JP6553955B2 - 次亜塩素酸水溶液の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
(1)次亜塩素酸水溶液の製造方法
本発明の次亜塩素酸水溶液の製造方法は、a)貯留タンクに原水を供給する第1工程と、b)前記貯留タンク内の原水を撹拌しながら酸性水溶液を供給し、原水と酸性水溶液の混合水溶液を生成する第2工程と、c)第2工程後に、前記貯留タンク内の混合水溶液を撹拌しながら次亜塩素酸ナトリウムを供給し、次亜塩素酸水溶液を生成する第3工程と、d)第3工程後に、前記次亜塩素酸水溶液のpH値が、1分以上、安定して5.5〜6.5の範囲の一定値に維持されるまで、前記酸性水溶液の供給と前記次亜塩素酸ナトリウムの供給を、この順序で繰り返し行う第4工程とを備えることを特徴とする。
第1工程は、貯留タンクに原水を供給する工程である。
第2工程は、第1工程の終了後に、貯留タンク内の原水を撹拌しながら酸性水溶液を供給し、原水と酸性水溶液の混合水溶液を生成する工程である。
第3工程は、第2工程の終了後に、貯留タンク内の混合水溶液を撹拌しながら次亜塩素酸ナトリウムを供給し、次亜塩素酸水溶液を生成する工程である。
NaClO+2HCl→NaCl+H2O+Cl2
第4工程は、第3工程の終了後に、貯留タンク内に生成された次亜塩素酸水溶液のpH値が、1分以上、安定して5.5〜6.5の範囲の一定値に維持されるまで、酸性水溶液の供給と次亜塩素酸ナトリウムの供給を、この順序で繰り返し行う工程である。
a)特性
上述のようにして得られる次亜塩素酸水溶液は、pH値が5.5〜6.5の範囲の一定値に、好ましくは6.0〜6.5の範囲の一定値に、より好ましくは6.5に制御される。すなわち、本発明により得られる次亜塩素酸水溶液のpH値は、人間の肌のpH値とほぼ同程度であるため、人体に対する影響がきわめて少なく、安全性に優れていると評価することができる。
本発明の製造方法によって得られる次亜塩素酸水溶液は、その使用方法が制限されることはなく、噴霧、浸漬、塗布などのいずれの使用方法によっても、その効果を発揮することができる。
a)次亜塩素酸水溶液の製造装置の構成
本発明の次亜塩素酸水溶液の製造装置は、上述した製造方法を実施することができる限り、特に制限されることはないが、工業規模の生産を前提とした場合、図1に示すような構成を備えることが好ましい。すなわち、本発明の次亜塩素酸水溶液の製造装置1は、撹拌手段3を有する貯留タンク2と、貯留タンク2に原水を供給する給水手段5と、貯留タンク2に酸性水溶液を供給する第1供給手段7と、貯留タンク2に次亜塩素酸ナトリウムを供給する第2供給手段9と、貯留タンク2内に生成される次亜塩素酸水溶液11のpH値を測定および制御するpH値制御手段12とを備え、pH値制御手段12が、次亜塩素酸水溶液11のpH値が、安定して5.5〜6.5の範囲の一定値に維持されるまで、第1供給手段7による酸性水溶液の供給と第2供給手段9による次亜塩素酸ナトリウムの供給を、この順序で繰り返し行うように構成されていることを特徴とする。このようなpH値制御手段12は、マイクロコントローラやシーケンサなどによって自動化されていることが好ましい。
次に、この製造装置1を用いて、次亜塩素酸水溶液11を製造する場合について説明するが、上述した次亜塩素酸水溶液の製造方法と同様である部分については、省略ないしは簡略化して説明する。
a)第1工程
はじめに、図1に示す次亜塩素酸水溶液の製造装置1の給水手段5に原水(イオン交換水)を、第1供給手段7に6質量%の希塩酸を、第2供給手段9に6質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液をそれぞれセットした。
第1工程終了後、撹拌手段3を稼働した状態のまま、第1供給手段7の第1供給弁8を開け、貯留タンク2内に、38mL/分で希塩酸の供給を開始した。14分間の供給後、第1供給弁8を閉じ、希塩酸の供給を停止し(総供給量:0.53L)、第2工程を終了した。
第2工程終了後、同様に、撹拌手段3を稼働した状態のまま、第2供給手段9の第2供給弁10を開け、貯留タンク2内に、38mL/分で次亜塩素酸ナトリウム水溶液の供給を開始した。11分間の供給後、第2供給弁10を閉じ、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の供給を停止し(総供給量:0.42L)、第3工程を終了した。
第3工程の終了後、pH値制御手段12に備え付けられたpHセンサ13により、貯留タンク2内に生成された次亜塩素酸水溶液11のpH値を30分間にわたって測定したところ、5.5〜6.5の範囲で変動していることが確認された。このため、次亜塩素酸水溶液11に、再度、第1供給手段7による希塩酸の供給と、第2供給手段9による次亜塩素酸ナトリウム水溶液の供給を、この順序で行った後、同様にして、次亜塩素酸水溶液11のpH値の測定をしたところ、5.5〜6.5の範囲で変動していることが確認された。以降、この操作を10回繰り返して行い、最終的に、pH値が3分間(180秒間)にわたって、安定して6.5に維持されたことを確認した後、第4工程を終了した。
上述のようにして得られた次亜塩素酸水溶液11に対して、以下の試験を行い、その特性を評価した。
本実施例の次亜塩素酸水溶液11に、黄色ブドウ球菌、大腸菌または枯草菌の菌液を接種することにより試験液を生成した。また、対照として、次亜塩素酸水溶液11の代わりに生理食塩水または精製水を使用したこと以外は、同様にして、試験液を生成した。これらの試験液を、室温で一定時間保存した後、生菌数をそれぞれ測定した。この結果を表1および図2〜4に示す。
本実施例の次亜塩素酸水溶液11に、インフルエンザウイルス浮遊液またはネコカリシウイルス(ノロウイルスの代替ウイルス)浮遊液を添加、混合し、作用液をそれぞれ生成した。また、対照として、次亜塩素酸水溶液11の代わりに精製水を使用したこと以外は、同様にして、試験液を生成した。これらの試験液を、室温で作用させ、30秒、1分および5分後に作用液のウイルス感染価をそれぞれ測定した。この結果を表2に示す。
本実施例の次亜塩素酸水溶液11を雌ラットに投与し、急性経口毒性を評価した。
本実施例の次亜塩素酸水溶液を用いて、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals 404(2002)に準拠し、ウサギを用いた皮膚一次刺激性試験を行った。具体的には、本実施例の次亜塩素酸水溶液11をウサギ3匹の無傷および有傷皮膚に4時間閉鎖適用した。その結果、除去後1時間に全例で非常に軽度な紅斑が見られたが、48時間までに消失した。
次亜塩素酸水溶液11を常温常圧下で、7日間保管した後のpH値を測定することにより、次亜塩素酸水溶液11の安定性を評価した。この結果、7日後における次亜塩素酸水溶液11のpH値は、6.5に維持されていることが確認された。
2 貯留タンク
3 撹拌手段
4a、4b 循環弁
5 給水手段
6 給水弁
7 第1供給手段
8 第1供給弁
9 第2供給手段
10 第2供給弁
11 次亜塩素酸水溶液
12 pH値制御手段
13 pHセンサ
Claims (6)
- 貯留タンクに原水を供給する第1工程と、
前記貯留タンク内に供給された前記原水を撹拌しながら、該貯留タンクに酸性水溶液を供給し、原水と酸性水溶液の混合水溶液を生成する第2工程と、
第2工程後に、前記貯留タンク内で、前記混合水溶液を撹拌しながら、該貯留タンク内に次亜塩素酸ナトリウムを供給し、次亜塩素酸水溶液を生成する第3工程と、
第3工程後に、前記次亜塩素酸水溶液のpH値が、1分以上、安定して5.5〜6.5の範囲の一定値に維持されるまで、前記酸性水溶液の供給と前記次亜塩素酸ナトリウムの供給を、この順序で繰り返し行う第4工程と、
を備える、次亜塩素酸水溶液の製造方法。 - 前記撹拌を、循環ポンプを用いて、前記貯留タンク内の下部から前記原水、前記混合水溶液または前記次亜塩素酸水溶液を引き抜いた後、該貯留タンク内の上部から該原水、該混合水溶液または該次亜塩素酸水溶液を再供給することにより行う、請求項1に記載の次亜塩素酸水溶液の製造方法。
- 前記循環ポンプの吐出量を50L/分以上とする、請求項2に記載の次亜塩素酸水溶液の製造方法。
- 撹拌手段を有する貯留タンクと、該貯留タンクに原水を供給する給水手段と、該貯留タンクに酸性水溶液を供給する第1供給手段と、該貯留タンクに次亜塩素酸ナトリウムを供給する第2供給手段と、該貯留タンク内に、前記原水と前記酸性水溶液との混合水溶液と前記次亜塩素酸ナトリウムとの混合により生成された次亜塩素酸水溶液のpH値を測定および制御するpH値制御手段とを備える次亜塩素酸水溶液製造装置であって、
前記pH値制御手段は、前記次亜塩素酸水溶液のpH値が、1分以上、安定して5.5〜6.5の範囲の一定値に維持されるまで、第1供給手段による酸性水溶液の供給と第2供給手段による次亜塩素酸ナトリウムの供給を、この順序で繰り返し行う手段である、
次亜塩素酸水溶液の製造装置。 - 前記撹拌手段は、前記貯留タンクの下部から、該貯留タンク内の前記原水、前記混合水溶液または前記次亜塩素酸水溶液を引き抜いた後、該貯留タンクの上部から該原水、該混合水溶液または該次亜塩素酸水溶液を再供給する循環ポンプである、請求項4に記載の次亜塩素酸水溶液の製造装置。
- 前記循環ポンプの吐出量が50L/分以上である、請求項5に記載の次亜塩素酸水溶液の製造装置。
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