JP6552576B2 - 樹脂製タンク - Google Patents

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Description

本発明は、燃料の透過を防止するバリア層を備える樹脂製タンクに関する。
従来、インジェクション成形で形成される樹脂製タンクにおいて、タンクのアッパータンクとロアタンクとの分割体を溶着して接合する接合部を備え、この接合部のフランジ部に、外方に延びる保持部材が一体に成形されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1では、タンク本体の樹脂と、タンク本体の内側に設けられる樹脂との機能を異ならせるように、樹脂製タンクを2層(複数層)で形成している。
また、樹脂製タンクを2層に成形する場合、ブロー成形で樹脂製タンクを製造することも公知である。
特開2005−199884号公報
ところで、上記従来の樹脂製タンクでは、上記保持部材はタンクの分割体同士の接合部のフランジ部に設けられているが、更に樹脂製タンクの外面を活用して外装品をより高い自由度で樹脂製タンクに設けられるようにすることが望まれる。また、複数層で構成される樹脂製タンクの内層に燃料等の透過を防止するバリア層を備える場合には、バリア層をできるだけ均一に設けることが望まれる。
ブロー成形によって樹脂製タンクを2層に形成する場合を、図11を参照して説明する。
図11のブロー成形では、ブロー成形の成形用金型M内に表層の樹脂101と内層の樹脂102(例えばバリア層)とが設けられる。表層の樹脂101及び内層の樹脂102の内側に注入される空気によって表層の樹脂101及び内層の樹脂102が膨らむことで、樹脂製タンクは成形用金型Mの内面に沿う形状に成形される。ここで、表層の樹脂101に外方に突出する保持部材などの成形品103をブロー成形で一体に成形する場合、成形品103に対応する位置では表層の樹脂101が外側に凹むため、内層の樹脂102にも外側に凹むノッチNが発生する。このため、ノッチNの部分では、内層の樹脂102が部分的に薄くなったり、内層の樹脂102にしわが発生したりすることがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両の樹脂製タンクにおいて、外装品を樹脂製タンクに高い自由度で設け、且つ、バリア層を均一に設けることを目的とする。
本発明は、樹脂製のタンク本体(35)と、前記タンク本体(35)の内面に設けられ、前記タンク本体(35)からの燃料の透過を低減させるバリア層(36)とを備える樹脂製タンクにおいて、前記バリア層(36)は、前記タンク本体(35)の内面に沿う形状の賦形体(50a)として設けられ、前記賦形体(50a)に対向する前記タンク本体(35)の外面(30a)に、外方に突出するとともに前記外面(30a)の面方向に離間する結合部(90b)で前記外面(30a)に結合される外装品(33)が一体成形され、前記外装品(33)は、前記外面(30a)から外方に突出するとともに前記外面(30a)の表面を取り囲む囲曉壁(90)であり、前記タンク本体(35)において前記囲曉壁(90)に囲まれる部分に液体の注入口(31)が設けられ、前記タンク本体(35)は、前記タンク本体(35)を固定するための取付ステー(37)を備え、前記囲曉壁(90)が、前記取付ステー(37)の少なくとも一部に一体に結合されることを特徴とする。
また、上記発明において、前記賦形体(50a)に対し前記タンク本体(35)がインジェクション成形で形成されても良い。
また、上記発明において、前記囲曉壁(90)の他に前記外装品としてシート係合部(80)が設けられ、前記シート係合部(80)は、前記外面(30a)から外方に突出し前記タンク本体(35)の長手方向に延びるとともに幅方向に互いに離間する結合基部(85)と、前記結合基部(85)の突出方向の端部に設けられるフランジ部(86)とを備えても良い。
た、上記発明において、前記取付ステー(37)は、ステー本体部(70)と、前記ステー本体部(70)から前記注入口(31)側に延びて前記外面(30a)に結合される補強リブ(71)とを備え、前記補強リブ(71)が前記囲曉壁(90)に結合されても良い。
本発明に係る鞍乗り型車両の樹脂製タンクによれば、樹脂製のタンク本体と、タンク本体の内面に設けられ、タンク本体からの燃料の透過を低減させるバリア層とを備え、バリア層は、タンク本体の内面に沿う形状の賦形体として設けられ、賦形体に対向するタンク本体の外面に、外方に突出するとともに外面の面方向に離間する結合部で外面に結合される外装品が一体成形される。
この構成によれば、賦形体として設けられるバリア層に対向するタンク本体の外面に、外方に突出する外装品が一体成形されるため、外面に高い自由度で外装品を設けることができる。さらに、タンク本体の外面の面方向に離間する結合部でこの外面に結合される外装品が補強リブとして機能し、外力に対するタンク本体の変形を効果的に抑制できるため、バリア層の変形を抑制できる。また、タンク本体及び外装品は、賦形体に対向するタンク本体の外面に一体成形されるため、外装品の影響によるタンク本体の内面側のノッチの発生を防止でき、外装品が設けられる部分であっても、均一なバリア層を形成できる。このため、タンク本体からの燃料の透過を効果的に低減できる。
また、上記発明において、賦形体に対しタンク本体がインジェクション成形で形成されても良い。この構成によれば、賦形体のバリア層に対しタンク本体がインジェクション成形で形成されるため、タンク本体の内面側のノッチの発生を防止でき、均一なバリア層を形成できる。また、成形上の自由度が高くなり、タンク本体と一体成形される外装品の形状の多様化が可能となる。
また、上記発明において、外装品は、外面から外方に突出し、タンク本体の長手方向に延びるとともに幅方向に互いに離間する結合基部と、結合基部の突出方向の端部に設けられるフランジ部とを備えても良い。この構成によれば、タンク本体の長手方向に延びる外装品の結合基部によってタンク本体を長手方向に沿って効果的に補強でき、結合基部の長さによって強度の調整も行うことができる。また、結合基部が幅方向に互いに離間するため、タンク本体を幅方向に補強できる。
さらに、上記発明において、外装品は、外面から外方に突出するとともに外面の表面を取り囲む囲曉壁であり、タンク本体において囲曉壁に囲まれる部分に液体の注入口が設けられても良い。この構成によれば、注入口を囲む囲曉壁を、注入口から零れる液体のトレイとして使用でき、専用のトレイ部品を省略して部品点数を削減できる。さらに、囲曉壁によってタンク本体を補強でき、バリア層の変形を抑制できる。
また、上記発明において、タンク本体は、タンク本体を固定するための取付ステーを備え、囲曉壁が、取付ステーの少なくとも一部に一体に結合されても良い。この構成によれば、取付ステーを囲曉壁によって補強できるため、タンク本体の支持剛性が向上し、タンク本体の容量を拡大できる。
また、上記発明において、取付ステーは、ステー本体部と、ステー本体部から注入口側に延びて外面に結合される補強リブとを備え、補強リブが囲曉壁に結合されても良い。この構成によれば、補強リブによって取付ステーを補強できるとともに、取付ステーと注入口との間が離れている場合であっても、補強リブを介して突出壁と取付ステーとを結合させることができる。
本発明の実施の形態に係る自動二輪車の前部を左後方側から見た斜視図である。 燃料タンクを左上方側から見た斜視図である。 燃料タンクを車幅の中央で切断した断面図である。 燃料タンクを分割した状態を示す左側面図である。 燃料タンク本体の製造工程を示す模式図である。 図3のVI−VI断面図である。 平面部において、上半体と下半体とが接合される部分の断面図である。 図7において接合の前の状態を示す断面図である。 前部取付ステーを左上方側から見た斜視図である。 図9のX−X断面図である。 比較例のブロー成形による樹脂製タンクの断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車の前部を左後方側から見た斜視図である。
自動二輪車1は、車体フレームF(車体)にパワーユニットとしてのエンジン10が支持され、前輪2を操舵可能に支持する操舵系11が車体フレームFの前端に操舵可能に支持され、後輪(不図示)を支持するスイングアーム(不図示)が車体フレームFの後部側に設けられる車両である。自動二輪車1は、運転者が跨るようにして着座するシート13(外装部品)が車体フレームFの後部の上方に設けられる鞍乗り型車両である。
車体フレームFは、ヘッドパイプ部14と、左右一対のメインフレーム15,15と、ダウンフレーム16と、左右一対のピボットフレーム(不図示)と、左右一対のシートフレーム17,17(左側のシートフレームは不図示)と、左右一対のサブフレーム(不図示)とを備える。
ヘッドパイプ部14は、車体フレームFの前端に設けられる。
メインフレーム15,15は、ヘッドパイプ部14から後下がりに後方へ延びる。
ダウンフレーム16は、ヘッドパイプ部14においてメインフレーム15,15の下方の位置から下方に延び、前輪2の後方で屈曲して後方に延びる。
上記ピボットフレームは、メインフレーム15,15の後端部から下方に延びてダウンフレーム16の後端に接続される。
シートフレーム17,17は、メインフレーム15,15の後端部から後方へ延びる。
上記サブフレームは、上記ピボットフレームから後上方に延びてシートフレーム17,17の後部に接続される。
操舵系11は、ヘッドパイプ部14に軸支されるステアリングシャフト20と、ステアリングシャフト20の上端に固定されるトップブリッジ21と、ステアリングシャフト20の下端に固定されるボトムブリッジ22と、トップブリッジ21及びボトムブリッジ22に支持される左右一対のフロントフォーク23,23と、トップブリッジ21に固定される操舵用のハンドル24とを備える。
前輪2は、フロントフォーク23,23の下端部に軸支される。フロントフェンダー25はボトムブリッジ22に支持される。
エンジン10は、メインフレーム15,15の下方に位置し、車両前後方向では、ダウンフレーム16と上記ピボットフレームとの間に配置される。
シート13は、シートフレーム17,17の上方に配置され、シートフレーム17,17に支持される。
燃料タンク30(樹脂製タンク)は、メインフレーム15,15に沿うようにメインフレーム15,15の上方に配置され、メインフレーム15,15に支持される。燃料タンク30は、車両前後方向では、ヘッドパイプ部14とシート13との間に配置される。シート13の前端部は、燃料タンク30の上面30a(外面)の後部を上方から覆う。
図2は、燃料タンク30を左上方側から見た斜視図である。
図1及び図2に示すように、燃料タンク30の上面30aの前部には、燃料(液体)の注入口としての給油口31が設けられる。給油口31にはタンクキャップ32が取り付けられ、給油口31はタンクキャップ32によって閉じられる。
燃料タンク30には、給油口31を周囲から囲うトレイ33(外装品)が設けられる。トレイ33は、タンクキャップ32と燃料タンク30の上面30aとの間に設けられる。
トレイ33は、下方に延びるドレン管33aが設けられる。給油時等に零れた燃料(液体)はトレイ33によって受けられ、ドレン管33aから下方に排出される。
燃料タンク30は、上面30aにおいて給油口31の後方に、シート13の前端部が係合するシート係合部80(外装品)を備える。
図3は、燃料タンク30を車幅の中央で切断した断面図である。図4は、燃料タンク30を分割した状態を示す左側面図である。
図2〜図4を参照し、燃料タンク30は、樹脂製の燃料タンク本体35(タンク本体)と、燃料タンク本体35の内面の略全体に設けられるバリア層36とを備える。バリア層36の厚さはその全体に亘って略一定である。
バリア層36は、燃料タンク本体35を構成する素材よりも燃料の透過性が小さい素材で構成される。バリア層36によって、燃料タンク30内に貯留されるガソリン等の燃料が燃料タンク30を透過して外部に漏れることが抑制される。
燃料タンク本体35の前部の上部には、前方へ突出する前部取付ステー37(取付ステー)が設けられる。
燃料タンク本体35の前部は、前部取付ステー37に上方から挿通されるタンク固定具39a(固定具、図1参照)によって、ヘッドパイプ部14の後部の上面に固定される。
燃料タンク本体35の後部の下部には、下方へ突出する後部取付ステー38L,38Rが左右一対設けられる。
メインフレーム15,15は、上方に延出するタンクステー15a,15a(図1)を後部に備える。
燃料タンク本体35の後部は、後部取付ステー38L,38Rに車幅方向外側からそれぞれ挿通されるタンク固定具39b,39b(図1参照)によって、タンクステー15a,15aに固定される。
燃料タンク本体35は、燃料注入用(液体注入用)の筒状注入部40(注入口)を前部の上部に備える。筒状注入部40は、上下方向に延びる円筒であり、筒状注入部40の上端部は、給油口31を形成する。
筒状注入部40は、燃料タンク本体35を構成する樹脂材料と同一の樹脂材料によって構成されており、燃料タンク本体35と一体に形成される。
筒状注入部40には、筒状注入部40の外周及び内周を覆う金属製の口金(不図示)が取り付けられる。
また、燃料タンク本体35は、燃料ポンプ43が取り付けられるポンプ取付開口部44を下面に備える。
燃料タンク本体35は、燃料タンク本体35の上側部分を構成する上半体45(分割体、一方の分割体)と、燃料タンク本体35の下側部分を構成する下半体46(分割体、他方の分割体)とに分割されている。燃料タンク本体35は、上半体45と下半体46とを接合することでタンク状に形成される。
上半体45は、下面が下方に開口するケース状に形成される。上半体45の下面の開口の周縁部は、下半体46に接合される上側接合部47である。車両側面視では、上側接合部47は、後部で略水平に延びる平面部47aと、平面部47aに対し傾斜して前上がりに前方へ延びる斜面部47bとを備える。
前部取付ステー37は、上半体45の前端部に設けられる。筒状注入部40は、上半体45の上面30aの前部に設けられる。ここで、上半体45の上面30aは、燃料タンク30の上面30aである。
下半体46は、上面が上方に開口するケース状に形成される。下半体46の上面の開口の周縁部は、上半体45に接合される下側接合部48である。車両側面視では、下側接合部48は、平面部47aに対して平行な平面部48aと、斜面部47bに対して平行な斜面部48bとを備える。平面部47aは平面部48aに接合され、斜面部47bは斜面部48bに接合される。
後部取付ステー38L,38Rは、下半体46の後部に設けられる。ポンプ取付開口部44は、下半体46の下面に設けられる。
詳細には、上半体45及と下半体46とは、上半体45の上側接合部47の下面により構成される上側接合面47c(接合面)と、下半体46の下側接合部48の上面により構成される下側接合面48c(接合面)とが合わさる部分で溶着されることで一体化される。
バリア層36は、上半体45の内面に結合される上側バリア層36a(一方のバリア層)と、下半体46の内面に結合される下側バリア層36b(他方のバリア層)とを備える。
図5は、燃料タンク本体35の製造工程を示す模式図である。
図5を参照し、押し出し成形用のダイ51に、バリア層36を構成する複数の材料が供給され、シート状の成形体50がダイ51から押し出される。
成形体50は、真空成形機52によって、燃料タンク本体35の内面に沿う形状に賦形されて固化し、賦形体50aとなる。賦形体50aとなったバリア層36は、トリミング用の金型(不図示)によって、周縁部をトリミングされる。
トリミングされた賦形体50aは、燃料タンク本体35を成形するインジェクション成形(射出成形)の金型53内にセットされ、燃料タンク本体35のインジェクション成形の際に燃料タンク本体35に一体化される。すなわち、バリア層36は、インサート成形によって燃料タンク本体35の内面に結合される。換言すると、燃料タンク本体35は、インジェクション成形によって賦形体50a上に形成される。
ここで、上側バリア層36aと下側バリア層36bとは個別に成形される。
上側バリア層36aは、上半体45のインジェクション成形の際に上半体45に結合され、下側バリア層36bは、下半体46のインジェクション成形の際に下半体46に結合される。
その後、上側接合面47c及び下側接合面48cが加熱によって溶かされ、上側接合面47cと下側接合面48cとが圧着されることで、上半体45と下半体46とが一体化される。
図6は、図3のVI−VI断面図である。
燃料タンク30は、燃料タンク本体35の1層と、5層で構成されるバリア層36とによって6層で構成される。
バリア層36は、バリア層本体55と、バリア層本体55の両面に設けられる接着層56,56と、接着層56,56を介してバリア層本体55の両側に接着される外層57a,57bとを備える。
燃料タンク本体35の材質は、一例として、高密度ポリエチレン(HDPE)である。
バリア層本体55は、高密度ポリエチレンよりも燃料成分を透過させ難い材質で構成される。バリア層本体55は、一例として、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)で構成される。
外層57a,57bは、燃料タンク本体35と同じ材質で構成され、一例として、高密度ポリエチレンで構成される。
バリア層36は、燃料タンク本体35側の外層57aを介して燃料タンク本体35の内面に結合される。バリア層36は、燃料タンク本体35と同一の材質の外層57aを介して燃料タンク本体35の内面に結合されるため、燃料タンク本体35への密着性が高く、燃料タンク本体35に強固に結合される。
バリア層36は、外層57bが燃料タンク本体35内に露出して燃料に接する。このため、燃料のバリア層本体55への直接的な接触が防止される。
図7は、平面部47a,48aにおいて、上半体45と下半体46とが接合される部分の断面図である。
上側接合部47は、上半体45の外面から燃料タンク本体35の外側に突出するフランジ状に形成されている。上側接合部47は、上半体45の全周に亘って設けられる。
上側接合部47の幅W1は、上半体45の側壁部45a(壁部)の厚さt1よりも大きい。
フランジ状の上側接合部47の先端部の上面には、上側接合面47cと平行な押圧面47dが形成される。
また、上半体45は、上側接合部47の先端面の上部から上方に延びる周縁リブ47eを備える。周縁リブ47eは、上半体45の略全周に亘って設けられる。
押圧面47dは、周縁リブ47eと上半体45の外面との間に形成される溝部58の底面である。
上半体45は、溝部58に係合して押圧面47dを押圧する押圧冶具J1によって、下半体46の下側接合面48cに押し付けられる。
押圧面47dは、押圧冶具J1の押圧方向Pにおいて、上側接合面47cに重なる。このため、押圧冶具J1によって上側接合面47cを直接的に押圧でき、良好に圧着を行うことができる。
下側接合部48は、下半体46の外面から燃料タンク本体35の外側に突出するフランジ状に形成されている。下側接合部48は、下半体46の全周に亘って設けられる。
下側接合部48の幅W2は、下半体46の側壁部46a(壁部)の厚さt2よりも大きい。
フランジ状の下側接合部48の先端部の下面には、下側接合面48cと平行な押圧面48dが形成される。
また、下半体46は、下側接合部48の先端面の下部から下方に延びる周縁リブ48eを備える。周縁リブ48eは、下半体46の略全周に亘って設けられる。
押圧面48dは、周縁リブ48eと下半体46の外面との間に形成される溝部59の底面である。
下半体46は、溝部59に係合して押圧面48dを押圧する押圧冶具J2によって、上半体45の上側接合面47cに押し付けられる。
押圧面48dは、押圧冶具J2の押圧方向Pにおいて、下側接合面48cに重なる。このため、押圧冶具J2によって下側接合面48cを直接的に押圧でき、良好に圧着を行うことができる。
押圧方向Pは、上半体45及び下半体46の接合方向である。
上側バリア層36aの端縁は、上側接合面47cの近傍に設けられ、この端縁には、燃料タンク本体35の外側に向かって屈曲する屈曲部61が形成される。
屈曲部61は、上半体45の内面に沿う上側バリア層36aの本体部36a1に対し、略直角に屈曲する。
詳細には、屈曲部61は、上側接合面47cから距離Dだけ上方に離間した位置で、上半体45の内面に埋め込まれている。屈曲部61は、上側接合面47cと平行に燃料タンク本体35の外側へ延びる。
屈曲部61は、押圧方向Pにおいて、押圧面47dと上側接合面47cとの間に配置される。屈曲部61の長さは、側壁部45aの厚さt1よりも小さい。
下側バリア層36bの端縁は、下側接合面48cの近傍に設けられ、この端縁には、燃料タンク本体35の外側に向かって屈曲する屈曲部62が形成される。
屈曲部62は、下半体46の内面に沿う下側バリア層36bの本体部36b1に対し、略直角に屈曲する。
詳細には、屈曲部62は、下側接合面48cから距離Dだけ下方に離間した位置で、下半体46の内面に埋め込まれている。屈曲部62は、下側接合面48cと平行に燃料タンク本体35の外側へ延びる。
屈曲部62は、押圧方向Pにおいて、押圧面48dと下側接合面48cとの間に配置される。屈曲部62の長さは、側壁部46aの厚さt2よりも小さい。
屈曲部61,62は、真空成形機52(図5)による賦形の際に形成された成形体50の周縁部の屈曲部分を、上記トリミング用の金型(段落0026参照)の切れ刃によってトリミングすることで形成される。屈曲部61,62の先端には、上記切れ刃によって屈曲部61,62の厚さ方向にトリミングされた切断面61a,62aが形成される。このため、屈曲部61,62を容易に形成できるとともに、屈曲部61,62を高精度に形成できる。
屈曲部61,62は、インジェクション成形の金型53(図5)によって上半体45及び下半体46を成形する際に、上半体45及び下半体46に埋め込まれる。このため、屈曲部61,62を容易に埋め込むことができる。
図8は、図7において、接合の前の状態を示す断面図である。
図8に示すように、上側接合部47は、接合する前の状態では、圧着代L1と、溶融代L2との分だけ押圧方向Pに厚く形成されている。
同様に、下側接合部48は、接合する前の状態では、圧着代L1と、溶融代L2との分だけ押圧方向Pに厚く形成されている。
溶融代L2は、上側接合部47及び下側接合部48を圧着代L1の部分まで加熱する際に溶融される部分であり、燃料タンク本体35の完成品には残されない。
圧着代L1は、溶着の際に圧着される部分であり、圧着代L1の部分の一部は、圧力によって上側接合面47c及び下側接合面48cからはみ出るはみ出し部63,63(図7)となる。
バリア層36の屈曲部61,62は、燃料タンク本体35内のはみ出し部63に対し上下に離間している。
本実施の形態では、バリア層36の屈曲部61,62は、上側接合面47c及び下側接合面48cから上下方向にそれぞれ離間しており、上側接合面47c及び下側接合面48cに対して溶着されない。これにより、上側接合面47cと下側接合面48cとの溶着の際に、上側バリア層36a及び下側バリア層36bについて溶着を管理する必要がないため、上半体45と下半体46とを容易に溶着できる。
また、屈曲部61と屈曲部62との間には、バリア層36が存在しない領域があるが、この領域は小さいため、この領域からの燃料の外側への透過は許容される。
図8に示すように、上側接合部47及び下側接合部48は、押圧方向Pにおける周縁リブ47e,48eの端から溶融代L2の先端まで延びる出代部をそれぞれ有する。この出代部の長さは出代寸法L3である。出代寸法L3は、上側接合面47c及び下側接合面48cに対して直交する方向の長さである。なお、出代寸法L3は、例えば、押圧面47d,48dから溶融代L2の先端までの長さであっても良い。
図4に示すように、溶着に伴って上半体45と下半体46と押圧方向Pに移動させる際、上側接合部47の平面部47aと下側接合部48の平面部48aとを平行にした状態では、上側接合面47cと下側接合面48cとの間の隙間Gの大きさは、いずれの場所においても等しい。すなわち、平面部47aと平面部48aとの間の隙間Gと、斜面部47bと斜面部48bとの間の隙間Gとは大きさが等しい。ここで、隙間Gは、押圧方向Pの隙間である。このため、押圧方向Pの押圧力を上側接合部47及び下側接合部48の全体に均等に作用させることができる。
また、出代寸法L3は、上側接合部47の全周及び下側接合面48cの全周に亘って等しい。
斜面部47b,48bは、押圧方向Pに対して傾斜しているため、溶着の際に斜面部47b,48bに作用する押圧力は、平面部47a,48aに作用する押圧力よりも小さくなる。
本実施の形態では、図7を参照し、斜面部47b,48b(図4)の部分の上側接合部47及び下側接合部48の幅W3(図7の仮想線の部分)は、平面部47a,47aの部分の幅W1,W2よりも小さい。
これにより、斜面部47b,48bの部分における上側接合面47c及び下側接合面48cの面積が小さくなり、押圧方向Pの押圧力による斜面部47b,48bの面圧が大きくなる。このため、上側接合部47及び下側接合部48の全体に作用する面圧を均一化でき、良好に溶着できる。
次に、前部取付ステー37の構造について説明する。
図9は、前部取付ステー37を左上方側から見た斜視図である。図10は、図9のX−X断面図である。
図9及び図10を参照し、前部取付ステー37は、上半体45の前端部において、燃料タンク本体35の幅方向(車幅方向)の中央部に設けられ、給油口31の前方に位置する。
前部取付ステー37は、上半体45の上面30aに設けられるステー本体部70と、ステー本体部70の後面に設けられる補強リブ71,71とを一体に備える。
ステー本体部70は、上半体45の上面30aの前縁から上方に延出する縦壁部72と、縦壁部72の上端から前方に延びる板状の前方延出部73と、前方延出部73を板厚方向に上下に貫通する取付孔74とを備える。
縦壁部72は、上半体45の上面30aの前縁に沿って上方に延びる板状に形成される。縦壁部72の後面は、補強リブ71,71によって、上半体45の前端部の上面30aに接続される。
補強リブ71,71は、縦壁部72の後面の左右の側縁部に一対設けられる。補強リブ71,71は、ステー本体部70と給油口31との間に配置されて前後に延びる。補強リブ71,71の後縁は、給油口31側に向けて後下がりに下るように傾斜している。
前方延出部73は、前上がりに前方へ延びる。前方延出部73の下面は、リブ75,75によって縦壁部72の前面に接続される。リブ75,75は、前方延出部73の左右の側縁から左右一対で下方に延び、後端が縦壁部72の前面の左右の側縁部に接続される。リブ75,75の前縁は、車両側面視で後下がりに傾斜する。リブ75,75の下端部75aは、フランジ状の上側接合部47の上部に接続される。リブ75,75は、上側接合部47から前方延出部73の下面まで延びる。
取付孔74は、丸穴である。取付孔74は、前方延出部73において左右のリブ75,75の間の位置に設けられる。
取付孔74には、防振性を備える円筒状のカラー部材76が嵌合され、タンク固定具39aは、カラー部材76の孔に上方から挿通される。タンク固定具39aはボルトである。
タンク固定具39aは、カラー部材76を介し、前部取付ステー37を車体フレームF(図1)に締結する。
図10に示すように、前部取付ステー37の縦壁部72は、上側接合面47c及び下側接合面48cに対し上方に離間した上半体45の上面30aから上方に延出する。すなわち、前部取付ステー37は、上側接合面47c及び下側接合面48cから上下方向に離間した位置で上半体45に一体に設けられる。
これにより、前部取付ステー37を介して上半体45に伝達される外力は、上側接合面47c及び下側接合面48cに集中せずに、上半体45の上面部に分散される。このため、上側接合面47c及び下側接合面48cの近傍のバリア層36への外力の影響を低減でき、バリア層36を効果的に保護できる。
前方延出部73の上面において取付孔74と縦壁部72との間には、燃料タンク本体35の幅方向に延びる上面溝73aが設けられる。
また、前方延出部73の下面において、取付孔74と前方延出部73の前端との間には、前後方向に延びる下面溝73bが設けられる。
上面溝73a及び下面溝73bが設けられる部分では、前方延出部73の板厚が小さくなり、前方延出部73の強度が小さくなる。すなわち、上面溝73a及び下面溝73bは、前方延出部73の強度を小さくする脆弱部である。前方延出部73の強度は、取付孔74の周囲に設けられる上面溝73a及び下面溝73bの部分で低くなる。
前部取付ステー37に過度な外力が作用する場合、前部取付ステー37は、上面溝73a及び下面溝73bの周辺部で先に破損し、外力の一部は前部取付ステー37で吸収される。このため、過度な外力が前部取付ステー37を介してバリア層36に伝達されることを抑制でき、バリア層36を保護できる。
燃料タンク本体35は、燃料タンク本体35の上面30aに、燃料タンク本体35と一体成形される外装品として、シート係合部80(図1)と、トレイ33(図1)とを備える。
ここで、燃料タンク本体35の上面30aは、上半体45の外表面において、フランジ状の上側接合部47の部分を除く外面である。また、上面30aは、燃料タンク本体35の内面に賦形体50aとして設けられるバリア層36に対し、燃料タンク本体35の板厚方向に対向する部分である。
図1〜図3を参照し、シート係合部80には、シート13の前端部の下面部が係合する。
シート13は、クッション81と、クッション81を下方から支持するシート底板82と、クッション81を上方から覆うシート表皮83とを備える。シート13は、自動二輪車1の外観面の一部を構成する外装部品であり、燃料タンク30に近接して配置される。
シート底板82の前部は、図3の側面視では、燃料タンク本体35の上面30aの後部に沿うように、前上がりに傾斜する。
シート底板82は、前方に突出する取付フック部材84を、前端部の下面に備える。取付フック部材84は、シート底板82の下面に沿うように前方へ延びる。
シート13は、取付フック部材84が燃料タンク本体35のシート係合部80に後方から係合することで、燃料タンク本体35に固定される。
図2、図3及び図6を参照し、シート係合部80は、上面30aから燃料タンク本体35の外方へ上方に延びるとともに幅方向に互いに離間する一対の結合基部85,85(結合部)と、各結合基部85の上端に設けられる各フランジ部86とを備える。
結合基部85,85は、燃料タンク本体35の車幅方向の中央において上面30aに立設される。結合基部85,85は、上面30aに対する結合部であり、長手方向に延びるとともに、車幅方向に互いに離間する。結合基部85,85は矩形の断面形状を有する壁状に形成されており、燃料タンク本体35の補強部材を兼ねている。
燃料タンク本体35は、車幅方向よりも車両前後方向に長く延びている。基部85,85のサイズは、車幅方向の幅D1よりも、燃料タンク本体35の長手方向である前後方向の長さD2が大きく形成されている。
フランジ部86は、各結合基部85の上端から車幅方向の外側に延出する。
シート係合部80は、車両前後方向で見た場合、図6に示すように、結合基部85,85及びフランジ部86,86によってT字状に形成される。なお、フランジ部86を結合基部85,85の上端の車幅方向の一方のみに設けてシート係合部80をL字状に形成しても良い。
シート底板82の取付フック部材84は、二股に分かれて前方に延出する左右一対のフック部84a,84aを備える。
取付フック部材84は、左右のフック部84a,84aの間に結合基部85,85を嵌めるように設けられるとともに、フック部84a,84aがフランジ部86の下面に当接するようにシート係合部80に係合する。
シート係合部80は、図5に示すインジェクション成形の際に、燃料タンク本体35と一体に成形される樹脂部である。このため、燃料タンク本体35に対し別部品のシート係合部を固定具等で燃料タンク本体35に取り付ける構成に比して、シンプルな構造でシート係合部80を設けることができる。また、燃料タンク本体35の上面30aの広い範囲を利用してシート係合部80を設けることができるため、シート係合部80の形状及び設置位置の自由度が高く、設計の自由度を向上できる。
また、シート係合部80が燃料タンク本体35の上面30aの補強リブとして機能するため、外力に対する燃料タンク本体35の変形を低減でき、バリア層36に作用する負荷を低減してバリア層36の変形を抑制できる。
さらに、シート係合部80の結合基部85,85が燃料タンク本体35の長手方向に長く延びるため、燃料タンク本体35の長手方向の剛性を結合基部85,85によって効果的に増加させることができる。なお、結合基部85,85のサイズを調整することで、燃料タンク本体35の剛性を調整できる。
本実施の形態では、図5のように予め賦形体50とされたバリア層36に対し、インジェクション成形によって燃料タンク本体35が形成されるため、燃料タンク本体35の内面のノッチNの発生を防止できる。このため、図11の比較例のブロー成形による成形方法に比して、バリア層36の凹みやしわの発生を抑制でき、全体的に、バリア層36を上面30aに対し略平行且つ厚さが略均一な平坦部にすることができ、燃料タンク本体35の内面に良好なバリア層36を形成できる。
図2、図3、図9及び図10を参照し、トレイ33は、燃料タンク本体35の上面30aから燃料タンク本体35の外方に突出する円環状の囲曉壁90と、囲曉壁90の内周側に設けられる底壁91とを一体に備える。
囲曉壁90は、筒状注入部40と略同軸且つ筒状注入部40よりも大径に設けられる円筒状に形成される。囲曉壁90は、上面30aから上方に突出し、筒状注入部40の給油口31を外側から囲む。
囲曉壁90は、上面30a表面の一部を取り囲むように環状に形成される。囲曉壁90の下端部は、上面30aに対する囲曉壁90の結合部90b(図10)である。この結合部90bは、上面30aの面上で環状に広がっており、上面30aの面方向(面の延在方向)に互いに離間する。例えば、結合部90bの前部と後部とは、互いに対向しており、上面30aの面方向に互いに離間する。また、結合部90bの左部と右部とは、互いに対向しており、上面30aの面方向に互いに離間する。
このように、囲曉壁90が上面30aの面方向に広がっているため、燃料タンク本体35の上面30aの剛性を効果的に増加させることができる。
囲曉壁90の前部は、前後方向において前部取付ステー37と筒状注入部40との間に位置する。
底壁91は、筒状注入部40の外周部と囲曉壁90の内周部との間に設けられる円板状の部分であり、上面30aの一部によって構成される。
すなわち、トレイ33は、底壁91と、底壁91から上方に突出する囲曉壁90とによって皿状に形成され、筒状注入部40は、トレイ33の略中央に位置する。
筒状注入部40から給油時等に零れる燃料は、底壁91によって受けられるとともに囲曉壁90によって堰き止められ、ドレン管33a(図1)から下方に排出される。
トレイ33の前端部は、前部取付ステー37に一体に結合される。
詳細には、前部取付ステー37の補強リブ71,71は、囲曉壁90の円周上に前方側から交差するように設けられており、囲曉壁90の前端部90aは補強リブ71,71に一体に結合される。囲曉壁90の前端部90aは、縦壁部72と補強リブ71,71との間の位置で、左右の補強リブ71,71を車幅方向に連結する。
トレイ33は、図5に示すインジェクション成形の際に、燃料タンク本体35と一体に成形される樹脂部である。このため、燃料タンク本体35に対し別部品の燃料トレイを固定具等で燃料タンク本体35に取り付ける構成に比して、シンプルな構造でトレイ33を設けることができる。また、燃料タンク本体35の上面30aの広い範囲を利用してトレイ33を設けることができるため、トレイ33の形状及び設置位置の自由度が高く、設計の自由度を向上できる。
また、囲曉壁90が燃料タンク本体35の上面30aの補強リブとして機能するため、外力に対する燃料タンク本体35の変形を低減でき、バリア層36に作用する負荷を低減してバリア層36の変形を抑制できる。
さらに、トレイ33の囲曉壁90の前端部90aと前部取付ステー37の補強リブ71,71とが一体に結合されるため、トレイ33及び前部取付ステー37の剛性を相互に増加させることができる。
また、トレイ33においても、図11の比較例で説明したノッチNの囲曉壁90近傍での発生を防止できるため、トレイ33の内面側に均一なバリア層36を形成できる。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、自動二輪車1の樹脂製の燃料タンク30は、樹脂製の燃料タンク本体35と、燃料タンク本体35の内面に設けられ、燃料タンク本体35からの燃料の透過を低減させるバリア層36とを備え、バリア層36は、燃料タンク本体35の内面に沿う形状の賦形体50aとして設けられ、賦形体50aに対向する燃料タンク本体35の外面である上面30aに、外方に突出するとともに上面30aの面方向に離間する結合基部85,85で上面30aに結合される外装品としてシート係合部80が一体成形される。また、上面30aには、外方に突出するとともに上面30aの面方向に離間する結合部90bで上面30aに結合される外装品としてトレイ33が一体成形される。
この構成によれば、賦形体50aとして設けられるバリア層36に対向する上面30aに、外方に突出するシート係合部80及びトレイ33が一体成形されるため、上面30aに高い自由度で外装品としてのシート係合部80及びトレイ33を設けることができる。さらに、燃料タンク本体35の上面30aに設けられるシート係合部80及びトレイ33が補強リブとして機能し、外力に対する燃料タンク本体35の変形を抑制できるため、バリア層36の変形を抑制できる。結合基部85,85は、上面30aの面方向に互いに離間するため、上面30aの面方向に燃料タンク本体35の剛性を向上できる。また、上面30aに対するトレイ33の結合部90bは、その構成要素が上面30aの面方向に離間するため、上面30aの面方向に燃料タンク本体35の剛性を向上できる。また、燃料タンク本体35、シート係合部80及びトレイ33は、賦形体50aに対向する燃料タンク本体35の上面30aに一体成形されるため、シート係合部80及びトレイ33の影響による燃料タンク本体35の内面側のノッチNの発生を防止でき、シート係合部80及びトレイ33が設けられる部分であっても、均一なバリア層36を形成できる。このため、燃料タンク本体35からの燃料の透過を効果的に低減できる。
また、賦形体50aに対し燃料タンク本体35がインジェクション成形で形成される。この構成によれば、賦形体50aのバリア層36に対し燃料タンク本体35がインジェクション成形で形成されるため、燃料タンク本体35の内面側のノッチNの発生を防止でき、均一なバリア層36を形成できる。また、成形上の自由度が高くなり、燃料タンク本体35と一体成形されるシート係合部80及びトレイ33の形状の多様化が可能となる。
また、シート係合部80は、上面30aから外方に突出し燃料タンク本体35の長手方向に延びるとともに幅方向に互いに離間する結合基部85,85と、結合基部85,85の突出方向の端部に設けられるフランジ部86,86とを備える。
この構成によれば、燃料タンク本体35の長手方向に延びるシート係合部80の結合基部85,85によって燃料タンク本体35を長手方向に沿って効果的に補強でき、結合基部85,85の長さによって強度の調整も行うことができる。また、結合基部85,85が幅方向に互いに離間するため、燃料タンク本体35を幅方向に補強できる。また、シート13の取付フック部材84に専用の取付部材を燃料タンク本体35とは別部品で設ける必要がないため、部品点数の削減及び軽量化を図ることができる。
さらに、燃料タンク本体35に設けられる外装品は、上面30aから外方に突出するとともに上面30aの表面を取り囲む囲曉壁90であり、燃料タンク本体35において囲曉壁90に囲まれる部分に燃料の給油口31が設けられる。この構成によれば、給油口31を囲む囲曉壁90を、給油口31から零れる燃料のトレイ33として使用でき、専用のトレイ部品を省略して部品点数を削減できる。さらに、囲曉壁90によって燃料タンク本体35を上面30aの面方向に補強でき、バリア層36の変形を抑制できる。
また、燃料タンク本体35は、燃料タンク本体35を固定するための前部取付ステー37を備え、囲曉壁90が、前部取付ステー37の少なくとも一部に一体に結合される。この構成によれば、前部取付ステー37を囲曉壁90によって補強できるため、燃料タンク本体35の支持剛性が向上し、燃料タンク本体35の容量を拡大できる。
また、前部取付ステー37は、ステー本体部70と、ステー本体部70から給油口31側に延びて上面30aに結合される補強リブ71,71とを備え、補強リブ71,71が囲曉壁90に結合される。この構成によれば、補強リブ71,71によって前部取付ステー37を補強できるとともに、前部取付ステー37と給油口31との間が離れている場合であっても、補強リブ71,71を介して囲曉壁90と前部取付ステー37とを結合させることができ、設計の自由度を向上できる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、外装品であるシート係合部80及びトレイ33は、燃料タンク本体35の上面30aに設けられるものとして説明したが、外装品は、燃料タンク本体35の外面に設けられれば良く、燃料タンク本体35の下面に一体成形されても良い。
上記実施の形態では、燃料タンク本体35を構成する分割体として、上半体45と下半体46とを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、燃料タンク本体35は3つ以上の半体に分割されていても良い。例えば、2つの分割体で構成される上半体に下半体46を接合して燃料タンク本体を形成しても良い。
上記実施の形態では鞍乗り型車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の樹脂製燃料タンクは、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両、4輪以上を備えた鞍乗り型車両など全ての鞍乗り型車両に適用可能である。また、燃料タンク以外の樹脂製タンクに本発明を適用しても良い。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
30 燃料タンク(樹脂製タンク)
30a 上面(外面)
31 給油口(注入口)
33 トレイ(外装品)
35 燃料タンク本体(タンク本体)
36 バリア層
37 前部取付ステー(取付ステー)
50a 賦形体
70 ステー本体部
71,71 補強リブ
80 シート係合部(外装品)
85,85 結合基部(結合部)
86,86 フランジ部
90 囲曉壁
90b 結合部

Claims (4)

  1. 樹脂製のタンク本体(35)と、前記タンク本体(35)の内面に設けられ、前記タンク本体(35)からの燃料の透過を低減させるバリア層(36)とを備える樹脂製タンクにおいて、
    前記バリア層(36)は、前記タンク本体(35)の内面に沿う形状の賦形体(50a)として設けられ、
    前記賦形体(50a)に対向する前記タンク本体(35)の外面(30a)に、外方に突出するとともに前記外面(30a)の面方向に離間する結合部(90b)で前記外面(30a)に結合される外装品(33)が一体成形され
    前記外装品(33)は、前記外面(30a)から外方に突出するとともに前記外面(30a)の表面を取り囲む囲曉壁(90)であり、前記タンク本体(35)において前記囲曉壁(90)に囲まれる部分に液体の注入口(31)が設けられ、
    前記タンク本体(35)は、前記タンク本体(35)を固定するための取付ステー(37)を備え、
    前記囲曉壁(90)が、前記取付ステー(37)の少なくとも一部に一体に結合されることを特徴とする樹脂製タンク。
  2. 前記賦形体(50a)に対し前記タンク本体(35)がインジェクション成形で形成されることを特徴とする請求項1記載の樹脂製タンク。
  3. 前記囲曉壁(90)の他に前記外装品としてシート係合部(80)が設けられ、前記シート係合部(80)は、前記外面(30a)から外方に突出し前記タンク本体(35)の長手方向に延びるとともに幅方向に互いに離間する結合基部(85)と、前記結合基部(85)の突出方向の端部に設けられるフランジ部(86)とを備えることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂製タンク。
  4. 前記取付ステー(37)は、ステー本体部(70)と、前記ステー本体部(70)から前記注入口(31)側に延びて前記外面(30a)に結合される補強リブ(71)とを備え、
    前記補強リブ(71)が前記囲曉壁(90)に結合されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の樹脂製タンク。
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