JP6547755B2 - ホスホリルコリン基含有化合物およびホスホリルコリン複合体 - Google Patents

ホスホリルコリン基含有化合物およびホスホリルコリン複合体 Download PDF

Info

Publication number
JP6547755B2
JP6547755B2 JP2016554073A JP2016554073A JP6547755B2 JP 6547755 B2 JP6547755 B2 JP 6547755B2 JP 2016554073 A JP2016554073 A JP 2016554073A JP 2016554073 A JP2016554073 A JP 2016554073A JP 6547755 B2 JP6547755 B2 JP 6547755B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
phosphorylcholine
group
complex
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016554073A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016060096A1 (ja
Inventor
佐々木 崇
崇 佐々木
藤田 隆範
隆範 藤田
規郎 岩切
規郎 岩切
山本 宣之
宣之 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp filed Critical NOF Corp
Publication of JPWO2016060096A1 publication Critical patent/JPWO2016060096A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6547755B2 publication Critical patent/JP6547755B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/76Albumins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/06Phosphorus compounds without P—C bonds
    • C07F9/08Esters of oxyacids of phosphorus
    • C07F9/09Esters of phosphoric acids
    • C07F9/12Esters of phosphoric acids with hydroxyaryl compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/06Phosphorus compounds without P—C bonds
    • C07F9/08Esters of oxyacids of phosphorus
    • C07F9/09Esters of phosphoric acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/547Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom
    • C07F9/553Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07F9/572Five-membered rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

本発明は、ホスホリルコリン基含有化合物およびホスホリルコリン複合体に関する。
ホスホリルコリン(PC)は、血小板活性化因子のような炎症性リン脂質や酸化された低密度リポタンパク質において主要な成分であるだけでなく、肺炎連鎖球菌をはじめ多数の細菌の免疫原性成分としても主要な成分である。PC基を有する化合物は、PC特異的抗体の産生を目的としたPC抗原として利用されている。例えば、特許文献1には、アテローム性動脈硬化症の免疫治療におけるPC抗原の利用例が開示されている。アテローム性動脈硬化症は、大動脈および中動脈の最内側層(内膜)の肥厚を引き起こす慢性疾患であり、心筋梗塞をはじめとする心臓血管疾患の主な原因である。アテローム性動脈硬化症の患部では血流が減少し、影響を受けた血管によって供給されている組織において虚血および組織破壊が起こり得る。
特許文献1によれば、PC抗原として免疫学的担体蛋白質とPCを結合させたPC−蛋白複合体を用いることにより、PC特異性を持つモノクローナル抗体およびその組成物が得られること、および、これらのPC特異的モノクローナル抗体およびその組成物が、アテローム性動脈硬化症の免疫治療に有用であることが示されている。また、特許文献2には、肺炎連鎖球菌などの感染に対する免疫保護を誘導するためのワクチンとしてのPC抗原の利用が開示されている。このようなワクチンを目指した研究としては、他に非特許文献1が挙げられる。非特許文献1においては、動物実験において免疫増強剤の存在下にてPC−蛋白複合体を投与することにより、PC抗体価が上昇することを報告されている。
また、分子内にホスホリルコリン基を導入し高分子複合体を形成するための方法が種々提案されている(例えば特許文献3、4)が、ホスホリルコリン基含有化合物に基づくPC−蛋白複合体の開発には至っていない。これは主に、ホスホリルコリン基含有化合物が機能を発現させるための構造に由来して、製造工程に複数段階の反応を要し、製造が容易とはいえないためである。このため、製造が容易でかつ、PC−蛋白複合体として機能するPC基含有化合物が求められている。
国際公開第2005/100405号明細書 米国特許第5455032号明細書 特開2007−119643号公報 国際公開第2004/074298号明細書
Norimitsu T. et.al.,"Vaccine",2007,25(14),p.2680−2687.
上記の通り、本発明の目的は、製造が容易であり、かつホスホリルコリン抗原としての利用に適したホスホリルコリン複合体を生成可能なホスホリルコリン基含有化合物およびホスホリルコリン複合体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、芳香族カルボン酸構造を分子内に有するコンパクトな構造の化合物が意外にも上記課題を解決できることの知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の〔1〕〜〔4〕である。
〔1〕下記の式(1)で表される構造を有するホスホリルコリン基含有化合物。
Figure 0006547755
…(1)
(Xは水素原子または1価のカチオン残基、もしくは下記の式(2)で表される構造を示す。)
Figure 0006547755
…(2)
(Yは水素原子またはSONaを示す。)
〔2〕下記の式(1')で表される構造を有するホスホリルコリン基含有化合物と、蛋白質のアミノ酸アミン部位とがアミド結合した構造を有するホスホリルコリン−蛋白複合体。
Figure 0006547755
…(1')
(Xは水素原子または1価のカチオン残基を示す。)
〔3〕下記の式(1')で表される構造を有するホスホリルコリン基含有化合物と、オリゴペプチドのアミノ酸アミン部位とがアミド結合した構造を有するホスホリルコリン−ペプチド複合体。
Figure 0006547755
…(1')
(Xは水素原子または1価のカチオン残基を示す。)
〔4〕下記の式(1')で表される構造を有するホスホリルコリン基含有化合物と、アミノ酸のアミノ酸アミン部位とがアミド結合した構造を有するホスホリルコリン−アミノ酸複合体。
Figure 0006547755
…(1')
(Xは水素原子または1価のカチオン残基を示す。)
製造が容易であり、かつホスホリルコリン抗原としての利用に適したホスホリルコリン複合体を生成可能なホスホリルコリン基含有化合物およびホスホリルコリン複合体を提供することができる。
4−メトキシカルボニルフェニルホスホリルコリンのH NMRスペクトルである。 4−メトキシカルボニルフェニルホスホリルコリンの31P NMRスペクトルである。 4−メトキシカルボニルフェニルホスホリルコリンのMSスペクトルである。 DBU法により得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリンのH NMRスペクトルである。 DBU法により得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリンの31P NMRスペクトルである。 DBU法により得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリンのMSスペクトルである。 4−メチルフェニルホスホリルコリンのH NMRスペクトルである。 4−メチルフェニルホスホリルコリンの31P NMRスペクトルである。 4−メチルフェニルホスホリルコリンのMSスペクトルである。 過マンガン酸法により得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリンのH NMRスペクトルである。 過マンガン酸法により得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリンの31P NMRスペクトルである。 過マンガン酸法により得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリンのMSスペクトルである。 PC−アミノ酸複合体合成における反応前のHPLCクロマトグラムである。 PC−アミノ酸複合体合成における反応後のHPLCクロマトグラムである。 PC−フェニルアラニン複合体のMSスペクトルである。 4−カルボキシフェニルホスホリルコリンスクシンイミジルのH NMRスペクトルである。 4−カルボキシフェニルホスホリルコリンスクシンイミジルの31P NMRスペクトルである。 4−カルボキシフェニルホスホリルコリンスクシンイミジルのMSスペクトルである。
1.ホスホリルコリン(PC)基含有化合物
本発明のホスホリルコリン基含有化合物は、下記の式(1)で表される構造を有する。
Figure 0006547755
…(1)
(Xは水素原子または1価のカチオン残基、もしくは下記の式(2)で表される構造を示す。)
Figure 0006547755
…(2)
(Yは水素原子またはSONaを示す。)
上記の1価のカチオン残基としては、特に限定されないが、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、またはアンモニア、イミダゾール、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノネン(DBN)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等がプロトン化された含窒素有機化合物等が挙げられる。
さらに、Xが前記の(2)式で表される構造を有するヒドロキシスクシンイミド体であるとき、活性カルボキシル基としてアミド化反応を有利に進行させ、PC複合体を導くのにより有利となる。ヒドロキシスクシンイミドは、アミド化後速やかに脱離する。また、式(1)中の−COOX基は、ベンゼン環上のいずれかの炭素上に結合しているが、ホスホリルコリン基に対して、パラ−位で結合していることが好ましい。
本発明のPC基含有化合物は、ベンゼン核に1つのPC基と1つのカルボキシル基とが結合した構造を有する。すなわち、1分子内に1つのカルボキシル基を有することにより、蛋白質、オリゴペプチド、またはアミノ酸と結合させる際に架橋反応が起こらない。これにより、PC複合体の原料として本発明のPC基含有化合物を用いることで、PC抗原としての利用に適した、水に可溶なPC−蛋白複合体、PC−ペプチド複合体、またはPC−アミノ酸複合体を得ることができる。
2.PC基含有化合物の製造方法
本発明のPC基含有化合物は、次の製造方法1または2により製造することができる。
・製造方法1:
下記の式(3)で表される構造を有する化合物を、塩基性化合物を用いて加水分解することにより、カルボキシル基を有する式(1)で表される構造を有する化合物を生成する。
Figure 0006547755
…(3)
(Rは、炭素原子数1〜6のアルキル基、またはベンジル基を示す。)
・製造方法2:
下記の式(4)で表される構造を有する化合物を、酸化剤を用いて酸化することにより、カルボキシル基を有する式(1)で表される構造を有する化合物を生成する。
Figure 0006547755
…(4)
<PC基含有化合物の製造方法1>
PC基含有化合物の製造方法1は、具体的には、次の工程A1〜A3を含む。
工程A1:カルボン酸エステル含有フェノール性化合物と2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(COP)とを、溶媒中で脱塩素化剤を用い反応させることにより、カルボン酸エステル含有オキサホスホラン(OP)化合物を生成する。
工程A2:工程A1で得られたカルボン酸エステル含有OP化合物にトリメチルアミンを反応させることにより、カルボン酸エステル含有PC化合物を生成する。
工程A3:工程A2で得られたカルボン酸エステル含有PC化合物を、塩基性化合物存在下、水中でエステルを加水分解することにより、カルボキシル基を有する式(1)で表される構造を有する化合物を生成する。
(工程A1)
工程A1は、カルボン酸エステル含有フェノール性化合物とCOPとを、溶媒中で脱塩素化剤を用いて反応させることにより、カルボン酸エステル含有OP化合物を生成する工程である。上記カルボン酸エステル含有フェノール性化合物としては、例えば、オキシ安息香酸エステルのようなベンゼン核に1個のカルボン酸エステルが結合した構造の化合物を用いることができ、また、オルト、メタ、パラ、いずれの位置異性体でも用いることができる。上記オキシ安息香酸エステルとしては、例えば、メチルエステル型(ヒドロキシ安息香酸メチル)、エチルエステル型(ヒドロキシ安息香酸エチル)、プロピルエステル型(ヒドロキシ安息香酸プロピル)、ブチルエステル型(ヒドロキシ安息香酸ブチル)、ペンチルエステル型(ヒドロキシ安息香酸ペンチル)、ヘキシルエステル型(ヒドロキシ安息香酸ヘキシル)、ベンジルエステル型(ヒドロキシ安息香酸ベンジル)等が挙げられる。さらに、上記オキシ安息香酸エステルは、入手性や経済性から、例えば、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ安息香酸ブチル、パラヒドロキシ安息香酸ベンジル等のパラオキシ安息香酸エステルであることが好ましい。
工程A1は、溶媒の存在下で行うことができる。当該溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましい。非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素系有機溶媒等が挙げられる。工程A1において、溶媒の使用量は特に限定されないが、反応時の温度制御や副反応の制御といった観点から、カルボン酸エステル含有フェノール性化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜100質量部であることが好ましい。特に、経済性を考慮すると、溶媒の使用量は、カルボン酸エステル含有フェノール性化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜10質量部であることがさらに好ましい。工程A1において、反応温度は溶媒の凝固点以下でなければ特に限定されないが、温度制御が容易な−20℃〜50℃であることが好ましく、さらに、副反応を抑制する観点から−20℃〜0℃であることがより好ましい。
工程A1の反応時間は特に限定されないが、通常1時間〜8時間とすることができる。工程A1において、COPの使用量は、カルボン酸エステル含有フェノール性化合物1モルに対して通常0.7モル当量〜3.0モル当量であり、0.8モル当量〜2.0モル当量であることが好ましく、0.9モル当量〜1.2モル当量であることがより好ましい。工程A1に用いられる脱塩化水素剤としては、有機塩基または無機塩基が挙げられる。さらに、溶媒に対する溶解性、生成する塩のろ過性の観点等から、脱塩化水素剤はトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン等であることが好ましい。
上記脱塩化水素剤の使用量は、COPに対して通常0.7モル当量〜3.0モル当量であり、0.8モル当量〜2.0モル当量であることが好ましく、0.9モル当量〜1.2モル当量であることがより好ましい。
(工程A2)
工程A2は、工程A1で得られたカルボン酸エステル含有OP化合物にトリメチルアミンを反応させることにより、カルボン酸エステル含有PC化合物を生成する工程である。工程A2は、溶媒の存在下で行うことができる。当該溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましい。非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素系有機溶媒等が挙げられる。工程A2において、溶媒の使用量は特に限定されないが、反応時の温度制御や副反応を制御といった観点から、カルボン酸エステル含有OP化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜100質量部であることが好ましい。特に、経済性を考慮すると、溶媒の使用量は、カルボン酸エステル含有OP化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜20質量部であることがさらに好ましい。
工程A2において、反応温度は特に限定されないが、通常40℃〜80℃とすることができる。工程A2の反応時間は特に限定されないが、通常6時間〜24時間とすることができる。工程A2において、トリメチルアミンの使用量は、カルボン酸エステル含有OP化合物に対して、通常1モル当量〜2モル当量とすることができる。
(工程A3)
工程A3は、工程A2で得られたカルボン酸エステル含有PC化合物を、塩基性化合物存在下、水中でエステルを加水分解することにより、カルボキシル基含有PC化合物を合成する工程である。工程A3は、溶媒の存在下で行うことができる。当該溶媒は、通常水のみまたは含水有機溶媒であり、水のみであることが好ましい。工程A3において、溶媒の使用量は特に限定されないが、反応時の温度制御や副反応を制御といった観点から、カルボン酸エステル含有PC化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜100質量部であることが好ましい。特に、経済性を考慮すると、溶媒の使用量は、カルボン酸エステル含有PC化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜20質量部であることがさらに好ましい。
工程A3に用いられる塩基性化合物としては、エステル結合を切断してカルボキシル基に転換できるものであれば特に限定されない。当該塩基性化合物としては、反応速度の観点から、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ジアザビシクロノネン(DBN)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、トリエチルアミン等の強塩基性化合物が挙げられる。上記塩基性化合物の使用量は、カルボン酸エステル含有PC化合物に対して、通常1モル当量〜2モル当量とすることができる。工程A3において、反応温度は特に限定されないが、通常0℃〜100℃とすることができる。工程A3の反応時間は、特に限定されないが、通常1時間〜6時間とすることができる。
<PC基含有化合物の製造方法2>
PC基含有化合物の製造方法2は、具体的には、次の工程B1〜B3を含む。
工程B1:アルキル基含有フェノール性化合物とCOPとを、溶媒中で脱塩素化剤を用い反応させることにより、アルキル基含有OP化合物を生成する。
工程B2:工程B1で得られたアルキル基含有OP化合物にトリメチルアミンを反応させることにより、アルキル基含有PC化合物を生成する。
工程B3:工程B2で得られたアルキル基含有PC化合物を、酸化剤を用いて酸化することにより、カルボキシル基を有する式(1)で表される構造を有する化合物を生成する。
(工程B1)
工程B1は、アルキル基含有フェノール性化合物とCOPとを、溶媒中で脱塩素化剤を用いて反応させることにより、アルキル基含有OP化合物を生成する工程である。 上記アルキル基含有フェノール性化合物としては、例えばクレゾ−ルのような、ベンゼン核に1個のアルキル基が結合した構造の化合物を用いることができ、また、オルト、メタ、パラ、いずれの位置異性体でも用いることができる。
工程B1は、溶媒の存在下で行うことができる。当該溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましい。非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素系有機溶媒等が挙げられる。工程B1において、溶媒の使用量は特に限定されないが、反応時の温度制御や副反応の制御といった観点から、アルキル基含有フェノール性化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜100質量部であることが好ましい。特に、経済性を考慮すると、溶媒の使用量は、アルキル基含有フェノール性化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜10質量部であることがさらに好ましい。
工程B1において、反応温度は溶媒の凝固点以下でなければ特に限定されないが、温度制御が容易な−20℃〜50℃であることが好ましく、さらに、副反応を抑制する観点から−20℃〜0℃であることがより好ましい。工程B1の反応時間は特に限定されないが、通常1時間〜6時間とすることができる。
工程B1において、COPの使用量は、アルキル基含有フェノール性化合物1モルに対して通常0.7モル当量〜3.0モル当量であり、0.8モル当量〜2.0モル当量であることが好ましく、0.9モル当量〜1.2モル当量であることがより好ましい。工程B1に用いられる脱塩化水素剤としては、有機塩基または無機塩基が挙げられる。さらに、溶媒に対する溶解性、生成する塩のろ過性の観点等から、脱塩化水素剤はトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン等であることが好ましい。上記脱塩化水素剤の使用量は、COPに対して通常0.7モル当量〜3.0モル当量であり、0.8モル当量〜2.0モル当量であることが好ましく、0.9モル当量〜1.2モル当量であることがより好ましい。
(工程B2)
工程B2は、工程B1で得られたアルキル基含有OP化合物にトリメチルアミンを反応させることにより、アルキル基含有PC化合物を生成する工程である。工程B2は、溶媒の存在下で行うことができる。当該溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましい。非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素系有機溶媒等が挙げられる。工程B2において、溶媒の使用量は特に限定されないが、反応時の温度制御や副反応の制御性といった観点から、アルキル基含有OP化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜100質量部であることが好ましい。特に、経済性を考慮すると、溶媒の使用量は、アルキル基含有OP化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜20質量部であることがさらに好ましい。
工程B2において、反応温度は特に限定されないが、通常40℃〜80℃とすることができる。工程B2の反応時間は特に限定されないが、通常6時間〜24時間とすることができる。工程B2において、トリメチルアミンの使用量は、アルキル基含有OP化合物に対して、通常1モル当量〜2モル当量とすることができる。
(工程B3)
工程B3は、工程B2で得られたアルキル基含有PC化合物を、酸化剤を用いて酸化することにより、カルボキシル基含有PC化合物を生成する工程である。工程B3は、溶媒の存在下で行うことができる。当該溶媒としては、特に限定されないが、プロトン性溶媒であることが好ましく、特に、水であることがさらに好ましい。工程B3において、溶媒の使用量は特に限定されないが、反応時の温度制御や副反応の制御といった観点から、アルキル基含有PC化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜100質量部であることが好ましい。特に、経済性を考慮すると、溶媒の使用量は、アルキル基含有PC化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜10質量部であることがさらに好ましい。
工程B3に用いられる酸化剤としては、アルキル基をカルボキシル基に転換できるものであれば特に限定されない。当該酸化剤としては、反応速度の観点から、例えば、過マンガン酸塩等の強酸化剤であることが好ましく、入手性を考慮すると、過マンガン酸カリウムであることがさらに好ましい。上記酸化剤の使用量は、特に限定されないが、アルキル基含有PC化合物に対して1モル当量〜10モル当量であることが好ましく、経済性や環境負荷を考慮すると、1モル当量〜3モル当量であることがさらに好ましい。
工程B3において、反応温度は特に限定されないが、反応速度の観点から、溶媒の沸点付近にて還流下、反応を行うことが好ましい。工程B3の反応時間は特に限定されないが、通常1時間〜8時間とすることができる。
前記のXが(2)式で表される構造を有するヒドロキシスクシンイミドまたはヒドロキシスルホスクシンイミド硫酸ナトリウム(以下NHS体と略記する)とするためには、上記で得られたXがカルボン酸または塩であるカルボキシル基含有PC化合物に対して、さらに次の工程Cを行うことにより得られる。
(工程C)
工程Cは、工程A3、B3にて得られたカルボキシル基含有PC化合物(Xがカルボン酸または塩)に縮合剤を用いて、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはN−ヒドロキシスクシンイミド硫酸ナトリウムを縮合することにより、NHS体を生成する工程である。工程Cは、溶媒の存在下で行うことができる。当該溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましい。非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素系有機溶媒等が挙げられる。特に、溶解性や反応速度を考慮すると、溶媒はアセトニトリルまたはジメチルホルムアミドであることが好ましい。
工程Cにおいて、溶媒の使用量は、特に限定されないが、温度制御や副反応を抑止するという観点から、カルボキシル基含有PC化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜100質量部が好ましい。特に、経済性を考慮すると、溶媒の使用量は、カルボキシル基含有PC化合物1質量部に対して、溶媒1質量部〜10質量部であることがさらに好ましい。工程Cにおいて、反応温度は特に限定されないが、通常0℃〜50℃とすることができる。工程Cの反応時間は、特に限定されないが、通常8時間〜96時間とすることができる。
工程Cに用いられる縮合剤としては、例えば、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等が挙げられる。特に、経済性を考慮すると、縮合剤は1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドであることが好ましい。
上記縮合剤の使用量は、カルボキシル基含有PC化合物に対して、通常1モル当量〜5モル当量とすることができる。工程Cにおいて、N−ヒドロキシスクシンイミドまたはN−ヒドロキシスクシンイミド硫酸ナトリウムの使用量は、カルボキシル基含有PC化合物に対して、通常1モル当量〜5モル当量とすることができる。
以上の製造方法により、本発明のPC基含有化合物を効率よく製造することが可能となる。
3.PC複合体の合成
本発明のホスホリルコリン基含有化合物は、蛋白質、ペプチド、またはアミノ酸のアミノ酸アミン部位と反応させてアミド結合させることにより、各々、ホスホリルコリン−蛋白複合体、ホスホリルコリン−ペプチド複合体、またはホスホリルコリン−アミノ酸複合体を得ることができる。
[PC−蛋白複合体の合成]
本発明のPC基含有化合物を用いてPC−蛋白複合体を合成する場合、蛋白質としては、ヒト血清アルブミン(HSA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン(OVA)、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、トリγグロブリン(CGG)、ジフテリアトキソイド、プロテインD等を用いることができる。
PC−蛋白複合体を合成する際の反応温度、反応時間、pHについては、蛋白質が分解や変性を起こさない限り特に限定されない。例えば、大気圧下、緩衝水溶液中で反応を行う場合の反応温度は、通常0℃〜100℃であり、20℃〜60℃であることが好ましい。この場合の反応時間は、通常1秒間〜1週間であり、1時間〜3日間であることが好ましい。また、この場合のpHは通常2〜12であり、5〜9であることが好ましい。
PC−蛋白複合体の精製には、例えば、透析膜を用いることができる。合成および透析精製に用いる緩衝水溶液としては、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、炭酸緩衝液等の生化学分野で使用される緩衝水溶液を用いることができる。緩衝水溶液の塩濃度は、通常0.0001mol/L〜10mol/Lであり、0.01mol/L〜1mol/Lであることが好ましい。
[PC−ペプチド複合体の合成]
本発明のPC基含有化合物を用いてPC−ペプチド複合体を合成する場合、オリゴペプチドとしては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンから選ばれる任意の組み合わせからなるアミノ酸2個〜10個が結合したオリゴペプチドを用いることができる。
PC−ペプチド複合体を合成する際の反応温度、反応時間、pHについては、オリゴペプチドが分解や変性を起こさない限り特に限定されない。例えば、大気圧下、緩衝水溶液中で反応を行う場合の反応温度は、通常0℃〜100℃であり、20℃〜60℃であることが好ましい。この場合の反応時間は、通常1秒間〜1週間であり、1時間〜3日間であることが好ましい。また、この場合のpHは通常2〜12であり、5〜9であることが好ましい。
[PC−アミノ酸複合体の合成]
本発明のPC基含有化合物を用いてPC−アミノ酸複合体を合成する場合、アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンを用いることができる。
PC−アミノ酸複合体の合成方法としては、水または緩衝溶液中、縮合剤を用いて結合反応を行う方法が挙げられる。
上記縮合剤としては、特に限定されないが、例えば、水溶性の高いエチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩を用いることができる。
PC−アミノ酸複合体を合成する際の反応温度、反応時間、pHについては、アミノ酸が分解しない限り特に限定されない。例えば、大気圧下、緩衝水溶液中で反応を行う場合の反応温度は、通常0℃〜100℃であり、20℃〜60℃であることが好ましい。この場合の反応時間は、通常1秒間〜1週間であり、1時間〜3日間であることが好ましい。また、この場合のpHは通常2〜12であり、5〜9であることが好ましい。
PC−アミノ酸複合体は、他のオリゴペプチドや蛋白質と結合させて、PC−蛋白複合体、またはPC−ペプチド複合体を得るための原料として用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。なお、例中の各種測定は以下の通り行った。
(1)PC基含有化合物の分析方法
H NMR測定>
日本電子株式会社製、商品名「JNM−AL400」を用い、溶媒:DO、標準物質:HOD、試料濃度:10mg/g、積算回数:32回の条件で測定を行った。
31P NMR測定>
日本電子株式会社製、商品名「JNM−AL400」を用い、溶媒:DO、標準物質:HPO、試料濃度:10mg/g、積算回数:32回の条件で測定を行った。
<質量分析>
Waters社製、商品名「Q−micro2695」を用い、試料濃度:100ppm、検出モード:ESI+、キャピラリー電圧:3.54V、コーン電圧:30V、イオン源ヒーター:120℃、脱溶媒ガス:350℃の条件で測定を行った。
<高速液体クロマトグラフィー(HPLC)>
カラムに、Waters社製、商品名「Atlantis T3 3μm 4.6×100mm」を用い、流速:0.9mL/min、温度:40℃、試料注入量:10μL、検出波長:254nm、移動相:0.1vol%トリフルオロ酢酸含有蒸留水/0.1vol%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル、グラジエント条件:蒸留水/アセトニトリル=100/0(0分),85/15(0分〜20分),85/15(20分〜30分)の条件で測定を行った。
<吸光度の測定>
モレキュラーデバイス社製、商品名「SpectraMax M3」を用い、450nmの吸光度(OD450)を測定した。
(2)PC基含有化合物の製造方法および複合体の合成
[実施例a1−1]
<カルボン酸エステル含有PC化合物の合成(工程A1、A2)>
4−ヒドロキシ安息香酸メチル20gにアセトニトリル160g、トリエチルアミン15gを加えて溶解させ、0℃に冷却した。その後、COP21gを滴下した。滴下終了後、0℃で5時間反応させ、生成したトリエチルアミン塩酸塩をろ過で除いた。得られたろ液に、アセトニトリル200gとトリメチルアミン12gとを加えた後、75℃で15時間反応させた。その後、60℃まで冷却し、窒素を吹き込みながら溶液量が約200mlになるまで濃縮した。濃縮後、溶液を25℃まで冷却し、析出した結晶をろ別、減圧乾燥することにより、反応中間体として式(5)で表される構造を有する4−メトキシカルボニルフェニルホスホリルコリンを35.2g(収率85%)得た。
Figure 0006547755
…(5)
図1は、上記により得られた4−メトキシカルボニルフェニルホスホリルコリンのH NMRスペクトルを、図2は31P NMRスペクトルをそれぞれ表している。また、図3は、上記により得られた4−メトキシカルボニルフェニルホスホリルコリンのMSスペクトルを表している。
得られた生成物についてのH NMR測定、31P NMR測定および質量分析の結果は以下の通りである。
H NMR:δ=8.04ppm(d,2H,J=8.8:d),7.30ppm(d,2H,J=8.8:e),4.41ppm(brs,2H:c),3.91ppm(s,3H:f),3.68ppm(m,2H:b),3.18ppm(s,9H:a)
31P NMR:−4.59ppm(t,J=15.9)
MS:[M+H]=317.91,[M+Na]=340.01
<加水分解による4−カルボキシフェニルホスホリルコリンの合成(工程A3、DBU法)>
上記により得られた4−メトキシカルボニルフェニルホスホリルコリン10gを蒸留水90gに溶解させ、DBUを5.0g加えて25℃にて3時間撹拌した。その後、濃塩酸3.6gを加えることにより反応液を中和し、エバポレーターで濃縮乾固した。得られた固体をエタノール50gで再結晶することにより、式(6)で表される構造を有する4−カルボキシフェニルホスホリルコリンの固体を9.0g(収率94%)得た。
Figure 0006547755
…(6)
図4は、上記により得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリンのH NMRスペクトルを、図5は31P NMRスペクトルをそれぞれ表している。また、図6は、上記により得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリンのMSスペクトルを表している。
得られた生成物についてのH NMR測定、31P NMR測定および質量分析の結果は以下の通りである。 H NMR:δ=8.06ppm(d,2H,J=8.8:d),7.33ppm(d,2H,J=8.8:e),4.43ppm(brs,2H:b),3.70ppm(m,2H:c),3.19ppm(s,9H:a)
31P NMR:−4.56ppm(t,J=15.9)
MS:[M+H]=304.12
[実施例a1−2]
<加水分解による4−カルボキシフェニルホスホリルコリンの合成(工程A3、トリエチルアミン法)>
上記により得られた4−メトキシカルボニルフェニルホスホリルコリン5gを蒸留水45gに溶解させ、トリエチルアミンを3.19g加え、還流下4時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、濃塩酸3.4gを加えることにより反応液を中和し、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮した。得られた残留物に、2−プロパノール50gを添加して減圧濃縮する操作を2回行い、さらに2−プロパノール50gを加え、−10℃で終夜攪拌して結晶を析出させた。溶液を加圧ろ過し、得られた結晶を減圧乾燥することにより、固体を4.0g得た。
得られた生成物について、H NMR測定、31P NMR測定および質量分析を行い、4−カルボキシフェニルホスホリルコリンであることを確認した(収率84%)。H NMR測定の結果は以下の通りである。
H NMR:δ=8.06ppm(d,2H,J=8.8),7.33ppm(d,2H,J=8.8),4.43ppm(brs,2H),3.70ppm(m,2H),3.19ppm(s,9H)
[実施例a1−3]
<加水分解による4−カルボキシフェニルホスホリルコリンの合成(工程A3、NaOH法)>
上記により得られた4−メトキシカルボニルフェニルホスホリルコリン10gを蒸留水90gに溶解させ、水酸化ナトリウムを1.2g加え、25℃にて2時間撹拌した。その後、濃塩酸3.6gで反応液を中和し、エバポレーターで濃縮乾固した。得られた固体をカラム精製後、溶媒を留去することにより、固体8.5gを得た。
得られた生成物について、H NMR測定、31P NMR測定および質量分析を行い、4−カルボキシフェニルホスホリルコリンであることを確認した(収率88%)。H NMR測定の結果は以下の通りである。
H NMR:δ=8.06ppm(d,2H,J=8.8),7.33ppm(d,2H,J=8.8),4.43ppm(brs,2H),3.70ppm(m,2H),3.19ppm(s,9H)
[実施例a1−4]
<アルキル基含有PC化合物の合成(工程B1、B2)>
p−クレゾール20.0gに、アセトニトリル100gとジイソプロピルアミン22.5gとを加えて溶解させ、0℃に冷却した。その後、COP31.6gを滴下した。滴下終了後、0℃にて3時間反応させ、生成したジイソプロピルアミン塩酸塩をろ過で除いた。得られたろ液に、アセトニトリル100gとトリメチルアミン16.4gとを加え、75℃で15時間反応させた。その後、60℃まで冷却し、窒素を吹き込みながら溶液量が約200mlになるまで濃縮し、25℃まで冷却した。析出した結晶をろ別し、アセトニトリル100gで洗浄後にろ過、減圧乾燥することにより、反応中間体として式(7)で表される構造を有する4−メチルフェニルホスホリルコリンの固体を32.8g(収率65%)得た。
Figure 0006547755
…(7)
図7は、上記により得られた4−メチルフェニルホスホリルコリンのH NMRスペクトルを、図8は31P NMRスペクトルをそれぞれ表している。また、図9は、上記により得られた4−メチルフェニルホスホリルコリンのMSスペクトルを表している。
得られた生成物についてのH NMR測定、31P NMR測定および質量分析の結果は以下の通りである。
H NMR:δ=7.25ppm(d,2H,J=7.8:b),7.11ppm(d,2H,J=8.3:c),4.38ppm(brs,2H:e),3.65ppm(m,2H:d),3.16ppm(s,9H:f),2.32ppm(s,3H:a)
31P NMR:−3.70ppm(t,J=15.9)
MS:[M+H]=296.23
<酸化による4−カルボキシフェニルホスホリルコリンの合成(工程B3、過マンガン酸法)>
上記により得られた4−メチルフェニルホスホリルコリン5gを蒸留水45gに溶解させ、次いで過マンガン酸カリウム6.1gを加えた。この溶液を100℃に加熱し、還流下3時間反応させた。25℃に冷却後、不溶物をろ別し、得られた溶液に35%塩酸4gを加えた。その後、溶液をエバポレーターにて減圧乾固し、得られた固体をカラム精製後、溶媒を留去することにより4−カルボキシフェニルホスホリルコリンの固体を4.4g(収率80%)得た。
図10は、上記により得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリンのH NMRスペクトルを、図11は31P NMRスペクトルをそれぞれ表している。また、図12は、上記により得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリンのMSスペクトルを表している。
得られた生成物についてのH NMR測定、31P NMR測定および質量分析の結果は以下の通りである。
H NMR:δ=8.06ppm(d,2H,J=8.8:d),7.33ppm(d,2H,J=8.8:e),4.43ppm(brs,2H:b),3.70ppm(m,2H:c),3.19ppm(s,9H:a)
31P NMR:−4.56ppm(t,J=15.9)
MS:[M+H]=304.12,[M+NH=320.13
[実施例a2−1]
<PC−アミノ酸複合体の合成>
まず、モルホリノエタンスルホン酸水和物(MES,Sigma−Aldrich社製)を精製水に溶解し、0.1M MES緩衝溶液を調製した。次に、実施例a1−1にて合成した4−カルボキシフェニルホスホリルコリン50mg、フェニルアラニン50mgおよび縮合剤としてエチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(Pierce Biotechnologies社製)25mgを0.1M MES緩衝溶液10mLに溶解させ、25℃にて24時間撹拌することにより、式(8)で表される構造を有するPC−フェニルアラニン複合体を得た。
Figure 0006547755
…(8)
図13は、上記PC−アミノ酸複合体の合成における、24時間攪拌前(反応前)の溶液のHPLCクロマトグラムを表しており、図14は、24時間攪拌後(反応後)の溶液のHPLCクロマトグラムを表している。図13,14の比較から、4−カルボキシフェニルホスホリルコリンのピークが消失し、新たなピークが出現することを確認した。図15は、上記により得られた生成物のMSスペクトルを表している。図15から、PC−フェニルアラニン複合体の分子量に相当するピーク([M+H]=451.16,[M+Na]=473.13)が得られたことから、生成物がPC−フェニルアラニン複合体であることを確認した。
[実施例a2−2]
<PC−蛋白複合体の合成>
実施例a1−1にて得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリン4mg、ウシ血清アルブミン(BSA、Sigma−Aldrich社製)4mgおよび縮合剤としてエチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(東京化成工業株式会社)2mgを0.1M MES緩衝溶液1.6mLに溶解させた。この溶液を、25℃にて2時間攪拌した後、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中、4℃で透析精製を行うことにより、PC−蛋白複合体(PC−BSA)を得た。
[実施例b1]
<4−カルボキシフェニルホスホリルコリンスクシンイミジルの合成(工程C)>
実施例a1−1にて得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリン5.0gとN−ヒドロキシスクシンイミド3.0gとを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)35gに懸濁させた。この溶液を25℃に保ち、10gのDMFに溶解させた1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド6.8gを加え、25℃にて72時間反応させた。反応後、溶液をろ過して固体を回収し、アセトニトリル160gで再結晶することにより、減圧乾燥後に式(9)で表される構造を有する4−カルボキシフェニルホスホリルコリンスクシンイミジルを4.5g(収率68%)得た。
Figure 0006547755
…(9)
図16は、上記により得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリンスクシンイミジルの1H NMRスペクトルを、図17は31P NMRスペクトルをそれぞれ示している。また、図18は、4−カルボキシフェニルホスホリルコリンスクシンイミジルのMSスペクトルを示している。
得られた生成物についての1H NMR測定、31P NMR測定および質量分析の結果は以下の通りである。
1H NMR:δ=8.23ppm(d,2H,J=8.8:e),7.42ppm(d,2H,J=8.3:d),4.45ppm(brs,2H:b),3.72ppm(m,2H:c),3.22ppm(s,9H:a),3.04ppm(s,4H:f)
31P NMR:−4.96ppm(t,J=15.9)
MS:[M+H]+=400.99、[M+Na]+=423.03
[実施例b2]
<PC−蛋白複合体の合成>
実施例b1にて得られた4−カルボキシフェニルホスホリルコリンスクシンイミジル20mg、ウシ血清アルブミン(BSA、Sigma−Aldrich社製)8mgおよび炭酸水素ナトリウム8mgを蒸留水2mLに溶解させた。この溶液を25℃、24時間攪拌した後、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中、4℃で透析精製を行うことにより、PC−蛋白複合体(PC−BSA)を得た。
(3)PC基含有化合物の評価
<検体の調製>
年齢20歳台〜40歳台の健常な被験者5名から唾液を採取し、10%ブロックエース(大日本住友製薬製)を用いて16倍に希釈した溶液を検体とした。
<抗PC抗体の測定>
まず、カーボネート/バイカーボネート緩衝溶液(Sigma−Aldrich社製)に、上記実施例a2−2、b2にてそれぞれ得られたPC−BSAまたはBSAを溶解させ、濃度5μL/mLに調整した。これらの溶液を96ウェルマイクロタイタープレート(ダイナテック社製)に50μL/ウェル分注し、4℃にて16時間保持した。次に、濃度0.05%のTween20を添加したPBSを用いてプレートを洗浄した後、25%ブロックエースを200μL/ウェル分注し、36℃にて1時間保持した。次に、濃度0.05%のTween20を添加したPBSを用いてプレートを洗浄し、検体を50μL/ウェル注入し、25℃にて1時間保持した。次に、濃度0.05%のTween20を添加したPBSを用いてプレートを洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗ヒトIgA抗体(Southern Biotechnology Associates社製)2000倍希釈品を50μL/ウェル分注し、25℃にて1時間保持した。次に、濃度0.05%のTween20を添加したPBSを用いてプレートを洗浄し、HRP基質液を100μL/ウェル分注し、25℃にて15分間反応した。15分後、希硫酸を100μL/ウェル添加して反応を停止した後、450nmの吸光度(OD450)を測定した。
<抗PC抗体価の算出方法>
PC−BSAを吸着させたプレートから得られた吸光度(anti−PC−BSA(OD450))と、陰性対象としてBSAを吸着させたプレートから得られた吸光度(anti−BSA(OD450))との差分(anti−PC(OD450))を式(10)により算出した。測定毎に検量線を作成し、求めたanti−PC(OD450)の値から各検体の抗PC抗体価(μg等量/mL)を算出した。
anti−PC(OD450)=anti−PC−BSA(OD450)−anti−BSA(OD450
…(10)
<測定結果>
表1は、Xが水素原子または1価のカチオン残基であるPC基含有化合物に係るPC−BSA(実施例a2−2)の抗PC抗体価の測定結果を示している。
Figure 0006547755
表2は、Xがヒドロキシスクシンイミド基であるPC基含有化合物に係るPC−BSA(実施例b2)の抗PC抗体価の測定結果を示している。
Figure 0006547755
表1、2より、いずれの被験者においても抗PC抗体価が確認された。このことから、本試験に用いたPC−BSAはPC抗原としての機能を示すことが明らかになった。以上の結果により、本発明のPC基含有化合物を用いたPC−蛋白複合体は、PC−蛋白質間の架橋反応が起こらないため、PC抗原としての利用に適した、水に可溶なPC−蛋白複合体となっていることが明らかになった。
(4)比較例
[比較例a1]
比較例a1は、本発明のXが水素原子または1価のカチオン残基であるPC基含有化合物の比較例である。
国際公開第2004/074298号明細書に記載の方法に従い、式(11)で表される構造を有する化合物を合成した。得られた式(11)で表される構造を有する化合物4mg、ウシ血清アルブミン(BSA、Sigma−Aldrich社製)4mgおよび縮合剤としてエチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(東京化成工業社製)2mgを0.1M MES緩衝溶液1.6mLに溶解させた。この溶液を25℃で攪拌し、PC−蛋白複合体の合成を試みたが、生成物はゲル状であり、抗PC抗体価の測定に用いる0.1M,MES緩衝溶液に溶解させることができなかった。
Figure 0006547755
…(11)
[比較例b1]
比較例b1は、本発明のXがヒドロキシスクシンイミド基であるPC基含有化合物の比較例である。
国際公開第2004/074298号明細書に記載の方法に従い、式(11)で表される構造を有する化合物を合成した。得られた式(11)で表される構造を有する化合物20mg、ウシ血清アルブミン(BSA、Sigma−Aldrich社製)8mgおよび炭酸水素ナトリウム8mgを蒸留水2mLに溶解させた。この溶液を25℃、24時間攪拌したが、生成物はゲル状であり、抗PC抗体価の測定に用いる0.1M,MES緩衝溶液に溶解させることができなかった。
[比較例b2]
比較例b2は、本発明のXがヒドロキシスクシンイミド基であるPC基含有化合物の比較例である。
国際公開第2004/074298号明細書に記載の方法に従い、式(11)で表される構造を有する化合物を合成した。得られた式(11)で表される構造を有する化合物5.0gとN−ヒドロキシスクシンイミド6.0gとを、DMF35.0gに加えた。この溶液を25℃に保ち、20gのDMFに溶解させた1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド13.6gを加え、25℃にて72時間反応させた。反応後、溶液をろ過して固体を回収し、アセトニトリルで再結晶を行うことにより、減圧乾燥後に式(12)で表される構造を有する化合物を4.4g(収率56%)得た。
Figure 0006547755
…(12)
得られた式(12)で表される構造を有する化合物20mg、ウシ血清アルブミン(BSA、Sigma−Aldrich社製)8mgおよび炭酸水素ナトリウム8mgを蒸留水2mLに溶解させた。この溶液を25℃、24時間攪拌したが、生成物はゲル状であり、抗PC抗体価の測定に用いる0.1M,MES緩衝溶液に溶解させることができなかった。
式(1)で表される構造を有するカルボキシル基およびPC基をそれぞれ1つずつ含む構造を有する芳香族化合物は、PC−蛋白複合体を得るための原料として、有効に利用することができる。また、得られたPC−蛋白複合体、PC−ペプチド複合体、またはPC−アミノ酸複合体は、PC抗原またはPC抗原製造用の原料として利用することができる。さらに、得られたPC抗原は、PC抗体を含む医薬品の製造において、PC抗体産生用原料として有効に利用することができる。

Claims (4)

  1. 下記の式(1)で表される構造を有するホスホリルコリン基含有化合物。
    Figure 0006547755
    …(1)
    (Xは水素原子または1価のカチオン残基、もしくは式(2)で表される構造を示す。)
    Figure 0006547755
    …(2)
    (Yは水素原子またはSONaを示す。)
  2. 下記の式(1')で表される構造を有するホスホリルコリン基含有化合物と、蛋白質のアミノ酸アミン部位とがアミド結合した構造を有するホスホリルコリン−蛋白複合体。
    Figure 0006547755
    …(1')
    (Xは水素原子または1価のカチオン残基を示す。)
  3. 下記の式(1')で表される構造を有するホスホリルコリン基含有化合物と、オリゴペプチドのアミノ酸アミン部位とがアミド結合した構造を有するホスホリルコリン−ペプチド複合体。
    Figure 0006547755
    …(1')
    (Xは水素原子または1価のカチオン残基を示す。)
  4. 下記の式(1')で表される構造を有するホスホリルコリン基含有化合物と、アミノ酸のアミノ酸アミン部位とがアミド結合した構造を有するホスホリルコリン−アミノ酸複合体。
    Figure 0006547755
    …(1')
    (Xは水素原子または1価のカチオン残基を示す。)
JP2016554073A 2014-10-15 2015-10-13 ホスホリルコリン基含有化合物およびホスホリルコリン複合体 Active JP6547755B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014210546 2014-10-15
JP2014210546 2014-10-15
JP2014210547 2014-10-15
JP2014210547 2014-10-15
PCT/JP2015/078862 WO2016060096A1 (ja) 2014-10-15 2015-10-13 ホスホリルコリン基含有化合物およびホスホリルコリン複合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016060096A1 JPWO2016060096A1 (ja) 2017-08-31
JP6547755B2 true JP6547755B2 (ja) 2019-07-24

Family

ID=55746642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016554073A Active JP6547755B2 (ja) 2014-10-15 2015-10-13 ホスホリルコリン基含有化合物およびホスホリルコリン複合体

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9850266B2 (ja)
EP (1) EP3208275B1 (ja)
JP (1) JP6547755B2 (ja)
WO (1) WO2016060096A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7165327B2 (ja) * 2019-01-31 2022-11-04 国立大学法人 鹿児島大学 経鼻粘膜ワクチン用アジュバント
CN113816990B (zh) * 2021-03-22 2023-08-22 联宁(苏州)生物制药有限公司 修饰的氨基酸及其在adc中的应用

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR1551060A (ja) * 1967-09-21 1968-12-27
US5455032A (en) 1993-07-29 1995-10-03 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Use of phosphocholine hapten conjugates in vaccines
US5830432A (en) * 1997-03-31 1998-11-03 Amur Pharmacuticals, Inc. Phospholipid drug derivatives
WO2000048572A1 (en) * 1999-02-18 2000-08-24 Supergen, Inc Phosphocholine linked prodrug derivatives
WO2003036297A1 (en) 2001-09-27 2003-05-01 Tridelta Development Limited Non-immunological assays for the detection and determination of c-reactive protein
JP4628951B2 (ja) 2003-02-18 2011-02-09 学校法人東海大学 ホスホリルコリン基を有する化合物、その重合体ならびにその製造方法
DK1735349T3 (da) 2004-04-15 2010-12-06 Athera Biotechnologies Ab Fremgangsmåde til fastlæggelse af risikoen for iskæmisk cardiovaskulær sygdom under anvendelse af phosphorylcholinkonjugater
US7408075B1 (en) 2005-03-23 2008-08-05 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Synthesis of phosphocholine ester derivatives and conjugates thereof
JP5013575B2 (ja) 2005-10-28 2012-08-29 株式会社 資生堂 素材の表面処理方法
JP5614281B2 (ja) 2008-04-14 2014-10-29 和光純薬工業株式会社 フェニルホスホリルコリン誘導体

Also Published As

Publication number Publication date
EP3208275B1 (en) 2019-01-09
EP3208275A4 (en) 2018-06-06
WO2016060096A1 (ja) 2016-04-21
EP3208275A1 (en) 2017-08-23
US9850266B2 (en) 2017-12-26
JPWO2016060096A1 (ja) 2017-08-31
US20170240576A1 (en) 2017-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014518886A (ja) 関節炎の治療に有用な新規イミダゾール誘導体
US11718582B2 (en) (R)-4-(1-(1-(4-(trifluoromethyl)benzyl)pyrrolidine-2-carboxamide)cyclopropyl)-benzoic acid as EP4 receptor antagonist
EP3584576B1 (en) Bis-biotin and bis-iminobiotin derivatives as labels for identification of potential drug target proteins for development of antibody drugs
JP6547755B2 (ja) ホスホリルコリン基含有化合物およびホスホリルコリン複合体
JP2017516776A (ja) 構造的に4(1h)−キノロンに基づく、心血管疾患および炎症性疾患の治療に使用するための剤
US20220107327A1 (en) Multi-target crosslinkers and uses thereof
WO2014190665A1 (zh) 一种将多肽稳定为alpha螺旋二级结构的方法
Jones et al. Synthesis of LJP 993, a multivalent conjugate of the N-terminal domain of β2GPI and suppression of an anti-β2GPI immune response
JPWO2015125892A1 (ja) 蛋白質の標識化合物
EP3932912A1 (en) Protein and/or peptide modification molecule
CN104587487A (zh) 一种应用于靶向给药系统的新的支链连接体
JP6416392B2 (ja) ホスホリルコリン誘導体を含む分離物質
JP7013048B2 (ja) タンパク質及び/又はペプチド修飾用分子
ES2439322T3 (es) Derivados de amino alcohol y sus actividades terapéuticas
JP2000510839A (ja) 触媒イミダゾール(例えばヒスチジン)機能を有する触媒を使用した安定化変遷複合体を用いたアシル移行
WO2023054712A1 (ja) ペプチド
US9126896B2 (en) Synthesis of diamido gellants by using Dane salts of amino acids
KR20120108225A (ko) N-[o-(p-피발로일옥시벤젠술포닐아미노)벤조일]글리신의 신규 제조 방법 및 그 모노나트륨염ㆍ4 수화물의 동결 건조 제제의 제조 방법
JP6440250B2 (ja) チオアミド誘導体
JP2022512406A (ja) 二量体ペプチド-リン脂質コンジュゲートのための最適化された方法
JP2024526909A (ja) 非天然アミノ酸及びその使用、それを含有する組換えタンパク質、並びに組換えタンパク質コンジュゲート
JP2013095735A (ja) フェノキシカルボニル基の脱離方法
CA3211335A1 (en) Bifunctional degraders of galactose-deficient immunoglobulins
WO2019184744A1 (zh) 四氢异喹啉类衍生物及其制备方法和用途
JPS61140552A (ja) N↑2−ホルミルリジンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20170620

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170627

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180723

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190528

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6547755

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250