JP5237913B2 - イオン交換による分子状次亜塩素酸溶液の調製法及び分子状次亜塩素酸溶液 - Google Patents

イオン交換による分子状次亜塩素酸溶液の調製法及び分子状次亜塩素酸溶液 Download PDF

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本発明は、安定な分子状次亜塩素酸溶液を調製する技術に関するものである。より詳細には、次亜塩素酸塩溶液に含まれる金属イオンを水素イオンで置換し、塩素イオンを水酸イオンで置換することにより安定な純粋分子状次亜塩素酸溶液を調製する技術に関するものである。
次亜塩素酸ナトリウムをはじめとする次亜塩素酸塩溶液は長年に亘って、かつ幅広い分野で利用されてきた、全世界で最も使用量の多い殺菌剤である。次亜塩素酸ナトリウムが使用されている分野は食品の生産、流通、提供のほとんどの分野をはじめ、水道施設、廃水処理、遊泳プール、温泉、公衆浴場、医療、介護、農漁業、一般家庭と枚挙に暇がない。それらの需要を賄うために日本国内における年間出荷量は約100万トンで、全世界ではその数十倍の出荷量があると推定される。
そのように極めて広範囲に利用されている次亜塩素酸塩溶液であるが、これまでいくつかの問題が指摘されてきた。その一つがトリハロメタンの生成である。トリハロメタンはアルカリ性の塩素剤が有機物と接触したときに発生することが確認されており、トリハロメタンの一種クロロホルムが低濃度でも発癌作用があることが知られてから世界的に環境破壊として問題となっている。これを真摯に受け止める一部の先進国では食品や飲用水への使用が制限されている。
第二の問題点は臭素酸や塩素酸の問題である。臭素酸は次亜塩素酸ナトリウムの原料である食塩に不純物として含まれる臭素化合物に由来するものである。一方、塩素酸は次亜塩素酸塩自体の不均化分解によって発生するもので、いずれも人体に有毒であることから、近年水道法とその関連法規に上限濃度が設定された。臭素酸は原料の食塩の純度を高くすることで減少する。塩素酸の生成反応には幾つかの加速要因が知られているが、最も大きな影響を与える要因は温度と次亜塩素酸塩の濃度である。温度及び濃度に比例して生成速度が増大する。又、含まれる挟雑物の塩あるいは重金属が反応を促進することも知られている。そのために、水道水の殺菌や食品に用いられる次亜塩素酸ナトリウムには、精製塩を原料としたり、低濃度で配送したり、さらには低温での流通保管が必要となり、大幅なコスト上昇を来たしている。
第三の問題点は殺菌力不足である。次亜塩素酸塩溶液は、他の殺菌剤に比し幅広い微生物に効果があることで広範囲に利用されている理由の一つではあるが、細菌芽胞に対しては実用的な効果は無く、又結核菌に対しては1000ppm以上の高濃度でないと効果が見られないなどの弱点もある。1000ppmの次亜塩素酸塩溶液は人や対象及び環境に対する悪影響が極めて大きく、使用方法や目的に大きな制限がある。この原因は次亜塩素酸塩溶液が強アルカリ性であることから、次亜塩素酸根のほとんどが次亜塩素酸イオンとして存在するためである。次亜塩素酸塩溶液の殺菌効果のほとんどは、含まれる分子状次亜塩素酸に負っているが、液性がアルカリ性になってイオン化すると殺菌力、特に殺菌速度が大幅に減衰してしまうのである。それを補うために高濃度で使用されているが、効果がそれほど高くならないばかりか、前述の通り高濃度使用による各種の弊害も起きている。例えば対象物の損傷、異臭の原因、有害物の発生、肌荒れ、廃水処理への障碍、環境汚染等々である。
そして最後の問題は、塩を含有していることに起因している。次亜塩素酸塩の中で代表的な次亜塩素酸ナトリウム溶液は、次亜塩素酸イオンのカウンターイオンとしてのナトリウムイオンの他に、原料の一部の食塩及び工程原料として加えられた水酸化ナトリウムを含んでいる。次亜塩素酸ナトリウムは放置しておくだけで分解し、食塩となったり、不均化反応により塩素酸に変化するが、前述の通り食塩はその反応を促進することが知られている。又、ナトリウムと遊離塩素が共存すると金属を発錆する作用が強くなり、金属の表面で乾燥される時濃縮され、ステンレスのような耐蝕材であっても錆を生ずることが知られている。又、室内殺菌や加湿あるいは除臭の目的で噴霧使用されると、残渣の微粉末の塩を肺に吸入することによる喘息等の健康障害あるいは、室内の塩蓄積汚染や電気製品の故障の原因にもなる。
さらに、もし次亜塩素酸が塩を含んでいないと、塩の残留を嫌う産業での利用も可能になる。次亜塩素酸は元々極めて強力な活性酸素であるので、その酸化力を利用して汚れや不純物を酸化除去する目的に利用できるのである。しかし、これまでは必然的に塩が含まれていたためそれらの用途には利用できなかった。従って、純粋な次亜塩素酸溶液ができれば、用途領域はさらに拡大されることが予想される。
このような次亜塩素酸塩の欠点を補う目的でいろいろな工夫がなされてきた。中でも、次亜塩素酸ナトリウム溶液に各種の酸を添加してpHを下げ、分子状次亜塩素酸の存在比率を上げることによって殺菌力を高める方法は古くから行われており、専用の装置も多数市販されている。しかし、この方法では、確かに殺菌力の増強はなされるが、中に含まれるナトリウム等はそのまま残存しているので塩類による弊害は解消できない。さらに、次亜塩素酸ナトリウム溶液と酸を混合するという、危険な禁忌工程があるため不慮の事故が少なからず報告されている。
又、特許文献1には、次亜塩素酸塩の溶液又は次亜塩素酸塩溶液を希釈する水を、水素置換型イオン交換材でイオン交換処理することによって次亜塩素酸塩溶液のpHを下げる方法が示されている。しかし、この方法は単に次亜塩素酸塩溶液のpHを下げることのみが目的であり、結果としては前述の次亜塩素酸塩溶液に酸を加える方法と同様に、含まれる金属の大部分が残っている。又、この方法で次亜塩素酸塩溶液に含まれる一定以上の金属イオンを水素イオンで置換するとpHは極めて低くなり塩素ガスを発生して危険であり、かつ不安定となり保存性が無くなるため実用に向かない。
特開平6−206076号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、トリハロメタンや塩素酸の生成を最少とし、塩類を含有せず、安定性が高くかつ高い殺菌力を持った純分子状次亜塩素酸溶液を調製する技術及び純分子状次亜塩素酸溶液を提供することである。
市販されている次亜塩素酸塩溶液は、次亜塩素酸塩の他に塩化物塩あるいは水酸化アルカリを常成分として含んでいる。次亜塩素酸塩溶液の液性を強アルカリ性にしているのは、次亜塩素酸イオンのカウンターイオンである金属イオンとアルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物である。従って金属イオンを全て水素イオンで置換すればアルカリ性は解消され、乾燥した場合の残留塩も無くなる。しかし一方、塩に含まれていた塩素イオンはナトリウムイオンと置換された水素イオンと結びつき塩酸となる。そのために、水素型陽イオン交換樹脂で処理しただけでは液性は強い酸性となり、次亜塩素酸分子は不安定になり塩素となって揮散する。
そこで、次亜塩素酸を安定化するためには、その後水酸型陰イオン交換樹脂で処理し溶液に残っている塩素イオンの一部を水酸イオンで置換する必要がある。又、これらの2段階の処理によって、当初次亜塩素酸塩溶液に含まれていた挟雑イオンも全て除去されるので純粋な次亜塩素酸溶液が得られるのである。
ところで、これらのイオン交換処理は、陽イオン交換樹脂処理の後に陰イオン交換樹脂処理を行うことが重要である。当初次亜塩素酸塩溶液は強アルカリ性であるため、次亜塩素酸塩はイオン化しており、陽イオンとしては金属イオン、陰イオンとしては次亜塩素酸イオン、塩素イオン、水酸イオン等のイオンが存在する。この内、水素型陽イオン交換樹脂で処理されて除去されるのは陽イオンである金属イオンのみである。ところが、もし最初に陰イオン交換樹脂で処理すると陰イオンである次亜塩素酸イオンが除去されてしまうので有効成分が除去されることになる。
水素型陽イオン交換樹脂で処理すると金属イオンが水素イオンで置換されるため液性は酸性〜強酸性となり、処理後の溶液に含まれる主な化学種は分子状次亜塩素酸、水素イオン、塩素イオンとなる。次に、これを水酸イオン型陰イオン交換樹脂で処理すると塩素イオンが水酸イオンと置換され、水素イオンと反応して水となるため、溶液に残された化学種は分子状次亜塩素酸のみとなる。しかし、水酸イオン型陰イオン交換樹脂による処理を過剰に行うと、やがて水酸イオンが過剰になり、液性が中性からアルカリ性に変化する。その結果分子状次亜塩素酸は再び陰イオンである次亜塩素酸イオンとなり陰イオン交換樹脂に吸着され除去されてしまうことになる。従って、陰イオン交換樹脂による処理においては反応の終点を正確に管理することが重要である。これらの工程を適切に管理することによって、処理終了後の液性を弱酸性とすることができるのである。この方法によって純粋な分子状次亜塩素酸溶液が生成されることが確認されたので、課題を解決するための手段の各態様を以下のようにした。
まず、次亜塩素酸塩溶液を水素型陽イオン交換樹脂で処理し、金属イオンを水素イオンで置換した後に、前記処理液を水酸型陰イオン交換樹脂で処理し、塩素イオンを水酸イオンで置換することにより、分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法を、課題を解決するための手段の第1の態様とした。
又、第1の態様において、水素型陽イオン交換樹脂の交換容量をA(当量)、陽イオン交換処理時間をT(秒)及び、T秒間に処理される次亜塩素酸塩溶液の有効塩素量をC(mol)とした時(A×T)÷Cの値が200以上、若しくは350以上である、分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法を、課題を解決するための手段の第2の態様とした。
又、第1又は2の態様において、水酸型陰イオン交換樹脂の交換容量をB(当量)、陰イオン交換処理時間をT(秒)及び、T秒間に処理される次亜塩素酸塩溶液の有効塩素量をC(mol)とした時(B×T)÷Cの値が5以上100以下、若しくは5以上50以下である、分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法を、課題を解決するための手段の第3の態様とした。
又、第1の態様において、次亜塩素酸塩溶液を水素型陽イオン交換樹脂で処理し、金属イオンを水素イオンで置換した後の溶液のpHが6.5以下、若しくは4以下である、分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法を、課題を解決するための手段の第4の態様とした。
又、第1又は4の態様において、次亜塩素酸塩溶液を水素型陽イオン交換樹脂で処理し、金属イオンを水素イオンで置換した後に、前記処理液を水酸型陰イオン交換樹脂で処理し、塩素イオンを水酸イオンで置換した後の処理液のpHが4以上8以下、若しくは5以上6.5以下である、分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法を、課題を解決するための手段の第5の態様とした。
又、第1乃至5の何れかの態様により得られた分子状次亜塩素酸溶液をさらに水で希釈し、分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法を、課題を解決するための手段の第6の態様とした。
又、第1乃至6の何れかの態様において、次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウムである、分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法を、課題を解決するための手段の第7の態様とした。
そして、第1乃至7の何れかの態様により得られた分子状次亜塩素酸溶液を、課題を解決するための手段の第8の態様とした。
本発明による効果は以下の通りである。まず、次亜塩素酸塩溶液を水素型陽イオン交換樹脂で処理し、金属イオンを水素イオンで置換した後に、前記処理液を水酸型陰イオン交換樹脂で処理し、塩素イオンを水酸イオンで置換するとしたことにより、元々次亜塩素酸塩溶液に含まれている有効塩素を無駄にすることなく、含まれている金属イオンを除去し、所望の液性の分子状次亜塩素酸溶液を得ることができるのである。
又、水素型陽イオン交換樹脂の交換容量をA(当量)、陽イオン交換処理時間をT(秒)及び、T秒間に処理される次亜塩素酸塩溶液の有効塩素量をC(mol)とした時、(A×T)÷Cの値が200以上としたことにより、そのまま殺菌剤として用いることのできる分子状次亜塩素酸溶液を得ることができ、あるいは又、350以上としたことにより、ほぼ全ての金属イオンが除去された分子状次亜塩素酸溶液を得ることができるのである。
又、水酸型陰イオン交換樹脂の交換容量をB(当量)、陰イオン交換処理時間をT(秒)及び、T秒間に処理される次亜塩素酸塩溶液の有効塩素量をC(mol)とした時、(B×T)÷Cの値が5以上100以下としたことにより、分子状次亜塩素酸が安定的に存在し、そのまま利用できる液性の分子状次亜塩素酸溶液を得ることができ、あるいは又、5以上50以下としたことにより水で希釈した場合も分子状次亜塩素酸の存在率に指摘な液性の分子状次亜塩素酸溶液を得ることができるのである。
又、次亜塩素酸塩溶液を水素型陽イオン交換樹脂で処理し、金属イオンを水素イオンで置換した後の溶液のpHを6.5以下としたことにより殺菌効果の強い分子状次亜塩素酸を高い比率で含む分子状次亜塩素酸溶液を得ることができ、或いは又、4以下とすることにより殺菌効果の強い分子状次亜塩素酸を高い比率で含み安定な分子状次亜塩素酸溶液を得ることができるのである。
又、次亜塩素酸塩溶液を水素型陽イオン交換樹脂で処理し、金属イオンを水素イオンで置換した後に、前記処理液を水酸型陰イオン交換樹脂で処理し、塩素イオンを水酸イオンで置換した後の処理液のpHが4以上8以下としたことにより殺菌効果の強い分子状次亜塩素酸を高い比率で含み安定な分子状次亜塩素酸溶液を得ることができ、或いは又、5以上6.5以下としたことにより、そのまま利用することもできる、殺菌効果の強い分子状次亜塩素酸を高い比率で含み安定な分子状次亜塩素酸溶液を得ることができるのである。
又、得られた分子状次亜塩素酸溶液をさらに水で希釈し、分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法としたことにより、生成された分子状次亜塩素酸溶液を希釈等の手間をかけずそのまま利用できるようにしたのである。
又、次亜塩素酸塩を次亜塩素酸ナトリウムとしたことにより、最も広範囲に流通している次亜塩素酸塩であるため、原料としての安定した入手が容易となり、液体であるため分子状次亜塩素酸溶液生成上の取り扱いの利便性が高まったことにより、生産の工業化を可能にしたのである。
そして、前記の何れかの方法により得られた分子状次亜塩素酸溶液を提供することにより、生成装置を必要とせず各種の目的に利用できるようにしたのである。
本発明の実施例のフロー図
本発明を実施する最少の設備は陰イオン交換筒、陽イオン交換筒、次亜塩素酸塩溶液供給手段、希釈水供給手段及び流路開閉手段及び混合攪拌手段で構成される。各部品の接液部材質には次亜塩素酸塩や塩素耐久性或いはアルカリ耐久性のある樹脂が勧められる。イオン交換樹脂はどのようなものでも利用できるが、基材の樹脂材質は塩素に耐久性のあるものが長い間の使用に耐え便利である。イオン交換能が無くなったら常法により再生すれば繰り返し使用できる。イオン交換樹脂の再生には、この生成装置を利用してもよく別途再生設備を利用してもよい。
本発明に用いる次亜塩素酸ナトリウム溶液等は食塩含量の低いものが望ましいが、それに限らずどのようなものでも利用可能である。又、製造後日数の浅いものが望ましい。塩素濃度には特に制限は無い。生成する次亜塩素酸溶液の保存期間を長くする必要がある場合はpHは極力7近くに調整するのが望ましく、すぐに使用する場合は4から7の間で任意に調整すればよい。pHが4を下回ると塩素ガスの発生により効果の保存性低下や周囲への影響が予想されるので勧められない。
イオン交換処理時の液体の各筒への流下方法は上昇流でも下降流でもよい。気泡の滞流や偏流あるいはショートパスを避けるためには上昇流の方が便利である。特に陰イオン交換筒では液体流下量に対して樹脂量が総体的に少なくなるため接触時間の制御を正確にするには上昇流が便利である。
次に実施例を示す図1を用いて、分子状次亜塩素酸溶液の調製工程を詳細に説明する。原水は原水入り口1から装置内に供給される。原水供給配管には電磁弁2及び流量設定弁3が配設されていて、原水の供給及び定量供給を制御する。供給された原水の一部は定量ポンプ4で次亜塩素酸塩溶液の希釈用に分流され、残部は配管13を経て分子状次亜塩素酸溶液の最終希釈に利用される。
次亜塩素酸塩溶液の希釈用に分流された原水は、次亜塩素酸塩溶液タンク5に貯留され、次亜塩素酸塩溶液ポンプ6で定量的に引き出される次亜塩素酸塩溶液と混合され、さらにスタティックミキサ7で均一に混合され、流れ切換弁17を経て、水素型陽イオン交換樹脂の充填された陽イオン交換筒8の底部に供給される。
陽イオン交換筒では溶液に含まれる金属イオンが水素イオンで置換されるため、排出された溶液の液性は酸性側に傾いている。陽イオン交換樹脂筒からの排出液のpHはインラインpH計20で測定し、目標値とのずれは2個のポンプ4,6の流量を調節して調整する。
陽イオン交換樹脂筒から排出された液は切換弁18を経て、一時的にバランスタンク9に貯留され、切換弁19を経て供給ポンプ9により陰イオン交換筒11に供給される。陰イオン交換筒には、水酸イオン型陰イオン交換樹脂が充填してあり、含まれる塩素イオンが水酸イオンで置換されpHが上昇する。液が陰イオン交換樹脂に接触する時間によって排出される液の液性を決めることができるので、供給ポンプの供給量と、陰イオン交換樹脂の充填量によって排出される液の液性を制御するのである。
陰イオン交換筒から排出された溶液は配管12を通り、配管13を流下した稀釈水と混合希釈され、さらに最終スタティックミキサ14で均一に混合され排出口15から排出される。排出口近くにはインライン型pH計21が配設されており、最終排出液のpHをチェックする。なお、希釈水量は最終溶液排出液の目的濃度に応じて適宜調整する。
有効塩素は途中でほとんど消耗されないので、原料の供給量と稀釈水量で決まり、イオン交換率は配設された2台のpH計で管理され、目的に応じた濃度の純次亜塩素酸溶液を調製することができるのである。
この装置において、陽イオン交換樹脂にムロマチテクノス社製Muromac C501-Hを100リットル使用し、陰イオン交換樹脂には同社製Muromac
A7002-OHを10リットル使用し、原水は限外濾過水を使い、6%の次亜塩素酸ナトリウム溶液を原料として処理した結果、pH4.9〜5.1、有効塩素濃度970〜1000ppmの純粋な分子状次亜塩素酸溶液を毎時約1トンで連続的に得ることができた。
本発明は塩類を含まない強い殺菌力の殺菌剤とその調整方法を提供する。この殺菌剤は食品産業、医療介護業界、上水処理、下水処理、公共浴場、遊泳プール、半導体産業、ビル空調等の分野で利用される。噴霧使用等、特に塩類の含有が問題になる用途に一層向いている。
1 原水入り口
2 電磁弁
3 定流量弁
4 希釈用定量ポンプ
5 次亜塩素酸塩溶液タンク
6 次亜塩素酸塩溶液定量ポンプ
7 スタティックミキサ
8 陽イオン交換筒
9 バランスタンク
10 陰イオン交換筒供給ポンプ
11 陰イオン交換筒
12 陰イオン交換筒排出配管
13 稀釈水配管
14 最終スタティックミキサ
15 純次亜塩素酸溶液排出口
16 稀釈水切換弁
17 切換弁
18 切換弁
19 切換弁
20 陽イオン交換用pH計
21 最終pH計
22 再生バイパス配管

Claims (7)

  1. 次亜塩素酸塩溶液を水素型陽イオン交換樹脂で処理し、金属イオンを水素イオンで置換した後に、前記処理液を水酸型陰イオン交換樹脂で処理し、塩素イオンを水酸イオンで置換することにより、分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法であって、前記水素型陽イオン交換樹脂の交換容量をA(当量)、陽イオン交換処理時間をT(秒)及び、T秒間に処理される次亜塩素酸塩溶液の有効塩素量をC(mol)とした時(A×T)÷Cの値が200以上であることを特徴とする、分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法。
  2. 水酸型陰イオン交換樹脂の交換容量をB(当量)、陰イオン交換処理時間をT(秒)及び、T秒間に処理される次亜塩素酸塩溶液の有効塩素量をC(mol)とした時(B×T)÷Cの値が5以上100以下であることを特徴とする請求項1に記載の分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法
  3. 次亜塩素酸塩溶液を水素型陽イオン交換樹脂で処理し、金属イオンを水素イオンで置換した後の溶液のpHが6.5以下であることを特徴とする、請求項1に記載の分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法
  4. 次亜塩素酸塩溶液を水素型陽イオン交換樹脂で処理し、金属イオンを水素イオンで置換した後に、前記処理液を水酸型陰イオン交換樹脂で処理し、塩素イオンを水酸イオンで置換した後の処理液のpHが4以上8以下であることを特徴とする、請求項1又はに記載の分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法
  5. 請求項1乃至の何れか一項に記載の方法により得られた分子状次亜塩素酸溶液をさらに水で希釈し、分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法
  6. 次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項1乃至の何れか一項に記載の分子状次亜塩素酸溶液を調製する方法
  7. 請求項1乃至の何れか一項に記載の方法により得られた分子状次亜塩素酸溶液
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