JP3214818U - 木材接続金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】連結板部の厚みを増すことなく、背板部の厚みだけを増して背板部の常時強度向上を実現できると共に、良好な施工性と金具精度を実現できる木材接続金具を提供する。【解決手段】木材接続金具Aは、一対の金具半体4から成り、金具半体4は、金属板が折曲されて背板部5と連結板部6とが連設する断面L字状に形成され、夫々の金具半体4の背板部5に、建築用木材に設けられたボルト挿通孔に貫通させる連結ボルトが挿通するボルト孔9が設けられ、ボルト孔9同士を合致させて一対の金具半体4の背板部5同士を重合固定する背板接合部10がボルト孔9の孔縁部に設けられている。【選択図】図3

Description

本考案は、例えば、柱などの建築用木材に対して、梁などの連結用木材を直角若しくは傾斜状態に接続するために使用する木材接続金具に関するものである。
従来、この種の木材接続金具としては、例えば特開2008−163591号(特許文献1)のように、板材が断面コ字状に折曲形成されて成る接続具本体(接続具)の遊離両端側が、梁などの連結用木材の端部に設けた仕口部に継合連結する連結板部として構成され、反対側の折り返し部分が、柱などの建築用木材の側面に当接する背板部として構成されていると共に、この背板部に建築用木材の側面より貫通突出する連結ボルトを挿通するボルト孔が上下方向に複数並設状態に設けられているものがある。
特開2008−163591号公報 登録実用新案第3042945号公報
上記特許文献1のような木材接続金具は、連結用木材に非常に大きな荷重が加わると、局部座屈により背板部が変形して接続強度が損なわれることがあった。
この問題は、背板部の板厚を厚くして強度アップすることにより解決可能ではあるが、従来の木材接続金具は一枚の金属板材をコ字状に折曲して構成されているために、背板部の板厚を厚くすると連結板部の板厚も厚くなってしまい、そうするとこの連結板部を差込むスリットが連結用木材端部の仕口部に形成されるが、このスリットも幅広に形成しなければならなくなり、その結果連結用木材の欠損率が増加し強度低下を招いてしまうためにできなかった。
そこで、従来、登録実用新案第3042945号(特許文献2)が提案されている。
この特許文献2を簡単に説明すると、一対の対称な金具半体(フック材)からなり、この金具半体は、それぞれ鉄板材が直角に折り曲げられて背板部と連結板部とが形成され、前記背板部には、取付用のボルト孔が形成され、前記連結板部には、上向きのフックが形成されている仕口用接続金具であって、この特許文献2によれば、一対の金具半体は、背板部を重ね合わせて柱に固定することができ、連結板部の板厚を増すことなく、背板部の板厚を実質的に二倍として背板部の強度だけを大幅に向上できている。
しかしながら、この特許文献2は、一対の金具半体が分離自在な構成であるので、連結ボルトで背板部を柱材などに固定する際に背板部同士のボルト孔位置がずれ易く、施工性に難がある上、ボルト孔と連結ボルトにクリアランスがあるので現場での組立て精度が低くなり、さらには背板部同士が一体化されていないことから、重ね合わせた状態で柱材に取付けられてはいるものの大きな荷重が加わった際に背板部間に隙間が生じて二倍厚の強度を発揮できない場面があるのではないかとの懸念もあった。
本考案は、このような問題点に鑑み、これを解決しようとするもので、一対の断面L字状の金具半体の背板部同士を重合固定して断面コ字状の木材接続金具を構成することにより、連結板部の厚みを増すことなく、背板部の厚みだけを増して背板部の常時強度向上を実現できると共に、一対の金具半体が互いが分離せず、良好な施工性と金具精度を実現できる実用性に優れた木材接続金具を提案するものである。
添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。
建築用木材1と、端部に仕口部3が設けられた連結用木材2とを直角若しくは傾斜状態に接続する木材接続金具Aであって、一対の金具半体4から成り、この金具半体4は、金属板が折曲されて背板部5と連結板部6とが連設する断面L字状に形成されていると共に、夫々の金具半体4の背板部5に、前記建築用木材1に設けられたボルト挿通孔7に貫通させる連結ボルト8が挿通するボルト孔9が設けられ、このボルト孔9同士を少なくとも一箇所合致させて前記一対の金具半体4の前記背板部5同士を重合固定する背板接合部10が前記ボルト孔9の孔縁部に設けられていて、この重合固定状態の背板部5から一対の前記連結板部6が互いに対向し、突設する断面コ字状体に構成されていることを特徴とする木材接続金具に係るものである。
また、前記背板接合部10は、一方の前記金具半体4のボルト孔9の孔縁部に設けられた止着部11が、前記ボルト孔9と合致する他方の前記金具半体4のボルト孔9に止着されることで双方のボルト孔9の孔縁部同士が接合されて一対の金具半体4の背板部5同士が重合固定されていることを特徴とする請求項1記載の木材接続金具に係るものである。
また、前記背板接合部10は、一方の前記金具半体4のボルト孔9の孔縁部に突設された止着部11が、前記ボルト孔9と合致する他方の前記金具半体4のボルト孔9に挿入されて止着されることで双方のボルト孔9の孔縁部同士が接合されて一対の金具半体4の背板部5同士が重合固定されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の木材接続金具に係るものである。
また、前記背板接合部10は、一方の前記金具半体4のボルト孔9の孔縁部に突設された止着部11が、前記ボルト孔9と合致する他方の前記金具半体4のボルト孔9に挿入されてカシメられることで双方のボルト孔9の孔縁部同士が接合されて一対の金具半体4の背板部5同士が重合固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の木材接続金具に係るものである。
また、一対の前記金具半体4は、夫々の前記背板部5に前記ボルト孔9が複数設けられていて、合致させる全てのボルト孔9の孔縁部に前記背板接合部10が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の木材接続金具に係るものである。
また、一対の前記金具半体4は、夫々の前記連結板部6の少なくとも上部に、前記連結用木材2の仕口部3に設けられた掛止ピン12を掛止可能な切欠部13が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の木材接続金具に係るものである。
また、一対の前記連結板部6は、夫々に前記連結用木材2の仕口部3に設けられた掛止ピン12を掛止可能な切欠部13と、連結用木材2の仕口部3に設けられたピン通し孔14から挿入されるドリフトピン15を挿入可能なピン孔16とが設けられていると共に、夫々の連結板部6の切欠部13の位置関係と夫々の連結板部6のピン孔16の位置関係とが平面視で長手方向中央線で互いに対称の位置関係となるように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の木材接続金具に係るものである。
本考案は上述のように構成したから、一対の連結板部の板厚を増すことなく、背板部の強度だけを大幅に向上できると共に、背板部は常時二倍の板厚強度を発揮でき、これにより接続された連結用木材に大きな荷重が加わっても背板部が変形しにくく高い接続強度を発揮でき、しかも、一対の金具半体は、背板部同士が重合固定されているために建築用木材に対する良好な施工性を発揮できる上、一対の金具半体の夫々のボルト孔を合致させて接合させた寸法精度の高い断面コ字状体を容易に実現可能であるなど、極めて実用性に優れた木材接続金具となる。
また、請求項2〜4記載の考案においては、ボルト孔同士を合致させて一対の金具半体の背板部同士を重合固定する背板接合部を簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の木材接続金具となる。
また、請求項5記載の考案においては、一対の金具半体の背板部同士が強固に重合固定されて背板部が確実に高強度を発揮する一層実用性に優れた構成の木材接続金具となる。
また、請求項6記載の考案においては、連結用木材を容易に掛止連結できる一層実用性に優れた構成の木材接続金具となる。
また、請求項7記載の考案においては、連結用木材を容易に掛止めてドリフトピンにより確固に連結できる一層実用性に優れた構成の木材接続金具となる。
実施例1を示す斜視図である。 実施例1を示す分解斜視図である。 実施例1の、一対の金具半体のボルト孔同士の接合手順を示す説明平断面図である。 実施例1の使用状態を示す平断面図である。 実施例1の使用状態を示す側断面図である。 実施例2を示す斜視図である。 実施例3を示す斜視図である。 実施例4を示す斜視図である。
好適と考える本考案の実施形態を、図面に基づいて本考案の作用を示して簡単に説明する。
本考案の木材接続金具Aは、一対の金具半体4から成り、この金具半体4は、金属板が折曲されて背板部5と連結板部6とが連設する断面L字状に形成されていると共に、夫々の金具半体4の背板部5に、建築用木材1に設けられたボルト挿通孔7に貫通させる連結ボルト8が挿通するボルト孔9が設けられ、このボルト孔9同士を合致させて前記一対の金具半体4の前記背板部5同士を重合固定する背板接合部10が前記ボルト孔9の孔縁部に設けられていて、この重合固定状態の背板部5から一対の前記連結板部6が突設する断面コ字状体に構成されている。
即ち、一対の連結板部6は板厚を増すことなく、背板部5だけが実質的に二倍の板厚を有してこの背板部5の強度が大幅に向上した木材接続金具Aに構成されている。
また、本考案の木材接続金具Aは、工場などで一対の金具半体4の夫々のボルト孔9を合致させて接合させた寸法精度の高い断面コ字状体を容易に組立て可能であると共に、背板部5同士が重合固定されていることで、この背板部5は常時二倍の板厚強度を発揮できるものとなっている。
この木材接続金具Aは、建築用木材1に設けられたボルト挿通孔7に貫通させる連結ボルト8が、背板部5のボルト孔9に挿通されてこの連結ボルト8により建築用木材1に取付けられるが、この際、一対の金具半体4は、背板部5同士がボルト孔9の孔縁部に設けられた背板接合部10によって重合固定されているので、上記特許文献2のように互いが位置ズレして連結ボルト8をボルト孔9に通しづらくなるような施工上の不都合は生じず、施工性が良い。
続いて、建築用木材1に取付けられた木材接続金具Aの一対の連結板部6に、連結用木材2端部の仕口部3を連結すると、建築用木材1と連結用木材2とを木材接続金具Aを介して直角若しくは傾斜状態に接続することができる。
接続後の連結用木材2に、例えば地震が発生するなどして非常に大きな荷重が加わると、常時二倍の板厚強度を発揮する背板部5は変形しにくく、従って連結用木材2の建築用木材1との接続強度が損なわれない。
本考案の具体的な実施例1について図1〜図5に基づいて説明する。
本実施例は、建築用木材1と、端部に仕口部3が設けられた連結用木材2とを直角若しくは傾斜状態に接続する木材接続金具Aであって、前記建築用木材1の周面部に当接状態に取付けする背板部5と、前記連結用木材2の仕口部3のスリット17に挿入して連結する連結板部6を具備している。
具体的には、本実施例の木材接続金具Aは、一対の金具半体4から成り、この金具半体4は、図1,図2に示すように、金属板がプレス加工により直角に折曲されて背板部5と連結板部6とが前後に連設する平断面L字状体に形成されている。
また、この一対の金具半体4は、夫々の背板部5には、前記建築用木材1に設けられたボルト挿通孔7に貫通させる連結ボルト8を挿通するボルト孔9が、上下方向に間隔を置いた複数箇所(図面は三箇所)に並設状態に設けられており、夫々の連結板部6には、上部と下部とに、前記連結用木材2の仕口部3に予め設けられた掛止ピン12を掛止可能な切欠部13が設けられていると共に、この上下の切欠部13間の複数箇所(図面は四箇所)に、仕口部3に設けられたピン通し孔14から打込み挿入されるドリフトピン15を挿入可能なピン孔16が設けられている。
また、この一対の金具半体4は、夫々の前記ボルト孔9同士を合致させて前記背板部5同士を前後に重ね合せた際に、夫々の連結板部6の先端(前端)の位置関係が左右対称の位置関係となるように、一方(背板部5が後側に重ねられる方)の金具半体4の連結板部6の前方への突出長が、他方の金具半体4の連結板部6の前方への突出長より若干長く形成されていると共に、夫々の連結板部6の切欠部13の位置関係と夫々の連結板部6のピン孔16の位置関係とが平面視で長手方向中央線で互いに対称の位置関係となるように構成されている。
また、前記ボルト孔9は、前記背板部5に等間隔を置いた三箇所に設けられているが、この三箇所のボルト孔9は、全体的に背板部5の上側寄りに設けられていて、木材接合金具Aの上下を180度反転させることにより、ボルト孔9の位置を二段階に変更可能に構成されている(このような使い方が可能となるように、連結板部6の下部にも前記切欠部13が設けられている。)。
また、この一対の金具半体4は、夫々のボルト孔9同士を合致させて前記背板部5同士を重合固定する背板接合部10がボルト孔9の孔縁部に設けられていて、この重合固定状態の背板部5から一対の前記連結板部6が突設する平断面コ字状体に構成されている(図1参照)。
また、本実施例の背板接合部10は、一方の前記金具半体4のボルト孔9の孔縁部に突設された止着部11が、このボルト孔9と合致する他方の前記金具半体4のボルト孔9に挿入されて止着されることで双方のボルト孔9の孔縁部同士が接合されて一対の金具半体4の背板部5同士が重合固定された構成とされている。
具体的には、背板接合部10は、一方の金具半体4のボルト孔9にバーリング加工が施されて、このボルト孔9の孔縁部が前方に向かって円筒状に突出する形状に形成され、この円筒状突出孔縁部が前記止着部11として構成され(図2参照)、この止着部11を他方の前記金具半体4のボルト孔9に挿入して双方の背板部5同士を重ね合わせた上で、止着部11の挿入先端(前端)をプレス潰し加工することにより、合致させたボルト孔9の孔縁部同士がカシメられた(接合された)構成とされている(図3参照)。
尚、この背板接合部10は、本実施例で採用したカシメ接合に限らず、ボルト孔9の孔縁部同士が接着剤を用いて接着接合されても良いし、溶接により接合されても良いし、他の接合方法により接合されていても良いが、どのような接合方法を採用した場合であっても、一対の金具半体4のボルト孔9同士を合致させて寸法精度の高い平断面コ字状体に容易に組立て可能である。
また、本実施例の背板接合部10は、合致させた三箇所のボルト孔9の全ての孔縁部に設けられているが、いずれか一箇所のボルト孔9の孔縁部だけに背板接合部10が設けられていても良いし、全てではない複数箇所のボルト孔9の孔縁部に背板接合部10が設けられていても良い。
従って、このように構成した本実施例によれば、一対の連結板部6の板厚を増すことなく、背板部5だけが実質的に二倍の板厚を有してこの背板部5の強度および剛性を大幅に向上することができた。
次に、本実施例で使用する建築用木材1と連結用木材2を説明する。
建築用木材1は、連結ボルト8を貫通させるボルト挿通孔7が、この建築用木材1の対向周面(側面)間を貫通させて上下三箇所に形成されている。
連結用木材2は、端部に前記仕口部3が形成されている。この仕口部3を更に詳しく説明すると、連結用木材2の端部の二箇所にホゾ取り機などによって縦長のスリット17が形成されて、この二本のスリット17に一対の前記連結板部6を嵌入可能に構成されていると共に、側方からこの連結用木材2端部を横方向に貫通するピン通し孔14が複数貫通形成され、このうち上部のピン通し孔14には、予め掛止ピン12が挿通固定されている。
次に、本実施例の木材接合金具Aを使用した建築用木材1と連結用木材2との接続方法を、図4,図5を用いて説明する。尚、図4,図5は、建築用木材1が柱材(縦材)であって、連結用木材2が梁材(横材)である場合を示している。
先ず、建築用木材1の各ボルト挿通孔7に連結ボルト8を貫通させ、この建築用木材1の周面の一側面に連結ボルト8の先端を突出させる。
この建築用木材1の周面から突出している連結ボルト8の先端を、木材接合金具Aの背板部5に設けられているボルト孔9に挿通させ、この連結ボルト8先端に座金18を介してナット19を螺着し締付することで、木材接合金具Aをその背板部5を建築用木材1周面(側面)に当接させて固定する。
この際、一対の金具半体4は、背板部5同士がボルト孔9の孔縁部に設けられた背板接合部10によって重合固定されているので、上記特許文献2のように互いに位置ズレして連結ボルト8をボルト孔9に通しづらくなるような施工上の不都合は生じない。
続いて、建築用木材1の周面から側方へ突出している一対の連結板部6の上部の切欠部13に、連結用木材2の仕口部3の掛止ピン12を上方から掛止連結しつつ一対の連結板部6を仕口部3の二箇所のスリット17に嵌入し、更にこの仕口部3側方のピン通し孔14からドリフトピン15を打ち込み挿入してピン孔16に挿通係止することで連結板部6に仕口部3を連結すると、建築用木材1と連結用木材2とが木材接続金具Aを介して直角若しくは傾斜状(図面は直角)に接続される。
接続後に例えば地震などによる非常に大きな荷重が連結用木材2に加わると、二倍の板厚強度を誇る背板部5は変形しにくく、接続強度が損なわれにくい。
以下、本実施例の木材接続金具Aを更に詳細に説明する。
本実施例の木材接続金具Aは、板厚2,3mmの金属板を用いて構成されており、全高が約205mm、前後幅(背板部5から連結板部6先端部までの長さ幅)が約73mm、左右幅が約40mmに設定されている。
本考案の具体的な実施例2について図6に基づいて説明する。
本実施例は、前記実施例1より全高が高く設計されている場合である。即ち、前記実施例1で用いられている連結用木材2より梁せいが高い連結用木材2の接続使用に適するように構成されている。
具体的には、本実施例の木材接続金具Aは、全高が約275mmに設定されている。
また、詳しく図示していないが、本実施例は、前記ボルト孔9が前記背板部5の上下方向に間隔を置いた四箇所に設けられている場合を示している。
他の構成は、前記実施例1と同様である。
本考案の具体的な実施例3について図7に基づいて説明する。
本実施例は、前記実施例1より全高が低く設計されている場合である。即ち、前記実施例1で用いられている連結用木材2より梁せいが低い連結用木材2の接続使用に適するように構成されている。
具体的には、本実施例の木材接続金具Aは、全高が約135mmに設定されている。
また、詳しく図示していないが、本実施例は、前記ボルト孔9が前記背板部5の上下方向に間隔を置いた二箇所に設けられている場合を示している。
他の構成は、前記実施例1と同様である。
本考案の具体的な実施例4について図8に基づいて説明する。
本実施例は、前記実施例3よりさらに全高が低く設計されている場合である。
具体的には、本実施例の木材接続金具Aは、全高が約96mmに設定されている。
また、本実施例は、連結板部6の上部にだけ前記切欠部13が設けられていると共に、この切欠部13の下方の一箇所にだけ前記ピン孔16が設けられている場合を示している。即ち、本実施例は、木材接合金具Aを上下180度反転させての使用は想定されていない。
また、本実施例は、背板部5の上下端部に、後方に向かって突出する突片20が設けられている。
具体的には、詳しく図示していないが、他方(背板部5が前側に重ねられる方)の金具半体4の背板部5の上下端部に突片20が一体的に設けられ、この突片20が、一方の金具半体4の背板部5の上下端部に設けられた凹部21を介して後方へ折曲されることにより、一方の金具半体4の背板部5より後方へ突出状態に設けられている。
従って、この突片20を有する本実施例によれば、突片20が建築用木材1の周面に突き刺さって(喰い込み係止して)強固な位置決め状態で建築用木材1の周面に固定でき、また、たとえ一本の連結ボルト8だけで固定する場合においても、連結ボルト8を軸に木材接続金具Aが建築用木材1に対し回り動いてしまうことが防止されることになる。
他の構成は、前記実施例1と同様である。
尚、本考案は、実施例1〜4に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
1 建築用木材
2 連結用木材
3 仕口部
4 金具半体
5 背板部
6 連結板部
7 ボルト挿通孔
8 連結ボルト
9 ボルト孔
10 背板接合部
11 止着部
12 掛止ピン
13 切欠部
14 ピン通し孔
15 ドリフトピン
16 ピン孔
A 木材接続金具

Claims (7)

  1. 建築用木材と、端部に仕口部が設けられた連結用木材とを直角若しくは傾斜状態に接続する木材接続金具であって、一対の金具半体から成り、この金具半体は、金属板が折曲されて背板部と連結板部とが連設する断面L字状に形成されていると共に、夫々の金具半体の背板部に、前記建築用木材に設けられたボルト挿通孔に貫通させる連結ボルトが挿通するボルト孔が設けられ、このボルト孔同士を少なくとも一箇所合致させて前記一対の金具半体の前記背板部同士を重合固定する背板接合部が前記ボルト孔の孔縁部に設けられていて、この重合固定状態の背板部から一対の前記連結板部が互いに対向し、突設する断面コ字状体に構成されていることを特徴とする木材接続金具。
  2. 前記背板接合部は、一方の前記金具半体のボルト孔の孔縁部に設けられた止着部が、前記ボルト孔と合致する他方の前記金具半体のボルト孔に止着されることで双方のボルト孔の孔縁部同士が接合されて一対の金具半体の背板部同士が重合固定されていることを特徴とする請求項1記載の木材接続金具。
  3. 前記背板接合部は、一方の前記金具半体のボルト孔の孔縁部に突設された止着部が、前記ボルト孔と合致する他方の前記金具半体のボルト孔に挿入されて止着されることで双方のボルト孔の孔縁部同士が接合されて一対の金具半体の背板部同士が重合固定されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の木材接続金具。
  4. 前記背板接合部は、一方の前記金具半体のボルト孔の孔縁部に突設された止着部が、前記ボルト孔と合致する他方の前記金具半体のボルト孔に挿入されてカシメられることで双方のボルト孔の孔縁部同士が接合されて一対の金具半体の背板部同士が重合固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の木材接続金具。
  5. 一対の前記金具半体は、夫々の前記背板部に前記ボルト孔が複数設けられていて、合致させる全てのボルト孔の孔縁部に前記背板接合部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の木材接続金具。
  6. 一対の前記金具半体は、夫々の前記連結板部の少なくとも上部に、前記連結用木材の仕口部に設けられた掛止ピンを掛止可能な切欠部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の木材接続金具。
  7. 一対の前記連結板部は、夫々に前記連結用木材の仕口部に設けられた掛止ピンを掛止可能な切欠部と、連結用木材の仕口部に設けられたピン通し孔から挿入されるドリフトピンを挿入可能なピン孔とが設けられていると共に、夫々の連結板部の切欠部の位置関係と夫々の連結板部のピン孔の位置関係とが平面視で長手方向中央線で互いに対称の位置関係となるように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の木材接続金具。
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