JP6548004B2 - 注射器用ガスケットおよびそのガスケットを用いた医療用注射器 - Google Patents

注射器用ガスケットおよびそのガスケットを用いた医療用注射器 Download PDF

Info

Publication number
JP6548004B2
JP6548004B2 JP2015078701A JP2015078701A JP6548004B2 JP 6548004 B2 JP6548004 B2 JP 6548004B2 JP 2015078701 A JP2015078701 A JP 2015078701A JP 2015078701 A JP2015078701 A JP 2015078701A JP 6548004 B2 JP6548004 B2 JP 6548004B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gasket
syringe
female screw
main body
pressing member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015078701A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016198154A (ja
Inventor
雄一朗 松谷
雄一朗 松谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2015078701A priority Critical patent/JP6548004B2/ja
Publication of JP2016198154A publication Critical patent/JP2016198154A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6548004B2 publication Critical patent/JP6548004B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/31Details
    • A61M5/315Pistons; Piston-rods; Guiding, blocking or restricting the movement of the rod or piston; Appliances on the rod for facilitating dosing ; Dosing mechanisms
    • A61M5/31511Piston or piston-rod constructions, e.g. connection of piston with piston-rod
    • A61M5/31513Piston constructions to improve sealing or sliding
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/31Details
    • A61M5/315Pistons; Piston-rods; Guiding, blocking or restricting the movement of the rod or piston; Appliances on the rod for facilitating dosing ; Dosing mechanisms
    • A61M5/31511Piston or piston-rod constructions, e.g. connection of piston with piston-rod
    • A61M5/31515Connection of piston with piston rod

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Description

この発明は、注射器用ガスケットおよびその注射器用ガスケットが適用された医療用注射器に関する。
医療用途に用いられる注射器として、予め薬液が充填された注射器(「プレフィルド注射器」と称される。)がある。プレフィルド注射器は、薬液を移し替る手間が不要で、簡便に使用できる利点がある。また、薬液を移し替る際の過誤を防止できる利点もある。このため、近年使用が増えている。
プレフィルド注射器は、従来の注射器、すなわち使用直前にバイアル等他の容器から薬液を吸い上げて使用する従来の注射器とは異なり、長期間薬液が接する容器としての性能が要求される。
注射器は、通常、シリンジバレルと、シリンジバレル内を往復移動し得るガスケット操作用ロッドと、操作用ロッドの先端に連結されたガスケットとを含んでいる。
注射器に使用されるガスケットに求められる特性としては、気密性と低摺動性が挙げられる。
気密性とは、シリンジバレル内の薬液が外部へ漏れることなく使用でき、外部からシリンジバレル内への異物の侵入を防ぐことを示す。低摺動性とは、注射器使用時に、使用者が片手で無理なく、操作用ロッド(押し子)でガスケットを移動できることを示す。
ところで、一般に、ガスケットの気密性を上げるためには、シリンジバレルに対してガスケットの圧縮率を大きくし、シリンジバレルの内面にガスケットを強く押し当てればよい。ところが、シリンジバレルの内面にガスケットを強く押し当てると、シリンジバレル内におけるガスケットの摺動性が悪化することになる。このため、ガスケットにおいて、気密性と低摺動性との両立が困難であった。
そこで、特許文献1では、ガスケットの先端部の周囲断面の曲率半径Rを0.1mm以下にすることで気密性を上げ、薬液に接する側と反対側の下部周面径を小さくすることで、摺動性を良くする構成が提案されている。
しかしながら、ガスケット先端部の周囲断面の曲率半径Rを小さくし過ぎると、ガスケットがいわゆるラミネートガスケットの場合(ゴム製ガスケットの表面にラミネートフィルムが積層されたガスケットのことを言う。)、ガスケット成型時にラミネートフィルムが破れる可能性が高まるという課題が生じる。
また、先端部から下部に向けて、径を小さくすると、シリンジバレル内でガスケットが傾く危険性があり、気密性に悪影響を及ぼすという問題もあった。
特許文献2では、ガスケット先端部の周囲断面の曲率半径Rを0.7mm以上とすることで、シリンジバレル内でガスケットが傾いた際にも気密性を確保できる構成が提案されているが、ガスケット先端部の周囲断面の曲率半径Rを大きくした場合は、ガスケットの摺動性は改善されるものの、気密性が悪化するという問題がある。
特許文献3では、ガスケットのねじ底とロッド先端との間に空間を設け、ガスケットとロッドとの過度の嵌合を防ぐ構成が提案されているが、かかる構成は、ガスケットの摺動性を良くするものとは言えない。
特許第2892617号公報 国際公開番号WO2008/078467号公報 特許第5645046号公報
この発明は、上記先行技術によっては十分に解決し得なかった気密性および低摺動性の両方を満足のいくものに両立できる注射器用ガスケットを提供することを主たる目的とする。また、この発明は、当該注射器用ガスケットを適用した医療用注射器、特にプレフィルド注射器を提供することを他の目的とする。
上記目的を達成するためのこの発明は、以下の構成を有している。
請求項1記載の発明は、弾性材で構成された円柱形状の本体と、前記本体の後端面から前記本体内へ向かって凹設された雌ねじ凹部と、スケット操作用ロッドのヘッド部が前記雌ねじ凹部に対して奥まで螺合された状態において、当該ロッドの前記ヘッド部の先端と前記雌ねじ凹部の底面との間に位置し、前記螺合によって雌ねじ凹部の底面を押圧する押圧部材と、を含み、前記押圧部材は、前記雌ねじ凹部の内径よりも小さな外径を有する円板状または円環状で、所定の厚みを有することを特徴とする、注射器用ガスケットである。
請求項2記載の発明は、前記押圧部材は、前記雌ねじ凹部の底面が凹部内へ盛り上がるように、前記本体側に前記本体と一体的に設けられた底面膨出突部により構成されることを特徴とする、請求項1に記載の注射器用ガスケットである
請求項記載の発明は、前記雌ねじ凹部の内径をRn、前記押圧部材の外径をRsとしたとき、0.05≦Rs/Rnの関係を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載の注射器用ガスケットである。
請求項記載の発明は、前記押圧部材の厚みをTsとしたとき、(Ts/Rn)/(Rs/Rn)≦0.095の関係を満たすことを特徴とする、請求項に記載の注射器用ガスケットである。
請求項記載の発明は、前記押圧部材は、前記螺合された前記ヘッド部の先端と前記雌ねじ凹部の底面との間に挟まれて、弾性材で構成された前記本体の外周面が縮む方向に前記本体を軸方向に押圧していることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の注射器用ガスケットである。
請求項記載の発明は、前記本体の表面に積層されたラミネートフィルムを含み、前記ガスケットは、シリンジバレルの内周面に接する円周面部を有するプレフィルドシリンジ用のガスケットであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の注射器用ガスケットである。
請求項記載の発明は、前記円周面部は環状の突部を含み、円柱形状の前記本体の軸方向に見て少なくとも2つの環状の突部が設けられていることを特徴とする、請求項に記載の注射器用ガスケットである。
請求項記載の発明は、前記ガスケットは、2.25mLサイズ以上の注射器に適用されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の注射器用ガスケットである。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の注射器用ガスケットと、当該注射器用ガスケットが嵌合されるシリンジバレルと、前記シリンジバレルに嵌合された前記注射器用ガスケットに螺合され、注射器用ガスケットを移動操作するための操作用ロッドと、を含むことを特徴とする、医療用注射器である。
請求項10記載の発明は、弾性材で構成された円柱形状の本体と、前記本体の後端面から前記本体内へ向かって凹設された雌ねじ凹部と、を含む注射器用ガスケットと、前記注射器用ガスケットが嵌合されるシリンジバレルと、先端部に前記注射器用ガスケットの前記雌ねじ凹部と螺合するヘッド部が備えられ、前記シリンジバレルに嵌合された前記注射器用ガスケットに螺合され、注射器用ガスケットを移動操作するための操作用ロッドと、を含む医療用注射器であって、前記操作用ロッドのヘッド部の先端には、前記ヘッド部が前記雌ねじ凹部に対して奥まで螺合された状態において、当該ヘッド部と前記雌ねじ凹部の底面との間に位置し、前記螺合によって雌ねじ凹部の底面を押圧する押圧部材を構成するロッド側押圧板が設けられ、前記押圧部材は、前記雌ねじ凹部の内径よりも小さな外径を有する円板状または円環状で、所定の厚みを有することを特徴とする、医療用注射器である。
この発明によれば、ガスケットの気密性を向上させることができ、シリンジバレル内における薬液の保管安定性が向上する。また、ガスケットの摺動性を低くする(軽くする)ことにより、注射器使用者の負担を軽減することができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る医療用注射器10を分解状態で示す図である。 図2は、この発明の一実施形態に係るガスケット13の断面構造図である。 図3は、この発明の一実施形態に係るガスケット13の機能を説明するための図解図である。 図4は、この発明の一実施形態に係るガスケットの他の構成を示す図である。 図5は、気密性試験のやり方を示す図である。 図6は、摺動性試験のやり方を示す図である。
以下には、図面を参照して、この発明の一実施形態について具体的に説明をする。
図1は、この発明の一実施形態に係る医療用注射器、いわゆるプレフィルド注射器と呼ばれる注射器を分解状態で示す図である。図1において、シリンジバレル11は半分が断面で表わされ、ガスケット13は、全体が断面で表わされている。
図1を参照して、プレフィルド注射器10は、円筒形状のシリンジバレル11と、シリンジバレル11の先端に取り付けられたキャップ30と、シリンジバレル11に嵌められて栓をするガスケット13と、シリンジバレル11内を往復移動し得る操作用ロッド12とを含んでいる。操作用ロッド12の先端は、ガスケット13に連結される。ガスケット13は、弾性材(ゴムまたはエラストマ等)で構成された本体14と、本体14の表面に積層されたラミネートフィルム15とを含むいわゆるラミネートガスケットが使用されている。ガスケット13にはシリンジバレル11の内周面16と気密的・液密的に接する2つの円周面部17が備えられている。
操作用ロッド12は、たとえば横断面が十文字状の樹脂製板片で構成され、その先端部にはガスケット13と螺合するヘッド部18が備えられている。ヘッド部18は、操作用ロッドと一体に形成された樹脂製で、雄ねじ形状に加工されている。
ガスケット13は、短軸の略円柱形状で、その先端面19は、たとえば軸中心部が突出する鈍角の山形形状をしている。そして後端面20から軸方向に本体14内へ向かって凹設された雌ねじ凹部21が形成されている。操作用ロッド12のヘッド部18が、ガスケット13の雌ねじ凹部21に螺合されることにより、操作用ロッド12の先端にガスケット13が装着される。
この実施形態に係るガスケット13の特徴は、雌ねじ凹部21の底面23に、当該底面23を面方向に押圧するための押圧部材22が備えられていることである。
図2は、図1に示すガスケット13だけを拡大して描いた図で、ガスケット13は断面で示されるとともに、図1とは上下が逆に向いて描かれている。
図2を参照して、この実施形態に係るガスケット13の構成について、より詳細に説明をする。
ガスケット13は、本体14と、本体14の表面に積層されたラミネートフィルム15とを含む。本体14は、弾性材で構成されていればよく、その素材に関しては特に限定されるものではない。たとえば、熱硬化型ゴムや、熱可塑性エラストマで構成することができる。このうち、耐熱性に優れることから、熱硬化性ゴムや、熱可塑性エラストマのうち架橋点を有する動的架橋型熱可塑性エラストマがより好ましい。これらのポリマー成分も特に限定されるものではなく、強いて言えば、成型性に優れるエチレン−プロピレン−ジエンゴムやブタジエンゴムが好ましい。また、耐ガス透過性に優れるブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムも好ましい。
本体14の表面に積層するラミネートフィルム15は、架橋ゴム(本体14)からの成分の移行を阻止でき、かつ、ゴムよりも摺動性の優れるもの、すなわちゴムより摩擦係数の小さいフィルムであれば、その種類は特に限定されない、一例として、医療用途に実績のある超高分子量ポリエチレンやフッ素系樹脂のフィルムを挙げることができる。このうち、フッ素系樹脂は摺動性に優れ、かつ、表面の化学的な安定性に優れているので好ましい。フッ素系樹脂としては、フッ素を含む樹脂であれば公知のものを使用すればよく、一例として、PTFE、変性PTFE、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、パーフルオロアルキルエーテル(PFA)などが挙げられる。PTFEや変性PTFEは、摺動性および化学的な安定性共に優れており好ましい。ETFEは、γ線滅菌への耐性が良く好ましい。本体14との接着性の観点からは、これら樹脂の混合物、もしくは積層からなるフィルムを用いることもできる。
この実施形態に係るガスケット13は、シリンジバレル11(図1参照)の内周面16に気密的、液密的に接する円周面部17を備えている。この円周面部17は、環状の突部を形成しており、本体14の軸方向に見て2つの円周面部(環状の突部)17が設けられている。
この実施形態に係るガスケット13には、本体14の後端面20から本体14内へ向かって凹設された雌ねじ凹部21が形成されている。そして、雌ねじ凹部21の底面23には、当該底面23から雌ねじ凹部21内へ盛り上がるように、押圧部材22が備えられている。押圧部材22は、本体14と一体に形成されていて、雌ねじ凹部21の底面23が膨らんだ膨出突部となっている。
なお、この実施形態では、押圧部材22は所定の厚みの円板状をしているが、所定の厚みの円環状(リング状)としてもよい。
また、この実施形態では、押圧部材22は、本体14と一体に形成されたものであると説明した。しかし、押圧部材22は、本体14と一体形成されたものに限らず、別部材で作られて、雌ねじ凹部21の底面23に配置されたものであってもよい。その場合、押圧部材22は、弾性材ではなく、たとえば樹脂や金属等の硬い部材で作られていてもよい。
ここで、ガスケット13の寸法に関して説明すると、ガスケット13の円周面部17の外径はRg、雌ねじ凹部21の内径はRn、押圧部材22の直径はRs、押圧部材22の厚みはTsである。
そして、これら各寸法は、
0.05≦Rs/Rn …(1)
(Ts/Rn)/(Rs/Rn)≦0.095 …(2)
の2つの関係式を満たすものであることが、特に望ましい。
図3は、この発明の一実施形態に係るガスケット13の機能を説明するための図解的な図である。
図3を参照して説明すると、ガスケット13の雌ねじ凹部21の底面23に押圧部材22を設けた場合、操作用ロッド12のヘッド部18を雌ねじ凹部21に螺合させ、ヘッド部18の螺合力が強くなるように締め込むと、ヘッド1部18により押圧部材22が押されて、雌ねじ凹部21の底面23に本体14の先端面19方向へ押し上げ力が働く。すなわち、本体14には、軸方向への荷重が加わる。この場合、本体14は弾性材で形成されているため、僅かではあるが、本体14の円周面部17が痩せる方向(縮む方向)へ弾性変形をする。これにより、シリンジバレル11の内周面16とガスケット13の円周面部17との接圧力が減少して、ガスケット13の摺動性が良くなるものである。
なお、実験によれば、押圧部材22の厚みTsを厚くし過ぎると、操作用ロッド12をねじ込んだ際の本体14の軸方向にかかる荷重が大きくなり過ぎ、円周面部17が過度に痩せる(縮む)ので、使用時に液漏れが発生する恐れがある。よって、押圧部材22は、その厚みTsを適度に設定する必要がある。
図4は、この発明の他の実施形態に係るガスケットの構成を示す図である。図4に示す実施形態では、押圧部材22が、ガスケット本体14側に設けられた構成ではなく、操作用ロッド12側に設けられた構成が示されている。
すなわち、押圧部材22は、操作用ロッド12の先端のヘッド部18の前方に設けられている。
なお、押圧部材22を操作用ロッド12側に設けた場合においても、押圧部材22は、円板状であってもよいし(図4(A))、円環状であってもよく(図4(B))、いずれにしろ、所定の厚みTsを有する形状であればよい。
ところで、プレフィルド注射器は、一般に、シリンジバレル内に薬液が充填された後に、ガスケットが打栓される。
そのあとは様々な工程があるが、たとえば、
(1) 滅菌工程を経て、保管、輸送、使用時に操作用ロッドを篏合させて使用する。
(2) 滅菌前に操作用ロッドを篏合させ、操作用ロッドごと滅菌工程を経て保管、輸送、使用する。
(3) 滅菌工程を経ず無菌充填し、保管、輸送、使用時に操作用ロッドを篏合させて使用する。
(4) 滅菌工程を経ず無菌充填し、操作用ロッドを篏合させた後、保管、輸送、使用する。
上記のうち、(1)および(3)の場合は、使用までは操作用ロッドが嵌合されていない。よって、滅菌、保管、輸送時にはガスケットとシリンジバレル内周面との面圧を高い状態とし、気密性を高い状態に確保できる。
(2)および(4)の場合は、使用までは操作用ロッドとガスケットを軽く嵌合された状態にしておくことで、雌ねじ凹部21の底面が押圧されない状態を保ち、滅菌、保管、輸送時にはガスケットとシリンジバレルの内周面との面圧を高い状態とし、気密性を高い状態にする。
いずれの場合も、使用する際には、操作用ロッドをガスケットに嵌合し、締めることで、雌ねじ凹部21の底面を押圧し、側面を痩せさせる。それにより、ガスケットとシリンジバレルとの面圧を下げ、摺動性を低下(改善)させることができる。
なお、上記の実施形態では、ガスケットは、いわゆるラミネートガスケットを例にとって説明したが、不活性フィルム等が積層されていないガスケットであっても、本発明を適用できる。
外観形状が図2に示す構成のガスケットを作成した。
作成したガスケットは、それぞれ、以下の条件を満たすものである。
<比較例A−1>
Rg=33.5mm
Rn=20.0mm
押圧部材22はなし。
100mL用
<比較例B−1>
Rg=21.0mm
Rn=11.2mm
押圧部材22はなし。
20mL用
<比較例C−1>
Rg=9.2mm
Rn=4.4mm
押圧部材22はなし。
2.25mL用
<実施例A−1>
Rg=33.5mm
Rn=20.0mm
Rs=9.7mm
Ts=1.6mm
100mL用
<実施例A−2>
Rg=33.5mm
Rn=20.0mm
Rs=9.7mm
Ts=2.4mm
100mL用
<実施例A−3>
Rg=33.5mm
Rn=20.0mm
Rs=9.7mm
Ts=3.2mm
100mL用
<実施例A−4>
Rg=33.5mm
Rn=20.0mm
Rs=12.9mm
Ts=2.1mm
100mL用
<実施例A−5>
Rg=33.5mm
Rn=20.0mm
Rs=17.8mm
Ts=1.6mm
100mL用
<実施例A−6>
Rg=33.5mm
Rn=20.0mm
Rs=9.7mm
Ts=0.8mm
100mL用
<実施例A−7>
Rg=33.5mm
Rn=20.0mm
Rs=9.7mm
Ts=4.0mm
100mL用
<実施例A−8>
Rg=33.5mm
Rn=20.0mm
Rs=12.9mm
Ts=3.2mm
100mL用
<実施例A−9>
Rg=33.5mm
Rn=20.0mm
Rs=17.8mm
Ts=3.2mm
100mL用
<実施例B−1>
Rg=21.0mm
Rn=11.2mm
Rs=4.8mm
Ts=1.2mm
20mL用
<実施例C−1>
Rg=9.2mm
Rn=4.4mm
Rs=1.9mm
Ts=0.9mm
2.25mL用
<実施例A−10>
Rg=33.5mm
Rn=20.0mm
Rs=10.0mm
Ts=2.0mm
100mL用
なお、実施例A−10は、図4に示す操作用ロッド12側に押圧部材22があるものとした。
上記各比較例および実施例の気密性および摺動性について試験を行った。各試験は、次のようにして行った。
<気密性試験>
図5に示すように、シリンジバレルにテスト液を封入し、作成したガスケットを打栓して封をした状態で放置した。
テスト液:純水
シリンジバレル:CO
放置温度:40℃
放置時間:1週間
評価方法は、
第1ピーク(第1の円周面部17a)を超えてテスト液が凹部24まで浸入したか否か
を観察することにより行った。
〇 液なし
△ 小さな液滴(1mm以下)
× 大きな液滴(1mmを超える)
<摺動性試験>
試験機:オートグラフ((株)島津製作所製)
試験温度:室温
試験速度:5mm/s
テスト液:純水
評価方法:加圧時の荷重を計測する。(図6を参照)
摺動性 押圧部材22がないときを基準100とし、
〇 摺動性 98以下
× 摺動性 98を超える
摺動性が2%以上低減(軽く)できたものを〇とする。
<ロッド操作用ロッドの嵌め込み性>
〇 手動で締めつける際、スムーズに奥まで締めつけることができる。
× 奥まで締めつけることができない。
表1により、押圧部材22を設けないガスケットに対し、押圧部材22を設けたこの発明の実施例に係るガスケットは、いずれのものも、その摺動性が向上したことが理解できる。
10 医療用注射器
11 シリンジバレル
12 操作用ロッド
13 ガスケット
14 本体
16 内周面
17 円周面部
18 ヘッド部
19 先端面
20 後端面
21 雌ねじ凹部
22 押圧部材
23 底面

Claims (10)

  1. 弾性材で構成された円柱形状の本体と、
    前記本体の後端面から前記本体内へ向かって凹設された雌ねじ凹部と、
    ガスケット操作用ロッドのヘッド部が前記雌ねじ凹部に対して奥まで螺合された状態において、当該ロッドの前記ヘッド部の先端と前記雌ねじ凹部の底面との間に位置し、前記螺合によって雌ねじ凹部の底面を押圧する押圧部材と、
    を含み、
    前記押圧部材は、前記雌ねじ凹部の内径よりも小さな外径を有する円板状または円環状で、所定の厚みを有することを特徴とする、注射器用ガスケット。
  2. 前記押圧部材は、前記雌ねじ凹部の底面が凹部内へ盛り上がるように、前記本体側に前記本体と一体的に設けられた底面膨出突部により構成されることを特徴とする、請求項1に記載の注射器用ガスケット。
  3. 前記雌ねじ凹部の内径をRn、前記押圧部材の外径をRsとしたとき、
    0.05≦Rs/Rn
    の関係を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載の注射器用ガスケット。
  4. 前記押圧部材の厚みをTsとしたとき、
    (Ts/Rn)/(Rs/Rn)≦0.095
    の関係を満たすことを特徴とする、請求項に記載の注射器用ガスケット。
  5. 前記押圧部材は、前記螺合された前記ヘッド部の先端と前記雌ねじ凹部の底面との間に挟まれて、弾性材で構成された前記本体の外周面が縮む方向に前記本体を軸方向に押圧していることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の注射器用ガスケット。
  6. 前記本体の表面に積層されたラミネートフィルムを含み、
    前記ガスケットは、シリンジバレルの内周面に接する円周面部を有するプレフィルドシリンジ用のガスケットであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の注射器用ガスケット。
  7. 前記円周面部は環状の突部を含み、円柱形状の前記本体の軸方向に見て少なくとも2つの環状の突部が設けられていることを特徴とする、請求項に記載の注射器用ガスケット。
  8. 前記ガスケットは、2.25mLサイズ以上の注射器に適用されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の注射器用ガスケット。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の注射器用ガスケットと、
    当該注射器用ガスケットが嵌合されるシリンジバレルと、
    前記シリンジバレルに嵌合された前記注射器用ガスケットに螺合され、注射器用ガスケットを移動操作するための操作用ロッドと、
    を含むことを特徴とする、医療用注射器。
  10. 弾性材で構成された円柱形状の本体と、前記本体の後端面から前記本体内へ向かって凹設された雌ねじ凹部と、を含む注射器用ガスケットと、
    前記注射器用ガスケットが嵌合されるシリンジバレルと、
    先端部に前記注射器用ガスケットの前記雌ねじ凹部と螺合するヘッド部が備えられ、前記シリンジバレルに嵌合された前記注射器用ガスケットに螺合され、注射器用ガスケットを移動操作するための操作用ロッドと、
    を含む医療用注射器であって、
    前記操作用ロッドのヘッド部の先端には、前記ヘッド部が前記雌ねじ凹部に対して奥まで螺合された状態において、当該ヘッド部と前記雌ねじ凹部の底面との間に位置し、前記螺合によって雌ねじ凹部の底面を押圧する押圧部材を構成するロッド側押圧板が設けられ、
    前記押圧部材は、前記雌ねじ凹部の内径よりも小さな外径を有する円板状または円環状で、所定の厚みを有することを特徴とする、医療用注射器。
JP2015078701A 2015-04-07 2015-04-07 注射器用ガスケットおよびそのガスケットを用いた医療用注射器 Expired - Fee Related JP6548004B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015078701A JP6548004B2 (ja) 2015-04-07 2015-04-07 注射器用ガスケットおよびそのガスケットを用いた医療用注射器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015078701A JP6548004B2 (ja) 2015-04-07 2015-04-07 注射器用ガスケットおよびそのガスケットを用いた医療用注射器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016198154A JP2016198154A (ja) 2016-12-01
JP6548004B2 true JP6548004B2 (ja) 2019-07-24

Family

ID=57423414

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015078701A Expired - Fee Related JP6548004B2 (ja) 2015-04-07 2015-04-07 注射器用ガスケットおよびそのガスケットを用いた医療用注射器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6548004B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07513A (ja) * 1993-06-11 1995-01-06 Eisai Co Ltd 注射筒
DE69527782T2 (de) * 1994-05-06 2003-05-15 Amersham Health As Nydalen Reibungsfreie spritze
DE10226643A1 (de) * 2002-06-14 2004-01-15 Disetronic Licensing Ag Kolbenstopfen für Injektionsvorrichtung, Produktbehälter und Injektionsvorrichtung
JP4133124B2 (ja) * 2002-08-29 2008-08-13 テルモ株式会社 シリンジ用ガスケット、ガスケット付プランジャー、シリンジ及びプレフィルドシリンジ
JP5248167B2 (ja) * 2008-03-31 2013-07-31 テルモ株式会社 プレフィルドシリンジ用注射器、プレフィルドシリンジおよび包装済みプレフィルドシリンジ
JP5450731B2 (ja) * 2012-07-26 2014-03-26 テルモ株式会社 シリンジ
JP2014223149A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 住友ゴム工業株式会社 注射器用ガスケット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016198154A (ja) 2016-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6270266B2 (ja) プレフィルドシリンジ用ガスケットおよびプレフィルドシリンジ
CN107297002B (zh) 垫片以及医疗用注射器
JP3380705B2 (ja) 注射器兼容器用密封ゴム栓
CN105555341B (zh) 用于预充式注射器的垫片
EP2803377B1 (en) A combination of a medical gasket and a plunger for a prefilled syringe
JP6919797B2 (ja) 医療用シリンジ
EP2703025A1 (en) Laminated gasket
EP2981314B1 (en) Pharmaceutical syringe piston
US11771833B2 (en) Medical syringe, gasket to be used for syringe, and gasket production method
JPWO2008078467A1 (ja) 注射器用ピストン
US11383045B2 (en) Injector gasket falling-off prevention mechanism
JP2000342688A (ja) 注射器
US20170266386A1 (en) Medical syringe, gasket for use in the syringe, and method of using the syringe
JP6548004B2 (ja) 注射器用ガスケットおよびそのガスケットを用いた医療用注射器
US20160151544A1 (en) Nozzle cap, and prefilled syringe employing the nozzle cap
JP5450731B2 (ja) シリンジ
JP2001025506A (ja) 薬液入り注射器
JP6268397B2 (ja) シリンジ用キャップ
JP2017093964A (ja) プレフィルドシリンジ用ガスケット
JP2017099449A (ja) プレフィルドシリンジ用ガスケット
JP6867029B2 (ja) 注射器用ガスケット
EP4205784A1 (en) Piston
JP2016042902A (ja) シリンジ用ガスケット
WO2014155607A1 (ja) シリンジ
JP2010184140A (ja) シリンジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6548004

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees