JP6545059B2 - ポリマー改質アスファルト組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、改質剤としてスチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)を使用した改質アスファルト組成物に関し、特に改質剤の添加量を少なくしつつ重交通舗装に求められる強度を発揮させる上で好適なポリマー改質アスファルト組成物に関するものである。
従来より、アスファルトは道路舗装及び防水等の幅広い分野で使用されている。重交通道路の舗装には、一般的には改質剤としてスチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)を使用したポリマー改質アスファルトが利用されている。このポリマー改質アスファルトは、SBS等の改質剤を添加することにより、耐轍掘れ性、耐水性、柔軟性等を向上させることができ、舗装後の道路の高耐久化、高寿命化を図ることが可能となる。このため、ポリマー改質アスファルトは、特に近年において、ライフラインとなる主要幹線道路を構築する上で必要不可欠な材料として注目をされており、特に災害の復興用の道路舗装材としても大きく期待されている。
ところで、アスファルトは、原油精製の過程を経て製造される。これに対してSBSは、原油精製後の重合や分解等の反応を経て得られるポリスチレン及びポリブタジエンを原料とし、これらを互いに重合させることにより製造される。このため、この改質剤としてのSBSの製造は、アスファルトを製造する場合と比較して多くの製造労力を要し、製造時間も長期に亘るものとなり、また製造に要する電力等のエネルギー資源も必要となることから、製造コストがいきおい増大してしまうこととなる。ちなみに、改質剤をSBS以外のポリエチレンやエチレン−エチル−アクリレート共重合体等に変更した場合においても同様に製造に伴う労力の負担増大や、製造コストの増大の問題を解決することができない。
このため、製造に伴う労力の負担軽減、製造コストの削減等の観点から、特にこのポリマー改質アスファルト組成物を製造するにあたり、このSBSの含有量を減少させることが望ましい。
一方、このSBSの含有量を極度に減らしてしまうと、改質剤を添加することによるそもそもの目的である舗装道路の高耐久化、高寿命化を図ることができなくなる。このため、SBSの含有量を減らしつつ、舗装道路の高強度化を図ることが可能なアスファルト組成物が従来から求められていた。例えば特許文献1、2では、SBSの含有量を2〜8重量%未満としたアスファルト組成物が開示されている。しかしながら、この特許文献1、2の開示技術によれば、確かにSBSの下限は2重量%とされているものの、実施例において添加されているSBSの含有量は4.5重量%である。製造労力の低減や製造コストの削減等を所望のレベルまで実現しようとしたときにはSBSを3重量%未満まで低減させる必要があるものと考えられるが、実際に特許文献1、2では、かかるレベルまでSBSの含有量を低減させつつ、舗装道路の高耐久化、高強度化について検証したものではない。
これに加えて、道路舗装の際に使用する骨材が交通荷重により飛散しないようにするため、もしくは舗装表面の耐摩耗性及び耐衝撃性を高め、舗装寿命を延長させるには、ポリマー改質アスファルト組成物のタフネス・テナシティを高めることが効果的とされる。このタフネス・テナシティは、アスファルト組成物が発揮しえるゴム弾性を示す指数であり、この値が高いほど耐摩耗性及び耐衝撃性に優れるものとなる。このタフネス・テナシティは、一般社団法人日本アスファルト乳剤協会規格「JEAAS2000」に定められる「蒸発残留物のタフネス・テナシティ試験方法」においてその測定方法が規定されている。
このようなタフネス・テナシティの値の向上にはSBSを配合することが有効であるが、このSBSの含有量が多い場合には、上述した製造に伴う労力の負担が増大し、製造コストも増大してしまう。一方、SBSの含有量を減らしてしまうと、所望のタフネス・テナシティが得られない。
特開2010−150346号公報 特開2010−260939号公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、改質剤としてのSBSの添加量を少なくすることで、製造に伴う労力の負担軽減、製造コストの削減等を図るとともに、重交通舗装に求められる強度を発揮させ、更には良好なタフネス・テナシティを得ることで舗装表面の耐摩耗性及び耐衝撃性等を向上させることが可能なポリマー改質アスファルト組成物を提供することにある。
第1発明は、何れも重量%で、ベースアスファルト:50%〜80%、針入度が10超〜40であり、針入度指数3以上であるブローンアスファルト:10%〜40%未満、芳香族系重質鉱油:5%超〜10%、SBS:1%〜3%、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン:0.3%〜1%を含有することを特徴とするポリマー改質アスファルト組成物である。
第2発明は、第1発明において、SBS:2%〜3%を含有することを特徴とするポリマー改質アスファルト組成物である。
上述した構成からなる本発明によれば、ベースアスファルトに加えて、針入度が10超〜40であり、針入度指数3以上であるブローンアスファルトを適量に亘り含有させることにより、重交通舗装に求められる強度を発揮させることが可能となる。その結果、従来の重交通舗装において強度を発揮させる上で不可欠であるSBSの含有量を約50%減少させることが可能となり、製造に伴う労力の負担を軽減させることができ、製造コストの削減等を図ることが可能となる。
また上述したブローンアスファルトを適量に亘り含有させることにより、SBSとの間で相乗的にタフネス・テナシティを向上させることができる。その結果、骨材が交通荷重により飛散してしまうのを強固に防止することができ、舗装表面の摩耗および耐衝撃性を向上させることができ、舗装の寿命を延長することが可能となる。更に本発明によれば、ブローンアスファルトとSBSとを併用した場合に生じるSBSの相溶性の悪化、ひいては貯蔵安定性の悪化を剥離防止剤としてのカルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンを適量添加することにより防止することも可能となる。
特にブローンアスファルトを適量に亘り含有させる本発明によれば、製油所内でそのブローンアスファルトをライン移送をすることができ、移送に伴うエネルギー削減をすることが可能となる。さらにブローンアスファルトを加熱状態で移送することができるため再加熱のエネルギーロス減少が見込める。このため、製造効率の観点においても従来と比較して優れたものとなる。
DSの測定方法の詳細について説明するための図である。 DSの測定試験開始時刻を起点としたときの試験時間(分)に対する沈下量(mm)の例を示す図である。
以下、本発明を適用したポリマー改質アスファルト組成物について詳細に説明する。
本発明者らは、上述した課題を解決するため、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)の含有量を3重量%までで低減させることにより、製造に伴う労力の負担軽減、製造コストの削減等を図るとともに、そのSBSの含有量を低減することにより生じる強度の低下、タフネス・テナシティの値の低下を抑えることができるポリマー改質アスファルト組成物の成分を鋭意検討した。その結果、製油所において原油精製により得られたアスファルトを、製油所内において空気酸化させ一部のアスファルト分子を重合させたブローンアスファルトを配合することにより、強度やタフネス・テナシティの向上に寄与させるポリマー改質アスファルト組成物を発明した。特に強度やタフネス・テナシティの向上を図るべく、ブローンアスファルトとSBSとを併用した場合には、ポリマー改質アスファルト組成物中のSBSの相溶性が悪化し、貯蔵安定性が悪くなる可能性があるが、本発明では、剥離防止剤としてのカルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンを適量添加することにより、かかる貯蔵安定性の向上も図ることとした。
即ち、本発明を適用したポリマー改質アスファルト組成物は、何れも重量%で、針入度が10超〜40であり、針入度指数3以上であるブローンアスファルト:10%〜40%未満、芳香族系重質鉱油:5%超〜10%、SBS:1%〜3%、カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン:0.3%〜1%を含有し、ストレートアスファルト、溶剤脱瀝アスファルトの何れか1以上からなるベースアスファルトを更に含有する。
以下、本発明を適用したポリマー改質アスファルト組成物における各成分の数値限定理由について説明する。以下では重量%は単に%と記載することとする。
ベースアスファルト:50%〜80%
本発明におけるアスファルトとしては、例えば、ストレートアスファルト(JIS K 2207 参照)、溶剤脱瀝アスファルト(「新石油辞典」,石油学会編,1982年,p.308 参照)等のアスファルト又はこれらの混合物を使用することができる。本発明ではアスファルトの針入度グレードごとに検討し、ストレートアスファルト40/60〜200/300相当品まで使用することができる。
一般に針入度グレードが低いほど、DS(動的安定度:Dynamic Stability)に代表される機械的強度が高いが、一方で柔軟性が乏しくなり低温性状が悪くなる。
また、本発明では使用するベースアスファルトとしては、ストレートアスファルトに溶剤脱瀝アスファルトを添加したアスファルトが好ましい。
溶剤脱瀝アスファルトとしては、溶剤としてプロパン、または、プロパンとブタンを使用したプロパン脱瀝アスファルトを使用することができる。
ポリマー改質アスファルト組成物全体に対するベースアスファルトの含有量は、50%〜80%とされていることが望ましい。
針入度が10超〜40であり、針入度指数3以上であるブローンアスファルト:10%〜40%未満
ブローンアスファルトは、JIS K 2207に規定されているブローンアスファルト10〜20、又は同じくJIS K 2207に規定されている防水工事用アスファルト3種等が含まれる。このブローンアスファルトは、ストレートアスファルトを単独、もしくはプロセスオイルもしくは溶剤脱瀝油を混合したものを原料物質とし、これに250℃〜320℃の高温で空気を吹き込むブローイングを施す。これにより、酸化や脱水素重縮合等を化学的に反応させることでブローンアスファルトを得ることが可能となる。このとき、ブローイングを通じて原料物質の分子量を増加させ、粘度を上昇させることも可能となる。
ここでいうブローンアスファルトは、一般的なブローンアスファルトのみならず、触媒ブローンアスファルトやセミブローンアスファルをも含む概念である。このブローンアスファルトは、軟化点が高く、温度の高低に対するアスファルトの硬さを示す感温性が小さい。本発明では、このブローンアスファルトについて、アスファルトの硬さを表す針入度が10を超え、40以下のものを使用する。このブローンアスファルトについて、アスファルトの軟化する温度を表す軟化点は、90.0以上のものを使用する。このような軟化点からなるブローンアスファルトは、ストレートアスファルトの軟化点と比較してより高いものとなる。また本発明において、このブローンアスファルトは、針入度指数が3以上のものを使用する。この針入度指数は、アスファルトの温度による性状変化を示す感温性の指数であり、試料の針入度と軟化点の関係から求められる指数である。実際にこの針入度指数の算出方法は、JIS K 2207における6.11において規定されているが、一般にアスファルトの感温性が高い場合には、換言すれば温度による性状変化が大きい場合には針入度指数は小さくなり、アスファルトの感温性が低い場合には、換言すれば温度による性状変化が小さい場合には針入度指数は大きくなる。
なお、上述したプロセスオイルはJISK6200に規定されている、芳香族炭化水素を少なくとも35質量%含むアロマ系の炭化水素系プロセスオイル等を使用してもよい。また溶剤脱瀝油は原油の減圧蒸留残油をプロパン等により脱瀝して得られたものを使用してもよい。
上述の如き物性からなるブローンアスファルトは、針入度が高く、また軟化点が大きく、更には針入度指数が大きいため、ポリマー改質アスファルト組成物全体に対して10%以上に亘り含有させることにより、得られるポリマー改質アスファルト組成物の強度を向上させることができ、舗装後の道路の高耐久化、高寿命化を図ることが可能となる。このブローンアスファルトが10%未満の場合には、得られるポリマー改質アスファルト組成物を所望の強度まで向上させることができない。一方、ブローンアスファルトがポリマー改質アスファルト組成物全体に対して40%以上の場合には、粘度が高くなりすぎて施工性が悪化してしまう。よって、このブローンアスファルトの含有量は、10%〜40%未満とされている。なお、ブローンアスファルトの含有量は、望ましくは15%〜35%とされている。
芳香族系重質鉱油:5%超〜10%
芳香族系重質鉱油は、原油の減圧蒸留残油をプロパン等により脱瀝して得られた溶剤脱瀝油を更にフルフラール等の極性溶剤を用いて溶剤抽出することにより、ブライトストック(重質潤滑油)を得る際の溶剤抽出油、すなわち、エキストラクトが使用できる。本発明において芳香族重質鉱油としては、エキストラクトを添加することが好ましい。
本発明における芳香族系重質鉱油の役割は、熱可塑性エラストマーのアスファルトへの溶解性を高め、貯蔵安定性において分離の発生を防ぐものである。また、熱可塑性エラストマーの添加量に対して必要以上の芳香族系重質鉱油を添加するとポリマー改質アスファルト組成物の弾性率が低下する。
ポリマー改質アスファルト組成物全体に対する芳香族系重質鉱油の含有量は、針入度、軟化点、貯蔵安定性、強度を示すホイールトラッキング試験における動的安定度(DS)を考慮して決められるが、本発明で検討した範囲では、ポリマー改質アスファルト組成物全体に対する芳香族系重質鉱油の含有量は、5%超であり10%以下とされていることが望ましい。この芳香族系重質鉱油の含有量が5%以下の場合には、貯蔵安定性が悪化し、針入度が低下してしまう。一方、ポリマー改質アスファルト組成物全体に対する芳香族系重質鉱油の含有量が10%を超えると針入度が大きくなりすぎ、強度が低下してしまう。 なお、本発明において、芳香族系重質鉱油の含有量の上限は12%以下とされていてもよく、更には15%未満とされていてもよい。但し、芳香族系重質鉱油の含有量の上限が15%以上となると、針入度が大きくなりすぎて強度が低下し、ブローンアスファルトの添加量増加に伴う貯蔵安定性の低下等の問題点を引き起こし、性状のバランスが崩れてしまう。
SBS:1%〜3%
アスファルト組成物への補強材として添加される熱可塑性エラストマーである。SBSの分子量は、12万〜25万とされている。SBSは、SBS全重量に対するスチレンの重量%が、25〜35重量%であり、好ましくは27〜33重量%である。
主としてこのSBSは、得られるポリマー改質アスファルト組成物の強度向上に寄与することとなる。SBSの添加量が1重量%未満の場合は、ポリマー改質アスファルト組成物の強度を発現することができず、アスファルト混合物の耐轍掘れ性(DS)が小さくなり、舗装道路に十分な強度を発現させることができなくなる。これに加えてポリマー改質アスファルト組成物のタフネス・テナシティが小さくなり、道路舗装表面の石飛の可能性が高くなる。
またSBSの添加量が3%を超えると、粘度が高くなり施工性が低下するばかりでなく、高価なSBSの添加量が増加することによる原料コストの上昇が著しくなるという問題が生じる。これに加えてSBSの添加量が3%を超えると、貯蔵安定性が悪くなる場合もある。
よって、SBSの含有量は、1%〜3%とされている。なおSBSの含有量は、望ましくは2〜3%とされている。
カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン:0.3%〜1%
本発明では、ポリマー改質アスファルト組成物中の貯蔵安定性を確保させるためにカルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンを添加することが好ましい。
カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンとしては樹脂酸が好適に使用できる。カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンであって、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、パラストリン酸のうち何れか1種以上を含有するロジンのことである。
ここでロジンとしては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどが使用される。これらロジンは、原産地、原材料、採取方法の違いにより上述したガムロジン、ウッドロジン等の如き分類が可能となるが、少なくとも松脂の水蒸気蒸留時の残渣成分として得られるものである。このロジンでは、成分としてアビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ピマール酸、サンダラコピマール酸、イソピマール酸等を含む混合物である。このロジンは、通常約80℃で軟化し、90〜100℃で溶融する。なお、ロジン中にはアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、レボピマル酸などの各種樹脂酸が含まれているが、これら樹脂酸をそれぞれ精製して単独で使用するようにしてもよい。
本発明では好ましいロジンとしてガムロジンを使用したが、これによって制限をうけるものではない。
仮にこの樹脂酸の含有量が0.3%未満では、樹脂酸の効果が充分ではなく、最終生成物としての貯蔵安定性の向上を図ることができない。これに対して、この樹脂酸の含有量が1重量%を超えてしまうと、この剥離防止の向上という効果が飽和してしまうばかりでなく、高価な樹脂酸の添加量が増加することによる原料コストの上昇が著しくなるという問題が生じる。即ち、樹脂酸の含有量を1%を超えて添加しても、貯蔵安定性の向上はこれ以上大幅に向上するものではなく、却って原料コストの面において不利となる。このため、樹脂酸の含有量は、0.3%〜1%とされていることが望ましい。
以下に、本発明で使用した試験方法、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の例において単に%のみ記載されている場合は、重量%を示すものとする。
本発明では、実験的検討を行うために得た実施例、比較例について、表1に示すように、針入度(25℃)、軟化点、粘度(180℃)、タフネス・テナシティ、貯蔵安定性、DSからなる性能試験を行う。以下、詳細な試験方法について説明をする。
Figure 0006545059
針入度(25℃)は、JIS K 2207「石油アスファルト−針入度試験方法」で測定した。この値は40(0.1mm)以上、60以下(0.1mm)が好ましい。
軟化点は、JIS K 2207「石油アスファルト−軟化点試験方法」で測定した。この値は56(℃)以上が好ましい。
これら針入度(25℃)並びに軟化点の好ましい範囲は、一般社団法人日本改質アスファルト協会が重交通箇所への適用を想定する「ポリマー改質アスファルトII型」の品質規格に則るものである。
針入度指数は、JIS K 2207「石油アスファルト」6.11に記載されている「針入度指数算出方法」に基づいて求める。
粘度(180℃)は、JPI−5S−54−99「アスファルト−回転粘度計による粘度試験方法」の条件の下、測定温度180℃、使用スピンドルSC4−21、スピンドル回転数20回転/分で測定した。この粘度(180℃)は、200mPa・s以下とされていることが望ましい。粘度(180℃)が200mPa・sを超えてしまうと粘度が高すぎて施工が困難になるためである。
タフネス・テナシティは、一般社団法人日本アスファルト乳剤協会規格「JEAAS2000」に定められる「蒸発残留物のタフネス・テナシティ試験方法」に則り実施した。なおアスファルト組成部の溶融は一般社団法人日本改質アスファルト協会規格で定める方法で行った。このタフネス・テナシティは、それぞれタフネスとして8.0N・m以上、テナシティとして4.0N・m以上を良好なものとして判定した。その数値の根拠は、一般社団法人日本改質アスファルト協会が、重交通道路用ポリマー改質アスファルトの品質規格として定めている値である。
貯蔵安定性は、貯蔵安定性試験及び軟化点試験を用いて評価した。貯蔵安定性試験は、内径が5.2cm、高さが13cmのアルミニウム製円筒缶に、深さ12cmの位置までポリマー改質アスファルト組成物(以下、アスファルト組成物という。)を約250gに亘り注入して密封し、170℃で72時間加熱する。その後、アルミニウム製円筒缶に注入されているアスファルト組成物の上部軟化点、下部軟化点における軟化点を測定することにより確認することができる。ここでいう上部軟化点とは、アルミニウム製円筒缶の上部4cm以内におけるアスファルト組成物の軟化点である。ここでいう上部4cm以内の意味するところは、アルミニウム製円筒缶の深さ12cmの位置まで充填したアスファルト組成物のうち、表面から0cm〜4cmにあるもの、換言すれば、充填したアスファルト組成物の底から8cm〜12cmにあるものを採取したものである。ここでいう下部軟化点とは、アルミニウム製円筒缶の下部4cm以内におけるアスファルト組成物の軟化点である。
下部4cm以内の意味するところは、アルミニウム製円筒缶の深さ12cmの位置まで充填したアスファルト組成物のうち、底から0cm〜4cmにあるもの、換言すれば、充填したアスファルト組成物の表面から8cm〜12cmにあるものを採取したものである。
軟化点の測定は、JIS K 2207に示す方法に基づくものとしてもよい。そして、上部の軟化点と下部の軟化点の差の差分絶対値を介して安定性の判断を行う。この軟化点差としての差分絶対値が3.0℃以下のときに貯蔵安定性が良好であるものとして表中に○を表示し、当該差分絶対値が3.0℃を超えている場合には、貯蔵安定性が不良であるものとして、表中に×を表示している。
JIS K 2207では、軟化点の繰り返し精度として軟化点が80℃以下の場合、軟化点の差分絶対値が1.0℃、軟化点が80℃を超えるものでは軟化点の差分絶対値が2.0℃を超えてはいけない旨が定められている。ここでいう軟化点の繰り返し精度とは、同一の場所で同一の人が同一の試料を用いて測定した際の許容差を示すものである。また安定性に関しては、軟化点の差分絶対値が2〜3℃以内であればほぼ安定である旨が一般的な基準となっており、この軟化点の差分絶対値が5℃以上は、まず不安定であると考えられている。
ここで、貯蔵安定性が良好で完全に均一な試料が存在した場合、上部4cm以内、下部4cm以内における軟化点を測定し、それぞれの軟化点が上振れ、下振れしたものと仮定したとき、軟化点が80℃以下の場合には、上振れ分が1℃、下振れ分が1℃で合計の試験誤差が2℃生じることとなる。また軟化点が80℃を超える場合には、上振れ分が2℃、下振れ分が2℃で合計の試験誤差が4℃生じることとなる。
以上より、軟化点の差分絶対値が3℃以下という限定は、軟化点が80℃以下の試験誤差(=2.0℃)と比較して実質1℃程度の差しかなく、事実上、安定性が良好と考えられる。また軟化点が80℃以上であった場合は、試験誤差(=4.0℃)以下の精度であることから同一の軟化点と判断できる。このため本発明では、貯蔵安定性の良否の閾値につき、軟化点の差分絶対値が3℃未満としている。
また、この軟化点の差分絶対値が2.5℃以下であると、更に貯蔵安定性が良好になることから望ましいものといえる。更にこの軟化点の差分絶対値が2℃以下であると貯蔵安定性をより強固なものとすることができるため望ましい。
このアスファルト組成物の強度は、舗装調査・試験法便覧(公益社団法人 日本道路協会編)に記載されている「B003ホイールトラッキング試験方法」に基づいて、DSから判断する。このDSは、道路舗装体の強度を測定する指標として専ら使用されるものである。しかし、アスファルト組成物を防水材、粘着材の用途等に適用する際においても、同様に強度の向上が求められる場合があり、結果的にDSを介してこれを評価することも十分に考えられる。このため本発明では、DSを評価指標としつつも、道路舗装のみならず、防水材、粘着材を始めとしたいかなる用途に適用するようにしてもよい。
以下、このDSを測定する方法について説明をする。DSは、高温時のアスファルト組成物の耐流動性(轍掘れしにくさ)を評価する指標であり、ホイールトラッキング試験機を用いて測定を行う。ホイールトラッキング試験は、夏場の路面を想定して60℃で実施する。アスファルト組成物を後述する表2に記載する所定の粒度に調整した骨材(岩石を砕いた石)と混合した供試体を60℃で5時間以上養生し、車輪を1時間走行させる。実施例、比較例では、例えば図1に示すように、30×30×5cmからなる供試体5を養生した。
Figure 0006545059
次に、この供試体5に対して、車輪11により686Nの下向きの荷重を負荷しつつ、図中矢印方向に向けて42回/分のペースで往復走行させる。ちなみに、この車輪11による走行位置は、ずらすことなく同一の走行路とする。
図2は、DSの測定試験開始時刻を起点としたときの試験時間(分)に対する沈下量(mm)の例を示している。試験開始時刻を起点として試験時間が増加するにつれて、車輪11の往復走行による沈下量が増加する。この沈下量は、供試体5の表面から深さ方向への沈下深さ(mm)である。
DSを測定する際には、最初の試験開始時点から45分経過前までの沈下量は考慮に入れない。その理由として、最初の試験開始時点から45分経過前までは、添加した骨材との噛み合わせ等の要因に基づいて沈下量が決まるため、本来的な意味での耐流動性を評価することができなくなるためである。
DSを測定する際には、あくまで試験開始時刻を起点とし、45分経過後から60分経過後までの、15分間におけるアスファルト組成物の変形量d(mm)に着目する。このdは、試験開始時刻を起点として60分経過時における沈下量と、試験開始時刻を起点として45分経過時における沈下量との差を求めることにより算出することができる。DSは、下記の式(2)から求めることができる。
DS(回/mm)=45分経過時〜60分経過時までのタイヤ走行回数(回)/d(mm)・・・・・・・・・・(2)
から求めることができる。車輪11による往復頻度が、42(回/分)である場合、(2)式を変形すると以下の(2)´式に書き換えることができる。
DS(回/mm)=630(回)/d(mm)・・・・・・・・・・(2)´
この(2)´式の分子は、42(回/分)×15(分)=630(回)を意味する。即ち、このDSは、d(mm)に対する、15分間のタイヤ走行回数で求めることが可能となる。このDSが高いほど、アスファルト組成物自体の変形量が少なく、轍掘れに強い材料となり、強度が高いことを意味している。
なおDS値は、アスファルト組成物のみを用いて試験するのではなく、実際の道路舗装と同様に、表2に示す粒度に調整した骨材(砕石、石灰岩粉など)と、アスファルト組成物を後述する所定の条件で混合し、成型した供試体を用いて測定する。
このDSが高いほど、アスファルトの強度が高く、轍掘れに強い舗装材料を提供できることを意味している。前記の舗装調査・試験法便覧にはDSが6000回/mm以上となった場合は、DSが6000回/mm以上と報告することになっているが、本発明では実際に得られたDS値を用いた。また、前述の複素弾性率の結果も勘案して、望ましいDSは5000回/mm以上、好ましくは6000回/mm以上とした。
本発明アスファルト組成物を用いてDSを測定するための、供試体の具体的な作製方法について以下に示す。
骨材としては、硬質砂岩からなる砕石を使用し、細粒分(粒子径の小さい構成成分)の配合調製には石灰岩を粉砕した石粉を使用し、供試体を作製する。なお海砂や回収ダストなど、前記の砕石および石粉以外の材料は、DSの変動要因となるので使用しない。
骨材の粒度を調整するために使用する石灰岩を粉砕した石粉は、JIS A 5008「舗装用石灰石粉」に適合する、通過質量百分率がふるい目600μmで100%、150μmで90〜100%、75μmで70〜100%であり、水分が1%以下であるものを使用する。
石粉以外の骨材は硬質砂岩からなる砕石を使用し、以下(1)〜(6)に示す性状を満足するものを使用する。
(1)吸水率1.5%未満、望ましくは1.0%未満。(JIS A 1110)
ここでは吸水率0.64%の砕石を使用している。骨材の吸水率が高いと、被覆されたアスファルトを骨材が吸収し、結果的に混合物中のアスファルト量が少ない配合となる。また吸水率の高い骨材は、使用時の湿度や表面の湿潤状態によってアスファルトの吸収量が大きく変化し、結果として混合物中のアスファルト量が変動することになる。 従って、混合物中のアスファルト量を一定に保つために、吸水率は1.5%未満、望ましくは1.0%未満とする必要がある。
(2)見掛密度2.60g/cm3以上、2.70g/cm3以下(JIS A 1110)
ここでは見掛密度2.66g/cm3の砕石を使用した。
(3)安定性6%以下、望ましくは3%以下(JIS A 1122)
ここでは安定性2.4%の砕石を使用した。ここでいう安定性とは、凍結融解に対する安定性を規定したものである。この安定性の数値が小さいほど、凍結融解時の骨材破壊が少ない。舗装設計施工指針では12%以下と規定しているが、骨材の性状のばらつきを抑制するために、当該指針の規定の半分としている。
(4)すり減り減量20%以下、望ましくは15%以下(JIS A 1121)
ここではすり減り減量12.6%の砕石を使用した。すり減り減量試験は、骨材の硬さおよびすり減りに対する抵抗、すなわち骨材の耐久性を評価する試験である。すり減り減量が20%を越えるとわだち掘れが大きくなるので、ここではすり減り減量を20%以下、望ましくは15%以下とした。
(5)軟石量5.0%以下、望ましくは3.0%以下(JIS A 1126)
ここでは軟石量2.5%の砕石を使用した。軟石量は、黄銅の棒(モース硬度3〜4)によりひっかき跡が付くかを判定する試験で、骨材が黄銅よりも硬いか、軟らかいかを判定する試験である。軟石量はすり減り減量試験と同様に、骨材の硬さおよびすり減りに対する抵抗、すなわち骨材の耐久性を評価する試験である。軟石量は一般的に5%以下である必要がある。(舗装調査・試験法便覧A008参照。)
(6)細長,あるいは扁平な石片の含有量10.0%以下、望ましくは5.0%以下(舗装設計施工指針(規制値)および舗装調査・試験法便覧A008(試験法))
ここでは細長、あるいは扁平な石片の含有量2.8%の砕石を使用した。ここでいう石片は、一般には長軸/短軸比が3以上のものを細長、あるいは扁平な石片として使用する。細長,あるいは扁平な石片が混入すると、舗装もしくは試験用の供試体が、ある方向からの荷重に対して、変形しやすくなる可能性がある。すなわち細長,あるいは扁平な石片が多く混入していると、それらが向きを揃えて配向し、その向きと平行な荷重に対しては、垂直な荷重に対するよりも変形しやすくなる。
従って、耐わだち掘れ性能(DS)を測定する際には、細長あるいは扁平な石片の混入量を制限しないと、得られる値が大きく変動することとなる。
これらの性状を満足する砕石、および石粉を骨材として使用し、また表2に示す骨材配合を調整し、表3に示す条件で供試体を作製した。
実際に供試体の作製は、大きく分類してアスファルト組成物と骨材との混合、転圧の2段階からなる。混合に関しては、175℃に加熱されているアスファルト組成物を567g、185℃に加熱されてなるとともに上述した粒度に合成した(以下、その調整した粒度を合成粒度という。)骨材を10176g準備する。
先ず骨材をミキサーに入れ、骨材のみを60秒間混合し、均一にした。混合を一時止め、567gのアスファルト組成物をミキサーに投入した後、これらアスファルト組成物と骨材とを120秒に亘って混合した。
混合を終了した、これらアスファルト組成物と骨材を、ホイールトラッキング試験用型枠(内寸 縦30.0cm,横30.0cm、深さ5.0cm)に入れ、転圧した。
転圧に関しては、下記表3の転圧温度の下で、半径460mmの円柱状ローラを転がすことにより、混合後のアスファルトに転圧を負荷する。この転圧に関しては、一次転圧、二次転圧の2段階に亘り行う。その後8時間に亘り乾燥させる。
Figure 0006545059
以下、本発明を適用した改質アスファルト組成物において、効果を検証するための実施例と比較例について、詳細に説明をする。
表1の実施例1〜9、比較例1〜8に示す配合比率からなる、ブローンアスファルト、ストレートアスファルト、プロパン脱瀝アスファルト、芳香族系重質鉱油、SBS、剥離防止剤からなる試料を準備した。
先ずブローンアスファルトは、ブローンアスファルト1、2の2種類を使用した。ブローンアスファルト1は、JIS K 2207のブローンアスファルト10〜20である。このブローンアスファルト1の性状は、例えば、25℃における針入度が16(1/10mm)、軟化点が113.5℃、針入度指数5.2、15℃における密度が1036kg/m3であるものを使用した。
ブローンアスファルト2は、JIS K 2207の防水工事用アスファルト3種である。このブローンアスファルト2の性状は、例えば、25℃における針入度が32(1/10mm)、軟化点が108.0℃、針入度指数6.3、15℃における密度が1021kg/m3であるものを使用した。
ストレートアスファルトは、JIS K 2207のストレートアスファルト60〜80を使用した。この使用したストレートアスファルトの性状は、例えば、25℃における針入度が65(1/10mm)、軟化点が48.5℃、針入度指数−0.9、15℃における密度が1034kg/m3であるのものを使用した。
使用したプロパン脱れきアスファルトの性状は、代表的な性状が針入度が13(1/10mm)、軟化点が61.5℃、針入度指数−1.5、15℃における密度が1066kg/m3であるものである。
また、使用した芳香族系重質鉱油は、代表的な性状が100℃における動粘度が61.2mm2/s、40℃における動粘度が3970mm2/s、15℃における密度が976.4kg/m3であるのものである。
使用したSBSは、分子量が150,000であり、スチレン含有比率が30%である。
使用したカルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペンで酸価156(mgKOH/g:JIS K0070)、軟化点77.0℃(JIS K 2207)の不均化ガムロジンである。
この不均化ガムロジンは、採取した生松脂をろ過して不純物を除去し、その後、蒸留することにより、低沸点成分のテレピン油を分離して得られるロジンである。
上述した成分からなる構成からなる実施例1〜9、比較例1〜8からなるアスファルト組成物の製造方法について以下で述べる。
ブローンアスファルト、ストレートアスファルト、プロパン脱瀝アスファルトを180℃程度の温度で溶融した状態で、芳香族系重質鉱油が上述した配合比率となるように混合し、同様な手順にて上述したSBSを所定量添加し、更に、上述したガムロジンを添加する。混合はホモミキサーを用いて行い、回転数を4000〜5000回転/分として2〜3時間程度、混合並びに攪拌した。混合終了時のアスファルトの温度は200〜205℃に調整した。また製造量はいずれも1.8kgとした。
作製した実施例1〜9、比較例1〜8についてそれぞれ測定した物性を表1に示す。
物性の測定項目は、性状試験と、混合物性能試験に大別される。性状試験では、針入度(0.1mm)、軟化点(℃)、180℃における粘度(mPa・s)、25℃におけるタフネス・テナシティ、貯蔵安定性試験の各項目について試験を行っている。また混合物性能試験では、DSについて評価を行っている。
実施例1〜9の成分の含有比率は、何れも上述した本発明において規定した範囲内となっている。このような実施例1〜9に係るアスファルト組成物は、何れも上述した評価項目についての基準を満たすものとなった。すなわち、実施例1〜9に係るアスファルト組成物は、何れも針入度(25℃)が40〜60、粘度(180℃)が200mPa・s以下、軟化点が56℃以上、タフネスが8.0N・m以上、テナシティとして4.0N・m以上、軟化点の差分絶対値が3未満、DS値が5000回/mm以上であった。
実施例1〜7は、何れもSBSの含有量を1〜3%まで変化させたものであるが、中でも実施例5、6は、何れも軟化点、DS、タフネス・テナシティの値が他の実施例と比較してバランス良く良好であった。実施例8は、ブローンアスファルト1の含有量を36%と高く設定しているが、これについても上述した本発明に規定した成分の含有比率となるように調整することで、上述した評価項目についての基準を満たすものとなった。また、実施例9は、25℃における針入度、針入度指数がブローンアスファルト1よりも高いブローンアスファルト2を添加しているが、これについても同様に上述した本発明に規定した成分の含有比率となるように調整することで、上述した評価項目についての基準を満たすものとなった。
比較例1、2はともにSBSの含有量を1%未満としており、本発明において規定したSBS含有量の下限を下回っている。この比較例1、2は、SBSの含有量が少なくことから、軟化点が56未満となっており、タフネス・テナシティの値も共に低下していた。これに加えて、DSは、共に4500回/mmと、基準よりも低く、舗装時における耐久性が低下していた。
比較例3は、SBSの含有量を3.5%としており、本発明において規定したSBS含有量の上限を超えている。このため強度面においては優れた特性が示されているものの、粘度(180℃)が233mPa・sと上昇してしまい、施工性が悪化していた。
比較例4は、SBSの含有量を4.0%としており、本発明において規定したSBS含有量の上限を超えている。このため強度面においては優れた特性が示されているものの、粘度(180℃)が360mPa・sと上昇してしまい、施工性が悪化していた。これに加えて軟化点の差分絶対値が3℃以上であり、貯蔵安定性が悪化していた。
また比較例5は、ブローンアスファルト1の含有率を42%としており、本発明において規定したブローンアスファルトの含有量の上限を超えている。その結果、この比較例5は、針入度が40未満であり基準を下回っていた。これに加えて、粘度(180℃)が210mPa・sと上昇してしまい、施工性が悪化していた。
また比較例6は、ブローンアスファルト1の含有率を8%としており、本発明において規定したブローンアスファルトの含有量の下限を下回っている。その結果、この比較例6は軟化点が基準を下回っており、またブローンアスファルト、SBSがともに少量であることから強度を発現させることができず、DS値は、共に4500回/mmと、基準よりも低く、舗装時における耐久性が低下していた。
また比較例7は、芳香族系重質鉱油の含有率が3%であり、本発明において規定した芳香族系重質鉱油の含有量の下限を下回っている。その結果、この比較例7は、針入度が40未満であり基準を下回っていた。これに加えて軟化点の差分絶対値が3℃以上であり、貯蔵安定性が悪化していた。
比較例8は、剥離防止剤の含有率が0.1%であり、本発明において規定した剥離防止剤の含有量の下限を下回っている。その結果、この比較例8は、軟化点の差分絶対値が3℃以上であり、貯蔵安定性が悪化していた。
5 供試体
11 車輪

Claims (2)

  1. 何れも重量%で、
    ベースアスファルト:50%〜80%、
    針入度が10超〜40であり、針入度指数3以上であるブローンアスファルト:10%〜40%未満、
    芳香族系重質鉱油:5%超〜10%、
    SBS:1%〜3%、
    カルボキシル基を有する炭素数20の多環式ジテルペン:0.3%〜1%を含有すること
    を特徴とするポリマー改質アスファルト組成物。
  2. SBS:2%〜3%を含有すること
    を特徴とする請求項1記載のポリマー改質アスファルト組成物。
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