JP6551888B2 - のぼり旗巻き上がり防止器具 - Google Patents

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本発明は、のぼり旗巻き上がり防止器具に関する。
従来ののぼり旗巻き上がり防止器具は、(1)素材がプラスチック製でリングタイプの回転式の構造と、(2)素材が鉄製などのハンガーボルトタイプの重り式の構造に大別される。
回転式は、器具をポールに取り付け、のぼり旗のチチ部を器具に引っ掛けて巻き上がりを防止する。
重り式は、のぼり旗のチチ部に器具を取り付けて器具の重量を利用して巻き上がりを防止する。
しかしながら、従来の回転式や重り式は、それぞれ欠点があった。
回転式の欠点は、器具をポールに取り付ける手間や、のぼり旗のチチ部に器具を引っ掛ける手間など、取り付け作業が面倒である。
尚、回転式の利点は、風向きの変化に対応してポールを軸に器具が自在に回転することである。
重り式の欠点は、強風時でも無風状態を維持する反面、微風に揺らめくのぼり旗の効果を半減させてしまうことである。
尚、重り式の利点は、取り付け作業が簡便な点である。
適用なし
適用なし
本発明は、以上のように従来の器具では回転式は、重り式と比較して取り付け作業に欠点があり、重り式は、回転式と比較して風向きの変化に対する自在性や風に揺らめくのぼり旗の効果を半減させる欠点がある。
本発明は、このような従来の器具が有している欠点を解決しようとするものである。また、本発明は回転式でありながらハンガーボルトタイプの重り式より取り付け作業が簡便で、風向きの変化に対する自在性や強風時、雨天時における適応性の向上を実現することを目的とするものである。
発明を解決するための手段
本発明の目的を整理すると、(1)巻き上がりや巻き付きを防止する。(2)取り付け作業が非常に簡便ある。(3)風向きや風の強弱に対して自在性に優れている。
そして、本発明は上記目的を達成するために、(1)器具の素材、(2)器具の形状、の2点を解決手段として最適化を図った。
最初の解決手段は、器具の素材に発泡スチロールを使用することで形状等の最適化を図った。
発泡スチロールはプラスチックと比較して(1)比重が軽い、(2)摩擦係数が大きい、の特性がある。
発泡スチロールビーズの比重は倍率を5倍から100倍の範囲で変更することができる。
この特性を活用して器具の各部に関する形状および寸法の変更・調整が簡単にできて最適化を図ることができる。
また、第二の解決手段である器具の形状については、特に“取り付け作業が簡便”であることを最重点課題と位置づけて最適化を図った。
そして、半円筒形部品を2個結合して円筒形器具を構成する方法を考案した。
器具の取り付け作業を簡便にする方法として、半円筒形部品の結合部に「ほぞ:凸」と「ほぞ穴:凹」を設けた。
ポールを立てた状態でポールの横からポールを挟む要領で「ほぞ:凸」と「ほぞ穴:凹」を互いに差し込むだけで「のぼり旗巻き上げ防止器具」を完成する。
次に、巻き上がり防止の対策について説明する。
発泡スチロールはプラスチックと比較して摩擦係数が大きいことは、[0017]で既に述べた。
具体的な数値は、プラスチックが約0.1〜0.3に対して発泡スチロールは約0.7である。
ポールとポールを通す器具の内側空洞部の接触面で発生する摩擦により巻き上がりを防止する。
また、接触面の面積に比例して巻き上がりを防止する摩擦力は大きくなる。空洞部の内径と空洞部の長さが摩擦力を左右する。
空洞部の内径は使用するポールの直径の+1mm〜+3mm位の許容範囲に対して空洞部の長さは特に制約を受ける要素がなく庫擦力を調整する重要なポイントになる。
風速10メートル/秒位の強風時の対策については、風を上手く利用して巻き上がりを防止する方法を説明する。
ポールは地面に垂直に立っていて、器具はポールと平行方向に取り付けてあるため、風を真横から受けることになる。ここで影響を受ける器具の部位は、円筒部の外径と円筒部の長さである。
円筒部の外径と長さを大きくすることで真横からの強風を器具の全体が受け止める感覚で巻き上がりを防止する
試作品による実施例。
以下の仕様は半円筒形部品を2個結合した後の円筒形器具の仕様を表す。
倍率:約37倍、重さ:6g、外径:55mm、空洞部の直径:25mm、円筒部(空洞部)の長さ:220mm、体積:220cm、比重:0.027g/cm
「年末の交通安全県民運動」が平成27年12月15日〜12月31日まで実施された。
自治会も期間中は「交通安全ののぼり旗」を掲出している。今回は関係する町内会長の協力を得て本発明器具の性能試験を行った。
のぼり旗を6本、本発明器具6個を準備して、取り付け作業から実験を行った。
のぼり旗1本あたりの取り付け時間は約3秒。手順はポールを立てた状態でポールの横からポールと最下部のチチ部を半円筒形部品で挟む要領で「ほぞ:凸」と「ほぞ穴:凹」を互いに差し込むだけで作業は簡便であった。
尚、半円筒形部品の結合部は簡単に外れない仕様(後述の図面説明を参照)になっているが意図的または経年劣化を考慮してセロハンテープを貼って補強した。
平地より風が強い環境と言われる、橋の欄干に1.8メートル間隔でのぼり旗を6本掲出した。
期間中は強風に加え、雨ざらし、日ざらしの厳しい環境下で連日連夜掲出を続けたが期間中「巻き上がり」および「巻き付き」の現象は一回も発生することはなかった。
器具の動きを監視して判明したことは、風速4〜5メートル/秒の環境下で器具は15cm前後の幅で風が吹くと上昇し、風が止むと器具の自重で降下する。
風速10メートル/秒位の強風では、器具は真横からの強風を受けてポールに張り付く感覚で止まっているか、ゆっくり、少しずつ上昇し、風が弱まると器具の自重で降下する。
倍率:約14倍、重さ:16gで形状と寸法は同じ試作品を試したが結果に変化は見られなかった。
同じ形状・同じ寸法の場合であれば、費用対効果を考慮して倍率:約37倍、重さ:約6gの仕様がベターと言うことになる。
発明の効果
本発明ののぼり旗巻き上がり防止器具は、ポールを立てた状態でポールの横からポールを挟む要領で取り付けるため、取り付け作業が非常に簡便である。
発泡スチロールの特性である「比重が軽い」、「摩擦係数が大きい」の特性を活用して形状や各部の寸法の変更・調整が簡単にできて最適化を図ることができる。
また、摩擦力を応用して巻き上がり防止や巻き付き防止機能を完全に備えることができる。
そして、風向きや風の強弱に対して自在性に優れている。
図3におけるD−D線断面図 図3におけるB−B線断面図 半円筒形部品の正面図および側面図 図3におけるA−A線断面図 半円筒形部品を2個結合して完成した巻き上がり防止器具の断面図 本発明「巻き上がり防止器具」の装着イメージと半円筒形部品の外観イメージ
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図2および図3における1は、ポールが通るための空洞部の大きさとポールとの接触面を示す。
空洞部の内径 > ポールの外径は、本発明器具がポールを軸に360°回転することを可能にする。また、空洞部内径はポールと空洞部の接触面で発生する摩擦力で巻き上がりを防止するための重要な要素である。
図2および図3における3は、取り付け作業を簡便にするために半円筒形部品に設けた「ほぞ:凸」で、2は同じ目的で設けた「ほぞ穴:凹」である。2個の半円筒形部品を互いに差し込むだけで「巻き上げ防止器具」を完成する。
半円筒形部品の結合部が簡単に外れ難くするため、「ほぞ:凸」および「ほぞ穴:凹」の形状に「くびれ」を設けて結合度を強化した。
図3における4は、ポールに半円筒形部品を取り付ける際、チチ部を通すための溝である。
図3における5は、古いのぼり旗などチチ部が変形している場合、上記4の溝にチチ部を挟まないように設けた溝である。

Claims (1)

  1. 「円筒形器具として成るのぼり旗巻き上がり防止器具において、
    前記円筒形器具は、二個の半円筒形部品が結合部で結合して構成されており、
    前記二個の半円筒形部品の材質は、発泡スチロールであり、
    前記二個の半円筒形部品は、ポールが通るための空洞部を持ち、
    前記二個の半円筒形部品は、ポールに半円筒形部品を取り付ける際、のぼり旗のチチ部を通すための溝を、前記二個の半円筒形部品の軸方向の略中心部の前記空洞部の周囲に持ち、
    前記結合部は、
    前記二個の半円筒形部品の一方のうち、前記軸方向の前記溝の上下に各々設けられた一対のほぞ及びほぞ穴と、前記二個の半円筒形部品の他方のうち、前記軸方向の前記溝の上下に各々設けられた一対のほぞ穴及びほぞとが、それぞれ結合してなる部分である、
    ことを特徴とするのぼり旗巻き上がり防止器具。」
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