JP6557469B2 - 浴室暖房装置 - Google Patents

Description

本発明は、浴室暖房装置に関する。

浴室暖房装置としては、例えば、特許文献１に示されているように、ミストサウナ運転時に、浴室暖房装置本体の内部に備えたサーミスタによって浴室内の温度を検知し、ミスト噴射開始のタイミングを決定するように構成したものや、特許文献２に示されているように、効率的なミスト運転を行うために、浴室内のリモコンに備えた温度センサの検知温度等によって浴室の壁面温度を推定するように構成したものが知られている。

特許第４２７６５９７号公報 特開２０１２−２２００６０号公報

冬場の浴室は寒く、入浴の際の急激な温度変化によって、血圧の急激な変動などが生じ、身体に大きな負担を与えることになる。

そこで、浴室に入る前に浴室暖房運転を行っておくことが有効となるが、浴室が、暖房運転が必要なほど冷えているかどうかは、浴室外から判断することができず、浴室に入って体感して、必要ならば浴室暖房運転を実行するようにしている。また、入浴前に無条件で浴室暖房運転を実行すればよいが、浴室が身体に負担をもたらすほど冷えていない場合には、無駄に浴室暖房運転を行うことになって、ガスや電気を無駄に消費することになる。

上記特許文献１は、ミスト噴射開始のタイミングを決定するものであって、浴室外で浴室の温度を知ることはできず、また、浴室暖房装置本体の内部に備えたサーミスタによって浴室の温度を検知するものであるために、浴室暖房装置本体の内部に溜まった熱気の影響を受け易く、浴室の温度を正確に検知するのが困難である。

上記特許文献２は、浴室の壁面付近の温度に応じてミスト噴射開始のタイミングを変えるものであって、浴室外で浴室の温度を知ることはできず、また、浴室の壁面付近の温度を検出するための専用の温度センサを浴室内に設置しなければならず、コストが高くなるという問題がある。

本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、安価な構成で、浴室に入らなくても浴室温度を容易に知ることができる浴室暖房装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。

（１）本発明に係る浴室暖房装置は、浴室内の空気を排出する換気ファンと、前記浴室内の空気を循環させる循環ファンと、循環する空気を、熱源機からの熱媒によって加熱する加熱手段と、前記浴室内の空気の流入経路に設けられる温度センサとを有すると共に、前記浴室に設置される浴室暖房装置本体と、
浴室温度を表示する温度表示部と、浴室温度の表示を指令するために操作される温度表示スイッチとを有すると共に、前記浴室の外部に設置される室外操作器と、
前記換気ファン、前記循環ファン、前記加熱手段及び前記室外操作器を制御すると共に、前記温度センサの検知出力及び前記室外操作器からの指令が与えられる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記室外操作器からの前記温度表示スイッチの操作に基づく浴室温度の表示指令に応答して、前記換気ファン及び前記循環ファンの少なくともいずれか一方のファンを作動させた後の前記温度センサで検知される温度を、前記浴室温度として前記室外操作器の前記温度表示部に表示させ、前記室外操作器から前記表示指令が与えられる時点まで所定時間以上に亘って、前記加熱手段を加熱作動させていなかったときには、前記室外操作器からの前記表示指令に応答して、前記換気ファン及び前記循環ファンを作動させることなく前記温度センサで検知される温度を、前記浴室温度として前記室外操作器の前記温度表示部に表示させる。

浴室暖房装置本体は、浴室の天井や壁面に設置されるのが好ましい。

本発明によると、浴室外、例えば脱衣室に設置される室外操作器の温度表示スイッチを操作すると、それに応答して、換気ファン及び循環ファンの少なくともいずれか一方のファンを作動させた後の温度センサで検知される温度を、浴室温度として室外操作器の温度表示部に表示させるので、浴室温度を検知するための専用の温度センサを設けることなく、浴室暖房装置本体の温度センサを用いて浴室の温度を検知することができる。しかも、浴室暖房装置本体の内部に熱気が溜まっていても、ファンを作動させた後の温度センサによる検知温度を浴室の温度として表示するので、浴室の温度と浴室暖房装置本体の温度との差をなくして正確な浴室の温度を検知して表示することができる。これによって、浴室に入って確かめなくても、安価な構成で浴室温度を知ることができ、必要に応じて暖房運転の指令操作、などを的確に行うことができる。

さらに、本発明によると、前記制御手段は、前記室外操作器から前記表示指令が与えられる時点まで所定時間以上に亘って、前記加熱手段を加熱作動させていなかったときには、前記室外操作器からの前記表示指令に応答して、前記換気ファン及び前記循環ファンを作動させることなく前記温度センサで検知される温度を、前記浴室温度として前記室外操作器の前記温度表示部に表示させるので、室外操作器から温度表示を行うべき旨の表示指令が与えられると、その時点まで所定時間以上に亘って、加熱手段を加熱作動させていなかったときには、浴室暖房装置本体の内部に熱気が溜まっていたとしても、既に拡散してその影響がないので、ファンを作動させることなく、温度センサで検知した温度を、浴室の温度として直ちに表示することができる。

（２）本発明の好ましい実施態様では、前記制御手段は、前記室外操作器の前記温度表示部に浴室温度として表示させる温度が、所定温度以下であるときには、設定時間に亘って、前記循環ファンを作動させると共に、前記加熱手段を加熱作動させて暖房運転を行う。

この実施態様によると、浴室が冷えている際に、温度表示を見て逐一暖房運転の指令操作をしなくても、自動的に浴室を暖めておくことができ、使い勝手が良いものとなる。

（３）本発明の他の実施態様では、前記制御手段は、前記少なくともいずれか一方のファンを、予め定めた時間に亘って作動させた後の前記温度センサで検知される温度を、前記浴室温度として前記室外操作器の前記温度表示部に表示させる。

この実施態様によると、事前テストなどに基づいて、ファンを作動させる時間を予め決めておくことで、浴室暖房装置本体の内部に溜まる熱気を的確に排除して浴室の温度を正確に検知することができる。

（４）上記(３)の実施態様では、前記制御手段は、前記室外操作器から前記表示指令が与えられた時点で、前記換気ファンを作動させて換気運転を行っているときには、換気運転が行われていないときに比べて、前記予め定めた時間を短くしてもよい。

この実施態様によると、浴室乾燥などのために換気運転が行われている場合は、換気運転が行われていない場合に比べて、浴室暖房装置本体の内部に溜まる熱気が軽減されているので、熱気排除のためのファンの作動を短時間で済ますことができ、その分、電力消費を節減することができる。

(５)本発明の他の実施態様では、前記室外操作器を第１室外操作器とすると共に、該第１室外操作器の前記温度表示部及び前記温度表示スイッチを第１温度表示部及び第１温度表示スイッチとし、
前記浴室の外部の、前記第１室外操作器とは別の箇所に設置され、前記熱源機を制御可能な第２室外操作器を備え、
前記第２室外操作器は、浴室温度を表示する第２温度表示部と、浴室温度の表示を指令するために操作される第２温度表示スイッチとを有し、
前記制御手段は、前記第２室外操作器からの前記第２温度表示スイッチの操作に基づく浴室温度の表示指令に応答して、前記少なくともいずれか一方のファンを作動させた後の前記温度センサで検知される温度を、前記浴室温度として前記第２室外操作器の前記第２温度表示部に表示させる。

この実施態様によると、浴室外で熱源機を制御可能な第２室外操作器、例えば、台所リモコンを操作して浴室内の温度を表示できるので、一層使い勝手の良いものとなる。

(６)上記(５)の実施態様では、前記制御手段は、前記第２室外操作器から前記表示指令が与えられる時点まで所定時間以上に亘って、前記加熱手段を加熱作動させていなかったときには、前記第２室外操作器からの前記表示指令に応答して、前記換気ファン及び前記循環ファンを作動させることなく前記温度センサで検知される温度を、前記浴室温度として前記第２室外操作器の前記第２温度表示部に表示させる。

この実施態様によると、所定時間以上に亘って加熱手段を加熱作動させておらず、浴室暖房装置本体の内部に熱気が溜まっていないときには、温度センサで検知した温度を、浴室の温度として直ちに表示することができる。

本発明によれば、浴室に入って確かめなくても安価な構成で浴室温度を知ることができ、必要に応じて暖房運転の指令操作、などを的確に行うことができる。

図１は本発明の実施形態に係る浴室暖房装置を備えた浴室の斜視図である。 図２は浴室暖房装置の縦断面図である。 図３は浴室暖房装置の配管図である。 図４は制御系統を示すブロック図である。 図５は室外操作器の正面図である。 図６は室内操作器の正面図である。 図７は浴室温度表示制御のフローチャートである。

以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。

図１は、本発明の一実施形態に係る浴室暖房装置を備えた浴室の斜視図である。この実施形態の浴室暖房装置Ａは、浴室２の上部に設置されるものであり、浴室の暖房、浴室の換気、浴室の乾燥、浴室内に干した洗濯物の乾燥、浴室に温水ミストを噴霧するミスト浴、浴室に温水ミストを噴霧すると共に温風を吹き出すミストサウナ浴、等を実行する機能を備えている。

浴室暖房装置Ａの本体９は、浴槽７の上方の天井裏に設置されており、吊り金具１０によって天井スラブ等に吊下げ支持され、本体の下面が浴室２における天井８の開口部１１に臨むように配設されている。

図２は、浴室暖房装置Ａの縦断面図であり、図３は、浴室暖房装置Ａの配管図である。

浴室暖房装置Ａの本体９の下面には、上記天井８の下方から開口部１１を覆うように配置されたグリル板１２が取り付けられている。

本体９の内部には、循環する空気を加熱する加熱手段としての温風用熱交換器１３や送風機１４が内装されている。この温風用熱交換器１３は、内部に流れる熱媒としての温水によって浴室２内に送り込まれる空気を加温する。この温風用熱交換器１３は、本体９に配管した暖房用温水管路１５の途中に配置されており、暖房用温水管路１５には、図１に示す給湯暖房機などの熱源機１６からの温水が供給されるようになっている。暖房用温水管路１５の途中には、温風用熱交換器１３への温水供給を断続するための熱動弁１７が設けられると共に、暖房用温水管路１５を流れる温水の温度を検出する暖房温水サーミスタＴＨ２が配設されている。

送風機１４は、浴室内空気を循環させる循環ファン１４ａと、浴室内空気を外部へ排出する換気ファン１４ｂとで構成されている。なお、換気ファン１４ｂの排出路には、図２に示すように排気によって開放される自閉式の逆風止め５０が設けられている。

本体９の下面側には、循環ファン１４ａで送風される空気を吹き出す吹出し口３が設けられている。この吹出し口３には可動ルーバー１８が備えられており、可動ルーバー１８を回動することによって吹出し口３を開閉したり、吹出し口３から吹き出す風向きを変更することができるようになっている。また、グリル板１２には、浴室２内の空気を吸い込む吸気口１が設けられており、この吸気口１の内側近傍の空気の流入経路に、浴室温度を検出する温度センサとしての浴室温度サーミスタＴＨ３が配備されている。

また、浴室暖房装置Ａには、ミスト浴の機能を持たせるためのミスト発生部１９が組み込まれ、本体９の上部に設置されている。ミスト発生部１９からはミスト用給水管路２０が導出され、その先端部に連結したミストノズル４がグリル板１２における吸気口１の近傍適所に設けられている。ミストノズル４は、２個のミストノズル４ａ，４ｂで構成され、各ミストノズル４ａ，４ｂの上手に設置された電磁駆動型のミスト開閉弁２１ａ，２１ｂを同時に開放、あるいは、一方のみを開放することで、強弱２段階のミスト量でミストを噴出することができるようになっている。なお、ミスト用給水管路２０には、水道水が供給されるようになっており、上流側から順に、ストレーナ２２、電磁駆動型の給水開閉弁２３が設けられている。

前記暖房用温水管路１５は、ミスト加熱用管路２４と温風用熱交換器１３への管路とに分岐され、分岐されたミスト加熱用管路２４の蛇行部とミスト用給水管路２０の蛇行部とが近接配備されて、ミスト加熱用管路２４を流れる温水でミスト用給水管路２０を流れるミスト用の水を加熱するミスト用熱交換器２６が構成されている。なお、ミスト加熱用管路２４には、電磁式の比例弁２５が設けられ、ミスト加熱用管路２４を流れる温水量を調整制御するようになっている。また、ミスト用給水管路２０におけるミスト用熱交換器２６とミスト開閉弁２１ａ，２１ｂとの間には、加熱されたミスト用温水の温度を検出するミスト温度サーミスタＴＨ１が配備されている。

この実施形態の浴室暖房装置Ａは、以上のように構成されており、図１に示す浴室２外の脱衣室の壁面に設置された脱衣室リモコンである室外操作器５、及び、浴室２内の壁面に設置された浴室リモコンである室内操作器３０によって遠隔操作されるようになっている。

図４に示すように、浴室暖房装置本体９に備えられた各種の作動機器、室外操作器５及び室内操作器３０は、メモリ２８及び演算回路２９を備えたマイクロコンピュータで構成される制御手段としての制御部Ｂに接続されており、この制御部Ｂは、浴室暖房装置本体９に備えられている。

図５に示すように、室外操作器５には、タイムアップまでの残り時間を表示するタイマー表示部３１、各種モードでの運転時間を増減設定するタイマー設定スイッチ３２、浴室２に吹き込まれる風の向きを一定状態とスイング状態に切り換える風向スイッチ３３、ミストサウナ運転の起動とミスト量の２段切換えを行うミストサウナスイッチ３４、乾燥運転の起動と乾燥モードを浴室乾燥とエコ乾燥と衣類乾燥に切換え選択する乾燥スイッチ６、暖房運転の起動とその強弱選択を行う暖房スイッチ３６、涼風運転を起動する涼風スイッチ３７、浴室２の換気運転を起動すると共に風力を強弱２段に切換え選択する換気スイッチ３８、浴室温度を切換え設定する温度設定スイッチ１０３、全てのモードでの運転を停止する停止スイッチ３９、２４時間の換気運転を起動する２４時間換気スイッチ１００、及び、選択された各種設定状態を表示するモニターランプ類、が備えられている。

また、図６に示すように、室内操作器３０には、各モードの運転状態やタイマー残り時間、等を表示する状態表示部４０、ミストサウナ運転の指令及び風量を選択するミストサウナスイッチ３４、ミスト運転の指令及びミスト量を選択するミストスイッチ４１、温度設定スイッチ４２、暖房運転の指令及びその強弱を選択する暖房スイッチ３６、涼風運転を指令する涼風スイッチ３７、風向きを変更する風向スイッチ３３、ミスト入浴時間のタイマー設定を行うスタート/ストップスイッチ４３、タイマーのリセットを行うリセットスイッチ４５、及び、各種運転を停止する停止スイッチ３９が備えられている。

更に、本実施形態においては、図５に示すように、室外操作器５に、浴室２内の温度表示を指令するために操作される温度表示スイッチ１０１、浴室２内の温度を表示する温度表示部１０２が備えられており、これらを用いて、図７のフローチャートに示される浴室温度表示制御が行われる。

すなわち、温度表示スイッチ１０１が操作されて、制御手段としての制御部Ｂに温度表示モードの実行が指令されると、先ず、温風用熱交換器１３がスイッチ操作時点まで所定時間（例えば、６時間）以上に亘って空気の加熱に使用されなかったか否か、例えば、乾燥運転、暖房運転、あるいは、ミストサウナ運転等に使用されなかったか否かを判断する（s01）。具体的には、浴室温度を表示するためのスイッチ操作の時点まで所定時間以上に亘って温風用熱交換器１３への熱源機１６からの温水が遮断されていたか否かを判断する。

温風用熱交換器１３が、所定時間以上に亘って空気の加熱に使用されていなければ、グリル板１２における吸気口１の近傍に設置された浴室温度サーミスタＴＨ３で測定した温度が、浴室温度として温度表示部１０２でデジタル表示される（ｓ07）。つまり、温風用熱交換器１３が、所定時間以上に亘って使用されていない場合には、浴室暖房装置Ａの本体９の内部での熱気の溜まりはなく、浴室温度サーミスタＴＨ３周辺の温度は、浴室温度と同じとみなすことができ、浴室温度サーミスタＴＨ３の測定温度を、浴室温度として直ちに表示する。

温風用熱交換器１３が使用されていた場合には、本体９の内部に、熱気が溜まっている虞があるので、換気ファン１４ｂを用いた２４時間換気運転が実行中か否かを判断し（ｓ02）、２４時間換気運転中でない場合には、循環ファン１４ａと換気ファン１４ｂとを共に、予め定めた時間ｔ１（例えば、１０分間）だけ作動させる（ｓ03〜ｓ06）。予め定めた時間ｔ１が経過すると、本体９の内部に熱気が溜まっていたとしても、その熱気が排除されて、浴室温度サーミスタＴＨ３周辺の温度は、浴室温度と同じになったとして、浴室温度サーミスタＴＨ３で測定した温度を、浴室温度として温度表示部１０２にデジタル表示する（ｓ07）。

また、２４時間換気運転中である場合には、本体９の内部に溜まっていた熱気がある程度排除されているとみなして、前記予め定めた時間ｔ１より短い時間ｔ２（例えば、５分間）だけ循環ファン１４ａと換気ファン１４ｂとを共に作動させ（ｓ8〜ｓ10，ｓ06）、タイムアップの後、浴室温度サーミスタＴＨ３で測定した温度を、浴室温度として温度表示部１０２でデジタル表示する（ｓ07）。

また、循環ファン１４ａ及び換気ファン１４ｂの作動中に、浴室温度サーミスタＴＨ３で測定した温度θの変動を演算し、温度θの変動が少なくなって設定範囲に収まったか否かを判断する（ｓ04，ｓ09）。そして、温度変動がほとんど無くなって測定温度θが安定したときには、予め定めた時間ｔ１、あるいは、ｔ２のタイムアップ前であっても前記両ファン１４ａ，１４ｂの作動を終了し（ｓ06）、その時点での測定温度θを、浴室温度として表示する（ｓ07）。

その結果、温度表示スイッチ１０１が操作された際には、浴室温度サーミスタＴＨ３で測定した温度が、浴室暖房装置Ａの本体９内部に溜まった熱気によって実際の浴室温度より高くなっていたとしても、前記両ファン１４ａ，１４ｂを作動させることによって浴室温度サーミスタＴＨ３の周辺温度が、浴室温度に近づけられ、その測定温度θを、浴室温度として表示することができる。

次に、浴室温度サーミスタＴＨ３の測定温度θが、低温度である所定温度θ1（例えば、１０℃）以下であるか否かを判断する（ｓ11）。

ここで、測定温度θが、所定温度θ1より高い場合（θ>θ1)には、そのまま温度表示が続行されて浴室温度表示制御が終了する。なお、ユーザーが浴室温度の表示を見て、寒いと判断すれば任意に暖房運転を選択操作し、浴室２を暖めてから入室することができる。

また、浴室温度サーミスタＴＨ３の測定温度θが、所定温度θ1以下であった場合（θ≦θ1)には、自動的に暖房運転モードに切換えられる（ｓ12）。これによって、暖房スイッチ３６のモニターランプ「強」が点灯し、タイマー表示部３１に暖房運転の設定時間ｔ３（例えば、１５分）が表示され、この設定時間ｔ３の間だけ暖房運転が実行される（ｓ12〜ｓ14）。

この暖房運転においては、熱動弁１７を開くと共に、可動ルーバー１８を回動させて吹出し口３を開き、かつ、暖房温水サーミスタＴＨ２の検知温度が、６０℃以上であるか否かを判断する。検知温度が６０℃以上であることが認識されると、循環ファン１４ａを作動して、浴室２内の空気が吸気口１から吸い込まれ、温風用熱交換器１３によって加熱されて温風となった空気が吹出し口３から浴室２内に吹き出される。暖房運転の設定時間ｔ３が経過すると、循環ファン１４ａを停止させると共に、熱動弁１７を閉止し、可動ルーバー１８によって吹出し口３を閉止し、暖房スイッチ３６のモニターランプ「強」を消灯し、タイマー表示部３１の時間表示を停止し、暖房運転が終了する。なお、この暖房運転中にユーザーによって停止スイッチ３９が押されると、制御部Ｂに暖房運転停止の指令が出され、循環ファン１４ａの停止、熱動弁１７の閉止、吹出し口３の閉止、モニターランプ「強」の消灯、タイマー表示部３１の表示が消えて、自動暖房運転が終了する。

なお、暖房運転の設定時間ｔ３は、出荷時には「１５分」に設定されているが、その後、ユーザーが暖房スイッチ３６を操作することで変更することができ、スイッチ操作毎に「１５分」→「２０分」→「３０分」→「運転しない」→「１５分」のように順次循環して切換え設定することができる。また、スイッチ操作がなければ、前回運転時の設定時間が使用される。

温度設定スイッチ１０３は、浴室温度の設定に用いられるものであり、スイッチ操作毎に例えば、「３８℃」→「４０℃」→「４２℃」→「４４℃」→「４８℃」→「３８℃」のように、順次循環して切換え設定することができる。

なお、上記の時間や温度の数値は、一例であり、適宜変更してもよいのは勿論である。

以上のように本実施形態によると、浴室２内の温度を知るために、室外操作器５の温度表示スイッチ１０１を操作すると、その操作した時点まで温風用熱交換器１３が所定時間（例えば、６時間）以上に亘って空気の加熱に使用されていないときには、浴室暖房装置本体９の内部に、熱気の溜まりはなく、浴室温度サーミスタＴＨ３の測定温度θを、浴室温度として直ちに温度表示部１０２に表示する。

また、温度表示スイッチ１０１を操作した時点までに、温風用熱交換器１３が使用されていた場合であって、２４時間換気運転中でないときには、浴室暖房装置本体９の内部に、熱気が溜まっている虞があるので、循環ファン１４ａと換気ファン１４ｂとを、予め定めた時間ｔ１（例えば、１０分間）だけ作動させて、浴室暖房装置本体９の内部に溜まっていた熱気を排除した後、浴室温度サーミスタＴＨ３の測定温度θを浴室温度として温度表示部１０２に表示する。

また、温度表示スイッチ１０１を操作した時点までに、温風用熱交換器１３が使用されていた場合であって、２４時間換気運転中であるときには、浴室暖房装置本体９の内部に溜まっていた熱気がある程度排除されているとみなして、前記予め定めた時間ｔ１より短い時間ｔ２（例えば、５分間）だけ循環ファン１４ａと換気ファン１４ｂとを共に作動させた後、浴室温度サーミスタＴＨ３の測定温度θを、浴室温度として温度表示部１０２に表示する。

これによって、浴室暖房装置本体９に設けられている浴室温度サーミスタＴＨ３を用いて、浴室２内の温度を正確に検知して表示することができ、浴室温度を検知するための専用の温度センサを設ける必要がなく、安価な構成で、浴室２内の温度を知ることができ、浴室に入って確かめる必要がない。

更に、浴室温度サーミスタＴＨ３の測定温度θが、所定温度θ1以下と低いときには、自動的に設定時間ｔ３に亘って暖房運転が行われるので、温度表示を見て、温度が低いときに、逐一暖房運転を指令するための操作をする必要がない。

また、循環ファン１４ａ及び換気ファン１４ｂの作動中に、浴室温度サーミスタＴＨ３で測定した温度θが安定したときには、予め定めた時間ｔ１，ｔ２が経過する前であっても送風運転を終了して、その時点での測定温度θを浴室温度として表示するので、最小限度の消費電力で過不足なくファン１４ａ，１４ｂを作動させて、最短時間で正確な浴室温度表示を行うことができる。

（他の実施形態）
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。

（１）温度表示スイッチ１０１が操作された後のファンの作動では、循環ファン１４ａ及び換気ファン１４ｂの両ファンを作動させたけれども、循環ファン１４ａあるいは換気ファン１４ｂのいずれか一方のみを作動させるようにしてもよい。

(２)浴室温度サーミスタＴＨ３で検知した温度が、例えば、５℃以下の場合には、熱動弁１７を開いて熱源機１６からの温水を温風用熱交換器１３に供給して、配管等が凍らないように凍結予防運転を実行するようにしてもよい。

（３）温度表示スイッチ１０１が操作された後に、循環ファン１４ａ及び換気ファン１４ｂを作動させる場合、刻々変化する検知温度を温度表示部１０２で点滅表示し、予め定めた時間が経過する、あるいは、検知温度の変動がなくなると、検知温度を連続表示するようにしてもよい。

（４）台所に設置した台所リモコンである別の室外操作器を、脱衣室の室外操作器５と同様の機能を備えた構造としてもよい。

（５）浴室暖房装置Ａと携帯電話などの情報端末器とを双方向に通信可能に接続して、情報端末器を操作して該情報端末器に浴室温度が表示されるように構成してもよい。

２ 浴室
５ 室外操作器
９ 浴室暖房装置本体
１３ 温風用熱交換器
１０１ 温度表示スイッチ
１０２ 温度表示部
Ａ 浴室暖房装置
ＴＨ３ 温度センサ（浴室温度サーミスタ）

Claims (6)

1. 浴室内の空気を排出する換気ファンと、前記浴室内の空気を循環させる循環ファンと、循環する空気を、熱源機からの熱媒によって加熱する加熱手段と、前記浴室内の空気の流入経路に設けられる温度センサとを有すると共に、前記浴室に設置される浴室暖房装置本体と、
   浴室温度を表示する温度表示部と、浴室温度の表示を指令するために操作される温度表示スイッチとを有すると共に、前記浴室の外部に設置される室外操作器と、
   前記換気ファン、前記循環ファン、前記加熱手段及び前記室外操作器を制御すると共に、前記温度センサの検知出力及び前記室外操作器からの指令が与えられる制御手段とを備え、
   前記制御手段は、前記室外操作器からの前記温度表示スイッチの操作に基づく浴室温度の表示指令に応答して、前記換気ファン及び前記循環ファンの少なくともいずれか一方のファンを作動させた後の前記温度センサで検知される温度を、前記浴室温度として前記室外操作器の前記温度表示部に表示させ、前記室外操作器から前記表示指令が与えられる時点まで所定時間以上に亘って、前記加熱手段を加熱作動させていなかったときには、前記室外操作器からの前記表示指令に応答して、前記換気ファン及び前記循環ファンを作動させることなく前記温度センサで検知される温度を、前記浴室温度として前記室外操作器の前記温度表示部に表示させる
   ことを特徴とする浴室暖房装置。
2. 前記制御手段は、前記室外操作器の前記温度表示部に浴室温度として表示させる温度が、所定温度以下であるときには、設定時間に亘って、前記循環ファンを作動させると共に、前記加熱手段を加熱作動させて暖房運転を行う、
   請求項１に記載の浴室暖房装置。
3. 前記制御手段は、前記少なくともいずれか一方のファンを、予め定めた時間に亘って作動させた後の前記温度センサで検知される温度を、前記浴室温度として前記室外操作器の前記温度表示部に表示させる、
   請求項１に記載の浴室暖房装置。
4. 前記制御手段は、前記室外操作器から前記表示指令が与えられた時点で、前記換気ファンを作動させて換気運転を行っているときには、換気運転が行われていないときに比べて、前記予め定めた時間を短くする、
   請求項１に記載の浴室暖房装置。
5. 前記室外操作器を第１室外操作器とすると共に、該第１室外操作器の前記温度表示部及び前記温度表示スイッチを第１温度表示部及び第１温度表示スイッチとし、
   前記浴室の外部の、前記第１室外操作器とは別の箇所に設置され、前記熱源機を制御可能な第２室外操作器を備え、
   前記第２室外操作器は、浴室温度を表示する第２温度表示部と、浴室温度の表示を指令するために操作される第２温度表示スイッチとを有し、
   前記制御手段は、前記第２室外操作器からの前記第２温度表示スイッチの操作に基づく浴室温度の表示指令に応答して、前記少なくともいずれか一方のファンを作動させた後の前記温度センサで検知される温度を、前記浴室温度として前記第２室外操作器の前記第２温度表示部に表示させる、
   請求項１に記載の浴室暖房装置。
6. 前記制御手段は、前記第２室外操作器から前記表示指令が与えられる時点まで所定時間以上に亘って、前記加熱手段を加熱作動させていなかったときには、前記第２室外操作器からの前記表示指令に応答して、前記換気ファン及び前記循環ファンを作動させることなく前記温度センサで検知される温度を、前記浴室温度として前記第２室外操作器の前記第２温度表示部に表示させる、
   請求項５に記載の浴室暖房装置。

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