JP6544338B2 - 電流センサ - Google Patents

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Description

本明細書は、集磁コアと磁電変換素子を備えた電流センサを開示する。
集磁コアと磁電変換素子を備えた電流センサが知られている。集磁コアは、電流が流れる導体を囲むリング形状をなしている。集磁コアは、リングの一か所が分断されてギャップが形成されている。磁電変換素子はセンサチップに内蔵されており、そのセンサチップは集磁コアのギャップに配置される。センサチップは、内部の磁電変換素子の感磁方向がギャップに面する集磁コアの端面の法線方向を向くように配置される。集磁コアは、導体を流れる電流に起因して発生する磁束を集める。磁電変換素子は、集磁コアのギャップを通る磁束を計測する。センサチップに接続しているセンサコントローラは、磁電変換素子が計測した磁束の大きさに基づいて導体に流れる電流を特定する。
特許文献1に、集磁コアのギャップに同タイプの2個のセンサチップを配置した電流センサが開示されている。センサチップは、導体の延設方向に沿って並べて配置されている。センサコントローラは、同じタイプの2個のセンサチップ(2個の磁電変換素子)の出力差が所定の閾値(エラー判定閾値)を超えたとき、いずれかのセンサチップで異常が生じていることを示すエラー信号を出力する。
特開2013−13169号公報
2個のセンサチップをギャップに配置する場合、2個のセンサチップは、ギャップに面する集磁コアの端面の法線方向からみて、端面中心に対して左右対称(あるいは上下対称)の位置に配置される。ただし、2個のセンサチップは同じ姿勢で配置される。集磁コアの端面の面積が十分に大きければ、2個のセンサチップは一様な磁場にさらされ、2個のセンサチップが正常であれば、それらは同一の計測結果を出力する。
一方、センサチップの製造上あるいは設計上の要請により、磁電変換素子が、センサチップの中心からいずれかの方向に偏った位置に収容される場合がある。例えば、端面中心に対して左右対称の位置に同じ姿勢で配置された2個のセンサチップを集磁コアの端面の法線方向からみたとき、磁電変換素子がチップ内で右寄りに位置していたとする。このとき、端面中心の左側のセンサチップ内の磁電変換素子は、右側のセンサチップ内の磁電変換素子よりも端面中心の近くに位置することになる。即ち、センサチップを端面中心に対して対称の位置に配置しても、2個のセンサチップ内の磁電変換素子は端面中心からの距離が相違する。集磁コアの端面の面積が大きく、2個のセンサチップの全体が一様な磁場に晒される場合は良い。しかし、センサの小型化を目指して集磁コアの端面の面積を小さくすると、ギャップ間で磁場が一様な範囲が狭くなってくる。そうすると、2個の磁電変換素子の端面中心からの距離のわずかな相違が、夫々の受ける磁場の相違を生じさせ、2個の磁電変換素子の出力(センサチップの出力)に差が生じる。本明細書は、センサチップ内の磁電変換素子のチップ中心からのずれに起因する2個のセンサチップの出力差を抑える技術を提供する。
本明細書が開示する電流センサは、集磁コアと、2個のセンサチップを備えている。集磁コアは、計測対象の電流が流れる導体を囲むリング形状をなしている。リングの一か所が分断され、ギャップが形成されている。2個のセンサチップは、ギャップに配置されている。夫々のセンサチップは磁電変換素子を収容している。磁電変換素子は、集磁コアのギャップに面する端面の法線方向からみてセンサチップのチップ中心からずれて配置されている。2個のセンサチップは、感磁方向が集磁コアのギャップに面する端面の法線方向に延びるように配置されている。さらに、2個のセンサチップは、上記法線方向からみて、センサチップの姿勢(磁電変換素子の位置)を含めて端面中心に対して点対称になるように配置されている、または、センサチップの姿勢(磁電変換素子の位置)を含めて端面中心を通る直線に対して線対称になるように配置されている。なお、ここでいう「点対称」及び「線対称」とは、センサチップの位置だけでなく、その姿勢(チップ中心に対する磁電変換素子の位置)を含めて「点対称」及び「線対称」となっていることを言う。
例えば、センサチップの右側面が端面中心寄りに位置し、左側面が端面中心から遠い側に位置するように、2個のセンサチップが端面中心を挟んで線対称に配置されているとする。そして、磁電変換素子がセンサチップ内で中心よりも右側面寄りに位置しているとする。その場合、上記の配置によれば、2個のセンサチップの磁電変換素子はいずれもチップの中心よりも端面中心の近くに位置する。2個のセンサチップの磁電変換素子は、端面の法線方向からみて端面中心から等距離に位置する。従って、2個の磁電変換素子は等しい磁場に晒され、2個の磁電変換素子(センサチップ)の出力差は大きくならない。
なお、「2個のセンサチップが端面中心を通る直線に対して線対称(姿勢を含む)に配置されている」とは、次の通りに別言できる。即ち、2個のセンサチップは、端面の法線方向からみて、センサチップ中心の垂直二等分線が端面中心を通るとともに、2個のセンサチップの姿勢が垂直二等分線に対して鏡像の関係となるように配置される。
本明細書が開示する電流センサは、さらに、2個の磁電変換素子の出力差が所定の閾値を超えたときにエラー信号(少なくとも一方のセンサチップで異常が発生したことを示す信号)を出力するセンサコントローラを備えているとよい。上記した電流センサは、正常時の2個のセンサチップの出力差が小さいので、所定の閾値を小さくすることができ、異常検知の精度が高くなる。
2個のセンサチップの出力差で異常検知を行うセンサコントローラを備える場合、2個のセンサチップは、ギャップを通る磁束に対して正値を出力する感磁方向がお互いに逆方向を向くように配置されているとよい。その場合、2個のセンサチップの出力は正負が互いに逆になる。それゆえ、2個のセンサチップの出力を単純に足し合わせるだけで、2個のセンサチップの出力差(出力値の絶対値の差)が得られる。センサコントローラの回路が簡単になる。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の電流センサを採用した電気自動車の電力系のブロック図である。 図2(A)は、電流センサユニットの正面図である。図2(B)は、電流センサユニットの平面図である。 図3(A)は、ギャップ周辺の拡大平面図である。図3(B)は、端面の法線方向からみたセンサチップの配置を示す図である。 ギャップにおける磁界とセンサチップの関係を説明する図である。 磁界の強さに応じた2個のセンサチップの出力を示すグラフである。 2個のセンサチップの別の配置例を示す図である。図6(A)は、ギャップ周辺の拡大平面図である。図6(B)は、端面の法線方向からみたセンサチップの配置を示す図である。 2個のセンサチップのさらに別の配置例を示す図である(ギャップ周辺の拡大平面図)。 2個のセンサチップのさらに別の配置例を示す図である(端面の法線方向からみた図)。
図面を参照して実施例の電流センサを説明する。まず、実施例の電流センサを採用した電気自動車を説明する。図1は、電気自動車100の電力系のブロック図である。電気自動車100は、バッテリ3の電力でモータ21を駆動して走行する。電力制御器2は、バッテリ3の直流電力の電圧を昇圧した後に交流に変換し、モータ21へ供給する。運転者がブレーキを踏むとモータ21は、車両の減速エネルギを使って発電する。発電で得られた交流電力は、電力制御器2で直流に変換され、さらに降圧され、バッテリ3の充電に使われる。バッテリ3には、電流センサ13が備えられている。
電力制御器2は、2組の電圧コンバータ10a、10bと、インバータ20と、2個のコンデンサ(フィルタコンデンサ14、及び、平滑コンデンサ15)を備えている。2組の電圧コンバータ10a、10bは、低電圧端17と高電圧端18の間で並列に接続されている。
電圧コンバータ10a、10bは、低電圧端17に印加されるバッテリ3の電圧を昇圧して高電圧端18から出力する昇圧機能と、高電圧端18に印加されるインバータ20からの電力の電圧を降圧して低電圧端17に出力する降圧機能を有する。即ち、電圧コンバータ10a、10bは、双方向DC−DCコンバータである。インバータ20からの電力とは、モータ21が発電した交流電力をインバータ20が直流電力に変換した電力である。
第1電圧コンバータ10aは、2個のトランジスタ5a、6a、2個のダイオード7a、8a、リアクトル4a、電流センサ12aで構成される。2個のトランジスタ5a、6aは直列に接続されている。2個のトランジスタ5a、6aの直列接続は、高電圧端18の正極18aと負極18bの間に接続されている。2個のダイオード7a、8aの夫々は、夫々のトランジスタ5a、6aに逆並列に接続されている。リアクトル4aの一端は、2個のトランジスタ5a、6aの直列接続の中点に接続されている。リアクトル4aの他端は、低電圧端17の正極17aに接続されている。低電圧端17の正極17aと負極17bの間にフィルタコンデンサ14が接続されている。低電圧端17の負極17bと高電圧端18の負極18bは直接に接続されている。トランジスタ5aとダイオード8aが主に降圧動作に関与し、トランジスタ6aとダイオード7aが主に昇圧動作に関与する。図1の電圧コンバータ10aの回路構成と動作は良く知られているので詳しい説明は省略する。電流センサ12aは、リアクトル4aを流れる電流を計測する。
第2電圧コンバータ10bは、2個のトランジスタ5b、6b、2個のダイオード7b、8b、リアクトル4b、電流センサ12bで構成される。第2電圧コンバータ10bの構成と機能は第1電圧コンバータ10aと同じであるので説明は省略する。電力制御器2は、同じタイプの2組の電圧コンバータ10a、10bを並列に接続し、負荷の分散を図っている。
高電圧端18の正極18aと負極18bの間には、平滑コンデンサ15が接続されている。平滑コンデンサ15は、2組の電圧コンバータ10a、10bとインバータ20の間を流れる電流の脈動を抑制する。
インバータ20は、電圧コンバータ10a、10bで昇圧されたバッテリ3の直流電力を三相交流電力に変換してモータ21に供給する。また、インバータ20は、モータ21が発電した三相交流電力を直流電力に変換して電圧コンバータ10a、10bに供給する。インバータ20の具体的な回路構成については図示と説明を省略する。インバータ20の三相交流出力線の夫々に電流センサ19a−19cが備えられている。
電圧コンバータ10a、10bとインバータ20は、コントローラ9によって制御される。コントローラ9は、バッテリ3の電流センサ13、及び、電圧コンバータ10a、10bに備えられた電流センサ12a、12bの計測値に基づいて電圧コンバータ10a、10bのトランジスタ5a、5b、6a、6bを駆動する。また、コントローラ9は、インバータ20の三相交流出力線の夫々に備えられた電流センサ19a−19cの計測値に基づいて、インバータ20を制御する。
電力制御器2は、合計5個の電流センサ12a、12b、19a−19cを備えている。電力制御器2は、電流センサ12a、12b、19a−19cの故障を検知する故障検知機能を備えている。次に、故障検知機能について説明する。三相交流のU相、V相、W相の電流の合計は常にゼロであるから、三相交流の各出力線に設けられた3個の電流センサ19a−19cの計測値の合計がゼロでない場合、電流センサ19a−19cのいずれかが故障していることが検知できる。一方、バッテリ3と電力制御器2の間には、不図示の別の負荷装置が接続されているため、バッテリ3の電流センサ13の計測値は、2組の電圧コンバータ10a、10bの電流センサ12a、12bの計測値の合計にはならない。電流センサ12a、12bの夫々は、別の故障検知機能を備えている。電流センサ12a、12bの故障検知機能については後述する。
5個の電流センサ12a、12b、19a−19cは、一つのセンサユニットにまとめられている。図2を参照して電流センサユニット30を説明する。図2(A)は、電流センサユニット30の正面図であり、図2(B)は、電流センサユニット30の平面図である。符号40は、電圧コンバータ10aのリアクトル4aと2個のトランジスタ5a、6aの直列接続をつなぐバスバ40を示している。「バスバ」とは、大電流を低損失で伝達する導体であり、具体的には銅の細長金属板である。符号41は、電圧コンバータ10bのリアクトル4bと2個のトランジスタ5b、6bの直列接続をつなぐバスバ40を示している。符号42a−42cは、インバータ20の三相交流出力線のバスバを示している。
図2(A)、(B)に示すX0Y0Z0座標系は、グローバル座標系を示している。グローバル座標系のX0軸は、バスバ40、41、42a−42cの延設方向に一致している。後に、各センサチップに固有のローカル直交座標系を定義するが、以降の図では、グローバル座標系(X0Y0Z0座標系)のバスバ40、41、42a−42c及び、後述する集磁コア35、36、37a−37cに対する相対的な向きは常に同じであることに留意されたい。別言すれば、本明細書におけるグローバル座標系とは、集磁コアに固定された座標系である。
電流センサユニット30は、各バスバを囲むリング状の集磁コア35、36、37a−37cと、集磁コアのギャップに配置されるセンサチップ32a、32b、33a、33b、34a−34c、センサコントローラ31、及び、それらを封止している樹脂モールドで構成されている。各バスバも樹脂モールドを貫通している。図2では、樹脂モールドの図示は省略した。また、図2(B)では、樹脂モールドに加えてセンサコントローラ31の図示も省略した。集磁コア35、36、37a−37cと、センサチップ32a、32b、33a、33b、34a−34cと、センサコントローラ31は、樹脂モールドにより、バスバに対する相対位置が固定される。
集磁コア35は、リング形状をなしており、そのリングがバスバ40を囲むように配置されている。集磁コア35のリングは、その一か所が分断されている。分断によって生じた空間をギャップと称する。集磁コア35のギャップには2個のセンサチップ32a、32bが配置されている。集磁コア36も、一か所が分断されたリング形状をなしており、そのリングがバスバ41を囲むように配置されている。集磁コア36のギャップにも2個のセンサチップ33a、33bが配置されている。集磁コア37aは、バスバ42aを囲むように配置されており、集磁コア37aのギャップに1個のセンサチップ34aが配置されている。集磁コア37bは、バスバ42bを囲むように配置されており、集磁コア37bのギャップに1個のセンサチップ34bが配置されている。集磁コア37cは、バスバ42cを囲むように配置されており、集磁コア37cのギャップに1個のセンサチップ34cが配置されている。集磁コア35、36のギャップには、バスバ延設方向に沿って2個のセンサチップが配置されているので、集磁コア35、36は、他の集磁コア37a−37cよりもX0軸方向の幅が大きい。グローバル座標系のY0軸の方向は、集磁コア35(及び他の集磁コア)のギャップに面する端面351、352の法線方向に相当する。
各センサチップには磁電変換素子が収容されている。磁電変換素子は、具体的には、検知した磁界の大きさに応じて起電力が変化するホール素子である。集磁コアは、バスバを流れる電流に起因して発生する磁界を集める。発生する磁界の大きさはバスバを流れる電流に比例する。集磁コアのギャップに配置されたセンサチップの磁電変換素子は、集磁コアのギャップを通る磁界(磁束)を計測する。センサチップ32a、32b、33a、33b、34a−34cは、センサコントローラ31に接続されている。センサコントローラ31は、夫々のセンサチップ(磁電変換素子)が計測した磁界(磁束)の大きさから、夫々のバスバを流れる電流の大きさを特定し、特定した結果をコントローラ9へ出力する。集磁コア35とセンサチップ32a、32bとセンサコントローラ31が、図1の電流センサ12aに相当する。集磁コア36とセンサチップ33a、33bとセンサコントローラ31が、図1の電流センサ12bに相当する。集磁コア37aとセンサチップ34aとセンサコントローラ31が、図1の電流センサ19aに相当する。集磁コア37bとセンサチップ34bとセンサコントローラ31が、図1の電流センサ19bに相当する。集磁コア37cとセンサチップ34cとセンサコントローラ31が、図1の電流センサ19cに相当する。
センサチップ32a、32b、33a、33b、34a−34cは、内部の磁電変換素子が検知した磁界の大きさに応じて出力電流が変化するように構成されている。磁電変換素子は、感知できる磁界の方向が決まっており、その方向は感磁方向と呼ばれる。感磁方向には正負があり、その正の方向とは、センサチップ(磁電変換素子)を通過する磁束に対してセンサ出力が正値となる向きである。別言すれば、センサチップ32a、32b、33a、33b、34a−34cは、感磁方向と等しい方向の磁界を受けると正値の電流を出力し、感知方向と逆方向の磁界を受けると負値の電流を出力する。
電流センサの故障検知機能について説明する。先に述べたように、三相交流出力の合計は常にゼロである。センサコントローラ31は、センサチップ34a−34cの計測値の合計の絶対値が所定の閾値を超えた場合、センサチップ34a−34cのいずれかで異常が発生していることを示す信号(エラー信号)をコントローラ9へ出力する。
集磁コア35とセンサチップ32a、32bとセンサコントローラ31で構成される電流センサ、及び、集磁コア36とセンサチップ33a、33bとセンサコントローラ31で構成される電流センサは、別の故障検知機能を備えている。集磁コア35とセンサチップ32a、32bとセンサコントローラ31で構成される電流センサの故障検知機能について説明する。なお、以下の説明は、集磁コア36とセンサチップ33a、33bとセンサコントローラ31で構成される電流センサについても該当する。
センサチップ32a、32bは同タイプ(同形状)であり、ともに集磁コア35のギャップに配置されている。センサチップ32a、32bが正常であれば、両センサチップの出力は等しい。センサチップ32a、32bの出力に所定値以上の差があれば、センサチップ32a、32bのどちらかが故障していることがわかる。センサコントローラ31は、集磁コア35のギャップに配置された2個のセンサチップ32a、32bの出力差(出力の絶対値の差)が所定の閾値を超えたらエラー信号(異常が発生していることを示す信号)を出力する。所定の閾値は、2個のセンサチップ32a、32bが正常に動作しているときの出力差の許容値に基づいて設定される。
集磁コア35のギャップに配置される2個のセンサチップ32a、32bの出力差は正常時はゼロに近いほどよい。そのため、2個のセンサチップ32a、32bは、同じ大きさの磁場が加わるように、集磁コア35のギャップに配置される。具体的には、2個のセンサチップ32a、32bは、集磁コア35のギャップに面する端面351、352の法線方向からみて、ギャップ中心を通る直線の両側に一つずつ配置されるとともに、ギャップ中心から等距離の位置に配置される。この点については、図3、図4を参照して後に詳しく説明する。なお、法線方向からみたときのギャップ中心とは、別言すれば、端面中心である。以下では、「端面の法線方向からみたときのギャップ中心」を単に「端面中心」と表記する場合がある。
ところで、製造上の、あるいは、設計上の事情により、各センサチップ内の磁電変換素子は、チップ中心から所定の方向に偏った位置に置かれることが起こり得る。2個のセンサチップを同じ姿勢でギャップ内に並べた場合、端面の法線方向からみて、一方のセンサチップ内の磁電変換素子はチップ中心よりもギャップ中心に近くなり、他方のセンサチップ内の磁電変換素子はチップ中心よりもギャップ中心から離れることになる。すなわち、法線方向からみて2個のセンサチップをギャップ中心に対して対称の位置に配置したとしても、2個のセンサチップ内の磁電変換素子の端面中心からの距離が相違してしまうことが起こり得る。2個のセンサチップ内の磁電変換素子のギャップ中心からの距離が相違すると、2個の磁電変換素子(センサチップ)の出力の絶対値が相違する。2個のセンサチップ32a、32bの出力差に基づく故障検知機能においては、故障を判定する閾値は小さい方が望ましい。2個のセンサチップ32a、32bは、センサチップ内の磁電変換素子の位置がセンサチップの中心から偏っていても、2個のセンサチップの出力差が大きくならないように工夫して配置されている。以下、センサチップ32a、32bのギャップ内での配置について説明する。
図3(A)は、集磁コア35のギャップ周辺の拡大平面図であり、図3(B)は、ギャップに面する集磁コア35の端面351の法線方向からみたセンサチップ32a、32bの配置図である。端面351の法線方向とは、グローバル座標系のY0軸の方向に相当する。センサチップ32aには磁電変換素子52aが内蔵されており、センサチップ32bには磁電変換素子52bが内蔵されている。磁電変換素子52a、52bは、ホール素子であり、素子を貫く特定方向の磁界(磁束)を検知することができる。先に述べたように、素子が検知する磁界(磁束)の方向は感磁方向と呼ばれている。
ここで、各センサチップに固有のローカル直交座標系を定義する。ローカル直交座標系は、集磁コア35(グローバル座標系)に対する各センサチップの姿勢を特定するために導入する。ローカル直交座標系の原点はセンサチップの中心に設定する。ローカル直交座標系のX軸は、内蔵された磁電変換素子の感磁方向に一致させる。ローカル直交座標系のX軸の正方向は、その方向の磁界(磁束)の増加に対してセンサチップの出力が増加する方向にとる。別言すれば、X軸の正方向は、磁界(磁束)の強さとセンサチップの出力が正の相関を有する向きにとる。ローカル直交座標系のY軸は、感磁方向(即ちX軸)と直交する方向であり、センサチップの特定の向きに一致させる。Z軸は、X軸とY軸に直交する方向にとる。図3に示すように、センサチップ32aのローカル直交座標系をXa、Ya、Zaで表し、センサチップ32bのローカル直交座標系をXb、Yb、Zbで表す。
センサチップ32a、32bは、同じタイプのチップであり、内部の磁電変換素子52a、52bの位置は、センサチップの中心から同じ方向に偏っている。磁電変換素子52a、52bの実際の位置は、ローカル直交座標系の原点からY軸(Ya軸、Yb軸)の正方向にdYだけ偏っている。
2個のセンサチップ32a、32bは、チップ内の中心(即ち、ローカル直交座標系の原点)が、集磁コア35のギャップに面する一対の端面351、352の中間点に位置するように配置される。図3(A)に示すように、磁電変換素子の中心(即ち、ローカル直交座標系の原点)は、端面351、352のいずれからも距離Wだけ離れている。
また、2個のセンサチップ32a、32bは、集磁コア35のギャップに面する端面351、351の法線方向(図中のY0方向)からみたときに、ギャップ中心CP(端面中心)を通りバスバ40と直交する直線(中心線CL)の両側に一つずつ配置される。さらに、2個のセンサチップ32a、32bは、端面351、352の法線方向からみたときに、ギャップ中心CPから等距離の位置に配置される。すなわち、図3(A)、(B)において、ギャップ中心CPとセンサチップ32aのローカル直交座標系の原点との間の距離L1と、ギャップ中心CPとセンサチップ32bのローカル直交座標系の原点との間の距離L1が等しい。そして、センサチップ32a、32bは、夫々のローカル直交座標系のY軸(Ya軸、Yb軸)が、互いに逆方向を向くように配置される。図3に示されているように、センサチップ32aのローカル直交座標系のYa軸と、センサチップ32bのローカル直交座標系のYb軸は、互いに逆を向いている。
上記の配置により、センサチップ32a、32bのいずれにおいても、磁電変換素子52a、52bは、ギャップ中心CPから距離L1+dYのところに位置にする。図3(B)の配置は、別言すれば以下の通りである。2個のセンサチップ32a、32bは、端面の法線方向からみてギャップ中心CP(端面中心)を通る直線(中心線CL)に対して、それらの姿勢を含めて線対称に配置されている。中心線CLは、2個のセンサチップ32a、32bの中心(ローカル座標系の原点)の垂直二等分線に相当する。従って2個のセンサチップ32a、32bの配置はさらに次の通りに別言することができる。2個のセンサチップ32a、32bは、端面の法線方向からみて、それらの中心の垂直二等分線がギャップ中心CP(端面中心)を通り、それらの姿勢を含めて垂直二等分線に対して鏡像の関係となるように配置される。
図4に、ギャップにおける磁電変換素子と磁界の関係を表す模式図を示す。矢印線Hが磁界(磁界H)を示す。磁界Hは、ギャップ中心CPの上下(図中の上下)で対象となる。磁界Hは、ギャップ中心CPの付近では、平行で一様あるが、ギャップ中心CPから離れるにつれて湾曲する。センサチップ32a、32bのいずれも、磁電変換素子は、センサチップの中心(ローカル直交座標系の原点Oa、Ob)からローカル直交座標系のYa、Yb方向にdYだけ偏った場所Pa1、Pb1に位置する。ローカル直交座標系のYa軸とYb軸は、互いに逆方向を向いているので、いずれのセンサチップ32a、32bでも、磁電変換素子52a、52bのギャップ中心CPからの距離は、L1+dYとなり、磁界Hとの相対関係が同じとなる。従って、センサチップ内の磁電変換素子の位置がチップ中心からずれていても、2個のセンサチップ32a、32bの出力差は大きくはならない。
図3(B)を参照して、2個のセンサチップ32a、32bに内蔵された磁電変換素子52a、52bのZ0方向の関係について説明する。磁電変換素子のローカル直交座標系のZ方向の位置がチップ中心からdZだけ偏っているとする。なお、チップ中心(ローカル直交座標系の原点)は、バスバ40から距離T1の位置である。いずれの磁電変換素子52a、52bも、端面の法線方向からみたときのギャップ中心CP(端面中心)からdZだけ遠ざかることになり、バスバ40からの距離は、T1+dZで等しい。また、磁電変換素子52a、52bのギャップ中心CPに対するZ0方向の距離は、いずれもdZで等しい。従って、2個の磁電変換素子52a、52bの並び方向と交差する方向(グローバル座標系のZ0方向)では、2個のセンサチップ32a、32bのローカル直交座標系の軸(Za軸とZb軸)が同じ方向を向いていても、2個のセンサチップ32a、32bの出力差は大きくならない。
また、2個のセンサチップ32a、32bは、磁電変換素子52a、52bの感磁方向を示すX軸が、互いに反対方向を向くように配置されている。この特徴は、次の利点を与える。図5に、横軸に磁界の強さをとり、縦軸にセンサチップ出力をとったグラフを示す。先に述べたように、センサチップ32a、32bの出力は、磁界の向きが感磁方向(ローカル直交座標系のX軸正方向)と同じであれば、正値の出力となる。また、磁界の向きが感磁方向(ローカル直交座標系のX軸正方向)と逆であれば、センサチップ32a、32bの出力は負値となる。そうすると、ローカル直交座標系のX軸が互いに逆方向を向いているセンサチップ32a、32bの出力は、図5のごとく、原点で交差するグラフとなる。なお、グラフGaがセンサチップ32aの出力グラフであり、グラフGbがセンサチップ32bの出力グラフである。図5から、センサチップ32aとセンサチップ32bの出力を加算器で単純に加算するだけで、2個のセンサチップ32a、32bの出力差(出力の絶対値の差)が得られることが理解できる。このことにより、2個のセンサチップ32a、32bの出力差が所定の閾値を超えたらエラー信号を出力するセンサコントローラ31の回路構成がシンプルになる。
センサチップ32a、32bと集磁コア35とセンサコントローラ31で構成される電流センサの特徴をまとめると以下の通りである。集磁コア35は、一か所が分断されてギャップが形成されているリング形状をなしている。そのリングがバスバ(計測対象の電流が流れる導体)を囲んでいる。センサチップ32a、32bは、同じタイプ(同形状)であり、集磁コア35のギャップに配置されている。センサチップ32aは磁電変換素子52aを収容しており、センサチップ32bは磁電変換素子52bを収容している。2個のセンサチップ32a、32bは、集磁コア35のギャップに面する一対の端面351、352の法線方向からみて、ギャップ中心CP(端面中心)を通りバスバ40と直交する直線(中心線CL)の両側に一つずつ配置される。2個のセンサチップ32a、32bは、法線方向からみて、ギャップ中心CPから等距離の位置に配置される。夫々のセンサチップ32a、32bに対して、その中心に原点が設定され、X軸が内蔵された磁電変換素子52a、52bの感磁方向を向き、Y軸とZ軸が夫々感磁方向と直交するローカル直交座標系を定義する。このとき、2個のセンサチップ32a、32bは、夫々のローカル直交座標系のX軸が端面351の法線方向を向き、Y軸が2個のセンサチップ32a、32bの並び方向に平行に延びるとともにお互いに逆方向を向くように配置される。別言すれば、2個のセンサチップ32a、32bは、磁束に対して正値を出力する感磁方向が集磁コアの端面の法線方向で互いに逆方向を向き、法線方向からみてギャップ中心CP(端面中心)を通る直線(中心線CL)に対して、姿勢を含めて線対称となるように配置される。
センサコントローラ31は、2個のセンサチップ32a、32b(磁電変換素子52a、52b)の出力差(出力の絶対値の差)が所定の閾値を超えたときにエラー信号を出力する。なお、センサコントローラ31は、2個のセンサチップ32a、32bの少なくとも一方の出力に基づいて、バスバ40を流れる電流値を算定して出力する。
2個のセンサチップ32a、32bは、夫々のローカル直交座標系のX軸がお互いに逆方向を向くように配置されている。この配置により、センサコントローラ31は、簡単な回路構成で2個のセンサチップ32a、32bの出力差(出力の絶対値の差)を得ることができる。
図2に示すセンサチップ33a、33bの配置も、センサチップ32a、32bの配置と同じであり、同様の利点が得られる。
図6を参照して、2個のセンサチップ32a、32bの別の配置例を説明する。図6(A)と図6(B)は、それぞれ、図3(A)と図3(B)に対応する。図3では、センサチップ32a、32bのローカル直交座標系のX軸(Xa軸とXb軸)は、互いに反対方向を向いていた。図6の変形例では、センサチップ32a、32bのローカル直交座標系のX軸(Xa軸とXb軸)は、同じ方向を向いている。そのかわり、ロ―カル座標系のZ軸(Za軸とZb軸)が互いに反対方向を向いている。なお、2個のセンサチップ32a、32bの並び方向に延びるローカル直交座標系のY軸(Ya軸とYb軸)は、図3の場合と同様に、互いに反対方向を向いている。図6の配置によっても、センサチップ内の磁電変換素子52a、52bの位置がチップ中心(ローカル直交座標系の原点)からローカル直交座標系のY軸方向にdYだけ偏っている場合、いずれのセンサチップ32a、32bの磁電変換素子52a、52bも、端面の法線方向からみたときのギャップ中心CP(端面中心)から等距離(L1+dY)に位置することになる。この場合でも、2個のセンサチップ32a、32bの出力差は大きくならない。
図6(B)の配置において、2個のセンサチップ32a、32bは、中心線CLに対して線対称の位置ではあるが、ローカル座標系のZ軸とY軸がともに反対方向を向いており、姿勢は鏡像の関係にはない。2個のセンサチップ32a、32bは、端面の法線方向からみたときのギャップ中心CP(端面中心)に対して点対称に配置されていることになる。ここで「点対称」とは、センサチップの姿勢も含む。2個のセンサチップがそれらの姿勢を含んでギャップ中心CPに対して点対称とは、2個のセンサチップの位置がギャップ中心CPに対して点対称の位置にあることに加えて、一方のセンサチップをその中心回りに180度回転させて他方のセンサチップに重ね合わせると、両者の輪郭が一致することをいう。
図6の配置では、ローカル直交座標系のZ軸(Za軸とZb軸)が互いに逆方向を向いている。センサチップ32a、32bの中心(チップ中心)が、端面の法線方向からみてギャップ中心CPに対して点対称の位置であれば、磁電変換素子の位置がチップ中心から偏っていても、2個のセンサチップの出力差は大きくならない。図6(B)に示すように、センサチップ32a、32bの磁電変換素子52a、52bの位置がチップ中心からローカル直交座標系のZ軸正方向にdZだけずれても、夫々の磁電変換素子52a、52bのギャップ中心CPからの距離は等しくなる。従って、夫々の磁電変換素子52a、52bに対する磁界の相対関係も等しくなり、夫々のセンサチップ32a、32bの出力差は大きくならない。この利点は、センサチップ32a、32bが、端面351の法線方向からみて、ギャップ中心CPに対して点対称に配置されていれば得られる。
図7、図8を参照して、2個のセンサチップ32a、32bのさらに別の配置例を説明する。図7、図8の配置例では、2個のセンサチップ32a、32bは、集磁コア135の端面351、352の法線方向(グローバル座標系のY0方向)から見て、ギャップ中心CPを通りバスバ40と平行な直線(中心線CL2)の両側に一つずつ配置される。
2個のセンサチップ32a、32bは、集磁コア135のギャップに面する一対の端面351、352の中間に位置するように配置される。図7に示すように、2個のセンサチップ32a、32bは、端面351、352のいずれからも距離Wの位置に配置される。また、2個のセンサチップ32a、32bは、端面351の法線方向からみてギャップ中心CP(端面中心)から等距離(距離L2)の位置に配置される。そして、夫々のセンサチップ32a、32bに対して、その中心に原点が設定され、X軸が内部の磁電変換素子52a、52bの感磁方向を向き、Y軸とZ軸の夫々が感磁方向と直交する方向を向くようにローカル直交座標系を定義する。このとき、2個のセンサチップ32a、32bは、夫々のローカル直交座標系のX軸が法線方向を向き、かつ、Y軸が2個のセンサチップ32a、32bの並び方向に平行に延びるとともにお互いに逆方向を向くように配置される。図7、図8の例では、磁電変換素子52a、52bのチップ内での位置は、チップ中心からローカル直交座標系のY軸正方向にdYだけ偏っている。図7、図8に示すように、この場合、センサチップ32a、32bの中の磁電変換素子52a、52bは、いずれも、ギャップ中心CPから距離L2+dYの距離に位置する。磁電変換素子52a、52bがギャップ中心CPから等距離に位置するので、2個のセンサチップ32a、32bの出力差は大きくはならない。
図8の配置も、2個のセンサチップ32a、32bは、ギャップに面する端面の法線方向からみたときのギャップ中心CP(端面中心)に対して、それらの姿勢を含めて点対称に配置されている。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。図3の配置の特徴と図8の配置の特徴を合わせて次のように表現することができる。2個のセンサチップは、集磁コアのギャップに面する端面の法線方向からみてギャップ中心CPを通りバスバ(導体)と直交する直線CL、あるいは、ギャップ中心CPを通りバスバ(導体)と平行な直線CL2の両側に1個ずつ配置されていることが望ましい。ギャップ中心CPとは、集磁コアのギャップに面する端面の法線方向からみて、端面の輪郭の中心(端面中心)を意味する。集磁コアのギャップに面する端面の輪郭が円形の場合、2個のセンサチップは、端面の法線方向からみて、ギャップ中心を通れば如何なる向きの直線であっても、その直線の両側に一つずつ配置されていればよい。
ギャップを挟んだ一対の端面の夫々の形状は、法線方向からみて左右上下が対称の形状であればよい。ギャップを挟む一対の端面は同形状でなくともよいが、いずれの端面も端面中心に対して上下左右が対称の形状であればよい。
実施例のいずれの配置例も、2個のセンサチップは、集磁コアの端面の法線方向からみて、2個のセンサチップのセンサ中心を結ぶ線分の中点にギャップ中心が位置するように配置されていた。図3と図6の配置例は、別言すると、2個のセンサチップは、それらの中心が、集磁コアの端面の法線方向からみて、ギャップ中心を通りバスバ40の延設方向と平行な直線上に位置するように、配置されている。図7、図8の配置例は、別言すると、2個のセンサチップは、それらの中心が、集磁コアの端面の法線方向からみて、ギャップ中心を通りバスバ40と直交する直線上に位置するように、配置されている。
集磁コアの端面の法線方向における2個のセンサチップの位置は、一対の端面の中間点であることが望ましいが、中間点に限られない。
2個のセンサチップ32a、32bの3種類の配置例とその利点は、図2に示すセンサチップ33a、33bと集磁コア36についても該当する。
上記した実施例では、磁電変換素子はセンサチップ内でチップ中心からずれた位置に収容されている。磁電変換素子がセンサチップ内でチップ中心に配置されていれば、2個のセンサチップを同じ姿勢でギャップに配置してもよいと思える。しかしながら、磁電変換素子のチップ内での設計上の位置がチップ中心であっても、2個のセンサチップを線対称あるいは点対称に配置するのがよい。磁電変換素子のチップ内での設計上の位置がチップ中心であっても、製造装置あるいは製造工程の固有の特性により、磁電変換素子のチップ内での位置が設計位置からずれることが起こり得る。製造装置あるいは製造工程の固有の特性は、製造される全てのセンサチップに等しく及ぶから、複数のセンサチップにおいて、磁電変換素子のチップ内の実際の位置は、チップ中心から同じ方向にずれる。すなわち、上記した実施例と同じ状況となる。磁電変換素子のセンサチップ内での設計上の位置がチップ中心であっても、本明細書が開示する技術は有効である。
実施例における集磁コア35とセンサチップ32a、32bで構成される電流センサが請求項の電流センサの一例に相当する。実施例のセンサコントローラ31が請求項のセンサコントローラの一例に相当する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:電力制御器
3:バッテリ
4a、4b:リアクトル
5a、5b、6a、6b:トランジスタ
7a、7b、8a、8b:ダイオード
9:コントローラ
10a、10b:電圧コンバータ
12a、12b、13、19a−19c:電流センサ
14:フィルタコンデンサ
15:平滑コンデンサ
20:インバータ
21:モータ
30:電流センサユニット
31:センサコントローラ
32a、32b、33a、33b、34a−34c:センサチップ
35、36、37a−37c、135:集磁コア
40、41、42a−42c:バスバ
52a、52b:磁電変換素子
100:電気自動車
351、352:端面
CP:ギャップ中心

Claims (3)

  1. 導体を流れる電流を計測する電流センサであり、
    前記導体を囲むリング形状をなしているとともに、当該リング形状の一か所が分断されてギャップが形成されている集磁コアと、
    夫々が磁電変換素子を収容しており、前記ギャップに配置されている2個のセンサチップと、
    を備えており、
    前記磁電変換素子は、前記集磁コアの前記ギャップに面する端面の法線方向からみて前記センサチップのチップ中心からずれて配置されており、
    2個の前記センサチップは、感磁方向が前記法線方向に延びるように配置されているとともに、前記法線方向からみて、前記端面の中心(端面中心)に対して前記磁電変換素子の位置を含めて点対称になるように配置されている、または、前記端面中心を通る直線に対して前記磁電変換素子の位置を含めて線対称になるように配置されている、電流センサ。
  2. 2個の前記磁電変換素子の出力差が所定の閾値を超えたときにエラー信号を出力するセンサコントローラをさらに備えている請求項1に記載の電流センサ。
  3. 2個の前記センサチップは、前記ギャップを通る磁束に対して正値を出力する感磁方向がお互いに逆方向を向くように配置されている、請求項2に記載の電流センサ。
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