以下、図面を参照し、本発明の日除け装置および画像表示モジュールの実施形態が説明される。なお、以下に説明される実施形態における各構成要素の材質、形状、および、それらの相対的な位置関係などは、あくまで例示に過ぎない。本発明の日除け装置および画像表示モジュールは、これらによって限定的に解釈されるものではない。また、以下では、フロントガラスの近傍に取付けられる自動車用の日除け装置を例に、実施形態1の日除け装置が説明される。しかし、本発明の日除け装置および画像表示モジュールは、自動車に限らず、列車、船舶および航空機などの各種の乗り物、ならびに、住居やオフィスビルなどの各種の建物において用いられ得る。
<実施形態1>
図1には、実施形態1の日除け装置1が、自動車Cの車室内に配置され、かつ、使用位置に位置付けられた状態で示されている。また自動車Cの助手席の上方には、第2の日除け装置を構成し得る日除け部材20が、使用されていない状態で示されている。図2には、日除け装置1の日除け部材2および表示装置3が示され、図3には、図2のIII−III線での断面図が示されている。また、図4Aおよび4Bには、日除け装置1の撮像装置4により撮像される撮像領域41が模式的に示されている。
図1〜4Bに示されるように、本実施形態の日除け装置1は、板状の日除け部材2と、日除け部材2の使用時に、日除け部材2の操作者、すなわち本実施形態では運転者Mを向く表面2aに、表示部3aを運転者Mに向けて配置される表示装置3と、を備えている。日除け装置1は、さらに、日除け部材2の表面2aの反対面2bが向く領域を撮像して撮像データを生成する撮像装置4を備えている。なお、以下の説明では、日除け部材2の「表面2a」は、日除け部材2の「第1面2a」とも称される。また、表面2aの反対面2bは、日除け部材2の「第2面2b」とも称される。日除け装置1は、さらに、撮像装置4が生成した撮像データに基づいて、日除け部材2の使用時に表示装置3の表示部3aに表示されるべき表示画像データを生成するデータ処理回路5(図10参照)を備えている。図示されていないが、撮像装置4とデータ処理回路5とは、有線または無線でデータの送受信が可能なように接続されている。また、撮像装置4は、図1では、解り易いように日除け部材2の横に描かれているが、好ましくは図4Aに示されるように、運転者Mと日除け部材2と撮像装置4とが自動車Cの前後方向においてほぼ直線上に並ぶ位置に配置される。
なお、以下の説明において、日除け部材2の「使用」は、日差しに第2面2bが照らされる位置に日除け部材2を位置付けることによって、第1面2aが向く領域を照射し得る日差しの少なくとも一部を日除け部材2に遮らせることを意味する。また、日除け部材2の「使用状態」は、日除け部材2が「使用」されている状態であり、日除け部材2の「使用位置」は、日除け部材2が「使用状態」となる位置である。
日除け部材2は、図1に示される例では、自動車Cの車室内の天井部分に、L字型に折り曲げられた棒状の取り付け部材Fを用いて取り付けられている。図1に示されるように、表示装置3の表示部3aには、日除け部材2の第2面2b(図3参照)が向く前方の領域の画像、すなわち、図1の例では自動車Cのフロントガラス越しの車外の光景の画像が表示されている。表示装置3には、信号機S1、「指定方向外進行禁止」を示す規制標識S2、主要地点などを示す案内標識S3、および規制標識S2の規制対象時間などを表示する補助標識S4が表示されている。日本では、道路標識として、このような規制標識および案内標識、ならびに、特定の許可や命令を示す指示標識および注意を促す警戒標識を含む本標識と、補助標識とが設置されている。本実施形態の日除け装置1によれば、日除け部材2に隠れる光景が表示装置3に表示されるので、運転者Mなどは、逆光下であっても、これらの道路標識や信号機などを見落とすことなく確認することができる。
図1において表示装置3に表示されている信号機S1や規制標識S2は、本来、図1における自動車Cと信号機S1などとの位置関係において、自動車Cの運転者Mの視界に入るべき位置に存在している。ところが、日差しを遮るべく使用位置に位置付けられている日除け部材2によって、信号機S1などが存在する領域が覆われている。しかし、本実施形態では、日除け部材2の第2面2bが向く領域が、撮像装置4によって撮像され得る。そして、撮像装置4によって生成された撮像データに基づいて、表示装置3に表示されるべき表示画像データがデータ処理回路5によって生成される。その結果日除け部材2に覆われている領域に見えるべき光景が、運転者Mを向く日除け部材2の表面2a(図3参照)に設けられる表示装置3に画像として表示される。従って、運転者Mは、前述のように、逆光下であっても、たとえば、案内標識や補助標識に書かれた文字などでさえも明瞭に確認することができる。
すなわち、図4Aおよび4Bに示されるように、撮像装置4は、運転者Mの視界のうちの日除け部材2によって遮られる死角部分Bを含む撮像領域41を撮像すべく、自動車Cに配置される。そのように配置された撮像装置4によって死角部分Bを含む領域が撮像され、撮像データが生成される。撮像データに基づく表示画像データがデータ処理回路5(図10参照)によって生成されて表示装置3に送られる。その結果、死角部分Bとなり得る領域を含む光景の画像が、運転者Mに向けて表示装置3(図1参照)に表示され得る。運転者Mが、日除け部材2に隠れる部分の光景を、表示装置3を介して視認することができる。そのため、日除け部材2が使用されるような日差しの下での、運転者Mによる信号機や道路標識などの見落としを少なくすることができる。本実施形態の日除け装置1は、交通の安全確保に寄与し得るものと考えられる。
なお、図1に示される例において助手席の上方かつ前方に設けられている日除け部材20にも、表示装置3と同様の表示装置が設けられていてもよい。すなわち、日除け部材20と、その使用時に日除け部材20の操作者(たとえば助手席に座る同乗者)を向く表面に配置される表示装置とを含む第2の日除け装置が構成されていてもよい。そして、第2の日除け装置を構成する表示装置にも、日除け部材20における表示装置が配置されている表面と反対面が向く領域の光景が表示されてもよい。その場合、第2の日除け装置用の第2の撮像装置が設けられてもよく、日除け装置1の構成要素と同様の構成要素が第2の日除け装置に備えられていてもよい。従って、第2の日除け装置は、以下にさらに詳細に説明される日除け装置1と同様の機能を有していてもよい。
本実施形態では、撮像装置4は、日除け部材2と別個に形成され、自動車Cの内部に配置されている。撮像装置4は、図4Aに示されるように、好ましくは、自動車Cのフロントガラスにおける上縁付近で、運転者Mと日除け部材2と撮像装置4とが、自動車Cの前後方向においてほぼ直線上に並ぶ位置に配置される。また、撮像装置4は、図4Bに示されるように、自動車Cのフロントガラスの左右方向(自動車Cの車幅方向)の中央部、たとえばバックミラー(リアビューミラー)RMの裏面(自動車Cの前方を向く面)に配置されてもよい。図4Aおよび図4Bに示されるように、撮像装置4は、たとえば、遠くとも自動車Cの前端C1よりも前方の位置では、死角部分Bの全てが撮像領域41内に収まるように配置される。たとえば、そのような撮像領域41をもたらし得る画角を有するレンズを備えたカメラなどが撮像装置4として用いられる。あるいは、そのような撮像領域41を得るのに適した位置および角度で、撮像装置4が配置される。図4Aに示されるように、運転者Mと日除け部材2と撮像装置4とがほぼ直線上に並ぶように、日除け部材2および撮像装置4が配置されると、画角の小さいレンズを備える撮像装置4であっても、撮像領域41内に死角部分Bを収めることが容易になる。
撮像装置4は、図4Aおよび図4Bに示される位置に限定されず、適切な撮像領域41を得ることが可能な任意の位置に配置され得る。例えば、撮像装置4は、自動車Cのフロントガラスの左右方向の縁部付近や、図示されないダッシュボードの上に配置されてもよい。なお、フロントガラスの少なくとも撮像装置4に面する部分の車外に向く表面には、酸化チタンなどの光触媒効果を用いた防汚コーティングが施されていることが好ましい。また、撮像装置4は、日除け部材2の第2面2bに配置されてもよい。しかし、後述のように、日除け部材2は任意の位置(角度)で使用され得るため、撮像装置4は、安定した撮像領域41を確保するという点で、日除け部材2とは別の物に支持されるべく配置されるのが好ましい。
撮像装置4は、所望の撮像領域の光景を撮像でき、データ処理回路5で処理され得る形式の撮像データを生成できるものであれば、特に限定されない。たとえば、撮像装置4としては、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを有するデジタルカメラなどが例示される。撮像領域中の光景に基づく光エネルギーが、微小エリア毎に、CCDイメージセンサなどの内部にマトリックス状に配置された受光素子によって電気信号に変換され、それらの電気信号に基づく撮像データが生成される。好ましくは、カラー撮影の可能なイメージセンサを有するカメラなどが、撮像装置4に用いられる。
図4Aには、一点鎖線で示される円Z内に、撮像装置4が、拡大されて模式的に示されている。本実施形態の日除け装置1の撮像装置4は、屈折率の調整により光の反射を低減する被覆層4aが形成されている表面を有するレンズ4bを備えている。撮像装置4は、日除け部材2の使用時に日差しに照らされる第2面2bが向く領域の光景を撮像する。従って、撮像装置4には、逆光の下での撮影が求められる。そのため、撮像装置4のレンズ4bには、被覆層4aが設けられている。被覆層4aによって、逆光の下での撮影において生じ易いフレアやゴーストの発生が抑制され得る。被覆層4aは、レンズ4bの表面にナノサイズの多数のくさび状の構造物を形成することや、レンズ4bの表面にナノサイズの微粒子の層を形成することによって形成され得る。なお、撮像装置4は、必ずしも被覆層4aを有するレンズを備えていなくてもよい。
再度、図2および図3を参照して、日除け部材2および表示装置3が、さらに詳細に説明される。日除け部材2は、板状の形状に形成され、第1面2aおよび第2面2bにおける形状として全体としてほぼ矩形の形状を有している。日除け部材2における長手方向とほぼ平行な2つの端縁2d1、2d2のうちの一方の端縁2d1の近傍には、棒状の取り付け部材Fとの係合のための挿入孔2cが、端縁2d1に沿って設けられている。日除け部材2は、端縁2d1が日除け部材2の使用時に上側となるように、取り付け部材Fを介して自動車Cに取り付けられる。
また、本実施形態では、日除け部材2は、2つの端縁2d1、2d2それぞれの近傍に曲面部2e1、2e2を有している。すなわち、日除け部材2は、日除け部材2の使用時に上側に向けられる縁部および下側に向けられる縁部に曲面部2e1、2e2を有している。日除け部材2の第1面2aは、曲面部2e1、2e2において、端縁2d1、2d2に向って凸状に湾曲する曲面となっている。曲面部2e1、2e2の曲率半径(R1)としては、5mm以上、20mm以下が好ましい。また、端縁だけが湾曲するのではなく、後述のように、日除け部材2が第1面2aにおいて全体的に曲面を有していてもよい(図5参照)。なお、日除け部材2は、必ずしも、曲面部2e1、2e2を有していなくてもよく、また、日除け部材2の使用時に上側または下側に向けられるいずれかの縁部だけに曲面部を有していてもよい。日除け部材2は、たとえば、ウレタンなどの合成樹脂を用いて形成される。しかし、日除け部材2の材料は、光の透過を少しでも遮ることができるものであればよく、日除け部材2の材料は合成樹脂に限定されない。また、日除け部材2の形状も全体として矩形の形状に限定されず、日除け部材2は、任意の形状を有し得る。
日除け部材2の第2面2bは、日除け部材2の使用時に日差しに晒される。日除け部材2の第1面2aには、表示装置3が配置されている。表示装置3として用いられる電子機器、特に、後述されるように本実施形態の日除け装置1の表示装置3として好適な有機EL表示パネルなどでは、温度上昇に伴って輝度が低下し、さらに、温度の上昇に伴って経時的な輝度の低下が進行することがある。従って、日除け部材2の第2面2bには、日差しに含まれる赤外線を反射する措置が施されていることが好ましい。また、日除け部材2が合成樹脂などを用いて形成される場合、素材が露出した状態で日除け部材2が用いられることは少なく、日除け部材2の表面に加飾が施される。特に本実施形態では、少なくとも、日除け部材2における表示装置3が配置されない表面である第2面2bに加飾が施されることが好ましい。これらの観点から、日除け部材2の少なくとも第2面2bには、図3に示されるように、赤外線を反射する性能を有する赤外線反射部材21が備えられていることが好ましい。そして、赤外線反射部材21が、たとえば、天然もしくは合成皮革、または、モケットなどのパイル織物からなる布地などの装飾性を備えた素材を含んでいることが、さらに好ましい。
赤外線反射部材21としては、赤外線に対する高い反射率を有する顔料を含む赤外線反射性塗料によって形成されるコーティング膜が例示される。また、このような赤外線反射性塗料は、さらに、赤外線の吸収性や、赤外線を乱反射させる特性を有する酸化チタンやセラミックスからなる中空ビーズを含んでいてもよい。このような赤外線反射性塗料が、日除け部材2の少なくとも第2面2bに塗布されることによって赤外線反射部材21が備えられてもよい。また、このような赤外線反射性塗料を天然もしくは合成皮革、またはパイル織物からなる布地に塗布することによって、皮革素材や布地を含む赤外線反射部材21が形成され、この赤外線反射部材21が、日除け部材2の表面に装着されてもよい。また、日除け部材2の表面が布地を含む素材で加飾される場合は、その布地にセラミックスなどのビーズが練り込まれてもよい。また、その布地が、セラミックスが織り込まれた織糸によって織り上げられた布地であってもよく、赤外線を乱反射させるのに好適な星形や十字型の断面形状を有する織糸によって織り上げられた布地であってもよい。
表示装置3は、データ処理回路5(図10参照)によって生成される表示画像データに基づく画像を表示部3aに表示する。表示装置3は、そのような機能を有し、日除け部材2の表面2aに配置され得るものであれば特に限定されないが、表示装置3は、好ましくは、薄型の形状を有し得る有機EL表示パネルや液晶表示パネルであることが好ましい。図2に示される例では、表示装置3は、日除け部材2の2つの短辺の近傍部分を除いて、第1面2aの全体にわたって設けられている。また、表示装置3における日除け部材2の第1面2aに露出している面のほぼ全体が表示部3aを構成している。
本実施形態では、表示装置3は、日除け部材2の2つの曲面部2e1、2e2それぞれにおいて、曲面部2e1、2e2の曲面に沿って形成されている。曲面部2e1、2e2それぞれの曲率半径(R1)は、たとえば10mmである。表示装置3が、このように曲面部2e1、2e2に沿って形成されているため、運転者は、日除け部材2の第1面2aに対して斜め方向から表示装置3を見る場合に、曲面部2e1、2e2の曲面への表示装置3の形成が無い場合と比べて、良好な視認性を確保することができる。日除け部材2の第1面2aは、図3に示される形状と異なり、図5に示されるように、全面にわたって曲面であってもよい。この場合の第1面2aの曲率半径(R2)としては、50mm以上、250mm以下が好ましく、たとえば、R2=150mmである。このように全面にわたって曲面である第1面2aにおいても、運転者Mが斜め方向から表示装置3を見るときに、比較的良好な視認性が確保される。日除け部材2が曲面部を有することの利点は、後述の説明において詳述される。
本実施形態の日除け装置1は、図6に示されるように、日除け部材2の位置を検知する検知器(第1検知器6)を備えていてもよい。第1検知器6は、少なくとも、日除け部材2の使用状態と非使用状態とを識別すべく、日除け部材2の位置を検知する。また、第1検知器6は、好ましくは、日除け部材2の第1面2aの角度(たとえば、運転者Mの視線に対する角度)を検知することにより日除け部材2の位置を検知する。
図6には、第1検知器6の例として角度センサ6bが示されている。図6の例では、角度センサ6bは、ロータリーポテンショメータを用いた回転角度検出センサである。図6の角度センサ6bは、日除け部材2と共に取り付け部材Fを軸に回動する可動部6b1および取り付け部材Fに固定される固定部6b2を有し、取り付け部材Fが挿入される挿入孔2cの周囲に配置されている。角度センサ6bは、固定部6b2と、日除け部材2と共に回動する可動部6b1との間の、取り付け部材Fを軸とする周方向における位置の差異を検知することで、日除け部材2の角度、すなわち、回動方向における位置を検知する。
図7Aおよび図7Bに示される例では、日除け部材2は、挿入孔2c(図3参照)がその近傍に設けられている端縁2d1と反対側の端縁2d2の近傍に、第1検知器6として磁気センサ6aを備えている。図7Aおよび図7Bには、運転者Mの側方からの図として日除け部材2の使用状態の例が示されている。日除け部材2は、回動可能な方法で取り付け部材Fと結合されている。日除け部材2は、取り付け部材Fを軸として回されることにより、使用されていない位置である非使用位置P0から、図7Aにおける使用位置P1や図7Bにおける使用位置P2などへと位置付けられる。
そして、日除け部材2が非使用位置P0にあるときに磁気センサ6aと近接する位置にマグネット61が配置されている。また、日除け部材2が取り付け部材Fを軸として非使用位置P0から最も遠くまで回動した位置(図7Aおよび図7Bの例では図7Bにおける使用位置P2)にあるときに磁気センサ6aと近接する位置にマグネット62が配置されている。マグネット61、62は、たとえば、天井部の内装の表面もしくはその裏側や、ピラーC2の表面や内部に配置され得る。
マグネット61、62は、たとえば、磁気センサ6aに向って、互いに同じ磁極(N極またはS極)を向けて配置される。磁気センサ6aは、日除け部材2の回動に伴って、マグネット61とマグネット62とによって作り出される磁界の中を移動する。磁気センサ6aは、自身の位置における磁界の向きおよび強度を検知し、検知結果を、例えば、電気的に出力する。磁気センサ6a、およびマグネット61、62を用いることによって、日除け部材2が、非使用位置P0にあるか、所定の使用位置たとえば使用位置P2にあるかを確実に検知することができる。磁気センサ6aは、たとえば、ホール素子や、単に磁気コイルなどによって構成され得る。第1検知器6は、日除け部材2の位置を検知することができればよく、図示された例に限定されない。たとえば、図7Aおよび図7Bにおける磁気センサ6aの位置にマグネットが配置され、マグネット61、62の位置それぞれに第1検知器6として磁気センサが設けられてもよい。また、マグネット61、62のいずれか1つだけが配置されてもよい。
第1検知器6が設けられる場合、日除け装置1には、好ましくは、第1検知器6と接続される制御回路7(図10参照)が備えられる。制御回路7は、少なくとも、第1検知器6の検知結果に基づいて日除け部材2が使用位置にあるか否かを判断する。そして、その判断に基づいて表示装置3のオンオフ状態を制御する。たとえば、第1検知器6の検知結果が、所定の位置よりも非使用位置P0から遠い位置に日除け部材2があることを示していると、制御回路7は、日除け部材2が使用位置にあると判断する。そして、そのときに表示装置3がオフ状態にある場合は、制御回路7は表示装置3をオン状態へと制御し、表示部3aに画像を表示させる。また、第1検知器6の検知結果が所定の位置よりも非使用位置P0の近くに日除け部材2があることを示していると、制御回路7は、日除け部材2が非使用位置にあると判断する。そして、そのときに表示装置3がオン状態にある場合は、制御回路7は、表示装置3をオフ状態へと制御し、表示部3aへの画像の表示を停止させてもよい。日除け装置1がこのような構成を備えることによって、運転者Mは、日除け部材2を操作するだけで、表示装置3に画像を表示させたり、その表示を停止させたりすることができる。第1検知器6は、磁気センサ6aや角度センサ6bに限定されず、重力センサなど、日除け部材2の位置(角度)に基づいて変化する事象の検出が可能な任意の検知器であってもよい。なお、第1検知器6は設けられなくてもよい。すなわち、表示装置3のオンオフの制御は、日除け部材2の操作者によって行われてもよい。
日除け部材2が曲面部を有することの利点が、図7Aおよび図7Bを参照して以下に説明される。日除け部材2が使用位置P1にある場合、運転者Mは、日除け部材2の第1面2aに対して斜め方向から表示装置3を見ることとなる。その場合、日除け部材2が曲面部2e2を有さず、その結果、表示装置3における曲面部2e2の曲面に沿う部分が無いと、運転者Mは、表示装置3における、運転者Mに対して斜め方向を向いている部分しか見ることができない。しかし、本実施形態の日除け部材2は曲面部2e2を有し、曲面部2e2の曲面に沿って表示装置3が形成されている。そのため、運転者Mは、端縁2d2の近傍においても、運転者Mの視線に対して垂直な部分を含む領域に表示される画像を見ることができる。曲面部2e2が無い場合に比べて、運転者Mの表示装置3に対する視認性が高い。
また、日除け部材2が使用位置P2にある場合も、運転者Mは、日除け部材2の第1面2aの法線に対して斜め方向から表示装置3を見ることとなる。本実施形態では、日除け部材2は曲面部2e1を有し、曲面部2e1の曲面に沿って表示装置3が形成されているため、運転者Mは、端縁2d1の近傍においても、運転者Mの視線に対して垂直な部分を含む領域に表示される画像を見ることができる。曲面部2e1が無い場合に比べて、運転者Mの表示装置3に対する視認性が高い。
このように、日除け部材2が曲面部2e1、2e2を有し、曲面部2e1、2e2それぞれの曲面に沿って表示装置3が形成されることによって、運転者Mの良好な視認性が確保される。具体的には、端縁2d1、2d2のうちの運転者Mに近い方の端面の曲面部(曲面部2e1または曲面部2e2)が、運転者Mの視認性の確保に主に寄与すると考えられる。運転者Mは、通常、無造作に日除け部材2を操作しがちである。そのため、日除け部材2は、運転者Mに対して第1面2aが傾いた状態の任意の位置で使用される。日除け部材2は、少なくとも、端縁2d1および端縁2d2のいずれかの近傍に、曲面部2e1および曲面部2e2のような曲面部を有していることが好ましい。前述のような視認性向上の効果が得られる。日除け部材2は、端縁2d1および端縁2d2それぞれの近傍に、曲面部2e1および曲面部2e2のような曲面部を有していることが、さらに好ましい。また、表示装置3は、前述のように、液晶表示パネルであってもよいが、液晶表示パネルよりも柔軟な可撓性を有し得る有機EL表示パネルが、表示装置3として好ましい。有機材料が積層された表面を有する可撓性フィルムを用いて形成された有機EL表示パネルが、表示装置3として特に好ましい。
日除け部材2は、運転席のドアの窓から差し込む日差しをも遮り得るように、自動車Cに取り付けられてもよい。すなわち、図8に示されるように、車室の天井部に、回動自在に取付けられる取り付け部材Fを介して、自動車Cに取り付けられてもよい。図8に示されるような使用形態に対応すべく、日除け装置1は、日除け部材2の位置を検知する、さらなる検知器(第3検知器9)を備えていてもよい。第3検知器9は、第1検知器6(図6参照)が検知し得る日除け部材2の位置の変化の方向と異なる方向における日除け部材2の位置を検知する。図8には、第3検知器9として磁気センサ9aが例示されている。
磁気センサ9aは、日除け部材2において、取り付け部材Fの回動における動径方向の端部の近傍に配置されている。そして、日除け部材2が、運転席のドアの窓の一部を覆うべく取り付け部材Fの回動によって動かされたときに磁気センサ9aに近接する位置にマグネット91が配置されている。マグネット91は、たとえば、天井部やドア枠の上部の内装の表面もしくはその裏側などに配置され得る。
磁気センサ9aは、前述の磁気センサ6aと同様に機能する。すなわち、磁気センサ9aは、マグネット91によって作り出される磁界の強さに基づいて、日除け部材2に関して取り付け部材Fの回動方向における位置を検知する。そして、制御回路7(図10参照)は、第3検知器9の検知結果に基づいて、日除け部材2が、フロントガラスおよびドアの窓のいずれに対して使用されているかを判断する。たとえば、第3検知器9の検知結果が、所定の位置よりも日除け部材2がドアの窓の近くにあることを示していると、制御回路7は、日除け部材2がドアの窓ガラスに対して使用されていると判断する。そして、そのときに表示装置3がオン状態にある場合は、制御回路7は表示装置3をオフ状態へと制御し、画像の表示を停止させる。この場合、制御回路7は、前述の第1検知器6の検知結果に拘らず、第3検知器9の検知結果だけに基づいて表示装置3をオフ状態へと制御してもよい。
また、本実施形態の日除け装置1は、図8に示されるような使用位置における操作者(運転者)を向く日除け部材2の表面2abに第2の表示装置39を備え、さらに、日除け部材2の表面2abの反対面が向く領域を撮像して撮像データを生成する第2の撮像装置42を備えていてもよい。そして、フロントガラスに沿う日除け部材2の回動の軸と異なる軸(取り付け部材Fの回動軸)を中心とした回動が行われたことを第3検知器9が検知した時に、第2の表示装置39をオン状態へと制御し、第2の撮像装置42によって生成された撮像データに基づく画像を第2の表示装置39の表示部に表示させてもよい。図8に示される日除け部材2の使用位置において生じ得る死角部分の光景を運転者に視認させることができる。またこの場合においても、制御回路7は、第2の表示装置39をオン状態に制御すると共に、日除け部材2におけるドアの窓ガラスを向く表面に配置された表示装置3をオフ状態へと制御してもよい。
第2の表示装置39は、日除け部材2がフロントガラスに対して用いられているときには日差しに晒される。そのため、第2の表示装置39の表面(表示画面)には、透明な材料によって形成される赤外線反射層または赤外線吸収層が形成されていることが好ましい。このような構成とすることによって、熱に起因する第2の表示装置39の劣化を抑制することができる。赤外線反射層は、たとえば、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)またはスズドープ酸化インジウム(ITO)を用いて形成される。たとえば、ATOやITOのナノ粒子分散体を含むビヒクルを第2の表示装置39の表面に塗布することによって、赤外線反射層を形成することができる。ナノ粒子分散体の粒径は、特に限定されないが、好ましくは、20nm以上、50nm以下である。また、赤外線吸収層は、たとえば、セシウム酸化タングステンのナノ粒子分散体を用いて形成することができる。また、赤外線反射層および赤外線吸収層は、紫外線吸収機能を有することが、さらに好ましい。第2の表示装置39が、紫外線の影響を受け易い有機材料を含んでいる場合でも、画質の劣化が防止され得る。
このように、制御回路7は、第1検知器6だけでなく、第3検知器9の検知結果にも基づいて表示装置3のオンオフ状態を制御してもよい。自動車Cの外部に向けられた不要な画像の表示が防止され得る。なお、第3検知器9は、第1検知器6に関して図6に例示されたものと同様に、取り付け部材Fと天井部との係合部に配置される角度センサであってもよい。また、第1検知器6が備えられずに第3検知器9だけが備えられてもよい。
本実施形態の日除け装置1は、さらに、運転者Mの眼の位置を検知する検知器(第2検知器8)を備えていてもよい。第2検知器8は、たとえば、図9に示されるように、2つの既知の位置にそれぞれ設置される眼検知用カメラ8a、8bおよび眼検知用カメラ8a、8bの撮影画像を分析する分析装置(図示せず)によって構成される。眼検知用カメラ8a、8bは、たとえば、遠赤外線センサを備え、撮像領域内の各部の温度データを生成する。常人の眼球は、顔の中の他の部分よりも低温であるという特徴がある。図示されない分析装置は、眼検知用カメラ8a、8bによって生成される温度データに基づいて、眼検知用カメラ8a、8bによる撮影画像における運転者Mの顔の位置、さらに眼の位置を特定する。眼検知用カメラ8a、8bに一般的なデジタル式のカメラが用いられ、図示されない分析装置における画像認識によって眼の位置が特定されてもよい。
眼検知用カメラ8a、8bの撮影画像における運転者Mの眼の位置が特定されることによって、既知の位置にある2つの眼検知用カメラ8a、8bを結ぶ直線L1と、眼検知用カメラ8a、8bそれぞれと運転者Mの眼を結ぶ直線とのなす角度θ1、θ2が特定される。そして、直線L1の長さと、角度θ1、θ2とに基づいて、三角法を用いて、眼検知用カメラ8a、8bに対する運転者Mの眼の位置が特定される。運転者Mの両眼のいずれか一方の位置だけが特定されてもよく、両眼の位置がそれぞれ特定されてもよい。両方の眼の位置が特定される場合は、たとえば、両眼を結ぶ線の中点の位置が算出され、その中点の位置が運転者Mの眼の位置として扱われる。また、運転時にいずれか一方の眼が優先して使用される場合(例えば、運転者Mが他方の眼を損傷している場合、画像を効き眼で視認したい場合等)、本実施形態の日除け装置1は、両眼に基づく設定から一方の眼に基づく設定に切り替えかつ右眼と左眼のどちらを使用するのかを指定する補助部を有していることが好ましく、補助部に入力された情報は後述する表示対象データ選択回路53によるデータ処理に用いられる。第2検知器8の検知結果の利用方法については後述される。
図10には、本実施形態の日除け装置1の主な構成要素がブロック図で示されている。撮像装置4で生成された撮像データはデータ処理回路5に送られる。データ処理回路5によって撮像データに基づいて生成された表示画像データは表示装置3に送られ、表示画像データに基づく画像が、表示装置3の表示部3aに表示される。前述の第1検知器6および第3検知器9は制御回路7に接続されている。第1検知器6は、前述の第2検知器8と共に、データ処理回路5にも接続されている。なお、図10では、第2の表示装置39および第2の撮像装置42(共に図8参照)の図示は省略されているが、第2の表示装置39は、表示装置3と同様に、データ処理回路5および制御回路7に接続され、第2の撮像装置42は、撮像装置4と同様にデータ処理回路5に接続され得る。
制御回路7は、第1および/または第3の検知器6、9の検知結果に基づいて表示装置3のオンオフ状態を制御すべく表示装置3に接続されている。制御回路7は、たとえば、コンパレータや幾つかのゲート素子の組み合わせによって構成され得る。また、制御回路7は、マイコンやゲートアレイの一部によって構成されてもよく、データ処理回路5に含められていてもよい。なお、図10は、本実施形態における日除け装置1の構成の一例に過ぎず、日除け装置1は、図10に示される構成要素を必ずしも全て含んでいなくてもよく、図10に示されていない構成要素をさらに含んでいてもよい。また、データ処理回路5の内部の構成も、図10に示されるものに限定されない。
データ処理回路5は、それぞれ固有の機能を有する回路ブロックである、データ生成回路50、角度識別回路51、データ補正回路52、表示対象データ選択回路53、メモリ回路54、比較回路55、および表示画像強調回路56を含んでいる。表示対象データ選択回路53は、メモリ回路53aを備えている。これらの回路ブロックは、部分的に又は全体的に、同一の回路素子を共用していてもよい。データ処理回路5は、マイコンやASIC、またはFPGAなどの任意の信号処理用半導体装置およびその周辺回路によって形成することができる。マイコンなどは、所定の処理手順を規定するソフトウェアに従って動作する。データ処理回路5内の各回路ブロックは、個々に半導体積回路装置や個別半導体素子を用いて形成されてもよい。
データ生成回路50は、データ処理回路5の基本機能を担う回路ブロックであり、撮像データに基づいて、表示装置3の画素ごとの発光強度および発光のタイミングに関する情報を含む駆動信号を表示画像データとして生成する。データ生成回路50は、たとえば、有機EL表示パネルなどの駆動信号の生成のために用いられ、所定の処理手順を規定するソフトウェアに従って動作する、所謂タイミングコントローラおよびその周辺回路であってよい。
角度識別回路51、データ補正回路52の機能が、図11A、11B、12Aおよび12Bを参照して、以下に説明される。角度識別回路51は、第1検知器6の検知結果および第2検知器8の検知結果に基づいて、日除け部材2に向けられる運転者Mの視線に対する日除け部材2の表面(第1面)2aの角度θAを識別する。前述のように、第1検知器6は、日除け部材2の回動方向における位置を検知し得る。従って、日除け部材2と、既知の位置にある2つの眼検知用カメラ8a、8bとの位置関係も第1検知器6の検知結果から特定され得る。また、第2検知器8は、眼検知用カメラ8a、8b(図9参照)に対する運転者Mの眼の位置を検知し得る。従って、日除け部材2に対する運転者Mの眼の位置も特定され、その結果、日除け部材2を見る運転者Mの視線Iの方向を特定することができる。すなわち、第1検知器6の検知結果および第2検知器8の検知結果に基づいて、日除け部材2に向けられる運転者Mの視線Iに対する、日除け部材2の第1面2aの角度θAを特定することができる。角度識別回路51は、たとえば、このように角度θAを特定する手順を含むソフトウェアなどに従って動作する。
データ補正回路52は、所定の基準角度に対する角度θAの差異Δθに基づいて撮像データを補正する(以下、基準角度を90度として説明がなされる)。図11Aに示されるように、角度θAが90度である(Δθがゼロ、日除け部材2の第1面2aと視線Iとが直交する)場合、図11Aにおける左側の図に例示されるように、表示装置3に表示される信号機S1の画像は、ほぼ適正に運転者Mの眼に捉えられる。しかし、図11Bに示されるように、角度θAが90度以外の角度である場合、図11Bにおける左側の図に示されるように、信号機S1の画像は、上下方向に縮小して歪んだ形状で運転者Mの眼に捉えられる。データ補正回路52は、所定の基準角度と角度θAとの差異Δθに基づいて、図11Bに示されるような状態でも、表示装置3に表示される画像が適正に運転者Mの眼に捉えられるように、撮像データを補正する。
たとえば、データ補正回路52は、撮像データのうちの表示装置3に表示させる領域の上下方向における中心画素から2つ上の画素のデータを、中心画素から1つ上の画素のデータに置き換える。また、中心画素から3つ上の画素および4つ上の画素のデータは、中心画素から2つ上の画素のデータ(前述のように置き換えられる前のデータ)に置き換えられる。データ補正回路52は、このようなデータ補正を、上下両方向において、表示装置3に表示させる領域に対応する撮像データに対して行う。このような補正を行うことにより、表示装置3に表示される画像を上下方向に2倍に引き延ばすことができる。表示画像を上下方向に引き延ばす倍率は、所定の基準角度に対する角度θAの差異Δθに基づいて選択される。たとえば、表示画像は、運転者Mの視線に対する日除け部材2の第1面2aの角度θAが90度から離れれば離れるほど、より大きな倍率で上下方向に引き延ばされる。
データ処理回路5は、データ補正回路52によって補正された後の撮像データに基づいて、データ生成回路50において表示画像データを生成する。そうすることによって、たとえば、実際の表示装置3には、図12Aに示されるように、上下方向に引き延ばされた画像が表示される。しかし、運転者には、図12Bに示されるように、本来の表示対象物(図12Bでは信号機S1)の形状に近い形状の画像として捉えられる。運転者にとって表示対象物の認識が容易になると考えられる。なお、データ補正回路52は、データ生成回路50によって生成された表示画像データに対して補正するものであってもよい。
つぎに、表示対象データ選択回路53(図10参照)の機能が、図13および図14を参照して説明される。図13に示されるように、運転者Mの眼の位置は、運転者の姿勢の変化などに応じて移動する。従って、運転者Mの視界において、日除け部材2によって生まれる死角部分も随時変動し得る。表示装置3には死角部分の光景だけを表示することが、運転者Mの眼に違和感無く画像が映る点で好ましいと考えられる。
図13に示されるように、日除け部材2の基準位置PRおよび運転者Mの眼の基準位置PIが仮定されれば、これらと日除け部材2の大きさとに基づいて、撮像装置4の撮像領域における死角部分(基準死角部分BR)が定まる。なお、撮像領域は、撮像装置4の位置や特性によって固定的に定まる。日除け部材2および運転者Mの眼の位置が固定であれば、撮像データのうちの、基準死角部分BRに対応する領域(基準表示対象領域)を表示対象領域とすることによって、常に死角部分の光景だけが表示装置3に表示される。しかし、日除け部材2および運転者Mの眼の位置は移動し、それにより死角部分が変動する。そのため、表示対象領域を死角部分の変動に応じて変更することが好ましい。表示対象データ選択回路53は、このような表示のために、日除け部材2の操作者(本実施形態では運転者M)の視界において日除け部材2により遮られる死角部分を判別し、撮像データのうちの死角部分に対応する表示対象データを選択する。
表示対象データ選択回路53には第1検知器6および第2検知器8が接続されている(図10参照)。従って、表示対象データ選択回路53には、日除け部材2の位置および運転者Mの眼の位置についての情報が入力される。また、表示対象データ選択回路53はメモリ回路53a(図10参照)を備えている。メモリ回路53aには、様々な日除け部材2の位置および/または角度、ならびに運転者Mの眼の位置ごとに、日除け部材2によって遮られることで生じる死角部分BAと、基準死角部分BRとの差分に関する情報が記憶されている。図13には、一例として、運転者Mの眼が位置PAにあるときの死角部分BAが示されている。たとえば、メモリ回路53aには、実際の死角部分BAの位置を得るために必要な、基準死角部分BRに対する上下方向および左右方向への移動量や拡大率もしくは縮小率などが記憶されている。表示対象データ選択回路53は、第1および第2の検知器6、8からの日除け部材2の位置および運転者Mの眼の位置についての情報、ならびにメモリ回路53aの記憶内容に基づいて、実際の死角部分BAの位置を数値演算などにより特定する。そして、表示対象データ選択回路53は、撮像データのうちの、実際の死角部分BAに対応する領域のデータを、表示対象とすべき表示対象データとして選択する。
そして、データ生成回路50は、実際の死角部分BAの光景を表示装置3に表示させるべく、選択された表示対象データに基づいて表示画像データを生成する。その結果、図14に示されるように、撮像領域41のうちの、基準死角部分に対応する基準表示対象領域DRに対して変更された(図14の例では上方にシフトされた)実際に表示すべき表示対象領域DAの画像が、表示装置3に表示される。フロントガラス越しに見える光景との対比において違和感の少ない画像を表示装置3に表示することができる。
なお、表示対象データ選択回路53は、車体に対する運転者Mの相対的な僅かな動きによって生じる画像表示の細かな揺れをキャンセルする機能を有していてもよい。たとえば、表示対象データ選択回路53は、第2検知器8(図10参照)からの情報が所定のレベル以上に頻繁に変動する場合は、第2検知器8からの情報をサンプリングする周期を長くするように構成されていてもよい。また、表示対象データ選択回路53は、運転者Mの眼の位置の変化が所定の条件を満たさない場合には、表示対象データの選択動作を新たに開始しないように構成されていてもよい。また、表示対象データ選択回路53における第2検知器8からの情報を受け取る入力部分にローパスフィルタが設けられてもよい。
つぎに、表示画像強調回路56、比較回路55およびメモリ回路54(図10参照)の機能が、図15、16Aおよび16Bを参照して説明される。
メモリ回路54は、撮像装置4(図1参照)によって撮像され得る所定の対象物の外見的特徴に関する参照データを記憶する。図15には、メモリ回路54に記憶される参照データ54a、54bの例が、その参照データ54a、54bによって再構成され得る画像として概念的に示されている。すなわち、図15に示されるように、メモリ回路54には、信号機S1や規制標識S2などの、撮像装置4によって撮影される可能性のある物体の外見的特徴がデータ化して記憶されている。たとえば、メモリ回路54には、信号機S1などを実際に撮像装置4で撮影することにより生成された撮像データが記憶されている。或いは、信号機S1などの形状を微小三角形のような単位要素を用いてモデリングし、その各単位要素の頂点座標によって参照データ54a、54bが形成されてもよい。参照データは任意の方法で形成され得る。メモリ回路54は、特に限定されないが、たとえば、SRAMやPROMなどの任意の半導体記憶装置により構成される。前述の表示対象データ選択回路53のメモリ回路53aとの間で同一の記憶装置が共用されてもよい。
比較回路55は、撮像装置4により生成された撮像データと、メモリ回路54に記憶されている参照データ54a、54bとを比較する。比較回路55は、たとえば、撮像データおよび参照データ54a、54bを画像に再構成し、パターン認識技術によって比較してもよい。また、撮像データおよび参照データ54a、54bのデータ形式が同じであれば、実際のデータのままビットもしくはバイト単位で両データが逐次比較されてもよい。比較回路55によって行われる比較の方法は特に限定されない。比較回路55は、撮像データと参照データ54a、54bとの比較によって、所定の判定基準を満たすほど参照データ54a、54bのいずれかと近似している近似撮像データがある場合、その近似撮像データを検出する。
表示画像強調回路56は、比較回路55の比較の結果、近似撮像データが検出された場合は、近似撮像データに基づいて表示される所定の対象物の表示画像をその他の表示画像よりも強調して表示装置3に表示させる。具体的には、表示画像強調回路56は、データ生成回路50(図10参照)によって生成される表示画像データのうちの、近似撮像データに基づいて生成された表示画像データを加工する。
たとえば、表示画像強調回路56は、図16Aの表示装置3における左側に示されるように、強調対象物(信号機)の画像S11の周囲の画素のデータを加工し、画像S11が際立つように画像S11を囲む枠S12を表示させる。また、図16Aの表示装置3における右側に示されるように、強調対象物(規制標識)の画像S21の周囲の画素のデータが加工され、画像S21の拡大画像S22が表示されてもよい。また、表示画像強調回路56は、図16Bに示されるように、強調対象物の表示画像S11、S21における特定の色(たとえば赤色や青色)を強調すべく、その特定の色のサブ画素の輝度を高めてもよい。
また、表示画像強調回路56は、近似撮像データが検出された場合、その近似撮像データが含まれる撮像データに基づいて表示されるべき画像を所定の時間枠で静止画として表示装置3に表示させてもよい。たとえば、データ生成回路50によって生成される表示画像データが随時ビデオメモリ(図示せず)などに記録される。そして、近似撮像データが検出されたときには、表示装置3に送られる表示画像データが、所定の時間の間、データ生成回路50によって随時生成される表示画像データから、図示されないビデオメモリに記録されている表示画像データに切り換えられてもよい。表示画像強調回路56は、これらの方法に限定されることなく任意の方法で特定の画像を強調することができる。このような強調によって、運転者Mに認識させる必要性の高い対象物に対する視認性を高めることができる。
図17には、日除け装置1の表示装置3を構成する有機EL表示パネル30の一画素分の断面図が例示されている。樹脂などからなる可撓性フィルム37上に、R、G、Bのサブ画素ごとにTFT38などのスイッチ素子が形成され、その上に形成された平坦化膜31上に、第1電極(例えば陽極)32が形成されている。第1電極32は、たとえば、Agなどの金属膜とITO膜との組み合わせにより形成され、TFT38などのスイッチ素子に接続されている。サブ画素間には、SiO2などからなる絶縁バンク33が形成されている。絶縁バンク33で囲まれた領域に有機層34が蒸着されている。なお、図17では、有機層34は1層で示されているが、実際には、有機層34は、異なる有機材料からなる複数層の積層膜で形成され得る。
有機層34の上には第2電極(例えば陰極)35が、たとえば、MgおよびAgや、Alなどを全面に蒸着することにより形成されている。さらに、第2電極35の表面には、例えばSi3N4などからなる保護膜36が形成されている。図17に示される各要素は、有機層34や第2電極35が水分や酸素などを吸収しないように、図示しない樹脂フィルムなどからなるシール層により全体的に封止される。なお、図17に示される断面構造は一例に過ぎず、表示装置3を構成する有機EL表示パネル30の構造や各構成要素の材料は、ここで説明された構造や材料に限定されない。
本実施形態の日除け装置1に用いられる有機EL表示パネル30では、第1電極32と第2電極35とは、R、G、Bの各サブ画素のいずれにおいても、ほぼ同じ間隔を空けて形成されている。換言すると、第1電極32および第2電極35は、互いの間の間隔を、各色のサブ画素ごとに意図的に異ならされていない。一方、一般に有機EL表示パネルでは、パネルの表示面に垂直な方向に放射される光の強度を高めるため、有機層で発せられた光が陽極と陰極との間で反射を繰り返すように、各サブ画素の陽極と陰極との間隔を、そのサブ画素が発する色の光の波長に合致させている(マイクロキャビティ構造)。すなわち、一般の有機EL表示パネルでは、各色のサブ画素ごとに、陽極と陰極との間隔が異なっている。
これに対して、本実施形態の日除け装置1では、前述のように、表示装置3は、運転者Mに任意の角度から見られる。従って、表示装置3の表示面に垂直な方向に放射される光の強度を高めることは、あまり有用性を持たず、むしろ、角度が変わっても色度が大きく変化しないように、R、G、B各色の視野角依存性を一致させる方が重要である。そのため、本実施形態の日除け装置1に用いられる有機EL表示パネル30の第1電極32と第2電極35は、一般の有機EL表示パネルと異なり、マイクロキャビティ効果を利用していない。たとえば、第1電極32と第2電極35は、R、G、Bの各サブ画素間でほぼ同じ距離だけ離間されていてもよい。換言すると、各サブ画素における陰極と陽極との間隔は、そのサブ画素が発する光の波長に合致していなくてもよい。すなわち、有機EL表示パネル30は、複数のサブ画素を含み、複数のサブ画素のそれぞれは、複数のサブ画素のそれぞれが発する光の波長と異なる長さの間隔を空けて配置された2つの電極を含んでいてもよい。
以上の説明では、自動車のフロントガラスに対して用いられる場合を例に、本実施形態の日除け装置1が説明された。しかし、本実施形態の日除け装置1は、フロントガラスに対するものに限定されず、自動車のリアガラスを始め、任意の車両の窓ガラスや、前述のように、他の任意の乗り物および任意の建物の窓ガラスに適合し得るものと理解されるべきである。
図18および図19には、本発明の実施形態1の画像表示モジュール11が示されている。画像表示モジュール11は、前述の実施形態1の日除け装置1(図2参照)の日除け部材2を除く構成要素を、日除け装置1とほぼ同様に備えている。すなわち、画像表示モジュール11は、表示部13aを操作者Mに向けて配置されるべき表示装置13を備えている。表示装置13は、表示装置などを備えていない日除け装置Xにおけるその使用時に操作者Mを向く表面Xaに配置される。なお、日除け装置Xは、前述の実施形態1の日除け装置1に備えられている表示装置3、撮像装置4およびデータ処理回路5などを備えていないので、日除け部材2に相当する構造および機能だけを備えており、使用時に操作者Mを向く表面Xaを有している。さらに、画像表示モジュール11は、日除け装置Xの表面Xaの反対面が向く領域を撮像して撮像データを生成する撮像装置14と、撮像装置14が生成した撮像データに基づいて、日除け装置Xの使用時に表示部13aに表示されるべき表示画像データを生成するデータ処理回路15と、を備えている。実施形態1の画像表示モジュール11によれば、日除け装置Xの使用時において、日除け装置Xに隠れる領域を含む光景を日除け装置Xの操作者の眼に捉えさせることができる。
表示装置13は、実施形態1の日除け装置1の表示装置3と同様に、好ましくは有機EL表示パネルや液晶表示パネルで構成される。表示装置13は、日除け装置Xの使用時に日除け装置Xの表面Xaに取り付けて用いられる。図18および図19では、表示装置13は、端縁付近に曲面部を有する日除け装置Xの表面Xaに、たとえば、粘着シートなどを用いて接着され、かつ、固定されている。表示装置13は、表面Xaの曲面部上にまで及んでいる。従って、表示装置13は可撓性を備えている。しかし、表示装置13は剛性を備えるものであってもよい。図19に示されるように、表示装置13は、日除け装置Xに取り付けられていないときでも一定の機械的強度を有するように、支持体13bに接合されていてもよい。支持体13bは、任意の合成樹脂などで形成される。
撮像装置14およびデータ処理回路15は、実施形態1の日除け装置1の撮像装置4およびデータ処理回路5と同様に構成され得る。図18に示されるように、撮像装置14は表示装置13(具体的にはデータ処理回路15)に、有線または無線で接続されている。撮像装置14は、図18の例と異なり、表示装置13の操作者Mを向く面と反対側に撮像レンズを向けて表示装置13に固定されていてもよい。データ処理回路15は、図18の例では、支持体13b内に設けられている(図18では、データ処理回路15は、概念的に機能ブロックとして矩形で示されている)。データ処理回路15は、図18の例と異なり、表示装置13と別個に備えられていてもよい。
表示装置13、撮像装置14、およびデータ処理回路15は、それぞれ、前述の実施形態1の日除け装置1の表示装置3、撮像装置4、およびデータ処理回路5と同様の特徴を有し、かつ、同様に動作し得る。また、画像表示モジュール11は、実施形態1の日除け装置1と同様に、第1〜第3の検知器を備えていてもよい。また、データ処理回路15は、日除け装置1のデータ処理回路5と同様に、データ生成回路、角度識別回路、データ補正回路、表示対象データ選択回路、メモリ回路、比較回路および表示画像強調回路を含んでいてもよい。これら各構成要素も、それぞれ、実施形態1の日除け装置1の各構成要素と同様に動作し得る。従って、実施形態1の画像表示モジュール11の各構成要素のさらなる説明は省略される。
<まとめ>
本発明の態様1に係る日除け装置は、板状の日除け部材と、前記日除け部材におけるその使用時に操作者を向く表面に、表示部を該操作者に向けて配置される表示装置と、前記表面の反対面が向く領域を撮像して撮像データを生成する撮像装置と、前記撮像装置が生成した撮像データに基づいて、前記日除け部材の使用時に前記表示部に表示されるべき表示画像データを生成するデータ処理回路とを備えることを特徴としている。
本発明の態様1の構成によると、室内などに日差しが直接差し込むときであっても、日除け部材でその眩しさを軽減し、かつ、日除け部材に隠れる領域を含む光景を日除け装置の操作者の眼に捉えさせることができる。
本発明の態様2に係る日除け装置は、上記態様1において、回動し得る前記日除け部材の位置を検知する第1検知器と、前記日除け部材の操作者の眼の位置を検知する第2検知器とをさらに備えており、前記データ処理回路が、前記第1検知器の検知結果および前記第2検知器の検知結果に基づいて、前記日除け部材に向けられる前記操作者の視線に対する前記日除け部材の前記表面の角度を識別する角度識別回路と、所定の基準角度に対する前記表面の角度の差異に基づいて前記撮像データを補正するデータ補正回路と、をさらに有し、前記データ処理回路は、前記所定の基準角度に対する前記表面の角度の差異について補正された表示画像を前記表示装置に表示すべく前記データ補正回路により補正された後の撮像データに基づいて前記表示画像データを生成してもよい。
本発明の態様2の構成によると、たとえば、日除け部材が、操作者の視線に対して傾いて位置付けられていても、操作者にとって認識し易い画像を表示装置に表示させることができる。
本発明の態様3に係る日除け装置では、上記態様2において、前記データ処理回路が、前記日除け部材の操作者の視界における前記日除け部材により遮られる死角部分を判別し、かつ、前記撮像データのうちの前記死角部分に対応する表示対象データを選択する表示対象データ選択回路をさらに有し、前記データ処理回路が、前記死角部分の光景を前記表示装置に表示させるべく前記表示対象データに基づいて前記表示画像データを生成してもよい。
本発明の態様3の構成によると、操作者の動きに伴って日除け部材による死角部分が変化する場合でも、操作者にとって違和感の少ない画像を表示装置に表示させることができる。
本発明の態様4に係る日除け装置は、上記態様2または3において、前記第1検知器の検知結果に基づいて前記表示装置のオンオフ状態を制御する制御回路をさらに備えていてもよい。
本発明の態様4の構成によると、操作者は、日除け部材を操作するだけで、表示装置に画像を表示させたり、その表示を停止させたりすることができる。
本発明の態様5に係る日除け装置は、上記態様2〜4のいずれかにおいて、前記日除け部材の位置を検知する第3検知器をさらに備えており、前記第3検知器は、前記第1検知器が検知し得る前記日除け部材の位置の変化の方向と異なる方向における前記日除け部材の位置を検知する検知器であり、前記制御回路は、前記第1検知器および前記第3検知器の検知結果に基づいて前記表示装置のオンオフ状態を制御してもよい。
本発明の態様5の構成によると、たとえば、日除け部材が使用位置に位置付けられていても、表示装置の表示部が操作者に向けられないなどの場合に、操作者は日除け部材を操作するだけで表示装置の表示を停止することができる。
本発明の態様6に係る日除け装置では、上記態様1〜5のいずれかにおいて、前記日除け部材が曲面部を有しており、前記表示装置が前記曲面部の曲面に沿って形成されていてもよい。
本発明の態様6の構成によると、操作者が斜め方向から表示装置の表示部を見る場合の視認性を高めることができる。
本発明の態様7に係る日除け装置では、上記態様6において、前記日除け部材が、使用時に上側に向けられる縁部および/または下側に向けられる縁部において前記曲面部を有しており、前記曲面部が5mm以上、20mm以下の曲率半径を有していてもよい。
本発明の態様7の構成によると、操作者が斜め方向から表示装置の表示部を見る場合の視認性を効果的に高めることができる。
本発明の態様8に係る日除け装置では、上記態様6において、前記日除け部材の前記表面全体が曲面であり、前記表面は、50mm以上、250mm以下の曲率半径を有していてもよい。
本発明の態様8の構成によると、操作者が斜め方向から表示装置の表示部を見る場合の視認性を効果的に高めることができる。
本発明の態様9に係る日除け装置では、上記態様1〜8のいずれかにおいて、前記表示装置が、有機材料が積層された表面を有する可撓性フィルムを用いて形成された有機EL表示パネルであってもよい。
本発明の態様9の構成によると、日除け部材の表面形状の設計の自由度が高まり、それにより、操作者が斜め方向から表示装置の表示部を見る場合の視認性を高めることができる。
本発明の態様10に係る日除け装置では、上記態様9において、前記有機EL表示パネルは複数のサブ画素を含み、前記複数のサブ画素のそれぞれは、前記複数のサブ画素のそれぞれが発する光の波長と異なる長さの間隔を空けて配置された2つの電極を含んでいてもよい。
本発明の態様10の構成によると、表示装置の表示面に対する広範な角度領域にわたって均等な画質で画像を表示することができる。
本発明の態様11に係る日除け装置では、上記態様1〜10のいずれかにおいて、前記データ処理回路が、所定の対象物の外見的特徴に関する参照データを記憶させておくメモリ回路と、前記撮像データと前記参照データとを比較する比較回路と、前記表示装置に表示される前記所定の対象物の表示画像を他の表示画像よりも強調すべく前記表示画像データを加工する表示画像強調回路と、をさらに有していてもよい。
本発明の態様11の構成によると、操作者に認識させる必要性の高い対象物に対する視認性を高めることができ、そのような対象物に対する操作者の見落としを少なくすることができる。
本発明の態様12に係る日除け装置では、上記態様1〜11のいずれかにおいて、前記日除け部材が、少なくとも前記日除け部材における前記表面の前記反対面に、赤外線反射部材を備えていてもよい。
本発明の態様12の構成によると、熱に起因する表示装置の特性の低下を防ぐことができる。
本発明の態様13に係る日除け装置では、上記態様1〜12のいずれかにおいて、前記撮像装置は、屈折率の調整により光の反射を低減する被覆層が形成されている表面を有するレンズを備えていてもよい。
本発明の態様13の構成によると、撮像装置による撮像が逆光下で行われる場合でも、フレアやゴーストの少ない画像を表示装置に表示することができる。
本発明の態様14に係る画像表示モジュールは、日除け装置におけるその使用時に操作者を向く表面に、表示部を該操作者に向けて配置されるべき表示装置と、前記表面の反対面が向く領域を撮像して撮像データを生成する撮像装置と、前記撮像装置が生成した撮像データに基づいて、前記日除け装置の使用時に前記表示部に表示されるべき表示画像データを生成するデータ処理回路とを備えることを特徴とする。
本発明の態様14の構成によると、表示装置を備えない日除け装置が使用される場合でも、日除け装置に隠れる領域を含む光景を日除け装置の操作者の眼に捉えさせることができる。