に巻かれている。また、真空断熱材5は、グラスウールなどのガラス繊維からなるコア材、このコア材を包む外包材などで被覆して、外包材の内部が真空引きされることで構成されている。外包材は、ガスバリア性を有するアルミニウム製のラミネートフィルムなどで構成されている。
また、真空断熱材5は、その周方向の長さが貯湯タンク2の全周の長さよりも短く形成され、貯湯タンク2と重ならない非重ね部5aに温度センサT1,T2が位置するようにして貯湯タンク2に巻かれている。このようにするのは、温度センサT1,T2に不具合が生じたときに、温度センサT1,T2の交換を容易にするためである。
図3は、貯湯タンクユニットを注入口側から見た平面図、図4は、第1実施形態に係る貯湯タンクユニットを貯湯タンクの底側から見たときの断面図である。なお、図3および図4は、発泡断熱材6(図1参照)を注入する前の状態を示している。
図3に示すように、貯湯タンク2の下部においては、注入口8,8側を通して外箱3Aの後板3cを見たときに、内脚4(4A)が幅方向の中央部に位置し、他の内脚4,4(4B,4C)が幅方向の略両端に位置している。また、給水管11および入水管12が、貯湯タンク2の中心側から外周側(図示鉛直方向の手前側)に向けて底板3eの近傍を通り、内脚4(4A)に沿って上方に向けて配設されている。
また、外箱3Aの側板3bと貯湯タンク2との間には、隙間s1,s1が形成されている。この隙間s1,s1にも発泡断熱材6が充填されるようになっている。ところで、貯湯タンク2が側板3bに直接に接していると、貯湯タンク2内の熱が外箱3Aを通して貯湯タンクユニット1Aの外部に逃げるおそれがある。しかし、外箱3Aの側板3bと貯湯タンク2との間に隙間s1を確保することで、熱の漏えいを抑制できるので、給湯器1としての効率が低下するのを抑制できる。なお、隙間s1は、熱の漏えいを抑えることができる程度の最小限の距離に設定することで、貯湯タンクユニット1Aをコンパクトに構成することが可能になる。
一方の注入口8は、貯湯タンク2、内脚4B、入水管12および内脚4Aのすべてから外れた位置に形成され、注入口8を介して外箱3Aの後板3c(奥)を見通すことができる位置に形成されている。換言すると、注入口8から見たときの平面視において、注入口8は、貯湯タンク2、内脚4B、入水管12および内脚4Aと重ならない位置に形成されている。
貯湯タンク2の上部においては、注入口9側から外箱3A内を見たときに、出湯管13および給湯管14が、貯湯タンク2の中心側から外周側(図示鉛直方向の手前側)に向けて上部鏡板2bに沿って、正面側(配管カバー3s側)に向けて延びている。また、給湯器Kが浴槽(不図示)を備えものでは、貯湯タンク2内に追焚き用の熱交換器HEが設置され、その熱交換器HEに接続される浴槽戻り管15が貯湯タンク2の上部に接続されている。この浴槽戻り管15も、前記出湯管13や給湯管14と同様に、貯湯タンク2の中心側から正面側(配管カバー3s側)に向けて延びている。
注入口9は、貯湯タンク2、出湯管13、給湯管14および浴槽戻り管15から外れた位置に形成され、注入口9を通して外箱3Aの後板3cを見通すことができる位置に形成されている。換言すると、注入口9から見たときの平面視において、注入口9は、貯湯タンク2、出湯管13、給湯管14および浴槽戻り管15と重ならない位置に形成されている。
図4に示すように、注入口8を鉛直方向上向きにした状態で、注入口8から発泡断熱材6が鉛直方向下方に向けて注入される。つまり、注入口8が鉛直方向の上側となり、外箱3の後板3cが底側となる。
ところで、注入口8から発泡前の発泡断熱材6(液状のもの)を注入したときに、発泡断熱材6が外箱3Aの後板3cに到達する途中で内脚4などの他の部材に接触すると、内脚4などの他の部材において発泡が開始されることになり、他の部材の後ろ側に発泡断熱材6が行き渡らなくなるおそれがある。そこで、本実施形態では、注入口8から発泡前の発泡断熱材6(液状)を鉛直方向下方に向けて注入したときに、発泡断熱材6が貯湯タンク2、内脚4A,4B,4C、給水管11および入水管12に接触することなく、外箱3Aの後板3cの内壁面3c1に到達するようにしたものである。これにより、発泡断熱材6を底側から上方に向けて発泡させることができ、貯湯タンク2と外箱3Aとの間の隙間全体に発泡断熱材6を行き渡らせることができる。
なお、注入口9から発泡断熱材6を注入する場合においても注入口9から注入された発泡断熱材6が、貯湯タンク2、出湯管13、給湯管14および浴槽戻り管15に接触することなく外箱3Aの後板3cの内壁面3c1に到達するようになっている。これにより、発泡断熱材6を底側から上方に向けて発泡させることができ、貯湯タンク2と外箱3Aとの間の隙間全体に発泡断熱材6を行き渡らせることができる。
また、図3において、一般的に出湯口14は貯湯タンク内のお湯をすべて取り出せるように貯湯タンクの上端部に配置され、また、内脚3Aも貯湯タンク中心軸上に配置されることより、注入口8,9は注入口8,9を通して外箱3Aの後板3cを見通すことができるよう、貯湯タンク中心軸に対してそれぞれ左右に配置することで、発泡断熱材が最終充填部に対してバランスよく行き渡るため、未充填部が発生しにくくなる。図3において、注入口8を左側、注入口9を右側に配置しているがこれは逆でも同様の効果が得られる。
また、外箱3Aの後板3cと貯湯タンク2との間には、隙間s2が形成されている。この隙間s2にも発泡断熱材6が充填されるようになっている。また、外箱3Aの前板3aと貯湯タンク2との間にも隙間s3が形成されている。このように、隙間s2,s3を確保することで、熱の漏えいを抑制できるので、給湯器1としての効率が低下するのを抑制できる。なお、隙間s2,s3は、熱の漏えいを抑えることができる程度の最小限の距離に設定することで、貯湯タンクユニット1Aをコンパクトに構成することが可能になる。
図5(a)は注入時の発泡断熱材の流れを示す図、図5(b)は、注入完了後の発泡断熱材の状態を示す図、図5(c)は発泡途中の状態を示す図である。
図5(a)に示すように、配管カバー3s(図1参照)を取り付ける前に、貯湯タンク2を内脚4A,4B,4Cで外箱3A内に固定したものを、外箱3Aを横倒しにして、外箱3Aの使用時の上下が水平方向、かつ、前板3aを上向きとして、注入口8,9が上向きとなる状態にする。そして、外箱3Aを横倒しにした状態において、外箱3Aの周囲を発泡管理治具(やとい、ともいう)30で覆う(図5の二点鎖線参照)。発泡管理治具30は、外箱3Aの周囲全体を取り囲み、前板3a、側板3b,3b、後板3c、上板3d、底板3eのすべてを押し付ける板状の治具を備えている。そして、発泡管理治具30の外側から、注入口8,9に対応する位置に予め形成されたノズル31を注入口8,9に挿し込んで、注入口8,9から液状の発泡断熱材6を注入する。
これにより、注入口8A,8Bから注入された液状の発泡断熱材6は、貯湯タンク2、内脚4A,4B,4C、給水管11、入水管12に邪魔されることなく、底側(後板3c)の内壁面3c1に到達する。そして、発泡断熱材6は、後板3cの内壁面3c1に沿って広がり、図5(b)に示すように、内壁面3c1の一面に所定の深さで広がる。なお、発泡断熱材6を注入する深さは、発泡断熱材6の発泡倍率に応じて適宜変更することができる。なお、ここでは、注入口8、9を前板3aの上方と下方の対角に設けているため、注入口8から注入された発泡断熱材6と注入口9から注入された発泡断熱材9は、発泡断熱空間の長手方向の略中央高さで合流する。すなわち、異なる注入口から注入された発泡断熱材9の境界が貯湯タンク2の長手方向の略中央に位置する一方、貯湯タンク2の上半身、下半身の各々は、境界のない一体の断熱材9で覆われることになる。貯湯タンク2の上方には高温の湯水が蓄えられるが、ここが一体の断熱材9で覆われるため、高い断熱性能を得ることができる。
その後に発泡断熱材6が発泡を開始して、図5(c)に示すように、外箱3Aの後板3c側(図示下側、底側)から前板3a側(図示上側)に向けて徐々に発泡する。そして、発泡断熱材6が前板3aの内壁面3a1まで発泡し、外箱3Aと貯湯タンク2との間の隙間全体が発泡断熱材6で満たされる。このとき、発泡管理治具30によって外箱3Aの外面全体が抑えつけられているので、発泡断熱材6が発泡するときの発泡圧力によって外箱3Aが膨らむ(変形する)のを防止することができる。そして、発泡断熱材6は、発泡が完了した後に硬化する。
図6は、貯湯タンクユニットの横断面図である。
図6においてドット表示で示すように、発泡断熱材6は、貯湯タンク2に巻かれた真空断熱材5と外箱3Aとの間に設けられている。
また、貯湯タンクユニット1Aの前部においては、外箱3Aと該外箱3Aに最も接近する貯湯タンク2との間に隙間s3が形成され、この隙間s3に発泡断熱材6が充填されている。また、貯湯タンク2の真空断熱材5が巻かれていない非重ね部5aにも発泡断熱材6が充填されている。
また、貯湯タンクユニット1A内の両側部においては、外箱3Aと該外箱3Aに最も接近する真空断熱材5との間に隙間s1,s1が形成され、各隙間s1に発泡断熱材6が充填されるようになっている。同様に、貯湯タンクユニット1Aの後部においては、外箱3Aと該外箱3Aに最も接近する真空断熱材5との間に隙間s2が形成され、この隙間s2に発泡断熱材6が充填されている。
このように、貯湯タンク2と外箱3Aとの間に隙間s3、および真空断熱材5と外箱3Aとの間に隙間s1,s1,s2を形成することにより、貯湯タンク2内の熱が、真空断熱材5を通って外箱3Aの外部に漏洩するのを抑制することができる。
図7(a)は、発泡断熱材の注入前の真空断熱材の被覆状態、図7(b)は発泡断熱材の注入、発泡後の真空断熱材の被覆状態である。
ところで、真空断熱材5は、発泡断熱材6などと比べて断熱性能に優れているが、真空引きなどにより、圧縮されて硬化している。このように硬化したものを任意に曲げたり、貯湯タンク2の外面の円柱形状に密着固定するように配置するには困難が伴う。
そこで、本実施形態では、真空断熱材5と発泡断熱材6とを併用することにより、発泡断熱材6の発泡時の圧力を利用することで真空断熱材5を貯湯タンク2の外周面に密着させることができる。また、本実施形態では、成形された発泡断熱材ではなく、注入後に発泡させる発泡断熱材6を使用することにより、真空断熱材5では埋めることのできない隙間s1,s2,s3、上部鏡板2b、下部鏡板2cの周囲の隙間を発泡断熱材6により埋めることができる。これにより、断熱性能の向上を図ることができる。
すなわち、図7(a)に示すように、発泡断熱材6を充填する前に、真空断熱材5を貯湯タンク2の外面に巻き付けると、貯湯タンク2の外面と真空断熱材5との間に隙間Sが形成される。しかし、図7(b)に示すように、外箱3Aと真空断熱材5との間に発泡断熱材6を注入することにより、発泡断熱材6が発泡するときの発泡圧力Paが真空断熱材5を貯湯タンク2に押し付ける方向に作用することで、真空断熱材5が貯湯タンク2の外面に密着するようになる。
このように、真空断熱材5を貯湯タンク2に密着させることができるので、貯湯タンクユニット1Aにおいて、断熱性能を向上することが可能になる。これにより、高い省エネ性能を有する貯湯タンクユニット1Aを得ることが可能になる。なお、図7では、真空断熱材5を貯湯タンク2に密着させるようにしたが、真空断熱材5を外箱3A側に設けておき、貯湯タンク2と真空断熱材5との間に発泡断熱材6を注入することにより、発泡断熱材6が発泡するときの発泡圧力Paが真空断熱材5を外箱3Aに押し付ける方向に作用することで、真空断熱材5が外箱3Aの内面に密着されるようにしても良い。
以上説明したように、本実施形態の貯湯タンクユニット1Aでは、注入口9が、当該注入口9から外箱3A内を見たときに、貯湯タンク2および配管(出湯管13、給湯管14、浴槽戻り管15)およびに邪魔されずに外箱3Aの奥(後板3c)を見通すことができる位置に配置されている。これによれば、注入口9から液状の発泡断熱材6を注入したときに、発泡断熱材6を注入口9から後板3cの内壁面3c1に直接に供給することができるので、貯湯タンク2の上方において発泡断熱材6を外箱3Aと貯湯タンク2との間の隙間全体に充填することができる。よって、高い断熱性能を有する貯湯タンクユニット1Aを得ることができる。
以上説明したように、本実施形態の貯湯タンクユニット1Aでは、注入口8が、当該注入口8から外箱3A内を見たときに、貯湯タンク2、配管(給水管11、入水管12)および内脚4(4A,4B,4C)に邪魔されずに外箱3Aの奥(後板3c)を見通すことができる位置に配置されている。これによれば、注入口8,8から液状の発泡断熱材6を注入したときに、発泡断熱材6を注入口8,8から後板3cの内壁面3c1に直接に供給することができるので、貯湯タンク2の下方において発泡断熱材6を外箱3Aと貯湯タンク2との間の隙間全体に充填することができる。よって、高い断熱性能を有する貯湯タンクユニット1Aを得ることができる。
また、本実施形態によれば、内脚4(4A,4B,4C)が3本で構成されているので、貯湯タンク2を外箱3A内において安定して容易に支持させることができ、また、注入口8,8を、貯湯タンク2、配管(給水管11、入水管12)および内脚4(4A,4B,4C)に邪魔されずに後板3cを見通すことができる位置に形成することができる。
また、本実施形態によれば、貯湯タンク2には、シート状の真空断熱材5が巻かれているので、断熱性をさらに高めることができるとともに、発泡断熱材6の発泡圧力によって真空断熱材5を貯湯タンク2の外周面に密着させることができるので、より高い断熱性能を有する貯湯タンクユニット1Aを得ることができる。
ところで、貯湯タンクユニット1Aは、家庭用などでは、屋外など外気(雨)に曝される場所に設置されることが一般的である。また、発泡断熱材6は、水に弱い性質を有するので、水と接触しない構成であることが望ましい。そこで、本実施形態では、注入口8が配管カバー3s側(前板3a側)に配置することで、発泡断熱材6の注入、発泡が完了した後、注入口8が配管カバー3s(図1参照)によって覆われることになる。したがって、水(雨水)の浸入口となる注入口8が配管カバー3sで覆われることになり、注入口8に水浸入対策(例えば、注入口8に蓋をしてさらに蓋の隙間をシール部材で埋める対策)を施さなくても、簡単な蓋で注入口8,8を塞ぐだけで、注入口8からの水の浸入を防止することができる。よって、貯湯タンクユニット1Aの構成を簡略化できる。
図9は、第3実施形態に係る貯湯タンクユニットを貯湯タンクの底側から見たときの断面図、図10は、第3実施形態に係る貯湯タンクユニットを注入口側から見たときの平面図である。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。第3実施形態に係る貯湯タンクユニット1Cは、第1実施形態に係る貯湯タンクユニット1Aの3本の内脚4に替えて、4本の内脚4(脚部)としたものである。
図9に示すように、貯湯タンクユニット1Cでは、4本の内脚4(4A,4D,4D,4E)が90度間隔に配置され、4本のうちの1本の内脚4Aが貯湯タンク2の前端部(最も前方に位置する部分)に配置され、2本の内脚4D,4Dが貯湯タンク2の側端部(最も左右側方に位置する部分)に配置され、1本の内脚4Eが貯湯タンク2の後端部(最も後方に位置する部分)に配置されている。
図10に示すように、貯湯タンクユニット1Cにおいて、一方(図示左側)の注入口8は、貯湯タンク2、内脚4D、入水管12、内脚4Aおよび内脚4E(図9参照)のすべてから外れた位置に形成され、注入口8を介して外箱3Aの後板3cを見通すことができる位置に形成されている。換言すると、注入口8から見たときの平面視において、注入口8は、貯湯タンク2、内脚4D、入水管12、内脚4Aおよび内脚4Eと重ならない位置に形成されている。
他方(図示右側)の注入口8についても同様に、貯湯タンク2、内脚4D、給水管11、内脚4Aおよび内脚4E(図9参照)のすべてから外れた位置に形成され、注入口8を介して外箱3Aの後板3cを見通すことができる位置に形成されている。換言すると、注入口8から見たときの平面視において、注入口8は、貯湯タンク2、内脚4D、給水管11、内脚4Aおよび内脚4Eと重ならない位置に形成されている。
第3実施形態によれば、発泡断熱材6を貯湯タンク2と外箱3Bとの間の隙間全体に順天することができる効果に加えて、内脚4を3本から4本に変更することで、外箱3内において貯湯タンク2をより安定して支持することができ、高耐震化を図ることができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。例えば、本実施形態では、真空断熱材5を貯湯タンク2の外周面に接触するようにして巻く構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、外箱3の内壁面(前板3a、側板3b、後板3c、上板3d、底板3eの各内壁)に真空断熱材5を配置する構成であってもよい。これにより、貯湯タンク2の側面(周面側)だけではなく、貯湯タンク2の上方および下方も含めて
、貯湯タンク2の周囲全体を覆うことができる。
また、第2実施形態の変形例として、外箱3Bは、断面視正八角形状に形成してもよい。これにより、貯湯タンク2と外箱との距離が周方向においてほぼ同じになるので、貯湯タンク2の周囲に充填される発泡断熱材6の充填量がほぼ同じになり、貯湯タンク2に作用する発泡断熱材6の発泡圧力を均一にでき、貯湯タンク2が変形するなどといった不具合が発生するのを防止することができる。
また、前記した実施形態では、外箱3Aの前板3aに注入口8を設けた場合を例に挙げて説明したが、貯湯タンク2、内脚4A,4B,4Cおよび配管(給水管11、入水管12)に邪魔されずに注入口8から外箱3Aの注入口8と対向する奥を見通すことができる構成であれば、前板3aに限定されるものではなく、側板3b、後板3cであってもよい。
また、前記した実施形態では、3本の内脚や4本の内脚を備える場合を例に挙げて説明したが、注入口の位置が、貯湯タンク2、内脚4、配管(給水管11、入水管12)に邪魔されずに外箱3A,3Bの奥(後板3c)を見通すことができるものであれば、5本以上の内脚を備えた貯湯タンクユニットであってもよい。
また、前記した実施形態では、注入口8から見たときの平面視において、注入口8が、内脚4Aと内脚4B,4Cとの間を通る構成を例に挙げて説明したが、外箱3A,3Bの幅を広げて、注入口8が、内脚4B,4Cの外側を通る構成にしてもよい。
また、第3実施形態において、内脚4A,4D,4D,4Eを貯湯タンク2の前後左右に配置した場合を例に挙げて説明したが、外箱3Aの対角線上に内脚4A,4D,4D,4Eが位置するように(X状)に配置する構成であってもよい。これにより、外箱3Aの前後左右の幅を第3実施形態よりも狭めることができ、貯湯タンクユニットをコンパクトにできる。
また、本実施形態では、真空断熱材5を設ける構成を例に挙げて説明したが、真空断熱材5を設けずに、発泡断熱材6のみで構成するものであってもよい。
また、本発明は、前記した各実施形態を適宜組み合わせて構成するようにしてもよい。