JP6547642B2 - 鋼矢板の接続部材 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の鋼矢板を断面方向に角度を変えて連結するための鋼矢板の接続部材に関する。
従来から、複数の鋼矢板を並べて連結することで鋼矢板壁を構築する場合に、断面方向に角度を変えて複数の鋼矢板を連結する必要が生じることがある。例えば、複数の鋼矢板を断面方向に角度を変えて連結する方法としては、鋼矢板を切断、溶接して異形鋼矢板を製作するもののほか、特許文献1、2に開示されたハット形鋼矢板等が提案されている。
特許文献1に開示されたハット形鋼矢板は、フランジ部の両端に一対のウェブ部が連設されて、ウェブ部の他端にアーム部が連設されているとともに、そのアーム部の先端部に継手部を設けたハット形鋼矢板において、一方の鋼矢板のフランジ部との略垂直方向から他方の鋼矢板の継手部を嵌合可能とする接続用継手が設けられる。
特許文献2に開示された鋼矢板の接合部材は、第1鋼矢板と第2鋼矢板とを互いに連結する接合部材であって、第1鋼矢板の継手部に嵌入して接続可能な嵌合部と、第2鋼矢板の継手部と接続可能な接続部と、嵌合部と接続部との境界位置に一体に形成され突出する溶接部とを有して、第1鋼矢板の側面に接合して切断可能な首部が溶接部に形成される。
特開2009−235672号公報 特開2015−117570号公報
しかし、特許文献1に開示されたハット形鋼矢板の接続用継手は、一方の鋼矢板のフランジ部との略垂直方向のみから他方の鋼矢板の継手部を嵌合可能とするものであり、複数の鋼矢板を断面方向で互いに略直交して連結することしかできない。このため、特許文献1に開示されたハット形鋼矢板の接続用継手では、複数の鋼矢板を様々な角度で連結することが困難であり、汎用性の改善が要求されている。
これに対して、異形鋼矢板を製作して複数の鋼矢板を断面方向に角度を変えて連結する方法では、鋼矢板の切断、溶接の角度を異ならせることで、複数の鋼矢板を様々な角度で連結することができる。しかし、異形鋼矢板を製作して複数の鋼矢板を断面方向に角度を変えて連結する方法では、鋼矢板の切断、溶接に必要となる材料費、加工費等のコストが増大するとともに、加工工期も長期化する。
また、特許文献2に開示された鋼矢板の接合部材は、第1鋼矢板の継手部に嵌入される嵌合部と第2鋼矢板の継手部に接続される接続部とが一体的に形成されて、接続部の開口が一定の方向に向いた状態で固定されている。
特許文献2に開示された鋼矢板の接合部材では、接合角度を広範にできるとされているが、開口角度の異なる複数種類の接合部材の組合せが必要となり接合部材単体の汎用性は高くなく、複数種類の接合部材により材料費のコストが増大するという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、単一種類の接続部材を用いて材料費、加工費等のコストを抑制しながら、複数の鋼矢板を様々な角度で連結することのできる鋼矢板の接続部材を提供することにある。
第1発明に係る鋼矢板の接続部材は、複数の鋼矢板を断面方向に角度を変えて連結するための鋼矢板の接続部材であって、互いに連結される一方の鋼矢板の平坦面に取り付けられる接合部と、互いに連結される他方の鋼矢板の継手部が嵌合される嵌合部とを備え、前記嵌合部は、前記接合部から延びる延伸部と、前記延伸部の先端側から延びて他方の鋼矢板の継手部が係止される爪部とを有して、前記接合部は、一方の鋼矢板の平坦面に当接された状態で他方の鋼矢板が一方の鋼矢板の平坦面に断面方向で略直交して設けられる直交接合面と、前記直交接合面の断面方向の側方で前記直交接合面より傾斜して一方の鋼矢板の平坦面に当接させることのできる複数の接合面とを有することを特徴とする。
第2発明に係る鋼矢板の接続部材は、第1発明において、前記接合部は、2面の前記接合面となる第1接合面及び第2接合面を有して、前記直交接合面の断面方向の側方で、前記第1接合面が前記直交接合面より鋭角20°に傾斜するとともに、前記第2接合面が前記直交接合面より鋭角40°に傾斜して形成されることを特徴とする。
第3発明に係る鋼矢板の接続部材は、第1発明において、前記接合部は、4面の前記接合面となる第1接合面、第2接合面、第3接合面及び第4接合面を有して、前記直交接合面の断面方向の側方で、前記第1接合面が前記直交接合面より鋭角20°に傾斜するとともに、前記第2接合面が前記直交接合面より鋭角40°に傾斜して形成されて、前記第3接合面が前記直交接合面より鋭角60°に傾斜するとともに、前記第4接合面が前記直交接合面より鋭角80°に傾斜して形成されることを特徴とする。
第4発明に係る鋼矢板の接続部材は、第1発明において、前記接合部は、2面の前記接合面となる第1接合面及び第2接合面を有して、前記直交接合面の断面方向の側方で、前記第1接合面が前記直交接合面より鋭角40°に傾斜するとともに、前記第2接合面が前記直交接合面より鋭角60°に傾斜して形成されることを特徴とする。
第5発明に係る鋼矢板の接続部材は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、前記嵌合部は、前記延伸部の先端側から延びて他方の鋼矢板の継手部が係止される一対の前記爪部を有して、前記延伸部の断面方向の両側方で一対の前記爪部が互いに逆向きに形成されることを特徴とする。
第6発明に係る鋼矢板の接続部材は、第5発明において、前記嵌合部は、一対の前記爪部のうち他方の前記爪部が、一方の前記爪部と異なる傾斜をもつ傾斜爪部であり、前記延伸部の先端側から延びる一方の前記爪部と前記傾斜爪部とで、前記直交接合面と直交する方向より傾斜する傾斜角度の差が鋭角20°となることを特徴とする。
第7発明に係る鋼矢板の接続部材は、第1発明〜第6発明の何れかにおいて、前記接合部は、前記直交接合面及び複数の前記接合面の一部又は全部に、一方の鋼矢板の平坦面に前記直交接合面又は前記接合面が当接された状態で一方の鋼矢板の平坦面から湾曲して離間する窪み部が形成されることを特徴とする。
第8発明に係る鋼矢板の接続部材は、第1発明〜第7発明の何れかにおいて、前記嵌合部は、断面方向で前記爪部の幅方向の中心点から前記直交接合面に向けた垂線と前記直交接合面との交点が、断面方向で前記直交接合面の幅方向の中心点と略一致するように、前記延伸部の先端側から傾斜して前記爪部が形成されることを特徴とする。
第9発明に係る鋼矢板の接続部材は、第1発明〜第8発明の何れかにおいて、前記嵌合部は、断面方向で前記延伸部から延びる前記爪部の反対側で、前記接合部から延びる前記延伸部の基端側が、前記爪部が延びる前記延伸部の先端側よりも厚肉にされることで、前記延伸部に肉厚部が形成されることを特徴とする。
第10発明に係る鋼矢板の接続部材は、第1発明〜第9発明の何れかにおいて、前記接合部及び前記嵌合部は、圧延加工又は熱押し加工により一体的に形成されることを特徴とする。
第1発明〜第10発明によれば、直交接合面及び複数の接合面が接合部に形成されるため、異形鋼矢板又は複数種類の接合部材等を必要とすることなく、汎用性の高い単一種類の接続部材を用いることで、材料費、加工費等のコストの増大及び加工工期の長期化を抑制しながら、複数の鋼矢板を様々な角度で連結することが可能となる。
第1発明〜第10発明によれば、直交接合面及び接合面が一方の鋼矢板の平坦面に当接できるように形成されるため、直交接合面及び各々の接合面を鋼矢板の平坦面に容易に位置決めして当接させて、複数の鋼矢板を所定の角度で確実に連結することが可能となる。
特に、第2発明によれば、複数の鋼矢板を40°〜140°の範囲で、断面方向で様々に角度を変えて連結することができる。
特に、第3発明によれば、複数の鋼矢板を0°〜180°の範囲で、断面方向で様々に角度を変えて連結することができる。
特に、第4発明〜第6発明によれば、第1接合面が鋭角40°に傾斜して、第2接合面が鋭角60°に傾斜するとともに、爪部及び傾斜爪部が一対となって嵌合部に形成されることで、複数の鋼矢板を様々に角度で連結できるものとしながら、一方の鋼矢板の平坦面に直交接合面を溶接するときの溶接スペースを十分に確保して、直交接合面の溶接作業を容易に実施することが可能となる。
特に、第7発明によれば、直交接合面又は接合面に窪み部が形成されることで、鋼矢板の平坦面に曲がり、反り、軽微な凹凸等が生じている場合においても、鋼矢板の平坦面に直交接合面又は接合面を溶接して接合することが可能となる。また、第7発明によれば、直交接合面及び接合面の側端部に湾曲面が形成されるため、湾曲面と鋼矢板の平坦面との間で溶接サイズを大きくして、鋼矢板の平坦面に直交接合面又は接合面を強固に溶接して接合することが可能となる。
特に、第8発明によれば、直交接合面の中心点と爪部の係止面の中心点とが、幅方向の位置を略一致させたものとなり、他方の鋼矢板の継手部から嵌合部に作用する引張力が、接合部の直交接合面から鋼矢板の平坦面に略均等に伝達されて偏心しないように作用するため、鋼矢板の平坦面からの接合部の脱落を防止することが可能となる。
特に、第9発明によれば、他方の鋼矢板の継手部から嵌合部に爪部の反対側に向けた回転力が作用した場合であっても、爪部の反対側に向けた延伸部の変形を、厚肉にされた肉厚部により防止することが可能となる。
特に、第10発明によれば、接合部及び嵌合部が熱間圧延若しくは冷間圧延の圧延加工又は熱押し加工により一体的に形成されることで、接合部に窪み部又は湾曲面等の複雑形状の曲面が形成される場合であっても、接続部材を容易に製造することが可能となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材で構築される鋼矢板壁を示す斜視図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で連結される複数の鋼矢板を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材が用いられるU形鋼矢板を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材が用いられるハット形鋼矢板を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材が用いられるZ形鋼矢板を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で直交接合面、鋭角20°の接合面及び鋭角40°の接合面が形成された接合部を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で延伸部に形成された肉厚部を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で直交接合面及び接合面に形成された窪み部を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で互いに略同一の傾斜角度で形成された一対の爪部を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で直交接合面、鋭角40°の接合面及び鋭角60°の接合面が形成された接合部と、互いに異なる傾斜角度で形成された一対の爪部及び傾斜爪部とを示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で直交接合面及び4面の接合面が形成された接合部を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で直交接合面及び接合面の溶接接合を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で窪み部が形成された直交接合面及び接合面の溶接接合を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で鋼矢板の継手部の回転許容角度を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で鋼矢板の平坦面に当接される鋭角20°の第1接合面を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で鋼矢板の平坦面に当接される鋭角40°の第2接合面を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で鋼矢板の平坦面に当接される第3接合面を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で鋼矢板の平坦面に当接される第4接合面を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で一方の鋼矢板の平坦面に直交接合面が当接されて他方の鋼矢板の継手部が係止された傾斜爪部を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で一方の鋼矢板の平坦面に鋭角40°の第1接合面が当接されるとともに他方の鋼矢板の継手部が係止された爪部を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で一方の鋼矢板の平坦面に鋭角60°の第2接合面が当接されるとともに他方の鋼矢板の継手部が係止された爪部を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で一方の鋼矢板の平坦面に鋭角60°の第2接合面が当接されるとともに他方の鋼矢板の継手部が係止された傾斜爪部を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材に鋼矢板の継手部から作用する引張力を示す平面図である。 本発明を適用した鋼矢板の接続部材で爪部及び傾斜爪部が嵌合部に一対となって形成されて肉厚部が形成された延伸部を示す平面図である。
以下、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図1に示すように、複数の鋼矢板7が角度を変えて連結される箇所に用いられて、例えば、土砂等の崩落を防ぐための土留壁又は河川の護岸壁等となる鋼矢板壁8が構築されるものとなる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、鋼矢板壁8の壁体方向に並べて複数の鋼矢板7を連結するときに、各々の鋼矢板7の材軸方向Zと直交する断面方向で、特に、図2に示すように、複数の鋼矢板7を断面方向に角度を変えて連結するために用いられる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、互いに連結される複数の鋼矢板7で、他方の鋼矢板7の一対の継手部7dまで延びる断面方向の基準線Rと、互いに連結される一方の鋼矢板7の平坦面70とがなす角度を変えることで、複数の鋼矢板7が断面方向に角度を変えて連結されるものとなる。
鋼矢板7は、図3に示すように、U形鋼矢板71が用いられる場合に、フランジ部7aと、一対のウェブ部7bと、一対の継手部7dとを有する。鋼矢板7は、壁体方向に延びるフランジ部7aの両端の各々から、各々のウェブ部7bが傾斜させて形成されるとともに、各々のウェブ部7bの片端に、各々の継手部7dが形成される。
鋼矢板7は、壁体方向に並べられた複数の鋼矢板7が、各々の継手部7dを互いに嵌合させることで、複数の鋼矢板7を壁体方向に連結した鋼矢板壁8が構築される。鋼矢板7は、フランジ部7a及びウェブ部7bの各々の片側面又は両側面が略平坦状に形成されて、略平坦状に形成された平坦面70を有するものとなる。
鋼矢板7は、U形鋼矢板71が用いられるだけでなく、例えば、図4、図5に示すように、ハット形鋼矢板72又はZ形鋼矢板73等が用いられてもよい。鋼矢板7は、図4に示すように、ハット形鋼矢板72が用いられる場合に、フランジ部7aと、一対のウェブ部7bと、一対のアーム部7cと、一対の継手部7dとを有する。
鋼矢板7は、図5に示すように、Z形鋼矢板73が用いられる場合に、ウェブ部7bと、一対のアーム部7cと、一対の継手部7dとを有する。鋼矢板7は、図4、図5に示すように、ハット形鋼矢板72又はZ形鋼矢板73が用いられる場合に、フランジ部7a、ウェブ部7b及びアーム部7cの各々の片側面又は両側面が平坦面70となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図6に示すように、複数の鋼矢板7が角度を変えて連結される箇所で、互いに連結される一方の鋼矢板7の平坦面70に接合されるとともに、互いに連結される他方の鋼矢板7の継手部7dが嵌合されて連結される。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、鋼材等を加工したものが用いられて、互いに連結される一方の鋼矢板7の平坦面70に取り付けられる接合部2と、互いに連結される他方の鋼矢板7の継手部7dが嵌合される嵌合部4とを備える。
嵌合部4は、接合部2から延びる延伸部40と、延伸部40の先端側40aから延びる爪部41とを有する。延伸部40は、延伸部40の基端側40bが接合部2から連続して延びるとともに、接合部2から奥行方向Yに離間した位置で、延伸部40の先端側40aから傾斜して、接合部2側に向けて延びる爪部41が形成される。
爪部41は、互いに連結される他方の鋼矢板7の継手部7dが、延伸部40と爪部41との間隙に挿入されるとともに、奥行方向Yで爪部41に係止されることで、嵌合部4に他方の鋼矢板7の継手部7dが嵌合される。爪部41は、他方の鋼矢板7の継手部7dが係止されるときに当接される係止面41aが、略平坦状又は湾曲状等に形成される。
嵌合部4は、延伸部40の先端側40aから基端側40bまで連続させて、延伸部40が略同一の厚みで薄肉に形成される。また、嵌合部4は、これに限らず、図7に示すように、断面方向で延伸部40から延びる爪部41の反対側で、延伸部40の基端側40bが先端側40aよりも厚肉にされることで、延伸部40に肉厚部42が形成されてもよい。
接合部2は、図6に示すように、互いに連結される複数の鋼矢板7を断面方向で略直交させるときに接合される直交接合面3と、複数の鋼矢板7を断面方向で略直交させる方向から角度を変えて連結するときに接合される複数の接合面30とを有する。
接合部2は、複数の鋼矢板7が断面方向の角度を変えて連結される箇所で、直交接合面3又は複数の接合面30の何れか1面が、互いに連結される一方の鋼矢板7の平坦面70に当接されて、溶接等により鋼矢板7の平坦面70に接合される。
接合部2は、直交接合面3又は複数の接合面30の何れか1面を適宜選択して、鋼矢板7の平坦面70に当接させることで、互いに連結される他方の鋼矢板7の基準線Rと一方の鋼矢板7の平坦面70とが交わるときの連結角度θrを異ならせる。
直交接合面3は、互いに連結される一方の鋼矢板7の平坦面70に当接されて、互いに連結される他方の鋼矢板7の継手部7dを嵌合部4に嵌合した状態で、他方の鋼矢板7の基準線Rが一方の鋼矢板7の平坦面70と略直交するものとなる。
このとき、直交接合面3は、一方の鋼矢板7の平坦面70と他方の鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが90°程度となり、互いに連結される他方の鋼矢板7が一方の鋼矢板7の平坦面70に断面方向で略直交して設けられるものとなる。
複数の接合面30は、直交接合面3の断面方向の側方で、直交接合面3より所定の角度で傾斜して、一方の鋼矢板7の平坦面70に当接できるように形成される。複数の接合面30は、例えば、直交接合面3の断面方向の側方で、2面の接合面30が形成されるが、これに限らず、2面以上の如何なる面数の接合面30が形成されてもよい。
接合部2は、例えば、2面の接合面30が形成される場合において、2面の接合面30となる第1接合面31及び第2接合面32を有する。接合部2は、特に、直交接合面3の両側方の各々で、直交接合面3の幅方向Xの側端部3aから連続させて、第1接合面31及び第2接合面32の各々が形成される。
接合部2は、直交接合面3と第1接合面31とがなす接合角度θ1が鋭角20°程度となることで、第1接合面31が直交接合面3より鋭角20°に傾斜して形成される。また、接合部2は、直交接合面3と第2接合面32とがなす接合角度θ2が鋭角40°程度となることで、第2接合面32が直交接合面3より鋭角40°に傾斜して形成される。
接合部2は、第1接合面31及び第2接合面32の各々に、断面方向で直交接合面3の反対側となる第1接合面31及び第2接合面32の側方で、幅方向Xで片方の側端部3aから連続させて、嵌合部4側に向けて奥行方向Yに湾曲させた湾曲面50が形成される。
接合部2は、直交接合面3及び複数の接合面30が略平坦状に形成されるものであるが、必要に応じて、図8に示すように、直交接合面3及び複数の接合面30の全部に窪み部5が形成されてもよい。なお、接合部2は、直交接合面3及び一部の接合面30に、又は、直交接合面3若しくは接合面30の何れかのみに窪み部5が形成されてもよい。
窪み部5は、直交接合面3又は何れかの接合面30が、一方の鋼矢板7の平坦面70に当接された状態で、一方の鋼矢板7の平坦面70から奥行方向Yに凹状に離間するものとなるように、略円弧状等に湾曲させて形成される。窪み部5は、直交接合面3及び接合面30の幅方向Xの側端部3aから内側に向けて湾曲させて形成されることで、直交接合面3及び接合面30の幅方向Xの側端部3aに湾曲面50が形成されて、直交接合面3又は接合面30と鋼矢板7の平坦面70とが2箇所の線接触で当接される。
接合部2は、必要に応じて、図9、図10に示すように、2面の接合面30が形成される場合において、直交接合面3と第1接合面31とがなす接合角度θ1が鋭角40°程度となることで、第1接合面31が直交接合面3より鋭角40°に傾斜して形成されてもよい。また、接合部2は、直交接合面3と第2接合面32とがなす接合角度θ2が鋭角60°程度となることで、第2接合面32が直交接合面3より鋭角60°に傾斜して形成される。
接合部2は、図11に示すように、4面の接合面30が形成される場合において、4面の接合面30となる第1接合面31、第2接合面32、第3接合面33及び第4接合面34を有する。接合部2は、特に、直交接合面3の両側方の各々で、直交接合面3の幅方向Xの側端部3aから連続させて、第1接合面31及び第2接合面32の各々が形成される。
接合部2は、第1接合面31が直交接合面3より鋭角20°に傾斜するとともに、第2接合面32が直交接合面3より鋭角40°に傾斜して形成される。さらに、接合部2は、第1接合面31に側方で、第1接合面31の幅方向Xの側端部3aから連続させて、第3接合面33が形成されるとともに、第2接合面32の側方で、第2接合面32の幅方向Xの側端部3aから連続させて、第4接合面34が形成される。
接合部2は、直交接合面3と第3接合面33とがなす接合角度θ3が鋭角60°程度となることで、第3接合面33が直交接合面3より鋭角60°に傾斜して形成される。また、接合部2は、直交接合面3と第2接合面32とがなす接合角度θ4が鋭角80°程度となることで、第4接合面34が直交接合面3より鋭角80°に傾斜して形成される。
接合部2は、直交接合面3の両側方の各々で、複数の接合面30が如何なる配置で形成されてもよい。接合部2は、例えば、第1接合面31から連続して第4接合面34が形成されてもよく、第2接合面32から連続して第3接合面33が形成されてもよい。また、接合部2は、直交接合面3の何れか一方の側方に、1面の接合面30が形成されるとともに、直交接合面3の何れか他方の側方に、3面の接合面30が形成されてもよい。
接合部2は、直交接合面3の何れか一方の側方のみに、複数の接合面30が形成されてもよい。接合部2は、複数の接合面30が如何なる配置で形成されてもよいが、断面方向で直交接合面3に近接して配置される接合面30を傾斜させる角度が、直交接合面3から離間して配置される接合面30を傾斜させる角度よりも小さくなる。このとき、接合部2は、複数の接合面30の何れについても、他方の鋼矢板7の継手部7d側に傾斜することで、一方の鋼矢板7の平坦面70に当接させることのできる接合面30となる。
嵌合部4は、図9に示すように、必要に応じて、延伸部40の先端側40aから延びて他方の鋼矢板7の継手部7dが係止される一対の爪部41を有する。このとき、嵌合部4は、延伸部40の断面方向の両側方で、一対の爪部41が互いに逆向きに形成されて、図8〜図10に示す2面の接合面30が形成される場合、及び、図11に示す4面の接合面30が形成される場合の何れにおいても、延伸部40の先端側40aで一対の爪部41を互いに略同一等の傾斜角度θt1で形成することができる。
また、嵌合部4は、延伸部40の両側方で一対の爪部41が形成される場合に、図10に示すように、一対の爪部41のうち他方の爪部41を、一方の爪部41と異なる傾斜をもつ傾斜爪部43とすることもできる。このとき、嵌合部4は、延伸部40の先端側40aから延びて他方の鋼矢板7の継手部7dが係止される傾斜爪部43を有し、延伸部40の先端側40aに爪部41及び傾斜爪部43が一対となって形成される。
嵌合部4は、爪部41及び傾斜爪部43が一対となって形成される場合に、延伸部40の断面方向の側方で爪部41と逆向きに傾斜爪部43が形成される。嵌合部4は、例えば、延伸部40の先端側40aから延びる爪部41が、直交接合面3と直交する方向に対して鋭角45°程度の傾斜角度θt1で傾斜する。また、嵌合部4は、例えば、延伸部40の先端側40aから延びる傾斜爪部43が、直交接合面3と直交する方向に対して鋭角25°程度の傾斜角度θt2で傾斜する。
嵌合部4は、爪部41と傾斜爪部43とが互いに逆向きに形成されて、直交接合面3と直交する方向より傾斜する爪部41の傾斜角度θt1と傾斜爪部43の傾斜角度θt2との差が鋭角20°程度となる。このとき、嵌合部4は、特に、延伸部40の先端側40aから延びる爪部41と傾斜爪部43とで、直交接合面3と直交する方向より傾斜する傾斜角度の差(θt1−θt2)が鋭角20°となる。
このため、嵌合部4は、他方の鋼矢板7の継手部7dが爪部41に係止された状態では、直交接合面3と直交する方向に他方の鋼矢板7が連結されて、一方の鋼矢板7の平坦面70と他方の鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが、90°程度となる。また、嵌合部4は、他方の鋼矢板7の継手部7dが傾斜爪部43に係止された状態では、直交接合面3と直交する方向より鋭角20°に傾斜して他方の鋼矢板7が連結されて、一方の鋼矢板7の平坦面70と他方の鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが、鋭角70°程度となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図1に示すように、鋼矢板7の材軸方向Zに連続して延びて設けられる。本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、鋼矢板7の全長に亘って設けられるが、これに限らず、鋼矢板7の材軸方向Zの上端側又は下端側を除いた一部においてのみ、鋼矢板7の材軸方向Zに連続して延びて設けられてもよい。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図3、図4に示すように、接合部2が鋼矢板7のフランジ部7aの平坦面70に取り付けられる。本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、これに限らず、鋼矢板7のウェブ部7bの平坦面70、又は、鋼矢板7のアーム部7cの平坦面70に接合部2が取り付けられてもよい。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図12に示すように、直交接合面3又は何れかの接合面30が、一方の鋼矢板7の平坦面70に当接されて溶接等により接合される。本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図12(a)に示すように、特に、第1接合面31の傾斜する角度が鋭角20°であり、直交接合面3を溶接するには狭すぎる場合に、鋼矢板7の平坦面70に丸鋼20を溶接等により取り付けてから、丸鋼20と第1接合面31とを溶接することで、直交接合面3が一方の鋼矢板7の平坦面70に接合される。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図12(b)に示すように、何れかの接合面30が接合される場合に、接合面30の幅方向Xの側端部3aから連続させた湾曲面50で溶接される。このとき、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、接合面30の幅方向Xの側端部3aで湾曲面50と鋼矢板7の平坦面70との間が溶接されることで、何れかの接合面30が一方の鋼矢板7の平坦面70に接合されるものとなる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図13に示すように、直交接合面3及び複数の接合面30の全部又は一部に窪み部5が形成されてもよい。本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図13(a)に示すように、直交接合面3及び接合面30の側端部3aに窪み部5による湾曲面50が形成されることで、湾曲面50と鋼矢板7の平坦面70との間が溶接されて、直交接合面3又は接合面30が鋼矢板7の平坦面70に接合される。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図13(b)に示すように、一方の鋼矢板7の平坦面70から凹状に離間する窪み部5が、略円弧状等に湾曲させて形成されることで、窪み部5に丸鋼20を収容することができる。本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、鋼矢板7の平坦面70に丸鋼20を溶接等により取り付けてから、窪み部5で丸鋼20に溶接することで、直交接合面3又は接合面30が鋼矢板7の平坦面70に接合される。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図14に示すように、直交接合面3又は何れかの接合面30が、一方の鋼矢板7の平坦面70に当接された状態で、嵌合部4に他方の鋼矢板7の継手部7dが嵌合される。鋼矢板7の継手部7dは、嵌合部4に嵌合したまま断面方向に回転させることのできる回転許容角度θsが、一般的に±10°程度となる。
このため、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、直交接合面3を一方の鋼矢板7の平坦面70に当接させた場合に、一方の鋼矢板7の平坦面70と他方の鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが、90°±10°となり、80°〜100°程度の範囲となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、第1接合面31が直交接合面3より鋭角20°に傾斜するとともに、第2接合面32が直交接合面3より鋭角40°に傾斜する。このとき、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図15(a)に示すように、第1接合面31を一方の鋼矢板7の平坦面70に当接させた場合に、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが60°〜80°程度の範囲(70°±10°)となる。また、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図15(b)に示すように、幅方向Xに反転させて接合部2が取り付けられることで、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが100°〜120°程度の範囲(110°±10°)となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図16(a)に示すように、第2接合面32を一方の鋼矢板7の平坦面70に当接させた場合に、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが40°〜60°程度の範囲(50°±10°)となる。また、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図16(b)に示すように、幅方向Xに反転させて接合部2が取り付けられることで、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが120°〜140°程度の範囲(130°±10°)となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、2面の接合面30が形成される場合において、直交接合面3、直交接合面3より鋭角20°に傾斜させた第1接合面31、及び、直交接合面3より鋭角60°に傾斜させた第2接合面32の何れか1面で、鋼矢板7の平坦面70に接合部2が取り付けられることで、互いに連結される一方の鋼矢板7の平坦面70と他方の鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが40°〜140°の範囲となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図17(a)に示すように、第3接合面33を一方の鋼矢板7の平坦面70に当接させた場合に、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが20°〜40°程度の範囲(30°±10°)となる。また、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図17(b)に示すように、幅方向Xに反転させて接合部2が取り付けられることで、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが140°〜160°程度の範囲(150°±10°)となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図18(a)に示すように、第4接合面34を一方の鋼矢板7の平坦面70に当接させた場合に、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが0°〜20°程度の範囲(10°±10°)となる。また、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図18(b)に示すように、幅方向Xに反転させて接合部2が取り付けられることで、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが160°〜180°程度の範囲(170°±10°)となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、4面の接合面30が形成される場合において、直交接合面3、第1接合面31、第2接合面32、第3接合面33及び第4接合面34の何れか1面で、鋼矢板7の平坦面70に接合部2が取り付けられることで、互いに連結される一方の鋼矢板7の平坦面70と他方の鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが0°〜180°の範囲となる。
このように、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、直交接合面3及び複数の接合面30が接合部2に形成されるため、所定形状の単一種類の接続部材1を用いるものとしながら、鋼矢板7の平坦面70に当接させる面を異ならせることで、例えば、2面の接合面30の場合に40°〜140°の範囲で、また、4面の接合面30の場合に0°〜180°の範囲で、複数の鋼矢板7を断面方向で様々に角度を変えて連結することができる。
また、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図10に示すように、爪部41及び傾斜爪部43が一対となって嵌合部4に形成されてもよい。このとき、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、特に、第1接合面31を直交接合面3より鋭角40°に傾斜させるとともに、第2接合面32を直交接合面3より鋭角60°に傾斜させることができる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図19(a)に示すように、直交接合面3を一方の鋼矢板7の平坦面70に当接させて、他方の鋼矢板7の継手部7dが傾斜爪部43に係止された場合に、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが60°〜80°程度の範囲(70°±10°)となる。また、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図19(b)に示すように、幅方向Xに反転させて接合部2が取り付けられることで、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが100°〜120°程度の範囲(110°±10°)となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図20(a)に示すように、第1接合面31を一方の鋼矢板7の平坦面70に当接させて、他方の鋼矢板7の継手部7dが爪部41に係止された場合に、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが40°〜60°程度の範囲(50°±10°)となる。また、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図20(b)に示すように、幅方向Xに反転させて接合部2が取り付けられることで、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが120°〜140°程度の範囲(130°±10°)となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図21(a)に示すように、第2接合面32を一方の鋼矢板7の平坦面70に当接させて、他方の鋼矢板7の継手部7dが爪部41に係止された場合に、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが20°〜40°程度の範囲(30°±10°)となる。また、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図21(b)に示すように、幅方向Xに反転させて接合部2が取り付けられることで、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが140°〜160°程度の範囲(150°±10°)となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図22(a)に示すように、第2接合面32を一方の鋼矢板7の平坦面70に当接させて、他方の鋼矢板7の継手部7dが傾斜爪部43に係止された場合に、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが0°〜20°程度の範囲(10°±10°)となる。また、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図22(b)に示すように、幅方向Xに反転させて接合部2が取り付けられることで、鋼矢板7の平坦面70と鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが160°〜180°程度の範囲(170°±10°)となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図10に示すように、2面の接合面30が形成される場合において、爪部41又は傾斜爪部43に他方の鋼矢板7の継手部7dが係止されて、直交接合面3、直交接合面3より鋭角40°に傾斜させた第1接合面31、及び、直交接合面3より鋭角60°に傾斜させた第2接合面32の何れか1面で、鋼矢板7の平坦面70に接合部2が取り付けられることで、互いに連結される一方の鋼矢板7の平坦面70と他方の鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrが0°〜180°の範囲となる。
これにより、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、所定形状の単一種類の接続部材1が用いられるにもかかわらず、複数の鋼矢板7を様々な角度で連結させることができるため、異形鋼矢板の製作又は複数種類の接合部材等を必要とすることなく、汎用性の高い単一種類の接続部材1を用いることで、材料費、加工費等のコストの増大及び加工工期の長期化を抑制しながら、複数の鋼矢板7を様々な角度で連結することが可能となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、直交接合面3及び接合面30が一方の鋼矢板7の平坦面70に面接触又は2箇所の線接触で当接できるように形成される。これにより、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、直交接合面3及び各々の接合面30を鋼矢板7の平坦面70に容易に位置決めして当接させて、複数の鋼矢板7を所定の角度で確実に連結することが可能となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図6、図8に示すように、直交接合面3及び接合面30の幅方向Xの側端部3aに湾曲面50が形成されることで、接合部2の湾曲面50と鋼矢板7の平坦面70との間で溶接サイズを大きくして、鋼矢板7の平坦面70に直交接合面3又は接合面30を強固に溶接して接合することが可能となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、特に、図8に示すように、直交接合面3又は接合面30に窪み部5が形成されることで、直交接合面3又は接合面30が、窪み部5で鋼矢板7の平坦面70から離間して線接触するものとなるため、鋼矢板7の平坦面70に曲がり、反り、軽微な凹凸等が生じている場合においても、鋼矢板7の平坦面70に直交接合面3又は接合面30を溶接して接合することが可能となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、特に、接合部2及び嵌合部4が熱間圧延若しくは冷間圧延の圧延加工又は熱押し加工によって一体的に形成されることが望ましい。これにより、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、接合部2に窪み部5又は湾曲面50等の複雑形状の曲面が形成されて、また、嵌合部4に延伸部40及び爪部41等が形成される場合であっても、接続部材1を容易に製造することが可能となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図23に示すように、嵌合部4の爪部41と他方の鋼矢板7の継手部7dとが、断面方向で爪部41の係止面41aの幅方向Xの中心点Cを略中央に配置して、爪部41の係止面41aで互いに当接して係止される。本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、断面方向で嵌合部4の爪部41の幅方向Xの中心点Cから直交接合面3に向けた垂線Vと直交接合面3との交点が、直交接合面3の幅方向Xの中心点Cと略一致する位置となる。
これにより、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、直交接合面3の中心点Cと爪部41の係止面41aの中心点Cとが、幅方向Xの位置を略一致させたものとなり、他方の鋼矢板7の継手部7dから嵌合部4に作用する引張力Tが、接合部2の直交接合面3から鋼矢板7の平坦面70に略均等に伝達されて偏心しないように作用するため、引張力Tの作用による鋼矢板7の平坦面70からの接合部2の脱落を防止することが可能となる。
また、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図24に示すように、爪部41と傾斜爪部43とが一対となった嵌合部4の幅方向Xの重心位置を、直交接合面3の幅方向Xの中心位置と略一致させてもよい。これにより、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、一方の鋼矢板7の平坦面70に直交接合面3を設置したときに、嵌合部4の重心位置が幅方向Xに偏心しないものとなり、接続部材1の傾倒を防止することが可能となる。
さらに、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図10に示すように、第1接合面31を直交接合面3より鋭角40°に傾斜させるとともに、第2接合面32を直交接合面3より鋭角60°に傾斜させた場合であっても、爪部41及び傾斜爪部43が一対となって嵌合部4に形成されることで、互いに連結される一方の鋼矢板7の平坦面70と他方の鋼矢板7の基準線Rとの連結角度θrを0°〜180°の範囲とすることができる。このとき、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、複数の鋼矢板7を様々な角度で連結できるものとしながら、一方の鋼矢板7の平坦面70に直交接合面3を溶接するときの溶接スペースを十分に確保して、直交接合面3の溶接作業を容易に実施することが可能となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、特に、図7に示すように、断面方向で延伸部40から延びる爪部41の反対側で、延伸部40に肉厚部42が形成されてもよい。このとき、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、他方の鋼矢板7の継手部7dから嵌合部4に爪部41の反対側に向けた回転力Mが作用した場合であっても、爪部41の反対側に向けた延伸部40の変形を、厚肉にされた肉厚部42により防止することが可能となる。
本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、図24に示すように、爪部41及び傾斜爪部43が一対となって嵌合部4に形成される場合にも、爪部41の反対側及び傾斜爪部43の反対側の各々で、延伸部40に肉厚部42が形成されてもよい。これにより、本発明を適用した鋼矢板の接続部材1は、爪部41又は傾斜爪部43の反対側に向けた延伸部40の変形を、厚肉にされた肉厚部42により防止するとともに、延伸部40の突出長を短くすることで、延伸部40に作用する曲げモーメントを低減させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
1 :鋼矢板の接続部材
2 :接合部
20 :丸鋼
3 :直交接合面
3a :側端部
30 :接合面
31 :第1接合面
32 :第2接合面
33 :第3接合面
34 :第4接合面
4 :嵌合部
40 :延伸部
40a :先端側
40b :基端側
41 :爪部
41a :係止面
42 :肉厚部
43 :傾斜爪部
5 :窪み部
50 :湾曲面
7 :鋼矢板
7a :フランジ部
7b :ウェブ部
7c :アーム部
7d :継手部
70 :平坦面
71 :U形鋼矢板
72 :ハット形鋼矢板
73 :Z形鋼矢板
8 :鋼矢板壁
X :幅方向
Y :奥行方向
Z :材軸方向

Claims (10)

  1. 複数の鋼矢板を断面方向に角度を変えて連結するための鋼矢板の接続部材であって、
    互いに連結される一方の鋼矢板の平坦面に取り付けられる接合部と、互いに連結される他方の鋼矢板の継手部が嵌合される嵌合部とを備え、
    前記嵌合部は、前記接合部から延びる延伸部と、前記延伸部の先端側から延びて他方の鋼矢板の継手部が係止される爪部とを有して、
    前記接合部は、一方の鋼矢板の平坦面に当接された状態で他方の鋼矢板が一方の鋼矢板の平坦面に断面方向で略直交して設けられる直交接合面と、前記直交接合面の断面方向の側方で前記直交接合面より傾斜して一方の鋼矢板の平坦面に当接させることのできる複数の接合面とを有すること
    を特徴とする鋼矢板の接続部材。
  2. 前記接合部は、2面の前記接合面となる第1接合面及び第2接合面を有して、前記直交接合面の断面方向の側方で、前記第1接合面が前記直交接合面より鋭角20°に傾斜するとともに、前記第2接合面が前記直交接合面より鋭角40°に傾斜して形成されること
    を特徴とする請求項1記載の鋼矢板の接続部材。
  3. 前記接合部は、4面の前記接合面となる第1接合面、第2接合面、第3接合面及び第4接合面を有して、前記直交接合面の断面方向の側方で、前記第1接合面が前記直交接合面より鋭角20°に傾斜するとともに、前記第2接合面が前記直交接合面より鋭角40°に傾斜して形成されて、前記第3接合面が前記直交接合面より鋭角60°に傾斜するとともに、前記第4接合面が前記直交接合面より鋭角80°に傾斜して形成されること
    を特徴とする請求項1記載の鋼矢板の接続部材。
  4. 前記接合部は、2面の前記接合面となる第1接合面及び第2接合面を有して、前記直交接合面の断面方向の側方で、前記第1接合面が前記直交接合面より鋭角40°に傾斜するとともに、前記第2接合面が前記直交接合面より鋭角60°に傾斜して形成されること
    を特徴とする請求項1記載の鋼矢板の接続部材。
  5. 前記嵌合部は、前記延伸部の先端側から延びて他方の鋼矢板の継手部が係止される一対の前記爪部を有して、前記延伸部の断面方向の両側方で一対の前記爪部が互いに逆向きに形成されること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の鋼矢板の接続部材。
  6. 前記嵌合部は、一対の前記爪部のうち他方の前記爪部が、一方の前記爪部と異なる傾斜をもつ傾斜爪部であり、前記延伸部の先端側から延びる一方の前記爪部と前記傾斜爪部とで、前記直交接合面と直交する方向より傾斜する傾斜角度の差が鋭角20°となること
    を特徴とする請求項5に記載の鋼矢板の接続部材。
  7. 前記接合部は、前記直交接合面及び複数の前記接合面の一部又は全部に、一方の鋼矢板の平坦面に前記直交接合面又は前記接合面が当接された状態で一方の鋼矢板の平坦面から湾曲して離間する窪み部が形成されること
    を特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の鋼矢板の接続部材。
  8. 前記嵌合部は、断面方向で前記爪部の幅方向の中心点から前記直交接合面に向けた垂線と前記直交接合面との交点が、断面方向で前記直交接合面の幅方向の中心点と略一致するように、前記延伸部の先端側から傾斜して前記爪部が形成されること
    を特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の鋼矢板の接続部材。
  9. 前記嵌合部は、前記接合部から延びる前記延伸部の基端側が、前記爪部が延びる前記延伸部の先端側よりも厚肉にされることで、前記延伸部に肉厚部が形成されること
    を特徴とする請求項1〜8の何れか1項記載の鋼矢板の接続部材。
  10. 前記接合部及び前記嵌合部は、圧延加工又は熱押し加工により一体的に形成されること
    を特徴とする請求項1〜9の何れか1項記載の鋼矢板の接続部材。
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