JP6554050B2 - ピンチユニット及び被挟持物の挟持方法 - Google Patents

ピンチユニット及び被挟持物の挟持方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6554050B2
JP6554050B2 JP2016043346A JP2016043346A JP6554050B2 JP 6554050 B2 JP6554050 B2 JP 6554050B2 JP 2016043346 A JP2016043346 A JP 2016043346A JP 2016043346 A JP2016043346 A JP 2016043346A JP 6554050 B2 JP6554050 B2 JP 6554050B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pinch
force
holding
hanger
laundry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016043346A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017158621A (ja
Inventor
方央 崎山
方央 崎山
Original Assignee
方央 崎山
方央 崎山
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 方央 崎山, 方央 崎山 filed Critical 方央 崎山
Priority to JP2016043346A priority Critical patent/JP6554050B2/ja
Publication of JP2017158621A publication Critical patent/JP2017158621A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6554050B2 publication Critical patent/JP6554050B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Holders For Apparel And Elements Relating To Apparel (AREA)
  • Supports Or Holders For Household Use (AREA)

Description

本発明は、支持部材に着脱可能に取付けることができるピンチユニット、特に洗濯物を干す際に用いられる該洗濯物を挟持するピンチ部材を備えるピンチユニット及び被挟持物の挟持方法に関する。
一般的に、ジーンズ等の厚手で重い洗濯物は、普通の洗濯物と一緒に洗濯されることがある。また、ランジェリー等の軽くて傷みやすい洗濯物も洗濯ネットに収納されて、これらの洗濯物と一緒に洗濯されることがある。
このようにして、洗濯された種々の洗濯物は、複数のピンチ部材が設けられた一つの物干し具に一緒くたに吊るされて干される。
上述した従来の物干し具には、次のような問題があった。
一般的に、挟持体は、「普通の洗濯物」に合わせて、その洗濯物がずり落ちない程度の挟持力と形状とを備えたものとするものとなっていた。
このため、ジーンズ等の「厚手で重い洗濯物」では、挟持力が不足するため、多くの挟持体を併用するしかなかった。これにより、ハンガー内の挟持体を必要以上に消費してしまい普通の洗濯物を干すスペースが極端に少なくなることがあり、厚手で重い洗濯物と普通の洗濯物との干し分けをうまく行なうことができなかった。
ここで、全ての挟持体の挟持力を「厚手で重い洗濯物」に合わせて強いものとすれば、少ない挟持体で「厚手で重い洗濯物」を吊るすことはできるものの、この場合には挟持体を用いて他の「普通の洗濯物」等を挟んだときに、洗濯物に挟持体の跡がついたり、洗濯物の形が崩れるなどの弊害が生じてしまう。特に、「軽くて傷みやすい洗濯物」にあっては、これが顕著になる。
そこで、このようなことに鑑み、特許文献1では、ハンガーに設けられた複数の挟持体(ピンチ部材)のうち、少なくとも一部の挟持体を、他の挟持体よりも強い挟持力を備えたものとしたハンガーの構成が開示されている。
この構成によれば、ジーンズ等の「厚手で重い洗濯物」と「普通の洗濯物」とを、一つのハンガーで干す場合においても、「厚手で重い洗濯物」に必要以上の挟持体を使わなくて済むようになるため、これらの干し分けをうまく行なうことができるようになる。
特開平7−124386号公報
ところで、通常、上記「厚手で重い洗濯物」、「普通の洗濯物」、「軽くて傷みやすい洗濯物」の各比率(内訳)は、季節等により大きく異なる。
しかも、「厚手で重い洗濯物」の洗濯頻度は、「普通の洗濯物」の洗濯物に比べ低いことも多い。
とすると、洗濯物の内訳が大きく変化するような場合には、特に「厚手で重い洗濯物」用の強い挟持力を備えた挟持体(ピンチ部材)の部分では、従来と同様の課題が残っていることとなり、改善が求められていた。
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、本発明は、被挟持物の種類を問わず一種のピンチユニットにて、対応が可能であるとともに、軽い被挟持物には軽い挟持力を、重い被挟持物には重い挟持力をと、被挟持物の重さに応じて挟持力の大きさを適切に対応することができるピンチユニットを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のピンチユニットは、被挟持物を第1及び第2の挟持片によって挟持することにより該被挟持物を保持するピンチ部材を備え、該ピンチ部材を支持する支持部材に対して着脱可能に係合されるピンチユニットにおいて、前記ピンチユニットは、前記支持部材に対して回動可能に係合する係合部を有し、前記第1の挟持片をその後端にて回動可能に吊り下げる硬質の吊り具と、該吊り具及び前記第2の挟持片を、その連結端部がそれぞれ回動可能に連結するとともに、前記ピンチ部材が第2の挟持片側へ回動することを規制することにより前記吊り具に対して傾斜状態で保持可能な硬質の連結部材と、を有し、該連結部材と前記吊り具の連結位置を、前記吊り具の係合部の位置と、連結部材と第2の挟持片との連結位置とを結んだ線よりも外方に配置したことを特徴とする。
また、本発明のピンチユニットは、第1、第2の挟持片およびバネ部材を有し、該バネ部材の弾性力を用いて、該第1、第2の挟持片の挟持部にて被挟持物を挟持・保持するピンチ部材と、該ピンチ部材を支持部材に対して吊り下げる吊り具と、を備え、該吊り具は、前記ピンチ部材を前記支持部材に対して着脱可能に係合するための係合部を有しているピンチユニットであって、前記ピンチユニットは、前記ピンチ部材の前記第2の挟持片の後端部と前記吊り具とを、夫々回動可能に連結する連結部材を有しており、該連結部材により、前記ピンチ部材の前記第2の挟持片の後端部が前記第1の挟持片の後端部よりも下方に位置するように保持されるものであり、前記被挟持物の自重に応じて、前記ピンチ部材の挟持部の下方への変位を許容し、該下方への変位を前記吊り具と前記連結部材との連結部位の下方への変位へと伝えることで、前記連結部材によって前記第2の挟持片の上端部を広げる方向の力を働かせ、前記被挟持物の自重を前記挟持部が閉じる方向の力として付加できることを特徴とする。
さらに、本発明の被挟持部の挟持方法は、第1、第2の挟持片およびバネ部材を有し、被挟持物を挟持・保持するためのピンチ部材を用意するとともに、吊り具を用いて該第1の挟持片の後端部にて該ピンチ部材を支持部材に吊下げる工程と、前記ピンチ部材の前記バネ部材の弾性力を用いて前記第1、第2の挟持片の挟持部に被挟持物を挟持する工程と、前記被挟持物の自重により、前記ピンチ部材全体を前記吊り具と第1の挟持片との連結部を支点に回転させ、その時に前記第2の挟持片の後端部の上方への動きを規制することにより挟持力を増強する工程を備えることを特徴とする。
なお、「支持部材」とは、例えば物干し具のフレームやマグネット等のピンチユニットを吊り下げ可能な部材が想定される。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
本発明の構成によれば、被挟持物の種類を問わず一種のピンチユニットにて、対応が可能であるものであり、軽い被挟持物には軽い挟持力を、重い被挟持物には重い挟持力を、と、被挟持物の重さに応じて挟持力の大きさを適切に対応することができるピンチユニットを提供することができるため、従来のように洗濯物の種類によってピンチを使い分ける必要がなくなる。
また、ピンチユニットの使い分けが必要なくなったことにより、季節の変化等により、「厚手で重い洗濯物」、「普通の洗濯物」、「軽くて傷みやすい洗濯物」の各比率(内訳)が変わったとしても、柔軟に対応することができ、無駄なピンチを作らず、季節を通じてハンガー(物干し具)等を効率的に使用することができる。
さらに、本発明のピンチユニットでは、挟持力の大きさに関する範囲を幅広くすることできることから、従来よりも非常に弱いバネ部材の採用や、より強い挟持力の発揮が可能となる。
したがって、従来よりも非常に弱いバネ部材を採用する際には、洗濯物を干すとき、および、取り込み時においても、子供、高齢者などや、怪我や病気などで握力・ピンチ力が弱い人に負荷を強いることがない優しいピンチユニットの提供が可能となるとともに、干し跡が目立たず、まったく被侠持物(生地)を傷める心配の無いピンチユニットが提供できる。しかも、本発明のピンチユニットでは、吊り具の部分を押さえる等して支えてあげれば、被侠実物を持ち上げ、引っ張る動作だけでピンチを解放することもできるため、さらに格別の効果を有する。
なお、上述した「ピンチ力」とは、指でつまむ力のことを指す。
また、従来より強い挟持力を発揮するようにした際には、洗濯物を一方のピンチだけで仮保持できるため、複数のピンチ部材を用いて洗濯物を干す際の洗濯物へのピンチ取り付けが格段に容易になるとともに、作業中に洗濯物が地面に落下する虞を軽減することができ、「厚手で重い洗濯物」でのハンガーへの取り付け/取り込み途中における作業性を向上させることができる。
第1の実施形態のピンチユニットの正面図。 第1の実施形態のピンチユニットの挟持動作を説明する工程説明図である。 第1の実施形態におけるピンチユニットの被挟持物を介した引張力を示す説明図。 第1の実施形態におけるピンチユニットの被挟持物を取り外す時の動作説明図。 本発明の第2の実施形態のピンチユニットの正面図。 本発明の第2の実施形態における挟持動作を説明する工程説明図。
以下、本発明を詳細に説明していく。
まず、本発明が好適に用いられるピンチユニットの形態について述べる。
本発明でいうピンチユニットは、主にハンガーなどの物干し具に使われるものであるが、近年では、物干し具以外にメモを挟んで文房具として用いる場合や、展示物を挟んでディスプレーする用途などでも用いられているものである。
ピンチユニットの主たる構成要素は、ピンチ部材と、ピンチ部材を保持する吊り具、および、吊り具に設けられた係合部とからなる。
ピンチ部材とは、いわゆる一般に言われる洗濯バサミであり、バネ部材のバネ力により挟持物を挟持するものである。
また、ピンチ部材を保持する吊り具は、ピンチ部材をハンガー等の支持部材に対して、フレキシブルに保持するようにするものであり、これによって、被挟持物の取付時の作業性を向上させることができる。
特に、複数のピンチ部材を用いて一つの被挟持物を保持するようなときには、一つ目のピンチ部材にて被挟持物を挟持している状態でも、被挟持物の動きが制限されず、かつ、ピンチ部材の取り付け方向の自由度も確保されるため、次のピンチ部材に取り付ける際に良好な位置関係で吊り下げることができ有効である。
また、吊り具に設けられた係合部は、ハンガー等の支持部材に対して、脱着可能に取り付けられるように、その形状がフックのような鉤形状や、スナップ形状のようになっている。これにより、ピンチユニット自身の支持部材に対する可動を可能とするとともに、ハンガー等の支持部材への取り付けが容易となり、ピンチ部材の破損等の際に簡単に交換することができる。
上記のようなピンチユニットの形態は、ハンガー等の付属物だけでなく、交換用の部品としても有効な形態となっているものである。
次に本発明の要部である、ピンチユニットの詳細に関して図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のピンチユニットを示す模式図であり、図中、1はピンチユニット、3はピンチ部材であり、4は支持部材、7はピンチ部材3を保持するとともに、支持部材4に吊下げるための係合部5を有する吊り具である。
まず、該ピンチ部材3は、上述のように、従来のピンチ部材同様に、被挟持物を挟持するためのバネ力を生じせしめるバネ部材11と、二つの挟持片(第1の挟持片3a、第2の挟持片3b)とで構成されている。本発明の以降の説明において、ピンチ部材における挟持片の場所を特定する表現として、ピンチ部材(挟持片)先端、ピンチ部材(挟持片)後端との表現を用いているが、ピンチ部材(挟持片)先端とは、ピンチ部材の挟持部に対応する箇所を指すとともに、ピンチ部材(挟持片)後端とは、従来のピンチ部材におけるピンチ解放動作時に指でつまむ部分に対応する箇所を指すものである。
次に、前述のように、ピンチユニット1の主たる構成要素は、ピンチ部材3、吊り具7、吊り具7に設けられた係合部5となるが、本発明では、これに加え、吊り具7と、ピンチ部材3とに連結される連結部材8が設けられている。
この連結部材8は、第2の回動連結部10および第3の回動連結部12を用いて、吊り具7とピンチ部材3とを連結させるとともに、ピンチ部材3の姿勢の変化に伴なってピンチ部材3に作用し、ピンチ部材3の挟持力増強および解放に寄与するものとなっている。
そして、本発明においては、ピンチ部材3の挟持力を増強させるための力として、ピンチ部材3に挟持される被挟持物の重さを用いている。
ところで、従来もピンチ部材の解放に必要な力を弱めようとする目的で、洗濯物(被挟持物)の自重をピンチ部材の挟持力に活用する構成は知られていた。しかしながら、このような従来の構成では本発明のような用途としては使えるものとはなっていなかった。
詳しく説明すると、従来の物干し用のハンガーに使用されるピンチ部材は、比較的バネ力が強いものが多いが故に、ピンチ部材の解放動作時に強い握力(ピンチ力)を要するものが少なくなく、子供、高齢者などや、怪我や病気などで握力(ピンチ力)が弱い人にとっては、多くの洗濯物を干したり取り込んだりする作業において、苦労を強いるものとなっていた。
このような状況を踏まえ、少ない力でピンチ部材の解放動作を行えるよう、例えば、ピンチ部材の後端側を伸ばすことにより、テコの原理で解放力を弱める構成の商品が提供されていたが、この構成では、作業性を考慮するとピンチ後端側はそれほど伸ばせないため、ピンチ解放力の低下具合は、せいぜい従来比2/3程度が限界となっている。
そこで、よりピンチ解放力の低下を図るため、例えば、登録実用新案3060791号には、回動ピンチが当接した際の干し物の自重を挟持力に活用することで、バネ力を弱める自重式ピンチの構成が提案されている。
この構成によれば、バネ力は1/3程度までにすることはできるとされているため、従来よりもかなりピンチ解放力の低下を図ることができるようになるものである。
しかしながら、このような従来の自重式ピンチは、その構造上、好適に使用できるシチュエーションが限定されるものであった。
すなわち、上記自重式ピンチにおいては、回動ピンチがどの角度の時に干し物と当接し、挟持し始めるかの設定(設計)によって、その力のかかり方が変わってくるものとなっている。実際、バネ力を極力弱くするといった登録実用新案3060791号とは別に、洗濯物を片手で取り付け易い(ピンチを指で扱う動作(つかむ、つまむなど)を介さないで済む)ものとして、登録実用新案3049388号や特開2005−52611号なども提案されており、これらの構成は、干し物の挿入動作だけで回動ピンチが開きやすくするために、いずれも回動ピンチが干し物と当接し、挟持し始める時の挟持部の向き(角度)が立っている(上方を向いている)ところが、先の登録実用新案3060791号と異なるところとなっている。そして、このような設定の場合には、干し物を挟持し始めるときに干し物の自重により生じる力が変換されにくい形態となっているため、バネ力を十分に弱めることはできない。
このように、従来の自重式ピンチのメカニズムでは、自重は活用できるものの、挟持力への寄与としては、干し物と挟持部との摩擦力によるところが大きく、その自重を効率的に活用できているとはいえなかったため、依然として、その干し物によって、ピンチ部材を使い分けなければいけないレベルのものであった。
さらに言えば、上記の自重式ピンチは、その自重によって回動ピンチの挟持部が干し物に喰い込むように回動して締まることで、抜け落ちにくくなる構造となっているため、洗濯物の取付時におけるピンチ解放力を十分に低下すること出来る一方で、その構造に由来する重大な解決すべき別の課題も有していた。すなわち、例えば、干し物が、ジーパンやバスタオルのように、濡れた時の水分量が多く、トータル重量が重い場合には、その自重による回動ピンチ挟持部の干し物への喰い込みが非常に強固なものとなる。この場合、干し物取り込み時には、ピンチの解放に必要な力は、バネ力だけでなく、干し物が喰いこみによって生じている力の解放まで必要とすることとなるため、ややもするとばね力を低下せしめた以上の力を必要とすることになってしまい、先行技術が課題として挙げているピンチ解放力の低減がなされないシチュエーションがいまだ残っているものであった。
さらに、この課題は、干し物の重量がそれほど重くなくとも、風等の力により干し物が下方に引っ張られることがあれば、重い干し物と同様に干し物へのピンチの食い込みが強固なものとなり、同様の問題をはらむこととなるため、前述の洗濯物の取り込み時における課題は、風の強い日に屋外で干すような場面においても解決されていなかった。
そもそも、従来の自重式ピンチにおける好適に使用できるシチュエーションが限定的となっていたのは、大きく二つの理由がある。
一つは、ピンチの向きが従来と逆向きの方向となっていたことと、もう一つは、ピンチ部材に干し物の自重を付加する箇所と、挟持力を付加する箇所とがともに挟持部となっているため、バネ力による挟持動作と自重による挟持力増強動作が連動していることである。
これらのことにより、通常のピンチではまずありえなかった、ピンチが開くほど挟持力が低くなるという現象をもたらすものとなっていた。
通常、干し物においては、その重量が重いものほど厚手になることが多い。したがって、従来の自重式ピンチの構成では、(干し物がほとんど変形しなければ)重いものほど、自重により挟持力が働きにくいものとなっていた。
さらに自重による挟持力の不足は、挟持部における干し物との摩擦力にて補うものとなっていたため、ピンチの解放動作に伴い挟持部に摺動動作が生じ、従来の通常のピンチ部材よりも干し物へのダメージが起こりやすいものともなっていた。
このことに鑑み、本発明者は、ピンチ部材の機構をいじることなく、ほぼ従前通りに働きつつ、干し物の自重を挟持力に付加できる構成を検討し、本発明に至った。
従来の自重式ピンチを「回動喰いこみ型の自重式ピンチ」とするならば、本発明の自重式ピンチは「純粋挟持型の自重式ピンチ」ということができる。
純粋挟持型の自重式ピンチとするために、重要となるのは、まず干し物の自重により作用する力を付加する場所である。そこで、本発明においては、ピンチ部材3の挟持部9の反対側であるピンチ部材3の後端にて被挟持物2の自重により作用する力を働かせるようにした。
この構成にすることにより、
・バネ力による挟持動作と自重による挟持力増強動作とを非同期とさせることができるため、軽い被挟持物には軽い挟持力、重い被挟持物には、強い挟持力と、被挟持物に合わせた適切な挟持力を働かせることができる。
・ピンチ部材に被挟持物の自重を付加する箇所を挟持部から十分に離すことができるため、効果的に自重による挟持力を働かせることができる。
という二つのメリットを享受することができる。
しかしながら、ピンチ部材の後端にて干し物の自重により作用する力を働かせるようにすると、ピンチ部材を吊下げる箇所と、干し物の自重を付加する箇所が同じになってしまい、そのままでは、うまく干し物の自重による力を働かせることができなくなってしまうため、ピンチ部材を吊下げつつも、自重による可動(変位)を許容できるようにするよう、本発明では、ピンチ部材を、ピンチ部材片毎に、ピンチ部材を吊下げるものと、干し物の自重を付加するものと、に役割分担させることとした。
さらに前述した二つのメリットを十分に享受するためには、
「(何らかの形で、)ピンチ部材以外のところで自重による変位を許容する構成」、
「自重により作用する力の反力としての上向きに働く力を、ピンチ部材の後端にてピンチを挟持する力に活用できる向きである下向きに変換する構成」、
の二点の解決が残っていた。本発明者は、この二点に関して鋭意検討したところ、「ピンチ部材以外のところで自重による変位を許容する構成」については、吊り具とピンチ部材との相対的な動きに変換することにより達成するとともに、「力の向きを変換する構成」は、ピンチ部材を基準としたときの吊り具の回転変位を連結部材に伝えることで達成した。
以下に、このことを図面を用いてさらに詳細に説明する。なお、以下の詳細な説明において上下方向は、図1における上下方向であり、第1の挟持片側とは図1における左方向、第2の挟持片側とは図1における右方向をいう。
まず、図1に示すように、前記吊り具7は、前記支持部材4に対して、回動可能に係合される係合部5と、前記ピンチ部材3の第1の挟持片3aを回動可能に保持する第1の回動連結部6と、を備えることで、ピンチ部材3全体を吊下げる構成となっている。さらに、吊り具7は、係合部5および第1の回動連結部6と離れた右側の箇所に連結部材8を回動可能に連結する第2の回動連結部10を備える構成となっている。
そして、本発明のピンチユニットは、当該第1の回動連結部6を支点とした、吊り具7とピンチ部材3との回転運動を用いて、被侠持物の自重による変位を許容しており、被挟持物を挟持していない初期状態(以下、単に「初期状態」と称す。)においては、連結部材8によって、吊り具7とピンチ部材3とが第2挟持片側に屈曲するような姿勢で保持されている。
これは、吊り具7とピンチ部材3とが、一直線上になってしまうと、被侠持物の自重による変位が許容できなくなってしまためであり、本発明では、連結部材8が第3の回転連結部12にて第2の挟持片3bを下方に張り出すような状態となることで、ピンチ部材3が吊り具7に対して傾斜した姿勢で保持できるようになっている。また、この時、第2の回動連結部10の位置は、係合部5と、第2の挟持片3b後端(第3の回転連結部12)とを結ぶ直線よりも外側(右上側)に外れたところとなっている。
連結部材8は、初期状態において、このような姿勢、位置関係となっていることにより、ピンチ部材3の姿勢の変化に伴いピンチ部材3に作用し、ピンチ部材3の挟持力増強および解放に寄与するものとなっている。
次に、本発明の構成による挟持動作について図2および図3を用いて説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態のピンチユニットの挟持動作を説明する工程説明図であり、図3は、本発明の第1の実施形態における被挟持物を介した引張力を示す説明図(挟持力を増強する仕組みを示す図)である。
図2において、図2の(a)は、第1、第2の挟持片3a,3bおよびバネ部材11を有し、被挟持物を挟持・保持するためピンチ部材3を用意するとともに、吊り具7を用いて該第1の挟持片3aの後端部(第1の回転連結部6)にてピンチ部材3を支持部材4に吊下げている様子を示しているものである。この状態は、先に説明した初期状態に相当する。
図2の(b)は、「バネ力による挟持動作工程」であり、ピンチ部材3のバネ部材の弾性力を用いて第1、第2の挟持片3bの挟持部3a,3bに被挟持物を挟持している様子を示している。
本発明の構成によれば、図2の(b)の工程では、バネ力による挟持動作と自重による挟持力増強動作とが非同期となっているため、従来のピンチ部材の挟持動作とまったくと同様に作用することとなり、自重による変位による影響はまだ受けていない。そして、ピンチ部材の取付けの動作は、従来のピンチ部材と同様に行うことができるため、使い勝手が低下するということもない。
図2の(c)は、「自重による挟持力増強工程」であり、被挟持物2の自重による力Fより、ピンチ部材3全体を前記吊り具7と第1の挟持片3aとの連結箇所である第1の回動連結部6を支点に回転させ、その時に第2の挟持片3b後端(第3の回転連結部12)の上方への動きを連結部材8による反力pによって規制することにより挟持力を増強する様子を示している。
なお、図2の(a)〜(c)の工程は、独立した工程ではあるが、実際に洗濯物等を挟持させる場面では、特に図2の(b)〜(c)の工程は、この順番に連続的に行われるものである。
そして、本発明の挟持方法では、バネ部材11の挟持動作とは独立して、被侠持物2の自重による挟持力を付加せしめることができるようになっているため、被挟持物の自重に応じ、軽い被挟持物には弱い挟持力、重い被挟持物には、強い挟持力と、被挟持物に合わせた適切な挟持力を働かせることができるようになっている。
次に、図3を用いて、自重により作用する力Fの反力としての上向きに働く力を、ピンチ部材3の第2の挟持片3b後端にてピンチを挟持する力に活用できる向きである下向きにどのように変換しているかについて説明する。
まず、本発明のピンチユニット1は、初期状態において、その重心のバランスにより、係合部5とピンチ部材3の先端部とがほぼ鉛直線上に並ぶようになっているとともに、連結部材8によって、第1の回動連結部6が係合部5とピンチ部材3の先端部とを結ぶ仮想線V−V’より第2の挟持片側(図中右方向)に位置するように吊り具7とピンチ部材3とが屈曲した姿勢で支持部材4に吊下げられている。ここで、ピンチ部材3は、第1の挟持片3aの後端が、第2の挟持片3bの後端(第3の回転連結部12)よりも上方に位置するような傾斜姿勢で保持されているため、ピンチ部材3の第1の挟持片3aによって吊り下げられつつ、第1の回動連結部6を支点とした回動運動により、第2の挟持片3b(第3の回転連結部12)の後端が下方に変位することができるようになっている。
この構成により、被挟持物2の自重Fがかかると、第1の回動連結部6が前述の仮想線V−V’に近づく方向、すなわち、ピンチ部材3と吊り具7との屈曲状態が開く方向に動作するとともに、ピンチ部材3の先端の挟持部9の位置が初期状態よりも下方に移動する。
この動きに連動して、吊り具7が係合部5を支点とし時計回りに回転運動を行う。すると、吊り具に設けられた第2の回転連結部10は弧を描きながら下方へ変位することとなり、力の向きの変換がなされる。
この時、第2の回動連結部10の下方への変位は、一方で第1の回転連結部6で規制された状態で働くため、連結部材8は水平に近づく方向に傾斜していく。これにより、第2の挟持片3bの後端には、連結部材8を介して第1の挟持片3aと離れる方向の力pが発生し、ピンチ部材3の挟持部9を締め付ける方向の力となるので、被挟持物2の自重に応じた侠持力を挟持部9に付加する状態が達成される。
そして、以上のような機構にて、被挟持物の自重による挟持力増強動作が行われるため、被挟持物の自重が重いほど、挟持力の増強具合は大きくなる。
ここで、吊り具7とピンチ部材3との初期状態における屈曲姿勢については、被挟持物の重量に応じた変位量を許容できるものであれば構わないが、屈曲姿勢が強い(ピンチ部材3の傾きが大きい)ほうが変位量は確保できる。その一方で、ピンチ部材3の傾斜状態は傾きすぎると作業性が低下するため、ピンチユニット1を支持部材4に吊下げた際のピンチ部材3の傾斜角度(鉛直方向に対する挟持部が向いている角度)は、30°程度までとなるように設定されることが望ましい。
また、第2の回転連結部10の下方への変位は、吊り具7、連結部材8、ピンチ部材3の素材自身の弾性力および撓みと、被挟持物の挟持に伴うわずかな厚みの変化が寄与しているため、吊り具7および連結部材8は、被挟持物の自重による力をピンチ部材3にまで伝えることができるように硬質の部材で形成されている。
吊り具7と連結部材8の硬度および剛性としては、ポリプロピレン樹脂程度の硬度や剛性があればよく、合成樹脂、セラミック、金属等の材質を用いてもよい。
さらに、上記ピンチユニット1の、各回動連結部の構成は、雌係合部(透孔)に、フック状の雄係合部が、回動可能に挿入されているように形成されるものであってもいいし、ピンで連結したヒンジとして形成されるものであってもよい。
また、回動連結部の開口形状を少しだけ広げたり、ピンチ部材3の挟持部9におけるバネ力の支点となる部分の構造を嵌め合い構造 としたりすることで、各可動箇所の動作に伴う連結位置の微妙な移動を生じせしめ、若干の変位量をさらに許容できるようになる。
吊り具7に関しては、複雑な形状をしていることもあるため、本実施形態においては、一体成型にて形成されている。そのため、係合部5、第1の回動連結部6は、本実施の形態においてはいずれも鉤形状に形成されているが、スナップ形状にしてもよい。
本実施例においては、その外形は正面視略三角形状となっているが、例えば、図5に示すように、略トの字状となっていてもよい。
◎従来のピンチ使い分けの実態と、従来の自重式ピンチに対する効果
ところで、従来のハンガーでは、「厚手で重い洗濯物」用、「普通の洗濯物」用、「軽くて傷みやすい洗濯物」用、といったように洗濯物に合わせた挟持力を有するピンチを使い分けていたのは前述のとおりである。
従来におけるこの挟持力の違いとは、具体的には、「厚手で重い洗濯物」用では、1.2〜1.5kg程度、「普通の洗濯物」用では、0.8〜1.0kg程度、「軽くて傷みやすい洗濯物」用では、0.5〜0.7kg程度の挟持力となるようなバネ力に設定されていることが一般的である。なお、上記挟持力を発生しうるバネ力の強さとしては「厚手で重い洗濯物」用では、0.9〜1.0kg程度、「普通の洗濯物」用では、0.5〜0.7kg程度、「軽くて傷みやすい洗濯物」用では、0.4〜0.45kg程度である。
すなわち、ピンチを使い分ける際の一番弱いバネを使ったものと、強いバネを使ったものとの挟持力の差は2倍程度はあったということである。
本発明のピンチユニットでは、例えば、ピンチ部材のバネ力を従来の「軽くて傷みやすい洗濯物」用相当に設定した際でも、自重による挟持力の増強によって、少なくとも従来の「厚手で重い洗濯物」用相当まで挟持力を増強させることができるものである。
しかも、自重による増強分の挟持力に関しては、洗濯物を持ち上げる動作だけで解放することができるため、実際の干し物取り込み時におけるピンチ解放時には従来の「軽くて傷みやすい洗濯物」用相当のバネ力の開放しか必要なくなり、洗濯物を干すときだけでなく、取り込み時においても、子供、高齢者などや、怪我や病気などで握力・ピンチ力が弱い人に負荷を強いることがない優しいピンチユニットの提供が可能となる。
◎「厚手で重い洗濯物」に関する格別な効果
・取り付け/取り込み途中での使い勝手・作業性の向上
一般的に、洗濯物を干す際には、比較的小さい洗濯物以外は、複数のピンチを使って挟持することが多い。
ただし、「厚手で重い洗濯物」のときと、「普通の洗濯物」、および、「軽くて傷みやすい洗濯物」のときとでは、複数のピンチで挟持する意味合いが異なっていた。
「厚手で重い洗濯物」のときは、挟持に関する重量の分散の意味合いが強く、「普通の洗濯物」、および、「軽くて傷みやすい洗濯物」のときは、洗濯物を広げて干すことにより乾きやすくする意味合いが強い。
したがって、ハンガー内のピンチが「普通の洗濯物」仕様で統一化されていたときには、「厚手で重い洗濯物」を干す際には、より多くのピンチを用いてことになっていたのである。
本発明によれば、ピンチの使い分けをしなくても、バネ力が軽いままで、「厚手で重い洗濯物」用のピンチと同等以上の挟持力を発揮できるものであるが、自重によって挟持力を変えることができるということは、従来の設定よりもさらに挟持力をあげたピンチとすることもできるものである。
本発明者の実験によれば、本発明のピンチユニットの最適化により、少なくとも2kg程度の挟持力を生じせしめることも可能であることがわかっている。この強さのバネ力は、指先でのピンチ力が強い人でなければ、多くの洗濯物を干したり取り込んだりする作業において苦労を強いるレベルのものである。
そして、ピンチユニットの挟持力を従来よりも高められるということは、「厚手で重い洗濯物」でのハンガーへの取り付け/取り込み途中における作業性の向上につながるものである。
すなわち、「厚手で重い洗濯物」でのハンガーへの取り付け/取り込み途中においては、一つのピンチで「厚手で重い洗濯物」を保持するという場面が少なからずあり、この場面において、ピンチユニットが単独で十分な挟持力を有することができれば、洗濯物を一方のピンチだけで仮保持できるため、ピンチ取り付けが格段に容易になるとともに、作業中に洗濯物が地面に落下する虞を軽減することができる。
◎「軽くて傷みやすい洗濯物」に関する格別な効果
先ほどは、「厚手で重い洗濯物」に関する本発明のピンチユニットの格別の効果の説明をしたが、本発明のピンチユニットでは、「軽くて傷みやすい洗濯物」に関しても、格別の効果を有するものとすることができることを説明する。
前述したとおり、本発明のピンチユニットにおいては、その挟持力の対応範囲が広いことは説明した。前述のバネ力設定においては、従来の「軽くて傷みやすい洗濯物」用相当としていたが、これよりもさらに弱いバネ力の設定としても、問題ないものである。
例えば、上記実施例のバネのバネ力を250gとした場合であっても本発明のピンチユニットであれば少なくとも1kg以上の挟持力を生じせしめることができる。自重の最も軽い部類の物、例えば女性用ナイロンストッキング等では最低把持力の250gでも十分把持されるが、この時の把持力を感覚的に表現すると、指でそっと引っ張る程度で落下する位の力であり、従来の既存のピンチでは到底得られなかったものである。従って、上記設定の場合、全く被侠持物(生地)を傷める心配の無いピンチユニットが提供できることなる。
また、バネ力を低めたい理由としては、実は生地を傷めることよりも、生地に干し跡がつくことの方が改善要望が強かった。生地を傷めるかどうかは、ピンチ解放時の動作を注意深く行うことである程度対応することはできても、干し跡については、純粋にバネ力が非常に大きな影響をしめるため、十分な改善は難しいところでもあった。なぜならば、バネ力をあまりに低めてしまうと、風等に吹かれた際に干し物が落下してしまうためである。これに対して、本発明のピンチユニットにおいては、干し物が風に吹かれたときには、干し物に荷重がかかったと同様な状態となるため、前述の重い洗濯物を挟持したときと同様に挟持力が上がってくれる。したがって、従来よりも弱いバネ力で設定してあったとしても、洗濯物の落下を防止できるため、干し跡を気にするようなニットやランジェリーであっても、干し跡が従来の「軽くて傷みやすい洗濯物」用ピンチに比べほとんど目立たないものとすることもできるようになるものである。
次に、本発明のピンチユニットのピンチ解放動作について、さらに詳細に説明する。上述のごとく本発明のピンチユニットでは、バネ力は弱くすることができるので、容易に挟持状態を解除することができるのは勿論であるが、バネ力で必要な力よりもさらに弱いピンチ力で解放することができるものともなっている。
図4は、本発明のピンチユニットのピンチ部材解放動作を説明する模式図である。
連結部材8は吊り具7及び第2の挟持片3bに回動可能に取り付けられているので、ピンチ部材3を第1の回動連結部6を支点に時計回りへ回動させる動作により、吊り具7の係合部5とピンチ部材3の挟持部9との距離が縮まるとともに、連結部材8から第2の挟持片3b後端(第3の回転連結部12)に第1の挟持片後端3a(第1の回転連結部6)に近づくような挟持部9を開く方向の力が加わるため、ピンチ部材3のバネ力に抗する力よりも弱いピンチ力でも挟持状態を容易に解除することができる。
特に、バネ力を弱く設定しているときには、吊り具7が支えられてさえいれば、被挟持物を持ち上げ(図4(a)参照)、引っ張る動作(図4(b)参照)のみでも挟持状態の解除が可能となる。
すなわち、挟持状態を解除(被挟持物2を取り外す)する際には、図4に示すように、前記第1の回動連結部6を支点にピンチ部材3を傾斜側(第1の挟持片3a側)に回動させることで、第3の回転連結部12の位置は、連結部材8が引っ張られる方向に離間しようとするが、硬質の連結部材8によってその距離は一定に保たれるため、第2の挟持片3bの後端(第3の回転連結部12)には、第1の挟持片3aの後端(第1の回転連結部6)に近づく方向への力qが働く。そして、この力により、ピンチ部材3の挟持部9は開放され、被挟持物2の挟持状態が解除される。
さらに解除の好適な方法を具体的に説明すると、前記回動連結部6の位置が動かないように何らかの手段、例えば片手で押さえる等して位置を固定し、非挟持物2を他方の手で図のやや左上方向(R方向)に引っ張れば容易に取り外すことができる。
また、固定する手段としては手だけでは無く、支持部材4に吊り具7が規定以上に左方向へ倒れないように設けた突起等の規制部材(図示せず)を用いてもよい。
この時に挟持状態を解除するために必要な力は、ピンチ部材3を第1の挟持片側へ回動させる力だけでよく、バネ部材11のバネ力に抗する力よりも弱い力でよいので、指の力の弱い者であっても、容易に挟持状態を解除することができる。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、被挟持物の自重による挟持力の増強具合を高められる形態として、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図5に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、まず、初期状態における吊り具7とピンチ部材3との屈曲角度が深くなっていること。そして、連結部材8の長さがより短くなっていることにある。
第1の実施形態においての変位は、係合部とピンチ後端とを結ぶ仮想線N−N’に至る(図6の(b))までが変位の限界となっていたのに対して、本実施形態においては、この仮想線を超える位置(図6の(c))まで変位できるようになっている。このような構成により、本実施形態ではバネ力200gのバネ部材を用いた際に、2kg以上の挟持力を発揮することができた。
以下に、詳しく説明する。前述したとおり、被挟持物の自重による変位量が多く採れるほど、挟持力は強くなり、さらに連結部材8の方向が第1の挟持片3a後端(第1の回転連結部6)と第2の挟持片3b後端(第3の回転連結部12)とを結ぶ仮想線G−Gに近づくほど、ピンチ部材3の後端を広げる方向のベクトル量が多くなる。
本実施形態では、この二つが第1の実施形態に対して十分に満たされるようになっているため、被挟持物の自重による挟持力の増強具合を十分に高めることができる。ここで、本実施形態においては、連結部材の長さRwは、少なくとも初期状態におけるピンチ後端間の開口距離よりも短くなっている必要があり、第2の回動連結部10の位置は、連結部材が短くなったのに合わせて係合部6より遠方に延長されている。その結果として、T2w>>T3w かつ T3w>Rwとなっている。
*T2w: 係合部5と、第2の回動連結部10間の長さ
T3w: 第1の回動連結部6と、第2の回動連結部10間の長さ
この時、第2の回動連結部10の軌道は、第3の回動連結部12を支点とし、ピンチ先端に向かうような回動運動を行い、 図6の(c)に示すように、第1、第2、第3の回転連結部が一直線上になるときに、最大の挟持力を示す。したがって、T2wとRwの和が初期状態におけるピンチ部材の後端間距離よりもわずか長い構成となっている。このことより図6の(c)においては、第2の挟持片3が外側にしなるように変形しており、この撓みによる力も挟持部の挟持力の増強に寄与しているものである。
さらに、各回動連結部の構造が若干の移動を許容するような穴となっている場合には、この移動によって、連結部材8の第2の回動連結部の位置が図6の(c)の状態を超えて回動しないように、第2の回動連結部10周辺に回動規制部Sを設けておいてもよい。
本発明はピンチユニットを製造する産業で利用される。
1:ピンチユニット、 2:被挟持物、
3:ピンチ部材、 3a:第1の挟持片、
3b:第2の挟持片、 4:支持部材、
5:係合部、 6:第1の回動連結部、
7:吊り具、 8:連結部材
9:挟持部、 10:第2の回動連結部、
11:バネ部材、 12:第3の回動連結部。

Claims (7)

  1. 被挟持物を第1及び第2の挟持片によって挟持することにより該被挟持物を保持するピンチ部材を備え、該ピンチ部材を支持する支持部材に対して着脱可能に係合されるピンチユニットにおいて、前記ピンチユニットは、前記支持部材に対して回動可能に係合する係合部を有し、前記第1の挟持片をその後端にて回動可能に吊り下げる硬質の吊り具と、該吊り具及び前記第2の挟持片のそれぞれの連結端部回動可能に連結する硬質の連結部材と、を有し、前記ピンチ部材が前記連結部材により第2の挟持片側へ回動することを規制され前記吊り具に対して傾斜状態で保持されるとともに、前記連結部材と前記吊り具の連結位置を、前記吊り具の係合部の位置と、連結部材と第2の挟持片との連結位置とを結んだ線よりも外方に配置したことを特徴とするピンチユニット。
  2. 第1、第2の挟持片およびバネ部材を有し、該バネ部材の弾性力を用いて、該第1、第2の挟持片の挟持部にて被挟持物を挟持・保持するピンチ部材と、該ピンチ部材を支持部材に対して吊り下げる吊り具と、を備え、該吊り具は、前記ピンチ部材を前記支持部材に対して着脱可能に係合するための係合部を有しており、前記ピンチ部材は、前記第1の挟持片の後端部にて、前記吊り具に回動可能に吊られているピンチユニットであって、前記ピンチユニットは、前記ピンチ部材の前記第2の挟持片の後端部と前記吊り具とを、夫々回動可能に連結する連結部材を有しており、該連結部材により、前記ピンチ部材の前記第2の挟持片の後端部が前記第1の挟持片の後端部よりも下方に位置するように保持されるものであり、前記被挟持物の自重に応じて、前記ピンチ部材の挟持部の下方への変位を許容し、該下方への変位を前記吊り具と前記連結部材との連結部位の下方への変位へと伝えることで、前記連結部材によって前記第2の挟持片の後端部を広げる方向の力を働かせ、前記被挟持物の自重を前記挟持部が閉じる方向の力として付加できることを特徴とするピンチユニット。
  3. 前記係合部の形状は、鉤形状もしくは、スナップ形状となっていることを特徴とする請求項2記載のピンチユニット。
  4. 前記吊り具は、硬質部材にて形成されていることを特徴とする請求項2記載のピンチユニット。
  5. 前記吊り具は、成型材料で形成されているとともに、前記係合部と一体成型されていることを特徴とする請求項2記載のピンチユニット。
  6. 前記吊り具と前記第1の挟持片との連結部は、前記係合部と前記挟持部とを結ぶ直線上よりも前記第2の挟持片側に位置していることを特徴とする請求項2記載のピンチユニット。
  7. 前記挟持部の位置を、被挟持物を挟持していない初期状態よりも前記挟持部と前記吊り具との距離を縮める方向に移動せしめることにより、前記連結部材によって前記第2の挟持片の後端部を前記第1の挟持片の後端部に近づける方向の力を働かせ、前記挟持部が開く方向の力として付加できることを特徴とする請求項2記載のピンチユニット。
JP2016043346A 2016-03-07 2016-03-07 ピンチユニット及び被挟持物の挟持方法 Active JP6554050B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016043346A JP6554050B2 (ja) 2016-03-07 2016-03-07 ピンチユニット及び被挟持物の挟持方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016043346A JP6554050B2 (ja) 2016-03-07 2016-03-07 ピンチユニット及び被挟持物の挟持方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017158621A JP2017158621A (ja) 2017-09-14
JP6554050B2 true JP6554050B2 (ja) 2019-07-31

Family

ID=59854499

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016043346A Active JP6554050B2 (ja) 2016-03-07 2016-03-07 ピンチユニット及び被挟持物の挟持方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6554050B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6936408B1 (ja) * 2021-03-09 2021-09-15 方央 崎山 ピンチユニットおよび該ピンチユニットを複数備えた物干し具

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5444974A (en) * 1977-09-16 1979-04-09 Sadayoshi Tajiri Deformed clip
JPS59151999A (ja) * 1983-02-18 1984-08-30 召田 昇 洗濯バサミ
JP2007000575A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Yuji Kokubo 成型ハンガーピンチ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017158621A (ja) 2017-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWM332441U (en) Retractable clothes hanger
WO2018150851A1 (ja) ハンガー
JP6554050B2 (ja) ピンチユニット及び被挟持物の挟持方法
JP3210212U (ja) ハンガー
JP4556914B2 (ja) 衣料用ハンガー
JP3899358B2 (ja) 開閉式ハンガー
JP3112096U (ja) 多機能ハンガー
CN107411507A (zh) 简便的衣服拾取器
JP6936408B1 (ja) ピンチユニットおよび該ピンチユニットを複数備えた物干し具
JP6574948B1 (ja) X字型アーム式ハンガー
CN208114463U (zh) 一种套头衣服晾衣架
JP4018710B2 (ja) アーム可動式ハンガー
JP4915755B2 (ja) ハンガー
CN205697065U (zh) 一种防风防滑撑衣架
JP4701156B2 (ja) 物干し具のフック構造
JP3847137B2 (ja) 吊下げハンガー
WO2008062540A1 (fr) Cintre pour vêtement
JP2006075325A (ja) 開閉式ハンガー
JP2016129650A (ja) 開閉式洗濯用ハンガー
JP2012000321A (ja) 被服用ハンガー
JP3729264B2 (ja) 衣類用ハンガー
US2835423A (en) Clothes hanger
JP6627029B2 (ja) 開閉式ハンガー
CN201123661Y (zh) 防风衣架
CN208988410U (zh) 一种防掉衣架

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181029

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20181029

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20181029

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20181105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20181105

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20181211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190423

R155 Notification before disposition of declining of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R155

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6554050

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250