JP6555580B2 - 画質変化検出装置、画質変化検出方法及び画質変化検出用プログラム - Google Patents

画質変化検出装置、画質変化検出方法及び画質変化検出用プログラム Download PDF

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本発明は、画質変化検出装置、画質変化検出方法及び画質変化検出用プログラムに関するものである。
従来、画像形成装置によって形成された画像のRGBデータ等の光学的データを画像センサによって読み取って、得られた光学的データから、特定方向における画像濃度ムラあるいはスジ状の異常画像などの画質変化を検出する画質変化検出装置が知られている。
特許文献1には、画像形成装置の主走査方向(記録材搬送方向に対して直交する方向)に長尺なスジ状の異常画像であるバンディングを検出し、その検出結果に基づいて画質の評価を行う画質評価装置(画質変化検出装置)が開示されている。この画質評価装置では、用紙等の記録材に記録された画像を読み取って、副走査方向(記録材搬送方向)における輝度(光学的データ)の分布情報(特定方向分布情報)である1次元の輝度分布情報を算出する。その後、この1次元の輝度分布情報を平滑化フィルタによって平滑化して得られる輝度分布情報と元の1次元の輝度分布情報との差分値を算出し、所定の閾値を超えた部分のみを人間が知覚するバンディング成分として抽出し、これを積分して非周期的なバンディング量を抽出する。そして、このようにして抽出した非周期的なバンディング量から、最終的なバンディング評価値(画質評価値)を算出する。
ところが、前記特許文献1に開示の画質評価装置では、主走査方向の長さが短いバンディング(短尺バンディング)を適切に検出できないおそれがある。
なお、副走査方向に生じるバンディングに限らず、任意の方向(特定方向)に生じるバンディングでも、その方向に対して交差又は直交する方向(非特定方向)の長さが短いものは、同様に適切な検出ができないおそれがある。
また、特定方向に生じる濃度ムラあるいは色の変化などの画質変化についても、非特定方向の長さが短いものは、バンディング同様、適切な検出ができないおそれがある。
上述した課題を解決するために、本発明は、画像形成装置によって形成された画像を読み取って得られる光学的データにおける該画像形成装置の副走査方向に対応する特定方向の分布を示す特定方向分布情報に基づいて、該画像上における特定方向の画質変化を検出する画質変化検出手段を備えた画質変化検出装置において、前記画質変化検出手段は、前記特定方向に対して交差又は直交する方向に該画像を分割して得られる2以上の画像領域ごとの特定方向分布情報に基づいて、各画像領域を前記特定方向に区分けして得られる区分間の画質変化指標値を算出し、算出した画質変化指標値に基づいて該特定方向の画質変化を検出し、前記区分は、隣り合う区分と部分的に重複するように設定されることを特徴とする。
本発明によれば、特定方向の画質変化が生じている画像部分が非特定方向に短いものであっても、これを適切に検出することが可能となるという優れた効果が奏される。
実施形態1における画質評価装置を模式的に示す外観図である。 同画質評価装置の構成を示すブロック図である。 同画質評価装置によって行われる画質評価方法の流れを示すフローチャートである。 評価対象画像を主走査方向に分割して得られる画像領域の設定方法を示す説明図である。 各画像領域を副走査方向に区分けする区分の一例を示す説明図である。 各画像領域を副走査方向に区分けする区分の他の例を示す説明図である。 各画像領域の副走査方向における色差分布を示すグラフである。 図7の色差分布が得られた評価対象画像の濃度ムラの例を示す説明図である。 図7の色差分布から得られる最大色差分布を示すグラフである。 モニタに表示される「異常なし」の評価結果の表示例を示す説明図である。 モニタに表示される「異常あり」の評価結果の表示例を示す説明図である。 実施形態2における、画質評価装置を搭載した画像形成装置の一例を示す説明図である。 同画像形成装置で行われる画質評価方法の流れを示すフローチャートである。 画質評価装置を搭載した画像形成装置の他の例を示す説明図である。 変形例における画質評価方法の流れを示すフローチャートである。 既知の濃度ムラ発生周期とこれに対応する濃度ムラの発生原因部材との対応関係を示すテーブルデータの一例を示す説明図である。 L*値の副走査方向分布の一例を示すグラフである。 図17に示すL*値の副走査方向分布を周波数解析して得られる周波数分布から求めた発生周期分布を示すグラフである。 変形例において、モニタに表示される「異常なし」の評価結果と濃度ムラ発生原因部材の表示例を示す説明図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明に係る画質変化検出装置を、複写機やプリンタ等の画像形成装置によって形成された画像の画質評価装置に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
まず、本実施形態1における画質評価装置によって行われる画質評価方法について説明する。この画質評価方法は、画像上における特定方向の画質変化として、副走査方向における局所的な濃度ムラ(主走査方向に延びるスジ状の異常画像を含む。)を検出し、その検出結果に応じて画像を評価するものである。
図1は、本実施形態1における画質評価装置を模式的に示す外観図である。
図2は、本実施形態1における画質評価装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態1の画質評価装置100は、汎用のパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という。)の本体101と、これに接続される画像読取装置としての画像スキャナ102と、表示手段としてのモニタ103とから構成される。パソコン本体101は、主に、CPU(Central Processing Unit)等からなる演算部101aと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)あるいはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置からなる記憶部101bとから構成されるが、そのほか、通信インターフェース等からなる通信部など、汎用のパソコンが備える一般的な機能も備えている。
パソコン本体101の記憶部101bには、本実施形態1の画質評価方法を行うための画質変化検出用プログラムを含む各種コンピュータプログラムが記憶されている。また、記憶部101bには、スキャナ102で読み取られる画像データなどの各種データも記憶される。パソコン本体101の演算部101aは、記憶部101bに記憶されている各種コンピュータプログラムをCPUで実行することにより、本実施形態1の画質評価装置としての動作に必要な各種機能を実現する。特に、本実施形態1では、画質変化検出用プログラムをCPUで実行することにより、スキャナ102で読み取った画像の副走査方向における局所的な濃度ムラを検出する濃度ムラ検出処理を実行するとともに、その処理結果に応じて画像の評価結果をモニタ103に表示させる評価結果表示処理も実行する。
図3は、本実施形態1における画質評価装置によって行われる画質評価方法の流れを示すフローチャートである。
本実施形態1においては、まず、評価対象とする画像が形成された記録材としての用紙をスキャナ102によって読み取り、当該画像の光学的データとしての画像データを取得する(S1)。この画像データは、一般的なRGBデータであるが、ここで読み取る画像データは、本実施形態1の画質評価方法に使用可能な光学的データであれば、輝度データ、明度データ、色相データ、色度データ、これらを任意に組み合わせたデータなど、他の物理特性量を示すものであってもよい。本実施形態1では、後述するように色差データを得る必要があるので、色差データを得るのに必要な物理特性量である必要がある。
このようにスキャナ102により読み取った画像データは、パソコン本体101の記憶部101bに記憶された後、パソコン本体101の演算部101aによって色差データを計算するための物理特性量にデータ変換する(S2)。具体的には、スキャナ102により読み取ったRGBデータを、L*a*b*色空間などの色空間データに変換する。
次に、演算部101aは、図4に示すように、主走査方向に評価対象画像300を分割して得られる3〜7個程度(ここでは5個)の画像領域300−1,300−2,300−3,300−4,300−5を設定する(S3)。ここで設定される画像領域は、検出する濃度ムラが生じる副走査方向に対し、交差又は直交する方向に分割された2以上の画像領域であれば、その数や形状や寸法などは任意である。また、評価対象画像のサイズ(用紙サイズ)に応じて、設定する画像領域の数や形状や寸法などを変更してもよいし、評価対象画像のサイズ(用紙サイズ)によらずに画像領域の数や形状や寸法などが一定であってもよい。
次に、演算部101aは、処理ステップS2で生成した色空間データを、設定した5個の画像領域300−1〜300−5に分割する(S4)。そして、分割後の各色空間データ(分割色空間データ)について、更に、副走査方向に区分けされる複数の区分ごとにデータ分割する(S5)。データ分割する区分の数は、多ければ多いほど、より詳細な濃度ムラ検出が可能となるというメリットがあるが、演算負荷が増大するというデメリットも生じるので、両者のバランスを考慮して適宜設定される。
図5は、本実施形態1における区分の一例を示す説明図である。
図5に示すグラフは、縦軸に色空間データ値(ここでは、L*a*b*色空間の明度であるL*値)をとり、横軸に副走査方向位置をとったものであり、色空間データ(L*値)の副走査方向分布の一例を示すものである。本実施形態1では、図5に示すように、設定される各区分が互いに重複せずに隣接するように設定されており、その区分の幅(副走査方向長さ)等は任意に設定される。ただし、区分の設定方法は、これに限らず、例えば、図6に示すように、隣り合う区分同士と部分的に重複するように設定してもよい。
次に、演算部101aは、各区分間における色差、すなわち、色空間上の距離を算出する(S6)。算出する色差は、ここでは、区分をまたいで隣接する2つの画素列(主走査方向に延びる画素列)間の色差を用いるが、これに限らず、例えば、各区分内における色空間データの総和や平均値などを演算し、その演算結果を用いて区分間の色差を計算してもよい。なお、区分をまたいで隣接する2つの画素列間の色差を用いる場合、例えば、両画素列の色空間データの総和や平均値を演算し、その演算結果を用いて区分間の色差を計算してもよい。あるいは、両画素列間で副走査方向に隣接する色空間データ同士の色差をそれぞれ演算し、これらの色差の総和や平均値などを算出して、これを区分間の色差としてもよい。
図7は、5個の画像領域300−1〜300−5についての副走査方向の色差分布を示すグラフである。
図8は、図7の色差分布が得られた評価対象画像の濃度ムラの例を示す説明図である。
上述したように各区分間の色差を算出することで、図7に示すように、5個の画像領域300−1〜300−5ごとに、副走査方向における色差の分布情報、すなわち、副走査方向に配列される色差(画質変化指標値)のデータ群(副走査方向に対応する一次元のデータ群)が得られる。本実施形態1によれば、副走査方向の濃度ムラが主走査方向の一部分で生じているような場合(例えば図8中の靄状の濃度ムラ)、評価対象画像を主走査方向に分割せずに得た副走査方向の色差分布よりも、そのような濃度ムラの検出精度が高まる。
詳しく説明すると、副走査方向の濃度ムラが主走査方向の一部分で生じているような場合(例えば図8中の靄状の濃度ムラ)、評価対象画像を主走査方向に分割せずに得た副走査方向の色差分布では、当該濃度ムラが生じていない主走査方向の他の部分の色空間データによる色差データ(色差が小さいデータ)の影響で、当該濃度ムラが生じている主走査方向部分の色差データが希釈化される。その結果、当該濃度ムラが生じている副走査方向位置の色差データは、当該濃度ムラが生じている主走査方向部分の色差データよりも小さいものとなり、その色差データが濃度ムラの検出基準となる所定の閾値を超えず、濃度ムラの検出漏れを生じやすい。
このとき、濃度ムラの検出基準となる所定の閾値を小さく設定すれば、評価対象画像を主走査方向に分割せずに得た副走査方向の色差分布であっても、主走査方向の一部で生じている濃度ムラの検出漏れを少なくすることは可能である。しかしながら、この場合には、人間が知覚し得るほどの濃度ムラではないノイズを濃度ムラと区別できずに検出してしまう誤検出が増大することになり、かえって濃度ムラの検出精度を落とす結果となり得る。したがって、濃度ムラの検出基準となる所定の閾値はノイズと区別して濃度ムラが検出できる適切な値に設定したまま、主走査方向の一部で生じている濃度ムラの検出漏れを少なくすることが必要である。
本実施形態1においては、評価対象画像を主走査方向に分割した5個の画像領域300−1〜300−5ごとに、副走査方向の色差分布を得る。この場合、各画像領域300−1〜300−5の色差の値は、当該画像領域内のみの色空間データから算出されたものであり、他の画像領域の色空間データの影響を受けていない。そのため、副走査方向の濃度ムラが主走査方向の一部分で生じているような場合(例えば図8中の靄状の濃度ムラ)、当該濃度ムラが生じている主走査方向位置に対応した画像領域の色差の値は、当該濃度ムラが生じていない他の主走査方向位置に対応した画像領域の色差の影響を受けない。その結果、当該濃度ムラが生じている画像領域の色差の値が、当該濃度ムラが生じていない他の画像領域の色差によって希釈化されるようなことはない。したがって、各画像領域の色差分布から、それぞれ対応する主走査方向位置で生じている副走査方向の濃度ムラを適切に検出することができるので、副走査方向の濃度ムラが主走査方向の一部分で生じているような場合でも(例えば図8中の靄状の濃度ムラ)、その濃度ムラが適切に検出される。
また、評価対象画像を主走査方向に分割せずに得た副走査方向の色差分布では、主走査方向の画像長さにわたる濃度ムラ(例えば図8中の縦方向に延びるスジ状の濃度ムラ)であっても、検出漏れが発生する場合があった。具体的には、例えば、評価対象画像がもともと主走査方向の濃度偏差をもっている場合に白色の縦スジ(図8中の一番右側の白色の縦スジ)が発生しているとき、その白色縦スジの主走査方向位置によっては、副走査方向に隣接する画像部分との色差が大きく異なる。例えば、副走査方向に隣接する画像部分が白色に近い主走査方向位置では、白色縦スジとの色差が小さいものとなる。このような場合、評価対象画像を主走査方向に分割せずに得た副走査方向の色差分布では、白色縦スジとの色差が小さい主走査方向位置の色差データの影響で、白色縦スジとの色差が大きな主走査方向位置の色差データが希釈化される。その結果、白色縦スジが生じている副走査方向位置の色差データは、色差の大きな主走査方向位置の色差データよりも小さいものとなり、その色差データが検出基準となる所定の閾値を超えず、白色縦スジの検出漏れを生じやすい。
このような場合であっても、本実施形態1によれば、主走査方向に分割された各画像領域300−1〜300−5の色差の値が、当該画像領域内のみの色空間データから算出されたものであり、他の画像領域の色空間データの影響を受けていない。そのため、上述したように、評価対象画像がもともと主走査方向の濃度偏差をもっている場合に白色の縦スジ(図8中の一番右側の白色の縦スジ)が発生しているときでも、色差の大きな主走査方向位置に対応する画像領域の色差の値は、色差の小さな主走査方向位置に対応した他の画像領域の色差の値によって希釈化されるようなことはない。したがって、主走査方向位置によって色差が異なる副走査方向の濃度ムラ(白色縦スジ等)であっても、各画像領域の色差分布から適切に検出することができる。
以上のようにして求まる5個の画像領域300−1〜300−5についての各色差分布情報は、そのままモニタ103等に表示して、作業者に報知するようにしてもよい。この場合、各色差分布情報の波形を見た作業者が、自らの経験や知識に基づいて副走査方向の濃度ムラが発生しているかどうかを判断することができる。
ただし、本実施形態1では、より客観性の高い濃度ムラの検出を実現するために、演算部101aは、続いて、上述したようにして得られた5個の画像領域ごとの色差分布において、同じ副走査方向位置に対応する区分につき、それぞれ、これらの画像領域300−1〜300−5間で色差が最大である色差データを抽出する(S7)。これをグラフに表すと、図7のグラフ中の「×」で示すグラフとなる。
このようにして、各画像領域間で色差が最大である最大色差データを抽出することで、評価対象画像について副走査方向における最大色差分布情報、すなわち、副走査方向に配列される最大色差のデータ群(副走査方向に対応する一次元のデータ群)が得られる。本実施形態1では、このようにして得た最大色差分布情報に対し、評価基準となる所定の閾値を設定し、その閾値を上回る最大色差データをもつ副走査方向位置に、人間に知覚される濃度ムラが発生しているものと判断して、これを抽出する(S8)。このときの閾値は、人間に知覚される濃度ムラを検出する観点から適宜設定するのが好ましい。
以上のようにして、人間に知覚される濃度ムラが副走査方向のどの位置に発生しているかを把握できるので、その結果をモニタ103等に表示して作業者に報知すれば、作業者は、濃度ムラの発生を容易に判断することができる。ただし、どの程度の濃度ムラが発生すると、画質改善などの対処が必要となるか等の画質評価を行う場合には、作業者の経験や知識が必要である。
そこで、より客観的な画質評価を実現するために、本実施形態1では、演算部101aにより、処理ステップS8で抽出した閾値を超える最大色差データの総和を算出し(S9)、定量的な画質評価を行う。この総和は、処理ステップS8で抽出した閾値を超える最大色差データを単純に足し合わせたものでもよいが、抽出された最大色差データと閾値との差分を足し合わせたものでもよい。この場合の総和は、例えば、図9に示す斜線部分の面積に相当する。
次に、演算部101aは、画像形成装置の製品品質として許容できる画質であるか否かを判断するための所定の評価閾値と、処理ステップS9で算出した最大色差データの総和とを比較する(S10)。そして、最大色差データの総和が評価閾値を超えていない場合には(S10のNo)、その画像形成装置によって形成された画像の画質は製品品質の許容範囲内であるとして、演算部101aは、モニタ103に、図10に示すような「異常なし」の評価結果を表示させる(S11)。一方、最大色差データの総和が評価閾値を超えている場合には(S10のYes)、その画像形成装置によって形成された画像の画質が製品品質の許容範囲を超えているとして、演算部101aは、モニタ103に、図11に示すような「異常あり」の評価結果を表示させる(S12)。
本実施形態1によれば、作業者は、モニタ103に表示される評価結果を見ることで、評価対象画像が許容範囲を超える濃度ムラが発生しているか否かを客観的に判断することができる。なお、本実施形態1では、作業者への評価結果の報知方法がモニタ103による表示によって視覚的に報知する方法であるが、異常であるときにビープ音などの警告音を発するような聴覚的な報知方法であってもよい。
〔実施形態2〕
次に、本発明に係る画質変化検出装置を、画像形成装置の内部に組み込まれる画質評価装置に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
上述した実施形態1は、画像形成装置によって画像が形成された用紙をスキャナ102によって読み取った画像データに基づいてパソコン本体101により濃度ムラの検出結果に応じた画質評価を行うものであった。上述した実施形態1であれば、画像形成装置の場所を問わずに画質評価方法を実施できるので、例えば工場出荷前の画像形成装置について一括して画質評価を実施したり、保守作業員が画像形成装置の設置場所に訪問してパソコンとスキャナを使ってその画像形成装置の画質評価を実施したりすることができる。これに対し、本実施形態2は、このような画質評価装置100の機能を画像形成装置に搭載して画質評価を行うものである。本実施形態2であれば、画像形成装置のユーザーが自ら画質評価方法を実施したり、保守作業員が画像形成装置の設置場所に訪問して画像形成装置の機能を使って画質評価を実施したりすることができる。
図12は、本実施形態2に係る画像形成装置200の一例を示す説明図である。
本実施形態2の画像形成装置200は、原稿の画像を読み取る画像読取手段としての画像読取部2と、記録材としての用紙P上に画像を形成する画像形成部3とを備えている。また、画像形成装置200は、画像形成部3に対して用紙Pを供給する用紙供給部4と、画像形成後の用紙Pを排出する用紙排出部5とを備えている。
画像読取部2は、透明な原稿台にセットされた原稿の画像を読み取る手段であり、例えば、ランプ、ミラー及びキャリッジ等からなる光学走査系と、この光学走査系で走査された光学像を結像させるレンズ系とを備えている。また、画像読取部2は、レンズ系で結像された光学像を受光して電気信号に変換するCCD等の画像読み取りセンサとを備えている。
画像形成部3は、電子写真方式により、互いに異なる色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色成分のトナー像を複数の像担持体としての感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kにそれぞれ形成する複数の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを備えている。以下、本実施形態において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色成分について用いる部材や装置であることを区別して説明する場合には、各部材や装置の符号の末尾にY,M,C及びKを付している。また、各色成分について用いる部材や装置の共通する構成や動作等を説明する場合は、適宜、符号の末尾のY,M,C及びKは省略する。
画像形成部3は、各画像形成ユニット10にて感光体ドラム11上に形成された各色成分のトナー像を順次転写(一次転写)して保持させる像担持体としての中間転写体である中間転写ベルト15を備えている。また、画像形成部3は、中間転写ベルト15上に転写された重ねトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写手段としての二次転写部20と、二次転写されたトナー像を用紙P上に定着させる定着手段としての定着部46とを備えている。また、画像形成部3は、各装置(各部)の動作を制御する制御手段としての制御部40と、画像読取部2やパーソナルコンピュータ等の外部装置から出力されてくる入力画像データに基づいて画像形成用のデータ等を作成する画像処理部44とを備えている。なお、本実施形態では、各画像形成ユニット10、中間転写ベルト15および二次転写部20等によって、用紙P上に画像を形成する画像形成手段が構成されている。
制御部40及び画像処理部44は、それぞれ、例えばCPU、ROMやRAM等のメモリで構成することができる。CPUは、例えば、ROMに格納されたコンピュータプログラムをRAMに展開し、当該RAMをワークエリア及びデータバッファとして使用しながらコンピュータプログラムを実行して各種制御や各種処理を実行する。また、制御部40は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)等の通信インターフェースを介して外部装置と通信することができる。
画像処理部44は、画像読取部2で読み取られた画像データを画像形成処理に用い得る所定の画像データに変換する変換処理等の画像データの処理を行う。画像処理部44は、上述した実施形態1で説明したパソコン本体101の演算部101aで行われる各種処理を行う画質変化検出手段としても機能する。すなわち、本実施形態2では、画像処理部44と必要に応じて制御部40が画質評価装置100として機能し、上述した実施形態1で説明した画質評価方法を実行する。
図12に示すように、4つの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、それぞれ同様な構成を有し、所定方向に回転する感光体ドラム11を備えている。また、各画像形成ユニット10の感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を所定の電位に帯電する帯電手段としての帯電器と、感光体ドラム11上に露光レーザビームを走査照射して静電潜像を書き込む露光手段としてのレーザ露光器13とを備えている。また、感光体ドラム11の周囲には、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像手段としての現像装置を備えている。さらに、感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写手段としての一次転写ローラ16、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナなども配設される。
中間転写ベルト15は、各種ローラによって各感光体ドラム11に連れ回る向きに所定の速度で循環駆動されている。この各種ローラとして、定速性の駆動モータにより駆動されて中間転写ベルト15を循環駆動させる駆動ローラと、各感光体ドラム11の配列方向に沿って直線状に延びるように中間転写ベルト15を支持する支持ローラとを有している。また、各種ローラとして、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止するテンションローラや、二次転写部20に設けられるバックアップローラ、二次転写部20よりも中間転写ベルトの搬送方向下流側に設けられるアイドルローラなども有している。
各一次転写ローラ16は、各感光体ドラム11に対向して直線状に延びるように張架されている中間転写ベルト15の張架部の内側に設けられ、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加される。これにより、各感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成される。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ローラと、バックアップローラ等によって構成される。バックアップローラは、中間転写ベルト15の内側に配置されて二次転写ローラの対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加されるバイアス印加用部材としての金属製の給電ローラが当接配置されている。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20よりもベルト移動方向下流側には、中間転写ベルト15の表面をクリーニングするクリーニング手段としてのベルトクリーナが、中間転写ベルト15に対して接離自在に設けられている。ベルトクリーナは、中間転写ベルト15を挟んで駆動ローラに対向して配置され、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去する。
定着部46は、加熱加圧等によって用紙Pにトナー像を定着させるものである。本実施形態2において、定着部46は、用紙Pの画像形成面に対向配置される加熱ローラ46aと、この加熱ローラ46aに圧接配置されて定着ニップを形成する加圧ベルト46bと、加熱ローラ46aに内蔵される加熱源としてのハロゲンランプ46cとを備えている。
用紙供給部4は、第一のトレイ50、第二のトレイ51及び第三のトレイ52に収容された各々の用紙Pを、それぞれ所定の経路で搬送するものである。各トレイ50〜52の近傍には、それぞれに対応する送り出しローラ53,54,55が配設されている。各送り出しローラ53〜55は、対応するトレイ50〜52から一枚ずつ分離して取り出された用紙Pをニップして用紙搬送路上に一時停止させると共に、所定のスタート信号に基づくタイミングで用紙搬送方向の下流側に用紙Pを送り出すものである。
用紙供給部4の上部には、画像読取部2の近傍に、表示モニタ56およびこの表示モニタ56に隣接してユーザによって操作される入力用のキーボード56aが配設されている。本実施形態2では、表示モニタ56が、上述した実施形態における画質の評価結果を表示する表示モニタ103と同様の機能を果たす。第三のトレイ52の下側には、画像形成装置200内で使用する電力を供給する電源43が配置されている。
各送り出しローラ53〜55による用紙Pの送り出し位置から、画像形成部3の画像形成処理位置を経由して排出トレイ57に至る一連の用紙搬送路R1〜R5には、それぞれ、用紙搬送のための装置内搬送手段としての搬送ローラが適宜配設されている。第一のトレイ50に収容された用紙Pは、送り出しローラ53により送り出された後、第一の用紙搬送路R1を経由して合流搬送部58へと送り込まれる。また、第二のトレイ51に収容された用紙Pは、送り出しローラ54により送り出された後、第一の用紙搬送路R1を経由して合流搬送部58へと送り込まれる。一方、第三のトレイ52に収容された用紙Pは、送り出しローラ55によって合流搬送部58へと直接送り込まれる。
合流搬送部58に送り込まれた用紙Pは、第二の用紙搬送路R2を経由して画像形成部3の二次転写部20へと送り込まれる。更に、二次転写部20を通過した用紙Pは、ベルト搬送部45により定着部46に送り込まれた後、第三の用紙搬送路R3を経由して排出トレイ57へと排出される。これに対して、両面に画像が形成される用紙Pは、定着部46を通過した後、第四の用紙搬送路R4を経由して両面反転部59に送り込まれ、ここで表裏反転された後、第五の用紙搬送路R5を経由して再び合流搬送部58へと送り込まれる。
このような用紙搬送路R1〜R5において、第二の用紙搬送路R2には姿勢補正部60とレジストローラ61とが配設されている。姿勢補正部60は、第二の用紙搬送路R2を搬送される用紙Pの姿勢を補正するものである。レジストローラ61は、互いに圧接状態に保持された一対のローラによって構成され、これら一対のローラ間で用紙Pをニップしつつ、所定のスタート信号に基づくタイミングでこのローラ対を回転させることによって二次転写部20に用紙Pを送り込むものである。
図13は、本実施形態2における画像形成装置で行われる画質評価方法の流れを示すフローチャートである。
本実施形態2の画質評価方法では、まず、制御部40の制御の下、テスト画像を印刷する(S21)。このテスト画像は、例えば制御部40または画像処理部44のメモリに予め格納されている。画像形成部3は、制御部40の制御の下、メモリから読み出されたテスト画像データに基づいてテストトナー像を形成する。画像形成部3では、4つの感光体ドラム11を回転駆動しつつ、それぞれに対応する帯電器、レーザ露光器13、現像装置によって各感光体ドラム11の表面にイエロー、マゼンタ、シアン、黒のテストトナー像が形成される。このようにして形成された各色のテストトナー像は、一次転写ローラ16によって順次中間転写ベルト15上に重ね転写される。これにより、中間転写ベルト15には、4色のトナー像を重ね合わせた多色(フルカラー)のテストトナー像が形成される。そして、中間転写ベルト15に形成されたテストトナー像は、中間転写ベルト15に担持された状態で二次転写部20へと送り込まれる。
一方、キーボード56aを用いてユーザにより選択されたトレイの用紙P、あるいは自動選択機能によって選択されたトレイの用紙Pは、二次転写部20に中間転写ベルト15上のテストトナー像が到達するタイミングに合わせてレジストローラ61により送り込まれる。例えば、選択されたトレイが第一のトレイ50である場合には、送り出しローラ53によって送り出された用紙Pが第一の用紙搬送路R1を経由して合流搬送部58に送り込まれる。更に第二の用紙搬送路R2を経由して姿勢補正部60にてその姿勢が補正された後、レジストローラ61により二次転写部20へと送り込まれる。
そして、画像形成部3の二次転写部20では、中間転写ベルト15に担持されたテストトナー像(フルカラー画像)が二次転写ローラによって用紙Pに一括転写(二次転写)される。その後、テストトナー像が転写された用紙Pは、ベルト搬送部45によって定着部46に送られ、加熱加圧定着がなされた後、第三の用紙搬送路R3を経由し、排出トレイ57に排出される。このようにして、テスト画像が用紙Pに印刷される。
このようにしてテスト画像が印刷された用紙Pは、ユーザ等により画像読取部2に原稿としてセットされ、画像読取部2で読み取られる。これにより、画像処理部44は、上述した実施形態1のパソコン本体101の演算部101aと同様、テスト画像の画像データを取得する(S1)。以後の処理工程(S2〜S11)は、上述した実施形態1と同様である。ただし、「異常なし」の評価結果あるいは「異常あり」の評価結果の表示は、表示モニタ56に表示させる。
なお、本実施形態では、排出トレイ57に排紙された用紙Pをユーザ等が画像読取部2にセットし、画像読取部2によりテスト画像の画像データを読み取る例であるが、画像読取部2とは別に、画像形成装置内に設けた画像読取手段を用いてテスト画像の画像データを読み取ってもよい。例えば、図12に示すように、用紙排出部5に、第三の用紙搬送路R3を搬送される用紙P上の画像の画像データを読み取る画像読取手段70を設けてもよい。この場合、定着後の用紙上におけるテスト画像の画像データを、ユーザーの作業なしに読み取ることができる。また、図14に示すように、中間転写ベルト15上に転写されたテストトナー像を読み取る画像読取手段71を設けてもよい。あるいは、用紙Pに転写された未定着のテストトナー像の画像データを読み取る位置に画像読取手段を配置してもよいし、各感光体ドラム11上のテストトナー像の画像データを読み取る位置に画像読取手段を配置してもよい。なお、画像読取手段としては、スキャナ102や画像読取部2と同様のスキャナであってもよいが、微小濃度計やCCDカメラなど、必要な光学的データが取得できるものではれば、特に制限されることはない。
〔変形例〕
次に、上述した実施形態1や2における画質評価方法の一変形例について説明する。
本変形例は、上述した実施形態1や2において評価結果が「異常あり」と判断されたときに、更に、その異常原因を特定して作業者に報知する。なお、以下の説明では、上述した実施形態1の画質評価方法を用いる例で説明するが、上述した実施形態2の画質評価方法であっても同様である。
図15は、本変形例における画質評価方法の流れを示すフローチャートである。
上述した実施形態1の画質評価方法により、最大色差データの総和が評価閾値を超えていると判断された場合(S10のYes)、本変形例では、まず、最大色差データの周波数解析を行う(S31)。具体的には、例えば、処理ステップS2によって得られる色空間データ(例えばL*値)の副走査方向分布に対して周波数解析を行い、色空間データの周波数分布を求め、その周波数分布でピークを示すピーク周波数を抽出する。このようにして抽出されるピーク周波数は、副走査方向における濃度ムラの発生周期に相当する。濃度ムラの発生周期は、その濃度ムラの発生原因に係る部材の回転周期等に対応しているため、抽出したピーク周波数から濃度ムラの発生原因に係る部材を推定することができる。
本実施形態では、図16に示すように、予め濃度ムラの発生周期とこれに対応する濃度ムラの発生原因部材との対応関係を示すテーブルデータが記憶部101bに記憶してある。演算部101aは、周波数解析によってピーク周波数を抽出したら、そのピーク周波数から得られる濃度ムラの発生周期が記憶部101b内のテーブルデータ内に存在するかどうかを確認する。そして、これが確認されたら、その濃度ムラの発生周期に対応する部材を、濃度ムラの発生原因部材として特定する(S32)。
具体例で説明すると、図17に示すようなL*値の副走査方向分布を周波数解析して得られる周波数分布から、図18に示すような発生周期分布を求めて、ピーク周波数に対応するピーク発生周期P1,P2,P3,P4を抽出する。これらのピーク発生周期P1,P2,P3,P4のうち、記憶部101bのテーブルデータ内の発生周期と一致するものがあれば、その発生周期に対応する部材を、濃度ムラの発生原因部材として特定する。図18から得られるピーク発生周期P1,P2,P3,P4のうち、3つのピーク発生周期P1,P2,P3については、図16に示すテーブルデータ内に存在している。
よって、この場合、演算部101aは、モニタ103に対し、図19に示すように、「異常あり」の評価結果とともに、濃度ムラの発生原因として特定した3つの部材(感光体、現像ローラ、ギア)を表示させる(S33)。その結果、作業者は、モニタ103の表示内容を見ることで、評価対象画像が許容範囲を超える濃度ムラが発生しているか否かを客観的に判断できるだけでなく、その濃度ムラの発生原因となる部材がどれであるかも客観的に判断できる。よって、濃度ムラの発生原因を取り除くメンテナンス作業を、迅速かつ適切に行うことができる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
画像形成装置200によって形成された画像のRGBデータ、色空間データ等の光学的データの副走査方向等の特定方向における分布を示す特定方向分布情報に基づいて、該画像上における副走査方向等の特定方向の濃度ムラ等の画質変化を検出する演算部101aや画像処理部44等の画質変化検出手段を備えた画質評価装置100等の画質変化検出装置において、前記画質変化検出手段は、前記特定方向に対して交差又は直交する方向(主走査方向等)に該画像を分割して得られる2以上の画像領域300−1〜300−5ごとの特定方向分布情報(副走査方向における色空間データの分布情報等)に基づいて、該特定方向の画質変化を検出することを特徴とする。
通常、画像形成装置によって形成された画像の光学的データの特定方向分布情報から、特定方向の画質変化を示す箇所を検出することで、当該画像上における特定方向の画質変化を検出することが可能である。ところが、前記特許文献1に開示の画質評価装置を含む従来の画質変化検出装置では、特定方向の画質変化の検出に用いる特定方向分布情報が、当該特定方向に対して交差又は直交する方向(非特定方向)に分割されていない画像全体の情報である。このような特定方向分布情報は、非特定方向の長さが短い短尺な特定方向の画質変化(短尺バンディング等)については、非特定方向において、当該短尺な画質変化が生じている箇所と、当該短尺な画質変化が生じていない箇所との情報とを含む。そのため、短尺な画質変化が生じていない箇所の情報の影響を受けてしまい、画質変化が生じている箇所の情報が十分に反映された特定方向分布情報が得られない。このような特定方向分布情報では、短尺な画質変化について、画質変化を示す特定の変化が十分に現れず、検出漏れを引き起こすおそれがある。
これに対し、本態様においては、特定方向の画質変化を検出するために用いる特定方向分布情報として、非特定方向に画像を分割して得られる2以上の画像領域ごとに生成されたものを用いる。そのため、短尺な画質変化が発生している場合、その短尺な画質変化が生じている非特定方向の箇所に対応した画像領域についての特定方向分布情報を得ることができる。この画像領域の特定方向分布情報は、非特定方向に画像を分割していない画像領域すなわち画像全体の特定方向分布情報よりも、当該短尺な画質変化が生じていない非特定方向の箇所における情報の影響が少ない。よって、当該画像領域の特定方向分布情報を利用することで、特定方向の画質変化が生じている画像部分が非特定方向に短いものであっても、これを適切に検出することが可能である。
(態様B)
前記態様Aにおいて、前記画質変化検出手段は、前記2以上の画像領域ごとの特定方向分布情報に基づいて、各画像領域を前記特定方向に区分けして得られる区分間の色差等の画質変化指標値を算出し、算出した画質変化指標値に基づいて前記特定方向の画質変化を検出することを特徴とする。
これによれば、画質変化が発生している特定方向位置や画質変化の程度などを、簡易に検出することが可能となる。なお、画質変化指標値は、画像の光学的データが色情報を含む色空間データであれば、例えば色差を用いることができ、画像の光学的データが輝度情報のみの輝度データであれば、例えば輝度差を用いることができる。
(態様C)
前記態様Bにおいて、前記区分は、隣り合う区分と部分的に重複するように設定されることを特徴とする。
これによれば、より詳細な画質変化指標値を得ることが可能となる。
(態様D)
前記態様B又はCにおいて、前記画質変化検出手段は、所定の閾値を超える画質変化指標値に基づいて前記特定方向の画質変化を検出することを特徴とする。
これによれば、ノイズ成分を区別して顕著な画質変化を適切に検出することができる。
(態様E)
前記態様B〜Dのいずれかの態様において、前記画質変化指標値は、各画像領域の各区分間における色差値であることを特徴とする。
画質変化指標値として色差値を用いることで、カラー画像について、人間に知覚されやすい画質変化を高精度に抽出することが可能である。
(態様F)
前記態様B〜Eのいずれかの態様において、前記画質変化検出手段は、前記特定方向の位置ごとに、前記2以上の画像領域の画質変化指標値の中で最大の画質変化を示す最大画質変化指標値(最大色差等)を選択し、選択した各最大画質変化指標値に基づいて該特定方向の画質変化を検出することを特徴とする。
これによれば、簡易かつ安定して画質変化を検出することができる。
(態様G)
前記態様Fにおいて、前記画質変化検出手段は、前記特定方向の各位置における最大画質変化指標値の総和に基づいて該特定方向の画質変化を検出することを特徴とする。
これによれば、評価対象画像の全体的な画質評価を行うことができる。
(態様H)
前記態様A〜Gのいずれかの態様において、前記画質変化検出手段は、前記特定方向の画質変化の検出結果に基づき、所定の判定基準に従って判定される当該画像上の画質変化の良否判定結果を出力することを特徴とする。
これによれば、画質の良否を客観的に判断することができる。
(態様I)
前記態様A〜Hのいずれかの態様において、前記特定方向の画質変化の周波数特性と画質変化発生原因情報とを関連づけて記憶する記憶部101b等の記憶手段を有し、前記画質変化検出手段は、前記特定方向分布情報から得られる前記特定方向の画質変化の周波数特性(ピーク周波数あるいはピーク発生周期等)に基づき、前記記憶手段を参照して、該周波数特性に関連付けられた画質変化発生原因情報を出力することを特徴とする。
これによれば、許容範囲を超える画質変化が生じたときに、その発生原因の情報を客観的に特定することができる。
(態様J)
画像形成装置によって形成された画像の光学的データの特定方向における分布を示す特定方向分布情報に基づいて、該画像上における特定方向の画質変化を検出する画質変化検出方法において、前記特定方向に対して交差又は直交する方向に該画像を分割して得られる2以上の画像領域ごとの特定方向分布情報に基づいて、該特定方向における画質変化を検出することを特徴とする。
これによれば、特定方向の画質変化が生じている画像部分が非特定方向に短いものであっても、これを適切に検出することが可能となる。
(態様K)
画像形成装置によって形成された画像の光学的データの特定方向における分布を示す特定方向分布情報に基づいて、該画像上における特定方向の画質変化を検出する画質変化検出手段を備えた画質変化検出装置のコンピュータを、前記画質変化検出手段として機能させるための画質変化検出用プログラムであって、前記画質変化検出手段は、前記特定方向に対して交差又は直交する方向に該画像を分割して得られる2以上の画像領域ごとの特定方向分布情報に基づいて、該特定方向における画質変化を検出することを特徴とする。
これによれば、特定方向の画質変化が生じている画像部分が非特定方向に短いものであっても、これを適切に検出することが可能となる。
なお、上述したプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録された状態で配布したり、入手したりすることができる。また、上述したプログラムを乗せ、所定の送信装置により送信された信号を、公衆電話回線や専用線、その他の通信網等の伝送媒体を介して配信したり、受信したりすることでも、配布、入手が可能である。この配信の際、伝送媒体中には、コンピュータプログラムの少なくとも一部が伝送されていればよい。すなわち、コンピュータプログラムを構成するすべてのデータが、一時に伝送媒体上に存在している必要はない。上述したプログラムを乗せた信号とは、コンピュータプログラムを含む所定の搬送波に具現化されたコンピュータデータ信号である。また、所定の送信装置からコンピュータプログラムを送信する送信方法には、プログラムを構成するデータを連続的に送信する場合も、断続的に送信する場合も含まれる。
10 画像形成ユニット
11 感光体ドラム
15 中間転写ベルト
20 二次転写部
40 制御部
44 画像処理部
46 定着部
56 表示モニタ
70,71 画像読取手段
100 画質評価装置
101 パソコン本体
101a 演算部
101b 記憶部
102 スキャナ
103 モニタ
200 画像形成装置
特開2014−238624号公報

Claims (12)

  1. 画像形成装置によって形成された画像を読み取って得られる光学的データにおける該画像形成装置副走査方向に対応する特定方向の分布を示す特定方向分布情報に基づいて、該画像上における特定方向の画質変化を検出する画質変化検出手段を備えた画質変化検出装置において、
    前記画質変化検出手段は、前記特定方向に対して交差又は直交する方向に該画像を分割して得られる2以上の画像領域ごとの特定方向分布情報に基づいて、各画像領域を前記特定方向に区分けして得られる区分間の画質変化指標値を算出し、算出した画質変化指標値に基づいて該特定方向の画質変化を検出し、
    前記区分は、隣り合う区分と部分的に重複するように設定されることを特徴とする画質変化検出装置。
  2. 請求項1に記載の画質変化検出装置において、
    前記画質変化検出手段は、前記特定方向の位置ごとに、前記2以上の画像領域の画質変化指標値の中で最大の画質変化を示す最大画質変化指標値を選択し、選択した各最大画質変化指標値に基づいて該特定方向の画質変化を検出することを特徴とする画質変化検出装置。
  3. 請求項2に記載の画質変化検出装置において、
    前記画質変化検出手段は、前記特定方向の各位置における最大画質変化指標値の総和に基づいて該特定方向の画質変化を検出することを特徴とする画質変化検出装置。
  4. 画像形成装置によって形成された画像を読み取って得られる光学的データにおける該画像形成装置の副走査方向に対応する特定方向の分布を示す特定方向分布情報に基づいて、該画像上における特定方向の画質変化を検出する画質変化検出手段を備えた画質変化検出装置において、
    前記画質変化検出手段は、前記特定方向に対して交差又は直交する方向に該画像を分割して得られる2以上の画像領域ごとの特定方向分布情報に基づいて、各画像領域を前記特定方向に区分けして得られる区分間の画質変化指標値を算出し、前記特定方向の位置ごとに、前記2以上の画像領域の画質変化指標値の中で最大の画質変化を示す最大画質変化指標値を選択し、前記特定方向の各位置における最大画質変化指標値の総和に基づいて該特定方向の画質変化を検出することを特徴とする画質変化検出装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画質変化検出装置において、
    前記画質変化検出手段は、所定の閾値を超える画質変化指標値に基づいて前記特定方向の画質変化を検出することを特徴とする画質変化検出装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画質変化検出装置において、
    前記画質変化指標値は、各画像領域の各区分間における色差値であることを特徴とする画質変化検出装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画質変化検出装置において、
    前記画質変化検出手段は、前記特定方向の画質変化の検出結果に基づき、所定の判定基準に従って判定される当該画像上の画質変化の良否判定結果を出力することを特徴とする画質変化検出装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画質変化検出装置において、
    前記特定方向の画質変化の周波数特性と画質変化発生原因情報とを関連づけて記憶する記憶手段を有し、
    前記画質変化検出手段は、前記特定方向分布情報から得られる前記特定方向の画質変化の周波数特性に基づき、前記記憶手段を参照して、該周波数特性に関連付けられた画質変化発生原因情報を出力することを特徴とする画質変化検出装置。
  9. 画像形成装置によって形成された画像を読み取って得られる光学的データにおける該画像形成装置の副走査方向に対応する特定方向の分布を示す特定方向分布情報に基づいて、該画像上における特定方向の画質変化を検出する画質変化検出方法において、
    前記特定方向に対して交差又は直交する方向に該画像を分割して得られる2以上の画像領域ごとの特定方向分布情報に基づいて、各画像領域を前記特定方向に区分けして得られる区分間の画質変化指標値を算出し、算出した画質変化指標値に基づいて該特定方向の画質変化を検出し、
    前記区分は、隣り合う区分と部分的に重複するように設定されることを特徴とする画質変化検出方法。
  10. 画像形成装置によって形成された画像を読み取って得られる光学的データにおける該画像形成装置の副走査方向に対応する特定方向の分布を示す特定方向分布情報に基づいて、該画像上における特定方向の画質変化を検出する画質変化検出方法において、
    前記特定方向に対して交差又は直交する方向に該画像を分割して得られる2以上の画像領域ごとの特定方向分布情報に基づいて、各画像領域を前記特定方向に区分けして得られる区分間の画質変化指標値を算出し、前記特定方向の位置ごとに、前記2以上の画像領域の画質変化指標値の中で最大の画質変化を示す最大画質変化指標値を選択し、前記特定方向の各位置における最大画質変化指標値の総和に基づいて該特定方向の画質変化を検出することを特徴とする画質変化検出方法。
  11. 画像形成装置によって形成された画像を読み取って得られる光学的データにおける該画像形成装置の副走査方向に対応する特定方向の分布を示す特定方向分布情報に基づいて、該画像上における特定方向の画質変化を検出する画質変化検出手段を備えた画質変化検出装置のコンピュータを、前記画質変化検出手段として機能させるための画質変化検出用プログラムであって、
    前記画質変化検出手段は、前記特定方向に対して交差又は直交する方向に該画像を分割して得られる2以上の画像領域ごとの特定方向分布情報に基づいて、各画像領域を前記特定方向に区分けして得られる区分間の画質変化指標値を算出し、算出した画質変化指標値に基づいて該特定方向の画質変化を検出し、
    前記区分は、隣り合う区分と部分的に重複するように設定されることを特徴とする画質変化検出用プログラム。
  12. 画像形成装置によって形成された画像を読み取って得られる光学的データにおける該画像形成装置の副走査方向に対応する特定方向の分布を示す特定方向分布情報に基づいて、該画像上における特定方向の画質変化を検出する画質変化検出手段を備えた画質変化検出装置のコンピュータを、前記画質変化検出手段として機能させるための画質変化検出用プログラムであって、
    前記画質変化検出手段は、前記特定方向に対して交差又は直交する方向に該画像を分割して得られる2以上の画像領域ごとの特定方向分布情報に基づいて、各画像領域を前記特定方向に区分けして得られる区分間の画質変化指標値を算出し、前記特定方向の位置ごとに、前記2以上の画像領域の画質変化指標値の中で最大の画質変化を示す最大画質変化指標値を選択し、前記特定方向の各位置における最大画質変化指標値の総和に基づいて該特定方向の画質変化を検出することを特徴とする画質変化検出用プログラム。
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