ところで、従来の操作装置において、操作軸に対する操作部の取付は、比較的小さな操作軸の先端部を狙って(操作軸の先端部に対し操作部の前記窪み状の部分の位置を合わせた上で)行う必要がある。さらに、前記窪み状の部位へと操作軸の先端部を嵌合したり、螺合したりする際には、操作軸が不意に移動(往動や回動)してしまうことがある。従って、操作軸に対する操作部の取付は面倒であり、取付作業性の面で決して良好であるとはいえない。
また、従来、操作部の動きは、操作軸の動きに支配される(操作軸の動きに完全に従う)こととなり、操作部の動き方は、操作軸の動き方と全く同一のものとなる。従って、操作部の動き方(の設定)に自由度をもたせるといったことはほぼ不可能である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、取付作業性を格段に向上させることができるとともに、操作部の動き方に自由度をもたせることができる操作装置及びその取付方法を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
手段1.槽体の排水口を開閉するための栓蓋を遠隔操作するための操作装置であって、
棒状の操作軸、及び、当該操作軸をその軸方向に沿って往復移動可能な状態で保持する軸保持部を有するとともに、所定の取付対象物に貫通形成された貫通孔に対し設けられた操作側機構部と、
前記操作軸の往復動作による駆動力を前記栓蓋側へと伝達し、前記栓蓋を上下動させる伝達部材と、
所定のカバー部支持部を有するとともに、前記取付対象物に対し直接又間接的に固定される台座部と、
前記カバー部支持部に対し回動可能に取付けられるとともに、自身の裏側に前記操作軸が配置され、かつ、当該操作軸の中心軸と交差する位置関係で設けられるカバー部とを備え、
前記操作軸は、自身の先端部が押圧されることによって、所定の第一位置と、当該第一位置に位置しているときよりも自身の先端部が前記軸保持部に接近する第二位置との間を移動するように構成され、
前記カバー部は、前記操作軸側に向けて回動したときに、前記操作軸又は前記操作軸及び前記カバー部間に位置する介在部に接触した状態で移動しつつ、直接又は前記介在部を介して前記操作軸を押圧するように構成されていることを特徴とする操作装置。
上記手段1によれば、操作軸を往復移動させる際に押圧(操作)されるカバー部(操作部に相当する)は、取付対象物に対し直接又は間接的に固定された台座部のカバー部支持部へと取付けられている。従って、カバー部を取付ける際に、操作軸の先端部を狙って取付作業を行う必要がなくなる。また、台座部は取付対象物に固定された状態であり、台座部が簡単に動いてしまうといったことはないため、カバー部支持部に対するカバー部の取付を容易に行うことができる。これらの結果、取付作業性を格段に向上させることができる。
さらに、上記手段1によれば、カバー部は、操作軸に固定されるものではないため、カバー部の動きが、操作軸の動きに支配されるといったことがない。従って、カバー部の動き方(回動量、回動方向等)を任意に調節することができ、カバー部の動き方(の設定)に自由度をもたせることができる。これにより、カバー部の動き方に関連する要素(例えば、カバー部の移動空間の大きさ等)を容易に調節することが可能となる。
手段2.前記カバー部を前記操作軸側に向けて回動させたときに、前記カバー部のうちその回動軸とは反対側に位置する端部を除いた部位が、前記操作軸又は前記介在部に接触した状態で移動しつつ、直接又は前記介在部を介して前記操作軸を押圧するように構成されていることを特徴とする手段1に記載の操作装置。
上記手段2によれば、操作時において、カバー部のうち、その回動軸とは反対側に位置する端部と操作軸又は介在部に接触する部位との間(対象部分)を押圧することで、てこの原理(カバー部の回動軸を支点とし、カバー部のうち操作軸又は介在部に接触する部位を作用点とし、カバー部の前記対象部分を力点とする)により、比較的小さな力で操作軸を押圧し移動させることができる。従って、良好な操作性を得ることができる。
手段3.前記カバー部は、前記操作軸側へと回動したときに、前記操作軸の先端部に接触した状態で移動しつつ、前記操作軸を押圧するように構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載の操作装置。
上記手段3によれば、操作時において、カバー部が操作軸の先端部に対して直接接触する。従って、部品点数の削減を図ることができ、装置の安定的な動作や製造コストの低減を図ることができる。
手段4.前記カバー部は、前記操作軸側へと回動したときに、前記操作軸の先端部に接触した状態で移動しつつ、前記操作軸の先端部を押圧する操作軸押圧部を具備し、
前記カバー部の回動軸と直交する断面における前記操作軸押圧部の外形線は、直線状又は湾曲線状をなし、
前記操作軸押圧部は、
前記第一位置に位置する前記操作軸の先端部と接触する第一操作軸接触部と、
前記第二位置に位置する前記操作軸の先端部と接触する第二操作軸接触部とを有し、
前記カバー部の回動軸と直交するとともに、前記第一操作軸接触部及び前記第二操作軸接触部を通過する断面において、前記カバー部の回動軸及び前記第一操作軸接触部を通過する仮想線を引いたとき、前記第二操作軸接触部は、前記仮想線よりも前記軸保持部側に位置することを特徴とする手段3に記載の操作装置。
上記手段4によれば、前記仮想線上に第二操作軸接触部が位置する場合又は前記仮想線よりも軸保持部とは反対側に第二操作軸接触部が位置する場合と比較して、操作軸押圧部における操作軸との接触部位が第一操作軸接触部から第二操作軸接触部となるようにカバー部を回動させたときに、カバー部の単位回動量当たりにおける操作軸の移動量をより大きくすることができる。従って、カバー部の回動量が小さくても、操作軸を深く押し込むことができ、操作軸を大きく移動させることができる。つまり、カバー部の回動範囲(回動量)が小さくても、操作軸において十分な往復移動量(ストローク量)を得ることができる。これにより、カバー部をさほど回動させる(さほど押圧する)ことなく、栓蓋をより確実に上下動させることができる。
手段5.前記カバー部は、前記操作軸側へと回動したときに、前記操作軸の先端部に接触した状態で移動しつつ、前記操作軸の先端部を押圧する操作軸押圧部を具備し、
前記カバー部の回動軸と直交する断面における前記操作軸押圧部の外形線は、直線状又は湾曲線状をなし、
前記操作軸押圧部は、
前記第一位置に位置する前記操作軸の先端部と接触する第一操作軸接触部と、
前記第二位置に位置する前記操作軸の先端部と接触する第二操作軸接触部とを有し、
前記カバー部の回動軸と直交するとともに、前記第一操作軸接触部及び前記第二操作軸接触部を通過する断面において、前記カバー部の回動軸及び前記第一操作軸接触部を通過する仮想線を引いたとき、前記第二操作軸接触部は、前記仮想線よりも前記軸保持部とは反対側に位置することを特徴とする手段3に記載の操作装置。
上記手段5によれば、前記仮想線上に第二操作軸接触部が位置する場合又は前記仮想線よりも軸保持部側に第二操作軸接触部が位置する場合と比較して、操作軸押圧部における操作軸との接触部位が第一操作軸接触部から第二操作軸接触部となるようにカバー部を回動させたときに、カバー部の単位回動量当たりにおける操作軸の移動量が急激に増大することをより確実に防止できる。つまり、操作軸を第一位置から第二位置へと移動させる際に、操作軸が第二位置に近づくにつれて、操作軸を移動させるために必要な力が急激に増大するといった事態をより確実に防止できる。従って、カバー部を回動させる際に、カバー部へと加える力が比較的小さくても、操作軸を容易に移動させることができる。その結果、栓蓋の上下動を容易に行うことができ、操作性を一層向上させることができる。
手段6.前記操作軸は、
棒状の本体軸部と、
前記本体軸部の先端部に設けられた操作軸側ローラ部とを備え、
前記操作軸側ローラ部によって前記操作軸の先端部が構成され、
前記操作軸側ローラ部は、前記カバー部が自身に接触した状態で回動したときに回転可能に構成されていることを特徴とする手段3乃至5のいずれかに記載の操作装置。
上記手段6によれば、操作軸の先端部に操作軸側ローラ部が設けられているため、カバー部を操作軸に接触させつつ回動させたときに、カバー部及び操作軸間で発生する摩擦力を比較的小さくすることができる。これにより、カバー部や操作軸の摩耗を効果的に抑制することができる。その結果、装置のより安定的な動作を図ることができるとともに、故障の発生防止をより確実に図ることができる。
また、上記手段6によれば、カバー部及び操作軸間で生じる摩擦力が比較的小さくなるため、操作時に、カバー部をスムーズに回動させることができる。従って、カバー部を回動させるために必要な力をより小さくすることができ、より良好な操作性を得ることができる。
手段7.前記取付対象物に対し直接又は間接的に固定された介在部支持部を備え、
前記介在部として、前記介在部支持部に対し回動可能に軸支されるとともに、自身の回動に伴い前記操作軸の先端部を押圧する片側ヒンジ部が設けられ、
前記カバー部は、前記操作軸側へと回動したときに、前記片側ヒンジ部を介して前記操作軸を押圧するように構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載の操作装置。
上記手段7によれば、カバー部を回動させたときに、片側ヒンジ部を介して操作軸が押圧される。従って、片側ヒンジ部を調整すること(例えば、片側ヒンジ部の長さ調整や片側ヒンジ部とカバー部との接触部分の調整など)により、カバー部の回動量に対する操作軸の往復移動量(ストローク量)の割合などを容易に調節することができる。
尚、介在部支持部とカバー部の回動軸との位置関係は、特に限定されるものではない。従って、例えば、介在部支持部を、操作軸を挟んでカバー部の回動軸とは反対側の位置に設けてもよいし、操作軸から見てカバー部の回動軸と同じ側に設けてもよい。
手段8.前記カバー部は、前記操作軸側へと回動したときに、前記片側ヒンジ部のうち前記操作軸の先端部を押圧する部位と前記片側ヒンジ部の回動軸との間に接触した状態で移動しつつ、前記片側ヒンジ部を介して前記操作軸を押圧するように構成されていることを特徴とする手段7に記載の操作装置。
上記手段8によれば、カバー部によって、片側ヒンジ部のうちその回動軸と操作軸の先端部を押圧する部位との間が押圧される。従って、てこの原理(片側ヒンジ部の回動軸を支点とし、片側ヒンジ部のうち操作軸の先端部を押圧する部位を作用点とし、カバー部と片側ヒンジ部との接触部位を力点とする)により、カバー部の回動量が小さくても、操作軸を深く押し込むことができる。これにより、操作軸において十分な往復移動量(ストローク量)を容易に得ることができ、カバー部をさほど回動させることなく、栓蓋をより確実に上下動させることができる。
手段9.前記カバー部は、前記操作軸側へと回動したときに、前記片側ヒンジ部のうち前記操作軸の先端部を押圧する部位と前記片側ヒンジ部の回動軸とは反対側に位置する端部との間に接触した状態で移動しつつ、前記片側ヒンジ部を介して前記操作軸を押圧するように構成されていることを特徴とする手段7に記載の操作装置。
上記手段9によれば、カバー部によって、片側ヒンジ部のうちその先端部(回動軸とは反対側に位置する端部)と操作軸の先端部を押圧する部位との間が押圧される。これにより、カバー部を回動させたときにおける操作軸の往復移動量(ストローク量)を比較的小さくすることができる。その結果、ストローク量の調整を容易に行うことができる。
加えて、上記手段9によれば、カバー部を回動させる際に、カバー部へと加える力が比較的小さくても、操作軸を容易に移動させることができる。その結果、栓蓋の上下動を容易に行うことができ、操作性を一層向上させることができる。
手段10.前記カバー部は、前記片側ヒンジ部側へと突出するとともに、前記カバー部を前記操作軸側へと回動させたときに、前記片側ヒンジ部に接触した状態で移動しつつ、前記片側ヒンジ部を押圧するヒンジ部押圧部を具備することを特徴とする手段7乃至9のいずれかに記載の操作装置。
上記手段10によれば、カバー部には、片側ヒンジ部側へと突出するヒンジ部押圧部が設けられている。従って、カバー部を回動させたときに、カバー部によって片側ヒンジ部における所定の狙い部位(例えば、上記手段8では、片側ヒンジ部のうちその回動軸と操作軸の先端部を押圧する部位との間)をより確実に押圧することができる。その結果、上記手段8等による作用効果をより確実に発揮させることができる。
手段11.前記ヒンジ部押圧部は、前記カバー部を前記操作軸側へと回動させたときに、前記片側ヒンジ部に接触しつつ回転可能なカバー部側ローラ部を備えることを特徴とする手段10に記載の操作装置。
上記手段11によれば、ヒンジ部押圧部(カバー部側ローラ部)を片側ヒンジ部に接触させた状態でカバー部を回動させたときに、ヒンジ部押圧部及び片側ヒンジ部間で生じる摩擦力を比較的小さくすることができる。従って、片側ヒンジ部等における摩耗を効果的に抑制することができる。これにより、装置の動作安定性をより高めることができるとともに、故障の発生防止を一層確実に図ることができる。
また、上記手段11によれば、カバー部を回動させたときに、ヒンジ部押圧部(カバー部側ローラ部)が片側ヒンジ部に接触しつつ、スムーズに移動することとなる。従って、カバー部を回動させるために必要な力をより小さくすることができ、一層良好な操作性を得ることができる。
手段12.前記片側ヒンジ部は、前記カバー部側へと突出するとともに、前記カバー部を前記操作軸側へと回動させたときに、前記カバー部に接触するカバー部接触突起部を具備することを特徴とする手段7乃至9のいずれかに記載の操作装置。
上記手段12によれば、片側ヒンジ部には、カバー部側へと突出するカバー部接触突起部が設けられている。従って、片側ヒンジ部における所定の狙い部位にカバー部接触突起部を設けることで、カバー部によって片側ヒンジ部の前記狙い部位(例えば、上記手段8では、片側ヒンジ部のうちその回動軸と操作軸の先端部を押圧する部位との間)をより確実に押圧することができる。その結果、上記手段8等による作用効果をより確実に発揮させることができる。
手段13.前記カバー部接触突起部は、前記カバー部を前記操作軸側へと回動させたときに、前記カバー部に接触しつつ回転可能なヒンジ部側ローラ部を備えることを特徴とする手段12に記載の操作装置。
上記手段13によれば、カバー部を片側ヒンジ部(カバー部接触突起部)に接触させた状態で回動させたときに、カバー部及び片側ヒンジ部間で生じる摩擦力を比較的小さなものとすることができる。従って、カバー部や片側ヒンジ部における摩耗を効果的に抑制することができる。これにより、装置の動作安定性を一層高めることができるとともに、故障の発生防止をより一層確実に図ることができる。
また、カバー部及び片側ヒンジ部間で生じる摩擦力の低減が図られることで、カバー部をスムーズに回動させることができる。従って、カバー部を回動させるために必要な力をより小さくすることができ、一層良好な操作性を得ることができる。
手段14.前記取付対象物は、前記槽体であるとともに、
前記槽体は、底壁部及び当該底壁部に立設された側壁部を有し、前記底壁部及び前記側壁部によって貯水空間が形成されるとともに、前記底壁部に前記排水口が貫通形成され、かつ、前記側壁部に前記貫通孔が貫通形成され、
前記貫通孔は、前記槽体からの水の溢れ出しを防止するオーバーフロー口であり、
前記側壁部には、前記貯水空間とは反対側に向けて窪んだ空間である収容空間を有してなる収容部が設けられるとともに、
前記収容空間は、前記貯水空間側に向けて開口する開口部を有するとともに、前記オーバーフロー口に連通し、かつ、前記カバー部が配置されるように構成され、
前記開口部は、水平方向又は斜め上方に向けて開口し、
前記側壁部は、前記開口部を形成する開口部側縁部を備えるとともに、
前記開口部側縁部は、その最下部に位置し、水平方向に延びる下辺部を具備し、
前記カバー部支持部は、前記下辺部の近傍に設けられることを特徴とする手段1乃至13のいずれかに記載の操作装置。
カバー部が配置される収容空間の開口部が水平方向又は斜め上方に向けて開口する場合、収容空間を形成する収容部のうち下側に位置する部位を伝わって排水が流れることとなる。そのため、収容部のうち下側に位置する部位には、汚れが比較的付着しやすい。また、開口部は、通常、使用者から見て下方にあるため、収容部のうち下側に位置する部位は、使用者にとっては見えやすい。
この点、上記手段14によれば、カバー部支持部は、開口部を形成する開口部側縁部における下辺部の近傍に設けられており、カバー部は、下辺部の近傍部分に対し軸支された状態とされている。そのため、回動に伴いカバー部の位置が変化しても、カバー部によって、収容部のうち下側に位置する部位(つまり、汚れが付着しやすく、かつ、一般に使用者から見えやすい部位)をより確実に隠すことができる。従って、収容部に付着した汚れを使用者が視認しにくくなり、見栄えを良くすることができる。
手段15.前記台座部は、前記収容空間の下部に設けられ、
前記台座部の上面は、前記下辺部に連なる水平面状、又は、前記下辺部に向けて徐々に下方に傾斜する傾斜面状をなすことを特徴とする手段14に記載の操作装置。
上記手段15によれば、台座部の上面を伝わって、収容空間に残った水が槽体の貯水空間側へと流出しやすくなる。従って、収容空間における水残りをより確実に防止することができ、衛生性や清掃性の向上を図ることができる。
手段16.前記オーバーフロー口に挿通された筒状の取付部材を備えるとともに、
前記台座部は、前記収容空間の下部に設けられ、
前記台座部の上面は、前記取付部材の内周面に連なる水平面状、又は、前記取付部材の内周に向けて徐々に下方に傾斜する傾斜面状をなすことを特徴とする手段14に記載の操作装置。
上記手段16によれば、台座部の上面を伝わって、収容空間に残った水が取付部材の内周側へと流出しやすくなる。従って、収容空間における水残りをより確実に防止することができ、衛生性や清掃性の向上を図ることができる。
手段17.前記槽体に対し直接又は間接的に固定され、前記操作軸とは反対側に向けた前記カバー部の回動可能範囲を規定するストッパ部を備え、
前記ストッパ部は、前記操作軸とは反対側に向けた前記カバー部の回動可能範囲を、前記収容空間の外部へと前記カバー部が突出しない範囲に規定することを特徴とする手段14乃至16のいずれかに記載の操作装置。
上記手段17によれば、ストッパ部によって、カバー部が貯水空間側へと飛び出してしまうことをより確実に防止できる。これにより、安全性や使い勝手を一層高めることができるとともに、優れた外観品質を得ることができる。
手段18.前記貫通孔に挿通されるとともに、内部に前記カバー部が配置される筒状の収容部材と、
前記取付対象物に対し直接又は間接的に固定され、前記操作軸とは反対側に向けた前記カバー部の回動可能範囲を規定するストッパ部とを備え、
前記ストッパ部は、前記操作軸とは反対側に向けた前記カバー部の回動可能範囲を、前記収容部材の外部へと前記カバー部が突出しない範囲に規定することを特徴とする手段1乃至13のいずれかに記載の操作装置。
上記手段18によれば、ストッパ部によって、カバー部が収容部材の外部へと飛び出してしまうことをより確実に防止できる。これにより、安全性や使い勝手を一層高めることができるとともに、優れた外観品質を得ることができる。
手段19.前記ストッパ部と前記台座部とは一部材からなることを特徴とする手段17又は18に記載の操作装置。
上記手段19によれば、ストッパ部と台座部とは一部材からなるため、部品点数の削減や装置の簡素化を一段と図ることができる。従って、製造コストを一層低減することができる。また、台座部及びストッパ部の取付を別々に行うといった手間がなくなり、取付作業性をより一層向上させることができる。
手段20.前記カバー部に対し、前記操作軸とは反対側の回動方向に向けた付勢力を付与する弾性部材を備えることを特徴とする手段17乃至19のいずれかに記載の操作装置。
上記手段20によれば、操作軸を第二位置から第一位置に移動させるにあたって、カバー部をスムーズに移動させることができる。その結果、より優れた操作性を得ることができる。
手段21.前記取付対象物に対し直接又は間接的に固定された被摺動部を備え、
前記カバー部は、自身の回動時に、前記被摺動部との間で摩擦力を生じつつ前記被摺動部を摺動するダンパー部を備えることを特徴とする手段1乃至20のいずれかに記載の操作装置。
上記手段21によれば、ダンパー部と被摺動部との間で生じた摩擦力によって、カバー部の移動(回動)速度を低めに抑えることができる。従って、例えば、操作軸を第二位置から第一位置へと戻すためのバネ等からなる戻り力付与部や上記手段20の弾性部材等によって、カバー部に対し比較的大きな付勢力が加わった場合などに、カバー部が意図せず使用者側に向けて飛び出してしまうといった事態をより確実に防止できる。その結果、安全性や使い勝手の向上を図ることができる。
手段22.前記被摺動部と前記台座部とは一部材からなることを特徴とする手段21に記載の操作装置。
上記手段22によれば、台座部と被摺動部とは一部材からなるため、部品点数の削減や装置の簡素化を図ることができる。これにより、製造コストの更なる低減を図ることができる。また、台座部及び被摺動部の取付を別々に行うといった手間がなくなり、取付作業性を一層高めることができる。
手段23.前記取付対象物に対し直接又は間接的に固定された被摺動部を備え、
前記カバー部は、自身の回動時に、前記被摺動部との間で摩擦力を生じつつ前記被摺動部を摺動するダンパー部を備え、
前記被摺動部と前記ストッパ部とは一部材からなることを特徴とする手段17又は18に記載の操作装置。
上記手段23によれば、被摺動部とストッパ部とは一部材からなるため、部品点数の削減や装置の簡素化をさらに図ることができる。その結果、製造コストの更なる低減、及び、取付作業性の一段の向上を図ることができる。
手段24.前記操作軸は、
棒状の本体軸部と、
前記本体軸部の先端部を覆う被覆部とを備え、
前記被覆部によって、前記操作軸の先端部が構成されることを特徴とする手段1乃至23のいずれかに記載の操作装置。
上記手段24によれば、本体軸部を覆うようにして被覆部が設けられている。従って、操作軸における耐久性(例えば、耐摩耗性等)を高めることができる。
また、上記手段3等のように、カバー部が操作軸の先端部に接触した状態で移動(回動)するように構成した場合には、被覆部として表面の摩擦抵抗が比較的低いものを用いることで、カバー部をスムーズに移動(回動)させることができる。これにより、より一層良好な操作性を実現することができる。
手段25.前記取付対象物に対し直接又は間接的に取付けられたダンパー機構を備え、
前記ダンパー機構は、前記カバー部の回動時に、その回動方向とは反対方向の抵抗力を前記カバー部に付与するように構成されていることを特徴とする手段1乃至24のいずれかに記載の操作装置。
上記手段25によれば、ダンパー機構からカバー部に付与される抵抗力によって、カバー部の移動(回動)速度を低めに抑えることができる。従って、例えば、操作軸を第二位置から第一位置へと戻すためのバネ等からなる戻り力付与部や上記手段20の弾性部材等によって、カバー部に対し比較的大きな付勢力が加わった場合などに、カバー部が意図せず使用者側に向けて飛び出してしまうといった事態等をより確実に防止できる。その結果、安全性や使い勝手の向上を図ることができる。
手段26.前記取付対象物は、前記槽体であるとともに、
前記槽体は、底壁部及び当該底壁部に立設された側壁部を有し、前記底壁部及び前記側壁部によって貯水空間が形成されるとともに、前記底壁部に前記排水口が貫通形成され、かつ、前記側壁部に前記貫通孔が貫通形成され、
前記貫通孔は、前記槽体からの水の溢れ出しを防止するオーバーフロー口であり、
前記側壁部に取付けられ、前記オーバーフロー口を通って自身の内部空間へと排水が流入可能に構成された筒状の配管と、
外周側に突出し前記側壁部の表面に直接又は間接的に接触する鍔部を有するとともに、前記オーバーフロー口に挿通される筒状の取付部材とを備え、
前記取付部材の外周には、雄ねじ部が形成されるとともに、
前記配管の内周には、前記雄ねじ部を螺合可能な雌ねじ部が形成され、
前記雌ねじ部に前記雄ねじ部を螺合し、前記鍔部と前記配管とによって前記側壁部を挟み込むことで、前記側壁部に対し前記配管が取付けられ、
前記台座部は、前記鍔部と前記側壁部とで挟み込まれることにより、前記側壁部に対し取付けられていることを特徴とする手段1乃至25のいずれかに記載の操作装置。
上記手段26によれば、側壁部に対し配管を比較的容易に取付けることができ、取付作業性の更なる向上を図ることができる。
また、上記手段26によれば、側壁部に対する配管の取付と同時に、側壁部に対する台座部の取付を行うことができる。従って、取付作業性をより一層高めることができる。
手段27.前記貯水空間とは反対側に向けて窪んだ空間である収容空間を形成する収容部が前記側壁部に設けられるとともに、前記収容空間と前記オーバーフロー口とが連通するように構成された手段26に記載の操作装置の取付方法であって、
前記鍔部と前記側壁部との間に前記台座部を配置した上で、前記雌ねじ部に対し前記雄ねじ部を螺合する螺合工程を含み、
前記螺合工程においては、前記収容部と前記台座部との間に所定の位置出し用治具を配置し、前記台座部の回転移動を規制するとともに、前記収容部と前記台座部との間の距離を所定距離とした状態で、前記雌ねじ部に対し前記雄ねじ部を螺合することを特徴とする操作装置の取付方法。
上記手段27によれば、位置出し用治具により、取付作業時における台座部の回転移動を規制することができるとともに、収容部と台座部との間の距離を所定距離とすることができる。これにより、台座部をより確実に狙いの位置へと配置することができ、台座部に設けられたカバー部支持部についても、より確実に狙いの位置に配置することができる。その結果、カバー部支持部に取付けられるカバー部を精度よく狙いの位置に設置することができる。
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
図1及び図2に示すように、排水栓装置1は、排水口装置2及び操作装置3を備えており、槽体及び取付対象物としての浴槽100に取付けられている。
まず、排水栓装置1の説明に先立って、浴槽100の構成について説明する。
浴槽100は、底壁部101と、当該底壁部101の外周に立設された側壁部102とを備えており、底壁部101及び側壁部102によって水をためるための貯水空間103が形成されている。また、底壁部101には、貯水空間103内の水を排出するための排水口104が貫通形成されている。
さらに、側壁部102の上部には、浴槽100からの水の溢れ出しを防止するための貫通孔としてのオーバーフロー口105が貫通形成されている。加えて、側壁部102には、収容部106が形成されており、収容部106は、前記貯水空間103とは反対側に向けて窪んだ空間である収容空間107を有している。
収容部106は、オーバーフロー口105が形成されるとともに、鉛直方向に対して斜めに傾斜する張出部106Aと、側壁部102の貯水空間103側の部位及び張出部106A間に位置する連結壁部106Bとを具備している。また、収容部106は、前記貯水空間103に隣接し、貯水空間103側から見て矩形状をなす開口部側縁部106Cを備えている。本実施形態において、開口部側縁部106Cのうちその最下部に位置する下辺部106Dは、水平方向に延びている。
収容空間107は、後述するカバー部36の移動範囲(移動領域)に対応する形状をなしており、上方側ほど奥行の大きくなる空間とされている。また、収容空間107は、オーバーフロー口105に連通している。加えて、収容空間107は、貯水空間103側に向けて開口する開口部107Aを有している。開口部107Aは、斜め上方を向くとともに、前記開口部側縁部106Cによって形成され、貯水空間103側から見て矩形状をなしている。
次いで、排水口装置2の構成について説明する。排水口装置2は、図2に示すように、排水口104に設けられており、排水口部材21と、排水管22と、支持軸機構23と、栓蓋24とを備えている。
排水口部材21は、筒状をなし、排水口104に挿設されている。また、排水口部材21は、自身の内部において前記支持軸機構23を保持している。
排水管22は、主管22Aと、枝分かれ管22Bとを備えている。主管22Aは、鉛直方向に沿って延びる筒状をなし、排水口部材21の下方において排水口部材21と同軸に配置されている。貯水空間103の水は、排水口部材21の内部及び主管22Aの内部を通って排出されるようになっている。
枝分かれ管22Bは、主管22Aの外周から、主管22Aの延びる方向と直交する方向に沿って延びている。さらに、枝分かれ管22Bは、その内部空間が主管22Aの内部空間に連通するとともに、操作装置3側に設けられた後述する配管32に対し図示しない連結管を介して接続されている。
支持軸機構23は、後述する伝達部材33Aの他端部が接触可能であるとともに、上端部に栓蓋24の取付けられた支持軸23Aを有している。支持軸23Aは、前記伝達部材33Aの往復運動に伴い上下動するように構成されており、支持軸23Aの上下動により栓蓋24が上下動する。
また、支持軸機構23は、図示しない戻り力付与部(例えば、バネ部材など)を備えており、当該戻り力付与部によって前記伝達部材33Aに対し、排水口装置2から操作装置3側に向けた付勢力が加えられている。
栓蓋24は、円板状の栓蓋本体24Aと、当該栓蓋本体24Aの背面に設けられたパッキン部24Bとを備えている。支持軸23Aの下動に伴い栓蓋24が下動した際には、前記パッキン部24Bが排水口部材21の内周面に接触することで、排水口104が閉鎖される。一方で、支持軸23Aの上動に伴い栓蓋24が上動した際には、前記パッキン部24Bが排水口部材21の内周面から離間することで、排水口104が開放される。
次に、操作装置3の構成について説明する。操作装置3は、図1に示すように、取付部材31、配管32、レリースワイヤ33、操作側機構部34、台座部35、及び、カバー部36を備えている。
取付部材31は、筒状をなし、オーバーフロー口105に挿通されている。また、取付部材31は、その一端部において径方向外側に突出形成された鍔部31Aと、鍔部31Aよりも他端側の外周面に形成された雄ねじ部31Bとを備えている。さらに、取付部材31は、径方向内側に突出するアーム部31Cを備えており、当該アーム部31Cは、取付部材31の周方向に沿って等間隔に複数(本実施形態では、4つ)設けられている。隣接するアーム部31C間には隙間が形成されており、取付部材31の内部空間へと流入した水は、前記隙間を通って配管32側へと流れ込むようになっている。加えて、各アーム部31Cの先端部は、筒状の機構保持部31Dへと連結されており、アーム部31Cによって機構保持部31Dが保持された状態となっている。
配管32は、筒状をなし、その一端側(上端側)内周に、前記雄ねじ部31Bを螺合可能な雌ねじ部32Aを備えている。本実施形態では、浴槽100の裏側において配管32をオーバーフロー口105と同軸に配置しつつ、オーバーフロー口105を通して取付部材31の雄ねじ部31Bを前記雌ねじ部32Aに対して螺合し、鍔部31A及び配管32の一端面により側壁部102(収容部106)を挟み込むことで、配管32が取付部材31に接続されるとともに、側壁部102に取付けられている。尚、本実施形態では、鍔部31A及び側壁部102の裏面の間に、弾性変形可能な材料により形成された環状のシール部材5が配置されており、当該シール部材5によって、取付部材31及び配管32と浴槽100との間からの漏水防止が図られている。
加えて、配管32の他端部(下端部)には、排水管22に接続される前記連結管(図示せず)が接続されている。これにより、収容空間107、オーバーフロー口105及び取付部材31の内部を通って配管32の内部へと流入した排水は、前記連結管を通り、排水管22へと流れ落ちるようになっている。
レリースワイヤ33は、支持軸機構23及び操作側機構部34間に設けられており、ワイヤー等からなる長尺状の伝達部材33Aと、樹脂やゴム等からなる長尺筒状のチューブ部材33Bとを備えている。伝達部材33Aは、チューブ部材33Bの内周に配置されており、チューブ部材33Bに対し往復移動可能とされている。
操作側機構部34は、棒状の操作軸341と、当該操作軸341の外周に配置された軸保持部342とを備えている。
操作軸341は、自身の軸方向に沿って往復移動可能な状態で軸保持部342により保持されており、所定の第一位置(上方側の位置)と、当該第一位置に位置しているときよりも自身の先端部が軸保持部342に接近する第二位置(下方側の位置)との間を移動可能とされている(実際には、操作軸341は、前記第二位置よりも若干下方の位置まで移動可能である)。
また、操作軸341は、棒状の本体軸部341Aと、当該本体軸部341Aの先端部(上端部)を覆うキャップ状の被覆部341Bとを備えている。被覆部341Bは、低摩擦性に優れる樹脂等により形成されており、その外表面のうち少なくともカバー部36に接触する部分は凹凸のない滑らかな形状とされている。本実施形態では、被覆部341Bによって操作軸341の先端部が構成されている。
さらに、操作軸341(本体軸部341A)の他端部(下端部)には、伝達部材33Aの一端部が直接又は間接的に接触するように構成されている。そして、操作軸341の往復動作による駆動力は、伝達部材33Aを介して栓蓋24側へと伝達され、ひいては栓蓋24が上下動するようになっている。より詳しくは、操作軸341を往動(下動)させることで、伝達部材33Aがチューブ部材33B内を往動(操作装置3側から排水口装置2側へと移動)し、ひいては支持軸23A及び栓蓋24が上動する。そして、操作軸341を所定の第二位置よりも下方まで往動させた上で、操作軸341への往動力を解除すると、次述するロック機構によって操作軸341が前記第二位置にてロックされるとともに、栓蓋24が排水口部材21から離間した状態で保持され、ひいては排水口104が開放した状態で維持される。一方、この状態で操作軸341をさらに往動した上で、操作軸341への往動力を解除すると、前記ロック機構による操作軸341のロックが解除され、前記戻り力付与部からの付勢力によって伝達部材33Aがチューブ部材33B内を復動(排水口装置2側から操作装置3側へと移動)する。これにより、操作軸341が復動(上動)して前記第一位置に配置されるとともに、栓蓋24が下動し、排水口104が閉鎖されることとなる。
軸保持部342は、機構保持部31Dの内周に挿通されるとともに、機構保持部31Dへと着座した状態で取付部材31に取付けられている。また、軸保持部342は、前記第一位置及び前記第二位置において操作軸341をロック可能な図示しないロック機構(例えば、スラストロック機構等)を備えている。
台座部35は、図3に示すように、中央に前記取付部材31の挿通される貫通孔を有する板状部35Aと、前記開口部側縁部106C(本実施形態では、下辺部106D)の近傍に配置されるカバー部支持部35Bとを備えている。
板状部35Aは、正面視面対称(線対称)の形状をなしており、本実施形態では、五角形状となっている。また、本実施形態では、板状部35Aが鍔部31A及び側壁部102により挟み込まれることで、浴槽100に対し台座部35が固定されている。
カバー部支持部35Bは、水平方向に延びる穴を有する筒状をなしており、板状部35Aと同様に正面視面対称(線対称)に一対設けられている。また、カバー部支持部35Bの外周面は、板状部35Aから突出する半円筒状をなしており、本実施形態では、カバー部支持部35Bの外周面により被摺動部35Cが形成されている。また、本実施形態では、台座部35と被摺動部35Cとは一体であり、一部材からなるものとされている。
さらに、台座部35は、カバー部支持部35Bと隣接する位置に、一対のストッパ部35Dを備えている。ストッパ部35Dは、板状部35Aの表面を基準として、開口部側縁部106C(下辺部106D)側に向けて徐々に高さの大きくなる傾斜面状をなしている。また、本実施形態において、台座部35とストッパ部35Dとは一体であり、一部材からなるものとされている。すなわち、本実施形態では、台座部35、ストッパ部35D及び被摺動部35Cが一体であり、一部材からなるものとされている。
カバー部36は、図1,4,5に示すように、前記開口部107Aの形状に対応する矩形板状をなし、自身の裏側に操作軸341が配置されている。また、カバー部36は、表面がなだらかに湾曲するカバー部本体部36Aと、カバー部本体部36Aの裏面中央部分から突出する操作軸押圧部36Bと、カバー部本体部36Aの裏面の両側部側に突出形成された一対のダンパー部36Cと、当該ダンパー部36Cの直近傍に設けられ、カバー部本体部36Aの裏面から突出する一対の突起部(図示せず)と、当該突起部の側面から突出し、先端部が相対向するように構成された一対の係止部(図示せず)とを備えている。カバー部36は、前記一対の係止部が前記カバー部支持部35Bの内周に挿通されつつ係止されることで、カバー部支持部35Bに対し回動可能に取付けられている。また、カバー部36は、自身の表面部分(貯水空間103側の部位)が押圧されることで操作軸341側に向けて回動し、収容空間107内へと配置されるようになっている。
尚、前記突起部は、樹脂等により形成されることで弾性変形可能とされており、突起部を弾性変形させることにより、前記一対の係止部間の距離が拡大可能となっている。また、係止部の先端部は、その先端に向けて徐々に先細るテーパ状とされている。そして、本実施形態において、カバー部支持部35Bに対するカバー部36の取付は、いわゆるスナップフィット係合によりなされるようになっている。より詳しくは、一方の前記係止部を一方の前記カバー部支持部35Bに挿通しつつ、他方の前記係止部の先端部(テーパ状部分)を他方の前記カバー部支持部35Bの外周面に接触させつつ、カバー部36を収容空間107側へと押し込むことで、他方の前記突起部を弾性変形させ、前記一対の係止部間の距離を拡大させる。そして、前記一対の係止部間の距離が所定値以上となると、他方の前記係止部が他方の前記カバー部支持部35Bに挿通されるとともに、突起部の弾性変形が解除されて前記一対の係止部間の距離が元に戻る。その結果、両カバー部支持部35Bに対し前記係止部が挿通された状態となり、カバー部支持部35Bに対しカバー部36が回動可能に軸支される。尚、本実施形態では、カバー部36を収容空間107とは反対側へと引っ張ることで、カバー部支持部35Bからカバー部36を取外すことが可能である。つまり、本実施形態では、カバー部支持部35Bに対し、カバー部36が取付・取外自在とされている。これにより、収容部106や台座部35等の清掃や、カバー部36の交換作業などが容易となり、清掃性やメンテナンス性の向上が図られるようになっている。
カバー部本体部36Aは、通常状態(カバー部36を収容空間107側へと回動させていない状態)において、その表面(貯水空間103側の面)と、側壁部102の表面(貯水空間103側の面)とが面一となるように構成されている。また、カバー部本体部36Aの周縁部と収容部106との間には、常に(回動に伴いカバー部36の位置が変化しても)若干の隙間が形成されるようになっており、形成された隙間を通って排水が収容空間107内へと流れ込むようになっている。
操作軸押圧部36Bは、カバー部36の回動軸CL1側に近づくにつれて、操作軸341の軸方向に沿った軸保持部342までの距離が徐々に小さくなる面であり、カバー部36の回動軸CL1と直交する断面において、操作軸押圧部36Bの外形線は、直線状又は湾曲線状をなしている。また、カバー部36の表面部分を押圧し、カバー部36を操作軸341側(収容空間107側)へと回動させると、操作軸押圧部36Bは、操作軸341の先端部(被覆部341B)に接触した状態で移動しつつ、操作軸341を押圧する。本実施形態において、カバー部36は、栓蓋24を操作するための操作部に相当し、カバー部36の表面部分を押圧する度に、操作軸341の前記第二位置におけるロック(排水口104の開放)と、操作軸341の前記第一位置におけるロック(排水口104の閉鎖)とが交互に行われるようになっている。
さらに、図5及び図6に示すように、操作軸押圧部36Bは、前記第一位置に位置する操作軸341の先端部と接触する第一操作軸接触部36B1と、前記第二位置に位置する操作軸341の先端部と接触する第二操作軸接触部36B2とを有している。本実施形態における操作軸押圧部36Bは、図7に示すように、カバー部36の回動軸CL1と直交するとともに、第一操作軸接触部36B1及び第二操作軸接触部36B2を通過する断面において、前記回動軸CL1及び第一操作軸接触部36B1を通過する仮想線VLを引いたとき、第二操作軸接触部36B2が仮想線VLよりも軸保持部342側に位置するように構成されている。
また、本実施形態では、上述の通り、操作軸押圧部36Bは、カバー部本体部36Aの裏面中央に突出形成されているため、図5及び図6に示すように、収容空間107側へとカバー部36を回動させたときに、カバー部36のうちその回動軸CL1とは反対側に位置する端部36Eを除いた部位が、操作軸341に接触しつつ移動し、操作軸341を押圧するように構成されている。つまり、本実施形態では、カバー部36を操作軸341側へと回動させたときに、カバー部36の端部36Eによって操作軸341が押圧されないように構成されている。
さらに、本実施形態では、前記戻り力付与部からの付勢力によって伝達部材33Aがチューブ部材33B内を復動(排水口装置2側から操作装置3側へと移動)し、操作軸341が復動(上動)する。そのため、操作軸341の復動(上動)に伴い、カバー部36が操作軸341とは反対側(収容空間107とは反対側)に向けて回動し得る。この点を考慮して、本実施形態では、カバー部36を操作軸341(収容空間107)とは反対側に回動させたとき、カバー部36の表面(貯水空間103側の面)と、側壁部102の表面(貯水空間103側の面)とが面一となった段階で、カバー部36の端縁部がストッパ部35Dへと接触し、カバー部36のそれ以上の回動が規制されるようになっている。つまり、ストッパ部35Dによって、カバー部36の収容空間107とは反対側に向けた回動可能範囲が規定されるとともに、この回動可能範囲は、収容空間107の外部へとカバー部36が突出しない範囲に規定されている。
ダンパー部36Cは、その先端部が被摺動部35Cと接触しており、カバー部36を回動させたときに、被摺動部35Cとの間で摩擦力を生じつつ、被摺動部35Cを摺動する。これにより、操作軸341の復動(上動)に伴い、カバー部36が回動したときに、カバー部36の回動速度が過度に大きなものとならない(カバー部36が勢いよく貯水空間103側へと回動しない)ようになっている。
次いで、浴槽100に対する操作装置3の取付手法について説明する。
まず、浴槽100の裏側において配管32をオーバーフロー口105と同軸に配置しつつ、張出部106Aに台座部35を載置する。この状態で、オーバーフロー口105及び台座部35の貫通孔を通して、取付部材31を配管32に挿入しつつ、雌ねじ部32Aに対して雄ねじ部31Bをある程度だけねじ込む。これにより、配管32が取付部材31によって落下不能に支持される。尚、この状態において、台座部35は、取付部材31の周方向に沿ってある程度回動可能な状態となっている。
続く螺合工程において、雌ねじ部32Aに対し雄ねじ部31Bを螺合する。より詳しくは、まず、図8に示すように、台座部35を回動させることにより、台座部35の両端縁部と収容部106(連結壁部106B)のうち前記台座部35の両端縁部と対向する部位とがほぼ平行となるように調節した上で、収容部106(連結壁部106B)と台座部35の両端縁部との間に、位置出し用治具JGの次述する脚部RBを配置する。
位置出し用治具JGは、図9に示すように、取付部材31の内径よりも大径の孔部HLを中心部分に有する板状の連結部RKと、当該連結部RKの幅方向両端部から前記孔部HLの延び方向と平行な方向に突出する一対の脚部RBとを備えている。脚部RBのうち孔部HLとは反対側の面(外側面)は、その大部分において、脚部RBのうち孔部HL側の面(内側面)と平行とされている。
図8に戻り、収容部106(連結壁部106B)と台座部35の両端縁部との間に脚部RBを配置することで、収容部106(連結壁部106B)と台座部35の両端縁部とがほぼ平行となる(収容部106と台座部35との間の距離が所定距離となる)とともに、台座部35の回動が規制される。この状態で、前記孔部HLを通して取付部材31の内周に所定の工具KGを嵌入するとともに、当該工具KGを回転させる。これにより、雌ねじ部32Aに対し雄ねじ部31Bが螺合され、配管32が浴槽100に接続される。また、台座部35は、鍔部31A及び側壁部102に挟み込まれ、側壁部102に取付けられる。尚、工具KGは、自身の回転時に、例えば、アーム部31Cに対し係止される。
次に、工具KG及び位置出し用治具JGを取外した上で、機構保持部31Dの内周に軸保持部342を配置することにより、取付部材31に対し操作側機構部34を取付ける。尚、操作側機構部34は、レリースワイヤ33が予め取付けられている。また、本体軸部341Aに対して被覆部341Bが予め取付けられている。
最後に、カバー部36をカバー部支持部35Bに対しスナップフィット係合し、カバー部支持部35Bに対しカバー部36を回動可能に取付けることで、浴槽100に対する操作装置3の取付が完了する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、カバー部36は台座部35に取付けられるため、カバー部36を取付ける際に、操作軸341の先端部を狙って取付作業を行う必要がなくなる。また、台座部35は側壁部102に固定されており、台座部35が簡単に動いてしまうといったことがないため、台座部35に対するカバー部36の取付を容易に行うことができる。これらの結果、取付作業性を格段に向上させることができる。
さらに、カバー部36は、操作軸341に固定されるものではないため、カバー部36の動きが、操作軸341の動きに支配されるといったことがない。従って、カバー部36の動き方(回動量、回動方向等)を任意に調節することができ、カバー部36の動き方(の設定)に自由度をもたせることができる。これにより、カバー部36の動き方に関連する要素(例えば、カバー部36の移動空間である収容空間107の大きさ等)を容易に調節することが可能となる。
また、本実施形態では、カバー部36を回動させたとき、カバー部36のうち端部36Eを除いた部位が、操作軸341に接触した状態で移動しつつ、操作軸341を押圧する。従って、操作時において、カバー部36のうち端部36Eと操作軸341に接触する部位との間を押圧することで、てこの原理により、比較的小さな力で操作軸341を押圧し移動させることができる。これにより、良好な操作性を得ることができる。
加えて、操作時において、カバー部36が操作軸341の先端部に対し直接接触する構成であるため、部品点数の削減や装置の安定的な動作、製造コストの低減を図ることができる。
併せて、本実施形態によれば、仮想線VL上に第二操作軸接触部36B2が位置する場合又は仮想線VLよりも軸保持部342とは反対側に第二操作軸接触部36B2が位置する場合と比較して、操作軸押圧部36Bにおける操作軸341との接触部位が第一操作軸接触部36B1から第二操作軸接触部36B2となるようにカバー部36を回動させたときに、カバー部36の単位回動量当たりにおける操作軸341の移動量をより大きくすることができる。従って、カバー部36の回動量が小さくても、操作軸341を深く押し込むことができ、操作軸341を大きく移動させることができる。これにより、カバー部36をさほど回動させる(さほど押圧する)ことなく、栓蓋24をより確実に上下動させることができる。
また、カバー部36は、下辺部106Dの近傍部分に対し軸支されている。そのため、回動に伴いカバー部36の位置が変化しても、カバー部によって、収容部106のうち下側に位置する部位(つまり、汚れが付着しやすく、かつ、一般に使用者から見えやすい部位)をより確実に隠すことができる。従って、収容部106に付着した汚れを使用者が視認しにくくなり、見栄えを良くすることができる。
加えて、被覆部341Bは、低摩擦性に優れる材料により形成されるとともに、その外表面が凹凸のない滑らかな形状であり、表面の摩擦抵抗が比較的低いものとされている。そのため、カバー部36を回動させたときに、カバー部36及び被覆部341B間で生じる摩擦力を小さくすることができ、ひいてはカバー部36をスムーズに回動させることができる。これにより、より一層良好な操作性を実現することができる。また、カバー部36及び操作軸341における耐久性を高めることができる。
さらに、ダンパー部36Cと被摺動部35Cとの間で生じた摩擦力によって、カバー部36の移動(回動)速度を低めに抑えることができる。従って、前記戻り力付与部によって、カバー部36に対し比較的大きな付勢力が加わった場合などに、カバー部36が意図せず使用者(貯水空間103)側に向けて飛び出してしまうといった事態をより確実に防止できる。その結果、安全性や使い勝手の向上を図ることができる。
併せて、台座部35、被摺動部35C及びストッパ部35Dは一部材からなるため、部品点数の削減や装置の簡素化を図ることができる。これにより、製造コストの更なる低減を図ることができる。また、台座部35や被摺動部35C、ストッパ部35Dの取付を別々に行うといった手間がなくなり、取付作業性を一層高めることができる。
また、ストッパ部35Dによって、カバー部36が貯水空間103側へと飛び出してしまうことを一層確実に防止できる。これにより、安全性や使い勝手を一層高めることができるとともに、優れた外観品質を得ることができる。
加えて、本実施形態では、螺合工程において、側壁部102に対する配管32の取付と同時に、側壁部102に対する台座部35の取付を行うことができる。従って、取付作業性をより一層高めることができる。
さらに、螺合工程において、位置出し用治具JGを用いることにより、取付作業時における台座部35の回転移動を規制することができるとともに、収容部106(連結壁部106B)と台座部35の両側縁部との間の距離を所定距離とすることができる。これにより、台座部35をより確実に狙いの位置へと配置することができ、ひいてはカバー部支持部35Bもより確実に狙いの位置に配置することができる。その結果、カバー部支持部35Bに取付けられるカバー部36を精度よく狙いの位置に設置することができる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第1実施形態では、カバー部36が操作軸341を直接押圧するように構成されているが、本第2実施形態では、図10〜12に示すように(尚、図10では、カバー部36を不図示)介在部としての片側ヒンジ部37を介して、カバー部36が操作軸341を間接的に押圧するように構成されている。
詳述すると、本第2実施形態において、台座部35は、カバー部支持部35Bの形成された側とは反対側の端縁部の中心部分に、介在部支持部35Eを備えている。介在部支持部35Eは、板状部35Aから開口部107A側に突出しており、収容部106の最上部の近傍に設けられている。また、介在部支持部35Eは、間隔を隔てて平行に設けられた板状をなす一対の立設部35E1,35E2によって構成されており、両立設部35E1,35E2には、同軸形成された穴部分が設けられている。
片側ヒンジ部37は、長手方向に沿って一定の幅を有する湾曲板状をなしており、長手方向の一端部には、幅方向外側に突出する一対の突部(図示せず)を備えている。当該突部は、その先端部が先端に向けて先細るテーパ状とされている。そして、前記突部が前記両立設部35E1,35E2の穴部分に挿通されることで、片側ヒンジ部37は、介在部支持部35Eに対し回動可能に軸支されている。
尚、本実施形態において、両立設部35E1,35E2は、弾性変形可能な材料(例えば、樹脂等)により形成されており、両立設部35E1,35E2間の距離を拡大可能とされている。そして、介在部支持部35Eに対する片側ヒンジ部37の取付は、いわゆるスナップフィット係合によりなされるようになっている。より詳しくは、一方の立設部35E1(35E2)の穴部分に一方の前記突部を挿通しつつ、他方の立設部35E2(35E1)に対し他方の前記突部の先端部分(テーパ状部分)を接触させつつ、片側ヒンジ部37を介在部支持部35E側へと押し込むことで、立設部35E1,35E2を弾性変形させ、両立設部35E1,35E2間の距離を徐々に拡大させる。そして、両立設部35E1,35E2間の距離が所定値以上となると、他方の前記突部が他方の立設部35E2(35E1)の穴部分に挿通されるとともに、両立設部35E1,35E2間の距離が元に戻る。これにより、介在部支持部35Eに対し片側ヒンジ部37が回動可能に軸支される。
さらに、片側ヒンジ部37は、その先端部(他端部)の裏面が操作軸341と接触可能とされており、片側ヒンジ部37が軸保持部342側へと回動することで、操作軸341が往動(下動)するようになっている。
加えて、カバー部36は、片側ヒンジ部37側に向けて突出するヒンジ部押圧部36Fを備えており、ヒンジ部押圧部36Fは、回転自在なカバー部側ローラ部36Gを有している。カバー部36の表面部分(貯水空間103側の部分)が押圧され、カバー部36が操作軸341側(収容空間107側)へと回動したときには、カバー部側ローラ部36Gが片側ヒンジ部37に接触した状態で回転しつつ移動し、片側ヒンジ部37を押圧する。その結果、片側ヒンジ部37が軸保持部342側へと回動し、操作軸341が往動する。
また、本実施形態では、カバー部36を収容空間107側へと回動させたとき、カバー部側ローラ部36Gは、片側ヒンジ部37のうち操作軸341の先端部を押圧する部位と片側ヒンジ部37の回動軸CL2との間に位置する部位に接触した状態で移動しつつ、片側ヒンジ部37を押圧するように構成されている。
以上、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、取付作業性を格段に向上させることができるとともに、カバー部36の動き方に自由度をもたせることができる。
また、本第2実施形態では、カバー部36を操作軸341側へと回動させたときに、片側ヒンジ部37を介して操作軸341が押圧される。従って、片側ヒンジ部37を調整すること(例えば、片側ヒンジ部37の長さ調整や片側ヒンジ部37とカバー部36との接触部分の調整など)により、カバー部36の回動量に対する操作軸341の往復移動量(ストローク量)を容易に調節することができる。
さらに、カバー部36によって、片側ヒンジ部37のうちその回動軸CL2と操作軸341の先端部を押圧する部位との間が押圧される。従って、てこの原理により、カバー部36の回動量が小さくても、操作軸341を深く押し込むことができる。これにより、操作軸341において十分な往復移動量(ストローク量)を得ることができ、カバー部36をさほど回動させる(さほど押圧する)ことなく、栓蓋24をより確実に上下動させることができる。
加えて、カバー部36を回動させたときに、ヒンジ部押圧部36Fによって片側ヒンジ部37における狙い部位(片側ヒンジ部37のうちその回動軸CL2と操作軸341の先端部を押圧する部位との間)をより確実に押圧することができる。その結果、上述の作用効果をより確実に発揮させることができる。
また、カバー部側ローラ部36Gが設けられているため、ヒンジ部押圧部36F(カバー部側ローラ部36G)を片側ヒンジ部37に接触させた状態でカバー部36を回動させたときに、ヒンジ部押圧部36F及び片側ヒンジ部37間で生じる摩擦力を比較的小さくすることができる。従って、片側ヒンジ部37等における摩耗を効果的に抑制することができる。これにより、操作装置3の動作安定性をより高めることができるとともに、故障の発生防止を一層確実に図ることができる。
加えて、カバー部側ローラ部36Gを設けることで、カバー部36を回動させたときに、ヒンジ部押圧部36F(カバー部側ローラ部36G)が片側ヒンジ部37に接触しつつ、スムーズに移動することとなる。従って、カバー部36を回動させるために必要な力をより小さくすることができ、一層良好な操作性を得ることができる。
また、台座部35及び介在部支持部35Eは一部材からなるため、部品点数の削減や装置の簡素化をより図ることができる。これにより、製造コストの更なる低減を図ることができる。また、台座部35及び介在部支持部35Eの取付を別々に行うといった手間がなくなり、取付作業性をより一層高めることができる。
さらに、介在部支持部35Eは、収容部106の最上部の近傍に設けられている。そのため、介在部支持部35Eの存在による通水阻害をより確実に防止することができ、排水性能の低下を抑制することができる。また、介在部支持部35Eに対する異物等の付着を効果的に防止でき、衛生性や清掃性を高めることができる。
〔第3実施形態〕
次いで、第3実施形態について上記第2実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第2実施形態では、カバー部36が片側ヒンジ部37側に突出するヒンジ部押圧部36Fを具備するとともに、ヒンジ部押圧部36Fが回転自在なカバー部側ローラ部36Gを有する構成とされている。これに対し、本第3実施形態では、図13及び図14に示すように、片側ヒンジ部37は、その表面(貯水空間103側の面)の長手方向中央部分に、カバー部36側へと突出するカバー部接触突起部37Bを備えており、また、カバー部接触突起部37Bは、回転自在なヒンジ部側ローラ部37Cを有している。
カバー部接触突起部37Bは、片側ヒンジ部37のうちその回動軸CL2と操作軸341の先端部を押圧する部位との間に設けられている。そして、カバー部36を操作軸341側(収容空間107側)へと回動させたときに、ヒンジ部側ローラ部37Cがカバー部36に接触しつつ回転するとともに、片側ヒンジ部37が軸保持部342側へと回動し、ひいては操作軸341が往動するようになっている。
以上、本第3実施形態によれば、上記第2実施形態と同様に、てこの原理により、カバー部36の回動量が小さくても、操作軸341を深く押し込むことができる。これにより、操作軸341において十分な往復移動量(ストローク量)を得ることができ、カバー部36をさほど回動させる(さほど押圧する)ことなく、栓蓋24をより確実に上下動させることができる。
また、片側ヒンジ部37における所定の狙い部位(例えば、本実施形態では、片側ヒンジ部37のうちその回動軸CL2と操作軸341の先端部を押圧する部位との間)にカバー部接触突起部37Bが設けられているため、カバー部36によって片側ヒンジ部37の前記狙い部位をより確実に押圧することができる。その結果、上記作用効果をより確実に発揮させることができる。
加えて、ヒンジ部側ローラ部37Cによって、カバー部36を片側ヒンジ部37(カバー部接触突起部37B)に接触させた状態で回動させたときに、カバー部36及び片側ヒンジ部37間で生じる摩擦力を比較的小さなものとすることができる。従って、カバー部36や片側ヒンジ部37における摩耗を効果的に抑制することができる。これにより、操作装置3の動作安定性を一層高めることができるとともに、故障の発生防止をより一層確実に図ることができる。
また、カバー部36及び片側ヒンジ部37間で生じる摩擦力の低減が図られることで、カバー部36をスムーズに回動させることができる。従って、カバー部36を回動させるために必要な力をより小さくすることができ、一層良好な操作性を得ることができる。
〔第4実施形態〕
次いで、第4実施形態について、上記第1〜3実施形態との相違点を中心に説明する。上記第1〜3実施形態において、操作装置3は、浴槽100のオーバーフロー口105に対応して設けられている。これに対し、本第4実施形態において、操作装置6は、図15に示すように、浴槽100に貫通形成され、排水用として特段機能するものではない貫通孔109に対応して設けられている。尚、本実施形態において、側壁部102は、その上部から外側に向けて水平方向に延びるフランジ部108を備えており、貫通孔109は、当該フランジ部108に形成されている。
操作装置6は、操作側機構部61、支持用部材62及びカバー部63を備えている。
操作側機構部61は、貫通孔109に設けられており、棒状の操作軸611と、当該操作軸611をその軸方向に沿って往復移動可能な状態で保持する軸保持部612とを備えている。また、操作側機構部61には、所定のロック機構が設けられており、当該ロック機構によって、操作軸611は、所定の第一位置と、当該第一位置に配置されているときよりも自身の先端部が軸保持部612に接近することとなる第二位置とで保持可能とされている。尚、操作軸611は、上記第1〜3実施形態と同様に、棒状の本体軸部611Aと、この先端部を覆う被覆部611Bとを備えている。
支持用部材62は、貫通孔109に挿通されており、円筒状をなす筒状部621と、当該筒状部621の一端部から外側に突出する鍔状突起部622とを備えている。
筒状部621は、自身の内側において前記操作側機構部61を保持するとともに、その外周に雄ねじを備えている。そして、支持用部材62は、筒状部621の前記雄ねじを筒状をなす継手部材64の雌ねじへと螺合し、鍔状突起部622と継手部材64の一端部との間でフランジ部108を挟み込むことにより、浴槽100に取付けられている。尚、継手部材64の他端部には、図示しない管体の一端部が接続されており、当該管体の他端部は排水管22へと接続されている。これにより、支持用部材62内に浸入した水は、前記管体を通って排水管22へと流れ込み排出されるようになっている。
鍔状突起部622は、その外縁形状が矩形状(本実施形態では、正方形状)をなしている。また、鍔状突起部622には、その外縁部の一辺に対し平行に延びる穴を有する、複数(例えば、2つ)のカバー部支持部622Aが突出形成されている。つまり、本実施形態において、支持用部材62は、台座部としての機能を有しており、台座部は支持用部材62と一体化された状態となっている。
カバー部63は、前記鍔状突起部622の外縁形状に対応する矩形板状をなし、自身の裏側に操作軸611が配置されている。また、カバー部63は、カバー部支持部622Aに対し回動可能に軸支されている。そして、カバー部63の表面部分を押圧し、カバー部63を操作軸611側へと回動させると、カバー部63の操作軸押圧部63Bが、操作軸611の先端部に接触した状態で移動しつつ、操作軸611を押圧する。そして、上記実施形態と同様に、カバー部63を押圧して回動させる度に、操作軸611の前記第二位置におけるロック(排水口104の開放)と、操作軸611の前記第一位置におけるロック(排水口104の閉鎖)とが交互に行われるようになっている。
また、カバー部63の裏面部分には、ダンパー部631が設けられており、当該ダンパー部631は、カバー部63の回動時に、カバー部支持部622Aの外周面からなる被摺動部622Bとの間で摩擦力を生じつつ、被摺動部622Bを摺動するようになっている。結果的に、本実施形態では、支持用部材62と被摺動部622Bと台座部とが一体化され、一部材からなる構成とされている。
以上、本第4実施形態によれば、基本的には上記実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。すなわち、取付作業性を格段に向上させることができるとともに、カバー部63の動き方に自由度をもたせることができる等の作用効果が奏されることとなる。
〔第5実施形態〕
次いで、第5実施形態について、上記第4実施形態との相違点を中心に説明する。
本第5実施形態においては、支持用部材62に代えて、筒状の収容部材65が設けられている。収容部材65は、上記第4実施形態における支持用部材62と同様に、貫通孔109に挿通されるとともに、外周に形成された雄ねじが継手部材64の雌ねじに螺合されることで浴槽100に固定されている。その一方で、収容部材65は、その周方向に沿った内周面の一部に傾斜面を備えており、当該傾斜面にカバー部支持部652が突出形成されている点などで支持用部材62とは異なる構成となっている。
さらに、本第5実施形態では、カバー部66が、カバー部支持部652に対し回動可能に軸支された状態で収容部材65内に配置されている。カバー部66は、その表面が平坦な円板状とされており、操作軸611が第一位置に位置している状態において、フランジ部108の表面と面一となるように構成されている。また、カバー部66は、操作軸611とは反対側に向けて回動したときに、カバー部支持部652に支持されている側の端面が収容部材65に接触することで、収容部材65の外部へと突出しないようになっている。つまり、本実施形態では、収容部材65の内周面によって、操作軸611とは反対側に向けたカバー部66の回動可能範囲を収容部材65の外部へと突出しない範囲に規定するストッパ部651が構成されている。従って、本実施形態では、収容部材65とストッパ部651と台座部とが一体化された構成となっている。
また、カバー部66の裏側には、ダンパー部661が設けられており、当該ダンパー部661は、カバー部66の回動時に、カバー部支持部652の外周面からなる被摺動部653との間で摩擦力を生じつつ、被摺動部653を摺動するようになっている。結果的に、本実施形態では、収容部材65、被摺動部653、台座部及びストッパ部651が一体化され、一部材からなる構成とされている。
以上、本第5実施形態によれば、基本的には上記第4実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
加えて、本第5実施形態によれば、ストッパ部651によって、カバー部66が収容部材65の外部へと飛び出してしまうことをより確実に防止できる。これにより、安全性や使い勝手を一層高めることができるとともに、優れた外観品質を得ることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記第1〜3実施形態において、開口部107Aは斜め上方を向くように構成されているが、開口部107Aが水平方向を向くように構成してもよい。
(b)上記第1〜3実施形態において、開口部107Aは貯水空間103側から見て矩形状をなしているが、開口部107Aの形状はこれに限定されるものではない。従って、例えば、貯水空間103側から見て開口部107Aが円形状や楕円形状、三角形状、多角形状、角丸長方形状などをなすこととしてもよい。また、カバー部36の形状についても開口部107Aの形状等に合わせて適宜変更可能である。但し、カバー部36の形状は、必ずしも開口部107Aの形状に合わせる必要はない。
(c)上記第1〜3実施形態において、台座部35は、鍔部31A及び側壁部102により挟み込まれることで側壁部102に固定されているが、側壁部102に対する台座部の固定手法はこれに限られるものではない。例えば、鍔部31Aの表面に突起を設けるとともに、台座部35の裏面に前記突起を係入可能な凹部を設け、前記凹部に前記突起を係入することで、鍔部31Aに台座部35を固定し、ひいては側壁部102に対し間接的に台座部35を固定してもよい。尚、この場合には、鍔部31Aが側壁部102の表面に直接接触するように構成してもよい。また、鍔部31Aが台座部35で覆われるように構成してもよい。
また、例えば、ねじ止め等によって、台座部43を浴槽100(側壁部102)に対し直接固定するように構成してもよい(図23〜25参照)。
(d)上記第1〜3実施形態において、取付部材31及び台座部35は別体とされているが、両者を一体としてもよい。尚、この場合には、台座部35に相当する部位が収容部106に干渉することで、取付部材31に相当する部位を回転させることができず、ひいては雌ねじ部32Aに対し雄ねじ部31Bを螺合することが困難となる可能性がある。従って、取付部材31に相当する部位と配管32との接続にあたっては、例えば、スナップフィット係合などを採用し、取付部材31に相当する部位を回転させることなく、取付部材31に相当する部位と配管32とを接続できるように構成してもよい。
(e)上記第1〜3実施形態において、カバー部支持部35Bは下辺部106Dの近傍に設けられているが、カバー部支持部35Bを必ずしも下辺部106Dの近傍に設ける必要はなく、開口部側縁部106Cの近傍に設けられていればよい。従って、例えば、開口部側縁部106Cのうち最上部に位置する上辺部の近傍にカバー部支持部を設けることとしてもよい。また、開口部側縁部106Cのうち前記下辺部106D及び上辺部間に位置する右辺部や左辺部の近傍に、カバー部支持部を設けることとしてもよい。
(f)上記第1〜3実施形態において、台座部と被摺動部とは一部材からなるものとされているが、両者をそれぞれ別部材により構成してもよい。また、台座部及びストッパ部、並びに、介在部支持部35E及び台座部35についても同様に、両者をそれぞれ別部材により構成してもよい。
(g)上記実施形態において、操作軸341,611は、本体軸部341A,611A及び被覆部341B,611Bを備えているが、被覆部341B,611Bを設けず、本体軸部341A,611Aの先端部がカバー部36,63,66や片側ヒンジ部37と接触するように構成してもよい。
また、図17に示すように、操作軸341が、本体軸部341Aと、当該本体軸部341Aの先端部に設けられた回転自在な操作軸側ローラ部341Cとを備えることとしてもよい。この場合、操作軸側ローラ部341Cは、カバー部36を押圧して収容空間107側へと回動させたときに、カバー部36に接触しつつ回転するように構成される。このように構成することで、カバー部36を回動させたときに、カバー部36及び操作軸341間で発生する摩擦力を比較的小さくすることができる。これにより、カバー部36や操作軸341の摩耗を効果的に抑制することができる。その結果、操作装置3のより安定的な動作を図ることができるとともに、故障の発生防止をより確実に図ることができる。また、カバー部36を回動させるために必要な力をより小さくすることができ、より良好な操作性を得ることができる。尚、操作軸611に対し操作軸側ローラ部を設けても、上記同様の作用効果が得られることとなる。
(h)図18(尚、図18では、ダンパー部36Cやカバー部支持部35B等を不図示)に示すように、一端部がカバー部36に固定されるとともに、他端部が側壁部102に対し直接又は間接的に固定され(例えば、台座部35に固定され)、カバー部36に対し、操作軸341とは反対側(収容空間107とは反対側)の回動方向に向けた付勢力を付与する弾性部材38(例えば、ねじりバネなど)を設けることとしてもよい。この場合には、操作軸341を前記第二位置から前記第一位置に移動させるにあたって、カバー部36をスムーズに移動させることができる。その結果、より優れた操作性を得ることができる。また、常には(カバー部36を特に押圧していないときには)、カバー部36の表面と側壁部102の表面(貯水空間103側の面)とが面一となるため、外観品質を一層向上させることができる。尚、上記第4、5実施形態の操作装置6に対し弾性部材を設けた場合にも、操作性や外観品質の向上を図ることができる。
(i)上記第1実施形態では、カバー部36の回動軸CL1と直交するとともに、第一操作軸接触部36B1及び第二操作軸接触部36B2を通過する断面において、前記回動軸CL1及び第一操作軸接触部36B1を通過する仮想線VLを引いたとき、第二操作軸接触部36B2は仮想線VLよりも軸保持部342側に位置するように操作軸押圧部36Bが構成されているが、操作軸押圧部36Bの構成はこれに限定されるものではない。従って、例えば、前記仮想線VL上に第二操作軸接触部36B2が位置するように操作軸押圧部36Bを構成してもよい。
また、例えば、図19に示すように、第二操作軸接触部36B2が仮想線VLよりも軸保持部342とは反対側に位置するように操作軸押圧部36Bを構成してもよい。この場合には、仮想線VL上に第二操作軸接触部36B2が位置する場合又は仮想線VLよりも軸保持部342側に第二操作軸接触部36B2が位置する場合と比較して、操作軸押圧部36Bにおける操作軸341との接触部位が第一操作軸接触部36B1から第二操作軸接触部36B2となるようにカバー部36を回動させたときに、カバー部36の単位回動量当たりにおける操作軸341の移動量が急激に増大することをより確実に防止できる。つまり、操作軸341を第一位置から第二位置へと移動させる際に、操作軸341が第二位置に近づくにつれて、操作軸341を移動させるために必要な力が急激に増大するといった事態をより確実に防止できる。従って、カバー部36を押圧する際に、カバー部36へと加える力が比較的小さくても、操作軸341を容易に移動させることができる。その結果、栓蓋24の上下動を容易に行うことができ、操作性を一層向上させることができる。
(j)上記第2実施形態において、ヒンジ部押圧部36Fはカバー部側ローラ部36Gを備えているが、図20に示すように、ヒンジ部押圧部36Fを、単に片側ヒンジ部37側へと突出する形状とし、カバー部側ローラ部を設けないこととしてもよい。
(k)上記第2、第3実施形態では、カバー部36を操作軸341側(収容空間107側)へと回動させたとき、カバー部36は、片側ヒンジ部37のうち操作軸341の先端部を押圧する部位と片側ヒンジ部37の回動軸との間に位置する部位に接触した状態で移動しつつ、片側ヒンジ部37を押圧するように構成されている。これに対し、図21に示すように、カバー部36を操作軸341側(収容空間107側)へと回動させたとき、カバー部36が、片側ヒンジ部37のうち操作軸341の先端部を押圧する部位とその回動軸CL2とは反対側に位置する端部37Eとの間に位置する部位に接触した状態で移動しつつ、片側ヒンジ部37を押圧するように構成してもよい。この場合には、カバー部36を回動させたときにおける操作軸341の往復移動量(ストローク量)を比較的小さくすることができる。その結果、操作軸341におけるストローク量の調整を容易に行うことができる。また、カバー部36を押圧する際に、カバー部36へと加える力が比較的小さくても、操作軸341を容易に移動させることができる。その結果、栓蓋24の上下動を容易に行うことができ、操作性を一層向上させることができる。
(l)上記第2、第3実施形態において、片側ヒンジ部37の回動軸CL2は、操作軸341を挟んでカバー部36の回動軸CL1とは反対側に位置し、かつ、カバー部36の回動軸CL1と平行に設けられているが、カバー部36の回動軸CL1と片側ヒンジ部37の回動軸CL2との相対位置関係はこれに限定されるものではない。従って、例えば、片側ヒンジ部37の回動軸CL2を、カバー部36の回動軸CL1側に設けることとしてもよい。また、例えば、カバー部36の回動軸CL1と片側ヒンジ部37の回動軸CL2とが開口部107A側から見て交差する位置関係となるように構成してもよい。尚、このような交差する位置関係となる場合、片側ヒンジ部37の幅を比較的大きくすることにより、カバー部36の回動時に、カバー部36によって片側ヒンジ部37がより確実に押圧されるように構成してもよい。
(m)上記第2、第3実施形態では、介在部として片側ヒンジ部37を挙げているが、介在部はこれに限定されるものではなく、カバー部36と操作軸341の先端部との間に配置され、カバー部36の回動による力を操作軸341に対し伝達可能なものであればよい。
(n)上記第3実施形態において、カバー部接触突起部37Bはヒンジ部側ローラ部37Cを備えているが、図22に示すように、カバー部接触突起部37Bを、単にカバー部36側へと突出する形状とし、ヒンジ部側ローラ部37Cを設けないこととしてもよい。
(o)上記第1〜3実施形態において、カバー部36は、操作軸341が第一位置に配置されているときに、その表面が側壁部102の表面となるように構成されているが、必ずしもカバー部36の表面と側壁部102の表面とが面一とならなくてもよい。
また、操作装置3をオーバーフロー口105に対応して設けるにあたっては、必ずしも側壁部102に対し収容部106が形成されている必要はなく、側壁部に収容部106が存在しない(凹みがない)ものとし、このような凹みのない側壁部102に形成されたオーバーフロー口に対応して操作装置を設けることとしてもよい。
(p)上記第実施形態では、カバー部36(66)の回動時に、ダンパー部36C(622A,661)が被摺動部35C(622B,653)を摺動することで、カバー部36(66)の移動(回動)速度を低めに抑えられているが、ダンパー部及び被摺動部に代えて、又は、これらに加えて、図23〜25に示すように、浴槽100に対し取付けられたダンパー機構44を設けることとしてもよい。
ダンパー機構44は、いわゆるロータリーダンパーであり、台座部43に設けられている。また、ダンパー機構44は、台座部43の板状部43Aから突出する一対の支持突起部43Bに対し両端部が固定された中心軸部44Aと、当該中心軸部44Aの外周において相対回動可能に設けられた筒状のロータリー部44Bとを備えている。そして、例えば、ロータリー部44B内に低粘性のオイル等を設けたり、中心軸部44Aとロータリー部44Bとの接触抵抗を調節したりすること等によって、中心軸部44Aに対するロータリー部44Bの急激な回動が生じないように構成されている。
さらに、ロータリー部44Bの外周には、カバー部36の端縁部が固定されており、カバー部36の回動時に(本例では、カバー部36が操作軸344側に回動したときであっても、操作軸344とは反対側に回動したときであっても)、ダンパー機構44によって、カバー部36の回動方向とは反対方向の抵抗力がカバー部36に付与されるようになっている。このようなダンパー機構44を設けることで、カバー部36の移動(回動)速度を低めに抑えることができ、カバー部36の急激な移動(回動)に伴う不具合をより確実に抑制することができる。その結果、安全性や使い勝手の向上を図ることができる。尚、本例においては、ダンパー機構44がカバー部支持部としての機能を有することとなる。また、ダンパー機構44は、浴槽100に対し直接取付けられていてもよい。さらに、ダンパー機構44は、カバー部36が操作軸344側に回動したときにのみ、カバー部36に抵抗力を付与するように構成してもよいし、カバー部36が操作軸344とは反対側に回動したときにのみ、カバー部36に抵抗力を付与するように構成してもよい。
(q)図23〜25に示すように、台座部43を収容空間107の下部に設けるとともに、台座部43(板状部43A)の上面が、下辺部106D若しくは取付部材31の内周面に連なる水平面状、下辺部106Dに向けて徐々に下方に傾斜する傾斜面状、又は、取付部材31の内周に向けて徐々に下方に傾斜する傾斜面状(本例では、下辺部106D及び取付部材31の内周面に連なる水平面状)をなすように構成してもよい。この場合には、台座部43(板状部43A)の上面を伝わって、収容空間107に残った水が浴槽100の貯水空間103側や取付部材31の内周側へと流出しやすくなる。従って、収容空間107における水残りをより確実に防止することができ、衛生性や清掃性の向上を図ることができる。
(r)上記第1実施形態では、カバー部36を回動させたときに、操作軸341の先端部が操作軸押圧部36Bを摺動するように構成されているが、図24,25に示すように、例えば、被覆部344Bの先端面を比較的大径の円形状とすること等により、カバー部36を回動させたときに、操作軸押圧部36Hが操作軸344の先端部を摺動するように構成してもよい。
(s)上記第4、5実施形態におけるカバー部63,66の形状は例示であり、適宜変更可能である。また、上記第4,5実施形態では、支持用部材62や収容部材65がカバー部支持部622A,652を備え、台座部としての機能を有するものとされているが、支持用部材62や収容部材65とは別に、カバー部支持部を備える台座部を設けることとしてもよい。この場合、例えば、台座部は、支持用部材62や収容部材65の鍔状突起部とフランジ部108とで挟み込むことにより、浴槽100に固定してもよい。
(t)上記第4、5実施形態において、カバー部63,66は、回動時に、操作軸611と直接接触するように構成されているが、例えば、片側ヒンジ部等の介在部を介して、操作軸611と間接的に接触するように構成してもよい。
(u)上記実施形態において、操作装置3,6は浴槽100(槽体)に取付けられているが、操作装置の取付対象は、これに限定されるものではなく、例えば、槽体の近傍に設けられた構造物であってもよい。
(v)上記実施形態では、槽体として浴槽100を例示しているが、本発明の技術思想を適用可能な槽体は浴槽に限定されるものではない。従って、例えば、洗面化粧台や流し台などに対して、本発明の技術思想を適用することとしてもよい。
(w)上記実施形態では、栓蓋24(パッキン部24B)が排水口部材21に接触することで排水口104を閉鎖するように構成されているが、栓蓋24(パッキン部24B)が浴槽100(底壁部101)に接触することで排水口104を閉鎖するように構成してもよい。
(x)上記実施形態において、戻り力付与部は、支持軸機構23に設けられているが、戻り力付与部を操作側機構部34,61に設けることとしてもよい。また、上記実施形態において、ロック機構は、操作側機構部34,61に設けられているが、ロック機構を支持軸機構23に設けることとしてもよい。