JP6551029B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、エンジンの排気通路に配設され、排気ガス中のNOxを選択還元する選択還元触媒と、この選択還元触媒の上流の排気通路に尿素還元剤を供給する尿素還元剤供給手段と、この尿素還元剤供給手段と選択還元触媒との間の排気通路に配設され、尿素還元剤供給手段で供給された尿素還元剤と排気ガスのミキシングを促進するためのミキシング部材と、を有するエンジンの排気浄化装置が開示されている。
かかる排気浄化装置は、ミキシング部材の直上流と直下流との差圧を検出する差圧検出手段と、この差圧検出手段で検出された差圧が所定値以上となったとき、排気ガスの温度を上昇させる排気ガス温度上昇手段と、を備えている。
これにより、かかる排気浄化装置は、差圧検出手段で検出された差圧が所定値以上となったときに、排気ガスの温度を上昇させ、ミキシング部材に堆積したデポジット(尿素水から生成された結晶)を溶融除去する。
しかしながら、上述した特許文献1に記載されたエンジンの排気浄化装置では、ミキシング部材(撹拌ミキサ)に付着したデポジットを溶融除去する必要があるか否かを判定するには、差圧検出手段で検出された差圧と比較する所定値を極小さな値(γ)に設定する必要があり、差圧の検出が困難である。これにより、撹拌ミキサに堆積したデポジットを適切に溶融除去することができない。
上記(2)の構成によれば、差圧計測手段で計測された差圧が所定値以上となったときに、排気ガス温度上昇手段が排気ガスの温度を上昇させるので、撹拌ミキサに堆積したデポジットは溶融除去される。これにより、内燃機関の排気浄化装置は、撹拌ミキサに堆積したデポジットを適切に溶融除去することができる。
上記(3)の構成によれば、撹拌ミキサの直上流で排気通路から分岐したバイパス通路に設置した傾斜部の直上流と直下流との差圧を計測することができるので、傾斜部に堆積するデポジットの量は撹拌ミキサに堆積するデポジットの量と強い相関を有することになる。これにより、撹拌ミキサに堆積したデポジットを溶融除去する必要があるか否かを正確に判定し、撹拌ミキサに堆積したデポジットを適切に溶融除去することができる。
上記(4)の構成によれば、傾斜部が撹拌ミキサを再現するものとなるので、撹拌ミキサに堆積したデポジットを溶融除去する必要があるか否かを正確に判定し、撹拌ミキサに堆積したデポジットを適切に溶融除去することができる。
上記(5)の構成によれば、屈曲領域に生じる負圧の影響を回避できるので、傾斜部が撹拌ミキサ再現するものとなる。これにより、撹拌ミキサに堆積したデポジットを溶融除去する必要があるか否かを正確に判定し、撹拌ミキサに堆積したデポジットを適切に溶融除去することができる。
上記(6)の構成によれば、バイパス通路に対する傾斜部の遮蔽率は、排気通路に対する撹拌ミキサの遮蔽率に基づいて設定されるので、傾斜部に堆積するデポジットは撹拌ミキサに堆積するデポジットと強い相関を有する。これにより、撹拌ミキサに堆積したデポジットを溶融除去する必要があるか否かを正確に判定し、撹拌ミキサに堆積したデポジットを適切に溶融除去することができる。
上記(7)の構成によれば、傾斜部がバイパス通路が分岐する分岐部の直下流に配設されるので、傾斜部がバイパス通路の影響を受けにくくなる。これにより、撹拌ミキサに堆積したデポジットを溶融除去する必要があるか否かを正確に判定し、撹拌ミキサに堆積したデポジットを適切に溶融除去することができる。
上記(8)の構成によれば、バイパス通路は、選択還元触媒が収容される排気通路に設けられた触媒収容部で排気通路に合流するので、バイパス通路に排気通路に合流させるための屈曲部を設ける必要がない。これにより、バイパス通路の下流側に負圧となる領域が生じるのを回避することができる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
まず、図1から図4に基づいて本発明の実施形態1に係る内燃機関の排気浄化装置6の構成を説明する。尚、図1は、本発明の実施形態1に係る排気浄化装置6を適用したエンジンを示す概略図である。また、図2は、図1に示した排気浄化装置6の要部を示す概略図であり、図3は、図2に示したバイパス通路61及び傾斜部62を示す概略図である。また、図4は、図1に示したエンジンの排気浄化装置6の制御構成を概略的に示すブロック図である。
また、各吸気ポート112には、吸気ポート112を開閉する吸気弁が取り付けられている。吸気ポート112は、吸入行程において開放され、吸気ポート112からシリンダ111内に空気の吸入が可能となり、圧縮行程、膨張行程、排気行程において閉鎖される。また、各排気ポート113には、排気ポート113を開閉する排気弁が取り付けられている。排気ポート113は、排気行程において開放され、排気ポート113から排気ガスの排出が可能となり、吸入行程、圧縮行程、膨張行程において閉鎖される。これにより、燃焼室は、圧縮行程と膨張行程において閉鎖される。
第1温度センサ311は、外部から吸入した空気の温度を計測するためのもので、エアクリーナ32の下流、エアクリーナ32とターボチャージャ(コンプレッサ)33との間に設けられている。
酸素濃度センサ312は、吸気ポート112に供給する空気に含まれる酸素の濃度を計測するためのもので、後述するEGR通路51の合流位置よりも下流であって、吸気スロットル36とインテークマニホールド37との間に設けられている。
第2温度センサ313は、吸気ポート112に供給する空気の温度を計測するためのもので、インテークマニホールド37に設けられている。
酸素濃度センサ411は、エンジン本体1から排出された排気ガスに含まれる酸素の濃度を計測するためのもので、ターボチャージャ(排気タービン)33の下流、排気タービンと酸化触媒43との間に設けられている。
第1温度センサ412は、酸化触媒43に流入する排気ガスの温度を計測するためのもので、第1触媒収容部48の入口側に設けられている。
第2温度センサ413は、酸化触媒43を通過した排気ガスの温度を計測するためのもので、酸化触媒43と微粒子捕集フィルター44との間となる第1触媒収容部48の中程に設けられている。
第3温度センサ414は、微粒子捕集フィルター44を通過した排気ガスの温度を計測するためのもので、第1触媒収容部48の出口側に設けられている。
第1NOxセンサ415は、SCR触媒47に流入する排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の濃度を計測するためのもので、SCR触媒47の上流、微粒子捕集フィルター44とSCR触媒47との間に設けられている。
第2NOxセンサ416は、SCR触媒47から排出された排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の濃度を計測するためのもので、SCR触媒47の下流に設けられている。
アンモニアセンサ417は、SCR触媒47から排出された排気ガスに含まれるアンモニアの濃度を計測するためのもので、SCR触媒47の下流に設けられている。
EGRクーラ52は、EGR通路51に導入された排気ガスを冷却するためのもので、EGR通路51に導入された排気ガスは、EGRクーラ52を通過する際に冷却される。
EGRバルブ53は、排気再循環する排気ガスの流量を調整するためのもので、その開度により任意の流量の排気ガスがEGR通路51を通り吸気通路31に供給される。
バイパス通路61は、排気通路41の流路断面積よりも小さな流路断面積を有し、撹拌ミキサ46を迂回するように設けられている。バイパス通路61は、撹拌ミキサ46の直上流で排気通路41から分岐し、撹拌ミキサ46の下流、第2触媒収容部49の入口側で排気通路41に合流するように設けられている。図2に示す例では、バイパス通路61は、撹拌ミキサ46の直上流で排気通路41から下流方向に斜めに直線的に延びる傾斜部611と、排気通路41と平行に延びる平行部612とを有している。
電子制御装置7は、各種演算処理を実行するCPU(図示せず)、その制御に必要なプログラムやデータが記憶されたROM(図示せず)、CPUの演算結果が一時記憶されるRAM(図示せず)、及び外部との間で信号を入出力するための入・出力ポート(図示せず)を備えて構成される。これらは、図4に示すように、差圧判定手段71、堆積量推定手段72、吸着量算出手段73、限界量算出手段74、再生時間算出手段75、及び再生実行手段76を構成する。
限界量算出手段74は、SCR触媒47に吸着されるアンモニアの吸着限界量を算出するものである。
再生時間算出手段75は、デポジット量の溶融に必要な時間を算出するためのものである。
再生実行手段76は、排気ガス温度上昇手段64を制御するためのもので、再生時間算出手段75で算出された時間に基づいて排気ガスの温度を上昇させ、撹拌ミキサ46に堆積したデポジットを溶融する。尚、再生実行手段76は、限界量算出手段74で算出されたアンモニアの吸着限界量とSCR触媒47に吸着されているアンモニア量との差がデポジット堆積量よりも多い場合には、EGRバルブ53を閉鎖して、排気ガスがEGR通路51に流入しないように制御する。これにより、エンジン本体1から排出される排気ガスに含まれる窒素酸化物が増大するので、アンモニアが窒素酸化物に反応し、SCR触媒47の下流にアンモニアが流出するのが抑制される。
つぎに、図6に基づいて、本発明の実施形態2に係る排気浄化装置を説明する。尚、図6は、本発明の実施形態2に係る排気浄化装置のバイパス通路81及び傾斜部82を概略的に示す模式図である。
図6に示すように、本発明の実施形態2に係る内燃機関の排気浄化装置は、上述した実施形態1とバイパス通路81及び傾斜部82を除いて構成及び作用に異なる点はない。したがって、バイパス通路81及び傾斜部82についてのみ説明し、他の構成及び作用については説明を省略する。
つぎに、図7に基づいて、本発明の実施形態3に係る排気浄化装置を説明する。尚、図7は、本発明の実施形態3に係る排気浄化装置の傾斜部92を概略的に示す模式図である。
図7に示すように、本発明の実施形態2に係る内燃機関の排気浄化装置は、上述した実施形態1と傾斜部92を除いて構成及び作用に異なる点はない。したがって、傾斜部92についてのみ説明し、他の構成及び作用については説明を省略する。
11 シリンダブロック
111 シリンダ
112 吸気ポート
113 排気ポート
12 シリンダヘッド
13 クランクシャフト
14 ピストン
142 ピストンピン
15 コネクティングロッド
2 燃料供給系統
21 燃料噴射装置
22 インジェクター
23 コモンレール
24 高圧燃料ポンプ
3 吸気系統
31 吸気通路
311 第1温度センサ
312 酸素濃度センサ
313 第2温度センサ
32 エアクリーナ
33 ターボチャージャ
34 インタークーラ
36 吸気スロットル
37 インテークマニホールド
4 排気系統
41 排気通路
411 酸素濃度センサ
412 第1温度センサ
413 第2温度センサ
414 第3温度センサ
415 第1NOxセンサ
416 第2NOxセンサ
417 アンモニアセンサ
42 エキゾーストマニホールド
43 酸化触媒
44 捕集フィルター
45 尿素水噴射インジェクター
46 撹拌ミキサ
47 SCR触媒
48 第1触媒収容部
49 第2触媒収容部
5 再循環系統
51 EGR通路
52 EGRクーラ
53 EGRバルブ
6 排気浄化装置
61 バイパス通路
611 傾斜部
612 平行部
62 傾斜部
621 傾斜面
63 差圧センサ
631 端子
632 端子
64 排気ガス温度上昇手段
7 電子制御装置
71 差圧判定手段
72 堆積量推定手段
73 吸着量算出手段
74 限界量算出手段
75 再生時間算出手段
76 再生実行手段
81 バイパス通路
811 第1直交部
812 平行部
813 第2直交部
82 傾斜部
821 傾斜面
91 バイパス通路
92 傾斜部
921 傾斜部分
922 狭隘部分
Claims (8)
- 内燃機関の排気通路に設けられ、前記内燃機関から排出された排気ガスに含まれる窒素酸化物を選択的に還元する選択還元触媒と、
前記選択還元触媒の上流で前記排気通路に還元剤を供給するための還元剤供給手段と、
前記還元剤供給手段と前記選択還元触媒との間の前記排気通路に設けられ、前記還元剤供給手段で供給された前記還元剤と前記排気ガスとを混合する撹拌ミキサと、
前記排気通路の流路断面積よりも小さな流路断面積を有し、前記撹拌ミキサを迂回するように設けられたバイパス通路と、
前記バイパス通路に設けられ、前記還元剤が付着するよう傾斜面を有した傾斜部と、
前記傾斜部の直上流と直下流との差圧を計測する差圧計測手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記差圧計測手段で計測された差圧が所定値以上になったときに、前記排気ガスの温度を上昇させる排気ガス温度上昇手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記バイパス通路は、前記撹拌ミキサの直上流で前記排気通路から分岐することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記傾斜部は、前記バイパス通路の軸線を対称軸に線対称に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記傾斜部は、前記バイパス通路において直線的に延びる直線領域に設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記バイパス通路に対する前記傾斜部の遮蔽率は、前記排気通路に対する前記撹拌ミキサの遮蔽率と同一に設定されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記傾斜部は、前記バイパス通路が前記排気通路から分岐する分岐部の直下流に配設されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記排気通路から分岐した前記バイパス通路は、前記選択還元触媒が収容される前記排気通路に設けられた触媒収容部で前記排気通路に合流することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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JP2015156407A JP6551029B2 (ja) | 2015-08-06 | 2015-08-06 | 内燃機関の排気浄化装置 |
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