JP6556617B2 - インキ吸入器、万年筆、及び、インキ吸入器の製造方法 - Google Patents

インキ吸入器、万年筆、及び、インキ吸入器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、万年筆等のインキ吸入器に関する。より詳しくは、万年筆等のペン先をインキ容器内のインキに浸した状態で、ツマミを操作することに伴うピストンの前後移動によってインキを吸入するタイプのインキ吸入器に関する。
従来のインキ吸入器は、インキを収容するインキ収容部を軸方向前方に規定する筒形のインキタンクと、インキ収容部の内面に当該インキ収容部の軸方向に摺動可能且つ液密に嵌め込まれたフランジ部と当該フランジ部からインキタンクの軸方向後方に向かって伸長するロッドとを有するピストンと、を備えている。一般に、ピストンには、当該ピストンをインキタンクの軸方向に摺動させるためのツマミが設けられている。
以上のようなインキ吸入器にインキを吸入させるには、まず万年筆等のケーシングを取り外してインキ吸入器のツマミを露出させる。そして、必要に応じて当該ツマミを操作して、ピストンをインキ収容部の軸方向の最も前方に位置させる。次いで、万年筆等のペン先をインキ容器内のインキに浸し、その状態でツマミを操作してピストンを反対方向(インキタンクの軸方向後方)に移動させる。これに伴って、インキ収容部内のピストンは当該インキ収容部の軸方向後方へ移動する。これにより、インキ収容部内に負圧が生じて、インキがインキ容器内からペン先を介してインキタンク内に吸入される。
以上のようなインキ吸入器は、特許第4596675号公報(特許文献1)などに開示されている。
以上のようなインキ吸入器を製造する工程には、インキタンクのインキ収容部の内周面全体に、フランジ部の摺動を円滑にするための潤滑剤(グリス)が適宜の塗布具を用いて塗布される工程と、ピストンのフランジ部がロッドよりもインキタンクの軸方向前方に位置する向きで、当該ピストンがインキタンク内に挿入される工程と、が含まれる。
特許第4596675号公報
インキタンクのインキ収容部の内周面全体に潤滑剤(グリス)を塗布する工程は、当該インキタンクの組立工程において特に時間を要する工程であり、製造コストを上昇させる要因となっていた。
本発明は、以上のような問題に鑑みて創案されたものであり、インキ収容部内に潤滑剤を塗布する工程を簡略化させ、従来よりも低コストで製造可能なインキ吸入器を提供することを課題とする。
本発明は、インキを収容するインキ収容部を軸方向前方に規定する筒形のインキタンクと、前記インキ収容部の内周面に当該インキ収容部の軸方向に摺動可能且つ液密に嵌め込まれたフランジ部と、当該フランジ部から前記インキタンクの軸方向後方に向かって伸長するロッドと、を有するピストンと、を備え、前記フランジ部は、前記インキ収容部の内面に摺動可能な接触部を、前記インキタンクの軸方向に間隔を空けて少なくとも2つ有しており、前記ピストンは、前記フランジ部の2つの前記接触部の間の領域に設けられた第1開口と、前記ロッドの外面に設けられた第2開口と、を有しており、前記第1開口と前記第2開口とは、前記ピストンの内部に設けられた連通路によって連通されていることを特徴とするインキ吸入器である。
本発明によれば、ロッドの外面に設けられた第2開口から、連通路及び第1開口を介して、インキ収容部の内面と2つの接触部の間のフランジ部の外面とによって囲まれた領域まで潤滑剤を供給することができるため、インキタンクのインキ収容部の内周面全体に、塗布具を用いて潤滑剤(グリス)を塗布する工程を省略することができる。すなわち、インキ収容部内に潤滑剤を塗布する工程を簡略化させ、従来よりも低コストで製造可能なインキ吸入器を提供することができる。
好ましくは、前記第2開口は、前記ロッドの軸方向後端に設けられている。この場合、ロッド内を延びる連通路を直線状に形成することができるため、潤滑剤の供給を容易に行うことができる。
以上のようなインキ吸入器の製造方法も、本発明の範囲内である。この製造方法は、前記フランジ部が前記ロッドよりも前記インキタンクの軸方向前方に位置する状態で、当該インキタンク内に前記ピストンを装着する工程と、前記ロッドの外面に設けられた前記第2開口から、前記連通路及び前記第1開口を介して、前記インキ収容部の内面と2つの前記接触部の間の前記フランジ部の外面とによって囲まれた領域まで潤滑剤を供給する工程と、を備えている。
あるいは、以上のようなインキ吸入器と、ペン先及び当該ペン先に至るインキ連通孔を有するペン先支持部と、を備えた万年筆も、本発明の範囲内である。
本発明によれば、ロッドの外面に設けられた第2開口から、連通路及び第1開口を介して、インキ収容部の内面と2つの接触部の間のフランジ部の外面とによって囲まれた領域まで潤滑剤を供給することができるため、インキタンクのインキ収容部の内周面全体に、塗布具を用いて潤滑剤(グリス)を塗布する工程を省略することができる。すなわち、インキ収容部内に潤滑剤を塗布する工程を簡略化させ、従来よりも低コストで製造可能なインキ吸入器を提供することができる。
本発明の一実施の形態のインキ吸入器の概略正面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のインキ吸入器のインキタンクの概略正面図である。 図3のB−B線断面図である。 図3のC−C線断面図である。 図4のD−D線断面図である。 図1のインキ吸入器のピストンの概略縦断面図である。 図7のE−E線断面図である。 図7のF−F線断面図である。 図1のインキ吸入器のツマミの概略正面図である。 図10のG−G線断面図である。 図10のツマミの概略縦断面図である。 図12のH−H線断面図である。 インキタンクにピストンを挿入する工程を示す概略縦断面図である。 インキタンクの内面とフランジ部の外面との間の領域に潤滑剤を注入する工程を示す概略縦断面図である。 ピストンのロッドにツマミ30を係合させる工程を示す概略縦断面図である。
以下に、添付の図面を参照して本発明の一実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態のインキ吸入器100の概略正面図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。図1及び図2に示すように、本実施の形態のインキ吸入器100は、インキを収容するインキ収容部11cを軸方向前方(図1及び図2における左方)に規定する筒形のインキタンク10と、インキ収容部11cの内周面に当該インキ収容部11cの軸方向に摺動可能かつ液密に嵌め込まれたフランジ部22と当該フランジ部22からインキタンク10の軸方向後方(図1及び図2における右方)に向かって伸長するロッド21とを有するピストン20と、ピストン20の後端領域に外嵌されたツマミ30と、を有している。
図3乃至図6を参照して、本実施の形態のインキタンク10について詳述する。図3は、図1のインキ吸入器100のインキタンク10の概略正面図であり、図4は、図3のB−B線断面図であり、図5は、図3のC−C線断面図であり、図6は、図4のD−D線断面図である。
図3及び図4に示すように、本実施の形態のインキタンク10は、軸方向前方(図3及び図4における左方)に設けられた円筒状部11と、この円筒状部11の軸方向後方(図3及び図4における右方)に一体的に設けられたカバー部12と、を有している。円筒状部11は、前述のインキ収容部11cを内部に規定している。また、図3乃至図6に示すように、カバー部12は、円筒の側面の一部が当該円筒の軸方向に沿って削ぎ落とされた形状、すなわち、インキタンク10の軸方向に延びる略矩形の窓部12cが側面に形成されたC字状の横断面を有する形状となっている。このカバー部12の後端には、インキタンク10の軸線と同心の円形の開口15が設けられている。また、インキ収容部11cとカバー部12との接続部の内面は、インキタンク10の軸方向後方に向かって先細となるテーパ面11tとなっている。
図3及び図5に示すように、カバー部12の後方領域の内面には、窓部12cの縁部近傍に係止部16が設けられている。更に、図4及び図6に示すように、カバー部12の外面には、インキタンク10の軸線に関して窓部12cと対称の位置に高摩擦部13が設けられている。この高摩擦部13は、インキタンク10の軸方向に略等間隔で当該インキタンク10の周方向に延在する6つの突条14によって構成されている。
次に、図7乃至図9を参照して、本実施の形態のインキ吸入器100に採用されているピストン20について詳述する。
図7は、図1のインキ吸入器100のピストン20の概略縦断面図であり、図8は、図7のE−E線断面図であり、図9は、図7のF−F線断面図である。
本実施の形態のピストン20は、前述の通り、フランジ部22とこのフランジ部22からインキタンク10の軸方向後方に伸長するロッド21とを有している。フランジ部22は、外側面にインキ収容部11cの内面に摺動可能に接触する環状の接触部22a、22bを、インキタンク10の軸方向に間隔を空けて2つ有している。本実施の形態では、図7に示すように、フランジ部22の軸方向前方(図7における左方)に設けられた接触部が第1接触部22aであり、当該フランジ部22の軸方向後方(図7における右方)に設けられた接触部が第2接触部22bである。これらの第1接触部22aと第2接触部22bとの間のフランジ部22の外面には、第1開口23が形成されている。更に、図7及び図9に示すように、ロッド21の外面には第2開口24が形成されており、第1開口23と第2開口24とは、ピストン20の内部に設けられた連通路25によって連通されている。
本実施の形態では、図7及び図8に示すように、第1開口23は、第1接触部22aと第2接触部22bとの間において、フランジ部22の外面にピストン20の軸線に関して対称の位置に形成されており、これら2つの第1開口23は、フランジ部22内に貫通形成され連通路25の一部を構成する第1連通路25aによって連通されている。また、図7及び図9に示すように、本実施の形態の第2開口24は、ロッド21の軸方向後端に設けられており、当該第2開口24と第1連通路25aとは、ロッド21内を軸方向に直線状に延びる第2連通路25bによって連通されている。
より詳しくは、図7に示すように、第2連通路25bは、第1連通路25aとの接続部分の近傍が小径部25cとなっており、この小径部25cの後端には、ロッド21の軸方向後方を向いた環状の平坦面25dが形成されている。
また、図7に示すように、ロッド21は、後方領域に縮径部26を有している。後述されるように、この縮径部26には、ツマミ30が外嵌されるようになっている。縮径部26の外側面には、当該縮径部26の周方向に延びる環状の凹部27と、凹部27の後方(図7における右方)において当該縮径部26の径方向に突出した環状の鍔部28と、が形成されている。本実施の形態では、鍔部28の後端は、ロッド21の軸方向後方に向かって先細りとなるテーパ面28tとなっている。縮径部26の後端部の外径は、凹部27と略同じ外径となっている。
次に、図10は、図1のインキ吸入器100のツマミ30の概略正面図であり、図11は、図10のG−G線断面図であり、図12は、図10のツマミ30の概略縦断面図であり、図13は、図12のH−H線断面図である。
図10乃至図13に示すように、本実施の形態のツマミ30は、略円筒状のツマミ本体31と、ツマミ本体31の軸方向に略等間隔に形成され、当該ツマミ本体31の周方向の一部に延在する3つの隆起部32と、ツマミ本体31の内面に設けられた係合部と、を有している。本実施の形態の係合部は、ツマミ本体31の内面の2箇所に当該ツマミ本体の軸線に関して対称に形成された凸部33である。本実施の形態では、2つの凸部33の離間距離は、ピストン20のロッド21に設けられた凹部27の外径よりも大きいが、当該ロッドに設けられた鍔部28の外径よりも小さい。また、図10及び図11に示すように、3つの隆起部32のうち中央の1つを除く2つには、ツマミ本体31の周方向の両端(図10における上下両端、図11における左右両端)に計4つの突起34が設けられている。
次に、図14A乃至図14Cを参照して、本実施の形態のインキ吸入器100の製造方法の一例について説明する。
図14Aは、インキタンク10内にピストン20を挿入する工程を示す概略縦断面図であり、図14Bは、インキタンク10の内面とフランジ部22の外面との間の領域に潤滑剤を注入する工程を示す概略縦断面図であり、図14Cは、ピストン20のロッド21にツマミ30を係合させる工程を示す概略縦断面図である。
まず、図14Aに示すように、ピストン20のフランジ部22がロッド21よりもインキタンク10の軸方向前方(図14Aの左方)に位置する状態で、インキタンク10内にピストン20が軸方向前方から挿入される。更に、インキタンク10のカバー部12に設けられた窓部12cから当該カバー部12内にツマミ30が挿入される。具体的には、ツマミ30は、カバー部12の窓部12cが鉛直上方に向けられ、ツマミ本体31の軸線がインキタンク10の軸線と揃えられた状態で、隆起部32が当該窓部12cから外方(図14Aにおける上方)に突出する向きで当該カバー部12内に挿入される。この時、ツマミ30はカバー部12内に固定されてはいないが、隆起部32が窓部12cの縁部に干渉することにより、カバー部12内においてインキタンク10の軸線回りの回転が規制される。
なお、前述の通り、ツマミ30に設けられた4つの突起34の対称性から、ツマミ本体31の軸線とインキタンク10の軸線とが揃っていれば、ツマミ30の前後を逆にして当該ツマミ30をカバー部12内に挿入しても良い。
そして、図14Bに示すように、フランジ部22の前面の形状に対応する先端形状を有する工具T(図14Bにおいて破線で示されている)によって、インキタンク10内に挿入されたピストン20が支持され、インキタンク10に対する軸方向前方(図14Bにおける左方)への相対移動が規制される。この状態で、インキタンク10の後端に設けられた開口15から、潤滑剤(グリス)を供給するための細管Pが挿入される。この細管Pは、外径がピストン20の第2開口24の内径よりも小さくなっていて、カバー部12及びツマミ30の内部を経由して、第2開口24から第2連通路25b内に挿入される。他方、細管Pは、外径がピストン20の小径部25cの内径よりも大きくなっていて、その先端が第2連通路25b内の平坦面25dに当接することにより当該細管Pの挿入が終了する。前述の通り、ピストン20は工具Tによってインキタンク10に対する軸方向前方への相対移動が規制されているため、細管Pの挿入時にピストン20が不所望に移動してしまうことはない。
そして、細管Pに接続された適宜の潤滑剤供給装置から潤滑剤が供給される。潤滑剤は、細管Pの先端から小径部25c及び第1連通路25aを介して、インキ収容部11cの内面と、第1接触部22a及び第2接触部22bの間のフランジ部22の外面と、によって囲まれた領域まで供給される。そして、潤滑剤が当該領域内に十分に供給されると、潤滑剤供給装置が停止され、細管Pが第2連通路25bから引き抜かれて潤滑剤の供給が終了する。なお、潤滑剤はある程度の粘性を有しているため、細管Pが第2連通路25bから引き抜かれても、ほとんどの潤滑剤は、インキ収容部11cの内面と、第1接触部22a及び第2接触部22bの間のフランジ部22の外面と、によって囲まれた領域に残留する。
そして、図14Cに示すように、工具Tによってピストン20がインキタンク10に対して軸方向後方(14Cにおける右方)に押圧され、ピストン20がインキタンク10内を軸方向後方に移動される。この時、インキ収容部11cの内面と、第1接触部22a及び第2接触部22bの間のフランジ部22の外面と、によって囲まれた領域に存在している潤滑剤が、第1接触部22aによってインキ収容部11cの内面に塗布される。更に、ロッド21の縮径部26とツマミ30とが固定される。具体的には、ピストン20が軸方向後方に移動すると、縮径部26のテーパ面28tとツマミ30の凸部33とが当接し、ツマミ30は、カバー部12の後端に当接するまで当該カバー部12内を軸方向後方に移動させられる。そして、工具Tによってピストン20が更に軸方向後方に押圧されると、テーパ面28tによって凸部33が一時的に押し上げられる(一時的にツマミ本体31が径方向外側に拡径される)。そして、工具Tによってピストン20が更に軸方向後方に押圧されると、凸部33が鍔部28を乗り越えて凹部27内に落ち込み、ロッド21にツマミ30が外嵌固定される。
次に、本実施の形態のインキ吸入器100の作用について説明する。
本実施の形態のインキ吸入器100は、万年筆に好適に採用され得る。このような万年筆は、軸筒と、この軸筒の軸方向前方側に設けられた、ペン先及び当該ペン先に至るインキ連通孔を有するペン先支持部と、軸筒内において、ペン先支持部の後端部から軸方向後方に延出した槍部と、を備えている。本実施の形態のインキ吸入器100は、万年筆の槍部をインキタンク10の前端の開口内に収容した状態で万年筆に取り付けられて使用される。
まず、万年筆等のケーシングを取り外して、インキ吸入器100のツマミ30を露出させる。製品によっては、購入時に、ピストン20がインキタンク10のインキ収容部11cの軸方向の最も前方に位置した状態にある(図1及び図2参照)。そうで無い場合には、ツマミ30を軸方向前方にスライドさせ、ピストン20をインキタンク10のインキ収容部11cの軸方向の最も前方に位置させる。
本実施の形態のインキ吸入器100においては、インキ収容部11cの内面と、第1接触部22a及び第2接触部22bの間のフランジ部22の外面と、によって囲まれた領域に潤滑剤が存在しているため、このスライド時に、第2接触部22bによってインキ収容部11cの内面に潤滑剤が塗布されつつフランジ部22がインキ収容部11c内を摺動する。このことにより、ピストン20は、インキタンク10内をスムーズに移動する。
次に、万年筆等のペン先をインキ容器内のインキに浸し、その状態でツマミ30を軸方向後方にスライドさせる。これに伴って、インキ収容部11c内のピストン20が、当該インキ収容部11cの軸方向後方へ移動される。これにより、インキ収容部11c内に負圧が生じて、インキがインキ容器内からペン先を介してインキ収容部11c内に吸入される。そして、ツマミ30をカバー部12の後端まで移動させることにより、インキ収容部11c内の略全体へのインキ吸入が完了する。
この時、ツマミ30の後端がインキタンク10の後端に当接して、インキタンク10に対する軸方向後方へのピストン20の相対移動が規制される。更に、ツマミ30の4つの突起部34のうちインキタンク10の軸方向方にある2つの突起部34とカバー部12の係止部16とが係合し、ツマミ30が不所望にインキタンク10に対して軸方向前方へ相対移動することが防止される。
このスライド時においては、第1接触部22aによってインキ収容部11cの内面に潤滑剤が塗布されつつフランジ部22がインキ収容部11c内を摺動する。このことにより、ピストン20は、インキタンク10内をスムーズに移動する。
以上のような本実施の形態によれば、ロッド21の外面に設けられた第2開口24から、第1及び第2連通路25a、25b及び第1開口23を介して、インキ収容部11cの内面と、第1接触部22a及び第2接触部22bの間のフランジ部22の外面と、によって囲まれた領域まで潤滑剤を供給することができるため、インキタンク10のインキ収容部11cの内周面全体に、塗布具を用いて潤滑剤を塗布する工程を省略することができる。すなわち、インキ収容部11c内に潤滑剤を塗布する工程を簡略化させ、従来よりも低コストで製造可能なインキ吸入器100を提供することができる。
また、本実施の形態の第2開口24は、ロッド21の軸方向後端に設けられている。このため、ロッド21内を延びる第2連通路25bを直線状に形成することができ、潤滑剤の供給を容易に行うことができる。
10 インキタンク
11 円筒状部
11c インキ収容部
11t テーパ面
12 カバー部
12c 窓部
13 高摩擦部
14 突条
15 開口
16 係止部
20 ピストン
21 ロッド
22 フランジ部
22a 第1接触部
22b 第2接触部
23 第1開口
24 第2開口
25 連通路
26 縮径部
27 凹部
28 鍔部
28t テーパ面
30 ツマミ
31 ツマミ本体
32 隆起部
33 凸部
34 突起部
100 インキ吸入器

Claims (4)

  1. インキを収容するインキ収容部を軸方向前方に規定する筒形のインキタンクと、
    前記インキ収容部の内周面に当該インキ収容部の軸方向に摺動可能且つ液密に嵌め込まれたフランジ部と、当該フランジ部から前記インキタンクの軸方向後方に向かって伸長するロッドと、を有するピストンと、
    を備え、
    前記フランジ部は、前記インキ収容部の内面に摺動可能に接触する接触部を、前記インキタンクの軸方向に間隔を空けて少なくとも2つ有しており、
    前記ピストンは、前記フランジ部の2つの前記接触部の間の領域に設けられた第1開口と、前記ロッドの外面に設けられた第2開口と、を有しており、
    前記第1開口と前記第2開口とは、前記ピストンの内部に設けられた連通路によって連通されている
    ことを特徴とするインキ吸入器。
  2. 前記第2開口は、前記ロッドの軸方向後端に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のインキ吸入器。
  3. 請求項1または2に記載のインキ吸入器と、
    ペン先及び当該ペン先に至るインキ連通孔を有するペン先支持部と、
    を備えたことを特徴とする万年筆。
  4. 請求項1または2に記載のインキ吸入器の製造方法であって、
    前記フランジ部が前記ロッドよりも前記インキタンクの軸方向前方に位置する状態で、当該インキタンク内に前記ピストンを装着する工程と、
    前記ロッドの外面に設けられた前記第2開口から、前記連通路及び前記第1開口を介して、前記インキ収容部の内面と2つの前記接触部の間の前記フランジ部の外面とによって囲まれた領域まで潤滑剤を供給する工程と、
    を備えたことを特徴とする製造方法。
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