JP6544480B2 - 溶銑予備処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶銑予備処理方法に関するものである。
本願は、2016年3月17日に日本に出願された特願2016−053234号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、溶銑予備処理工程では、CaOを必須成分として含む精錬剤(脱燐剤や脱硫剤)を使用して、溶銑予備処理(脱Pや脱S)が行われる。ここで、CaOの融点は2625℃と高いため、従来、CaOを粉体化させて溶鋼中での反応滓化を促進する手法や、CaF、AlもしくはMgOを添加して融点を低下させ、スラグと溶鉄の反応を促進する手法が広く採用されている。
なお、製鋼工程(溶銑予備処理工程〜転炉精錬工程〜2次精錬工程)において発生するスラグをリサイクルする技術として、溶銑予備処理工程に続く転炉精錬(脱C)工程で発生する転炉スラグを冷却後に粉砕し、細粒化して滓化速度を高めた上で、溶銑予備処理工程における精錬剤として使用する技術(特許文献1)や、2次精錬工程で発生する取鍋スラグを精錬剤として使用する技術(特許文献2)が開示されている。
上記のような従来技術のうち、特許文献1の発明は、転炉精錬(脱C)工程で発生する転炉スラグにはCaOが多く含有されており塩基度も高い点に着目してなされた発明であり、リサイクルによって転炉スラグの排出量削減を図れる点では意義がある。しかしながら、本発明者らの実験調査によると、転炉スラグ単独では、滓化率は50%程度に留まるため、別途、大量の生石灰(転炉スラグ由来でないCaO)を追加使用する必要があり、特許文献1の発明では、精錬剤コストの削減効果が期待できないという問題がある。
また、特許文献2の発明は、2次精錬工程で発生する取鍋スラグには、CaOとともに、Alが多く含有されている点に着目してなされた発明である。特許文献2の発明では、スラグの融点を低下させる作用を有するAlによる滓化促進効果は享受できるものの、同時にスラグの粘度が上昇する。スラグの粘度が高い場合、スラグが泡立ちやすく、転炉やトーピードカーなどの反応容器からスラグが溢出して操業を阻害するスロッピングの発生リスクが高まるという問題がある。
日本国特開平4−120209号公報 日本国特開2006−274349号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、スラグの系外排出量の削減を図るとともに、スロッピングの発生を回避し、精錬剤として使用する生石灰の使用量を削減することができる溶銑予備処理方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の一態様に係る溶銑予備処理方法は、溶銑予備処理工程を経た溶銑を転炉精錬する際に得られる転炉スラグを、溶銑予備処理用の精錬剤としてリサイクルする溶銑予備処理方法であって、前記転炉スラグの粒径が3mm以上25mm未満の範囲となり、前記転炉スラグのうち、粒径20mm以上25mm未満の転炉スラグの比率が前記転炉スラグの全量に対して10質量%以上15質量%未満となるように前記転炉スラグを整粒する第1の工程と;前記第1の工程での整粒後の前記転炉スラグを溶銑予備処理容器内に投入する第2の工程と;前記第1の工程より後でかつ前記第2の工程より前、又は、前記第2の工程と同時に、前記転炉スラグ100質量%に対して1.0質量%以上10.0質量%未満のAl2O3を前記溶銑予備処理容器内に投入する第3の工程と;前記第3の工程と同時、もしくは第3の工程の前、又は第3の工程より後に、前記溶銑予備処理容器内に、前記転炉スラグ100質量%に対して0.3質量%以上10.0質量%未満のMnOを投入する第4の工程と;を有する。
上記構成からなる溶銑予備処理方法によれば、スラグの系外排出量の削減を図るとともに、スロッピングの発生を回避し、精錬剤として使用する生石灰の使用量を削減することができる。
(2)上記(1)に記載の溶銑予備処理方法において、前記Alが、転炉精錬工程を経た溶鋼を二次精錬する際に得られる二次精錬スラグに含まれるAlであってもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の溶銑予備処理方法において、更に、前記第1の工程より後でかつ前記第2の工程より前、又は、前記第2の工程と同時に、前記転炉スラグ100質量%に対し、FeO換算で1.0質量%以上20.0質量%未満の酸化鉄を前記溶銑予備処理容器内に投入する第5の工程を有してもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の溶銑予備処理方法において、更に、前記第3の工程と同時に、前記溶銑予備処理容器内に、前記転炉スラグ100質量%に対し、KO、LiO、NaO、CaF、MgO、SrOのうち1種又は2種以上をそれぞれ0.3質量%以上5.0質量%未満投入する第6の工程を有してもよい。
本発明の上記態様に係る溶銑予備処理方法によれば、溶銑予備処理容器内のスラグの粘度を上昇させることなく転炉スラグの滓化を促進することができるため、スラグの系外排出量の削減を図るとともに、スロッピングの発生を回避し、精錬剤として使用する生石灰の使用量を削減することができる。
本実施形態に係る溶銑予備処理方法を説明するためのフロー図である。 転炉スラグのうち、粒径20mm以上25mm未満の転炉スラグの比率が、転炉スラグの滓化率及び投入ホッパーの詰まり発生率に与える影響を示すグラフである。 転炉スラグ投入時刻を基準(0秒)としたAlの投入タイミング(投入時刻)と転炉スラグ滓化率との関係を示すグラフである。
以下に本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限られない。
溶銑予備処理工程を経た溶銑を転炉で脱炭精錬する際に得られる転炉スラグは、含有P(リン)濃度が低く、かつ、脱Pや脱S(窒素)に必要な塩基性スラグを造る主成分となるCaOを多く含有している。
本実施形態に係る溶銑予備処理方法では、図1に示すように、高炉溶銑の溶銑予備処理、転炉精錬、二次精錬を順次行う。本実施形態に係る溶銑予備処理方法では、転炉精錬で得られる転炉スラグを溶銑予備処理工程における精錬剤としてリサイクルすることにより、溶銑予備処理工程で精錬剤として使用される生石灰(転炉スラグ由来でないCaO)の量を削減するとともに、転炉スラグの系外排出量の削減を図っている。
ここで、転炉スラグの融点は1400℃程度であり、溶銑予備処理温度である1300℃〜1350℃程度では、転炉スラグの塊自体は溶解しない。
本実施形態に係る溶銑予備処理方法では、転炉スラグの低融点化を促す物質として、Al、MnO、FeO、KO、LiO、NaO、CaF、MgO、SrOの各成分を転炉スラグとともに添加し、転炉スラグの粒径を小さく整粒する。これにより、転炉スラグを速やかに溶融させて滓化率を向上させるとともに、精錬効率の向上、すなわち精錬剤として追加利用する生石灰量の削減と脱P率の向上を図ることができる。
本実施形態に係る溶銑予備処理方法では、転炉精錬(脱C)時に得られた転炉スラグを排滓し、冷却した後、細粒化したものを篩い分けて、粒径(球相当径)で3mm以上25mm未満の範囲とした上で、転炉スラグのうち、粒径20mm以上25mm未満の転炉スラグの比率が転炉スラグの全量に対して10質量%以上15質量%未満となるように選別する(第1の工程)。
そして、このように整粒した後の転炉スラグを上述の精錬剤としてリサイクルするために、溶銑予備処理容器内に投入する(第2の工程)。
転炉スラグの粒径を3mm以上25mm未満の範囲とすることにより、反応界面積が増大し、伝熱が促進されるため、転炉スラグを速やかに溶融させることができる。
転炉スラグの粒径を粒径3mm以上とすることで、集塵により投入した転炉スラグの一部又は全部が反応容器の外に散逸することを抑制し、十分に反応に寄与させることができる。そのため、追加で使用する生石灰量を抑制することができる。転炉スラグの粒径を25mm未満とすることで、転炉スラグの比表面積を大きく確保することができ、スラグの溶融時間を短縮できるため、滓化率が上昇する。これによって精錬効率が上昇するため、追加で使用する生石灰量を抑制することができる。
尚、本発明者らは、上記のように3mm以上25mm未満の範囲に整粒した転炉スラグのうちでも、粒径20mm以上25mm未満であるものの比率を種々変化させて実機操業にて試験を行い、図2のような結果を得た。
図2の結果によれば、粒径20mm以上(かつ25mm未満)の転炉スラグの比率が転炉スラグの全量に対して10質量%以上の場合、投入ホッパーの詰まりが発生する割合が低く、操業を著しく阻害することがない。また、粒径20mm以上(かつ25mm未満)の転炉スラグの比率が転炉スラグの全量に対して15質量%未満の場合、転炉スラグの滓化率が上昇する。
従って、転炉スラグの全量に対して、粒径20mm以上(かつ25mm未満)の転炉スラグの比率がグラフ中の矢印で示された範囲にあること、すなわち上述のような転炉スラグの粒径の条件を満たすことにより、操業を阻害することなく、精錬剤として効率良く転炉スラグを再利用することができる。
本実施形態に係る溶銑予備処理方法では、溶銑予備処理容器内に、上記の転炉スラグ100質量%(全量)に対し、1.0質量%以上10.0質量%未満のAlを上記転炉スラグ投入より前、もしくは同時に、すなわち、第1の工程より後でかつ第2の工程より前、又は、第2の工程と同時に投入するとともに(第3の工程)、0.3質量%以上10.0質量%未満のMnOを投入する(第4の工程)。これにより、スラグの粘度上昇を回避しつつ、転炉スラグの滓化を促進することができる。
Alの添加量が1.0質量%以上の場合、スラグの融点を低下させる効果が十分に得られ、スラグの融点は溶銑温度である1250℃以下となり、滓化率が向上する。その結果、追加で使用する生石灰量を抑制することができる。
Alの添加量が10.0質量%未満の場合、スラグ粘度の増加が抑制され、スラグの泡立ちが抑制されるため、スラグが反応容器から溢れるスロッピング発生の確率を低くすることができる。
MnOの添加量が0.3質量%以上の場合、スラグ粘度の上昇を抑制する効果が得られる。その結果、スロッピング発生の確率を低くすることができる。
MnOの添加量については、10.0質量%を超えて添加しても、効果の面で大きな変化は見られない。よって、コストを抑えるため、好ましくはMnOの添加量を10.0質量%以内とする。MnO源としては、例えば、マンガン鉱石を30mm程度に粉砕したものを使用することができる。MnOを投入する第4の工程は、Alを投入する第3の工程と同時、第3の工程の前、あるいは第3の工程の後のいずれであってもよい。
また、本発明者らは試験実験研究の結果として図3の関係を明らかにした。図3の結果によれば、滓化促進剤として投入するAlの投入時刻が、転炉スラグ投入より前、もしくは同時である場合に転炉スラグの滓化率が高いことがわかる(グラフ中の矢印で示された範囲)。一方、転炉スラグ投入後にAlを投入した場合には、滓化促進効果が低いことが分かった。
Al源としては、転炉精錬工程を経た溶鋼を二次精錬する際に得られる二次精錬スラグをリサイクル使用することが好ましい。通常、二次精錬スラグにはAlが20.0質量%から40.0質量%程度含まれている。従って、二次精錬スラグの化学組成を予め分析して投入量を決定すれば、二次精錬スラグの投入のみで所望のAl濃度を達成できる。
このように、Al源として二次精錬スラグをリサイクル使用することは、製鋼工程(溶銑予備処理工程〜転炉精錬工程〜二次精錬工程)において発生するスラグの系外排出量削減と等価であり、スラグ廃棄に伴うコストや環境負荷を低減することができる。すなわち、二次精錬スラグ使用量がスラグ系外排出削減量と一致するため、二次精錬スラグ使用量の分、スラグ廃棄に伴うコストや環境負荷を低減することができる。
尚、Al源として二次精錬スラグを用いない場合は、ボーキサイト、ギブサイトなどのAl含有鉱物や廃アルミナレンガなどを用いることができる。
上述のFeOは、溶銑予備処理時の固体酸素源として使用される。上述の転炉スラグ100質量%に対し、FeO換算で1.0質量%以上20.0質量%未満の酸化鉄を前記溶銑予備処理容器内に投入する第5の工程を有することが好ましい。
これにより、精錬効率の向上を実現することができる。酸化鉄源としては、鉄鉱石の他、粉鉱石を焼結して塊状にしたものや、スケール粉やダストを成型したペレットなどを使用することができる。
第5の工程は、第1の工程より後でかつ第2の工程より前、又は、第2の工程と同時であることが好ましい。
上述のKO、LiO、NaO、CaF、MgO、SrOは、スラグの融点を低下させるための滓化促進剤として使用される。上述の転炉スラグ100質量%に対し、これらの滓化促進剤のうちで、1種又は2種以上をそれぞれ0.3〜5.0質量%未満を、溶銑予備処理容器内に投入する第6の工程を有することが好ましい。これにより、転炉スラグの滓化率を増大させて精錬効率を向上させることができる。
上記の滓化促進剤の投入量が0.3質量%以上の場合、精錬効率がより向上する。また、上記の滓化促進剤の投入量が5.0質量%未満の場合、精錬効率の向上効果と共に、製造コストを抑制することも可能となる。
また、これら滓化促進剤の成分はAlと同じタイミングで投入することにより、転炉スラグの滓化促進効果を享受することができる。これら成分の投入時の形態としては、上記化合物を主成分として精製した化学物質の他、上記成分を含有する化合物、例えばKCO、LiCO、NaCO、MgCO、SrCOなどの炭酸塩、あるいは蛍石、長石、ドロマイトなどの鉱石、鉱物を20mm程度に粉砕したものなど、いずれも好適に使用することができる。
上記の転炉スラグとAl、MnO、FeO、KO、LiO、NaO、CaF、MgO、SrO等の滓化促進剤の投入方法は、特に限定されず、溶銑予備処理時に溶銑予備処理容器内に添加されていれば良い。
転炉精錬と溶銑予備処理を別々の精錬容器で行う操業形態の他に、転炉精錬と溶銑予備処理を同一の転炉を交互に使用して行う操業形態にも適用することができる。
転炉精錬と溶銑予備処理を同一の転炉を交互に使用して行う操業形態では、転炉精錬処理後に、一部の転炉スラグを残して排滓を行い、そこに、溶銑予備処理を行う溶銑と、上記の転炉スラグの細粒とAl等の滓化促進剤を投入して、溶銑予備処理を行うこともできる。
上記の通り、本実施形態に係る溶銑予備処理方法は、溶銑予備処理工程を経た溶銑を転炉精錬する際に得られる転炉スラグを、溶銑予備処理用の精錬剤としてリサイクルする溶銑予備処理方法である。
本実施形態に係る溶銑予備処理方法は、前記転炉スラグの粒径が3mm以上25mm未満の範囲となり、前記転炉スラグのうち、粒径20mm以上25mm未満の転炉スラグの比率が前記転炉スラグの全量に対して10質量%以上15質量%未満となるように前記転炉スラグを整粒する第1の工程を有する。
また、本実施形態に係る溶銑予備処理方法は、整粒後の前記転炉スラグを溶銑予備処理容器内に投入する第2の工程を有する。
また、本実施形態に係る溶銑予備処理方法は、前記第1の工程より後でかつ前記第2の工程より前、又は、前記第2の工程と同時に、前記転炉スラグ100質量%に対して1.0質量%以上10.0質量%未満のAlを前記溶銑予備処理容器内に投入する第3の工程を有する。
また、本実施形態に係る溶銑予備処理方法は、前記溶銑予備処理容器内に、前記転炉スラグ100質量%に対して0.3質量%以上10.0質量%未満のMnOを投入する第4の工程を有する。
これにより、溶銑予備処理容器内のスラグの粘度を上昇させることなく転炉スラグの滓化を促進することができるため、スラグの系外排出量の削減を図るとともに、スロッピングの発生を回避し、精錬剤として使用する生石灰の使用量を削減することができる。
[実施例]
以下に、本発明に係る溶銑予備処理方法の効果を確認すべく、実施した実験例の結果等について説明する。
先ず、溶銑予備処理工程を経た溶銑を転炉精錬する際に得られる転炉スラグを、冷却した後、細粒化したものを篩い分けて、下記の表1に示す粒径とした転炉スラグの細粒を得た。
この転炉スラグの細粒100質量%(全量)に対し、下記の表1に示す割合のAlとMnO、並びにその他の副原料を溶銑予備処理容器に投入した。そして、他の精錬条件を同一とした条件下で脱P処理を行った。
尚、表1の中で、「二次精錬スラグ割合(質量%)」の欄に値の記載がある実験例では、投入されるAlは、二次精錬スラグ中に含まれるAlに由来するものである。
表1には、各実験例に係る、Al投入後の転炉スラグ投入時刻、脱P率(=([%P]初期―[%P]終了後)/[%P]初期)、溶銑予備処理で投入した転炉スラグ100質量%に対する脱炭炉での追加生石灰割合、転炉スラグにAlとMnO、並びにその他の副原料を入れたときの転炉スラグの融点、スロッピングの有無、二次精錬スラグリサイクルによるスラグ系外排出量削減原単位、副原料ホッパー詰まり発生率、転炉スラグ滓化率等を示した。スロッピングの有無は、溶銑予備処理時のスロッピングの発生状況を目視で確認することで判断した。
尚、脱P率は、製品に許容されるP濃度を満たすため、80%以上が必須である。脱炭炉での追加生石灰は、80%以上の脱P率を達成するために添加量が調整される。本発明を実施しない場合の追加生石灰割合は60〜90%であるため、これが60%未満であれば精錬効率の改善と見做せる。
また、転炉スラグの融点は、本発明を実施しない場合は1400℃程度であった。転炉スラグの融点を溶銑温度である1350℃以下に低下させれば、滓化率が向上して精錬効率の改善が見込める。
スラグ系外排出量削減原単位は、本来は系外に排出すべき二次精錬スラグをリサイクル利用するものであるから、Al源として投入した二次精錬スラグ量の原単位と一致する。
副原料投入ホッパー詰まりの発生率が10%を超える場合は操業が大きく阻害されるため、副原料投入ホッパー詰まりの発生率が10%未満であることが必須である。
転炉スラグの滓化率は、(精錬終了後のスラグ中CaO濃度)/(転炉スラグが全て溶解したときのCaO濃度)×100(%)として定義され、これが40(%)を超える値であれば精錬材としての生石灰使用量を削減することができるため、精錬効率を改善できたと判断した。
Figure 0006544480
Figure 0006544480
実施例1〜30に示すように、粒径3mm以25mm未満の範囲となり、かつ転炉スラグのうち、粒径20mm以上25mm未満の転炉スラグの比率が転炉スラグの全量に対して10質量%以上15質量%未満となるように整粒した転炉スラグを、1.0質量%以上10.0質量%未満のAlと、0.3質量%以上10.0質量%未満のMnOとともに使用した場合、比較例1〜41と比較して、生石灰(転炉スラグ由来でないCaO)の使用量を削減しつつ、高い脱P率を維持することができることが確認された。また、Al源として二次精錬スラグをリサイクルした場合は、系外排出スラグ量を削減することができた。
意図的にAlを添加していない比較例1では、転炉スラグの溶融が進まず、脱P率が低下した。脱P率80%を確保するため、追加生石灰量を増大させた結果、追加生石灰割合が66質量%に達した。
転炉スラグの最大粒径を51mmとした比較例2でも転炉スラグが溶融し難く、脱P率82%を確保するため、生石灰(転炉スラグ由来でないCaO)の使用量を90質量%にまで増加させる必要があった。
MnOを添加していない比較例3では、Alによってスラグの粘度が大きく上昇し、スラグが泡立ちやすくなったため、スロッピングの発生が確認された。
転炉スラグの最小粒径を0.8mmとした比較例4では、転炉スラグが集塵機により吸引されて損失したため、溶銑予備処理炉内に十分投入できず、脱P率を維持するために大量の生石灰を使用することとなった。
Al投入量が12.0質量%であった比較例5では、スラグの粘度上昇が著しく、スロッピングが発生した。
MnO投入量が17.0質量%であった比較例6では、生石灰使用量、脱P率ともに良好であったが、マンガン鉱石を多量に使用したため、コストが増大して損失が発生した。
粒径20mm以上25mm未満の比率がそれぞれ17質量%、50質量%と高い比較例30、31では、転炉スラグの滓化率が低く、脱P率を維持するために大量の生石灰が必要だった。
Alの添加量が0.2質量%と低い比較例32では、転炉スラグの滓化率が低く、脱P率を維持するために大量の生石灰が必要だった。
Alの添加量が20.0質量%と高い比較例33では、スラグの粘度が上昇したために著しいスロッピングが発生し、操業が阻害された。
MnOを添加しない比較例34では、MnOによるスラグ粘度低下の効果がないため、スロッピングが発生して操業が阻害された。
MnOの添加量が17.0質量%と多い比較例35は、生石灰使用量、脱P率ともに良好であったが、マンガン鉱石を多量に使用したため、コストが増大して損失が発生した。
滓化促進剤であるAlを転炉スラグ投入より78〜257秒後に投入した比較例36〜41では、転炉スラグの滓化率が11〜25%と低い値であり、脱P率を向上させるために脱炭工程で追加の生石灰を使用することになり、コストが増大した。
転炉スラグのうちで粒径20mm以上25mm未満の転炉スラグの比率が低い比較例7〜29では、いずれも生石灰使用量、脱P率ともに良好であったが、副原料ホッパー詰まりの発生比率が高く、操業が阻害された。
以上のように、本発明に係る溶銑予備処理方法よれば、溶銑予備処理容器内のスラグの粘度を上昇させることなく転炉スラグの滓化を促進することができる。また、本発明に係る溶銑予備処理方法よれば、投入ホッパーの閉塞という操業阻害要因を避けることができる。
本発明に係る溶銑予備処理方法は、製鋼工程で発生するスラグを精錬剤として再利用してスラグの系外排出量の削減を図るとともに、精錬剤の使用によるスロッピングの発生を回避し、かつ高純度鋼の製鋼工程において、精錬剤として使用する生石灰(転炉スラグ由来でないCaO)の使用量を削減することができ産業界における価値は極めて高い。

Claims (4)

  1. 溶銑予備処理工程を経た溶銑を転炉精錬する際に得られる転炉スラグを、溶銑予備処理用の精錬剤としてリサイクルする溶銑予備処理方法であって、
    前記転炉スラグの粒径が3mm以上25mm未満の範囲となり、前記転炉スラグのうち、粒径20mm以上25mm未満の転炉スラグの比率が前記転炉スラグの全量に対して10質量%以上15質量%未満となるように前記転炉スラグを整粒する第1の工程と;
    前記第1の工程での整粒後の前記転炉スラグを溶銑予備処理容器内に投入する第2の工程と;
    前記第1の工程より後でかつ前記第2の工程より前、又は、前記第2の工程と同時に、前記転炉スラグ100質量%に対して1.0質量%以上10.0質量%未満のAlを前記溶銑予備処理容器内に投入する第3の工程と;
    前記第3の工程と同時、もしくは第3の工程の前、又は第3の工程より後に、前記溶銑予備処理容器内に、前記転炉スラグ100質量%に対して0.3質量%以上10.0質量%未満のMnOを投入する第4の工程と;
    を有することを特徴とする溶銑予備処理方法。
  2. 前記Alが、転炉精錬工程を経た溶鋼を二次精錬する際に得られる二次精錬スラグに含まれるAlである
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶銑予備処理方法。
  3. 更に、前記第1の工程より後でかつ前記第2の工程より前、又は、前記第2の工程と同時に、前記転炉スラグ100質量%に対し、FeO換算で1.0質量%以上20.0質量%未満の酸化鉄を前記溶銑予備処理容器内に投入する第5の工程を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑予備処理方法。
  4. 更に、前記第3の工程と同時に、前記溶銑予備処理容器内に、前記転炉スラグ100質量%に対し、KO、LiO、NaO、MgO、CaF、SrOのうち1種又は2種以上をそれぞれ0.3質量%以上5.0質量%未満投入する第6の工程を有する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の溶銑予備処理方法。
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