JP6555562B2 - プラズマ放電装置及び空気清浄機 - Google Patents

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Description

本発明は、空気中において放電を発生させるプラズマ放電装置及び空気清浄機に関する。
従来、空気中に浮遊する花粉などの有機物を除去する方法として、暗放電であるコロナ(ストリーマ)放電を利用する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。これは、花粉などをコロナ放電によって低温酸化させて分解する方法である。
特開2005−300111号公報
しかしながら、従来の方法では、花粉などを分解するまで数時間を要するという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、極めて短時間で空気中の有機物を消滅させるプラズマ放電装置及び空気清浄機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るプラズマ放電装置の一態様は、空気で互いに絶縁された電極対を有する放電部と、前記電極対に印加する電圧パルスを生成するパルス生成回路とを備え、前記電圧パルスは、前記電極対間において放電を開始させる高電圧パルスと、前記高電圧パルスに続いて前記電極対に印加され前記高電圧パルスより電圧値が低い低電圧パルスとを含み、前記パルス生成回路は、前記低電圧パルスを前記電極対に印加する際に出力する出力電流及び出力電圧を制限する制限回路を有する。
また、上記課題を解決するために、本発明に係るプラズマ放電装置の一態様は、複数の電極対を有する放電部と、前記複数の電極対の各々に順次印加する電圧パルスを生成するパルス生成回路とを備え、前記電圧パルスは、前記複数の電極対の各々の電極対間において放電を開始させる高電圧パルスと、前記高電圧パルスに続いて印加され前記高電圧パルスより電圧値が低い低電圧パルスとを含み、前記複数の電極対の各々は、空気で互いに絶縁され、前記パルス生成回路は、前記低電圧パルスを前記複数の電極対の各々に印加する際に出力する出力電流及び出力電圧を制限する制限回路を有する。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る空気清浄機の一態様は、上記プラズマ放電装置を備え、上記空気中の有機物を消滅させる。
本発明によれば、極めて短時間で空気中の有機物を消滅させるプラズマ放電装置及び空気清浄機を提供できる。
図1は、実施の形態1に係るプラズマ放電装置の全体構成の概要を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係るプラズマ放電装置の詳細構成を示す回路図である。 図3は、実施の形態1に係るパルス生成回路において生成される電圧パルスのパルス波形を示すグラフである。 図4Aは、実施の形態1に係るプラズマ放電装置の電極対間に有機物が存在しない場合に、電極対間に印加される電圧パルスの波形の一例を示すグラフである。 図4Bは、実施の形態1に係るプラズマ放電装置の電極対間に有機物が存在する場合に、電極対間に印加される電圧パルスの波形の一例を示すグラフである。 図5は、電極対間に印加される電流及び電圧と、放電状態との関係を示すグラフである。 図6は、実施の形態2に係るプラズマ放電装置の全体構成の概要を示すブロック図である。 図7は、実施の形態2に係るプラズマ放電装置の詳細構成を示す回路図である。 図8は、実施の形態3に係るプラズマ放電装置の全体構成の概要を示すブロック図である。 図9は、実施の形態3に係るプラズマ放電装置の詳細構成を示す回路図である。 図10は、実施の形態3に係るパルス生成回路において生成される電圧パルスのパルス波形を示すグラフである。 図11は、実施の形態4に係るプラズマ放電装置の全体構成の概要を示すブロック図である。 図12は、実施の形態4に係るプラズマ放電装置の詳細構成を示す回路図である。 図13は、変形例に係る空気清浄機の外観図である。 図14は、変形例に係るエアコンディショナの外観図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
[1−1.全体構成]
まず、実施の形態1に係るプラズマ放電装置の全体構成について図面を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係るプラズマ放電装置100の全体構成の概要を示すブロック図である。
図1に示されるように、本実施の形態に係るプラズマ放電装置100は、放電部6と、パルス生成回路2とを備える。
放電部6は、空気68で互いに絶縁された電極対60を有する。電極対60は、第一電極61及び第二電極62からなる。第一電極61と第二電極62との間は、空気68で絶縁されている。本実施の形態では、第一電極61にはパルス生成回路2の出力電圧が印加され、第二電極62は接地される。また、電極対60を絶縁する空気68の圧力は大気圧である。
パルス生成回路2は、電極対60に印加する電圧パルスを生成する回路である。パルス生成回路2が生成する電圧パルスは、電極対60間において放電を開始させる高電圧パルスと、高電圧パルスに続いて電極対60に印加され、高電圧パルスより電圧値が低い低電圧パルスとを含む。また、パルス生成回路2は、低電圧パルスを電極対60に印加する際に出力する出力電流及び出力電圧を制限する制限回路40を有する。
本実施の形態では、パルス生成回路2は、さらに、第一生成回路10と、第二生成回路20と、合波回路30とを備える。第一生成回路10は、上記高電圧パルスに対応する第一パルスを生成する回路である。第二生成回路20は、上記低電圧パルスに対応し、第一パルスよりパルス幅が大きい第二パルスを生成する回路である。合波回路30は、第一パルスと第二パルスとを合波して、上記電圧パルスを出力する回路である。
続いて、本実施の形態に係るパルス生成回路2の詳細構成について図面を用いて説明する。
図2は、本実施の形態に係るプラズマ放電装置100の詳細構成を示す回路図である。
図2に示されるように本実施の形態に係るプラズマ放電装置100は、第一生成回路10及び第二生成回路20を制御する制御回路50を備える。
また、本実施の形態では、制限回路40は抵抗素子である。制限回路40を構成する抵抗素子の抵抗値は、第二生成回路20から出力される出力電圧の値などに基づいて適宜設計されればよい。本実施の形態では、抵抗素子の抵抗値は、2kΩ以上3kΩ以下程度である。
本実施の形態では、合波回路30は、第一コイル31及び第二コイル32を備えるトランスである。合波回路30を構成する各コイルの巻数比は、第一生成回路10及び第二生成回路20からそれぞれ出力される出力電圧の値などに基づいて適宜設定されればよい。本実施の形態では、第一コイル31と第二コイル32との巻数比は、1:15である。
第一生成回路10は、第一直流電源15と、第一コンデンサ16と、第一スイッチング素子11とを備える。本実施の形態では、第一生成回路10は、合波回路30の第一コイル31に第一パルスを出力する。
第一直流電源15は、直流電圧を出力する電源回路である。第一直流電源15が出力する直流電圧の値は、合波回路30の特性などに基づいて適宜設定されればよい。本実施の形態では、第一直流電源15は1kVの直流電圧を出力する。
第一コンデンサ16は、第一生成回路10の出力電圧の振動を抑制するための素子であり、第一直流電源15に並列接続される。第一コンデンサ16の容量は、第一コイル31の特性などに応じて適宜設定されればよい。
第一スイッチング素子11は、第一直流電源15が出力する直流電圧の一部だけを第一生成回路10から出力するための素子である。本実施の形態では、第一スイッチング素子11は、制御回路50によって導通及び非導通の切り替えを制御されるスイッチングトランジスタである。第一スイッチング素子11としては、例えば、図2に示されるように、MOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field−Effect Transistor)を用いることができる。第一スイッチング素子11は、第一コイル31に直列接続される。また、第一コイル31及び第一スイッチング素子11からなる回路は、第一直流電源15に並列接続される。
第二生成回路20は、第二直流電源25と、第二コンデンサ26と、四つの第二スイッチング素子21〜24と、トランス27と、ダイオード28及び29とを備える。
第二直流電源25は、直流電圧を出力する電源回路である。第二直流電源25が出力する直流電圧の値は、トランス27の特性などに基づいて適宜設定されればよい。本実施の形態では、第二直流電源25は100Vの直流電圧を出力する。
第二コンデンサ26は、トランス27と共にLC共振回路を構成する素子であり、トランス27の一次側コイル271に直列接続される。第二コンデンサ26の容量は、トランス27の特性などに応じて適宜設定されればよい。
トランス27は、一次側コイル271と、二次側コイル272とを備え、一次側コイル271に入力された電圧を、所定の変圧比で変圧して、二次側コイル272に出力する素子である。トランス27の変圧比は、一次側コイル271に入力される電圧などに基づいて適宜設定されればよい。本実施の形態では、変圧比(一次側コイルの巻数/二次側コイルの巻数)は、1/10程度である。
第二スイッチング素子21〜24は、フルブリッジ型のインバータ回路を構成する素子である。第二スイッチング素子21及び22が直列接続され、第二スイッチング素子23及び24が直列接続される。さらに、第二スイッチング素子21及び22と第二スイッチング素子23及び24とが並列接続される。第二スイッチング素子21と第二スイッチング素子22とが接続されるノードと、第二スイッチング素子23と第二スイッチング素子24とが接続されるノードとの間に、第二コンデンサ26及びトランス27からなるLC共振回路が接続される。本実施の形態では、第二スイッチング素子21〜24は、制御回路50によって導通及び非導通の切り替えを制御されるスイッチングトランジスタである。第二スイッチング素子21〜24としては、例えば、図2に示されるように、MOSFETを用いることができる。
ダイオード28及び29は、トランス27から出力された交流電圧を直流電圧に変換するための整流素子である。ダイオード28のアノードにダイオード29のカソードが接続され、ダイオード29にトランス27の二次側コイル272が並列接続される。ダイオード28のカソードとダイオード29のアノードとから第二生成回路20の出力電圧が出力される。第二生成回路20の出力電圧は、制限回路40、合波回路30及び放電部6からなる直列回路に印加される。
制御回路50は、第一生成回路10及び第二生成回路20を制御する回路である。制御回路50は、第一スイッチング素子11の導通及び非導通の切り替えタイミングを制御することにより、第一生成回路10から出力される第一パルスのパルス幅、及び、出力タイミングを制御する。また、制御回路50は、第二スイッチング素子21〜24の各々の導通及び非導通の切り替えタイミングを制御することにより、第二生成回路20から出力される第二パルスの電圧値、パルス幅、及び、出力タイミングを制御する。制御回路50は、第一パルスに続いて第二パルスが合波回路30に印加されるように制御を行う。制御回路50は、例えば、プロセッサ及びメモリを備えるIC(Integrated Circuit)チップなどを用いて実現できる。
[1−2.電圧パルス]
本実施の形態に係るパルス生成回路2が生成する電圧パルスについて図面を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係るパルス生成回路2において生成される電圧パルスのパルス波形を示すグラフである。図3のグラフ(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、第一生成回路10から出力される第一パルスP1、第二生成回路20から出力される第二パルスP2、及び、パルス生成回路2から出力される電圧パルスP0の波形を示す。
図3のグラフ(c)に示されるように、パルス生成回路2から出力される電圧パルスP0は、高電圧パルスPHと低電圧パルスPLとからなる。
図3のグラフ(a)に示されるように、第一生成回路10は、電圧パルスP0の高電圧パルスPHに対応する第一パルスP1を出力する。また、図3のグラフ(b)に示されるように、第二生成回路20は、電圧パルスP0の低電圧パルスPLに対応し、第一パルスP1よりパルス幅が大きい第二パルスP2を生成する。本実施の形態では、第一パルスP1のパルス幅T1は500nsec程度であり、第二パルスP2のパルス幅T2は、10μsec程度である。
第一パルスP1は、合波回路30において、電圧値が1kVから15kV程度まで昇圧されて、第二パルスP2と合波される。このようにパルス生成回路2において、電圧パルスP0が生成され、放電部6の電極対60に印加される。
電圧パルスP0のパルス幅T0及び繰り返し周期TAは、特に限定されないが、例えば、それぞれ10μsec程度及び100μsec程度である。この場合、電圧パルスP0の繰り返しの周波数は、10kHz程度である。
[1−3.動作]
本実施の形態に係るプラズマ放電装置100の動作について図面を用いて説明する。
図4Aは、本実施の形態に係るプラズマ放電装置100の電極対60間に有機物が存在しない場合に、電極対60間に印加される電圧パルスP0の波形の一例を示すグラフである。図4Bは、本実施の形態に係るプラズマ放電装置100の電極対60間に有機物が存在する場合に、電極対60間に印加される電圧パルスP0の波形の一例を示すグラフである。なお、図4A及び図4Bに示されるグラフは、いずれも実験によって得られたグラフである。図5は、電極対60間に印加される電流及び電圧と、放電状態との関係を示すグラフである。
電極対60間に有機物が存在しない場合には、図4Aに示されるように、電極対60間に、高電圧パルスPH及び低電圧パルスPLからなる電圧パルスP0が印加される。高電圧パルスPHの電圧値は、絶縁破壊電圧以上の電圧値である。本実施の形態では、高電圧パルスPHの電圧値は1kVを超える。これにより、電極対60間において放電が開始される。また、高電圧パルスPHに続いて電極対60間に低電圧パルスPLが印加される。これにより、電極対60間に有機物が存在しない場合には、高電圧パルスPHによって開始された放電を比較的安定的に維持できる。本実施の形態では、低電圧パルスPLの電圧値は500V程度であり、電極対60間には60mA程度の電流が流れる。
ここで、電極対60間に印加される電圧は、電極対60間における抵抗値と、制限回路40を構成する抵抗素子の抵抗値とによって定まる。例えば、制限回路40を構成する抵抗素子の抵抗値が増大するにつれて、電極対60間に印加される電圧の値が減少する。本実施の形態では、制限回路40を構成する抵抗素子の抵抗値は、電極対60間に印加される電圧が500V程度となるように設定される。また、電極対60間に流れる電流は、第二直流電源25の出力電力の上限値と、制限回路40を構成する抵抗素子の抵抗値とによって制限される。例えば、制限回路40を構成する抵抗素子の抵抗値が増大するにつれて、電極対60間に流れる電流の値が減少する。本実施の形態では、第二直流電源25の出力電力の上限値は、30W程度に設定される。
低電圧パルスPLを電極対60間に印加している期間における放電の状態は、図5に示される状態Aに相当する。つまり、この期間においては、電極対60間において、低電圧パルスPLの印加によってグロー放電が生成される。
上述の電極対60間において発生する放電の状態は、制限回路40によって特定の状態に制限される。本実施の形態では、制限回路40が抵抗素子であるため、電極対60間に印加される電圧値及び電極対60間に流れる電流値の関係が、図5に示される一点鎖線で示される関係に制限される。一方、放電時における、電極対60間の電圧及び電流の関係は、図5の実線で示される。このため、電極対60間における放電の状態は、図5の一点鎖線と実線との交点に相当する状態A及び状態Bのいずれかに制限される。電極対60間に有機物が存在しない場合には、電極対60間に印加される電圧を500V程度に設定することによって、放電状態を図5に示される状態Aの状態、つまり、グロー放電とすることができる。したがって、電極対60間に低温プラズマが生成され、放電部6における温度上昇は比較的抑制され、電極対60の損傷も抑制される。
一方、電極対60間に花粉などの有機物が存在する場合には、図4Bに示されるように、電極対60間に、高電圧パルスPH1及び低電圧パルスPL1からなる電圧パルスP01が印加される。高電圧パルスPH1の電圧値は、電極対60間に花粉などの有機物が存在しない場合と同様に図5に示される絶縁破壊電圧以上の電圧値である。これにより、電極対60間において放電が開始される。また、高電圧パルスPH1に続いて電極対60間に低電圧パルスPL1が印加される。これにより、高電圧パルスPH1によって開始された放電を維持できる。ただし、電極対60間に有機物が存在する場合には、有機物によって電極対60間の抵抗値が低下する。このため、電極対60間に印加される電圧が低下し、電極対60間に流れる電流が増大する。本実施の形態では、図4Bに示されるように、低電圧パルスPL1の電圧値は、200V程度まで低下し、電極対60間に150mA程度の電流が流れる。低電圧パルスPL1を電極対60間に印加している期間における放電の状態は、図5に示される状態Bに相当する。つまり、低電圧パルスPL1を電極対60間に印加している期間においては、電極対60間にアーク放電が生成される。これにより、電極対60間に存在する有機物はアーク放電によって生成された熱プラズマによって、例えば1秒以下程度の極めて短時間で燃焼されて消滅する。つまり、有機物は、燃焼されることによって、二酸化炭素及び水となる。このように、電極対60間に有機物が存在する場合には、低電圧パルスPL1を印加している際の電極対60間における有機物の状態が変化するため、図4Bに示されるように、電極対60間に印加される電圧が安定しない。本実施の形態では、電極対60間における放電状態が、図5に示される状態Aと状態Bとの間で変動する。
電極対60間における有機物が消滅した後は、電極対60間の放電状態は、図5に示される状態A、つまり、グロー放電となり、図4Aに示されるような電圧パルスP0が、電極対60に印加される。
このように、本実施の形態に係るプラズマ放電装置100によれば、空気68中の花粉などの有機物を極めて短時間で消滅させることができる。また、本実施の形態では、空気68は、大気圧でよいため、大気中の空気を、圧力調整することなく、そのまま電極対間に導入することができる。このため、空気中の花粉などの有機物を容易に消滅させることができる。
[1−4.まとめ]
以上のように、本実施の形態に係るプラズマ放電装置100は、空気68で互いに絶縁された電極対60を有する放電部6と、電極対60に印加する電圧パルスP0を生成するパルス生成回路2とを備え、電圧パルスP0は、電極対60間において放電を開始させる高電圧パルスPHと、高電圧パルスPHに続いて電極対60に印加され、高電圧パルスPHより電圧値が低い低電圧パルスPLとを含み、パルス生成回路2は、低電圧パルスPLを電極対60に印加する際に出力する出力電流及び出力電圧を制限する制限回路40を有する。
これにより、まず、高電圧パルスによって電極対60間の空気68による絶縁を破壊した後、続いて電極対60に印加される低電圧パルスによって放電を維持できる。ここで、低電圧パルスの電圧値を所定の値に設定することにより、電極対60間においてグロー放電を維持できる。グロー放電によって生成される低温プラズマ内に、空気68中の花粉などの有機物が入ることで、電極対間の抵抗が低減する。これに伴い電極対60間に流れる電流が上昇し、かつ、電極対60間の電圧が低下する。このため、電極対60間の放電をグロー放電から、より電流量の大きいアーク放電に遷移させることができる。アーク放電によって生成される熱プラズマにおいては、花粉などの有機物は、極めて短時間で燃焼して消滅する。このように、本実施の形態に係るプラズマ放電装置100においては、空気中の花粉などの有機物を極めて短時間で燃焼して消滅させることができる。
また、本実施の形態に係るプラズマ放電装置100は、低電圧パルスを電極対60間に印加する際に出力する出力電流及び出力電圧を制限する制限回路40を有するため、電極対60間に過大な電流が発生することを抑制できる。したがって、例えば電極対60間に有機物が入ることに伴ってアーク放電が発生した場合でも、有機物が消滅した後には、電極対60間の放電をアーク放電から、例えば、グロー放電に遷移させることができる。このため、電極対60がアーク放電によって損傷することを抑制でき、かつ、プラズマ放電装置100の消費電力を抑制できる。
また、本実施の形態に係るプラズマ放電装置100において、パルス生成回路2は、高電圧パルスPHに対応する第一パルスP1を生成する第一生成回路10と、低電圧パルスPLに対応し、第一パルスP1よりパルス幅が大きい第二パルスP2を生成する第二生成回路20と、第一パルスP1と第二パルスP2とを合波して、電圧パルスP0を出力する合波回路30とを備えてもよい。
これにより、パルス生成回路2を簡素化された構成で実現することができる。
また、本実施の形態に係るプラズマ放電装置100において、空気68の圧力は大気圧であってもよい。
これにより、例えば、大気中の空気を、圧力調整することなく、そのまま電極対60間に導入することができる。このため、空気中の花粉などの有機物を容易に消滅させることができる。
また、本実施の形態に係るプラズマ放電装置100において、電極対60間において、低電圧パルスPLの印加によってグロー放電が生成されてもよい。
これにより、放電時に電極対60間における温度上昇を抑制できる。また、放電プラズマ中に花粉などの有機物が入った場合には、アーク放電に遷移することにより、極めて短時間で当該有機物を燃焼して消滅させることができる。また、アーク放電が継続する時間は極めて短いため、放電プラズマ内に有機物が入った場合の電極対60間における温度上昇を抑制できる。
また、本実施の形態に係るプラズマ放電装置100において、制限回路40は、抵抗素子であってもよい。
これにより、容易に、かつ、安価で制限回路40を実現することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係るプラズマ放電装置について説明する。本実施の形態に係るプラズマ放電装置は、主に制限回路の構成において、実施の形態1に係るプラズマ放電装置100と相違する。以下、本実施の形態に係るプラズマ放電装置について、実施の形態1に係るプラズマ放電装置100との相違点を中心に説明する。
本実施の形態に係るプラズマ放電装置の全体構成について図面を用いて説明する。
図6は、本実施の形態に係るプラズマ放電装置200の全体構成の概要を示すブロック図である。図7は、本実施の形態に係るプラズマ放電装置200の詳細構成を示す回路図である。
図6に示されるように、本実施の形態に係るプラズマ放電装置200は、放電部6と、パルス生成回路202とを備える。
本実施の形態に係るパルス生成回路202は、第一生成回路10と、第二生成回路20と、合波回路30と、制限回路240とを有する。
本実施の形態に係るプラズマ放電装置200では、制限回路240は、パルス生成回路202の出力電流に応じて出力電圧を制御する回路であり、図7に示される電流検出回路241及び制御回路250を備える。
電流検出回路241は、パルス生成回路202の出力電流に対応する信号を出力する回路である。電流検出回路241としては、例えばホール素子などを用いることができる。
制御回路250は、実施の形態1に係る制御回路50と同様に、第一生成回路10及び第二生成回路20を制御する回路である。ただし、本実施の形態に係る制御回路250は、電流検出回路241からの信号に基づいて、第二生成回路20の出力電圧を制御する。制御回路250は、例えば、第二生成回路20の第二スイッチング素子21〜24の導通期間の割合(デューティ)を制御することによって、第二生成回路20の出力電圧を制御する。より具体的には、例えば、制御回路250は、電極対60間における放電状態が図5に示される状態A及び状態Bの一方となるように、第二生成回路20の出力電圧を制御してもよい。例えば、電極対60間に花粉などの有機物が存在しない場合、つまり、電極対60間に流れる電流の値が比較的小さい場合には、制御回路250は第二生成回路20の出力電圧値が状態Aにおける電圧値程度となるように第二生成回路20を制御する。一方、電極対60間に有機物が存在する場合、つまり、電極対60間に流れる電流の値が比較的大きい場合には、制御回路250は第二生成回路20の出力電圧値が状態Bにおける電圧値程度となるように第二生成回路20を制御する。
以上のように、本実施の形態に係るプラズマ放電装置200においては、制限回路240は、パルス生成回路202の出力電流に応じて出力電圧を制御する。
これにより、電極対60間における放電状態を所望の状態とすることができる。また、放電プラズマ中に有機物が入って出力電流が増大した場合に、出力電圧を低下させることによって、電極対60間に過大な電流が継続的に流れることを抑制できる。したがって、電極対60が損傷することを抑制でき、かつ、プラズマ放電装置200の消費電力を抑制できる。さらに、本実施の形態では、制限回路240において、抵抗素子を用いる必要がないため、実施の形態1に係るプラズマ放電装置100と比較して、消費電力をより低減できる。
(実施の形態3)
実施の形態3に係るプラズマ放電装置について説明する。本実施の形態に係るプラズマ放電装置は、主に放電部が複数の電極対を有する点において、実施の形態1に係るプラズマ放電装置100と相違する。以下、本実施の形態に係るプラズマ放電装置について、実施の形態1に係るプラズマ放電装置100との相違点を中心に説明する。
[3−1.全体構成]
まず、実施の形態3に係るプラズマ放電装置の全体構成について図面を用いて説明する。
図8は、実施の形態3に係るプラズマ放電装置300の全体構成の概要を示すブロック図である。
図8に示されるように、本実施の形態に係るプラズマ放電装置300は、放電部306と、パルス生成回路302とを備える。
放電部306は、複数の電極対60a〜60dを有する。本実施の形態では、放電部306は四つの電極対60a〜60dを有する。電極対60a〜60dは、それぞれ、第一電極61a〜61d及び第二電極62a〜62dからなる。電極対60a〜60dの各々は、空気68で互いに絶縁されている。つまり、第一電極61a〜61dと第二電極62a〜62dとの間は、それぞれ空気68で絶縁されている。本実施の形態では、第一電極61a〜61dにはパルス生成回路302の出力電圧が印加され、第二電極62a〜62dは接地される。また、電極対60a〜60dの各々を絶縁する空気68の圧力は大気圧である。
パルス生成回路302は、電極対60a〜60dに印加する電圧パルスを生成する回路である。パルス生成回路302が生成する電圧パルスは、電極対60a〜60dの各々の電極対間において放電を開始させる高電圧パルスと、高電圧パルスに続いて電極対60a〜60dに印加され、高電圧パルスより電圧値が低い低電圧パルスとを含む。また、パルス生成回路302は、低電圧パルスを電極対60a〜60dに印加する際に出力する出力電流及び出力電圧を制限する制限回路40を有する。
本実施の形態では、パルス生成回路302は、電圧生成回路304と、切替回路308とを備える。
電圧生成回路304は、上述した制限回路40と、第一生成回路10と、第二生成回路20と、合波回路30とを備える。第一生成回路10は、上記高電圧パルスに対応するパルス状の第一電圧を生成する回路である。第二生成回路20は、上記低電圧パルスに対応する直流電圧である第二電圧を生成する回路である。合波回路30は、第一電圧と第二電圧とを合波して、電圧波を出力する回路である。
切替回路308は、合波回路30から電圧波が入力され、電圧波を電極対60a〜60dに順次出力することにより、電極対60a〜60dの各々に上記電圧パルスを供給する回路である。本実施の形態では、切替回路308は、四つのスイッチング素子81a〜81dを備える。切替回路308に入力された電圧波は、スイッチング素子81a〜81dに入力される。また、スイッチング素子81a〜81dは、それぞれ、電極対60a〜60dに接続される。これにより、スイッチング素子81a〜81dのうち導通状態とされたものに接続された電極対に電圧パルスが印加される。なお、スイッチング素子81a〜81dとしては、例えば、MOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field−Effect Transistor)を用いることができる。また、スイッチング素子81a〜81dは、図示されていない駆動回路からの信号によって制御される。当該駆動回路は、例えば、プロセッサ及びメモリを備えるIC(Integrated Circuit)チップなどを用いて実現できる。
続いて、本実施の形態に係るパルス生成回路302の詳細構成について図面を用いて説明する。
図9は、本実施の形態に係るプラズマ放電装置300の詳細構成を示す回路図である。
図9に示されるように本実施の形態に係るプラズマ放電装置300は、第一生成回路10及び第二生成回路20を制御する制御回路350を備える。
また、本実施の形態では、制限回路40は抵抗素子である。制限回路40を構成する抵抗素子の抵抗値は、第二生成回路20から出力される出力電圧の値などに基づいて適宜設計されればよい。本実施の形態では、抵抗素子の抵抗値は、2kΩ以上3kΩ以下程度である。
本実施の形態では、合波回路30は、第一コイル31及び第二コイル32を備えるトランスである。合波回路30を構成する各コイルの巻数比は、第一生成回路10及び第二生成回路20からそれぞれ出力される出力電圧の値などに基づいて適宜設定されればよい。本実施の形態では、第一コイル31と第二コイル32との巻数比は、1:15である。
第一生成回路10及び第二生成回路20は、それぞれ実施の形態1に係る第一生成回路10及び第二生成回路20と同様の構成を有する。本実施の形態では、第二生成回路20の出力電圧は、制限回路40、合波回路30、切替回路308及び放電部306からなる直列回路に印加される。
制御回路350は、第一生成回路10及び第二生成回路20を制御する回路である。制御回路350は、第一スイッチング素子11の導通及び非導通の切り替えタイミングを制御することにより、第一生成回路10から出力される第一電圧のパルス幅、及び、出力タイミングを制御する。また、制御回路350は、第二スイッチング素子21〜24の各々の導通及び非導通の切り替えタイミングを制御することにより、第二生成回路20から出力される第二電圧の電圧値を制御する。本実施の形態では、制御回路350は、第二生成回路20から直流電圧が出力されるように、第二スイッチング素子21〜24を制御する。制御回路350は、例えば、プロセッサ及びメモリを備えるICチップなどを用いて実現できる。
[3−2.電圧パルス]
本実施の形態に係るパルス生成回路302が生成する電圧パルスについて図面を用いて説明する。
図10は、本実施の形態に係るパルス生成回路302において生成される電圧パルスのパルス波形を示すグラフである。図10のグラフ(a)及び(b)は、それぞれ、第一生成回路10から出力される第一電圧V1、及び、第二生成回路20から出力される第二電圧V2の波形を示す。また、図10のグラフ(c1)〜(c4)は、それぞれ、スイッチング素子81a〜81dの時間に対する導通状態の関係を示すグラフである。図10のグラフ(d1)〜(d4)は、それぞれ、電極対60a〜60dに印加される電圧パルスP0の波形を示すグラフである。
図10のグラフ(d1)〜(d4)に示されるように、パルス生成回路302から出力される電圧パルスP0は、高電圧パルスPHと低電圧パルスPLとからなる。
図10のグラフ(a)に示されるように、第一生成回路10は、電圧パルスP0の高電圧パルスPHに対応する第一電圧V1を出力する。本実施の形態では、第一電圧V1のパルス幅T1は500nsec程度である。また、図10のグラフ(b)に示されるように、第二生成回路20は、電圧パルスP0の低電圧パルスPLに対応する直流電圧である第二電圧V2を生成する。
第一電圧V1は、合波回路30において、電圧値が1kVから15kV程度まで昇圧されて、第二電圧V2と合波される。これにより合波回路30において電圧波が生成される。このように電圧生成回路304において、電圧波が生成され、切替回路308に入力される。
切替回路308においては、図10のグラフ(c1)〜(c4)に示されるように、スイッチング素子81a〜81dが順次導通状態とされる。これにより、スイッチング素子81a〜81dにそれぞれ接続された電極対60a〜60dに図10のグラフ(d1)〜(d4)に示されるような電圧パルスP0が印加される。
電圧パルスP0のパルス幅T0(つまり、各スイッチング素子の導通持続期間)は、特に限定されないが、例えば、10μsec程度である。この場合、各電極対における電圧パルスP0の繰り返しの周波数は、25kHz程度である。
以上のように、本実施の形態に係るパルス生成回路302において電圧パルスP0を生成できる。本実施の形態では、低電圧パルスPLに対応する電圧として、直流電圧である第二電圧V2を用い、切替回路308において第二電圧V2をパルス化している。このため、第二生成回路20においてパルス電圧を生成する必要がないため、第二生成回路20の構成を簡素化することができる。
[3−3.動作]
本実施の形態に係るプラズマ放電装置300の動作についても、実施の形態1に係るプラズマ放電装置100と同様に動作する。本実施の形態では、各電極対間に存在する有機物はアーク放電によって生成された熱プラズマによって、例えば0.4秒以下程度の極めて短時間で燃焼されて消滅する。
このように、本実施の形態に係るプラズマ放電装置300によれば、空気68中の花粉などの有機物を極めて短時間で消滅させることができる。また、本実施の形態では、空気68は、大気圧でよいため、大気中の空気を、圧力調整することなく、そのまま電極対間に導入することができる。このため、空気中の花粉などの有機物を容易に消滅させることができる。
[3−4.まとめ]
以上のように、本実施の形態に係るプラズマ放電装置300は、複数の電極対60a〜60dを有する放電部306と、複数の電極対60a〜60dの各々に順次印加する電圧パルスP0を生成するパルス生成回路302とを備え、電圧パルスP0は、複数の電極対60a〜60dの各々の電極対間において放電を開始させる高電圧パルスPHと、高電圧パルスPHに続いて印加され高電圧パルスPHより電圧値が低い低電圧パルスPLとを含み、複数の電極対60a〜60dの各々は、空気68で互いに絶縁され、パルス生成回路302は、低電圧パルスPLを複数の電極対60a〜60dの各々に印加する際に出力する出力電流及び出力電圧を制限する制限回路40を有する。
これにより、まず、高電圧パルスによって各電極対間の空気68による絶縁を破壊した後、続いて電極対60a〜60dに印加される低電圧パルスによって放電を維持できる。ここで、低電圧パルスの電圧値を所定の値に設定することにより、各電極対間においてグロー放電を維持できる。グロー放電によって生成される低温プラズマ内に、空気68中の花粉などの有機物が入ることで、電極対間の抵抗が低減する。これに伴い各電極対間に流れる電流が上昇し、かつ、各電極対間の電圧が低下する。このため、各電極対間の放電をグロー放電から、より電流量の大きいアーク放電に遷移させることができる。アーク放電によって生成される熱プラズマにおいては、花粉などの有機物は、極めて短時間で燃焼して消滅する。このように、本実施の形態に係るプラズマ放電装置300においては、空気中の花粉などの有機物を極めて短時間で燃焼して消滅させることができる。
また、本実施の形態に係るプラズマ放電装置300は、低電圧パルスを各電極対間に印加する際に出力する出力電流及び出力電圧を制限する制限回路40を有するため、各電極対間に過大な電流が発生することを抑制できる。したがって、例えば各電極対間に有機物が入ることに伴ってアーク放電が発生した場合でも、有機物が消滅した後には、各電極対間の放電をアーク放電から、例えば、グロー放電に遷移させることができる。このため、電極対60a〜60dがアーク放電によって損傷することを抑制でき、かつ、プラズマ放電装置300の消費電力を抑制できる。
さらに本実施の形態に係るプラズマ放電装置300においては、複数の電極対60a〜60dを備えるため、より多くの容積の空気68における有機物を短時間で消滅させることができる。
また、本実施の形態に係るプラズマ放電装置300において、パルス生成回路302は、高電圧パルスPHに対応するパルス状の第一電圧V1を生成する第一生成回路10と、低電圧パルスPLに対応する直流電圧である第二電圧V2を生成する第二生成回路20と、第一電圧V1と第二電圧V2とを合波して、電圧波を出力する合波回路30と、電圧波が入力され、電圧波を電極対60a〜60dに順次出力することにより、電極対60a〜60dの各々に電圧パルスP0を供給する切替回路308とを備えてもよい。
これにより、パルス生成回路302を簡素化された構成で実現することができる。
また、本実施の形態に係るプラズマ放電装置300において、空気68の圧力は大気圧であってもよい。
これにより、例えば、大気中の空気を、圧力調整することなく、そのまま各電極対間に導入することができる。このため、空気中の花粉などの有機物を容易に消滅させることができる。
また、本実施の形態に係るプラズマ放電装置300において、電極対60a〜60dにおいて、低電圧パルスPLの印加によってグロー放電が生成されてもよい。
これにより、放電時に各電極対間における温度上昇を抑制できる。また、放電プラズマ中に花粉などの有機物が入った場合には、アーク放電に遷移することにより、極めて短時間で当該有機物を燃焼して消滅させることができる。また、アーク放電が継続する時間は極めて短いため、放電プラズマ内に有機物が入った場合の各電極対間における温度上昇を抑制できる。
また、本実施の形態に係るプラズマ放電装置300において、制限回路40は、抵抗素子であってもよい。
これにより、容易に、かつ、安価で制限回路40を実現することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係るプラズマ放電装置について説明する。本実施の形態に係るプラズマ放電装置は、主に制限回路の構成において、実施の形態3に係るプラズマ放電装置300と相違する。以下、本実施の形態に係るプラズマ放電装置について、実施の形態3に係るプラズマ放電装置300との相違点を中心に説明する。
本実施の形態に係るプラズマ放電装置の全体構成について図面を用いて説明する。
図11は、本実施の形態に係るプラズマ放電装置400の全体構成の概要を示すブロック図である。図12は、本実施の形態に係るプラズマ放電装置400の詳細構成を示す回路図である。
図11に示されるように、本実施の形態に係るプラズマ放電装置400は、放電部6と、パルス生成回路402とを備える。
本実施の形態に係るパルス生成回路402は、電圧生成回路404と、切替回路8とを備える。
電圧生成回路404は、第一生成回路10と、第二生成回路20と、合波回路30と、制限回路240とを有する。
本実施の形態に係るプラズマ放電装置400では、制限回路240は、パルス生成回路402の出力電流に応じて出力電圧を制御する回路であり、図12に示される電流検出回路241及び制御回路450を備える。
電流検出回路241は、パルス生成回路402の出力電流に対応する信号を出力する回路である。電流検出回路241としては、例えばホール素子などを用いることができる。
制御回路450は、実施の形態3に係る制御回路350と同様に、第一生成回路10及び第二生成回路20を制御する回路である。ただし、本実施の形態に係る制御回路450は、電流検出回路241からの信号に基づいて、第二生成回路20の出力電圧を制御する。制御回路450は、例えば、第二生成回路20の第二スイッチング素子21〜24の導通期間の割合(デューティ)を制御することによって、第二生成回路20の出力電圧を制御する。より具体的には、例えば、制御回路450は、各電極対間における放電状態が図5に示される状態A及び状態Bの一方となるように、第二生成回路20の出力電圧を制御してもよい。例えば、各電極対間に花粉などの有機物が存在しない場合、つまり、各電極対間に流れる電流の値が比較的小さい場合には、制御回路450は第二生成回路20の出力電圧値が状態Aにおける電圧値程度となるように第二生成回路20を制御する。一方、各電極対間に有機物が存在する場合、つまり、各電極対間に流れる電流の値が比較的大きい場合には、制御回路450は第二生成回路20の出力電圧値が状態Bにおける電圧値程度となるように第二生成回路20を制御する。
以上のように、本実施の形態に係るプラズマ放電装置400においては、制限回路240は、パルス生成回路402の出力電流に応じて出力電圧を制御する。
これにより、各電極対間における放電状態を所望の状態とすることができる。また、放電プラズマ中に有機物が入って出力電流が増大した場合に、出力電圧を低下させることによって、各電極対間に過大な電流が継続的に流れることを抑制できる。したがって、電極対60a〜60dが損傷することを抑制でき、かつ、プラズマ放電装置400の消費電力を抑制できる。さらに、本実施の形態では、制限回路240において、抵抗素子を用いる必要がないため、実施の形態3に係るプラズマ放電装置300と比較して、消費電力をより低減できる。
(変形例など)
以上、本発明に係るプラズマ放電装置について、各実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の一態様は、図13に示すような空気清浄機としても実現することができる。図13は、本変形例に係る空気清浄機の外観図である。図13に示す空気清浄機は、例えば、内部に上記各実施の形態に係るプラズマ放電装置を備え、空気68中の有機物を消滅させる。このような空気清浄機においては、フィルタによって有機物を除去する必要がないため、フィルタのメンテナンス作業を軽減できる。
また、本発明の一態様は、図14に示すようなエアコンディショナとしても実現することができる。図14は、本変形例に係るエアコンディショナの外観図である。図14に示すエアコンディショナは、例えば、内部に上記各実施の形態に係るプラズマ放電装置を備え、空気68中の有機物を消滅させる。このようなエアコンディショナにおいては、フィルタによって有機物を除去する必要がないため、フィルタのメンテナンス作業を軽減できる。
また、上記実施の形態2に係る制御回路250において、第二生成回路20の第二直流電源25の出力電圧を制御することによって、第二生成回路20の出力電圧を制御してもよい。上記実施の形態4に係る制御回路450についても同様である。
また、上記実施の形態3において、直流電源のみで構成された第二生成回路を用いてもよい。これにより、プラズマ放電装置の構成をさらに簡素化することができる。
また、上記各実施の形態に係る制御回路は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、制御回路に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。制御回路は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたはメモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
2、202、302、402 パルス生成回路
6、306 放電部
10 第一生成回路
20 第二生成回路
30 合波回路
40、240 制限回路
60、60a、60b、60c、60d 電極対
68 空気
100、200、300、400 プラズマ放電装置
308 切替回路
P0、P01 電圧パルス
PH、PH1 高電圧パルス
PL、PL1 低電圧パルス
P1 第一パルス
P2 第二パルス
V1 第一電圧
V2 第二電圧

Claims (10)

  1. 空気で互いに絶縁された電極対を有する放電部と、
    前記電極対に印加する電圧パルスを生成するパルス生成回路とを備え、
    前記電圧パルスは、前記電極対間において放電を開始させる高電圧パルスと、前記高電圧パルスに続いて前記電極対に印加され前記高電圧パルスより電圧値が低い低電圧パルスとを含み、
    前記パルス生成回路は、前記低電圧パルスを前記電極対に印加する際に出力する出力電流及び出力電圧を制限する制限回路を有する
    プラズマ放電装置。
  2. 前記パルス生成回路は、
    前記高電圧パルスに対応する第一パルスを生成する第一生成回路と、
    前記低電圧パルスに対応し、前記第一パルスよりパルス幅が大きい第二パルスを生成する第二生成回路と、
    前記第一パルスと前記第二パルスとを合波して、前記電圧パルスを出力する合波回路とを備える
    請求項1に記載のプラズマ放電装置。
  3. 前記電極対間において、前記低電圧パルスの印加によってグロー放電が生成される
    請求項1又は2に記載のプラズマ放電装置。
  4. 複数の電極対を有する放電部と、
    前記複数の電極対の各々に順次印加する電圧パルスを生成するパルス生成回路とを備え、
    前記電圧パルスは、前記複数の電極対の各々の電極対間において放電を開始させる高電圧パルスと、前記高電圧パルスに続いて印加され前記高電圧パルスより電圧値が低い低電圧パルスとを含み、
    前記複数の電極対の各々は、空気で互いに絶縁され、
    前記パルス生成回路は、前記低電圧パルスを前記複数の電極対の各々に印加する際に出力する出力電流及び出力電圧を制限する制限回路を有する
    プラズマ放電装置。
  5. 前記パルス生成回路は、
    前記高電圧パルスに対応するパルス状の第一電圧を生成する第一生成回路と、
    前記低電圧パルスに対応する直流電圧である第二電圧を生成する第二生成回路と、
    前記第一電圧と前記第二電圧とを合波して、電圧波を出力する合波回路と、
    前記電圧波が入力され、前記電圧波を前記複数の電極対に順次出力することにより、前記複数の電極対の各々に前記電圧パルスを供給する切替回路とを備える
    請求項4に記載のプラズマ放電装置。
  6. 前記複数の電極対において、前記低電圧パルスの印加によってグロー放電が生成される
    請求項4又は5に記載のプラズマ放電装置。
  7. 前記空気の圧力は大気圧である
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラズマ放電装置。
  8. 前記制限回路は、抵抗素子である
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラズマ放電装置。
  9. 前記制限回路は、前記パルス生成回路の出力電流に応じて出力電圧を制御する
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラズマ放電装置。
  10. 請求項1〜9のいずか1項に記載のプラズマ放電装置を備え、
    前記空気中の有機物を消滅させる
    空気清浄機。
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