JP6555250B2 - 電動式パワーステアリング装置及びその組立方法 - Google Patents
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Description
尚、本明細書で、前後方向は、特に断らない限り、車両の前後方向を言う。
但し、この場合には、トーションバー14の後端部を入力軸12の連結孔部17に圧入する際に、トーションバー14の軸方向中間部であるばね軸部に、大きな軸方向圧縮力が加わる。この為、この大きな軸方向圧縮力によってばね軸部が座屈するのを防止すべく、ばね軸部の剛性を高くしておく必要がある。ところが、ばね軸部の剛性を高くすると、その分、ばね軸部を通じて、操舵輪側からステアリングホイール4側へ振動が伝わり易くなると共に、操舵トルクの検出感度が低くなると言った不都合を生じる。
但し、この場合には、トーションバー14の両端部を2つの連結孔部17、19に対して順番に圧入する事になる為、後から行う圧入の際に、先に圧入した側の端部を後から圧入する側の端部に向けて軸方向に押圧する様な態様で圧入を行うと、トーションバー14のばね軸部に大きな軸方向圧縮力が加わる。この為、上述した場合と同様の不都合を生じる。
中空状の第一シャフトと、
該第一シャフトと同軸に配置された第二シャフトと、
軸方向両端部に設けられた1対の連結軸部と、該1対の連結軸部間に設けられたばね軸部と、を有し、且つ、前記第一シャフトの内径側に配置されると共に、一方の前記連結軸部を前記第一シャフトに、他方の前記連結軸部を前記第二シャフトに、それぞれトルク伝達可能に連結されたトーションバーと、
を備え、
少なくとも一方の前記連結軸部は、前記第一、及び前記第二シャフトのうち、自身が連結される相手側シャフトに設けられた連結孔部に圧入され、
前記第一、及び前記第二シャフトの何れか一方のシャフトにステアリングホイールからの操舵力が付与される。
特に、本発明の電動式パワーステアリング装置の場合には、前記ばね軸部の外周面に座屈防止部材が外嵌支持(外嵌固定を含む)又は結合固定されており、前記座屈防止部材の外周面が前記第一シャフトの内周面に近接若しくは接触しており、
前記座屈防止部材を、例えば弾性材製で、円周方向の1箇所にその中心軸に対して平行な又は傾斜した切れ目(不連続部)を有する円筒状部材とする。
また、本発明の他の電動式パワーステアリング装置の場合には、前記ばね軸部の外周面に座屈防止部材が外嵌支持(外嵌固定を含む)又は結合固定されており、前記座屈防止部材の外周面が前記第一シャフトの内周面に近接若しくは接触しており、
前記座屈防止部材を、円筒状の熱収縮チューブとする。
また、本発明のさらに他の電動式パワーステアリング装置の場合には、下記(1)〜(3)のいずれか1つの構成を備える。
(1) 即ち、本発明のさらに他の電動式パワーステアリング装置の場合に、前記ばね軸部の外周面に座屈防止部材が外嵌支持(外嵌固定を含む)又は結合固定されており、前記座屈防止部材の外周面が前記第一シャフトの内周面に近接若しくは接触しており、
前記第一シャフトの軸方向一部分(軸方向端部又は軸方向中間部)に設けられた第一ストッパ部と、前記第二シャフトの軸方向一部分(軸方向端部又は軸方向中間部)に設けられた第二ストッパ部とを円周方向の隙間を介在させた状態で係合させる事により、前記第一、及び第二シャフト同士の相対回転を所定角度範囲内に規制する。
又、前記一方の連結軸部を、前記第一シャフトに対し、トルク伝達可能に且つ軸方向の相対変位を阻止された状態で連結する。尚、この様な連結を実現する為に、例えば、前記一方の連結軸部を、前記第一シャフトに設けられた連結孔部に内嵌した状態で、一方の連結軸部と第一シャフトとの互いに整合する位置に設けられた径方向の貫通孔にピンを圧入したり、又は、一方の連結軸部と第一シャフトとを溶接若しくは接着したり、又は、一方の連結軸部と第一シャフトとの係合部を塑性変形させる(かしめる)。
又、前記他方の連結軸部を、前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する。
更に、組立時に、前記トーションバーのばね軸部の外周面と前記第一シャフトの内周面との間に前記座屈防止部材を配置すると共に、前記一方の連結軸部を前記第一シャフトに対してトルク伝達可能に且つ軸方向の相対変位を阻止した状態で連結した後、前記他方の連結軸部を前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する前に、前記第一、及び第二ストッパ部の少なくとも一部分同士を円周方向の隙間を介在させた状態で係合させる事が可能な寸法関係を持たせる。
(2) 又は、本発明のさらに他の電動式パワーステアリング装置の場合に、前記ばね軸部の外周面に座屈防止部材が外嵌支持(外嵌固定を含む)又は結合固定されており、前記座屈防止部材の外周面が前記第一シャフトの内周面に近接若しくは接触しており、
前記第一シャフトの軸方向一部分(軸方向端部又は軸方向中間部)に設けられた第一ストッパ部と、前記第二シャフトの軸方向一部分(軸方向端部又は軸方向中間部)に設けられた第二ストッパ部とを円周方向の隙間を介在させた状態で係合させる事により、前記第一、及び第二シャフト同士の相対回転を所定角度範囲内に規制する。
又、前記一方の連結軸部を、前記第一シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する。
又、前記他方の連結軸部を、前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入すると共に、前記連結孔部の奥端部に突き当てる。
更に、組立時に、前記他方の連結軸部を前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入すると共に前記連結孔部の奥端部に突き当てた状態で、前記トーションバーのばね軸部の外周面と前記第一シャフトの内周面との間に前記座屈防止部材を配置した後、前記一方の連結軸部を前記第一シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する前に、前記第一、及び第二ストッパ部の少なくとも一部分同士を円周方向の隙間を介在させた状態で係合させる事が可能な寸法関係を持たせる。
(3) 又は、本発明のさらに他の電動式パワーステアリング装置の場合に、前記ばね軸部の外周面に座屈防止部材が外嵌支持(外嵌固定を含む)又は結合固定されており、前記座屈防止部材の外周面が前記第一シャフトの内周面に近接若しくは接触しており、
前記第一シャフトの軸方向一部分(軸方向端部又は軸方向中間部)に設けられた第一ストッパ部と、前記第二シャフトの軸方向一部分(軸方向端部又は軸方向中間部)に設けられた第二ストッパ部とを円周方向の隙間を介在させた状態で係合させる事により、前記第一、及び第二シャフト同士の相対回転を所定角度範囲内に規制する。
又、前記一方の連結軸部を、前記第一シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する。
又、前記他方の連結軸部を、前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入すると共に、前記連結孔部の奥端部に突き当てる。
更に、組立時に、前記座屈防止部材が配置された前記トーションバーを前記第一シャフトの内径側に挿入し、前記他方の連結軸部を前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入しつつ、前記連結孔部の奥端部に突き当てた状態にすると共に、前記一方の連結軸部を前記第一シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する、前記両方の連結軸部の圧入前に、前記第一、及び第二ストッパ部の少なくとも一部分同士を円周方向の隙間を介在させた状態で係合させる事が可能な寸法関係を持たせる。
即ち、本発明の場合、トーションバーの連結軸部を、相手側シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する際には、ばね軸部に大きな軸方向圧縮力が加わる場合がある。但し、この大きな軸方向圧縮力によって、ばね軸部が座屈変形しようとしても、座屈防止部材の外周面が第一シャフトの内周面に接触している又は接触する事により、当該座屈変形が防止される。
又、本発明の場合には、この様にして、ばね軸部の座屈変形を防止できる為、操舵輪からステアリングホイールへ伝達される振動を低減する事や、操舵トルクの検出感度を向上させる事を目的として、トーションバーの低剛性化(ばね軸部の小径化等)を図り易い。
本発明の第1実施形態に就いて、図1〜6を参照しつつ説明する。尚、図1〜6では、左側が前側となり、右側が後側となる。本実施形態の電動式パワーステアリング装置は、ステアリングコラム2aと、ステアリングシャフト3aと、ハウジング11aと、出力軸13aと、トーションバー14aと、座屈防止部材37と、トルク検出用スリーブ22と、トルク検出用コイルユニット23と、電動モータ10(図28参照)と、ウォーム式減速機24とを備える。
また、本実施形態の構造を実施する場合、図3〜6に示した各構成部材に対する、残りの各構成部材の組み立ては、適宜の順序で行えば良く、具体的な組立順序は特に問わない。
本発明の第2実施形態に就いて、図7〜9を参照しつつ説明する。尚、図7〜9では、左側が前側となり、右側が後側となる。
本実施形態の場合には、図9に示す様に、トーションバー14bの前側の連結軸部35cを出力軸13bに対してトルク伝達可能に連結する為の構造が、上述した第1実施形態の場合と異なる。即ち、本実施形態の場合には、連結軸部35cを出力軸13bに対してトルク伝達可能に連結する為に、連結軸部35cを、出力軸13bの中心孔18bの前端部に設けられた連結孔部19bに圧入している。これにより、連結軸部35cの外周面に設けられた、焼き入れ等の硬化処理を施された雄セレーションを、硬化処理が施されていない、連結孔部19bの円筒状の内周面に機械的に食い込ませている。
尚、本実施形態の構造を実施する場合には、前側の連結軸部35cを出力軸13bの連結孔部19bに圧入した後、連結軸部35cと出力軸13bとを溶接により結合固定する事もできる。
その他の構成及び作用は、上述した第1実施形態の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図10は、本発明の第3実施形態を示している。本実施形態の場合には、トーションバー14a(又は14b)のばね軸部36の外周面に外嵌支持する座屈防止部材37aの軸方向寸法を、上述した第1〜2実施形態の場合よりも短く(1/3程度の長さと)している。そして、座屈防止部材37aは、ばね軸部36の外周面の軸方向中央部分に外嵌した状態で、ばね軸部36の外周面に接着剤で固定されている。これにより、組み立ての際に、座屈防止部材37aがばね軸部36に対して軸方向に変位するのを防止している。
その他の構成及び作用は、上述した第1又は第2実施形態の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図11は、本発明の第4実施形態を示している。本実施形態の場合には、トーションバー14a(又は14b)のばね軸部36の外周面に外嵌支持した座屈防止部材37bの軸方向寸法を、ばね軸部36の軸方向寸法の1/2よりも(少しだけ)大きくしている。これにより、座屈防止部材37bがばね軸部36の外径側で、如何なる軸方向位置に変位した場合でも、常に、座屈防止部材37bの軸方向一部分が、ばね軸部36の外周面の軸方向中央部の外径側に位置する様にしている。
その他の構成及び作用は、前述した第1又は第2実施形態の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図12は、本発明の第5実施形態を示している。本実施形態の場合には、トーションバー14a(又は14b)のばね軸部36の外周面に、軸方向寸法の短い複数個(図示の例では4個)の座屈防止部材37c、37cを、軸方向に並べて外嵌支持している。
その他の構成及び作用は、前述した第1又は第2実施形態の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図13は、本発明の第6実施形態を示している。本実施形態の場合には、トーションバー14a(又は14b)のばね軸部36の外周面に外嵌支持する座屈防止部材37dに設ける切れ目を、座屈防止部材37dの中心軸に対して傾斜させている(螺旋状にしている)。これにより、座屈防止部材37dの構成を、帯状素材を螺旋状に巻いてチューブ状としたスパイラルチューブの如き構成としている。本実施形態の場合には、座屈防止部材37dが、切れ目の存在に基づいて内径寸法を拡縮可能とした構造でありながら、座屈防止部材37dが全周に亙り閉じた形状を有している為、円周方向に関する何れの位置でも、ばね軸部36の座屈を十分に防止できる。
その他の構成及び作用は、前述した第1又は第2実施形態の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図14は、本発明の第7実施形態を示している。本実施形態の場合には、トーションバー14a(又は14b)のばね軸部36の外周面に外嵌支持する座屈防止部材37eを、全周に亙り切れ目のない円筒状の熱収縮チューブにより構成している。即ち、本実施形態の場合、ばね軸部36の外周面に座屈防止部材37eを外嵌支持する際には、先ず、図14(A)及び(B)に示す様に、その内径寸法が、トーションバー14a(又は14b)の軸方向両端部である1対の連結軸部35a(又は35c)、35bの外径寸法よりも大きい、熱収縮前の円筒状の座屈防止部材37eを用意すると共に、座屈防止部材37eの内径側に、トーションバー14a(又は14b)のばね軸部36を挿通する。そして、この状態で、座屈防止部材37eを加熱して収縮させる事により、図14(C)及び(D)に示す様に、座屈防止部材37eの内周面をばね軸部36の外周面に密着させる事で、座屈防止部材37eを、ばね軸部36の外周面に外嵌支持した状態とする。尚、熱収縮チューブである、本実施形態の座屈防止部材37eの材料としては、例えば、ポリオレフィン、フッ素系ポリマー、熱可塑性エラストマー等が主原料となるものを使用できる。
その他の構成及び作用は、前述した第1又は第2実施形態の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図15は、本発明の第8実施形態を示している。本実施形態の場合には、トーションバー14a(又は14b)のばね軸部36の外周面に外嵌支持又は結合固定する座屈防止部材37fを、全周に亙り切れ目のない円筒状の合成樹脂製部材としている。特に、本例の場合には、ばね軸部36の外径側で座屈防止部材37fを射出成形する事により、ばね軸部36の外周面に、座屈防止部材37fを外嵌支持又は結合固定した状態としている。
その他の構成及び作用は、前述した第1又は第2実施形態の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図16は、本発明の第9実施形態を示している。本実施形態の場合には、トーションバー14a(又は14b)のばね軸部36の外周面に外嵌支持又は結合固定した座屈防止部材37gを、軸方向中央部分にのみ配置している。
その他の構成及び作用は、上述した第8実施形態の場合と同様である。
図17は、本発明の第10実施形態を示している。本実施形態の場合には、トーションバー14a(又は14b)のばね軸部36の外周面に外嵌支持又は結合固定した座屈防止部材37h、37hを、軸方向中央寄りの2箇所にのみ配置している。
その他の構成及び作用は、上述した第8実施形態の場合と同様である。
図18は、本発明の第11実施形態を示している。本実施形態の場合には、トーションバー14a(又は14b)のばね軸部36の外周面の円周方向等間隔となる4箇所に、それぞれが軸方向に長い帯状の座屈防止部材37i、37iを結合固定している。本実施形態の場合、各座屈防止部材37i、37iの成形とばね軸部36の外周面に対する結合固定とは、ばね軸部36の外径側で各座屈防止部材37i、37iを射出成形する事により、同時に行う。この様な構成を有する本実施形態の場合には、座屈防止部材として全周がつながった円筒状のものを採用する場合に比べて、この座屈防止部材の軽量化を図れる。
その他の構成及び作用は、前述した第1又は第2実施形態の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図19は、本発明の第12実施形態を示している。本実施形態の場合には、トーションバー14a(又は14b)のばね軸部36の外周面に外嵌支持又は結合固定する座屈防止部材37jを、全周に亙り切れ目のない円筒状のゴム製部材としている。特に、本実施形態の場合には、ばね軸部36の外径側で座屈防止部材37jを成形するのと同時に、座屈防止部材37jをばね軸部36の外周面に加硫接着している。
その他の構成及び作用は、前述した第1又は第2実施形態の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
尚、図20に示した例に関して、案内軸部43の外周面は、その全体を、図20の左側に向かう程径寸法が小さくなる(先細りの)テーパ状とする事もできる。
尚、図23に示した例に関して、案内軸部43の外周面と、案内孔部44の内周面とのうちの少なくとも一方は、その全体を、図23の左側に向かう程径寸法が小さくなるテーパ状とする事もできる。
図24は、本発明の第13実施形態を示している。本実施形態の場合には、出力軸13bの中心孔18bのロアシャフト28側先端部に滑りブッシュ挿入穴51を設け、そこに滑りブッシュ52を挿入(圧入)している点が、上述した第2実施形態の場合と異なる。滑りブッシュ52を出力軸13bのロアシャフト28側先端部に設けることによって、以下の効果が得られる。
即ち、滑りブッシュ52を出力軸13bのロアシャフト28側先端部に設けない場合には、ステアリングホイール4の回転に伴なうロアシャフト28の回転によって、ロアシャフト28の雌ストッパ部15aが出力軸13bの雄ストッパ部16aに対して径方向に振れる現象が生じる可能性がある。その結果トルクセンサーの検出精度に悪影響を及ぼす恐れがある。
本実施形態の様に出力軸13bのロアシャフト28側先端部に滑りブッシュ52挿入し、滑りブッシュ52でトーションバー14bの連結軸部35bを支持することによって、ロアシャフト28の雌ストッパ部15aが出力軸13bの雄ストッパ部16aに対して、径方向に振れる現象が生じる虞をなくすことができる。その結果トルクセンサーの検出精度に悪影響を及ぼす虞がなくなる。
その他の構成及び作用は、上述した第2実施形態の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
本発明の第14実施形態に就いて、図25〜27を参照しつつ説明する。尚、図25〜27では、左側が前側となり、右側が後側となる。
本実施形態の場合には、図25〜27に示す様に、ロアシャフト28と、出力軸13bと、トーションバー14bとを組み立てる順序が、上述した第2実施形態の場合と異なる。
即ち、本実施形態の場合には、先ず、図25に示す様に、ロアシャフト28の筒状部38に、トルク検出用スリーブ22の基端部を外嵌固定する。次に、出力軸13bの後端部外周面に設けられた雄ストッパ部16aの後端部と、ロアシャフト28の筒状部38の内周面に設けられた雌ストッパ部15aの前端部とを、円周方向の隙間を介在させた状態で係合させる。雄ストッパ部16aと雌ストッパ部15aとの係合の際には、図示しない治具によってロアシャフト28と出力軸13bとをそれぞれ固定して行う。
この場合、出力軸13bの後端部から連結孔部17aの開口部までの距離を、図27に示す様に、トーションバー14bをロアシャフト28と出力軸13bとに圧入した時に生じる、出力軸13bの後端部と連結孔部17aの開口部間の距離Cと同じ距離に維持する。
そして、この状態で、図26→図27の順に示す様に、連結軸部35bを連結孔部17aに、連結軸部35cを連結孔部19bに圧入する。これにより、連結軸部35bをロアシャフト28に対して、連結軸部35cを出力軸13bに対してトルク伝達可能に連結する。
その他の構成及び作用は、上述した第2実施形態の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
又、本発明の組立方法を実施する場合に、トーションバーのばね軸部の外周面と第一シャフトの内周面との間に座屈防止部材を配置する際には、トーションバーのばね軸部の外周面に座屈防止部材を外嵌支持又は結合固定した後、トーションバー及び座屈防止部材を第一シャフトの内径側に挿入する方法を採用しても良いし、或いは、第一シャフトの内径側に座屈防止部材を挿入した後、この座屈防止部材の内径側にトーションバーのばね軸部を挿入する方法を採用しても良い。後者の方法を採用する場合には、通常、座屈防止部材の内周面とばね軸部の外周面との間に隙間が存在した状態となる。
又、本発明は、第一、及び第二シャフトとトーションバーとを含んで構成されるアシスト機構を、ステアリングギヤユニット部分に設置する構造に対して適用する事もできる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
2、2a ステアリングコラム
3、3a ステアリングシャフト
4 ステアリングホイール
5a、5b 自在継手
6 中間シャフト
7 ステアリングギヤユニット
8 入力軸
9 タイロッド
10 電動モータ
11、11a ハウジング
12 入力軸
13、13a、13b 出力軸
14、14a、14b トーションバー
15、15a 雌ストッパ部
16、16a 雄ストッパ部
17、17a 連結孔部
18、18a、18b 中心孔
19、19a、19b、19c 連結孔部
20、20a 貫通孔
21、21a ピン
22 トルク検出用スリーブ
23 トルク検出用コイルユニット
24 ウォーム式減速機
25 インナコラム
26 アウタコラム
27 支持ブラケット
28 ロアシャフト
29 アッパシャフト
30 蓋体
31 本体
32 ボルト
33 玉軸受
34 玉軸受
35a、35b、35c、35d 連結軸部
36 ばね軸部
37、37a〜37j 座屈防止部材
38 筒状部
39 トルク検出用凹凸部
40 窓孔
41 コイル
42 ウォームホイール
43 案内軸部
44、44a 案内孔部
51 滑りブッシュ挿入穴
52 滑りブッシュ
Claims (10)
- 中空状の第一シャフトと、
該第一シャフトと同軸に配置された第二シャフトと、
軸方向両端部に設けられた1対の連結軸部と、該1対の連結軸部間に設けられたばね軸部と、を有し、且つ、前記第一シャフトの内径側に配置されると共に、一方の前記連結軸部を前記第一シャフトに、他方の前記連結軸部を前記第二シャフトに、それぞれトルク伝達可能に連結されたトーションバーと、
を備え、
少なくとも一方の前記連結軸部は、前記第一、及び前記第二シャフトのうち、自身が連結される相手側シャフトに設けられた連結孔部に圧入され、
前記第一、及び前記第二シャフトの何れか一方のシャフトにステアリングホイールからの操舵力が付与される電動式パワーステアリング装置であって、
前記ばね軸部の外周面に座屈防止部材が外嵌支持又は結合固定されており、前記座屈防止部材の外周面が前記第一シャフトの内周面に近接若しくは接触しており、
前記座屈防止部材が、円周方向の1箇所にその中心軸に対して平行な又は傾斜した切れ目を有する円筒状部材である、電動式パワーステアリング装置。 - 中空状の第一シャフトと、
該第一シャフトと同軸に配置された第二シャフトと、
軸方向両端部に設けられた1対の連結軸部と、該1対の連結軸部間に設けられたばね軸部と、を有し、且つ、前記第一シャフトの内径側に配置されると共に、一方の前記連結軸部を前記第一シャフトに、他方の前記連結軸部を前記第二シャフトに、それぞれトルク伝達可能に連結されたトーションバーと、
を備え、
少なくとも一方の前記連結軸部は、前記第一、及び前記第二シャフトのうち、自身が連結される相手側シャフトに設けられた連結孔部に圧入され、
前記第一、及び前記第二シャフトの何れか一方のシャフトにステアリングホイールからの操舵力が付与される電動式パワーステアリング装置であって、
前記ばね軸部の外周面に座屈防止部材が外嵌支持又は結合固定されており、前記座屈防止部材の外周面が前記第一シャフトの内周面に近接若しくは接触しており、
前記座屈防止部材が、円筒状の熱収縮チューブである、電動式パワーステアリング装置。 - 前記座屈防止部材が、前記ばね軸部の外周面の軸方向中央部を含む部分に外嵌支持又は結合固定されている、請求項1又は2に記載した電動式パワーステアリング装置。
- 中空状の第一シャフトと、
該第一シャフトと同軸に配置された第二シャフトと、
軸方向両端部に設けられた1対の連結軸部と、該1対の連結軸部間に設けられたばね軸部と、を有し、且つ、前記第一シャフトの内径側に配置されると共に、一方の前記連結軸部を前記第一シャフトに、他方の前記連結軸部を前記第二シャフトに、それぞれトルク伝達可能に連結されたトーションバーと、
を備え、
少なくとも一方の前記連結軸部は、前記第一、及び前記第二シャフトのうち、自身が連結される相手側シャフトに設けられた連結孔部に圧入され、
前記第一、及び前記第二シャフトの何れか一方のシャフトにステアリングホイールからの操舵力が付与される電動式パワーステアリング装置であって、
前記ばね軸部の外周面に座屈防止部材が外嵌支持又は結合固定されており、前記座屈防止部材の外周面が前記第一シャフトの内周面に近接若しくは接触しており、
前記第一シャフトの軸方向一部分に設けられた第一ストッパ部と、前記第二シャフトの軸方向一部分に設けられた第二ストッパ部とが円周方向の隙間を介在させた状態で係合する事により、前記第一、及び第二シャフト同士の相対回転が所定角度範囲内に規制されており、
前記一方の連結軸部が前記第一シャフトに対してトルク伝達可能に且つ軸方向の相対変位を阻止された状態で連結されており、
前記他方の連結軸部が前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入されており、
組立時に、前記トーションバーのばね軸部の外周面と前記第一シャフトの内周面との間に前記座屈防止部材を配置すると共に、前記一方の連結軸部を前記第一シャフトに対してトルク伝達可能に且つ軸方向の相対変位を阻止した状態で連結した後、前記他方の連結軸部を前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する前に、前記第一、及び第二ストッパ部の少なくとも一部分同士を円周方向の隙間を介在させた状態で係合させる事が可能な寸法関係を有している、電動式パワーステアリング装置。 - 中空状の第一シャフトと、
該第一シャフトと同軸に配置された第二シャフトと、
軸方向両端部に設けられた1対の連結軸部と、該1対の連結軸部間に設けられたばね軸部と、を有し、且つ、前記第一シャフトの内径側に配置されると共に、一方の前記連結軸部を前記第一シャフトに、他方の前記連結軸部を前記第二シャフトに、それぞれトルク伝達可能に連結されたトーションバーと、
を備え、
少なくとも一方の前記連結軸部は、前記第一、及び前記第二シャフトのうち、自身が連結される相手側シャフトに設けられた連結孔部に圧入され、
前記第一、及び前記第二シャフトの何れか一方のシャフトにステアリングホイールからの操舵力が付与される電動式パワーステアリング装置であって、
前記ばね軸部の外周面に座屈防止部材が外嵌支持又は結合固定されており、前記座屈防止部材の外周面が前記第一シャフトの内周面に近接若しくは接触しており、
前記第一シャフトの軸方向一部分に設けられた第一ストッパ部と、前記第二シャフトの軸方向一部分に設けられた第二ストッパ部とが円周方向の隙間を介在させた状態で係合する事により、前記第一、及び第二シャフト同士の相対回転が所定角度範囲内に規制されており、
前記一方の連結軸部が前記第一シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入されており、
前記他方の連結軸部が、前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入されると共に、前記連結孔部の奥端部に突き当てられており、
組立時に、前記他方の連結軸部を前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入すると共に前記連結孔部の奥端部に突き当てた状態で、前記トーションバーのばね軸部の外周面と前記第一シャフトの内周面との間に前記座屈防止部材を配置した後、前記一方の連結軸部を前記第一シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する前に、前記第一、及び第二ストッパ部の少なくとも一部分同士を円周方向の隙間を介在させた状態で係合させる事が可能な寸法関係を有している、電動式パワーステアリング装置。 - 中空状の第一シャフトと、
該第一シャフトと同軸に配置された第二シャフトと、
軸方向両端部に設けられた1対の連結軸部と、該1対の連結軸部間に設けられたばね軸部と、を有し、且つ、前記第一シャフトの内径側に配置されると共に、一方の前記連結軸部を前記第一シャフトに、他方の前記連結軸部を前記第二シャフトに、それぞれトルク伝達可能に連結されたトーションバーと、
を備え、
少なくとも一方の前記連結軸部は、前記第一、及び前記第二シャフトのうち、自身が連結される相手側シャフトに設けられた連結孔部に圧入され、
前記第一、及び前記第二シャフトの何れか一方のシャフトにステアリングホイールからの操舵力が付与される電動式パワーステアリング装置であって、
前記ばね軸部の外周面に座屈防止部材が外嵌支持又は結合固定されており、前記座屈防止部材の外周面が前記第一シャフトの内周面に近接若しくは接触しており、
前記第一シャフトの軸方向一部分に設けられた第一ストッパ部と、前記第二シャフトの軸方向一部分に設けられた第二ストッパ部とが円周方向の隙間を介在させた状態で係合する事により、前記第一、及び第二シャフト同士の相対回転が所定角度範囲内に規制されており、
前記一方の連結軸部が前記第一シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入されており、
前記他方の連結軸部が、前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入されると共に、前記連結孔部の奥端部に突き当てられており、
組立時に、前記座屈防止部材が配置された前記トーションバーを前記第一シャフトの内径側に挿入し、前記他方の連結軸部を前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入しつつ、前記連結孔部の奥端部に突き当てた状態にすると共に、前記一方の連結軸部を前記第一シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する、前記両方の連結軸部の圧入前に、前記第一、及び第二ストッパ部の少なくとも一部分同士を円周方向の隙間を介在させた状態で係合させる事を可能とする寸法関係を有している、電動式パワーステアリング装置。 - 前記第一シャフトは中心孔を有し、該中心孔の前記第二シャフト側先端部に滑りブッシュ挿入穴を設け、該挿入穴に滑りブッシュを挿入したことを特徴とする、
請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置。 - 請求項4に記載した電動式パワーステアリング装置の組立方法であって、
前記トーションバーのばね軸部の外周面と前記第一シャフトの内周面との間に前記座屈防止部材を配置すると共に、前記一方の連結軸部を前記第一シャフトに対してトルク伝達可能に且つ軸方向の相対変位を阻止した状態で連結した後、前記第一、及び第二ストッパ部の少なくとも一部分同士を円周方向の隙間を介在させた状態で係合させると共に、前記第一、及び第二シャフト同士の回転方向に関する互いの位置関係を前記所定角度範囲の中央位置に合わせた状態で、前記他方の連結軸部を前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する事を特徴とする、
電動式パワーステアリング装置の組立方法。 - 請求項5に記載した電動式パワーステアリング装置の組立方法であって、
前記トーションバーの他方の連結軸部を、前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入すると共に前記連結孔部の奥端部に突き当てた状態で、前記トーションバーのばね軸部の外周面と前記第一シャフトの内周面との間に前記座屈防止部材を配置し、更に、前記第一、及び第二ストッパ部の少なくとも一部分同士を円周方向の隙間を介在させた状態で係合させると共に、前記第一、及び第二シャフト同士の回転方向に関する互いの位置関係を前記所定角度範囲の中央位置に合わせた状態で、前記一方の連結軸部を前記第一シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する事を特徴とする、
電動式パワーステアリング装置の組立方法。 - 請求項6に記載した電動式パワーステアリング装置の組立方法であって、
前記第一、及び第二ストッパ部の少なくとも一部分同士を円周方向の隙間を介在させた状態で係合させると共に、前記第一、及び第二シャフト同士の回転方向に関する互いの位置関係を前記所定角度範囲の中央位置に合わせた状態で、前記座屈防止部材が配置された前記トーションバーを前記第一シャフトの内径側に挿入し、前記他方の連結軸部を、前記第二シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入しつつ、前記連結孔部の奥端部に突き当てた状態にすると共に、前記一方の連結軸部を前記第一シャフトに設けられた連結孔部に対して圧入する事を特徴とする、
電動式パワーステアリング装置の組立方法。
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