JP6555431B2 - 保湿外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、保湿外用剤に関する。
従来、保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール又はジエチレングリコール・モノエチルエーテル等が知られている。また、保湿剤としては、コンドロイチン硫酸エステル等の多硫酸化ムコ多糖も用いられている(例えば、特許文献1)。コンドロイチン硫酸エステル等の多硫酸化ムコ多糖は、ヘパリノイド物質(ヘパリン)として知られており、牛や豚など動物の臓器より抽出される。
ポリ硫酸ペントサンは、血栓症や骨関節症等の治療薬としてヘパリンに替わる物質として知られている(例えば、特許文献2)。ポリ硫酸ペントサンは植物由来のキシロオリゴ糖を硫酸化することで得られる。
特公昭62−4362号公報 国際公開第2010/000013号
本発明は、新規保湿外用剤の提供を課題とする。
血栓症や骨関節症糖の治療薬としてヘパリンに替わる物質としては、ポリ硫酸ペントサンが知られている。ヘパリンを保湿剤として用いようとする際には、特定の動物由来の物質であることから、宗教上の倫理観などによりその使用が躊躇されたりする場合があるが、ポリ硫酸ペントサンは植物由来原料から製造することができる。しかし、ポリ硫酸ペントサンの保湿作用は未知数であった。そこで、本発明者らが鋭意検討を行った結果、ポリ硫酸ペントサンが保湿外用剤として優れた効能を発揮し得ることを見出した。
具体的に、本発明は、以下[1]〜[7]を提供するものである。
[1]ポリ硫酸ペントサン及びその薬学的に許容される塩ならびにそれらの薬学的に許容されるポリ硫酸ペントサンの溶媒和物から選択される少なくとも1種を有効成分として含む保湿外用剤。
[2]上記ポリ硫酸ペントサンのウロン酸含量が0.0質量%〜15.0質量%である[1]に記載の保湿外用剤。
[3]上記ポリ硫酸ペントサンのウロン酸含量が7.0質量%〜15.0質量%であり、かつアセチル基含量が0質量%〜2.0質量%である[2]に記載の保湿外用剤。
[4]上記ポリ硫酸ペントサンのウロン酸含量が0.0質量%〜6.0質量%である[2]に記載の保湿外用剤。
[5]上記薬学的に許容される塩として、ポリ硫酸ペントサンナトリウムを含む[1]〜[4]のいずれかに記載の保湿外用剤。
[6]上記ポリ硫酸ペントサンの分散度が1.00以上1.40以下である[1]〜[5]のいずれかに記載の保湿外用剤。
[7]ポリ硫酸ペントサン及びその薬学的に許容される塩ならびにそれらの薬学的に許容されるポリ硫酸ペントサンの溶媒和物を上記保湿外用剤の全質量に対して0.05質量%以上40質量%以下で含む水溶液である[1]〜[6]のいずれかに記載の保湿外用剤。
さらに別の観点からは、本発明により、
ポリ硫酸ペントサン及びその薬学的に許容される塩ならびにそれらの薬学的に許容されるポリ硫酸ペントサンの溶媒和物から選択される少なくとも1種の保湿のための使用;
ポリ硫酸ペントサン及びその薬学的に許容される塩ならびにそれらの薬学的に許容されるポリ硫酸ペントサンの溶媒和物から選択される少なくとも1種の保湿外用剤の製造のための使用;
保湿外用剤としての使用のためのポリ硫酸ペントサン及びその薬学的に許容される塩ならびにそれらの薬学的に許容されるポリ硫酸ペントサンの溶媒和物から選択される少なくとも1種;ならびに
保湿方法であって、ポリ硫酸ペントサン及びその薬学的に許容される塩ならびにそれらの薬学的に許容されるポリ硫酸ペントサンの溶媒和物から選択される少なくとも1種の保湿作用有効量をヒトまたは動物の皮膚に適用することを含む方法
が提供される。
本発明により、新規保湿外用剤が提供される。本発明の保湿外用剤は、動物由来成分フリーの物質を有効成分とするため、必要に応じて動物由来成分フリーの保湿外用剤として製造することができる。また、本発明の保湿外用剤は、品質管理が比較的容易である。
図1は、実施例及び比較例で得られた外用剤を塗布する前後の角質水分量を示すグラフである。 ポリ硫酸ペントサンのウロン酸含量とpH6からpH4に調整するために要する0.01N塩酸水溶液の量との関係を示す図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
<保湿外用剤>
本発明の保湿外用剤(保湿剤)は、ポリ硫酸ペントサン、薬学的に許容されるポリ硫酸ペントサンの塩及びそれらいずれかの薬学的に許容される溶媒和物から選択される少なくとも1種を含む。なお、本明細書中においては、ポリ硫酸ペントサン、薬学的に許容されるポリ硫酸ペントサンの塩、ポリ硫酸ペントサンの薬学的に許容される溶媒和物及び薬学的に許容されるポリ硫酸ペントサンの塩の薬学的に許容される溶媒和物を総称してポリ硫酸ペントサンと呼ぶこともある。
本発明の保湿外用剤は、ポリ硫酸ペントサンを保湿作用の有効成分として含む。本明細書において、「有効成分として含む」とは、主要な活性成分として含むという意味であり、効果を奏する程度に含有するという意味である。すなわち、本発明の保湿外用剤は、少なくとも保湿効果を有する。本発明の保湿外用剤は、ポリ硫酸ペントサンを保湿作用の有効成分として含むことにより、優れた保湿効果を発揮することができる。保湿外用剤は、例えば、皮膚表面の角質水分量を保持するための外用剤または皮膚表面の角質水分量を高めるための外用剤として用いることができる。
本発明の保湿外用剤の有効成分であるポリ硫酸ペントサンは骨関節症等の治療薬などの医薬の有効成分として公知である(例えば特許文献2)。本発明の保湿外用剤は有効成分であるポリ硫酸ペントサンの活性に由来する保湿効果以外の薬理効果を有していてもよい。また、本発明の保湿外用剤はポリ硫酸ペントサン以外の成分の活性に由来して、保湿効果以外の薬理効果を有していてもよい。例えば、本発明の保湿外用剤は、保湿効果を発揮することに加え、抗炎症効果、皮膚老化抑制効果、美白効果、抗アレルギー効果等を発揮することもできる。本発明の保湿外用剤が、例えば抗炎症効果を発揮する場合、本発明の保湿外用剤は、保湿作用を有する抗炎症外用剤(抗炎症剤)として用いることができる。
本発明の保湿外用剤はヒトまたは動物(ヒト以外)に適用することができる。本発明の保湿外用剤はヒトまたは動物の皮膚または粘膜に適用されることが好ましく、ヒトの皮膚または粘膜に適用されることがより好ましく、ヒトの皮膚に適用されることがさらに好ましい。
保湿外用剤の剤形は特に限定されないが、液状、エマルション、ジェル状、スプレー状、ムース状等であればよく、液状であることが好ましい。
保湿外用剤の形態としては、具体的には、軟膏、各種化粧用クリーム、乳液、化粧水、美容エッセンス、パック剤、リップクリーム、口紅、アンダーメークアップ、ファンデーション、サンケア、ボディリンス、ゼリー剤、エアゾール剤といった種々の形態が挙げられる。中でも、本発明の保湿外用剤は、化粧水の形態であることが好ましい。
本発明の保湿外用剤を液状で調製する場合には、例えばポリ硫酸ペントサンを水に溶解した水溶液とすればよい。このような水溶液の形態の保湿外用剤に含まれるポリ硫酸ペントサンの含有量は、保湿外用剤の全質量に対して、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることがさらに好ましい。また、ポリ硫酸ペントサンの含有量は、保湿外用剤の全質量に対して、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。保湿外用剤中に含まれるポリ硫酸ペントサンの含有量を上記範囲内とすることにより、保湿効果がより効果的に発揮される。
本発明の保湿外用剤は、ポリ硫酸ペントサンの他に所望に応じて他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ジエチレングリコール・モノエチルエーテル、コンドロイチン硫酸エステル等の多硫酸化ムコ多糖、その他の保湿剤、外用剤や化粧品に配合することが知られている抗炎症剤、美容成分等を挙げることができる。本発明の保湿外用剤はまた、例えば、油性基剤、界面活性剤、アルコール類、増粘剤、ゲル化剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、美白剤、溶剤、角質剥離剤、溶解剤、鎮痒剤、制汗剤、清涼剤、還元剤・酸化剤、高分子粉体、ビタミン類及び/又はその誘導体類、糖類及び/又はその誘導体類、有機酸類、無機粉体類、香料、色素、顔料等の医薬品又は化粧品の添加剤として公知の成分を含んでいてもよい。なお、本発明の保湿外用剤は、動物由来成分フリーの保湿外用剤を提供するという観点からは、動物由来成分を含有しないことが望ましいが、目的に応じてこれを含有していてもよい。
<ポリ硫酸ペントサン>
ポリ硫酸ペントサンは、キシロオリゴ糖の水酸基の少なくとも1つが硫酸化された構造を有する。ポリ硫酸ペントサンは、酸性キシロオリゴ糖または中性キシロオリゴ糖を硫酸化することで得られたものであることが好ましく、酸性キシロオリゴ糖を硫酸化することで得られたものであることがより好ましい。ここで、キシロオリゴ糖を硫酸化した構造を有するキシロオリゴ糖のうち、中性キシロオリゴ糖は、キシロオリゴ糖中に、ウロン酸を含まないものである。酸性キシロオリゴ糖は、キシロオリゴ糖1分子中の少なくともいずれかのキシロース単位に、少なくとも1つのウロン酸が結合したものである。すなわち、酸性キシロオリゴ糖は、キシロオリゴ糖1分子中に少なくとも1つ以上のウロン酸残基を側鎖として有するものである。なお、酸性キシロオリゴ糖1分子当たりのウロン酸残基平均数は、1以上3以下であることが好ましく、1以上2以下であることがより好ましい。キシロオリゴ糖1分子中に含まれるウロン酸残基の数は、カルバゾール硫酸法や四ホウ酸ナトリウムを使用した比色法で測定することができる。ポリ硫酸ペントサンにおけるウロン酸含量(質量%)は、実施例に記載のように、上記カルバゾール硫酸法により求めた、所定量のポリ硫酸ペントサン中のウロン酸残基の数から算出した値とする。
本明細書においては、ポリ硫酸ペントサンには、ポリ硫酸ペントサンの塩ならびにポリ硫酸ペントサンの溶媒和物及びポリ硫酸ペントサンの塩の溶媒和物も含まれる。ポリ硫酸ペントサン塩は、薬学的に許容される塩であることが好ましく、例えば、ポリ硫酸ペントサンナトリウム、ポリ硫酸ペントサンカリウム、ポリ硫酸ペントサンカルシウム等を挙げることができる。溶媒和物は薬学的に許容される溶媒和物であることが好ましく、溶媒としては、例えば水を挙げることができる。
ポリ硫酸ペントサンは、下記一般式IIで表される構造を有するものであることが好ましい。
Figure 0006555431
ここで、一般式IIにおいて、Rはそれぞれ独立に、水素原子、−COCH3、−SO31であり、ポリ硫酸ペントサン一分子中における少なくとも1つのRは−SO31である。X1は、水素原子又は一価もしくは二価の金属であり、水素原子、ナトリウム、カリウム又はカルシウムであることが好ましく、ナトリウム、カリウム又はカルシウムであることがより好ましく、ナトリウムであることが特に好ましい。Xは、水素原子又は一価もしくは二価の金属であり、水素原子、ナトリウム、カリウム又はカルシウムであることが好ましく、ナトリウム、カリウム又はカルシウムであることがより好ましく、ナトリウムであることが特に好ましい。n1及びn2はそれぞれ独立に0以上30以下の整数を表し、n1及びn2の少なくとも一方は1以上の整数である。
一般式IIにおいて、Xは一価もしくは二価の金属であることが好ましく、医薬的に許容されるポリ硫酸ペントサンの塩であることが好ましい。例えば、Xはナトリウム、カリウム又はカルシウムであることが好ましく、この場合、ポリ硫酸ペントサンの塩は、ポリ硫酸ペントサンナトリウム、ポリ硫酸ペントサンカリウム、ポリ硫酸ペントサンカルシウムとなる。中でも、ポリ硫酸ペントサンの塩は、ポリ硫酸ペントサンナトリウムであることが特に好ましく、保湿外用剤は、ポリ硫酸ペントサンの塩としてポリ硫酸ペントサンナトリウムを含有することが好ましい。
一般式IIにおいて、n1+n2は1〜90が好ましく、1〜27がより好ましく、2〜18がさら好ましく、3〜10が特に好ましい。
なお、ポリ硫酸ペントサン1分子は一般式IIで表される構造を1つ含むものであってもよく、一般式IIで表される構造を2つ以上含むものであってもよい。一般式IIで表される構造を2つ以上含む場合、ポリ硫酸ペントサンは上記構造を、繰り返し単位を表す構造として有していることが好ましい。ポリ硫酸ペントサンは、一般式IIで表される構造または一般式IIで表される構造のみを繰り返し単位とする構造であってもよく、他の構造単位を含んでいてもよいが、一般式IIで表される構造または一般式IIで表される構造のみを繰り返し単位とする構造であることが好ましい。
ポリ硫酸ペントサンはアラビノース由来の糖単位(アラビノフラノース残基)を含んでいないことが好ましい。
一般式IIで表される構造の末端であって、一般式IIで表される構造に結合していない部分は、−ORとなっていればよい。すなわち、一般式IIの左末端(n1側)には−ORが結合し、一般式IIの右末端(n2側)には−Rが結合していればよい。特に一般式IIの左末端(n1側)には−ORXが結合し、一般式IIの右末端(n2側)には−RXが結合していることが好ましい。ここで、RXは水素原子又は−SO31であり、X1は、水素原子又は一価もしくは二価の金属であり、水素原子、ナトリウム、カリウム又はカルシウムであることが好ましく、ナトリウム、カリウム又はカルシウムであることがより好ましく、ナトリウムであることが特に好ましい。
ポリ硫酸ペントサンは、n1、n2の値、置換基Rの種類や置換度が互いに異なる一般式IIで表される個々の分子からなる混合物であってもよい。
ポリ硫酸ペントサンはウロン酸残基とともにアセチル基(−COCH3)が結合したキシロース単位を一定量含んでいてもよい、例えばポリ硫酸ペントサンは2.0質量%超6.0質量%以下のアセチル基含量であってもよい。
一方、ポリ硫酸ペントサンのアセチル基含量は、0〜2.0質量%であることが好ましく、0〜1.0質量%であることが好ましく、0〜0.4質量%であることがより好ましく、0〜0.3質量%であることがさらに好ましく、実質的に0質量%であることが特に好ましい。または、一般式II中のRの総数の8%以下の数のRが−COCH3であることが好ましく、4%以下の数のRが−COCH3であることがより好ましく、1%以下の数のRが−COCH3であることがさらに好ましい。特に、いずれのRも−COCH3ではないことが好ましい。すなわち、Rはそれぞれ独立に、水素原子又は−SO3Xであることが特に好ましい。
アセチル基含量が0〜2.0質量%であるポリ硫酸ペントサンを得るためにポリ硫酸ペントサンは後述の脱アセチル化工程を経て製造されることが好ましい。
アセチル基含量が低いポリ硫酸ペントサンは酸性キシロオリゴ糖からポリ硫酸ペントサンナトリウムを得る際の収率が高い。
ポリ硫酸ペントサン中のアセチル基含量は、1H−NMR測定におけるピークの積分比から算出することができる。具体的には、まず、特定量のポリ硫酸ペントサンと特定量の内標準物質とを含む1H−NMR測定溶液を用いて1H−NMR測定を行なう。得られるスペクトルにおいて内標準物質の特定の基のピークと、アセチル基のピークとの積分比を比較して、溶液中のアセチル基モル量を求める。その後、アセチル基モル量に43を乗じたものを別に得られる平均分子量で割った値から質量%を求めることができる。
ポリ硫酸ペントサンの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではないが、4000以下であってもよく、3900以下であってもよく、3800以下であってもよい。この場合、ポリ硫酸ペントサンの重量平均分子量(Mw)は、1000以上であることが好ましく、1500以上であることがより好ましく、2000以上であることがさらに好ましい。また、ポリ硫酸ペントサンの重量平均分子量(Mw)は、4000より大きくてもよく、5000以上であってもよく、8000以上であってもよく、10000以上であってもよく、15000以上であってもよく、20000以上であってもよい。この場合、ポリ硫酸ペントサンの重量平均分子量(Mw)は、50000以下であることが好ましく、45000以下であることがより好ましく、40000以下であることがさらに好ましい。ポリ硫酸ペントサンの重量平均分子量(Mw)は、保湿外用剤に求められる効能に応じて適宜調節することもできる。
ポリ硫酸ペントサンの数平均分子量(Mn)は、特に限定されるものではないが、例えば、4000以下であってもよく、3900以下であってもよく、3800以下であってもよく、3750以下であってもよい。この場合、ポリ硫酸ペントサンの数平均分子量(Mn)の下限値は1000であることが好ましい。
また、ポリ硫酸ペントサンの数平均分子量(Mn)は、5000以上であってもよく、7000以上であってもよく、10000以上であってもよく、15000以上であってもよく、20000以上であってもよい。
ポリ硫酸ペントサンの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパ−ミエーションクロマトグラフィー)により測定することができる。GPCカラムとしては、東ソー(株)社製のTSKgel G2000SWXLを用いることができる。また、GPCの条件としては、例えば、下記の条件を採用する。
溶離液:300mM塩化ナトリウム/50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)
流速:1mL/分
測定温度:40℃
検出器:示差屈折率検出器
分析時間:15分
ポリ硫酸ペントサンの分散度は、1.00以上1.40以下であることが好ましく、1.00以上1.35以下であることがより好ましい。なお、ポリ硫酸ペントサンの分散度は、1.05以上であってもよく、1.10以上であってもよい。ここで、ポリ硫酸ペントサンの分散度(D)は以下の式で算出される。
分散度(D)=重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)
ポリ硫酸ペントサンの分散度を上記範囲内とすることにより、保湿外用剤は保湿効果等の各種効能をより効果的に発揮することができる
ポリ硫酸ペントサンにおいては、一般式II中のRの総数の50%以上の数のRが−SO3Xであることが好ましく、70%以上の数のRが−SO3Xであることがより好ましく、90%以上の数のRが−SO3Xであることがさらに好ましい。
なお、上記の割合は一分子中で満たしている必要はなく、個々の分子の混合物全体としてのポリ硫酸ペントサンとして満たされていればよい。
ポリ硫酸ペントサン中に含まれる硫黄含量は、10.0質量%以上であることが好ましく、12.0質量%以上であることがより好ましく、15.0質量%以上であることがさらに好ましい。また、ポリ硫酸ペントサン中に含まれる硫黄含量は、20.0質量%以下であることが好ましい。ここで、ポリ硫酸ペントサン中に含まれる硫黄含量は、日本薬局方に収載されている酸素フラスコ燃焼法にて測定される値である。
ポリ硫酸ペントサンのウロン酸含量は、0.0質量%〜15.0質量%であればよい。なお、本明細書においてウロン酸含量を説明するときの値は一分子中で満たしている必要はなく、個々の分子の混合物全体としてのポリ硫酸ペントサンとして満たされていればよい。
ポリ硫酸ペントサンが高ウロン酸含量である態様として、ポリ硫酸ペントサンは、ウロン酸含量が7.0質量%〜15.0質量%であることが好ましく、7.5質量%〜14.0質量%であることがより好ましく、7.7質量%〜13.0質量%であることがさらに好ましい。このとき、ポリ硫酸ペントサンのアセチル基含量は、0〜2.0質量%であることが好ましく、0〜1.0質量%であることがより好ましく、0〜0.4質量%であることがさらに好ましく、0〜0.3質量%であることが特に好ましく、実質的に0質量%であることが最も好ましい。また、このとき、ポリ硫酸ペントサンの重量平均分子量(Mw)は、5000以下であることが好ましく、4000以下であることがより好ましい。また、数平均分子量(Mn)は、5000以下であることが好ましく、4000以下であることがより好ましい。
後述の実施例で示すように高ウロン酸含量であるポリ硫酸ペントサンはpH緩衝作用が高い。そのため、本発明の保湿外用剤の有効成分として高ウロン酸含量であるポリ硫酸ペントサンを用いることにより、例えば、別にpH調整剤やpH緩衝剤を加えなくても、または添加量が少なくても、保湿外用剤のpH調整が容易である。
pH緩衝作用を十分発揮させるための水溶液中のポリ硫酸ペントサンの濃度は10〜500mg/mLであることが好ましく、50〜300mg/mLであることがより好ましい。
ポリ硫酸ペントサンが低ウロン酸含量である態様として、ポリ硫酸ペントサンは、ウロン酸含量は0.0質量%〜4.0質量%であることが好ましく、0.0質量%〜2.0質量%であることがより好ましく、0.0質量%〜1.0質量%であることがさらに好ましい。本発明のポリ硫酸ペントサンは、ウロン酸含量が実質的に0.0質量%であることが特に好ましい。
すなわち、ポリ硫酸ペントサンは一般式Iで表される構造を有していてもよい。
Figure 0006555431
一般式Iにおいて、Rはそれぞれ独立に、水素原子、−COCH3、又は−SO3Xであり、一分子中少なくとも1つのRは−SO3Xであり、Xは、水素原子又は一価もしくは二価の金属であり、nは1以上30以下の整数を表す。
一般式Iで表される化合物は以下一般式IXで表される化合物であることが好ましい。すなわち、末端のRが−COCH3ではないことが好ましい。
Figure 0006555431
一般式IXにおいて、RXはそれぞれ独立に、水素原子又は−SO3Xである。
後述の実施例で示すように低ウロン酸含量であるポリ硫酸ペントサンナトリウムはキシロオリゴ糖粉末からポリ硫酸ペントサンナトリウム粉末を得る際の収率が高い。また、水溶液を高温で長期保存した際に黄変が生じにくい。そのため、本発明の保湿外用剤の有効成分として低ウロン酸含量であるポリ硫酸ペントサンを用いることにより、より変色しにくい保湿外用剤を得ることができる。
<ポリ硫酸ペントサンの製造方法>
ポリ硫酸ペントサンは、一例として、植物由来原料からキシロオリゴ糖(酸性キシロオリゴ糖、中性キシロオリゴ糖またはこれらの混合物)を得る第1工程とキシロオリゴ糖からポリ硫酸ペントサンを得る第2工程を含むポリ硫酸ペントサンの製造方法により得ることができる。ここで、第1工程は植物由来原料を解重合する工程を含む。植物由来原料の解重合工程と、硫酸化工程とがこの順であることにより、ポリ硫酸ペントサンを効率良く製造することができる。これにより、ポリ硫酸ペントサンの収率を高めることができる。また、ポリ硫酸ペントサンの製造コストの低減が可能となり、より安価でポリ硫酸ペントサンを提供することができる。
なお、中性キシロオリゴ糖は、D−キシロースを重合することにより製造することもできる。
ポリ硫酸ペントサンの製造方法はさらに脱アセチル化工程を含んでいてもよい。脱アセチル化工程を含むことにより、低アセチル基含量のポリ硫酸ペントサンを製造することができる。
硫酸化に供されるキシロオリゴ糖の平均重合度は、最終生成物として得られるポリ硫酸ペントサンの分子量によって適宜調整することが好ましい。
キシロオリゴ糖の平均重合度は、キシロオリゴ糖の全糖量を、還元糖量で除すことで算出することができる。全糖量を算出する際には、まず、キシロオリゴ糖液を50℃に保ち、15000rpmにて15分間遠心分離を行う。その後、上清液の全糖量をフェノール硫酸法(「還元糖の定量法」学会出版センター発行)にて定量する。この際、使用する検量線はD−キシロース(和光純薬工業)を用いて作成する。また、還元糖量は、ソモジーネルソン法(「還元糖の定量法」学会出版センター発行)にて定量する。この際にも、使用する検量線はD−キシロース(和光純薬工業)を用いて作成する。
[植物由来原料]
本発明において、キシロオリゴ糖(酸性キシロオリゴ糖または中性キシロオリゴ糖またはこれらの混合物)は、植物由来原料を解重合することで得ることができる。植物由来原料としては、例えば、木材由来原料、種子由来原料、穀物由来原料、果実由来原料等を挙げることができる。また、植物由来原料としては、コットンリンターやコットンリント等のコットン、ケナフや麻、ラミー、稲ワラ等の草本系植物等を用いることもできる。植物由来原料としては、上述した各由来原料を組み合わせて使用してもよい。
中でも、植物由来原料としては、木材由来原料を用いることが好ましい。木材由来原料としては、例えば、針葉樹や広葉樹のような木材原料を挙げることができる。木材由来原料としては、針葉樹及び広葉樹から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、広葉樹を用いることがより好ましい。なお、木材由来原料として、針葉樹と広葉樹を混合したものを用いてもよい。また、木材由来原料としては、樹皮を用いてもよい。
広葉樹としては、ブナ、ユーカリ・グロブラス、ユーカリ・グランディス、ユーカリ・ユーログランディス、ユーカリ・ペリータ、ユーカリ・ブラシアーナ、アカシア・メランシ等を挙げることができる。針葉樹としては、スギ、ヒノキ、マツ、ヒバ、ツガ等が挙げられる。
木材由来原料の容積重は、450kg/m3以上700kg/m3以下であることが好ましく、500kg/m3以上650kg/m3以下であることがより好ましい。木材由来原料の容積重を上記範囲内とすることにより、キシロオリゴ糖の生産効率をより高めることができる。
木材由来原料は、上述した木材を破砕した木材チップであることが好ましい。植物由来原料として木材チップを用いることにより、植物由来原料の解重合を効率よく進めることができ、キシロオリゴ糖の生産効率を高めることができる。
[第1工程]
(解重合工程)
ポリ硫酸ペントサンの製造方法は、植物由来原料を解重合しキシロオリゴ糖を得る第1工程を含む。植物由来原料を解重合する工程は、植物由来原料を化学的及び/又は物理的に分解し、キシロオリゴ糖を生成する工程である。化学的及び/又は物理的に分解する工程としては、例えば、加熱処理工程、アルカリ処理工程、酸処理工程、酵素処理工程、イオン液体処理工程、触媒処理工程等が挙げられる。中でも、解重合する工程は、加熱処理工程、アルカリ処理工程及び酵素処理工程から選択される少なくともいずれかであることが好ましく、加熱処理工程であることがより好ましい。また、加熱処理工程は、加熱加圧工程であってもよい。
解重合工程は、非アルカリ性条件下(pH9以下、好ましくはpH8以下)で行なわれることが好ましい。
加熱処理工程は、植物由来原料を溶液の存在下で加熱する工程である。このような加熱処理工程では植物由来原料が加水分解されるため、加熱処理工程は加水分解処理工程や前加水分解処理工程と呼ばれることがある。加熱処理工程で用いる溶液は水であることが好ましく、植物由来原料に対する水の割合(質量比)は1:1〜1:10であることが好ましい。植物由来原料に対する水の割合を上記範囲内とすることにより加水分解反応を効率よく進行させることができる。なお、加熱処理工程で用いられる水は、植物由来原料とは別に添加した水分であってもよいが、その一部は植物由来原料に元々含まれる水分であってもよい。
加熱処理工程では、植物由来原料と水の他に、他の薬品を添加してもよい。他の薬品としては、例えば、アルカリ、酸、キレート剤を挙げることができる。また、スケール防止剤や、ピッチコントロール剤、イオン液体といった多糖の解重合を直接的・間接的に補助する薬品を添加してもよい。
加熱処理工程は、植物由来原料を水の存在下で加熱する工程であるが、この際の加熱温度(液温)は、30℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、75℃以上であることがさらに好ましく、90℃以上であることがよりさらに好ましく、100℃以上であることが特に好ましく、120℃以上であることが最も好ましい。また、加熱温度(液温)は、300℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることがさらに好ましい。
加熱処理工程における処理時間は処理温度に応じて適宜決定することができる。処理時間は、例えば、5分以上であることが好ましく、10分以上であることがより好ましく、20分以上であることがさらに好ましい。なお、下記式で表されるPファクターは加熱処理時の温度と時間の積でありPファクターを好ましい範囲内に調整することが好ましい。
Figure 0006555431
上記式において、PはPファクターを表し、Tは絶対温度(℃+273.5)を表し、tは加熱処理時間を表し、KH1(T)/K100℃はグリコシド結合の加水分解の相対速度を表す。
加熱処理工程では、Pファクターを200以上とすることが好ましく、250以上とすることがより好ましく、300以上とすることがさらに好ましい。なお、Pファクターは1000以下であることが好ましい。加熱処理工程ではPファクターを適宜調整することでキシロオリゴ糖の平均重合度を所望の範囲内とすることができ、これにより、得られるポリ硫酸ペントサンの分子量を調整することができる。
加熱処理工程では、植物由来原料を含む溶液のpHは9以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましく、7以下であることがさらに好ましい。すなわち、加熱処理工程は、非アルカリ性条件下で行うことが好ましい。なお、上記のpHの値は、加熱処理を行う前の溶液のpHである。
加熱処理工程では、原料由来の酸が解離し、少なくとも一部で酸加水分解が行われてもよい。植物原料由来の酸としては、例えば、酢酸やギ酸等の有機酸を挙げることができる。この場合、酸加水分解後の植物由来原料を含む溶液のpHはさらに低下することとなる。
ポリ硫酸ペントサンの製造工程においては、最初の工程として加熱処理工程を設けることが好ましい。これにより、キシロオリゴ糖の生産効率を高めることができ、さらにはポリ硫酸ペントサンの製造効率を高めることができる。最初の工程として加熱処理工程を設けることにより、従来法と比較してキシロオリゴ糖を得るまでの工程数を大幅に削減することができる。また、最初の工程として非アルカリ性条件下で加熱処理工程を設けることにより、キシロオリゴ糖にヘキセンウロン酸が置換することがなく、着色が抑制されたキシロオリゴ糖を効率よく生産することができる。
解重合工程は加熱処理工程であることが好ましいが、加熱処理工程以外の工程を採用することもできる。例えば、解重合工程が酵素処理工程である場合は、解重合工程は植物由来原料と酵素を混合する工程を含む。酵素としては、例えば、ヘミセルラーゼ等用いることができる。具体的には、商品名セルロシンHC100(エイチビィアイ社製)、商品名セルロシンTP25(エイチビィアイ社製)、商品名セルロシンHC(エイチビィアイ社製)、商品名カルタザイム(クラリアント社製)、商品名エコパルプ(ローム・エンザイム社製)、商品名スミチーム(新日本化学工業社製)、パルプザイム(ノボノルディクス社製)、マルチフェクト720(ジェネンコア社)などの市販の酵素製剤や、トリコデルマ属、テルモミセス属、オウレオバシヂウム属、ストレプトミセス属、アスペルギルス属、クロストリジウム属、バチルス属、テルモトガ属、テルモアスクス属、カルドセラム属、テルモモノスポラ属などの微生物により生産されるキシラナーゼを使用することができる。
酵素処理工程では、植物由来原料と水を混合した溶液に酵素を添加する。この際の溶液の温度は、10℃以上90℃以下であることが好ましく、30℃以上60℃以下であることがより好ましい。なお、溶液の温度は、用いる酵素の至適温度に近い温度であることが好ましい。また、溶液のpHも酵素の活性が高まるような範囲に調整することが好ましく、例えばpHを3以上10以下に調整することが好ましい。
また、解重合工程がアルカリ処理工程や酸処理工程である場合は、植物由来原料と、アルカリ溶液又は酸溶液を混合する工程を含む。アルカリ処理工程では、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを添加することが好ましい。また、酸処理工程では、塩酸、硫酸、酢酸等を添加することが好ましい。なお、この場合も適宜加熱や加圧を行ってもよい。
解重合工程が、酵素処理工程、アルカリ処理工程及び酸処理工程から選択される少なくともいずれかである場合は、該処理工程の後に、さらに圧搾工程、抽出工程、加熱工程、濾過工程、分離工程、精製工程、濃縮工程、脱塩工程等が設けられる場合がある。また、該処理工程の後に、低分子化工程を設ける必要がある場合もある。なお、その他の工程としては、特開2003−183303号公報に記載された工程を挙げることができ、これらの内容は本明細書に取り込まれる。
(濾過工程)
ポリ硫酸ペントサンの製造方法において第1工程は、上述した解重合工程の後にさらに濾過工程を含んでもよい。濾過工程では、植物由来原料の固形分と、固形分を除く溶液に分離される。具体的には、解重合工程の後に濾過工程を設けることにより、パルプ原料となる固形分と、濾液に分離される。なお、パルプ原料となる固形分は、後工程として蒸解工程等を経ることでセルロース原料(溶解パルプ)となる。
回収した濾液は、ガス層と液層に分けることができる。ガス層には、フルフラール類が多く含まれるため、これらを回収することでフルフラール類を単離することができる。一方、液層には、酸性キシロオリゴ糖や中性キシロオリゴ糖を含むヘミセルロースが多く含まれている。後述する工程において、この液層に含まれる酸性キシロオリゴ糖または中性キシロオリゴ糖を分離精製することができる。
<分離精製工程>
ポリ硫酸ペントサンの製造方法において第1工程は、上述した解重合工程の後にさらに分離精製工程を含んでもよい。第1工程が上述した濾過工程を含む場合、分離精製工程は、濾過工程の後に設けられることが好ましい。
第1工程では、解重合工程の直後に分離精製工程を設けてもよいが、解重合する工程の後に濾過工程を設け、得られた濾液から所望のキシロオリゴ糖を分離精製する工程を設けることが好ましい。なお、濾過工程は分離精製工程の一部として設けられていてもよいし、分離精製工程とは独立した1工程として設けられていてもよい。分離精製工程は、酸性キシロオリゴ糖または中性キシロオリゴ糖を分離精製する工程である。濾過工程で得られた濾液には、酸性キシロオリゴ糖および中性キシロオリゴ糖が含まれているため、分離精製工程は酸性キシロオリゴ糖または中性キシロオリゴ糖を選別する工程でもある。
分離精製工程では、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル濾過、イオン交換処理、NF膜処理、UF膜処理、RO膜処理、活性炭処理等の方法を採用することが好ましい。分離精製工程では、上記方法を複数組み合わせて行うことも好ましい。中でも、分離精製工程においてイオン交換クロマトグラフィーを行うことにより、酸性キシロオリゴ糖または中性キシロオリゴ糖を選択的に分離精製することができる。例えばイオン交換クロマトグラフィーでは、酸性キシロオリゴ糖を吸着することにより、未吸着画分から中性キシロオリゴ糖を取り出すことができる。具体的には、糖液をまず強陽イオン交換樹脂にて処理し、糖液中の金属イオンを除去する。次いで、強陰イオン交換樹脂を用いて糖液中の硫酸イオンなどを除去する。そして、弱陰イオン交換樹脂で処理し、酸性キシロオリゴ糖を樹脂に吸着させる。未吸着画分から中性キシロオリゴ糖を得る。一方、樹脂に吸着した酸性オリゴ糖を、低濃度の塩(NaCl、CaCl2、KCl、MgCl2など)によって溶出させることにより、夾雑物の少ない酸性キシロオリゴ糖液を得ることができる。
(濃縮工程)
ポリ硫酸ペントサンの製造方法において第1工程は、さらに濃縮工程を含んでいてもよい。濃縮工程は、例えば、濾過工程の後であって、分離精製工程の前に設けられることが好ましい。このような濃縮工程を設けることにより、分離精製工程をより効率良く行うことができ、ポリ硫酸ペントサンの生産効率を高めることができる。
濃縮工程としては、例えば、NF膜、限外濾過膜、逆浸透膜等を用いた膜処理工程や、エバポレーション等を用いた濃縮工程等を挙げることができる。
濃縮工程では、所望のキシロオリゴ糖の含有量が、濃縮液の全質量に対して10%以上80%以下となるように濃縮することが好ましく、20%以上60%以下となるように濃縮することが好ましい。
(脱水工程)
第1工程で得られるキシロオリゴ糖は、キシロオリゴ糖液として得てもよいが、脱水工程を経ることにより、キシロオリゴ糖濃縮物やキシロオリゴ糖粉末として得てもよい。キシロオリゴ糖粉末を製造する場合は、分離精製工程の後に、さらに粉末化工程を設けることが好ましい。本発明において、脱水工程を設けることにより、後述する硫酸化工程における硫酸化を効率よく進めることができる。
粉末化工程では、分離精製工程で得られたキシロオリゴ糖液を、例えば、スプレードライヤー、凍結乾燥機、熱風乾燥機、水溶性の有機溶媒等を用いて処理することにより、キシロオリゴ糖粉末を得ることができる。
[第2工程]
(硫酸化工程)
第1工程で得られたキシロオリゴ糖を第2工程において硫酸化することでポリ硫酸ペントサンを得ることができる。すなわち、第2工程は硫酸化工程を含む。
硫酸化工程では、キシロオリゴ糖液に硫酸又は硫酸誘導体を加え、硫酸化を行う。硫酸誘導体としては、例えば、三酸化硫黄・ピリジン錯体やクロロスルホン酸等を挙げることができる。この際、キシロオリゴ糖液の濃度は、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、このような濃度のキシロオリゴ糖液に硫酸を0.1質量%以上50質量%以下となるように添加することが好ましい。硫酸を添加した後のキシロオリゴ糖液のpHは1以上9以下であることが好ましい。
(硫酸化後精製工程)
ポリ硫酸ペントサンの製造方法において、第2工程は、硫酸化の後に、硫酸化後精製工程をさらに含んでもよい。このような硫酸化後精製工程を設けることにより、純度の高いポリ硫酸ペントサンを得ることができる。
硫酸化後精製工程では、例えば、遠心分離、膜濾過、透析、水溶性有機溶媒処理、活性炭処理等の方法を採用することが好ましい。中でも、水溶性有機溶媒処理及び活性炭処理は、硫酸化されたポリ硫酸ペントサンを選択的に分離精製することができるため、好ましく用いられる。
(粉末化工程)
第2工程では、硫酸化されたポリ硫酸ペントサンは、ポリ硫酸ペントサン溶液として得てもよいが、粉末化工程を経ることにより、ポリ硫酸ペントサン粉末として得てもよい。ポリ硫酸ペントサン粉末を製造する場合は、硫酸化後精製工程の後に、さらに粉末化する工程を設けることが好ましい。
粉末化工程としては、硫酸化後精製工程で得られたポリ硫酸ペントサン溶液を、例えば、スプレードライヤー、凍結乾燥機、熱風乾燥機、水溶性の有機溶媒等を用いて処理することにより、ポリ硫酸ペントサン粉末を得ることができる。
[脱アセチル化工程]
ポリ硫酸ペントサンの製造の際には脱アセチル化を行なってもよい。脱アセチル化工程は解重合工程の後のいずれかの段階であることが好ましい。脱アセチル化工程により、ポリ硫酸ペントサンが有するアセチル基含量を低減させることができる。具体的には、脱アセチル化工程は、キシロオリゴ糖等の、植物由来原料をもとに得られた物質を含む溶液(本明細書においては、「キシロオリゴ糖等を含む溶液」とも呼ぶ。)をpH11以上とするために塩基を添加する工程である。脱アセチル化工程においては、解重合後に得られる溶液、濾過工程で得られた濾液、分離精製工程後かつ硫酸化工程前のキシロオリゴ糖を含む溶液、又は硫酸化工程後のキシロオリゴ糖(ポリ硫酸ペントサン)を含む溶液等がpH11以上とされていればよい。これらのうち、分離精製工程後かつ硫酸化工程前のキシロオリゴ糖を含む溶液をpH11以上とした場合には、安定した品質でアセチル基含量が低減したポリ硫酸ペントサンを得ることができ、また、アセチル基が結合していた部位も硫酸化することができるため、硫酸化の効率、ひいてはポリ硫酸ペントサンの製造効率を向上させることが可能である。また、硫酸化工程後のキシロオリゴ糖(ポリ硫酸ペントサン)を含む溶液をpH11以上とした場合には、精製工程を効率化することができる。キシロオリゴ糖等を含む溶液は水溶液であることが好ましい。本明細書においてキシロオリゴ糖を含む溶液をキシロオリゴ糖液ということもある。
脱アセチル化工程で適用されるpHは11〜14であることが好ましく、12〜13がより好ましい。脱アセチル化工程に付される溶液は、0.5時間以上pH11以上で維持することが好ましく、1.0時間以上pH11以上で維持することがより好ましく、2.0時間以上pH11以上で維持することがさらに好ましく、3.0時間以上pH11以上で維持することが特に好ましい。特にpHが12未満のときは1.0時間以上維持することが好ましい。特に好ましい条件としてはpH12〜13で3時間以上維持する条件を挙げることができる。
上記のpHに維持する間、上記溶液は、撹拌されていることが好ましい。上記のpHに維持する間の温度条件は特に限定されないが、室温であることが好ましい。
脱アセチル化工程においては、脱アセチル化工程に付される溶液(キシロオリゴ糖を含む溶液等)に塩基が添加されればよい。添加される塩基は目的のpHが達成できる限り特に限定されないが、水酸化ナトリウムが好ましい。
脱アセチル化工程は、上記のpHでの維持後、塩基の添加によりpH11以上となった溶液を、pH11未満に調整するpH調整工程を含んでいてもよい。pH調整工程では、例えば、pH9以下、pH8以下、pH7以下、pH6以下、pH5以下、pH4以下等に調整されればよい。調整は酸の添加により行なわれればよい。酸としては塩酸が挙げられる。
脱アセチル化工程は、上記pH調整工程の後に脱塩工程を含むことも好ましい。脱塩は例えば透析膜やNF膜を用いて行なうことができる。
脱アセチル化工程は、さらにその後の処理のために生成物を粉末化する工程を含んでいてもよい。
[その他の工程]
(分子量調整工程)
ポリ硫酸ペントサンの製造方法は、上述した第1工程と第2工程の間に、分子量調整工程をさらに含んでもよい。図2には、第1工程と第2工程の間に、分子量調整工程を含むフロー図が示されている。図2に示されているように、分子量調整工程では、第1工程で得られるキシロオリゴ糖の分子量を調整する。例えば、分子量調整工程では、キシロオリゴ糖を低分子化することができる。
分子量調整工程では、例えば、酸処理やアルカリ処理、酵素処理、NF膜処理、UF膜処理、RO膜処理、ゲル濾過処理、活性炭処理、イオン交換処理、電気透析処理等を行うことにより、所望の重量平均分子量のポリ硫酸ペントサンを得ることができる。また、分子量調整工程では、膜処理等を行うことにより、所望の重量平均分子量であるポリ硫酸ペントサンを選択的に回収する方法を採用してもよい。
(分子量調整後分離精製工程)
ポリ硫酸ペントサンの製造方法は、分子量調整工程の後に、分子量調整後分離精製工程をさらに含んでもよい。分子量調整後分離精製工程としては、例えば、ゲルろ過、イオン交換処理、NF膜処理、UF膜処理、RO膜処理、電気透析処理、活性炭処理、水溶性有機溶媒処理、クロマトグラフィー処理等を挙げることができる。このような分子量調整後分離精製工程を設けることにより、分子量調整工程で得られた所望の分子量を有するキシロオリゴ糖を選択的に回収することができ、分子量分布の狭いポリ硫酸ペントサンを効率よく得ることができる。
以下に製造例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の製造例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<<ポリ硫酸ペントサンの保湿性能>>
<実施例1>
[酸性キシロオリゴ糖の製造]
木材チップ(広葉樹)10質量部に対して、水を40質量部添加し、160℃で3時間加熱処理を行った。その後、スクリュープレス(新菱製作所製:250×1000SPH−EN)にて固液分離を行い、濾液を回収した。濾液をミクロンレート1μmのバッグフィルター(ISPフィルターズ社製)で濾過し、活性炭(三倉化成社製:PM−SX)を5質量部添加して50℃で2時間処理した後、更にミクロンレート0.2μmのセラミックフィルター(日本ポール社製)で活性炭ごと濾過し、清澄な濾液を回収した。清澄濾液を逆浸透膜(日東電工社製:NTR−7450)で20倍に濃縮して濃縮糖液を得た後、その濃縮糖液を、SV1.5で強カチオン樹脂(三菱化学社製:PK−218)、弱アニオン樹脂(三菱化学社製:WA30)、強カチオン樹脂(三菱化学社製:PK−218)、弱アニオン樹脂(三菱化学社製:WA30)からなる4床4塔式のイオン交換樹脂に通液し、2塔目および4塔目の弱アニオン樹脂に酸性キシロオリゴ糖を吸着させ、その後50mM塩化ナトリウム水溶液をSV1.5で2塔目および4塔目に通液することにより、平均重合度が8未満の酸性キシロオリゴ糖液を回収した。その後、得られた酸性キシロオリゴ糖液は、スプレードライヤー(大川原工業社製)を用いて粉末化した。
[ポリ硫酸ペントサンナトリウムの製造]
100mLセパラブルフラスコにN,N−ジメチルホルムアミド25mL、三酸化硫黄・ピリジン錯体10g及び前述の方法で製造した酸性キシロオリゴ糖粉末2gを加えて40℃で3時間反応を行った。冷却後、得られた反応混合物を200mLのエタノール中に滴下し、生成した沈殿物をろ別し、水10mLを加えて溶かした。この液に水酸化ナトリウム溶液を加えてpHが10になるように調整した。この液を200mLのエタノール中に滴下して得られた析出物をろ別した。その後、析出物に10mLの水を加えて溶解し、活性炭を加えて攪拌した後ろ過した。得られたろ液を200mLのエタノール中に滴下して析出物をろ別するという操作を3回繰り返して精製した。このようにしてポリ硫酸ペントサンナトリウムを得た。得られたポリ硫酸ペントサンナトリウムに蒸留水を添加し、ポリ硫酸ペントサンナトリウムの濃度が1質量%の外用剤を作製した。
<実施例2>
木材チップ(広葉樹)10質量部に対して、3N水酸化ナトリウムを50質量部添加し、155℃で2時間加熱処理を行なった。冷却後、スクリュープレス(新菱製作所製:250×1000SPH−EN)にて固液分離を行った。ここで得られた固体残留物をイオン交換水で3回洗浄した。得られた固体残留物10質量部に対して1N水酸化ナトリウムを100質量部添加し、70℃で3時間加熱処理を行った。その後、スクリュープレス(新菱製作所製:250×1000SPH−EN)にて固液分離を行い、濾液を回収した。この濾液に1N塩酸を加えて中和し、得られた析出物をろ別した。得られた析出物をイオン交換水で十分に洗浄した後、減圧乾燥して酸性キシロオリゴ糖を調製した以外は、実施例1と同様にしてポリ硫酸ペントサンナトリウムを得た。得られたポリ硫酸ペントサンナトリウムに蒸留水を添加し、ポリ硫酸ペントサンナトリウムの濃度が1質量%の外用剤を作製した。
<比較例1>
比較例1では、外用剤として蒸留水を用いた。
<分析及び評価>
[ポリ硫酸ペントサンナトリウムの重量平均分子量]
実施例で得られたポリ硫酸ペントサンナトリウムを、300mM塩化ナトリウム/50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)を溶離液として、GPCカラム(東ソー社製:TSKgel G2000SWXL)に通液して分子量分布の測定を行った。検量線用のサンプルにはプルラン(重量平均分子量1,080〜47,100:SIGMA−ALDRICH社製)を用いて、実施例で得られたポリ硫酸ペントサンナトリウムの重量平均分子量及び分子量分布(分散度)を測定した。
[硫黄含量]
日本薬局方に収載されている酸素フラスコ燃焼法にてポリ硫酸ペントサンナトリウムの硫黄含量を測定した。
[ウロン酸含量]
実施例で得られたポリ硫酸ペントサンナトリウムを0.5mg/mLの濃度となるように水に溶解した。この溶液1mLを試験管に取り、氷水中で冷却しながらホウ砂・硫酸試験5mLを加えて混和し、水浴上で10分間加熱した。その後、氷水中で冷却し、カルバゾール試液0.2mLを加えて混和し、水浴上で15分間加熱した。別の試験管に、D−グルクロン酸の10μg/mL、20μg/mL、30μg/mL、40μg/mLおよび50μg/mLの標準溶液各1mLを取り、上記と同様の操作を行なった。また、水1mLを同様に操作したものを対照液として、波長530nmの吸光度を測定した。標準溶液の吸光度から作製した検量線を用いて、ポリ硫酸ペントサンナトリウムのウロン酸含量を測定した。
Figure 0006555431
[角質水分量]
被験者の前腕部を石鹸で十分に洗浄して水分を取り除いた後、20〜25℃の環境下で5分間順化した。被験者の前腕部内側に2×2cmの領域を3箇所設定し、SKICON−200EX(アイ・ビイ・エス社製)を用いて、各領域の角質水分量(μS(micro siemens))を測定した(角質水分量A)。その後、前腕部内側に設定した2×2cmの領域のそれぞれに、実施例及び比較例で得られた外用剤20μLを均一に塗布し、3分後の角質水分量(μS)を測定した(角質水分量B)。
Figure 0006555431
表2に示されるように、蒸留水を用いた比較例と比較して実施例では、塗布後3分でも角質水分量が高く、実施例で得られた外用剤は保湿性能を有していることがわかる。
<<ウロン酸含量の異なるポリ硫酸ペントサン>>
<酸性キシロオリゴ糖の製造>
木材 チップ(広葉樹)10質量部に対して、水を50質量部添加し、165℃で3時間加熱処理を行った。その後、スクリュープレス(新菱製作所製:250×1000SPH−EN)にて固液分離を行い、濾液を回収した。濾液をミクロンレート1μmのバッグフィルター(ISPフィルターズ社製)で濾過し、活性炭(三倉化成社製:PM−SX)を5質量部添加して50℃で2時間処理した後、更にミクロンレート0.2μmのセラミックフィルター(日本ポール社製)で活性炭ごと濾過し、清澄な濾液を回収した。清澄濾液を逆浸透膜(日東電工社製:NTR−7450)で20倍に濃縮して濃縮糖液を得た後、その濃縮糖液を、SV1.5で強カチオン樹脂(三菱化学社製:PK−218)、弱アニオン樹脂(三菱化学社製:WA30)、強カチオン樹脂(三菱化学社製:PK−218)、弱アニオン樹脂(三菱化学社製:WA30)からなる4床4塔式のイオン交換樹脂に通液し、2塔目及び4塔目の弱アニオン樹脂に酸性キシロオリゴ糖を吸着させ、その後50mM塩化ナトリウム水溶液をSV1.5で2塔目及び4塔目に通液することにより、酸性キシロオリゴ糖溶液を回収した。得られた酸性キシロオリゴ糖溶液に、pH13となるように水酸化ナトリウムを添加し、室温で3時間撹拌して脱アセチル化を行った。得られた液に、pH5未満となるように塩酸を添加し透析膜(SPECTRUM社製:スペクトラ/ポア7 CE膜 MWCO100〜500)で脱塩を行った後、凍結乾燥機(EYELA社製)を用いて粉末化した。
<中性キシロオリゴ糖の製造>
木材 チップ(広葉樹)10質量部に対して、水を50質量部添加し、165℃で3時間加熱処理を行った。その後、スクリュープレス(新菱製作所製:250×1000SPH−EN)にて固液分離を行い、濾液を回収した。濾液をミクロンレート1μmのバッグフィルター(ISPフィルターズ社製)で濾過し、活性炭(三倉化成社製:PM−SX)を5質量部添加して50℃で2時間処理した後、更にミクロンレート0.2μmのセラミックフィルター(日本ポール社製)で活性炭ごと濾過し、清澄な濾液を回収した。清澄濾液を逆浸透膜(日東電工社製:NTR−7450)で20倍に濃縮して濃縮糖液を得た後、その濃縮糖液を、SV1.5で強カチオン樹脂(三菱化学社製:PK−218)、弱アニオン樹脂(三菱化学社製:WA30)、強カチオン樹脂(三菱化学社製:PK−218)、弱アニオン樹脂(三菱化学社製:WA30)からなる4床4塔式のイオン交換樹脂に通液することにより、中性キシロオリゴ糖液を回収した。得られた中性キシロオリゴ糖液に、pH13となるように水酸化ナトリウムを添加し、室温で3時間撹拌して脱アセチル化を行った。得られた液に、pH5未満となるように塩酸を添加し透析膜(SPECTRUM社製:スペクトラ/ポア7 CE膜 MWCO100〜500)で脱塩を行った後、凍結乾燥機(EYELA社製)を用いて粉末化した。
<ポリ硫酸ペントサンナトリウムの製造>
[参考例11]
100mLセパラブルフラスコにN,N−ジメチルホルムアミド25mL、三酸化硫黄・ピリジン錯体12.4g及び前述の方法で製造した中性キシロオリゴ糖粉末1.5gを加えて40℃で3時間反応を行った。冷却後、得られた反応混合物を500mLのエタノール中に滴下し、生成した沈殿物をろ別し、水30mLを加えて溶かした。この液に水酸化ナトリウム溶液を加えてpHが10になるように調整した。この液を500mLのエタノール中に滴下して得られた析出物をろ別した。その後、析出物を30mLの水を加えて溶解し、活性炭を加えて攪拌した後ろ過した。ろ液をエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥機(EYELA社製)を用いて粉末化した。
[参考例12]
参考例11の中性キシロオリゴ糖粉末1.5gに代えて、中性キシロオリゴ糖粉末1.125gと脱アセチル化処理工程を含む前述の方法で製造した酸性キシロオリゴ糖0.375gとの混合物を用いる以外は参考例11と同様にしてポリ硫酸ペントサンナトリウムを得た。
[参考例13]
参考例11の中性キシロオリゴ糖粉末1.5gに換えて、中性キシロオリゴ糖粉末0.75gと脱アセチル化処理工程を含む前述の方法で製造した酸性キシロオリゴ糖0.75gとの混合物を用いる以外は参考例11と同様にしてポリ硫酸ペントサンナトリウムを得た。
[参考例14]
参考例11の中性キシロオリゴ糖粉末1.5gに代えて、中性キシロオリゴ糖粉末0.375gと脱アセチル化処理工程を含む前述の方法で製造した酸性キシロオリゴ糖1.125gとの混合物を用いる以外は参考例11と同様にしてポリ硫酸ペントサンナトリウムを得た。
[参考例15]
参考例11の中性キシロオリゴ糖粉末1.5gに代えて、脱アセチル化処理工程を含む前述の方法で製造した酸性キシロオリゴ糖1.5gを用いる以外は参考例11と同様にしてポリ硫酸ペントサンナトリウムを得た。
<物性値>
参考例11〜15のポリ硫酸ペントサンのウロン酸含量、硫黄含量、平均分子量、アセチル基含量を以下の通り測定した。結果を表3に示す。
(ウロン酸含量)
参考例11〜14のポリ硫酸ペントサンナトリウム約10mgを量り取り、蒸留水に溶かして正確に25mLとした。この液1mLを試験管に取り,氷水中で冷却しながら0.025M四ほう酸ナトリウム・硫酸溶液5mLを加えて混和し、水浴で10分間加熱した。直ちに氷冷中で冷却し、カルバゾール試液0.2mLを加えて混和し、水浴で15分間加熱した後、放冷して試料溶液とした。別に、濃度が10〜100μg/mLのグルクロン酸標準原液を調製し、同様の操作を行なって標準溶液とした。蒸留水1mLを用いて同様に操作したものを対照液として、波長530nmにおける吸光度を測定した。標準溶液の吸光度から検量線を作成し、グルクロン酸量(g)を求めた。以下の式よりウロン酸含量(質量%)を求めた。定量値がマイナスとなる場合は0%とみなした。
ウロン酸含量(質量%)
=グルクロン酸量(μg)/(ポリ硫酸ペントサンナトリウムの秤取量×1/25)/10
(硫黄含量)
日本薬局方に記載の酸素フラスコ燃焼法にて硫黄含量を測定した。
(平均分子量)
ポリ硫酸ペントサンの重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパ−ミエーションクロマトグラフィー)により測定した。GPCカラムとしては、ワイエムシィ社製のYMC−Pack Diol−300とYMC−Pack Diol−60を連結して用いることができる。また、GPCの条件としては、下記の条件を採用した。
溶離液:25mMリン酸2水素カリウム/25mMリン酸水素2カリウム/50mM塩化カリウム水溶液
流速:0.7mL/分
測定温度:40℃
検出器:示差屈折率検出器
(アセチル基含量)
3−トリメチルシリルプロピオン酸ナトリウム―2,2,3,3―d4(ISOTEC社)35mgを重水(関東化学社)に溶解し、25mLメスフラスコを用いてメスアップし、内標準溶液を作製した。ポリ硫酸ペントサンナトリウムを30mg秤量し、内標準溶液1mLに溶解してNMR用溶液を調製した。得られた溶液をNMRサンプルチューブ(関東化学社)に移し、FT−NMR(JNM−LA400:日本電子社)により1H−NMR測定を行った。内標準物質のトリメチルシリル基ピーク及びポリ硫酸ペントサンナトリウムのアセチル基ピークの積分比より、アセチル基含量を算出した。
<収量>
キシロオリゴ糖粉末からポリ硫酸ペントサンナトリウム粉末を得る際の収量を求めた。結果を表3に示す。
<溶液の性状>
100mg/mLのポリ硫酸ペントサンナトリウム水溶液2mLを5mLバイアルに入れ、40℃で4週間保管したときの溶液の性状を確認した。結果を表3に示す。
Figure 0006555431
表3に示す結果から分かるように、ウロン酸含量が低くなるに従って、高い収量(収率)が得られた。また、ウロン酸含量が高いポリ硫酸ペントサンナトリウムの水溶液(参考例14および参考例15)は40℃4週間の保存で黄変が認められたのに対し、ウロン酸含量が低いポリ硫酸ペントサンナトリウムの水溶液(参考例11〜13)には変化が認められなかった。
<pH緩衝作用>
参考例11、12、14、15のポリ硫酸ペントサン100mgを水に溶解し、正確に100mLとした。この溶液を自動滴定装置(東亜ディーケーケー)により、0.01N水酸化ナトリウム水溶液(関東化学)を用いてpH10に調整した。その後、同じく自動滴定装置により、0.01N塩酸水溶液(関東化学)を用いて滴定を行い、pH6から4に調整するために要する0.01N塩酸水溶液の量を算出した。
結果を図2に示す。
図2に示す結果から、ウロン酸含量が高いポリ硫酸ペントサンはpH4〜6での緩衝作用が高いことがわかる。

Claims (8)

  1. アセチル基含量が0〜0.3質量%であるポリ硫酸ペントサン及びその薬学的に許容される塩ならびにそれらの薬学的に許容されるポリ硫酸ペントサンの溶媒和物から選択される少なくとも1種を有効成分として含む保湿外用剤。
  2. 前記ポリ硫酸ペントサンのウロン酸含量が0.0質量%〜15.0質量%である請求項1に記載の保湿外用剤。
  3. 前記ポリ硫酸ペントサンのウロン酸含量が7.0質量%〜15.0質量%であり、かつアセチル基含量が0質量%〜2.0質量%である請求項2に記載の保湿外用剤。
  4. 前記ポリ硫酸ペントサンのウロン酸含量が0.0質量%〜6.0質量%である請求項2に記載の保湿外用剤。
  5. ポリ硫酸ペントサン及びその薬学的に許容される塩ならびにそれらの薬学的に許容されるポリ硫酸ペントサンの溶媒和物から選択される少なくとも1種を有効成分として含む保湿外用剤であって、
    前記ポリ硫酸ペントサンのウロン酸含量が0.0質量%〜6.0質量%である前記保湿外用剤。
  6. 前記薬学的に許容される塩として、ポリ硫酸ペントサンナトリウムを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の保湿外用剤。
  7. 前記ポリ硫酸ペントサンの分散度が1.00以上1.40以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の保湿外用剤。
  8. ポリ硫酸ペントサン及びその薬学的に許容される塩ならびにそれらの薬学的に許容されるポリ硫酸ペントサンの溶媒和物を前記保湿外用剤の全質量に対して0.05質量%以上40質量%以下で含む水溶液である請求項1〜7のいずれか1項に記載の保湿外用剤。
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