JP6553864B2 - シールド掘進機用テールシール組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、難燃性のシールド掘進機用のテールシール組成物に関するものである。
シールド掘進機により、地中にトンネルを掘削する場合、進行方向の地山を掘削しながら、シールド掘進機は前進し、シールド掘進機の後方には、順次、トンネルの内壁となるセグメントが組み上げられている。この場合、掘削されるトンネルの外径(掘削開孔径)は、シールド掘進機の外径となるが、セグメントはシールド掘進機内部で組み上げられるため、セグメントの外径はシールド掘進機の内径以下となる。このため、シールド掘進機の後方ではトンネル外径とセグメント外径との間に隙間が生じ、この隙間には、シールド掘進機の前進にともない、裏込剤が充填される。
一方、シールド掘進機の後端で、未だ裏込剤が充填されていないトンネル内の空隙へは、地下水等が浸みだしており、この地下水のシールド掘進機内への侵入を防ぐため、シールド掘進機の末端にはシールド掘進機内のセグメントの外周とシールド掘進機の内周の間を止水するブラシシールが複数列、シールド掘進機の内周に設けられている。そして、その止水性を維持するために、これらのブラシシールの間にテールシール組成物が充填されている(例えば、特許文献1参照)。シールド掘進機の進行に伴い、ブラシシールのテールシール組成物は地山へ放散するため、ブラシシール部へのテールシール組成物の補充が必要となり、配管を通してテールシール組成物がポンプを用いて圧送される。
このようなテールシール組成物は、鉱油を含有するため、可燃性がある。トンネルなどの地中工事では、通常の地上の工事よりも火災の危険性が高く、可燃物を取り扱う場合には十分な安全策をとることが必要となる。さらには、このような可燃物の使用が制限されることもある。このため、鉱油を用いず、塩素化パラフィンを基材とするグリース(特許文献2参照)が提案されている。
特公平7‐6350公報 特開平8‐143885号公報
しかし、塩素含有化合物の使用は、地山へテールシール組成物が残存する場合や、焼却時する場合の環境への影響が懸念されるため、適用を避けることも多い。本発明は、このような可燃性や、環境への懸念の少ないテールシール組成物を提供するものである。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、驚くべきことに、特定の基油に水を分散させることにより、難燃性であり、止水性も高く、かつ、環境への影響を低減できることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づきなされたもので、次の通りのものである。
(1)[A]油中に水が分散した乳化油15〜45質量%、[B]固体粉体45〜84質量%、および、[C]繊維質1〜10質量%を含有するシールド掘進機用テールシール組成物。
(2)乳化油が、基油100質量部に対して、水4〜20質量部と乳化剤8〜40質量部を含有する(1)記載のシールド掘進機用テールシール組成物。
(3)[A1]基油12〜35質量%、[A2]水1〜8質量%、[A3]乳化剤2〜15質量%、[B]固体粉体45〜84質量%、および、[C]繊維質1〜10質量%を含有するシールド掘進機用テールシール組成物。
(4)基油が、炭化水素油および/またはカルボン酸エステルであり、基油の引火点が240℃以上である(2)または(3)記載のシールド掘進機用テールシール組成物。
(5)乳化剤が、多価アルコール部分エステルである(2)または(3)記載のシールド掘進機用テールシール組成物。
本発明は、特定の基油に水を分散させた乳化油を用いることにより、難燃性であり火災への安全性が高く、止水性が高く、かつ、環境への負荷を低減することができるとの特有の効果を奏する。
本発明のシールド掘進機用テールシール組成物は、[A]油中に水が分散した乳化油15〜45質量%、[B]固体粉体45〜84質量%、および、[C]繊維質1〜10質量%を含有するものであるが、この組成物は、圧送の容易性、止水性、水分混入時の安定性、高温時での油保持力のため、15℃における密度が1.3〜1.7g/cmのものが好ましく、1.4〜1.6g/cmがより好ましい。また、同様の理由により、不混和ちょう度が150〜300のものが好ましく、210〜250がより好ましい。なお、本発明にいう不混和ちょう度の測定は、JIS K2220に準拠する方法による。
また、本発明のシールド掘進機用テールシール組成物は実質的に塩素などのハロゲン元素を含まないものが好ましい。ハロゲン元素含有量としては、テールシール組成物全量基準で、好ましくは、5質量%以下、より好ましくは、1質量%以下である。
[A]乳化油
本発明の乳化油は、油中に水が分散したものである。油中水型エマルションを用いることもできる。
通常、分散する水の平均粒子直径は0.1〜100μmである。
この乳化油の含有量は、組成物全量基準で15〜45質量%であるが、好ましくは、20〜40質量%、より好ましくは25〜35質量%である。
[A1]基油
油相を形成する基油としては、水と分離する油分であれば用いることができ、潤滑油基油として用いられる油分を用いることができる。基油の含有量は、組成物全量基準で12〜35質量%、特には20〜30質量%が好ましい。
具体的には、鉱油のような炭化水素、油脂などのエステル、エーテル、シリコーンなどを用いることができる。特には、鉱油、ポリαオレフィン、アルキルベンゼンなどの炭化水素化合物からなる炭化水素油や、天然油脂や合成エステルなどのエステル化合物であるカルボン酸エステルが好ましく用いられる。炭化水素油とカルボン酸エステルを混合して用いてもよい。
基油の引火点は、240℃以上、特には280℃以上、さらには300℃以上が好ましい。引火点は、通常500℃以下である。
40℃における動粘度は、100〜3000mm/s、特には200〜2000mm/sが好ましい。
鉱油は、原油を蒸留した留出油、または残渣分を原料とした精製油である。必要に応じて、石油精製プロセスにより処理される。精製プロセスや性状の異なる複数の精製油を混合して用いることができる。取り扱いの安全上の観点から芳香族分が20%以下のものが好ましい。
合成系の炭化水素化合物としては、ポリ‐α‐オレフィン(PAO)、低分子量エチレン・α‐オレフィン共重合体、アルキルベンゼンなどを用いることができる。
カルボン酸エステルは、カルボン酸とアルコールとのエステルであり、天然油脂や合成エステルを用いることができる。天然油脂としては、牛乳脂、牛脂、ラード(豚脂)、羊脂、鯨油、鮭油、かつお油、にしん油、鱈油、さらには大豆油、菜種油、ひまわり油、サフラワー油、落花生油、とうもろこし油、綿実油、米ぬか油、ゴマ油、オリーブ油、アマニ油、ヒマシ油、カカオ脂、パーム油、ヤシ油、麻実油、米油、茶種油などをそのまま、もしくは、適宜精製して用いることができる。
合成エステルは、カルボン酸とアルコールを合成したエステルである。カルボン酸、アルコールは、天然油脂からの分離や、化学合成により用意することができる。
このカルボン酸は、一価、多価のカルボン酸を用いることができるが、一価と二価のカルボン酸が好ましい。カルボン酸は、炭化水素の末端がカルボキシル基に置換されたものである。ここで、炭化水素は、炭素、水素以外の元素を含むものでもよいが、炭素、水素以外の元素を含まないことが好ましい。この炭化水素は、鎖状(非環状)または環状でもよく、飽和または非飽和でもよいが、鎖状炭化水素の一価または二価のカルボン酸が好ましい。カルボン酸の炭素数としては、4〜52、特には8〜40が好ましい。
このアルコールは、一価、多価のアルコールを用いることができるが、多価、特には2〜10価、更には2〜4価が好ましい。アルコールは、炭化水素の水素が水酸基に置換されたものである。ここで、炭化水素は、炭素、水素以外の元素を含むものでもよいが、炭素、水素以外の元素を含まないことが好ましい。この炭化水素は、鎖状(非環状)または環状でもよく、飽和または非飽和でもよいが、鎖状炭化水素、特には分岐短鎖水素の多価アルコールが好ましい。アルコールの炭素数としては、2〜15、特には3〜10が好ましい。
本発明で用いるカルボン酸エステルは、このようなカルボン酸とアルコールからなるものである。部分的に水酸基、カルボキシル基が残存してもよいが、残存しない完全エステルが好ましい。このエステルの水酸基価は、5mgKOH/g以下、特には1mgKOH/g以下が好ましい。このエステルの酸価は、5mgKOH/g以下、特には1mgKOH/g以下が好ましい。
複数種類のカルボン酸が混合されていても、複数種類のアルコールが混合されていてもよい。特には、二価カルボン酸と多価アルコールのエステルが好ましい。この場合に、一価カルボン酸や一価アルコールが含まれていてもよい。
[A2]水
水相を形成する水の含有量は、組成物全量基準で1〜8質量%、特には1.5〜5質量%が好ましい。基油100質量部に対して、水4〜20質量部、特には5〜10質量部配合することが好ましい。なお、本発明の水は、結晶水や高分子ポリマーに取り込まれた水を含まないものである。
水には他の成分が含まれていてもよい。その他の成分は、通常は、組成物全量基準で1質量%以下、特には0.1質量%以下である。
[A3]乳化剤
油中に水を安定に分散させるためには、乳化剤を含有することが好ましい。乳化剤としては、イオン型界面活性剤や非イオン型界面活性剤を用いることができる。非イオン型界面活性剤として、多価アルコール脂肪酸エステル、特にはその部分エステルが好ましく用いられる。
このような脂肪酸エステルを構成する多価アルコールとしては、2価〜10価、特には3価〜5価の多価アルコール、例えば、グリセリン、ソルダビン、プロピレングリコール、ショ糖などが挙げられる。また、このようなエステルを構成する脂肪酸としては、特に炭素数12〜20の飽和または不飽和の脂肪酸が好ましく用いられる。さらには、ソルダビンと炭素数12〜20の脂肪酸とのモノエステルが好ましく用いられる。
乳化剤の好ましい含有量は、組成物全量基準で2〜15質量%、特には3〜10質量%が好ましい。基油100質量部に対して、乳化剤8〜40質量部、特には10〜20質量部配合することが好ましい。
[B]固体粉体
本発明は、テールシール組成物の止水性と難燃性を向上させるために、固体粉体を用いる。固体粉体としては、珪素、マグネシウム、カルシウム等の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩等の無機粉体を用いることができ、さらにこれらの混合物、及び、天然に産するこれらの化合物を主成分とする鉱石の粉体等も用いることができる。具体的には、炭酸カルシウム、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、シリカ、ベントナイト、珪藻土など、特には炭酸カルシウムまたはタルクの粉体が好適である。これらの無機粉体は、一種類でも複数の種類を混合して用いてもよい。固体粉体としては、無機粉体以外に、メラミン化合物、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの有機物の粉体を用いることもできる。上記固体粉体は、平均粒径が0.5〜500μmのものが好ましく、5〜70μmのものがより好ましい。この固体粉体の含有量は45〜84質量%であり、50〜70質量%が好ましい。
本発明の固体粉体の一部分として、熱分解性粉体を用いることが好ましい。典型的な熱分解性粉体は、200℃〜500℃に加熱した際に、不燃性の化合物に分解するものである。特に、分解反応が吸熱反応となる化合物からなること好ましい。熱分解性粉体の平均粒径が0.5〜500μmのものが好ましく、5〜70μmのものがより好ましい。熱分解性粉体の含有量は、組成物全量基準で好ましくは15〜45質量%であるが、更に好ましくは、25〜35質量%である。代表的なこのような化合物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムやメラミン化合物がある。環境への影響を考慮すると臭素、塩素などのハロゲンを含まないことが好ましい。
水酸化アルミニウムは、化学式Al・3HO又はAl(OH)で表わされる結晶からなる粉体を用いることができる。結晶水を含む水酸化アルミニウムを用いることにより、温度が上昇すると、分解して水分を放出する。また、この分解時の吸熱反応によって燃焼温度を低下させる。メラミン化合物としては、メラミンと酸との化合物が好ましく、硫酸メラミン、ポリ化リン酸メラミン、メラミン・イソシアヌル酸の付加体(MCA)が例示される。
水酸化アルミニウムとメラミン化合物を組み合わせて用いることが好ましい。この際の水酸化アルミニウムとメラミン化合物の質量比は、1:1〜10:1が好ましく、4:1〜10:1がより好ましく、特には2:1〜7:1が好ましい。
熱分解性粉体以外の固体粉体としては、具体的には、炭酸カルシウム、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、シリカ、ベントナイト、珪藻土など、特には炭酸カルシウムまたはタルクの粉体が好適である。平均粒径が0.5〜500μmのものが好ましく、5〜50μmのものがより好ましい。熱分解性粉体以外の無機粉体の含有量は好ましくは20〜60質量%であり、更に好ましくは、25〜40質量%である。
[C]繊維質
繊維質は、シールド掘進機のテールシール部にある金属網や金属線を束ねたブラシに絡みつき、止水性のある濾布層を形成するために用いられる。繊維質は1〜10質量%、好ましくは2〜6質量%含有される。天然高分子からなる繊維質や、ポリプロピレン、ポリエステルなどの化学合成高分子からなる繊維質を用いることができる。天然高分子からなる繊維質としては、綿、麻などの天然繊維や、レーヨンなどの天然高分子を用いた再生繊維を用いることができる。天然高分子からなる繊維質を用いることで難燃性を向上できる。
この繊維質は、短繊維と長繊維とを含むことが好ましい。短繊維の平均長さが好ましくは0.8〜2.4mmであり、更に好ましくは0.8〜2.0mmである。長繊維の平均長さは、短繊維の平均長さの好ましくは1.0〜5.0倍であり、更に好ましくは1.2〜4.0倍である。含有される長繊維と短繊維の質量比が好ましくは1:4〜4:1であり、更に好ましくは1:2〜2:1である。短繊維の平均太さ(直径)は1〜100μm、特には1〜50μmが好ましい。長繊維の平均太さ(直径)は10〜500μm、特には20〜200μmが好ましい。
[D]他の添加剤
本発明のテールシール組成物には、上記成分以外に、必要に応じて、一般に潤滑油やグリースなどに用いられている、清浄剤、分散剤、摩耗防止剤、酸化防止剤、さび止め剤、腐食防止剤などを適宜添加することができる。特には、さび止め剤として、脂肪酸ポリオールエステルなどを、テールシール組成物全量基準で、0.2〜2質量%添加することが好ましい。
さらには、テールシール組成物を圧送するのに適したちょう度に調整する必要があり、グリース等で増ちょう剤として用いられている金属石けん系増ちょう剤、ウレア系増ちょう剤、有機ポリマー系増ちょう剤を併用することができる。この増ちょう剤の含有量は、テールシール組成物全量基準で、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましい。
金属石けん系増ちょう剤は、金属カルボン酸塩からなり、カルボン酸がステアリン酸、アゼライン酸などの脂肪族カルボン酸でも、テレフタル酸などの芳香族カルボン酸でもよく、特には1価または2価の脂肪族カルボン酸で、炭素数6〜20の脂肪族カルボン酸のものが好ましい。また、金属は、リチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムのような両性金属でもよいが、アルカリ金属、特にはリチウムが好ましい。このようなカルボン酸金属塩は、一種類でも複数の種類を混合して用いてもよい。
ウレア系増ちょう剤としては、ジイソシアネートとモノアミンとの反応で得られるジウレア化合物やジイソシアネートとモノアミン、ジアミンとの反応で得られるポリウレア化合物等が好適である。
本発明のシールド掘進機用テールシール組成物の他の態様として、[A1]基油12〜35質量%、[A2]水1〜8質量%、[A3]乳化剤2〜15質量%、[B]固体粉体45〜84質量%、および、[C]繊維質1〜10質量%を含有するシールド掘進機用テールシール組成物が挙げられる。
かかる態様のシールド掘進機用テールシール組成物が含有する[A1]基油、[A2]水、[A3]乳化剤、[B]固体粉体、および、[C]繊維質の具体的な態様、および、それらの好ましい範囲は、上述したとおりである。
また、使用し得る他の添加剤についても、上述したとおりである。
本発明のシールド掘進機用テールシール組成物の製造方法は特に限定されないが、基油、水および乳化剤を混合して乳化させた乳化油を得て、その乳化油、固体粉体および繊維質を混合して本発明の組成物を製造することが好ましい。
次に示す基油、固体粉体、および、繊維質などを用いて、表1に示す割合(質量%)で混合してテールシール組成物を調製し、不混和ちょう度を測定した。この結果を表1に示す。
〔テールシール組成物の成分〕
A.基油
カルボン酸エステル1 (オレイン酸2量体とネオペンチルグリコールのカルボン酸のエステル、40℃の動粘度:400mm/s、引火点:300℃)
カルボン酸エステル2 (セバシン酸およびイソステアリン酸とトリメチロールプロパンのカルボン酸エステル、40℃の動粘度:500mm/s、引火点:284℃)
鉱油(JX日鉱日石エネルギー社製、溶剤精製重質油、15℃の密度0.90g/cm、40℃の動粘度が500mm/s、引火点:300℃)
乳化油1(100質量部のカルボン酸エステル1に、水道水6質量部、乳化剤12質量部を混合、撹拌して乳化した。乳化剤は、ソルビタンモノイソステアレート。)
乳化油2(100質量部のカルボン酸エステル2に、水道水6質量部、乳化剤12質量部を混合、撹拌して乳化した。乳化剤は、ソルビタンモノイソステアレート。)
乳化油3(100質量部の鉱油に、水道水6質量部、乳化剤12質量部を混合、撹拌して乳化した。乳化剤は、ソルビタンモノイソステアレート。)
B.固体粉体
タルク(平均粒径;15μm)
炭酸カルシウム(平均粒径;5μm)
水酸化アルミニウム粉体(化学式:Al(OH)、(ナカライテスク株式会社製試薬)、平均粒径:55μm)
MCA(メラミン・イソシアヌル酸の付加体、日産化学社製、平均粒径:10μm)
C.繊維質
綿繊維(平均長さ:1.0mm、平均直径:20μm)およびセルロース繊維(平均長さ:3.0mm、平均直径:60μm)の質量比が1:1の混合物
D.他の添加剤
ポリマー:ポリブテン(JX日鉱日石エネルギー社製、グレードHV−300、15℃の密度0.898g/cm、40℃の動粘度が26,000mm/s)
Figure 0006553864
〔難燃性の評価〕
JIS K6911 A法の耐燃性試験に準じて評価した。上記で調製したテールシール組成物からなる試験片をメッシュ金網上支持し、その一端に都市ガスを燃料とする青色炎の先端を接触させ、30秒間保持する。30秒後、試験片を炎から離し、炎が消えるまでの時間を計測し、これを燃焼時間とした。炎から離した時間から180秒を超える場合、強制的に炎を吹き消し、燃焼時間180秒とした。燃焼時間が短いほど耐燃焼性に優れ、180秒以上の場合、テールシール用グリースとして耐燃焼性が不十分である。また、試験片の燃焼した長さを計測した。試験片の燃焼した長さが短いほど耐燃焼性に優れる。その評価結果を表1に併せて示す。
〔止水性の評価〕
次に示す条件で耐水圧試験を行い、流出水の有無を測定した。
底部中央部に、中心間隔5mmで縦横に4列、合計16個の開口(直径3mm)開口を有する内径52mmのステンレス製の圧力容器を用いた。開口上にステンレス製のメッシュ(50番、厚み0.85mm)を載せ、上記で調製したテールシール組成物50gを導入した。テールシール組成物上に水(10g)を置き、空気で35kgf/cmの圧力で5分間加圧し、その際の底部開口からの流出量により止水性の評価を行った(流出量5g以下を◎、5g以上15g未満を〇、15g以上25g未満を△、25g以上を×と評価し、その評価結果を表1に併せて示す。
〔生分解性の評価〕
CEC(Co−ordinating European Council)の“2−サイクル船外エンジン用オイルの水中に於ける生分解性に関する評価”(CECL−33−T−82)により、上記で調製したテールシール組成物の基油を評価した。この生分解率が70%以上の場合を◎、50%以上70%未満の場合を○、50%未満の場合を△と評価し、その評価結果を表1に併せて示す。
〔圧送性の評価〕
JIS−K2220に定められている見掛け粘度試験にて圧送性を評価した。上記で調製したテールシール組成物300g以上をシリンダに詰め、油圧によって毛管を通して押し出し、このとき系統内に発生する圧力を測定する。ポアズイユの式を用いて見掛け粘度を算出する。数値が低いほど、圧力損失が少なく、圧送性に優れる。見掛け粘度が10,000Pa・s未満を〇、10,000Pa・s以上20,000Pa・s未満を△、20,000Pa・s以上を×と評価し、その評価結果を表1に併せて示す。
本発明のテールシール組成物は、難燃性であるため火災への安全性が高く、止水性も高く、かつ、生分解性を有することから環境への負荷を低減することができるものであり、シールド掘進機用のテールシール組成物として有用である。

Claims (4)

  1. [A]油中に水が分散した乳化油15〜45質量%、
    [B]固体粉体45〜84質量%、および、
    [C]繊維質1〜10質量%
    を含有するシールド掘進機用テールシール組成物であって、
    前記[A]中の基油が、カルボン酸エステル、又はカルボン酸エステルと炭化水素油の混合油であり、そして
    前記乳化油が、基油100質量部に対して、水4〜20質量部と乳化剤8〜40質量部を含有する、前記シールド掘進機用テールシール組成物。
  2. [A1]基油12〜35質量%、
    [A2]水1〜8質量%、
    [A3]乳化剤2〜15質量%、
    [B]固体粉体45〜84質量%、および、
    [C]繊維質1〜10質量%
    を含有するシールド掘進機用テールシール組成物であって、
    前記基油が、カルボン酸エステル、又はカルボン酸エステルと炭化水素油の混合油であり、
    前記水の含量が、基油100質量部に対して、4〜20質量部であり、そして、
    前記乳化剤の含量が、基油100質量部に対して、8〜40質量部である、前記シールド掘進機用テールシール組成物。
  3. 油の引火点が240℃以上である請求項1または2に記載のシールド掘進機用テールシール組成物。
  4. 乳化剤が、多価アルコール部分エステルである請求項1〜3のいずれか一項に記載のシールド掘進機用テールシール組成物。
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