JP6550213B2 - インクジェット記録用プライマーインク及びそれを用いたインクジェット記録用インクセット - Google Patents

インクジェット記録用プライマーインク及びそれを用いたインクジェット記録用インクセット Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録用プライマーインク及びそれを用いたインクジェット記録用インクセットに関するものである。
画像データ信号に基づき、紙等の被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型・溶融型の熱転写方式、インクジェット方式等が知られている。これらの中でもインクジェット方式は、安価な装置で実施可能であり、かつ、必要とされる画像部のみにインクを吐出して被記録媒体上に直接画像を形成可能であるため、インクを効率よく使用でき、ランニングコストを低減でき、更に騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
しかし、上記インクジェット方式で用いられるインク(インクジェット記録用インク)は、水性インクが中心であるため、紙のようにインク吸収性のある材料への印刷には適しているが、合成樹脂や金属等のようにインク吸収性のない材料ないしインク吸収性の低い材料(インク非吸収性材料)への印刷には適していない。
そこで、合成樹脂や金属等のインク非吸収性材料にも印刷可能なインクジェット記録用インクについて多くの提案がなされている。例えば、特許文献1では、耐水性の向上、耐拡散性及び耐摩耗性等の染色堅牢度等の印刷画像の品質改善、及び長期保存安定性の向上を図る水性顔料インク組成物が提案されている。また、特許文献2では、吐出安定性に優れた水性顔料インク組成物が提案されている。
しかし、特許文献1及び2に記載された水性顔料インク組成物は、エマルジョン樹脂等のバインダを含有していないため、被記録媒体が合成樹脂等のインク非吸収性材料の場合、当該被記録媒体に対するインクの密着性が劣るという問題がある。
また、特許文献3に記載の水性顔料インクは、ラテックス(エマルジョン)を含んでいるが、インクを被記録媒体に密着させるために90℃を超える比較的高温で乾燥する必要があるため、被記録媒体の材質が合成樹脂の場合には被記録媒体の変形が生じる等の問題がある。
そこで、特許文献4では、インクジェットインクの密着性の課題に対して、インクとの高い密着性を有する下地膜を形成して、耐擦性、耐傷性及び耐水性に優れたプラスチック記録物を形成する方法が提案されている。
特開2006−213922号公報 特開2008−1787号公報 特表2011−507991号公報 特開2006−281570号公報
しかし、特許文献4には被記録媒体として塩化ビニルフィルムを用いた例のみが記載されているが、特許文献4の方法をポリオレフィンからなる被記録媒体に適用した場合にインクジェットインクの密着性及び耐久性の課題が十分に解決されていないことが分かった。
本発明は、上記問題を解決するもので、インク非吸収性材料からなる被記録媒体にインクジェットインクで記録した画像の密着性及び耐久性を向上させることができるインクジェット記録用プライマーインク及びそれを用いたインクジェット記録用インクセットを提供する。
本発明のインクジェット記録用プライマーインクは、インク非吸収性材料(ポリオレフィンを除く)からなる被記録媒体に対するインクジェット記録用プライマーインクであって、フッ素・アクリル系複合樹脂、シリコーン・アクリル系複合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂及び塩素化ポリオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、水と、有機溶剤とを含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用インクセットは、上記本発明のインクジェット記録用プライマーインクと、インクジェット記録用画像形成インクとを含むことを特徴とする。
本発明によれば、ポリオレフィンからなる被記録媒体にインクジェットインクで記録した画像の密着性及び耐久性を向上させることができる。
先ず、本発明のインクジェット記録用プライマーインクについて説明する。
本発明のインクジェット記録用プライマーインクは、インク非吸収性材料からなる被記録媒体に対するインクジェット記録用プライマーインクであって、フッ素・アクリル系複合樹脂、シリコーン・アクリル系複合樹脂、塩化ビニル・アクリル系複合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂及び塩素化ポリオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、水と、有機溶剤とを含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用プライマーインクは、被記録媒体とインクジェットインクで記録した画像との間に配置される下地液であり、本発明のインクジェット記録用プライマーインクを用いることにより、インク非吸収性材料からなる被記録媒体にインクジェットインクで記録した画像の密着性及び耐久性を向上させることができる。
上記被記録媒体を構成するインク非吸収性材料には、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)等のポリオレフィン;ステンレス鋼、銅、アルミニウム等の金属;ガラス、磁器等の非吸水性セラミックス;等が該当する。
上記したフッ素・アクリル系複合樹脂、シリコーン・アクリル系複合樹脂、塩化ビニル・アクリル系複合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂及び塩素化ポリオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、上記水とは、エマルジョンを形成していることが好ましい。エマルジョンを形成することにより、本発明のインクジェット記録用プラマーインクの吐出安定性を確保できる。
上記樹脂の含有量は、プライマーインク全体に対して5.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。上記範囲であれば、本発明のインクジェット記録用プライマーインクの吐出安定性をより確実に確保できる。
次に、本発明のインクジェット記録用プライマーインクに含まれる樹脂について説明する。上記フッ素・アクリル系複合樹脂は、フッ素系樹脂とアクリル系樹脂とを分子レベルで相溶させた樹脂、あるいは、フッ素・アクリル共重合体であり、上記シリコーン・アクリル系複合樹脂は、シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂とを分子レベルで相溶させた樹脂、あるいは、シリコーン・アクリル共重合体であり、上記塩化ビニル・アクリル系複合樹脂は、塩化ビニル樹脂とアクリル系樹脂とを相溶させた樹脂である。また、上記塩素化ポリオレフィンは、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリブチレン等が該当する。
次に、本発明のインクジェット記録用プライマーインクに含まれる上記有機溶剤について説明する。上記有機溶剤としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等及びこれらの混合溶剤を用いることができる。
次に、上記エマルジョンについて説明する。上記樹脂と上記水とからなるエマルジョンとしては、次のものが使用できる。上記シリコーン・アクリル系複合樹脂のエマルジョンとしては、例えば、JSR社製のアクリルシリコーン系エマルジョン“SIFCLEAR S101”、“SIFCLEAR S102”(商品名)、日信化学工業社製のアクリルシリコーン系エマルジョン“シャリーヌ R−170”、“シャリーヌ R−170S”、“シャリーヌ FE−230N”、“シャリーヌ NE−500”、“シャリーヌ R−170EM”、(商品名)、東亜合成社製のアクリルシリコーン系エマルジョン“サイマック US−450”、“サイマック US−480”(商品名)等が使用できる。また、上記フッ素・アクリル系複合樹脂のエマルジョンとしては、例えば、JSR社製のアクリルフッ素系エマルジョン“SIFCLEAR F101”(商品名)等が使用できる。また、上記塩化ビニル・アクリル系複合樹脂のエマルジョンとしては、例えば、日信化学社製の塩化ビニル系エマルジョン“ビニブラン700”、“ビニブラン701”、“ビニブラン711”(商品名)等が使用でき、エチレン−塩化ビニル共重合体のエマルジョンとしては、例えば、住化ケムテックス社製の“スミエリート1010”、“スミエリート1320”(商品名)等が使用でき、上記塩素化ポリオレフィンのエマルジョンとしては、例えば、日本製紙ケミカル社製の“スーパークロンE−480T”(商品名)、東洋紡社製のポリオレフィンを塩素化変性した樹脂エマルジョン“ハードレンEW−5303”、“ハードレンEW−5313”(商品名)等が使用できる。
次に、本発明のインクジェット記録用インクセットについて説明する。
本発明のインクジェット記録用インクセットは、上記本発明のインクジェット記録用プライマーインクと、インクジェット記録用画像形成インクとを含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用インクセットは、上記本発明のインクジェット記録用プライマーインクを含むことにより、インク非吸収性材料からなる被記録媒体にインクジェットインクで記録した画像の密着性及び耐久性を向上させることができる。
上記インクジェット記録用画像形成インクは、水性顔料インクを用いることができ、上記水性顔料インクとしては特に限定されないが、上記水性顔料インクとしては、界面活性剤分散型顔料と、エマルジョン樹脂と、水と、有機溶剤とを含むインクが好ましい。
より具体的には、上記水性顔料インクは、界面活性剤分散型顔料と、エマルジョン樹脂と、水と、有機溶剤とを含むインクジェット記録用水性顔料インクであって、上記エマルジョン樹脂のガラス転移温度は、60℃以上であり、上記エマルジョン樹脂の含有量は、上記水性顔料インクの全量に対して5質量%以上30質量%未満であり、上記有機溶剤は、上記水性顔料インクの全量に対して、沸点が285℃以下の有機溶剤を10質量%以上40質量%以下の範囲で含むことが好ましい。これにより、吐出安定性及び低温乾燥による塗膜特性(特に、乾燥性、耐溶剤性及び密着性)を向上でき、印刷画像の高品質化を実現できる。
以下、上記インクジェット記録用水性顔料インクの各成分について詳細に説明する。
(界面活性剤分散型顔料)
上記水性顔料インクに用いられる界面活性剤分散型顔料は、顔料と、分散剤としての界面活性剤と、水とを含むものであり、顔料を界面活性剤により分散安定化した顔料分散体である。この界面活性剤分散型顔料には、必要に応じて各種添加剤が添加されていてもよい。
<顔料>
上記界面活性剤分散型顔料に含まれる顔料としては、従来公知の無機顔料や有機顔料を使用できる。
上記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカ等が挙げられる。
上記有機顔料としては、例えば、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系等が挙げられる。また、上記有機顔料としては、酸性、中性又は塩基性カーボンからなるカーボンブラックや、架橋したアクリル樹脂の中空粒子等を用いることもできる。
上述した顔料の具体例としては、下記に示すような、カラーインデックス(C.I.:The Society of Dyers and Colourists社発行)においてピグメントに分類されている化合物、即ち、カラーインデックス(C.I.)番号が付されているものが挙げられる。
シアン色を有する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60等が挙げられる。これらの中でも、耐候性、着色力等の点から、C.I.ピグメントブルー15:3及びC.I.ピグメントブルー15:4のうちのいずれか単独で、又は両方を混合して用いることが好ましい。
マゼンタ色を有する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。これらの中でも、耐候性、着色力等の点から、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド254、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
イエロー色を有する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14C、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー130、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー213、C.I.ピグメントイエロー214等が挙げられる。これらの中でも、耐候性等の点から、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー213、及びC.I.ピグメントイエロー214からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
ブラック色を有する顔料としては、例えば、三菱化学社製の“HCF”、“MCF”、“RCF”、“LFF”、“SCF”;キャボット社製の“モナーク”、“リーガル”;デグサ・ヒュルス社製の“カラーブラック”、“スペシャルブラック”、“プリンテックス”;東海カーボン社製の“トーカブラック”;コロンビア社製の“ラヴェン”;等が挙げられる。これらの中でも、三菱化学社製の“HCF#2650”、“HCF#2600”、“HCF#2350”、“HCF#2300”、“MCF#1000”、“MCF#980”、“MCF#970”、“MCF#960”、“MCF88”、“LFFMA7”、“LFFMA8”、“LFFMA11”、“LFFMA77”、“LFFMA100”、及びデグサ・ヒュルス社製の“プリンテックス95”、“プリンテックス85”、“プリンテックス75”、“プリンテックス55”、“プリンテックス45”からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
上記顔料は、前述した顔料を1種単独のみならず、2種以上を混合して使用してもよい。
上記水性顔料インク中の顔料濃度は、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.3質量%以上10質量%以下がより好ましい。顔料濃度が0.1質量%未満になると、印刷画像の鮮明さに欠ける傾向にあり、20質量%を超えると、着色剤としての効果が飽和するだけではなく、インク粘度が上昇して吐出安定性が悪くなる傾向にある。
<界面活性剤>
上記界面活性剤分散型顔料に含まれる界面活性剤としては、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アシルメチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、アルキル硫酸エステル塩、硫酸化オレフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルジメチルベタイン等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、グリセリンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル等のノニオン性界面活性剤;等が挙げられる。
上記界面活性剤分散型顔料において、顔料と界面活性剤との含有比(質量比)は、100:1〜100:100であることが好ましく、100:5〜100:50であることがより好ましい。界面活性剤の顔料に対する含有比が小さくなりすぎると、顔料分散体が得られなくなる傾向にある。一方、界面活性剤の顔料に対する含有比が大きくなりすぎると、低温乾燥による塗膜特性(特に、耐水性及び耐溶剤性)が劣る傾向にある。
上記界面活性剤分散型顔料は、上記顔料、上記界面活性剤、水、必要に応じて各種添加剤を、例えばビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザ、ペイントシェーカ、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザ、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いて分散することにより得られる。
(エマルジョン樹脂)
上記水性顔料インクに用いられるエマルジョン樹脂としては、ガラス転移温度が60℃以上のエマルジョン樹脂が好ましい。上記エマルジョン樹脂のガラス転移温度が60℃未満であると、耐溶剤性が十分得られない場合があったり、印刷面がべた付いて埃が付着しやすくなったり、貼り付きやすくなる等の問題が生じる場合がある。上記エマルジョン樹脂のガラス転移温度の上限は、通常110℃程度である。上記水性顔料インクにおいて、「エマルジョン樹脂」とは、エマルジョン化した樹脂を意味し、エマルジョンの分散媒は含まない。また、「エマルジョン樹脂のガラス転移温度」とは、エマルジョン樹脂を含む水溶液(エマルジョン樹脂分散体)を150℃で2時間乾燥させ、脱水させることにより、得られたエマルジョン樹脂を単独で測定したときのガラス転移温度をいう。
ガラス転移温度が60℃以上110℃以下のエマルジョン樹脂を形成する材料としては、スチレン、テトラヒドロフルフリルアクリレート及びブチルメタクリレートの他に(α,2,3又は4)−アルキルスチレン、(α,2,3又は4)−アルコキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、α−フェニルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他アルキル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ基を有するジエチレングリコール又はポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート、プロポキシ基を有するジエチレングリコール又はポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート、ブトキシ基を有するジエチレングリコール又はポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、その他含フッ素(メタ)アクリレート、含塩素(メタ)アクリレート、含珪素(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸アミド、(メタ)アクリル酸等の1官能の他に架橋構造を導入する場合は、(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール及び1,10−デカンジオール等のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート、ビスフェノールA又はFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
上記エマルジョン樹脂の含有量は、上記水性顔料インクの全量に対して、5質量%以上30質量%未満であることが好ましい。上記エマルジョン樹脂の含有量が30質量%以上となると、吐出安定性が低下し、上記エマルジョン樹脂の含有量が5質量%未満になると、低温乾燥による塗膜特性(特に、耐水性、耐溶剤性及び密着性)が劣る傾向にある。
(有機溶剤)
上記水性顔料インクは、乾燥促進、インクジェットヘッドの吐出安定性の向上、保湿性の付与のため、有機溶剤を含有させている。
上記水性顔料インクは、上記有機溶剤として、上記水性顔料インクの全量に対して、沸点が285℃以下の有機溶剤を10質量%以上40質量%以下の範囲で含むことが好ましく、より好ましくは15質量%以上35質量%以下の範囲内で含む。上記沸点が285℃以下の有機溶剤の含有量が、40質量%を超えると、低温乾燥による塗膜特性(特に、乾燥性、耐溶剤性、及び密着性)が劣化したり、塗膜が白化する(ここで、塗膜の白化とは、L***表色系においてL*の値が大きくなることを意味する。)等の問題が生じ、インクジェット記録用水性顔料インクとしての利用には不向きとなる傾向にあり、10質量%未満になると、吐出安定性が劣化する傾向にある。
上記沸点が285℃以下の有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、3,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,5−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、スルホラン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−チオジエタノール、3−ピリジルカルビノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールn−プロピルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、トリエチレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールn−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールn−ヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル等が挙げられる。
また、上記水性顔料インクは、上記有機溶剤として、沸点が285℃を超える有機溶剤を更に含有してもよい。上記沸点が285℃を超える有機溶剤の含有量は、上記水性顔料インクに対して、0質量%以上1.0質量%以下の範囲内が好ましい。沸点が285℃を超える有機溶剤の含有量が1.0質量%を超えると、低温乾燥による塗膜特性(特に、耐溶剤性)が劣化する傾向にある。上記沸点が285℃を超える有機溶剤としては、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
(その他の成分)
上記水性顔料インクには、インクの表面張力の制御、界面活性剤分散型顔料及びエマルジョン樹脂の分散安定性の向上のため、界面活性剤を更に含有させてもよい。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤を添加した場合、ノズル近傍でのインク中の固形分の付着を抑制し、吐出安定性を向上できる。アセチレングリコール系界面活性剤を添加した場合、動的表面張力を低下させ、吐出安定性を向上できる。シリコン系界面活性剤を添加した場合、非吸収性材料に対する濡れ性を向上できる。
また、上記水性顔料インクには、必要に応じて、インクジェット記録用インク分野で従来から用いられている、消泡剤、殺菌剤、保湿剤、pH調整剤、貯蔵安定剤、ゲル化防止剤、防腐剤、防錆剤等の添加剤を添加することができる。
上記水性顔料インクは、上記界面活性剤分散型顔料と、上記エマルジョン樹脂と、上記有機溶剤とを混合した後、フィルター等を用いて粗大粒子をろ過し、必要に応じて脱気することにより得られる。
上記水性顔料インクの粘度は、25℃で、1.0mPa・s以上10.0mPa・s以下が好ましく、2.5mPa・s以上8.5mPa・s以下がより好ましい。粘度が1.0mPa・s未満になると、画像の形成が困難になる傾向にあり、10.0mPa・sを超えると、吐出安定性が悪くなる傾向にある。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、特に指摘がない場合、下記において、「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
<インクジェット記録用プライマーインクの調製>
以下の材料を下記の割合で混合・攪拌し、インクジェット記録用プライマーインクを得た。本実施例1では、インクジェット記録用プライマーインクに含まれる樹脂の含有量は10質量%であった。
(1)エマルジョン樹脂分散体:アクリルシリコーン系エマルジョン(JSR社製、商品名“SIFCLEAR S101”、樹脂成分:47%):21.3部(樹脂成分:10質量%)
(2)シリコン系界面活性剤(ビッグケミー社製、商品名“BYK348”):0.3部
(3)防腐剤(アーチケミカル社製、商品名“プロクセルGXL(S)”):0.1部
(4)1,3−ブチレングリコール(KHネオケム社製):10部(10質量%)
(5)水:68.3部(残部)
<インクジェット記録用画像形成インクの調製>
先ず、以下の材料を下記の割合で混合・攪拌後、東洋精機社製のペイントシェーカを用いて、直径0.3mmのジルコニアビーズを分散メディアとして60分間分散して界面活性剤分散型顔料を得た。
(1)顔料(三菱化学社製、商品名“MCF#1000”):30.0部
(2)分散剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩):4.0部
(3)消泡剤(日信化学工業社製、商品名“サーフィノール104E”):0.2部
(4)水:70.8部
次に、上記界面活性剤分散型顔料と以下の材料とを下記の割合で混合・攪拌し、実施例1のインクジェット記録用画像形成インク(水性顔料インク)を得た。本実施例1では、エマルジョン樹脂の含有量は5質量%であり、2−ピロリドンの含有量は10質量%であった。
(1)界面活性剤分散型顔料(顔料濃度:30%):5.0部
(2)エマルジョン樹脂分散体:アクリル系エマルジョン樹脂(BASF社製、商品名“ジョンクリルPDX−7700”、ガラス転移温度:80℃、樹脂成分:48%):10.4部(樹脂成分:5質量%)
(3)シリコン系界面活性剤(ビッグケミー社製、商品名“BYK348”):1.0部
(4)防腐剤(アーチケミカル社製、商品名“プロクセルGXL(S)”):0.2部
(5)沸点が285℃以下の有機溶剤:2−ピロリドン(BASF社製):10部(10質量%)
(6)水:73.4部
次に、上記プライマーインクと上記画像形成インクとを用いて、以下に示す印刷物作製手順(1)及び(2)に従って、実施例1の印刷物を得た。
(1)ポリプロピレンフィルムからなる被記録媒体上に、リコー社製のインクジェットプリンタ“GELJET”を用いて上記プライマーインクを吐出して、100mm×100mmの範囲にベタ印刷し、60℃で3分間乾燥させることにより、プライマーインクベタ印刷物(プライマー層)を作製した。この時のプライマー層の膜厚は、1μmであった。
(2)上記プライマー層の上に、リコー社製のインクジェットプリンタ“GELJET”を用いて上記画像形成インクを吐出して印刷し、60℃で3分間乾燥させることにより、画像形成用ベタ印刷物を作製した。
(実施例2)
インクジェット記録用プライマーインクのエマルジョン樹脂分散体をJSR社製のアクリルフッ素系エマルジョン“SIFCLEAR F101”(商品名)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして印刷物を作製した。
(実施例3)
インクジェット記録用プライマーインクのエマルジョン樹脂分散体を日信化学社製の塩化ビニル系エマルジョン“ビニブラン700”(商品名)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして印刷物を作製した。
(実施例4)
インクジェット記録用プライマーインクのエマルジョン樹脂分散体を東洋紡社製のポリオレフィンを塩素化変性した樹脂エマルジョン“ハードレンEW−5313”(商品名)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして印刷物を作製した。
(実施例5)
被記録媒体の材質をステンレス鋼板に変更した以外は、実施例1と同様にして印刷物を作製した。
(実施例6)
被記録媒体の材質をステンレス鋼板に変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物を作製した。
(実施例7)
被記録媒体の材質をステンレス鋼板に変更した以外は、実施例3と同様にして印刷物を作製した。
(実施例8)
被記録媒体の材質をステンレス鋼板に変更した以外は、実施例4と同様にして印刷物を作製した。
(実施例9)
被記録媒体の材質を銅板に変更した以外は、実施例1と同様にして印刷物を作製した。
(実施例10)
被記録媒体の材質を銅板に変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物を作製した。
(実施例11)
被記録媒体の材質を銅板に変更した以外は、実施例3と同様にして印刷物を作製した。
(実施例12)
被記録媒体の材質を銅板に変更した以外は、実施例4と同様にして印刷物を作製した。
(実施例13)
被記録媒体の材質をガラス板に変更した以外は、実施例1と同様にして印刷物を作製した。
(実施例14)
被記録媒体の材質をガラス板に変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物を作製した。
(実施例15)
被記録媒体の材質をガラス板に変更した以外は、実施例3と同様にして印刷物を作製した。
(実施例16)
被記録媒体の材質をガラス板に変更した以外は、実施例4と同様にして印刷物を作製した。
(比較例1)
インクジェット記録用プライマーインクを用いずに、ポリプロピレンフィルムからなる被記録媒体上に、リコー社製のインクジェットプリンタ“GELJET”を用いて実施例1で作製した画像形成インクを吐出して、100mm×100mmの画像形成インクベタ印刷物を作製した。
(比較例2)
インクジェット記録用プライマーインクのエマルジョン樹脂分散体をBASF社製のアクリル樹脂エマルジョン“ジョンクリル840”(商品名)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして印刷物を作製した。
(比較例3)
インクジェット記録用プライマーインクのエマルジョン樹脂分散体を東邦化学社製のポリプロピレン樹脂エマルジョン“HYTEC E−8045”(商品名)に変更して用いた以外は、実施例1と同様にして印刷物を作製した。
(比較例4)
被記録媒体の材質をステンレス鋼板に変更した以外は、比較例1と同様にして印刷物を作製した。
(比較例5)
被記録媒体の材質をステンレス鋼板に変更した以外は、比較例2と同様にして印刷物を作製した。
(比較例6)
被記録媒体の材質をステンレス鋼板に変更した以外は、比較例3と同様にして印刷物を作製した。
(比較例7)
被記録媒体の材質を銅板に変更した以外は、比較例1と同様にして印刷物を作製した。
(比較例8)
被記録媒体の材質を銅板に変更した以外は、比較例2と同様にして印刷物を作製した。
(比較例9)
被記録媒体の材質を銅板に変更した以外は、比較例3と同様にして印刷物を作製した。
(比較例10)
被記録媒体の材質をガラス板に変更した以外は、比較例1と同様にして印刷物を作製した。
(比較例11)
被記録媒体の材質をガラス板に変更した以外は、比較例2と同様にして印刷物を作製した。
(比較例12)
被記録媒体の材質をガラス板に変更した以外は、比較例3と同様にして印刷物を作製した。
上記実施例1〜16及び比較例1〜12に関して、下記に示す方法によって、上述した印刷物作製手順に従って作製したプライマーインクベタ印刷物の密着性、耐擦過性及び耐溶剤性と、上述した印刷物作製手順に従って作製した画像形成インクベタ印刷物の密着性、耐擦過性及び耐溶剤性を評価した。
<密着性>
作製した印刷物の表面に、ニチバン社製の粘着シート“セロテープ”(登録商標)の粘着層側の面を貼り付け、引き剥がす操作を行った。その結果、印刷物が全く剥離しなかった場合をA(良好)、印刷物が一部剥離した場合をB(良)、粘着シートを貼りつけた部分の印刷物の全面が剥離した場合をC(不良)と評価した。
<耐擦過性>
作製した印刷物の表面をプラスステーショナリー社製の消しゴム“AIR−IN”(商品名)で10回擦る操作を行った。その結果、印刷物に全く変化がなかった場合をA(良好)、印刷物の一部が剥離した場合をB(良)、印刷物が剥離して被記録媒体が露出した場合をC(不良)と評価した。
<耐溶剤性>
作製した印刷物の表面を濃度50%のエタノール水溶液を含浸させた綿棒を用いて20回擦る操作を行った。その結果、印刷物に全く変化がなかった場合をA(良好)、印刷物の一部が剥離した場合をB(良)、印刷物が剥離して被記録媒体が露出した場合をC(不良)と評価した。
上記評価結果を表1、表2、表3及び表4に示す。
Figure 0006550213
Figure 0006550213
Figure 0006550213
Figure 0006550213
表1〜4から、実施例1〜16の印刷物は、密着性、耐擦過性及び耐溶剤性のほぼ全てで優れていることが分かる。一方、比較例1〜12の印刷物は、密着性が全て劣っていることが分かる。
本発明は、インク非吸収性材料からなる被記録媒体にインクジェットインクで記録した画像の密着性及び耐久性を向上させることができ、印刷画像の高品質化を実現可能なインクジェット記録用プライマーインク及びそれを用いたインクジェット記録用インクセットを提供できる。

Claims (5)

  1. インク非吸収性材料(ポリオレフィンを除く)からなる被記録媒体に対するインクジェット記録用プライマーインクと、インクジェット記録用画像形成インクとを含むインクジェット記録用インクセットであって、
    前記インクジェット記録用プライマーインクは、フッ素・アクリル系複合樹脂、シリコーン・アクリル系複合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂及び塩素化ポリオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、水と、有機溶剤とを含み、
    前記インクジェット記録用画像形成インクが、水性顔料インクであることを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  2. 前記インクジェット記録用プライマーインクにおいて、前記樹脂と、前記水とが、エマルジョンを形成している請求項1に記載のインクジェット記録用インクセット。
  3. 前記樹脂の含有量が、プライマーインク全体に対して5.0質量%以上20.0質量%以下である請求項2に記載のインクジェット記録用インクセット。
  4. 前記インクジェット記録用プライマーインクが、界面活性剤を更に含み、前記界面活性剤が、シリコン系界面活性剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
  5. 前記水性顔料インクが、界面活性剤分散型顔料と、エマルジョン樹脂と、水と、有機溶剤とを含む請求項1〜4いずれか1項に記載のインクジェット記録用インクセット。
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