JP6552719B2 - 回転電機用電機子 - Google Patents
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Description
また、他の従来の磁性クサビは、短冊状磁性板をL字状に折り曲げて作製された磁性材薄板を積層してL形部材を構成しているので、L形部材の角部が円弧形状となってしまい、所望のシュー形状を正確に模擬できなかった。
磁性体部が矩形平板状の磁性鋼板をその厚み方向に積層して構成されているので、磁性鋼板の板厚や幅を変えることで、所望のシュー形状を簡易に、かつ正確に模擬できる。
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機用電機子を示す要部端面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機用電機子における電機子コアを示す要部端面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る回転電機用電機子における電機子コイルを電機子コアに装着する方法を説明する図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機用電機子における磁性クサビを示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機用電機子における磁性クサビを示す断面図である。
磁性クサビ10は、幅方向に離間して配置された一対の磁性体部11を非磁性部としての樹脂モールド部13で一体に連結して構成され、電機子コア2の軸方向長さに略等しい長さを有し、かつスロット6の開口部を塞口する断面形状を有する棒状体に作製されている。さらに、磁性クサビ10は、両側部から突出して長さ方向の一端から他端に至るように設けられた嵌合凸部14を有する。そして、磁性クサビ10は、軸方向外方から、嵌合凸部14を嵌合溝5に挿入して、隣り合うティース4の内周端部間に装着される。このとき、必要に応じて、接着剤を用いて磁性クサビ10とティース4に固着する。
ティース4が先細り形状であり、スロット6が矩形の断面形状となっているので、電機子コイル7の占積率が高められ、回転電機の銅損が低減される。
磁性鋼板12の積層体である磁性体部11を樹脂モールド部13で連結して構成された磁性クサビ10が、隣り合うティース4の内周端部間に装着されているので、電機子コア2の剛性が高められる。
また、磁性体部11は、磁性粉を加圧成形して磁性体部に比べて,剛性が高いので、電機子コア2の自重や遠心力に起因する撓みの発生や振動の発生を抑制できる。
また、非磁性の樹脂層の厚みを変えることで、磁性体部11における磁性体と非磁性体の体積比を調整し、磁性体部11の透磁率を調整できる。したがって、実施の形態1によれば、電機子コア2の磁気特性を用途に応じて自在に調整できる。
図7はこの発明の実施の形態2に係る回転電機用電機子における磁性クサビを示す断面図である。
また、磁性体部11Aが矩形平板状の磁性鋼板12を積層して構成されているので、磁性鋼板12の板厚、積層枚数、磁性鋼板12間の隙間、磁性鋼板12の短辺方向の長さを変化させることで、磁性体部11Aの形状を任意に設定できるので、所望のシュー形状を正確に模擬することができる。
図8はこの発明の実施の形態3に係る回転電機用電機子における磁性クサビを長さ方向の他端側から見た平面図である。
なお、実施の形態3では、磁性クサビ10に代えて磁性クサビ10Bを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
また、上記実施の形態3では、実施の形態1による磁性クサビの嵌合凸部の突出量を,磁性クサビの長さ方向の他端から一端側に向かって漸次長くなるように形成しているが、他の実施の形態による磁性クサビの嵌合凸部の突出量を、磁性クサビの長さ方向の他端から一端側に向かって漸次長くなるように形成してもよい。
図9はこの発明の実施の形態4に係る回転電機用電機子を示す斜視図である。なお、図中、電機子コイルは省略されている。
実施の形態4によれば、磁性クサビ10Cを用いることで、電機子コア2自体にスキューをつける必要がないので、煩雑な電機子コアの製造工程や電機子コイル7の装着工程をとる必要がなく、電機子1Cの生産性を向上できる。
図10はこの発明の実施の形態5に係る回転電機用電機子を示す斜視図である。なお、図中、電機子コイルは省略されている。
第1分割磁性クサビ20は、幅方向に離間して配置された一対の磁性体部11D1を非磁性部としての樹脂モールド部131で一体に連結して構成され、電機子コア2の軸方向長さの1/3の長さを有し、かつスロット6の開口部を塞口する断面形状を有する棒状体に作製されている。さらに、嵌合凸部14が、第1分割磁性クサビ20の両側部から突出して長さ方向の一端から他端に至るように設けられている。磁性体部11D1は、矩形平板状の磁性鋼板(図示せず)をその厚み方向に積層して構成され、磁性鋼板の短辺の長さ方向を第1分割磁性クサビ20の幅方向に一致させて、第1分割磁性クサビ20の幅方向両端部に配置されている。さらに、一対の磁性体部11D1間の間隔が、スロット6の開口部に装着されたときに、径方向内方に向かって漸次狭くなるように、磁性鋼板の短辺長さが設定されている。また、磁性鋼板が、嵌合凸部14内にも配置されている。
したがって、実施の形態5においても、上記実施の形態4と同様の効果が得られる。
また、実施の形態5では、実施の形態1における磁性クサビを軸方向に3つに分割し、3つの分割磁性クサビの樹脂モールド部の周方向位置を軸方向に順次ずらして、磁性クサビに段スキューをつけているが、他の実施の形態による磁性クサビに、同様にして、段スキューをつけてもよい。
図11はこの発明の実施の形態6に係る回転電機用電機子における磁性クサビを示す斜視図である。
なお、実施の形態6では、磁性クサビ10に代えて磁性クサビ10Eを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態6によれば、凹部15が樹脂モールド部13Eのスロット6側を向く面に長さ方向の一端から他端に至るように形成されているので、スロット6の断面積が増大される。これにより、電機子コイル7の巻回数を増やすことができるので、回転電機の効率を向上させることができる。また、電機子コイル7の巻回数を減らすことなく、コイル断面積を大きくすることができるので、通電電流の大電流化が可能となり、回転電機の高出力化が図られる。
また、上記実施の形態6では、凹部が長さ方向と直交する断面形状を円弧形とする溝形状に形成されているが、凹部の断面形状は円弧形に限定されない。
また、上記各実施の形態では、ティースは、その幅が径方向の内方向に向かって漸次狭くなる先細り形状に形成されているが、その幅が径方向の内方向に向かって一定に形成されていてもよい。
また、上記各実施の形態では、一対の磁性体部を連結する非磁性部として樹脂モールド部を用いているが、一対の磁性体部間の漏れ磁束を低減させる観点から、非磁性部をアルミや銅などの非磁性材料で作製してもよい。しかし、渦電流の発生を抑制する観点から、非磁性部は、電気絶縁性を備えていることが望ましい。
Claims (7)
- ティースが円環状のコアバックの内周面から径方向内方に突出して周方向に配列され、スロットが隣り合う上記ティースの間に形成されている電機子コアと、
上記電機子コアに装着された電機子コイルと、
隣り合う上記ティースの内周端部間に装着されて、上記スロットの開口部を塞口する磁性クサビと、を備え、
上記磁性クサビは、隣り合う上記ティースの内周端部間に周方向に離間して配置された一対の磁性体部と、一対の上記磁性体部を連結する非磁性部と、を備え、
上記磁性体部は、複数の矩形平板状の磁性鋼板をその厚み方向を径方向に一致させて径方向に積層して構成されている回転電機用電機子。 - 上記磁性部は、複数種類の磁性鋼板を積層して構成され、積層方向に隣り合う上記磁性鋼板の間の磁性が断裂されている請求項1記載の回転電機用電機子。
- 上記非磁性部は、一対の上記磁性体部を埋設する樹脂モールド部である請求項1又は請求項2記載の回転電機用電機子。
- 上記ティースは、周方向の両側面の内周端側に、溝方向を軸方向として、軸方向の一端から他端に至る一対の嵌合溝を有し、
上記磁性クサビは、周方向の両側面から突出して、軸方向の一端から他端に至る一対の嵌合凸部を有し、
上記磁性クサビは、上記嵌合凸部が上記嵌合溝に加圧挟持された状態で上記嵌合溝に嵌合されて、隣り合う上記ティースに保持されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機用電機子。 - 上記非磁性部の一対の上記磁性体部の間に位置する部位の周方向位置が、上記電機子コアの軸心に対してスキューしている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機用電機子。
- 上記磁性クサビは、それぞれ、上記非磁性部の一対の上記磁性体部の間に位置する部位の周方向位置が異なる複数の分割磁性クサビを軸方向に積層して構成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機用電機子。
- 上記磁性クサビは、上記樹脂モールド部の上記スロット側を向く面に、軸方向の一端から他端に至る凹部を有している請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転電機用電機子。
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