JP6556642B2 - ラジオ受信装置 - Google Patents
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Description
ここで、このようなラジオ受信装置は、前記制御部において、前記遅延部が前記無音区間伸張遅延動作を行っている期間中に、前記遅延部による前記ラジオ受信部から出力される音声の遅延の遅延時間の増加率が所定レベル以下となった場合に、前記無音区間伸張遅延動作を停止し前記全体伸張遅延動作を行うよう、前記遅延部を制御するように構成してもよい。
図1に、本実施形態に係るラジオ放送システムの構成を示す。
図示するように、本実施形態に係るラジオ放送受信機1は、自動車に搭載されるラジオ受信機やポータブルラジオ受信機などの位置が移動する受信機であり、ラジオ放送局2からDABなどの放送規格によるデジタルラジオ放送や、FMラジオ放送などのアナログラジオ放送の受信を行う。また、ラジオ放送受信機1は、移動通信を介してインターネットなどのWAN3に接続しWAN3上のIPラジオサーバ4からIPラジオ放送を受信する。ここで、IPラジオサーバ4が行うIPラジオ放送には、デジタルラジオ放送やアナログラジオ放送とサイマル放送の関係にある、すなわち、デジタルラジオ放送やアナログラジオ放送と同内容の放送を行っているIPラジオ放送が含まれる。なお、本実施形態では、デジタルラジオ放送やアナログラジオ放送とサイマル放送の関係にあるIPラジオ放送から受信される音声は、必ず、当該IPラジオ放送がサイマル放送の関係にあるデジタルラジオ放送やアナログラジオ放送で放送される音声よりも遅延しているものとする。
図示するように、ラジオ放送受信機1は、デジタルラジオ放送を受信し受信したオーディオデータを出力するデジタルラジオチューナ101、アナログラジオ放送を受信しアナログラジオ放送で受信した音声をデジタル変換しオーディオデータとして出力するアナログラジオチューナ102、IPラジオ放送を受信し受信したオーディオデータを出力するIPラジオプレイヤ103を備えている。
また、ラジオ放送受信機1は、デジタルラジオチューナ101またはアナログラジオチューナ102が出力するオーディオデータを設定された遅延目標時間分、遅延させ出力する遅延部109、遅延部109から出力されるオーディオデータとIPラジオプレイヤ103が出力するオーディオデータの一方を選択し出力するセレクタ110、セレクタ110が出力するオーディオデータをアナログ音声信号に変換し出力するDA変換部111、DA変換部111が出力するアナログ音声信号を増幅するアンプ112、アンプ112が増幅した音声信号で駆動され音声を出力するスピーカ113を備えている。
さて、このような構成において、制御部108は、入力装置106を介してユーザから特定のラジオ放送局2のラジオ放送の受信を指示されると、受信を指示されたラジオ放送局2がデジタルラジオ放送の放送局であれば、デジタルラジオチューナ101を現用チューナとし、受信を指示されたラジオ放送局2がアナログラジオ放送の放送局であればアナログラジオチューナ102を現用チューナとし、現用チューナに受信を指示されたラジオ放送局2のラジオ放送の受信と、受信したオーディオデータの出力を開始させる。また、制御部108は、チューナ用メモリ115とプレイヤ用メモリ116の記憶内容をクリアし、遅延部109に遅延目標時間として0を設定し、遅延部109に現用チューナから入力するオーディオデータを、そのままセレクタ110に出力させる。そして、制御部108は、セレクタ110に遅延部109から入力するオーディオデータをDA変換部111に出力させることにより、現用チューナで、ユーザから受信を指示されたラジオ放送局2から受信した音声をスピーカ113から出力する。
図4に、このシームレス切替処理の手順を示す。なお、本シームレス切替処理は、ユーザから特定のラジオ放送局2のラジオ放送の受信を指示されたときに起動される。
図示するように、この処理では、ラジオ受信機の状態が、遅延部109が出力する、現用チューナで受信中のラジオ放送の音声をスピーカ113から出力している状態となるのを待ち(ステップ402)、ラジオ放送の音声をスピーカ113から出力している状態となったならば、現用チューナで受信中のラジオ放送の受信品質の劣化を監視する(ステップ404)。ここで、現用チューナで受信中のラジオ放送の受信品質の取得は、たとえば、現用チューナとなっているデジタルラジオチューナ101またはアナログラジオチューナ102において受信中のラジオ放送の受信品質を、受信中のラジオ放送の受信電界強度や、SN比や、誤り発生率などより算定すると共に、制御部108が現用チューナにおいて算定されている受信品質を取得することにより行う。
すなわち、制御部108は、IPラジオプレイヤ103から出力されるIPラジオ放送で最初に受信した所定再生時間分のオーディオデータのプレイヤ用メモリ116への格納を行わせる。
ここで、このようにして遅延処理アルゴリズムと、遅延目標時間を設定された遅延部109は、設定された遅延処理アルゴリズムによる遅延処理を上述のように実行し、現用チューナから入力するオーディオデータの遅延を設定された遅延目標時間と遅延部109から出力されるオーディオデータの遅延時間が一致するまで拡大し、設定された遅延目標時間と遅延部109から出力されるオーディオデータの遅延時間が一致したならば、以降は、その遅延時間を維持したまま遅延させたオーディオデータの出力を行う。
一方、制御部108は、ステップ414で設定した遅延時間(遅延目標時間)と遅延部109から出力されるオーディオデータの遅延時間が一致し、遅延時間の一致を遅延部109から報告されたならば(ステップ416)、セレクタ110を制御し、スピーカ113に出力する音声を、IPラジオプレイヤ103がIPラジオ放送から受信している音声に切り替える(ステップ418)。ここで、この時点で、遅延部109は、ラジオ放送で受信したオーディオデータに対するIPラジオ放送で受信したオーディオデータの遅延時間分、ラジオ放送で受信したオーディオデータを遅延させて出力している状態となっているので、セレクタ110の出力するオーディオデータの切替により、スピーカ113から出力するオーディオデータが、ラジオ放送で受信したオーディオデータからIPラジオプレイヤ103が出力するオーディオデータに、シームレスに切り替わる。
なお、以上のようなシームレス切替処理は、ユーザからラジオ放送の受信の終了を指示されると終了する。また、以上のようなシームレス切替処理は、ユーザから新たなラジオ放送の受信を指示されたときに再起動される。
図5に、シームレス切替処理の第1の処理例を示す。
いま、図5において、数字を囲む各四角形が、所定時間長の単位時間分のオーディオデータを表し、「‘」無しの数字を囲む四角形が、現用チューナがラジオ放送(デジタルラジオ放送またはアナログラジオ放送)で受信したオーディオデータを表し、「‘」付きの数字を囲む四角形が、IPラジオプレイヤ103がIPラジオラジオ放送で受信したオーディオデータを表すものとする。また、各四角形中の数字の値が等しい四角形は(たとえば、「4」と「 4'」)は、同内容のオーディオデータを表している。
そして、時刻T1-T2において、音声種別判別部114による無音区間の時間的割合の算出により現用チューナがラジオ放送で受信しているオーディオデータの音声種別が算出されると共に、比較部117による比較により、現用チューナがラジオ放送で受信したオーディオデータに対するIPラジオ放送で受信したオーディオデータの遅延時間が算出される。
いま、図5に示した場合と同様に、時刻T0において遅延部109に遅延目標時間として0が設定されているものとして、時刻T0から時刻T1までの受信品質が良好な状態で現用チューナがラジオ放送を受信している期間中、セレクタ110は、遅延部109から出力されるオーディオデータをDA変換部111に出力するように設定されており、現用チューナがラジオ放送から受信しているオーディオデータ(0-1)は、遅延部109で遅延されずにセレクタ110、DA変換部111、アンプ112を介してスピーカ113から出力される。
そして、時刻T1-T2において、音声種別判別部114による無音区間の時間的割合の算出により現用チューナがラジオ放送で受信しているオーディオデータの音声種別が算出されると共に、比較部117による比較により、現用チューナがラジオ放送で受信したオーディオデータに対するIPラジオ放送で受信したオーディオデータの遅延時間が算出される。
以上、本発明の実施形態について説明した。
本実施形態によれば、ラジオ放送からIPラジオ放送へのシームレスな切替のために遅延させる必要のあるラジオ放送の音声が無音区間の割合が所定レベル以上大きい音声である場合には、ラジオ放送の音声の無音区間のみを時間的に伸張してラジオ放送の音声を遅延させ、他の場合には、ラジオ放送の音声を時間的に一様に伸張してラジオ放送の音声を遅延させる。したがって、ラジオ放送の音声の無音区間が多い場合には、速やかに音声をラジオ放送に対するIPラジオ放送の遅延時間分、遅延させることができると共に、ラジオ放送の音声の無音区間が少ない、または、無い場合でも、一定の期間内に確実に音声を、ラジオ放送に対するIPラジオ放送の遅延時間分、遅延させることができる。
図7に示したシームレス切替処理は、図4に示したシームレス切替処理のステップ414において、ステップ410で算出した遅延時間を遅延目標時時間として遅延部109に設定した後、遅延時間の一致を遅延部109から報告されるまで(ステップ416)の間、遅延部109における遅延の状況を監視し、遅延の状況に応じて、遅延部109で用いる遅延処理アルゴリズムを変更するようにしたものである。
いま、時刻T0において遅延部109に遅延目標時間として0が設定されているものとして、時刻T0から時刻T1までの受信品質が良好な状態で現用チューナがラジオ放送を受信している期間中、セレクタ110は、遅延部109から出力されるオーディオデータをDA変換部111に出力するように設定されており、現用チューナがラジオ放送から受信しているオーディオデータ(0-1)は、遅延部109で遅延されずにセレクタ110、DA変換部111、アンプ112を介してスピーカ113から出力される。
そして、時刻T1-T2において、音声種別判別部114による無音区間の時間的割合の算出により現用チューナがラジオ放送で受信しているオーディオデータの音声種別が算出されると共に、比較部117による比較により、現用チューナがラジオ放送で受信したオーディオデータに対するIPラジオ放送で受信したオーディオデータの遅延時間が算出される。
Claims (9)
- ラジオ放送と、当該ラジオ放送と同内容の音声を前記ラジオ放送に対する遅延をもって送信する放送である並行放送とを受信可能なラジオ受信装置であって、
ユーザに音声を出力する出力部と、
ラジオ放送を受信し、受信した音声を前記出力部に出力するラジオ受信部と、
並行放送を受信し、受信した音声を前記出力部に出力する並行放送受信部と、
前記ラジオ受信部が前記出力部に出力する音声に遅延を与える遅延部と、
前記ラジオ受信部で受信している音声が無音区間の割合が所定レベル以上大きい音声である多無音区間音声であるか、前記ラジオ受信部で受信した音声が無音区間の割合が所定レベル以上大きくない音声である少無音区間音声であるかを算定する音声種別判別部と、
ユーザに対して出力する音声の、前記ラジオ受信部で受信した音声から前記並行放送受信部で受信した音声への切替を制御する制御部とを有し、
前記出力部は、前記制御部の制御に従って、前記ラジオ受信部から出力される音声と前記並行放送受信部から出力される音声とのうちの一方を選択的にユーザに対して出力し、
前記遅延部は、前記制御部の制御に従って、
前記ラジオ受信部から出力される音声の無音区間のみを時間的に伸張することにより、当該音声の遅延を増大していく無音区間伸張遅延動作と、
前記ラジオ受信部から出力される音声を時間的に一様に伸張することにより、当該音声の遅延を増大していく全体伸張遅延動作とを行うことができ、
前記制御部は、
前記音声種別判別部が前記ラジオ受信部で受信した音声が前記多無音区間音声であると判別している場合に、前記遅延部に前記無音区間伸張遅延動作を行わせ、前記音声種別判別部が前記ラジオ受信部で受信した音声が前記少無音区間音声であると判別している場合に、前記遅延部に前記全体伸張遅延動作を行わせると共に、
前記遅延部による前記ラジオ受信部から出力される音声の遅延の遅延時間が、前記ラジオ受信部で受信した音声に対する並行放送受信部で受信した音声の遅延時間に一致したならば、前記出力部に、ユーザに対して出力する音声を、前記ラジオ受信部から出力される音声から前記並行放送受信部から出力される音声へ切り替えさせることを特徴とするラジオ受信装置。 - 請求項1記載のラジオ受信装置であって、
前記制御部は、前記遅延部が前記無音区間伸張遅延動作を行っている期間中に、前記遅延部による前記ラジオ受信部から出力される音声の遅延の遅延時間の増加率が所定レベル以下となった場合に、前記無音区間伸張遅延動作を停止し前記全体伸張遅延動作を行うよう、前記遅延部を制御することを特徴とするラジオ受信装置。 - 請求項1または2記載のラジオ受信装置であって、
前記制御部は、前記遅延部が前記全体伸張遅延動作を行っている期間中に、前記ラジオ受信部で受信している音声が無音区間の割合が所定のしきい値以上に大きくなった場合に、前記全体伸張遅延動作を停止し前記無音区間伸張遅延動作を行うよう、前記遅延部を制御することを特徴とするラジオ受信装置。 - 請求項1、2または3記載のラジオ受信装置であって、
前記全体伸張遅延動作は、前記ラジオ受信部から出力される音声を、より再生速度の遅い音声に変換することにより当該音声の遅延を増大する動作であることを特徴とするラジオ受信装置。 - 請求項1、2または3記載のラジオ受信装置であって、
前記全体伸張遅延動作は、前記ラジオ受信部から出力される音声を、ピッチを変更せずにタイムストレッチする動作であることを特徴とするラジオ受信装置。 - 請求項1、2、3、4または5記載のラジオ受信装置であって、
前記音声種別判別部は、前記ラジオ受信部で受信している番組の種別を識別し、少なくとも、識別した番組の種別が音楽番組であるときに、前記ラジオ受信部で受信している音声が少無音区間音声であると算定し、識別した番組の種別がニュースであるときに、前記ラジオ受信部で受信している音声が多無音区間音声であると算定することを特徴とするラジオ受信装置。 - 請求項1、2、3、4、5または6記載のラジオ受信装置であって、
前記並行放送は、IPラジオ放送であり、
前記並行放送受信部は、IPラジオ放送を受信し、受信した音声を出力するIPラジオプレイヤであることを特徴とするラジオ受信装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6または7記載のラジオ受信装置であって、
前記ラジオ放送は、デジタルラジオ放送とアナログラジオ放送とのうちの少なくとも一方であることを特徴とするラジオ受信装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のラジオ受信装置であって、
当該ラジオ受信装置は自動車に搭載された車載型のラジオ受信装置であることを特徴とするラジオ受信装置。
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