JP6551030B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、エンジンの排気通路に配設され、排気ガス中のNOxを選択還元する選択還元触媒と、この選択還元触媒の上流の排気通路に尿素還元剤を供給する尿素還元剤供給手段と、この尿素還元剤供給手段と選択還元触媒との間の排気通路に配設され、尿素還元剤供給手段で供給された尿素還元剤と排気ガスのミキシングを促進するためのミキシング部材と、を有するエンジンの排気浄化装置が開示されている。
かかる排気浄化装置は、ミキシング部材の直上流と直下流との差圧を検出する差圧検出手段と、この差圧検出手段で検出された差圧が所定値以上となったとき、排気ガスの温度を上昇させる排気ガス温度上昇手段と、を備えている。
これにより、かかる排気浄化装置は、差圧検出手段で検出された差圧が所定値以上となったときに、排気ガスの温度を上昇させ、ミキシング部材に堆積したデポジット(尿素水から生成された結晶)を溶融除去する。
しかしながら、ミキシング部材(撹拌ミキサ)に付着したデポジットを溶融除去する必要があるか否かを判定するには、差圧検出手段で検出された差圧と比較する所定値を極小さな値(γ)に設定する必要があり、差圧の検出が困難である。これにより、撹拌ミキサに堆積したデポジットを適切に溶融除去することができない。
上記(2)の構成によれば、堆積量推定手段は、選択還元触媒から通過した還元剤の通過量に基づいて、デポジットの堆積量を補正するので、撹拌ミキサに堆積したデポジットを溶融除去する必要があるか否かをより正確に判定することができる。
上記(3)の構成によれば、堆積量推定手段は、選択還元触媒に吸着された還元剤の吸着量を内燃機関の始動から停止までの運転サイクルごとに算出する第1吸着量算出手段を含むので、運転サイクルごとに撹拌ミキサに堆積したデポジットを溶融除去する必要があるか否かを正確に判定することができる。
上記(4)の構成によれば、第1吸着量算出手段は、内燃機関の運転サイクルの停止時における選択還元触媒の温度で選択還元触媒が吸着可能な最大吸着量を運転サイクルにおける還元剤の吸着量とするので、運転サイクルごとに算出する還元剤の吸着量を簡単に算出することができる。
上記(5)の構成によれば、堆積量推定手段は、選択還元触媒に吸着された還元剤の吸着量を内燃機関の運転中に逐次算出する第2吸着量算出手段を含むので、内燃機関の運転中にも撹拌ミキサに堆積したデポジットを溶融除去する必要があるか否かを判定することができる。
上記(6)の構成によれば、第2吸着量算出手段は、選択還元触媒の温度が所定温度に到達するまでは還元剤供給手段から供給された還元剤の総量の所定比率を運転中における還元剤の吸着量とするので、選択還元触媒の温度が所定温度に到達するまでの還元剤の吸着量を正確に算出することができる。また、第2吸着量算出手段は、選択還元触媒の温度が所定温度に到達した後は選択還元触媒の温度で選択還元触媒が吸着可能な最大吸着量を運転中における還元剤の吸着量とするので、選択還元触媒の温度が所定温度に到達した後の還元剤の吸着量を簡単に算出することができる。
上記(7)の構成によれば、堆積量推定手段は、内燃機関の停止時にデポジットの堆積量を内燃機関の運転中に推定された堆積量から内燃機関の停止時に推定された堆積量に書き換えるので、内燃機関の停止時におけるデポジットの堆積量を正確に推定することができる。
上記(8)の構成によれば、堆積量推定手段で推定されたデポジットの堆積量が閾値を超えた場合に除去手段にデポジットを溶融除去させる制御手段を備えるので、デポジットの堆積量が閾値を超えた場合に除去手段にデポジットを溶融除去させることができる。これにより、撹拌ミキサに堆積したデポジットによる圧力損失の増大、及び還元剤の分散効率の低下を解消することができる。
上記(9)の構成によれば、制御手段は、内燃機関の始動時に除去手段にデポジットを溶融除去させるので、溶融除去されたデポジットは還元剤となり、選択還元触媒において窒素酸化物を選択的に還元する。これにより、還元剤の供給が制限される内燃機関の始動時における窒素酸化物の排出を抑制することができる。
上記(10)の構成によれば、閾値は、内燃機関の始動時において内燃機関の運転中よりも小であるので、撹拌ミキサに堆積したデポジットは内燃機関の始動時に溶融除去され易くなる。これにより、溶融除去されたデポジットは還元剤となり、選択還元触媒において窒素酸化物を選択的に還元する。この結果、還元剤の供給が制限される内燃機関の始動時における窒素酸化物の排出を抑制することができる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
また、各吸気ポート112には、吸気ポート112を開閉する吸気弁が取り付けられている。吸気ポート112は、吸入行程において開放され、吸気ポート112からシリンダ111内に空気の吸入が可能となり、圧縮行程、膨張行程、排気行程において閉鎖される。また、各排気ポート113には、排気ポート113を開閉する排気弁が取り付けられている。排気ポート113は、排気行程において開放され、排気ポート113から排気ガスの排出が可能となり、吸入行程、圧縮行程、膨張行程において閉鎖される。これにより、燃焼室は、圧縮行程と膨張行程において閉鎖される。
第1温度センサ311は、外部から吸入した空気の温度を計測するためのもので、エアクリーナ32の下流、エアクリーナ32とターボチャージャ(コンプレッサ)33との間に設けられている。
酸素濃度センサ312は、吸気ポート112に供給する空気に含まれる酸素の濃度を計測するためのもので、後述するEGR通路51の合流位置よりも下流であって、吸気スロットル36とインテークマニホールド37との間に設けられている。
第2温度センサ313は、吸気ポート112に供給する空気の温度を計測するためのもので、インテークマニホールド37に設けられている。
電熱線612は、排気通路41の撹拌ミキサ46が収容された部分に巻回され、電源611から供給された電気により加熱される。これにより、電源611から電熱線612に電気が供給されると、排気通路41の撹拌ミキサ46が収容された部分が加熱され、撹拌ミキサ46に堆積したデポジットは溶融除去される。
酸素濃度センサ411は、エンジン本体1から排出された排気ガスに含まれる酸素の濃度を計測するためのもので、ターボチャージャ(排気タービン)33の下流、排気タービンと酸化触媒43との間に設けられている。
第2温度センサ413は、酸化触媒43を通過した排気ガスの温度を計測するためのもので、酸化触媒43と微粒子捕集フィルター44との間となる第1触媒収容部48の中程に設けられている。
第3温度センサ414は、微粒子捕集フィルター44を通過した排気ガスの温度を計測するためのもので、第1触媒収容部48の出口側に設けられている。
第4温度センサ415は、SCR触媒47の温度を計測するためのもので、第2触媒収容部49の入口側に設けられている。
第2NOxセンサ417は、SCR触媒47から排出された排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の濃度を計測するためのもので、SCR触媒47の下流に設けられている。
アンモニアセンサ418は、SCR触媒47から排出された排気ガスに含まれるアンモニアの濃度を計測するためのもので、SCR触媒47の下流に設けられている。
EGRクーラ52は、EGR通路51に導入された排気ガスを冷却するためのもので、EGR通路51に導入された排気ガスは、EGRクーラ52を通過する際に冷却される。
EGRバルブ53は、排気再循環する排気ガスの流量を調整するためのもので、その開度により任意の流量の排気ガスがEGR通路51を通り吸気通路31に供給される。
電子制御装置7は、各種演算処理を実行するCPU(図示せず)、その制御に必要なプログラムやデータが記憶されたROM(図示せず)、CPUの演算結果が一時記憶されるRAM(図示せず)、及び外部との間で信号を入出力するための入・出力ポート(図示せず)を備えて構成される。これらは、図2に示すように、堆積量推定手段71、限界量算出手段72、再生時間算出手段73、及び制御手段74を構成する。
尚、これにより、上記の数式1は下記の数式2に補正することができる。
第1吸着量算出手段711は、本実施形態に係る排気浄化装置6ができるだけ多くのアンモニアがSCR触媒47に吸着されるように制御することを鑑みて、エンジンの停止時におけるSCR触媒47の温度でSCR触媒47が吸着可能な最大吸着量をアンモニアの吸着量とするものである。これにより、第1吸着量算出手段711は、SCR触媒47の温度とSCR触媒47が吸着可能な最大吸着量とを関連付けたマップと、エンジンの停止時に第4温度センサ415で計測された温度とに基づいてアンモニアの吸着量を算出するように構成されている。
すなわち、図5に示すように、エンジンの始動からSCR触媒47が所定温度T2に到達するまでは、尿素水噴射インジェクター45から供給された尿素水から生成されるアンモニアの総量の所定比率をアンモニアの吸着量とする。一方、SCR触媒47の温度が所定温度T2に到達した後は、SCR触媒47の温度でSCR触媒47が吸着可能な最大量を運転中におけるアンモニアの吸着量とする。これにより、SCR触媒47の温度がT2に到達した後はSCR触媒47の温度上昇に伴いSCR触媒47に吸着されるアンモニア量は減少する。
尚、SCR触媒47の温度が所定温度(第1の所定温度)T1以下の場合にSCR触媒47に吸着されるアンモニア量が0(ゼロ)となるのは、SCR触媒47が所定温度T1以下の場合に尿素水の噴射を行わないためである。
また、上述した所定比率は、任意に設定することができるが、図3に示すように、第1の所定温度T1でアンモニアの吸着量が0(ゼロ)で第2の所定温度T2でSCR触媒47が吸着可能な最大量となるように設定される。
再生時間算出手段73は、デポジット量の溶解に必要な時間を算出するためのものである。
制御手段74は、加熱装置61を制御するためのもので、再生時間算出手段73で算出された時間に基づいて電熱線612を加熱させ、撹拌ミキサ46に堆積したデポジットを溶融除去する。尚、制御手段74は、限界量算出手段72で算出されたアンモニアの吸着限界量とSCR触媒47に吸着されているアンモニア量との差がデポジット堆積量よりも多い場合には、EGRバルブ53を閉鎖して、排気ガスがEGR通路51に流入しないように制御する。これにより、エンジン本体1から排出される排気ガスに含まれる窒素酸化物が増大するので、アンモニアが窒素酸化物に反応し、SCR触媒47の下流にアンモニアが流出するのが抑制される。
最後に、制御手段74は、デポジットの堆積量をステップS6aで算出したものからステップS15aで算出したものに書き換える(ステップS16)。
例えば、上述した実施形態では、加熱装置61を用いてデポジットを溶融除去することとしたが、モンレール式の燃料噴射装置21にシリンダ111内に燃焼に寄与せず未燃燃料として排気通路41に排出するタイミングで燃料を噴射(ポスト噴射)することにより、排気ガスを燃焼させ、デポジットを溶融除去するものとしてもよい。
11 シリンダブロック
111 シリンダ
112 吸気ポート
113 排気ポート
12 シリンダヘッド
13 クランクシャフト
14 ピストン
142 ピストンピン
15 コネクティングロッド
2 燃料供給系統
21 燃料噴射装置
22 インジェクター
23 コモンレール
24 高圧燃料ポンプ
3 吸気系統
31 吸気通路
311 第1温度センサ
312 酸素濃度センサ
313 第2温度センサ
32 エアクリーナ
33 ターボチャージャ
34 インタークーラ
36 吸気スロットル
37 インテークマニホールド
4 排気系統
41 排気通路
411 酸素濃度センサ
412 第1温度センサ
413 第2温度センサ
414 第3温度センサ
415 第4温度センサ
416 第1NOxセンサ
417 第2NOxセンサ
418 アンモニアセンサ
42 エキゾーストマニホールド
43 酸化触媒
44 捕集フィルター
45 尿素水噴射インジェクター
46 撹拌ミキサ
47 SCR触媒
48 第1触媒収容部
49 第2触媒収容部
5 再循環系統
51 EGR通路
52 EGRクーラ
53 EGRバルブ
6 排気浄化装置
61 加熱装置
611 電源
612 電熱線
7 電子制御装置(DCU)
71 堆積量推定手段
711 第1吸着量算出手段
712 第2吸着量算出手段
72 限界量算出手段
73 再生時間算出手段
74 制御手段
Claims (10)
- 内燃機関の排気通路に設けられ、前記内燃機関から排出された排気ガスに含まれる窒素酸化物を選択的に還元する選択還元触媒と、
前記選択還元触媒の上流で前記排気通路に還元剤を供給するための還元剤供給手段と、
前記還元剤供給手段と前記選択還元触媒との間の前記排気通路に設けられ、前記排気通路に流れる排気ガスと前記還元剤供給手段で供給された還元剤とを混合する撹拌ミキサと、
前記還元剤供給手段から供給される還元剤が前記撹拌ミキサに堆積して生成されるデポジットの堆積量を推定する堆積量推定手段と、
を備え、
前記堆積量推定手段は、前記還元剤供給手段から供給された還元剤の総量から、前記窒素酸化物の還元に用いられた還元剤の消費量と、前記選択還元触媒に吸着された還元剤の吸着量と、を減算して前記デポジットの堆積量とする
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記堆積量推定手段は、前記選択還元触媒を通過した還元剤の通過量に基づいて、前記デポジットの堆積量を補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記堆積量推定手段は、前記選択還元触媒に吸着された還元剤の吸着量を前記内燃機関の始動から停止までの運転サイクルごとに算出する第1吸着量算出手段を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記第1吸着量算出手段は、前記内燃機関の前記運転サイクルの停止時における前記選択還元触媒の温度で前記選択還元触媒が吸着可能な最大吸着量を当該運転サイクルにおける還元剤の吸着量とすることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記堆積量推定手段は、前記選択還元触媒に吸着された還元剤の吸着量を前記内燃機関の運転中に逐次算出する第2吸着量算出手段を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記第2吸着量算出手段は、
前記選択還元触媒の温度が所定温度に到達するまでは前記還元剤供給手段から供給された還元剤の総量の所定比率を前記運転中における還元剤の吸着量とし、
前記選択還元触媒の温度が所定温度に到達した後は前記選択還元触媒の温度で前記選択還元触媒が吸着可能な最大吸着量を前記運転中における還元剤の吸着量とすることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記堆積量推定手段は、
前記選択還元触媒に吸着された還元剤の吸着量を前記内燃機関の始動から停止までの運転サイクルごとに算出する第1吸着量算出手段と、
前記選択還元触媒に吸着された還元剤の吸着量を前記内燃機関の運転中に逐次算出する第2吸着量算出手段と、
を含み、
前記内燃機関の停止時に前記デポジットの堆積量を前記内燃機関の運転中に推定された堆積量から前記内燃機関の停止時に推定された堆積量に書き換えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記撹拌ミキサに堆積したデポジットを溶融除去するための除去手段と、
前記堆積量推定手段で推定されたデポジットの堆積量が閾値を超えた場合に前記除去手段に前記デポジットを溶融除去させる制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記制御手段は、前記内燃機関の始動時に前記除去手段に前記デポジットを溶融除去させることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記閾値は、前記内燃機関の始動時において前記内燃機関の運転中よりも小であることを特徴と請求項8に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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